+難しい方面の話

761 エァプルの発表を待ちながら、今さら「PSE騒動」を回顧しつつ、ホワイトリスト問題について説明

どうも皆様。また2.5Ghz関連とは違う話題です。


◆待っている理由

もうちょっとしたら、スティーブジョブスという人がアメリカで面白いことをいう行事があって、それで日本のほうでも色々と悲喜こもごもになる筈です。そして、予想される発表の中には、このブログ的なネタもあるであろうことから、すぐ記事を書くつもりで準備しておりました。

しかし、発表時間を私に教えた奴がインチキ時間を教えてしまっていたため、執筆しようと思ったところスティーブジョブスがオモロイ事をいう行事はまだこれからだったということで、しょうがないので別のネタを書いてみたいと思います。

従来とは毛色の違うネタですが、それなりに面白いはずです。そして、一見脱線に見えて、最終的には携帯っぽいネタにも接続します。


◆改正されたPSE法が施行されたらしい

数年前になりますか、PSE法というもので結構な騒動になったことがありました。あれの改正版が2007年末にとうとう施行状態になったようです。

電気安全なんたらの法律でPSEマークを取っていない機器は販売まかりならんということになり、そして古い機器の中古販売などが事実上できなくなってしまうという法律でした。ネットで火がついて大騒ぎになり、最終的に国のすることが代わってしまったという意味でも、結構注目すべき事件でした。

「ビンテージ機器殲滅法案」とでもいいましょうか、電子楽器やゲーム機などの中古販売がPSEマーク無しでは無理、となりまして、反対意見が爆発し中古楽器関係などでは一部投売り現象が発生したりもしました。

私は騒動が大規模化したのを見て、これは撤回されるだろうと確信しましたので、投売りになっている機器を買い占めて後に再放出すれば儲かるチャンスではないかとすら思いました。そして実際そのようでした。

お役人は一度決めた事を無しにすると誰かの責任問題になって嫌なのでしょうか、最初は一部電子楽器等をホワイトリスト方式で公認ビンテージにし、それらを例外扱いにして大勢を維持しようとしましたが、いかにも批判かわしの小細工であるので世間に怒られ、結局は常識的なところに落ち着いた・・筈であると聞いています(もしそうじゃなかったら教えてください)。

2.5Ghz割り当ての際にもこの騒動の事を少し思い返してみたりはしておりました。ただしPSE騒動では失敗が話題の種でしたが、2.5Ghzの割り当てにおいては総務省がちゃんと対応するか(あるいはそれぞれの人がそのようの思えるかどうか)どうかがポイントでしたが。


◆公認ビンテージ機器リストを見て遊ぶ

以上は長い枕でして、結局お流れになった「公認ビンテージ機器リスト」のことを書いてみようと思った次第です。これも実はブログに投稿しようと思っていた事もあるネタでした。

そもそも手法自体があまり褒められた方法ではなかったのですが、「公認ビンテージ機器リスト」に掲載されている機器名がなんとも変な感じで、それでも怒られておりました。

役所の作った一覧表(PDF注意)
http://www.meti.go.jp/press/20060330004/vintage-list-set.pdf

電子楽器のことを知っている人が見たら何かよく解らんことになっていると思うのではないかというリストです。有名なところ、たとえばRolandやYAMAHAで話をすると一番良いのですが何せリストが長いので(一度説明しようとしてあまりに長くなって挫折した)、説明にちょうど良いKAWAIを引用し、さらに一部について説明をしてみたいと思います。

載っているものを全て引っ張ってくると、掲載数だけからしても明らかに少なすぎる以下のとおりになります。

K1II / K1r / K3 / K4 / K5000R / MAV-8 / MIDI Key II / MP9500 / Q-80 / Q-80 EX / XD-5 / XS-1 / EQ-8

全部の機材について説明するときりが無いので(そして私も全てすっかりわからないので)、メインストリーム?と思えるあたりについて説明(というか羅列だけ)をしたいと思います。つまり、以下の説明に出てくるもので全てではありません。


◆KAWAIの電子楽器の歴史(なぜか)

以下、大半の人はほとんど意味がわからないと思いますが、斜め読みしてください。実のところ以下の説明もそんなに詳しいわけでもありませんが(思いっきり割愛もしました)。

大まかに言って、K3系→K5系→K1系→K4系→K11系(GMega)→K5000系という流れがKAWAIのシンセサイザーの歴史です。

"K3"はデジタル化したアナログシンセでした。KORGのDW8000などと同じような設計で、アナログシンセの処理の前段(波形を出す部分)をデジタル化して、デジタル化の難しいフィルター部分はアナログのままのシンセでした。ヤマハがFM音源帝国を築いている裏側でのシンセでした。鍵盤無しの"K3m"というものがあり、これがまずリストから落ちています。

"K5"は音色の倍音の成分の分量を自分で完全に指定できるという、一種マモノののような機材でした。これも鍵盤無しの"K5m"というものがありました。両方ともリストから抜けています。

次に、フルデジタルなのだがフィルターが無いという変な設計のK1系が発売されます。最初は"K1"と"K1m"が発売され、そして時代の流れが「一台で全部の演奏ができる」という時代になったので、付け焼刃的に改良されたと思われる"K1 II"と"K1r"(鍵盤無しのラック)が発売されます。K1/K1mがリストから落ちています。さらに同じ音源を流用したPHmというものもあったはずですがこれも落ちています。

次に出てきたのが、フルデジタル(PCMで)でかなり効くフィルターを装備したK4でした。これはK4とK4rがあるのですが、K4rがリストから落ちています。さらに同じ音源をバージョンダウンさせて流用の軽量鍵盤のKC10というものも確か出ていますがこれも落ちています。

次に、K4のエンジンをさらに改良したと思われるもので、DTM音源時代に発売されたGMega(DTM音源)と鍵盤のついているK11が発売され、さらにGMegaLXやGMouse、KC20というものも音源流用で出ていたはずです。全部リストにありません。

最後に、波形の倍音成分を独自の感じ(他社のシンセには全くない機構で)でいじったりできる、K5000シリーズが出て、残念ながら撤退となります。最低限、K5000S/K5000W/K5000Rの三種類があるのですが、一つしか載っていません。
そして、K5000は98年くらい?の楽器で結構新しいのですが、他社をみると新しいのが載っていなかったりします。

暗号のような説明が続いてすみませんでしたが、リストのクオリティには相当な問題があることが解っていただけたかと思います。ほとんど話にならないレベルです。

ちなみに、ヤマハやローランドで同じ作業をするとすごい事になります。


◆ホワイトリスト方式の問題点とも言える

思い出してみれば、最近子供の携帯が繋がるサイトを規制したいとかで「許可するサイトにだけ接続できるようにする」という案が出ていますが、許可するものだけOK方式(ホワイトリスト方式)では、こういう駄目な事になっちゃうことがあるという例でもあるのではないかとも思います。

この記事を読まれた方は上記機材の知識は無いと思うのですが、もしあったとしたらこうなります。最初のまま法律が通っていれば、このリストに無いものは事実上販売禁止になっていたわけでして、
「ちょっとまってくれ、なんであの機材を日本から消し去るんだ!」
となっていたことは確実です。

というわけで、今後色々な規制の際に一番しっかりしていると思えるというような理由で「ホワイトリスト方式」が出てくる事があると思うのですが、その時にはこのような事を思い出していただければよいかなと思います。こういう馬鹿馬鹿しい事になりがちであるっていうことです。

ちなみに日本のいろんな規制はこの方式になりがちのようです。困った話です。

頭の隅にあると役に立つ事もあるかもしれません。


補足:

上記の機材の説明部分をもっときちんと読みたいという人がいたら書いても良いかなとも思ったりもしました(あるいは勝手にどこかで始めてしまうかもしれません)。

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868 携帯、四月の増減: ドコモとAUがデッドヒート、「ウィルコムの寸止めの大好調」が続く

携帯電話の四月の加入者の増減が発表されました。
http://www.tca.or.jp/japan/database/daisu/yymm/0604matu.html


結果は、
ドコモ +25万3800
AU +35万3000
ツーカー -13万9900
ボーダフォン +1万2600
ウィルコム +7万8700

モバイルで発表を見てすぐにモバイル経由で記事を投稿するつもりだったのですが、あまりにもいつもどおりだったので断念してしまいまして、結局パソコンからきちんと書いています。


◆ドコモとAUの健闘

携帯電話市場は飽和しつつあると言われて久しいわけですが、ドコモとAUはまだこんなに沢山の新規加入者を得ています。
数値上は一見AUがかなり勝っているように見えますが、ツーカー→AUへの移行には優遇措置があるのでAUは下駄を履いています。しかし、ツーカー解約数の多くがAUの増加に直結しているわけでも無いそうです。
結果としては、ドコモとAUはまあ似たようなものだったというところでしょう。

ボーダフォン(ソフトバンク)は減少こそ免れたものの、ちょっと厳しい状態です。ボーダフォン(ソフトバンク)についてはまた別に記事を書きたいと思います。


◆微妙なウィルコムの健闘

ウィルコムは+7万8700となり、かつての厳しい状況と比べると見違えるようになりました。

ウィルコム(DDIPocket)は、PHSが斜陽になったころはずっと純減、そのあとAirH"で持ち直したあとは微増というような状況でした。
かつてと比べると、毎月コンスタントに8万前後の加入者増というのは見違えるような話です。

しかし、AUやドコモと比べるとまだまだという感じがします。AUやドコモと現在直接競争するわけではありませんが、長期的にはAUやドコモとの位置関係がどうなるか考えなければならないはずですから、このままニッチ市場に留まるのでなければ、現在の純増数は良くないでしょう。

また、8万前後の加入者増というのは、需要の限界というよりウィルコムの受け入れ態勢などの限界でもありましょう。派手なCMを打ち、低価格で新規契約できるようにすれば(ゼロ円端末が無い)、もっともっと増えるはずだろうからです。

慎重だという言い方も出来ましょうが、
・加入者増→無料通話ドミノ→爆発的増加
が期待できるのはもしかしたら他社が無料通話を行えない「今だけ」かもしれないので、慎重になっている場合ではないのかもしれません。

あるいは、慎重になっていないのだけれど、諸般の事情により八万で辛抱せざるを得ないのかもしれません。

好調なことは確かながらどうにも寸止めの感じがします。


◆ウィルコムの加入者数400万突破寸前(あるいはもう超えた?)

四月末で総加入者数が397万600人となったそうで、400万人突破が目前になりました。
連休中の新規加入者が多ければ、現時点でもう突破しているかもしれません。

ほんの少し前まで300万人回復が目標といわれていたそうなのですが、現在の純増のペースでも一年で100万人程度は増加するので、今の寸止め的な好調でも今年度中に500万人に到達するかもしれません。
率にするとすさまじい成長で、そういうわけで携帯他社よりも話題性が大きいというわけです。

500万人で驚いたあとに他社について考えてみると、不調なボーダフォンでも1500万人、ドコモは5000万加入者を超えていたりするわけで、本当の「ウィルコムの好調」がやってくるとしたらこれからまだまだいろいろなことがあるのだろうと思う次第です。

さて、400万人突破のニュースはいつ頃に?

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869 HSDPA後も、ドコモの料金プランに変更なし

既報についてちょっとコメントをしてみたいと思います。


ドコモ、3.5G携帯サービスを7月開始-料金体系は現行と同等
http://www.asahi.com/digital/nikkanko/NKK200605050007.html

すでに各方面で同じようなニュースが報じられていますが、「HSDPA開始後、特にFOMAの料金体系の変更はありません」というニュースです。


◆やっぱりPC定額は無い?

やっぱりというか、PC定額の噂は「あのニュース」一回きりでその後ありません。
ドコモとしてはとりあえず「やらない」ということのようですね。

見るからに誤報っぽかったPC定額のニュースでしたが(残念ながら信じちゃった人も多かったようですが)、やっぱり天下のドコモは無茶なことはしないらしく、PC定額どころか「料金体系は今までどおり」だそうです。

もちろん、あのドコモですから資金力に任せてむちゃくちゃな設備投資によってPC定額を開始する可能性は無くああリません。しかし、常識的に考えてそんなことをしてもまったく儲からないので、やっぱり定額は行われなかった。こういう感じです。


◆ドコモは盛んに「3.5世代」と自称している

AUはEV-DO、いわゆる「WIN」のことを「ブロードバンド携帯」と呼んでいましした。
WINが始まったころはブロードバンドという単語がまだ流行の力を持っていたこともあり、なかなか悪くは無い呼び方だったと思います。

一方ドコモのニュースでは今のところ「3.5世代」という単語を頻繁に目にします。
もちろんこのあとサービスインを行うときまでに、マーケティング関係(というか広告代理店かもしれない)が「ドコモ茸」のようなキャンペーン用の何かを思いつくのかもしれませんが、今のところはHSDPAが何かを示す単語として「3.5世代」が使われています。

このまま技術世代の呼称(「3.5世代」)を世間に浸透させるのかどうかちょっと気にしています。
「3.5世代」という呼称はわかりやすいのですが、AUにすぐさま「3.7世代」とやり返されるかもしれません。
(あるいは、AUがもっと考えてその後の「世代の無意味な数値」の無意味な争いになることを避けてAUが自重するかもしれませんが)

もしかすると、利用者からすると結局「なんか速くなったな」程度でしかないので、あるいはここは「ドコモは高速化について特に大きなキャンペーンを打たない」のかもしれません。どうしてかというと、ドコモが何を言っても実はかなり先行しているAUと比較されておしまいだからです。

とすると、「とくにキャンペーンを打たない」のなら、内部用語としての「3.5世代」あなんとなくそのまま説明に使われている現状のままでよいのかもしれません。
つまり、ドコモは商品としての呼び名はつけず、HSDPAという呼び名と「3.5世代」という最低限の説明以外はしないかもしれないということです。

あるいはもしドコモが何か呼び名をつけると、先行しているAUからの「反撃」が予想されますから、現行のEV-DOの2.4メガよりも一見数値上速いことをうまく使って、「ドコモが最新技術を導入してAUは後追い中です」と錯覚させるようなキャンペーンを行う必要があるかもしれません。

まとまりがなくなってしまいましたが、つまり状況としては微妙なのではないかということです。よく考えてみますと「ドコモ茸」も、安い安いと言っているだけであまり具体的なメッセージを含まないCMなので、ああいう感じになるのでしょうか?

かつてのAUの「ブロードバンド携帯(速いですよ)」とか、W定額の「定額なだけではなくてこんなに安い定額です」、「着歌フルをどんどんダウンロードして楽しいです」と、AUのほうが具体的アピールなのはやはりリードがあるからでしょう。
そういう意味ではボーダフォンのLOVE定額なんかも「実に具体的」です。


◆ドコモがHSDPAですること

HSDPAはPC定額を行うには荷が重過ぎるのですが、電話機単体(ハンドセット単体)にとってはある程度十分な能力があります。

ドコモがHSDPAで何をするかですが、思いつくものを書いてみると、
・AUと同じく着歌をはじめる
・新サービスは始めない
・関係ありそうで関係ないサービスをHSDPAならでは新サービスだと銘打つ

まず一つ目ですが、着歌はAUが利益をあげているわけで、真似をすれば儲かるだろうというわかりやすい話です。次は、特に目立った新サービスはしないという予想です。これは、AUよりも加入者数が多いうえに第三世代で無理をして定額をしてきたドコモが一息つくために使うという予想です。

三つ目は、HSDPAゆえの新サービスであるというようなCMが打たれるにもかかわらず、冷静に考えてみると実はあまり関係ない(3.5世代である必要性は無い)そういう新サービスが出てくるという予想です。
これからワンセグや決済関係の新サービスなどは出てくるかもしれませんが、その場合もHSDPAの恩恵が無ければできないような転送量の多い新サービスはなかなか少ないはずですが、そこを無理やり関係があるかのようにサービスするという新サービスという予想です。

3.5世代ではAUがやった以上のことはなかなか出てこないだろうと思います。


◆本当に影響を受けるのは

ここまでの感じでわかるとおり、AUはなおも技術的な優位があるのでドコモが新しいことをしても対処する能力があります。

問題なのはソフトバンクと新規参入各社です。
ドコモもAUが両方とも当然のようにサービスをしている、となると新規参入も真似をしなくてはならなくなってつらいわけです。これがドコモもAUの片方だけならば、まだ「やらない」理由が残りますが、両方となるとつらいでしょう。

当ブログでは新規参入が厳しいことになると予想しているわけですが、ドコモがHSDPAで行うこと次第では、また厳しい材料が増えそうです。

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870 ソフトバンクが1.7Ghz帯を返納

久しぶりに更新になってすみません。
いやー、本当に忙しいんですよ。


◆ソフトバンクが1.7Ghzをギブアップの理由

ソフトバンクの1.7Ghzがどうなるのだろうか、ということについては当ブログでもボーダフォン買収のニュースの時からいろいろ書いていますけれど、結論としては「返します」ってことだそうです。
私は1.7Ghzでのサービスとの両立は無理だと見ていましたが、もうちょっとゴネると思っていました。あっさり返却に決まってしまって驚いています。

ボーダフォン買収のニュースが流れた時には、マスコミは勝手にわくわくするようなニュースという体で報道をしていましたが、よくよく考えてみるとあちこち不可解な買収である事はすでに記事にしています。
読んでいない人、あまりにも記事を書かないので(すみません・・・)私が過去に何を書いたか忘れた人は、昔の記事を読んでみてください。


ボーダフォン買収は以前から計画されたものではないと見られる事で、文字通り急に決まったとみられること。そして、ボーダフォンとソフトバンクの協力なんてニュースが出ていたけれど、協力できることなど限られているということ。

そしてなにより、巨額買収の意図が良く見えない事。
1500万の加入者を買い取った?わかりますけれども、あまりにも買収金額が高すぎます。
また巨額の借金で買収したので利息が大変な事になっています。ですので、毎年沢山の利益を上げて支払いをしないといけなくなっています。

買収の意図として考えられるのは、
1.何らかの理由で、事業展開を非常に急がなければならなくなった。
2.自前での(1.7Ghz帯での)参入計画が、実のところひどい事になっていたのでもうどうしようもなかった。
マスコミは1.だと報道していたわけですが、どうにも2.じゃないかと思っています。


さて、今回の話。

ボーダフォン買収をしてしまったとしても、1.7Ghzに居座る事は可能でした。
すでに新規参入の為の設備投資を始めてしまっているとか(実際そうでしょうから)、約束どおりサービスインしますから電波は無駄にしません、ということなら返さずに済む理由になります。
あるいは、「返したくない」「返すとなったら損害が出る」などと言い張って、返すにしても何か見返りを得る、何かの交渉で使うよなことも出来たと思います。

ですから、本来すぐに返す必要は無かったと私は思っています。

しかし、このソフトバンクらしくない物分りのよさは一体何でしょう。私は、「1.7Ghzへの新規参入計画を一刻も早く止めてしまいたかった」のではないかと思っています。

返却させられたのではなくて、返却したかった。
あるいはもしかすると、
新規参入計画を止めたいから、ボーダフォンを買収した。
のではないかとさえ思っています。

つまり何かといいますと、携帯電話事業への新規参入は経済誌が書き散らすほど簡単ではないのではないか、ということです。
たしかに携帯電話会社は儲けすぎで、他の業種と比べると競争は無さ過ぎの甘すぎる業界に見えますし、それは事実だと思います。しかし、だからといって新規での参入は容易ではないということでしょう。あるいは、ソフトバンクの技術者があまりにもダメだったのかもしれませんが。


さて、ここで気になるのは他の新規参入各社です。
ボーダフォンからMVNOをするという裏技も使えなくなりましたし、いよいよダメなのではないかという気もするのですが。

ソフトバンクが早々に手をひいてしまったらしい「新規参入」に、うまみは本当にあるのでしょうか?

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873 1.7Ghz帯新規参入が5Mhzで、アイピーモバイルが15Mhz、というのは少し違う

四月一日に書いている記事ですが、ウソじゃありませんので念のため。

メディアで、
「イーアクセスとソフトバンクの周波数割当は5Mhzで、アイピーモバイルは15Mhz」といわれていることが時々ある気がします。

実際これを読んで、どこが間違っているのかわからない人も居る気がするということでちょっと記事を書いてみます。


◆5Mhz?10Mhz?

例えばイーアクセス、5Mhzを割り当てられたと書いている記事があったり、10Mhzと書いてあったりします。
一般の新聞や雑誌の記事はそもそも頻繁に間違っているので、これくらいは気にならないのかもしれないのですが、とりあえず説明は混在しています。

ドコモのFOMAも、15Mhzと書いてあったり、20Mhzや30Mhzや40Mhzといろんな「割当幅」が書かれていることがあります。


さっそく答えを書いてしまいますと、これは何かといいますと、

「下り(基地局→端末)だけで考えているか、下り(基地局→端末)と上り(端末→基地局)を合計しているか」というだけのことなのです。

つまりイーアクセスは、
下り:5Mhz
上り:5Mhz
合計:10Mhz
というだけでした。

まあ、5Mhzと表記するのがよろしい状況です。

ドコモは、
下り:15Mhz(→20Mhz)
上り:15Mhz(→20Mhz)
合計:30Mhz(→40Mhz)

帯域としては20Mhz(40Mhz)割り当てられているのですが、大人の事情で5Mhzは今は使わない事になっています(・・・ですよね?)。

第三世代用の2Ghz帯域はPHSと隣接しているのですが、PHSとCDMAを隣同士に配置すると干渉してしまうので、PHSと周波数が接しているAUの5Mhzが封印される必要があり、AUだけ封印したら不公平なので他社二社も封印されています。

PHSは新しい帯域を用意してもらう代わりに次第に移動する事になっていて、ウィルコムは移動中で、他の二社は消滅するので移動はそのうち終わる、という状況です。

ともかく、5Mhzと10Mhzの表記が混在する理由はそんなところです。


◆アイピーモバイル

そしてアイピーモバイルですが、同じように考えるとアイピーモバイルは30Mhz割り当てられている?と思えるかもしれません、しかしそうではありません。

アイピーモバイルは上下合わせて15Mhzです。

では、7.5Mhzなのか?と言われれば、それもちょっと違います。

アイピーモバイルはTD-CDMAという技術を使う予定なのですが、これでは上がり帯域と下り帯域が区別されていません。つまり兼用なのです。
TD-CDMAの利点として、上がりが多い時には上がりに沢山帯域を使い、下りが多い時には下りに沢山割り当てるというようなことができるくらいなのです。

というわけで直接比較は出来ないけれど「5Mhzと15Mhzではない」のです。
アイピーモバイルは三倍の帯域をもらっている、なんて思うのは間違いで、しかし7.5Mhzだと思うのも少し違います。

データ通信用として使う場合には、下りが多くて上がりが少ないのが普通ですから(そしてアイピーモバイルは音声通信はサービスしない)、15Mhzの多くの部分は下りとして使われる事になりましょう。
なかなか器用な奴です。


しかしながら、こういう利点もありながらTD-CDMA一族はとりあえず技術として難産しているようなので(CDMA方式を基礎とするには不自然な方式という人もいるようです)、そもそもサービスインが大丈夫なのかという話もあります。

TD-CDMA一族が実際にサービスインしたことはまだありません。さて、使い物になる技術なのかどうか。

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874 PSE騒動で儲けた人が居るのである

久しぶりの更新になって申し訳ないです。
とんでもなく忙しくなっているのですよ。

というわけで短いけど割と面白い話を。


◆PSE騒動

ここしばらく騒ぎになっていた「PSE」ですが、どうやらなし崩し的に無かった事になりそうです。
撤回せずになし崩しに無力化してしまう事で、お上のメンツも傷がつかず、皆も困らないというわけなのでしょう。
ネット経由の話題の広まりが世間を変えたというのも結構面白い事だと思います。


で、本題。

私は、PSE法は撤回されるのではないかと踏んでいました。
というのも、騒動になってしまっていて、明らかに被害をこうむる人たちがいて、そして、社会正義やら時流の面からも全く賛成できないというシロモノだったからです。

役人は事なかれ主義ですから、一度決まった事を覆したくもないのでしょうが、世間的になんかまずいことになってしまうこともするのも嫌なのです。
こういうときに一番楽なのはうやむやにする事ですから、うやむやになるに違いないと思っていました。


PSE法のニュースでいろんな中古品が投売りになっていると聞いて、「これは今買い込んでおけば後で儲かりそうだな」と思ったのですが、私は手持ちが無かった(貧乏とも言う)ので、私自身は何も出来ませんでした。

しかし、やはり同じことを考えた人は居たようで、投売りになっていた中古楽器を買い込んで、値段が元に戻ったところで売って儲けた人が居るようでした。
私もやりたかった、というか私の場合、買い込んだビンテージ楽器にほれ込んでしまって自分の所有にしてしまい、単に散在するだけにもなりそうですが・・


最初、中古楽器だけ対象外にして逃げをうとうとしたあたりが、まさにお役人でした。
撤回したくないし、かといって世間で騒動になった責任も取りたくないので、役人らしい言い訳をしてみたのが「中古楽器の撤回」、しかし、これは逆に怒りに火を注ぐ事になってしまい、
「検査体制の強化方針(がんばっているんだという言い訳)」「事実上先送り(中止もしてないという言い訳)」というお役人の必殺技が二つ炸裂してPSE騒動は一段落つきました。
みっともない話であります。

とは言っても、まだ世間の怒りは収まったわけではないし、とりあえず今は治まっただけでしょうけどね。


そして、投売りになったビンテージを買い込んだ人は儲かったというわけです。
この騒動はビンテージの広告にもなってしまった感があるので、今からかっても値上がりするんじゃないかとさえ思える次第です。


結果としては、かえって中古品の宣伝活動になってしまっただけのような気もしなくありません。

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875 ドコモ必殺の物量作戦が発動?怒涛の基地局整備で力技の定額?それとも?

どうにも忙しくてこまっているブログ主です。
今日はかなり疲労しながら記事を書いていたりします。
記事を書いてお金がもらえるなら良いのになあと思いつつ(そんなことをしたらもっと忙しくなる?)

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ドコモが物量作戦に出るような予感のニュースが立て続けにでてきました。

・基地局大増設
新聞などによりますと、FOMAの基地局を大量に設置するとかで、「2006年度に一兆円弱(9000億円)をかけて基地局1万局」、だそうです。

・帯域追加
そして、東京・名古屋・大阪の人口密集地限定ではありますが、1.7Ghzの免許がドコモにおりました。
東京・名古屋・大阪でドコモは新たに5Mhzの帯域を手にする事になります。
1.7Ghzのサービス開始は6月1日という事になっています。


総務省、ドコモに1.7GHz帯東名阪バンドを割当て
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/28273.html


さて、以前の記事で、
904 Docomoが、PCでのデータ通信定額を実現することが難しい理由

ドコモはHSDPAをサービスインしたとて帯域的にゆとりの無い状況なのですが、基地局を沢山作る(つまり力任せの物量作戦)にでたらどうなるかわかりません、と書きました。

で、なんというか物量作戦が発動しつつのかもしれません。


◆1.7GHz帯東名阪バンド

まず、「1.7GHz帯東名阪バンド」によって、最も混雑すると思われる三大都市圏は、現在の5Mhz×3から5Mhz×4へと利用可能帯域が増えます。実のところ劇的に増えるわけでもありませんが。

あるいは1.7GHzを敢えてHSDPA専用にしてしまうなら、現在の2Ghzの基地局配置をそのままにしたまま(つまり今の基地局を調整したりする苦労をせずに)HSDPAを始められる事になります。
(だけれど、電波特性の良い1.7GHzをHSDPAだけに使ってしまうのはもったいない気がしますが)

つまり、ドコモはHSDPA専用帯域を用意できるかもしれないという事です。


◆巨額投資

一兆円弱(9000億円)をかけて、基地局を一万局増設だそうです。しかも、2006年度だけで。

ボーダフォンの買収予算が一兆7500億円で、あのソフトバンクですら資金調達に困る金額だったわけですが、ドコモは何事も無くFOMAに一兆円の新規設備投資をするわけです。ドコモは儲かっているにもほどがありますね。

巨額な総額に目が行きますが、基地局一箇所あたりの価格もなかなかです。
約一兆円でおよそ一万局なのですから、なんと一箇所あたり一億円という事になります。
はっきりとマクロセル(大きなセルサイズ)で基地局を設置しているAUと違い、FOMAはセルサイズを小さくしているとは言われますが、この金額を見る限り、基地局を多いけれど基地局が安いわけでは無さそうです。


基地局の多さを特徴とするウィルコムの基地局は数百万円程度だと言われますし(他に余分な費用がかかったとしても一千万円はかからないでしょう)、ウィルコムの小型基地局やナノセルは百万円を切っているとも聞きますから、ウィルコムに換算すると・・・もしかするとウィルコムの今稼動している基地局全ての設置にかかった費用よりも高いのではないでしょうか・・・ドコモのたった一年分で。

ドコモの資金力は恐ろしいですね。

◆理由

ドコモが基地局を整備しなければならない理由を考えてみます。

・純粋なエリア展開のため。地方、つまり田舎でのエリアの広さで定評のあるmova(ドコモの第二世代)に比べると、まだまだ基地局が足りないという話です。

・収容能力を上げるための基地局の増設。すでにカバーしているところの基地局の密度を増やして(つまりマイクロセルに近づけて)混雑に強くするための増設。

・FOMAの深刻な問題のひとつである、「都市部でスポット的に通信できない」「建物の中で圏外になる」などの対策の為に、都市部でスポット的なエリアカバーを行う基地局の設置。

・HSDPA基地局の増設(これは既存基地局のHSDPA化でも賄えるとは思いますが)。

これ以外に、通信方式が旧式の基地局を取り潰して(初期の規格で作られている基地局は問題があるそうなので)作り直すなんて話もあると思います。

前向きの話題ばかりではないのもポイントです。FOMAの問題点を力技で解消するためでもあるわけです。


ドコモはこれまでにFOMAの基地局を設置費用だけで何兆円も使っているので(当然他の費用も沢山あるわけです)、一体どれだけお金を使えばFOMAは圏外が多いといわれなくなるのやら、という感じでもあります。
基地局の整備費用をそこそこに抑えながら、高品質のサービスを提供する事に成功しているAUとはかなり対照的です。

技術とノウハウがあるはずであり、長年W-CDMAに取り組んでいて、とんでもない資金力がある、いわばW-CDMA陣営で世界最強のドコモですら手を焼いているので、W-CDMAが世界中で広く使われるのは厳しいのではないか、と言われたりもするわけです。

AUは3.5世代の展開すら終えて3.7世代の導入を控えています。
一方ドコモはいまだに第二世代のユーザが大半であり、いまだFOMAはmovaのエリアカバーを超えられず、3.5世代もこれからです。
地固めをするのでしょうか、力技の定額に走るのでしょうか。

さて、ドコモのこの怒涛の基地局整備が向かう先は何でありましょうか。

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876 ソフトバンクがボーダフォンを買収すると、なぜかイーアクセスが困る理由

ソフトバンクのボーダフォン買収がまとまりましたね。
1兆7500億円というとんでもない買収になりました。

この件については、
・ソフトバンクにとってどうなのか
・ボーダフォンにとってどうなのか
・AUやドコモにとってどうなのか
ということはすでにいろんなところで語られています。
(私も以前の記事でちょっと書いています)

しかし、よくよく考えてみると意外な事に気がつきました。
この買収でイーアクセスが困るのです。


◆買収が発表されるまでの「ボーダフォンと新規参入組」の関係

ボーダフォンは新規参入組に回線を貸す予定でした。

というのも、ボーダフォンは第三世代への早期移行計画に失敗し、今でも大半のユーザーが第二世代を使っているために、第三世代用の帯域が余り設備が遊んでいるのです。
遊んでいる回線はお金を生みません。

古くなって痛んでいると思われる第二世代の設備をいまだに使わなければならなくなっている一方で、新規に整備した第三世代の設備が遊んでいるのは、買収を行ったソフトバンクの難題になる事でしょう。

ボーダフォンが遊んでいる第三世代の設備を有効利用する方法として考えたのが、MVNO、つまり「他社に回線を貸す」ということでした。

MVNOはすでにウィルコムが行っています。
b-mobileというブランドで定額通信が提供されていますが、これはウィルコムの回線を借りて「他社が独自のブランド」で定額サービスを提供しているものです。
消費者(というか、細かい事まで調べない消費者)にとっては、ウィルコムの名前で提供されているサービスではないので、「b-mobileが自前」で提供している定額サービスに見えるというわけです。

ボーダフォンは余っている第三世代の収容能力を貸す予定でした。
そしてその相手は、携帯の新規参入組のソフトバンクとイーアクセスでした。


◆なぜ借りるのか?

ここまでで、ボーダフォンが「回線を貸したがっている理由」について説明しました。
つまり、設備が遊んでいるから貸してでもお金を回収したいというのが理由でした。

では、借りる側の事情とは何でしょう?

新規参入組はゼロからエリア整備を行わなければなりません。十分なエリア整備には時間がかかります。しかしながら、十分なエリア整備が済むまでにはかなりの時間がかかります。エリア整備が終わるまでサービスインを待っているわけには行きません。

しかし、エリア整備をしながら順次サービスインする方法では、すでに全国展開をしている既存他社とエリア面で比較されながらの厳しいスタートとなります。

なかなか困った状況です。そして、新規参入組のこの悩みに手を差し伸べたのがボーダフォンのMVNOでした。
つまり、ボーダフォンは余っている回線を有効利用でき、新規参入組は初期のエリアカバーの不安を取り除けるというわけです。両者にとって悪い話ではありません。

実際、ソフトバンクもイーアクセスもボーダフォンから回線を借りることになっているようでした。

これを「新規参入組とボーダフォンとの提携」と思い込んでそういう記事を書いてしまったマスコミも結構あるわけですが、実際には提携ではなくて一時的打算にすぎませんでした。

ボーダフォンとしては、第二世代から第三世代への移行が順調に進めば回線を貸している状況ではなくなります。また、新規参入組は「儲かる人工密集地域」から自前でエリア整備を行って、儲からなくてエリア整備のお金がかかる地方はボーダフォンから借りたままにするというようなことをしようとすることでしょう。
そして、新規参入組に「都合のいいところだけつまみ食いされていて損をしている」とボーダフォンが思ったら、回線値上げも行われたことでしょう。

そもそも新規参入組との競争によって打撃を受けるのはボーダフォンも同じですから、最初から仲良くするつもりは無かったわけです。


◆ところが

ところが、急に決まった見られる買収でいきなり話が変わってしまいました。

以前から水面下で買収の話が進んでいたとは思えません。なぜなら、ソフトバンクの自前での新規参入への動きも進んでいましたし、これらMVNOの話も進んでいる事が知られていました。
もし、買収前提で考えているのならそんな無駄な事はしなかったはずです。
ここしばらくの間に、ソフトバンクの孫さんに重大な心境の変化があったに違いないのです。

より野心的になったのかもしれませんし、自前でのサービスに強い不安を感じたのかもしれません。
このブログも過去の記事で帯域不足についての不安について書きましたから、不安が原因だとするなら当ブログも買収決定への一助を担ったのかもしれません。


突然決まった買収で困ってしまったのはイーアクセスです。
ボーダフォンはソフトバンクになってしまいますから、回線が借りれなくなってしまいました。

イーアクセスは早期の全国展開が出来なくなってしまったという事です。
最初は利益の出やすい東京などだけで基地局整備を行い、大半なボーダフォンに相乗りする計画であったように思われるだけに、この買収の話でイーアクセスの事業計画は根本的に崩壊したのではないか、と私は考えています。

回線を借りなければ、当面は首都圏前提サービスというような事になるでしょう。あるいはエリア整備に長い時間を費やしたあとでのサービスインになる事でしょう。

ソフトバンクから回線を借りることも出来ましょうが、なかなか厳しい条件になるのではないかと思います。
ドコモが貸す理由はありませんし、AUにも貸す理由がありません。
借りるというよりも他社の軍門に下る形でならありえるかもしれません。イーアクセスの1.7Ghz免許を持参金として。

他のMVNOの提供主としてはウィルコムのみです。ウィルコムにはMVNOの実績もあります。
しかし、ウィルコムとイーアクセスは通信方式が全く違いますから、もしMVNOをするとしてもかなり特殊な電話機を用意しなければならず、難しい事でしょう。

イーアクセスの社長は実はウィルコム(旧DDIPocket)出身だったりする事実はあるのですが、ここしばらくの間イーアクセスの社長はマスコミに出るたびにウィルコムの悪口を言い倒している状態でありまして、もしウィルコムから回線を借りる事になるなら、友好的にというわけには行かないでありましょう。
また、ウィルコムは現在非常に好調なので、昔のように積極的に回線を貸すつもりも無い事でしょう。
まあそもそも、通信方式が違いすぎるのが最大の障害ではありますが。

というわけでイーアクセス、私の想像ではかなり困っているのではないかと思われますが、実際のところいかがでありましょうか?

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877 次世代携帯技術の決戦場となりそうな、2.5Ghzの争奪戦

最近非常に忙しいので更新が少なくなってすみません。
どなたか、超長時間労働しなくてもお金がもらえるお仕事を紹介ください、いやマジで。

今回は、携帯電話用に新しく解放される事になっている「2.5Ghz」の電波の奪い合いが、次世代技術の決戦場のようになってきている事について書いてみたいと思います。

この記事に限りませんが、面白かったらレスポンスをください、あるいはレスポンスをつけるのが面倒ならこの記事へのリンクをお張りください。そうすればもっと詳しく書きます。書いてる本人は何が好評なのかわかってないのです・・

あ、あと間違いがあったらごめんなさい。
時間があまりないのできちんと調べたり確認したりせずに書いております、すみません。


◆帯域

2.5Ghzは「2.5ギガヘルツ」ってことで、2.5世代の事ではないのでその事をまず書いておきます。誤解するといけないですからね。

2.5Ghzは次に新しく携帯電話用に割り当てられる電波帯域です。今回記事を書くのはこれを巡っての争奪戦です。

その前にまず、既存の帯域について簡単に整理しておきます。

・800Mhz(0.8Ghz)帯
ドコモの第二世代(mova)と、AUの第三世代が使っています。
周波数の低い800Mhz帯は他の帯域に比べて非常に性質のよい電波で、言ってみれば日本においては最上級の携帯用の電波帯域です。
実際、ドコモの第二世代もAUの第三世代も、つながりやすさでは定評がありますよね?
このためソフトバンクは一時期、「800Mhz帯をヨコセ」と無理矢理役所に帯域解放を迫っていたこともありました。

・1.5Ghz帯
ボーダフォンの第二世代、ツーカー(第二世代)、そしてドコモでも少し使っている帯域です。
800Mhz帯よりも圏外になりやすかったりします。
J-Phone(当時)やツーカーがつながりにくかったのは、1.5Ghzだからという面もありました。

・1.9Ghz帯
ようするにPHSの帯域です。
そのうちウィルコムの専用帯域になります(今はドコモのPHSなども少し使っている)

・2Ghz帯
ドコモの第三世代(FOMA)と、Vodafoneの第三世代が利用しています。
FOMAが今ひとつつながりにくいのは周波数が高いからでもあります。
AUは、第二世代を早々に停派してしまったお陰で贅沢にも800Mhz帯で第三世代を行えているので、音声は電波の質のよい800Mhzで行って、2Ghz帯を3.5世代(つまりデータ通信の高速大容量化)などに使う予定です。
わかるとおりとにかくAUが有利な状況です。

・1.7Ghz帯
新規参入の携帯キャリア(と既存携帯会社の追加用)の為に用意され、争奪戦の終わった帯域です。
新規参入のイーアクセスとソフトバンクが手に入れた帯域です。
しかし、ソフトバンクはボーダフォンの買収を始めてしまったので、返上されるかもしれません。

・2Ghzあたり(正確な周波数忘れたすみません)のTDD用帯域
TD-CDMA用に用意されている帯域があり、ここはアイピーモバイルが手に入れました。
データ通信中心にサービスインする予定らしいですが、TD-CDMA系は良い点もありながら難しい技術のようで、しかもCDMA2000陣営やW-CDMA陣営は3.5世代を通過してさらに先へと進みつつあるので、なかなか厳しいでありましょう。


さて、ここまでが今までに使われているか、すでに割当が決まっている帯域です。


◆2.5Ghz

そして、次に空く予定なのが2.5Ghzの帯域です。周波数はちょっと高いので電波は扱いにくいと思われます。
この帯域は、非常に簡単に言うと「次世代『高速』通信に解放します」と国が言っております。

つまり、この帯域に普通の第三世代で参入しようとしてもダメだという事です。

で、ここに名乗りをあげているところなのですが、これが見事に・・・これから次世代で激突するであろう面子が勢ぞろいしているのです!

まず、

・WiMAX(IEEE802.16)
KDDIは「次世代」として、無線LANの進化系のような存在のWiMAXの試験を行ってきています。
今のところ(まだ「事前」の評判である事には要注意ですが)、世界で次世代の第一候補な感じのする「WiMAX」です。
AUは今の第三世代とシームレスに組み合わせて利用する事を考えているようです。つまり、速度を出したいときにはWiMAX、通信の安定を図りたい時にはCDMAという感じにです。


・次世代PHS(ウィルコム独自)
ウィルコムが自前で開発中の第四世代技術です。
詳細は良く知りませんが、PHSをOFDMで束ねたもの、なんというかPHSと第四世代の合体のような技術であると聞いています。
目標としては既存のPHS基地局あるいは基地局設置場所をそのまま利用できるようにする事と、最高速度ではなく、沢山の人が使う実際の利用状況においても高い実効転送速度を出せるようにしたいようです。
つまり、ウィルコムの現在の戦略の長所をそのまま生かす技術を作ろうとしているのです。

心配なのは自前の技術だという事です、次世代通信技術とは一社で開発できる程度のものなのかが心配ではあります。しかし、もし成功すれば他の技術と違って「ウィルコム自身がウィルコムの事情に最大限マッチした技術として開発」するわけですから、システム全体として非常によいものになるかもしれません。
個人的には一社で開発している事が不安に見えますが、可能性としては「ウィルコムが開発に成功→日本で大成功→それを見た世界中が採用→第四世代の覇者に」なんてことも考えられなくはありません。


・iBurst(IEEE802.20)
以前の記事で説明したiBurstです。技術的にはなんと第二世代に属する枯れた技術ながら性能は高く、この話にも候補として登場している次第です。詳しいところは私の過去の記事を参照ください。
iBurstは京セラの技術(国内の技術)であり、開発中に過ぎないほかの技術と違い「すでにサービスインしている」という大きなリードがあります。絵に描いた餅ではないのです。

WiMAXは「IEEE802.16」で、WiMAXのモバイル版(モバイルWiMAX)は「IEEE802.16e」という規格です。今のところ世界の空気としては次世代はWiMAXなんじゃないかという感じなわけですが(ただし、無責任なマスコミ中心の空気ではあります)、このモバイルWiMAXと規格上完全なライバル関係にあるのが「IEEE802.20」です。

もしかして次世代PHSが上手くゆかない場合にはウィルコムが改良して採用する可能性もあります(そのままではウィルコムの要望に会わない)。京セラはウィルコムの株主ですし。
そういう意味では「失敗してもウィルコムには保険がすでにある」とも言えます。ウィルコムは実は有利かもしれません。


・クアルコムの新技術(IEEE802.20)
IEEE802.20にはクアルコムの提案と京セラの提案が受け入れられました。こちらはiBurstではない方のIEEE802.20になります。
クアルコムとは現在第三世代で圧倒的リードをつけている「CDMA2000」、つまりAUの技術を開発しているアメリカの会社です。

そのクアルコムが第四世代として開発している技術が(そうなんです、まだ開発中です)日本の2.5Ghzの争奪戦に登場する可能性があります。というのもクアルコムが日本企業に「クアルコムの技術を使って参入を戦ってくれるところ募集」なんてことを言っているらしいからです(しかしこれまでの三つに比べると候補としては一段落ちます)


他にも世界中で沢山の会社がOFDM系(第四世代系)の通信技術を開発しています。とりあえずこれら有象無象は今回は出る幕無しです。
以前ここで記事にしたように、ドコモも独自技術開発を進めていて、技術の限界を突き詰めるようなすごいことをしています。しかし、逆にいえばもっと将来に向けた状態で、実用化には遠い状態にあるとも言えますので、2.5Ghzの争奪戦には参加できない、あるいは参加すべきではない(まだ開発できていない)と言えるでしょう。


◆揃い踏み

見ていただければ解るように、次世代の有力候補が勢揃いしている状態です。
世界的レベルには順当な次世代候補WiMAX、ウィルコムが自ら手がける次世代PHS、モバイルWiMAXの敵として登場したIEEE802.20にして実績で一歩リードしているiBurst。

どれが勝っても不思議はありません。帯域は一社だけに与えるわけではないかもしれませんから、もしかしたらこの三つの規格が全て採用され、サービスインの後に実際のサービス品質で熾烈な競争が行われるかもしれません。

そうなれば、日本の2.5Ghz帯は世界が注目する「次世代技術の闘技場」という感じになるかもしれません。


そのうちはじまるであろうHSDPAとEV-DO Rev.Aの戦いや、ウィルコムの高度化PHSと3.5世代携帯の戦いも面白いですが、もしかするとその後にはもっと面白い戦いが待っているかもしれません。


三つの規格の戦いは見たい気もしますし、細切れにせずに一つの方式に帯域を全部提供する方が電波の利用効率は高いのではないか(=サービスが良くなる)という気もしますから、国がどう判断するかも興味のあるところです。

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880 ソフトバンクにボーダフォン:売却ではなくて・提携?、派手だけど怪しいという話

前回(昨日)、ボーダフォンをソフトバンクが買収する事について書きました。
勢力が衰える一方のボーダフォン日本を持て余したボーダフォン本社がソフトバンクに売り飛ばした、と思ったのですが、予想外に話は大きいようです。

売却というより世界レベルでの提携かもしれません。


◆アメリカのヤフーまで出てきました

ヤフーの情報海外配信へ、ソフトバンクが提携で調整
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20060305i201.htm

ソフトバンクとボーダフォンが「業務提携」するそうであります。記事では「ソフトバンクグループが持つコンテンツ」で提携なんて書いてありますが、こんなに簡単な話であるわけがありません。
他の記事ではアメリカのヤフーまで話に出てきています。

買収に使われる金額は二兆円近くになるそうで、
資金は、LBOにて、「みずほコーポレート銀行、ドイツ銀行、米ゴールドマン・サックスがまとめ役となり、国内外の金融機関から融資などを受ける」とあります。うーん、そんなお金をどこが出すんですかね。
今までどおりに素人からかき集めるのでしょうか。


ボーダフォン、日本法人株の一部継続保有を要求
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20060304ib21.htm

というわけで、ボーダフォンも売り逃げするつもりではないようです。
売り逃げするつもりだったのに景気のいい話になってきたから戻ってきたのか、全株は高すぎて買い切れないソフトバンクに押し付けられるのか、そのあたりはどうなのかわかりません。

記事には「ボーダフォン日本は利益が出ているから」なんていう文言もありますが、それなら売らなければよいと思います。
私の以前の記事に書いたとおり、「ボーダフォン(本社)の株価は、日本事業に投資すれば株価が下がり、日本事業をないがしろにすると株価が上がる」という状態にありますから、理由は「利益が出ているから」ではないと思われます。

提携?


◆よくよく考えてみると

売り飛ばすというより、大規模な提携のようになってきました。
そのあたりがわかってきますと、にわかに物凄く派手な話が進んでいるように思えてきます。

ここまで派手な話になると、おそらく両社の株価などは上がりっぱなしになるのではないかと思いますが、よく考えてみると怪しい話も沢山あります。

ソフトバンクはこの巨額買収に資金を使ったあと、さらに
・がたがたになっているボーダフォンのインフラに資金を投入して強化しないといけない
・自前での携帯新規参入計画(すでにかなり進めてしまっている)はどうするのか
という感じでお金を使わないといけないでしょうし、もしそれが用意できないなら「今までどおり」のボーダフォン品質は続くことになります。

また、ボーダフォンとソフトバンクが協力するといってもどのように協力するのでしょうか?
ソフトバンクはあくまでも日本の企業で、コンテンツがあるとは言っても日本語のコンテンツです。
ボーダフォンは携帯の技術は持っていません、技術開発もしていないし端末も開発していません。ただ単に、世界中の弱った携帯キャリアを買いあつめて世界規模になっただけです。

他の記事にも、「コンテンツと携帯技術で提携する」とありますがそれはどうかなと思います。

話が派手なので、無根拠に「すごい話だ」とか、「ソフトバンクだから価格破壊をしてくれるにちがいない」というような意見を見かけますが、どのあたりがすごいのか、そして価格破壊が可能なのかはよく考える必要があると思います。特に価格破壊はすでにウィルコムがやり尽くしているとも言えます。
一方で不安は沢山あります。

イギリスを代表する「自転車」と、日本を代表する「自転車」が合体という気もしなくはありません。

この話は今後どうなってしまうのでしょうか?

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881 「ボーダフォン日本法人をソフトバンクが買収へ」の謎について考える

久しぶりに真面目に書いています。

びっくりのニュースが出てきました。
もう皆さんご存知でしょうが、

ソフトバンク、ボーダフォン買収へ…1兆円規模で交渉
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20060304it01.htm?from=top

これはある意味自然な売却でもありながら、以前から成立しないといわれていた話もであり、いろんな意味で無理や謎の多い話です。

これについて私の知っていることをちょっと書いてみましょう。

もっと詳しい人からの親切や、間違っている事や補足がありましたら、何らかの方法でフォローくだされば幸いです。


◆ボーダフォン売却は以前からボーダフォン側からの希望はあった

そうなんです、ボーダフォンの本社(イギリス)は、ボーダフォン日本を売ってしまいたいと以前から思っていた節があります。

しかし、売却は難しいだろうといわれていました。
何故か?

高すぎるからです。

ボーダフォンは1兆円を超える売却になるだろうとは言われていました。
買えるならすぐにでも買いたいところは沢山あったに違いありませんが、しかし、そんなお金を調達できるところがほとんど無かったのです。
そしてさすがのソフトバンクも一兆円は厳しいだろうと言われていました。

そんな大金を用意できるのは、ドコモやトヨタのような非常に儲かっている企業だけであり、ドコモはそもそもドコモであり、トヨタはKDDIの親会社なので、大金を出してまで買う意味が皆無であり、結果として売りたくても売れない、自力での建て直しも上手くいっていないという困った状態になっていると言われていました。

あるとしたらさらなる外資への売却で、規模拡大で気勢をあげている「オレンジ」という携帯会社グループが可能性として上げられる程度だったように思います。しかもオレンジによる買収も別の理由で難しいとされていたそうです。

売るに売れず健全な経営状態にも出来ず、どんどん傾いていってどうしようもなくなって叩き売りになるまで誰も買わないだろう、あるいはそうなっても最後まで誰も買わないだろう、という予想が多かったように思います。


◆冷遇されるボーダフォン日本

もともとボーダフォンはJR系の携帯電話会社のJ-Phoneでした。

写メールブームを巻き起こしたJ-Phoneですが、意図しない形で外資のボーダフォンに乗っ取られてしまいます。

J-Phoneの親会社の日本テレコムは多数の外資企業に株をバランスさせて持たせるということをやっていました。
きちんと調べずにいい加減な記憶を頼りに書きますが、AT&T、ブリティッシュテレコム(BT)、ボーダフォンなどが持っていました。
しかし、JR各社でのいがみ合いなどで意思決定が上手く行かなかった事などから、複数の外資にバランスさせていたはずの株が、隙を突かれる形であれよあれとという間に全部ボーダフォンに集まってしまい、日本テレコムは乗っ取られ、間接的にJ-Phoneも乗っ取らてしまいます。

そのあと用済みになった日本テレコムは冷遇の限りになったあと、ハゲタカ外資に売却され、さらにソフトバンクの手に渡ってしまいます。日本テレコムの社員の方には悪夢の日々だったと聞いています。

J-Phoneはボーダフォン本社によってボーダフォン日本となりますが、ボーダフォンが日本を理解していなかった事や、J-Phoneが絶頂を迎えていたかに見えたころに根本的な技術開発や設備投資を怠っていた事が後になって効いてきてしまい、皆さんご存知のようにボーダフォンは今ではかつての栄華はどこへやらということになっています。

ボーダフォンがダメになりつつある理由は日本人には簡単に感じられることでしたが、それを何とかするためには多額の投資が必要でした。具体的には、
・かつての繁栄の陰で実は手を抜いていた基地局整備などの足回り
・かつての繁栄の陰で実は手を抜いていた次世代技術開発
・かつての繁栄の時代には金のかかる高機能端末をバンバン作っていたが、それを続けるにはお金がかかる
というわけで、かつてのJ-Phoneユーザの誰もが渇望したことは、イギリス本国からの「お金を使うな、黒字にする方を優先」で実行不可能になっていました。

その結果、お金を使う量は減ったけれど、ユーザーも減ってしまい、ユーザーからの信頼も失ってしまいます。

あまりに酷い状態になったので、さすがのイギリス本社も本当の問題に気がつくことになり、そしてここしばらくは、再度お金を使う方向での建て直しになりつつありました。
実際そうですよね。どうしようもなかった一時期と比べると良い端末が発売されるようになり、LOVE定額などの思い切ったサービスも開始されました。
ボーダフォンを使っておられる方で、「最近がんばりはじめた」と喜んでいた人も多いと思います

しかし「日本事業の強化」はボーダフォン本社の株価に悪影響を与えました。
株主が「日本への過剰な投資」を嫌がったのです。
イギリスの本社あたりで、ボーダフォン日本にとって良いニュースが流れると株価が下がり、ボーダフォン日本にとって厳しいニュースが流れると株価が上がるという状態が昨今でした。


◆ソフトバンクの何故?

ソフトバンクが買いたいと思っているに違いないとは以前から言われていた事でしたが、余りに大金が必要になるのでソフトバンクでは資金の用意が難しいとされていました。
かなり無理すれば集められなくは無いとも言われていましたが、かつての「自転車」からせっかく安定した黒字になりはじめているのに、無理をして資金を集めると、また「自転車」に逆戻りです。

そうこうしているうちに、自前での携帯電話事業への新規参入の権利を手にします。
それまでにはソフトバンクは役所や既存の携帯電話会社との多くの苦労もありました。
自前での基地局用地の交渉なども既にかなり行っています。

最初からボーダフォン買収は難しいといわれていた上に、自前での事業展開をかなり進めてしまっています。
エリア展開の追いつかない初期にはボーダフォンの設備を借りてサービスするという報道はありましたが、これは「窮地のボーダフォンの電波と設備を都合よく借りて初期の混乱をしのぎ、自前でサービスできるようになったらボーダフォンとは手を切る」という打算上の提携だと思えました。

ところが買収というわけです。


◆なぜ?

自前でサービスインしようとしているのに、これでは二重投資になりかねません。

ボーダフォンは問題が多いわけで、
・いまだに加入者の多数は第二世代
・第二世代の設備は老朽化
・第三世代はエリアカバー上問題あり
・第二世代と第三世代の設備が二重になっている無駄
・W-CDMAの雲行きが怪しい
この上に、ソフトバンクが新規参入と共に新しい設備を構築したらそれこそ無駄の何段重ねか解りません。

ここまでして買う理由は何でしょう?考えてみました。

・自前でのサービス計画の見通しが実はかなり暗い
新規参入してみたものの、自前でサービスを開始するのは余りにも大変だということがわかって途方にくれている。
#この場合だと「ヤバイから」ということに

・帯域を買った
以前の携帯関連記事で書いたように、新規参入にはサービスにとって重要な「使える電波の帯域」が少ない問題点があります。
#この場合も「ヤバイから」ということに
私がHSDPAの記事にて、定額が如何に難しいか書いたのが遠因だったら面白いのですが(そんなわけが・・笑)

・ユーザ獲得のため
無駄を承知で、ボーダフォンのユーザを全部買い取って、早期にドコモやAUと張り合えるようにする。
#この場合だと「たいへん攻撃的な展開を考えている」ということに

ボーダフォン側の投げ売りではなさそうです。なぜなら「やっぱり買収金額が高い」からです。

展開次第によってはソフトバンクグループそのものを終わらせてしまう原因にもなりかねません(資金の調達方法次第でしょうが)。これは「かなりの大勝負」に見えます。

さて、今後一体どうなるのでしょうか。

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882 携帯電話の通信方式の「BPSKとか64QAMとか」をサルでもわかるように説明してみる

簡単な解説記事を書いてみます。

「BPSK」とか「QPSK」とか「64QAM」とか、なんかそんな事が書いてありますけど、あれって何?
という疑問があっちこっちであるらしいので、ごく簡単にとても最小限に説明してみたいと思います。


◆BPSKとか64QAMとかって何?

難しい事を言い出すと変調がどうの位相がどうのという話になりますが、そういう技術的話は無しで要点だけ理解できる説明を発明?しましたので、それにて行ってみたいと思います。

つまり、通信するんですから、電波にデジタルな情報を乗っけて通信するわけです。
そうですよね?

で、BPSKとか64QAMというのは、
一つの周波数の波に、あるいは一つの電波に、どれだけの情報を運ばせますか?という話であります。

BPSKは「二通り」の情報を乗っけます。
つまり電波が飛んできたら、「A」が送られてきたのか、「B」が送られてきたのかどちらかに違いない、と思い込んで信号に戻します。
つまり、一ビットの情報(二通りですから)を転送します。

QPSKは「四通り」の情報を乗っけます。
同じように電波が飛んできたら、「AかBかCかDのどれか」という感じで判断します。
四通りですから二ビットの情報を転送します。
ウィルコムの32Kのものや、ドコモのmovaなどはこの方式を使っています。

BPSKよりも沢山情報が伝えられていい事尽くめに見えるかもしれませんが、そうではありません。
実際の通信ではノイズが乗ります。ので、受信する側ではノイズが乗って歪んでしまった信号から「本当は何を送るつもりだったんだろう」と推測する必要があります。
BPSKでは二通りしかありませんから、ノイズが乗っても間違いにくくエラーに強いが一ビットの情報しか送れず、QPSKはノイズで間違える可能性が増える代わりに二ビットの情報を送れます。

8PSKでは、八通りに増やします。
3ビットの情報を送れるようになります。ただし、ノイズで間違えてしまう可能性が上がるために、ノイズに弱くなります。

16QAMでは16通りで4ビット。
32QAMでは32通りで5ビット。
64QAMでは64通りで6ビットの情報を一度に送信します。

ビットにきちんと割り切れる場合ばかりではなく、「24QAM」のような変調方式もあります。


◆何でどのように使われているか?

PHSやPDC(ドコモやボーダフォンの第二世代)ではQPSKが使われています。

ウィルコムは、QPSKに加えてBPSKと8PSKを使うようにしました。
ここまでの説明でわかるとおり、BPSKはよりノイズに強くなり、8PSKはノイズに弱くなる代わりに1,5倍の情報を送れるようになります。
(ウィルコムは8PSK導入と同時に他の最適化も行ったため、実際には1.5倍以上の高速化になっている)

旧来のPHSではQPSKだけでの通信でしたが、電波の状態に応じて変調方式を動的に切り替えて通信するようになりました。
ウィルコムは今後64QAMまでの変調方式を導入することになっています。ちなみに64QAMは8PSKの倍の情報を送る事が出来ますので、1xあたり100kbpsを超える事になります。

iBurstでは、基地局から端末への通信が最大24QAM、端末からの通信が最大16QAMとなっています。

ちなみにかなり電波状態が良くなければ64QAMでの通信は出来ないので、スペック上の数値はすごいけど実際に使ったら大して速度が出ない、の原因になるのも64QAMです。ご注意あれ。

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893 誤解を解くと誤解が生まれることもある

以前、こういう記事を書いておりまして、「HSDPAでADSL要らずになる、とは思わないほうが良いよ」ということを書きました。

904 Docomoが、PCでのデータ通信定額を実現することが難しい理由
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/01/904_docomopc_a8fe.html

最大速度が3.6メガとか14.4メガとあるので、直感的に理解するとADSLに匹敵する世界が実現するのかと思えてしまうかもしれないのですが、実際には色々難しいことがあってそうでもないのだと言うことを書きました。

「ADSL並みの速度なんて言われんでも無理とわかっている人」には全く無駄な記事でありますし、私もADSL並みの速度が厳しいことなど説明無用だと思いましたし、案の定他社ニュースからの続報もありませんでした。

しかし、3.6メガ(14.4メガ)の数値を素直に受けとってしまった人も多かったようで、しかしながら他の誰も説明している様子がないということで、僭越ながら私が説明を書いてみた次第でありました。
#本当はどこかの携帯ライターさんがちゃんと記事として書いて欲しかった

思い返してみれば、携帯電話にアダプターを刺すと定額になるというニュースが世間を賑わしていたことがありました。あの程度ですら世間で騒動になってしまったわけで、この程度の誤解はしょうがないのかなとも思いますけれども・・・


◆しかししかし

「HSDPAでADSL要らずになるとは思わないほうが良いよ」ということを、そしてPC定額というのが過酷であることを説明したのですが、誤解を解こうとして書いた記事が逆の誤解を生むということになり、「HSDPA自体全くダメな技術である」みたいなことを思ってしまった人が居たのではないかと今度は心配しています。

3.5Gは高速のPC定額を実現するにはちょっと荷が重いとは思いますが、携帯端末で利用するのなら非常に快適な高速通信を提供できることは間違いありませんし、一般のFOMA利用者にとっては画期的な高速化となるに違いありません。
混雑が起こってかなり速度が落ちてしまうことを気にしなければ、PC定額も出来なくは無いでしょう。

でも、PC定額に貴重な帯域を使うくらいなら、携帯端末向けの新サービスに帯域を使った方が儲かることも確実だと思います。
ちょっと考えてみれば解りますが、PC定額に帯域を使うより、例えば着歌を売るために帯域を使った方がはるかに儲かるからです。ちなみにAUはそうやって儲けています。ドコモもiModeでそうやって儲けてきました。それなのに利益の少ないPC定額に帯域を大量消費するのは実にもったいない。


◆ちなみに

もし、「AUがEV-DO Rev.AでPC定額を開始する」いうニュースが出たら全く同じ記事を書いたと思いますし、
ウィルコムが回線を無理矢理束ねに束ねてADSL並みの高速サービスを提供すると言い出したら、同様に「電波足りなくなりませんか?」という記事を書いたと思います。

つまり固定回線はすごいということです。

一部でWiMAXで無線が有線に勝つ予想になっていたりするそうですが、そのころには光回線が普通になっている気もしたりしなかったりします。

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895 続き:Docomoが、PCでのデータ通信定額を実現することは難しいけれど

HSDPAでADSL並みのPC定額は難しいと思います、ということを記事にしました。

904 Docomoが、PCでのデータ通信定額を実現することが難しい理由
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/01/904_docomopc_a8fe.html

#以前の、この記事を読んでおられない方は(ざっと)読んでいただけるようお願いします。

その一言が言いたかっただけだったのですが、説明をしているうちに話が広がっています。
せっかくなので、周辺の話を含めてもうちょっと書いてみようということで記事をポストしています。


◆補足:「技術的に不可能」ではなくて、「経済的に理不尽」

前の記事は、「HSDPAでADSL接続並みのPC定額はかなり難しいと思います」ということを説明しました。
あるいは、そういうことだけを説明しました.その理由はADSL要らずになる時代が来るのだと勘違いしている人があまりにも多かった事に心を痛めたためでした。

念のために繰り返しておきますが、絶対不可能だとは言っておりません、かなり無茶をしないと実現できないので難しい、という説明でした。

技術的に不可能ではないということと、経済的に可能であることは違います。例えば、有人火星探査ロケットは技術的に建造可能ですが、建造予算が天文学的非常識なので誰も作りません。そこまでして出かけていっても大して何も得られませんしね。

たとえばそんな感じです。


◆補足:「基地局ごとの帯域」をイメージする良い方法

「基地局につながっている全員で通信速度の取り合いになる」と書きました。
別にメガ単位の速度なんだから大丈夫でしょ?みんなずっと遣っているわけではないし、と思った方はこんな様子をイメージしてみてください。

・ADSL回線を一本引きます
・そのたった一本の接続を数千台のPCで共用します。

かなりでっかいビルがあって、「ビル全体でADSL回線一本だけ」みたいな状況です。
これでも、「最高通信速度○○メガ!」と言い張ることは出来なくはありませんが、実際にはろくでもないことになるのは明々白々です。
こんなビルに入居させられたら速度が出なくて困りますよね。で、そんな感じになりますよ、という話です。
やばいでしょ?

本当の話の本質は「ADSLが一本しか来てないでっかいビル」のようなことになることで、なのでHSDPAが理論値いっぱいの3.6メガを出したところで、ドコモのHSDPAがADSLを滅ぼすようなことはかなり難しいわけです。


◆HSDPAでPC定額をしても儲からない気がする

念のためにもう一度書いておくと、3.5世代でPC定額をするのはあまり意味があるとは思えません。絶対に不可能だとは思いませんが。

PC定額はユーザーが特に大金を支払ってくれるサービスではありませんし(原因はもちろん価格破壊を引き起こしたウィルコムです)、かなり多額の設備投資を必要とします。
低速限定なら大きな設備投資なしでも実現できるかもしれませんが、その場合には速度面でもウィルコムにやり込められてしまいます。
そして電話機でのFOMA利用者(つまりドコモにお金をどんどん払ってくれる上客)に速度低下や通話品質の低下などの悪影響を与えます。一番のお得意さんに迷惑をかけては意味がありません。
オマケにもうすぐ第四世代の登場を控えており、ドコモ自身が第四世代を必死で研究している状態です。今から3.5世代に多額の設備投資をしても、回収する間もなく(下手すると設備の整備すら終わらないうちに)第四世代がやってきてしまいます。

PC定額は第四世代の話題だと思います、あくまでも私の意見ではありますが。

◆HSDPA自体は無意味ではない

しかし、電話機限定で考えるとHSDPAは大きな意味があるように思います。
現在ドコモは無理をしてパケット定額サービスをしています。混雑時間帯には速度が出ませんし、大きな転送量を伴うサービスも出来ていません。
ですが、HSDPAがサービスインすればこれらの点についても現在のAUと肩を並べることが出来ます。

つまり、AUのように高速でメールを受信できるようになり、フルブラウザを定額対象にすることが出来、携帯でムービーを扱ったり、そして何より「着歌」を大々的にサービスインすることができるようになります。そもそも「携帯コンテンツ」はドコモのお家芸だったはずですから、技術的障害が無くなれば着歌でAUを追い落とすことは十分ありえると思います。おそらくドコモは携帯のムービーでも何かやってくれるのではないでしょうか。
#もちろんAUも新技術「EV-DO Rev.A」の導入でまたもやドコモには実現が難しい新サービスを投入してくることでしょうけれど。

HSDPAでADSLと争うのはほとんど無理で、ウィルコムとやりあっても微妙です。しかしAU相手ならかなりの威力を発揮します。
ですから、HSDPAでPC定額の方向にはあまり期待できると思いませんが(第四世代以降の話題でしょう)、従来の携帯電話の方向ではいろいろな可能性があると思います。つまり、元の記事はHSDPAへの期待の仕方を間違っていると思います。

EV-DOが着歌などを生み出したように、HSDPAとEV-DOの競争は日本らしい日本の携帯文化にまた新しい何かを付け加えることになると思います。
あるいは言い換えるなら、ドコモはHSDPAで携帯ユーザからお金を巻き上げる革新的な新サービスを考案し、貴重なHSDPAの帯域はその用途に全力投入すべきだと私は思います。
コストで有利なウィルコムとニッチな市場を巡って決死の消耗戦をやっている場合ではない。私はそう思います。


◆新規参入組の「PC定額発言」について

第三世代なのにPC定額、の空気の原因は新規参入組かもしれません。

ソフトバンクや、定額にすると記者会見のたびに息巻いておられるイーアクセスは・・
(全国で使える)帯域がたったの5Mhz分しかありません。

ここまで読んでこられた方はみんな思うでしょう。
「たった5MhzでPC定額って?」
私もそう思います。

新規参入だから利用者が少ないというのはあるでしょう、しかしたった5Mhzです。
何か工夫する予定があるのかもしれませんが、ちょっと難しいのではないでしょうか。

新規参入組の前に立ちはだかるのもウィルコムです。
低額定額のPC定額ではウィルコムに勝てません。
音声定額で勝負に出たくとも、ウィルコムが「2900円定額」の価格破壊を既にやってしまっています。

日本的ケータイの高付加価値の方に行こうとしても、今度はAUとドコモがEV-DOとHSDPAで熾烈なサービス合戦をすることでしょうからなかなか難しいでしょう。

というか皆さん、思いませんか?
新規参入組が大活躍できるのなら、どうしてボーダフォンは辛酸をなめているのか?

もし新規参入組が好調となるとしたら、既存各社がやっていないところで活躍するしかないと思いますが(ウィルコムも「他社がやっていないこと」を開拓して成功しています)、そんな領域はもう残っていないように思えます。

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896 iBurstって「第二世代」なんですよ、知ってました?

最近携帯関係のネタが多いなと思いつつ『iBurst』について書いてみたいと思います。

iBurstは定期的にニュースに「未来の通信技術」として登場します。
けれど、その実体についてはあまり理解されていないような気がします。

実のところ私も詳細なことは知らないのですが、そんな知らない私よりもはるかに新聞の原稿書いている人の方が知らないのではないかと思えたりしたので、おそるおそるiBurstについて書いてみます。


◆iBurstは『第二世代』

なんだか良くわからないのですが、「iBurst」は第四世代と思い込んでいる人が多いようです。
未来っぽいなあと思ったものは全て第四世代って思い込んでしまうのでしょうか、ITワナビーさんの手にかかると第四世代という単語すらバズワードのようです。

まず「世代分類」というのは、分類の定義次第なので最初にそれを説明します。
政治的に決められている世代とか、世間の印象で世代を分類する方法もありますが、この分類法は言ったもの勝ちで意味が無いので、以下のような技術的分類ってことにします。

第一世代:FDMA (アナログ時代の携帯、トランシーバ、ラジオ放送局)
第二世代:TDMA (mova、PHS)
第三世代:CDMA (ドコモやAUの第三世代携帯)
第四世代:OFDM (無線LANとか)

で、これによるとiBurstはなんと「第二世代」です。
ウィルコムのPHSに投入されている技術と似た技術です。


◆「世代」はそんなに気にしてはいけません

「第二世代」って聞いて、ローテクでダメな技術だと思ってはいけません。
iBurstは無意味にメディアで騒がれているわけではありませんから、ちゃんと高い能力があります。ですが「第二世代」です。

つまり、○○世代っていうのはそんなに気にしてもしょうがないぞ、というのがまず得るべき教訓です。

PHSに似ていると書きましたが、
・TDMA(時分割多重:つまり第二世代)
・TDD(上がりトラフィックと下りトラフィックを時間で分割:PHSと同じ方式)
・SDMA(同じ周波数を動的指向性アンテナを使って多重利用:ウィルコムのPHS基地局にも採用されている)
という感じです。

大きく違うのは
・マクロセルで、むしろ基地局から遠距離でも安定して通信できることを売りにしているように思われる
・最初から移動しての通信のことを考えてある
あたりでしょうか。

iBurstは机上のプランではありません。既にオーストラリアでサービスインするなどして実用化済みです。

また、京セラはウィルコムの大株主なのでiBurstが次世代PHSに採用される可能性も無くもありませんし噂が立ったこともありますが、ウィルコムは直後にその噂をプレスリリースで否定しました。理由は「マイクロセルではないので(そのままでは)採用する予定がありません」

ちなみに、ウィルコムが開発中と言っている次世代PHSはOFDM-PHSという技術で、第四世代で既存技術(第二世代)を張り合わせたような技術のようなので、こちらはiBurstとは明らかに異なっています。このあたりは若干ややこしい話ではあります。


◆スペック関係

知ってることを書いてみましょう。
まず、iBurstはパケット通信を主眼に設計されています。
ユーザーあたりの最大下り速度は1メガ、上がり速度は300K。
基地局から5キロ程度は通信できるようです。

HSDPAについての記事
904 Docomoが、PCでのデータ通信定額を実現することが難しい理由
を書いたので、それに揃えて帯域あたりの速度も書くと、

・HSDPAが帯域5Mhzにつき理論値3.6メガ(将来は14.4メガ)
なのに対し
・iBurstは帯域5Mhzにつき理論値24メガ(ただしSDMAで8メガ×3)

というわけで、「iBurstって第二世代なのに優秀じゃないですか」というわけになります。

さらに付け加えると、iBurstの数値は現在既にサービスインしている状態での数値であって、iBurstも将来高速化する予定があるようです(HSDPAはまだサービスインしてない)。

また上記の記事でEV-DOを例にして、「3.5世代は実際の利用環境では理論速度にほど遠い速度しか出ない」ということを書きました。(聞いただけの話なので間違っている可能性がありますが)iBurstは理論速度と実速度の差についても3.5世代よりも少ない、らしいです。

iBurstは京セラとアメリカのアレイ・コムという会社が開発しています。なお、アレイ・コムはウィルコム基地局の象徴ともいえる四本槍アンテナ技術の大本だそうです。


◆「WiMAX」と対決する「iBurst」

最近話題といえばWiMAXもむやみに話題です。
WiMAXは第四世代で要するに無線LAN一族に属します。

iBurstは高速移動体通信用の規格「IEEE 802.20」に採用されるようです。

ちなみにWiMAXは「IEEE 802.16」。しかし、標準化が終わっているのは「固定通信用」のWiMAXだけで、モバイル通信用のWiMAX(モバイルWiMAX)はまだ標準化が終わっていません。
ちなみに、iBurstの「IEEE 802.20」はモバイルWiMAXと完全にライバル関係にあります。

モバイルWiMAXも将来どうなるかわからないので(なぜってまだサービスインして定着し、利益を出しているわけでもないでしょ?)、IEEE 802.20ことiBurstがWiMAXを蹴散らして世界中で使われるようなことも無きにしもあらず。

メディアがバカ騒ぎした未来技術PHSが導入後しょっぱいことになったように(→898 ドコモのPHSが終了する理由)、モバイルWiMAXも実際に普及するまでは冷静に見てゆきましょう。もちろん話題の中心的存在では無いiBurstは言うまでもありません。

また、面白いのはこのあたりの将来通信技術で、第三世代ベースの技術が却下されていることです。基本的に第四世代がほとんどですが、それに混じっているのは何と第二世代。


◆結論

「○○世代」という単語の数値に踊らされるのはやめましょう。

念のために書いておきますが、
前の記事の流れからの都合でHSDPAと比較をしましたが、これは将来にわたるドコモの可能性との比較をしたかったのではなく、「3.5世代一般」と「進化系の第二世代」の比較をしてみたかったというのが目的で、意図は「○○世代」という単語にのみとらわれないように、ということです。

ドコモは次世代技術(第四世代)については相当研究していて、巨人ドコモが出してくるであろう次世代技術は侮れないものになるでありましょう。ただし、現時点で実用化されている技術については他の技術に対して大きなリードがあるわけではない、というわけです。将来はわかりません。


関連記事

904 Docomoが、PCでのデータ通信定額を実現することが難しい理由
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/01/904_docomopc_a8fe.html

898 ドコモのPHSが終了する理由
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/02/898_phs_0100.html

896 iBurstって「第二世代」なんですよ、知ってました?
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/02/896_iburst_52b1.html

895 続き:Docomoが、PCでのデータ通信定額を実現することは難しいけれど
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/02/895_docomopc_94cc.html

893 誤解を解くと誤解が生まれることもある
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/02/893__b47f.html

891 スタパ斉藤さんW-ZERO3を気に入る
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/02/891_wzero3_c09b.html

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897 「光を通すコンクリート」は 自然界にあるし家庭で自作もできる?

光を通すコンクリートが販売されるそうでございます。
光とおすコンクリート、住田光学ガラスが国内で製造・販売

商品名は「リトラコン」。
ハンガリーのリトラコン社(名前がそのままです)で開発された技術らしく、社長はアロン・ロソンチさん28歳だそうです。なんかすごく正しいベンチャーという気がします。

実現の方法は結構シンプルで直感的にも理解できます。コンクリートのなかに一方向にそろえた「光ファイバー」を沢山埋めこんでコンクリートを固める、という方法です。
たしかに、そうすれば光は通りますね。

これを読んで思い当たることがあったのでポスト。
この記事は、面白い話を一つ書き落としています。


◆自然界に存在する「光を通す」石

このアイディア、単純だけど完全に新しいというわけでもありません。
なんと、「自然界」に似た構造をもった石があります。

「テレビ石(曹灰硼石)」と呼ばれる有名な石があります。どんな石かというと、石の中でガラス質の長い繊維状の結晶が一方向に並んでいる石で、ズバリ石の中に光ファイバのようなものを敷き詰めたような石です。

ガラス質の石なのでなんとなしに光は通さなくは無いのですが、面白いのはそこではありません。

繊維状の結晶がそろっている方向に光を通します、というより「石の表面に石の裏側の映像が浮き出るような感じになる」という不思議な現象が発生します。
「テレビ石」と呼ばれるのは、「まるで石の表面にテレビであるかのように映像が浮き出る」という現象が起こるからです。

この石は売っていれば安いもので、結構不思議です。私もひとかけら持っています。

文章を書いても今ひとつ伝わらなさそうですね。

せっかくなので、その現象を撮影してみましょう。
慌てて撮ったのでいい加減ですけれど。


◆テレビ石

s-pic00057

まずは「テレビ石」です。小さいかけらです。(写真はクリックすると大きくなります)
「石に繊維の方向」があるというのが解りやすいように横から撮りました。
厚さは一センチくらいあります。

s-pic00063

不思議な現象となれば、日本科学技術大学の上田次郎(笑)。ということで、上田次郎の著書ということになっている日本科学技術大学教授上田次郎のどんと来い、超常現象の上に「テレビ石」をおいてみました。
どうですか、わかりますか。
石の表面に本の表紙が浮き出ています


s-pic00062

文字の方がわかりやすい印象があるので、文字で撮ってみました。
下にあるのは、ウィルコム使いには超便利な「バッテリーエクステンダー」のマニュアルです(笑)。
浮き出ていることがお解りになるでしょうか。

文字の書いてある紙の上で「石をズリズリ」と動かすと非常に解りやすいので、実物に触れる機会があればやってみていただきたいと思います。

(わかんない人に説明すると、バッテリーエクステンダーはUSB経由で「単三電池・単三充電式電池→ウィルコム電話機」の充電をやってのけるモノでして、愛用しています。
私の書いた記事を読めば大体どういうものはわかるとおもいます。体感上電池の持ちが四倍以上になっている気がします(持ち運ぶ限り電池切れ皆無)。
バッテリーエクステンダーII 購入記
世界初、バーチャ バッテリーエクステンダーII (お馬鹿なことをやっています))

s-pic00059

ついでにこれも。


◆建築家が使うなら

この「リトラコン」を購入するのは建築家の方だと思うのですが、そうであるなら光を通すよりも「像が浮き出る」性質の方が面白い性質です、あるいはこの現象を知らないで家を立ててしまうと予想外のことになって困るかもしれません。

建築模型はテレビ石を買ってきて代用すれば多少はイメージできるのかな、と思ったりします。

斬新な建築を作って居住性を犠牲にするデザイン優先の建築家の方々、そして実際には立てないのでやりたい放題の建築学科の学生は要注意です、これは光を通す素材というより表面と表面を光学的に繋ぐ素材です。
#「表面と表面を繋ぐ」とは建築コンセプトの屁理屈にも有用であります。


◆人工的に作られたテレビ石もある

ハンガリー人よりも自然現象の方が先だったと言うことはこれでわかったわけ(違う?)ですが、テレビ石のような者を人工的に作ることも普通に行われているようです。

それどころか、パナソニックのウェブサイトに、テレビ石(のようなもの)を作ってみようという子供向けコーナーもあります。
http://www.discovery.panasonic.co.jp/science/experiment/tvstone/index.html
だけど光ファイバーを持っていないと作れない実験なので一般家庭では無理です(笑)。
光ファイバーが用意できれば、光を通す木材とか光を通す羊羹とか、何でも作れそうな気もしてきました。

しかも調べてみると意外にもネットで売っています。
人工テレビ石しかも楽天で売っていました。

テレビ石 [曹灰硼石]テレビ石も売っていました
私が持っているのは百円だったか二百円だったか程度で買ったものなんですが。

ひとかけらくらい持っているとこうやって話題に出来たりして面白いのですが、ネットでも売っているということにちょっと時代の進歩を感じました。

よくみると同じところで光ファイバーも売っていました。
光ファイバー0.5 1500本
テレビ石自作向けの光ファイバ需要は結構あるのかもしれません。意外な世界があるものです。


ついでに、

日本科学技術大学教授上田次郎のどんと来い、超常現象


一応書いておきますけど、これはリアルなトンデモ本でもトンデモ批判本ではなくて、かの有名なドラマ「トリック」の劇中出版物を現実に出版したというギャグ本です。

ちなみに内容は上田次郎の自慢が延々続くという・・・(笑)

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898 ドコモのPHSが終了する理由

とうとう公式にNTTのPHSの終了が発表されました。
停波予定は2007年の秋~冬だそうです。

以下そのニュース
ドコモ、PHSサービスを終了──2007年度第3四半期めどに
NTTドコモ、2007年秋頃にPHSサービス終了へ
ドコモがPHSサービス撤退へ

上記のニュースは「撤退」としかかかれておらず、その背景などについては何も書かれていません。
先日、
904 Docomoが、PCでのデータ通信定額を実現することが難しい理由
という記事をポストしたばかりなので、この流れで「なぜドコモのPHSは終了するのか」ということをちょっと書いてみたいと思います。

ちなみにこのニュース、@FreeDも終了してしまうということです。


◆「PHSだから終了するのはあたりまえ」というわけではありません

NTTのPHSが終了する、という話をきいて「そんなのすごくあたりまえのことで、いまさら何も語ることも無い」と思われると思います。実際、上記のニュースについてもそのような感じです。

しかし、ウィルコムも基本はPHSですよね。ドコモのPHSもPHSです。
ウィルコムは勢いに乗って携帯各社を相手に健闘を続けています。

つまり、「PHSだから終了した」というだけでは無いのですね。
なぜこんなことになったのか、ということについてちょっと書いてみたいと思います。


◆かつての携帯vsPHSの戦い

PHS各社の苦難の歴史には各種の教訓が満ち満ちています。
しかし、「こうだ!」と一刀両断できるような教訓ではないので、いまさらですがPHSの歴史をつらつらと書いてみたいと思います。


もうずいぶん前のことですが、携帯とPHSが熾烈な競争をした一瞬がありました。
今では想像もつかないことですが、PHSは「光り輝く最新技術」として期待され、登場後には日本で急速に普及して日本中はPHSを使っている人だらけになる予定でした。
少なくともメディアは「PHSで将来はこうなる」という風にしていました。今騒がれている、アレもアレももしかすると・・・


PHSは非常に安価で小型の基地局を、日本中にびっくりするほど多数配置するという計画でした。
携帯電話の基地局が小屋一軒+巨大鉄塔だったりするのに対し、PHSの基地局は電柱にくっつけたり電話ボックスにちょこっとつけたりできるくらいの超小型基地局で、「小さくてどこにでも配置できる」基地局で日本を埋め尽くす予定でした。

NTTのPHSはこの「当初のPHSのコンセプト」を忠実に実行した会社でした。

ですが、実際には
A:基地局の能力が低すぎてエリアが面的に穴だらけ
B:基地局の能力が低すぎて建物の中が圏外
C:ハンドオーバーしなかったので、移動したらすぐに切れた。

という利用者の不満が噴出し、携帯電話の怒涛の値下げ(というのも携帯各社がPHSに恐怖して必死で対抗値下げしたのです、それくらいPHSは恐れられていました・・今では考えられません!)と相まって、PHSは解約の嵐に見舞われます。

PHSの整備が進んでいないうちにPHS端末の一円投売り合戦になってしまったからダメだった、という今でも根強いタラレバがありますが、それはAの問題点しか解消しません。
おそらく消費者が携帯電話に求める品質について、きちんと理解できていないまま技術仕様を作ってしまったのが原因でしょう。

◆その後

その後、DDIPocket(ウィルコム)が技術改良をして大勝負を挑みましたがPHSの烙印に勝てずに大失敗、一方でNTTのPHSは地道な基地局整備を続けましたがこれも結局はダメでした。

このままだとPHS各社は全て滅びるのは時間の問題のはずでしたが、DDIPocket(ウィルコム)がさらに技術改良(といって良いかは語弊がありますが)を行って、AirEDGEをスタートしてこれがPHSで初めての大ヒットになります。そして携帯電話各社のPC向けデータ通信計画に大きなダメージを与えます。

その後、DDIPocket(ウィルコム)は音声の絶不調とデータ通信(AirEDGE)の大好調の奇妙なバランス、そしてこれまでに費やした莫大な投資の借金を引き受けたKDDIの意向で、しばらく右往左往することになります。

この勢いに乗ってNTTのPHSもデータ通信へのシフトをしたかったところでしたが、無理でした。

コンセプトに忠実に
・小型
・安価
・簡易基地局
を大量配置したNTTに対し

DDIPocket(ウィルコム)はコンセプトを踏み倒して基地局を配置しており、
・小型ではない
・安価ではない
・簡易基地局ではないどころか携帯電話の基地局よりも一部高性能
この「PHSとしてはかなり余分にハイテク」な部分を最大限に使ってサービスしていたからです。高性能基地局の能力とPHS規格の解釈次第の部分をフル活用した、ある意味無理矢理とも言えるウルトラCによって実現されたのがパケット定額(AirEDGE)でした。ポイントは基地局への設備投資をせずに実現できたという点です。

NTTのPHS基地局にはそんな「無駄な能力」が備わっていませんでした。だから、後追いは全然無理でした。

NTTのPHSもその後知恵を絞ります。
基地局がダメなら、基地局がそのままで定額にする方法を考えよう。
そしてデータ定額の@FreeDをサービスインしますが、時期既に遅しでした。
そして、あれだけ真面目にエリア整備を続けていたにもかかわらずエリアが不評、そして基地局をそのままでの定額であるためにやっぱり利益を出すことが非常に難しいサービスとなって赤字を垂れ流してしまいます。

ウィルコムと携帯電話に行く手を阻まれ、そのうち万全に整備されるはずのエリアも整備される日が来ることはありませんでした。

そしてとうとう停波となります。


◆紙一重

PHSは技術を作った時にそもそもいろいろな読みが間違っていました。
消費者はより完全なエリアカバーを望みました、超小型の基地局で日本中カバーできるほど甘くはありませんでした、あるいは予想外に小型の基地局のカバー能力がありませんでした、そして携帯電話が値下げすることを読み誤りました。

そしていろんな変化に耐えうる柔軟性と余分な能力を持っている(悪く転べば無駄の多い設備投資をした)基地局を整備したウィルコムが、PHSの読みの甘さを事後カバーして何とか踏みとどまり、一方でPHSにぴったりフィットしたNTTのPHSは消え去ります。

ウィルコムの勝因はPHSとしてはかなり大げさな基地局を整備したことでした。
基地局はビルの屋上などに四本のアンテナ(最近では鳥かごのような八本のものも出てきた)が立っているもので、四本のアンテナは電波の指向性(電波を飛ばす方向)を瞬時に動的に変化させる能力があります。
そして、基地局のハードウェア的能力の一部がソフトウェア的に書き換え可能になっています。つまり、工事をしなくても遠隔で基地局の能力を変更できるようになっていました。

PHSのその後を見る限りは当初から将来を見越した慧眼となりますが、PHSがPHSの規格であるだけで成功したとするならば無駄に豪華な基地局です。
結果論としては正しかったのですが、クリーンヒットというよりはポテンヒットという感じでもあります。紆余曲折の末にどん底から復活を遂げるという展開は、話としては面白いし、復活の原因になった気の効いた(効きすぎた)基地局も面白いんですけどね。
#プロジェクトXにしたら抜群に面白そう

ともかくドコモのPHSは終わりに向かいます。


関連記事

904 Docomoが、PCでのデータ通信定額を実現することが難しい理由
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/01/904_docomopc_a8fe.html

898 ドコモのPHSが終了する理由
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/02/898_phs_0100.html

896 iBurstって「第二世代」なんですよ、知ってました?
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/02/896_iburst_52b1.html

895 続き:Docomoが、PCでのデータ通信定額を実現することは難しいけれど
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/02/895_docomopc_94cc.html

893 誤解を解くと誤解が生まれることもある
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/02/893__b47f.html

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903 16パズルを作り直した

◆16パズル

JavaScriptで16パズル(15パズル?)を作り直しましたのでサイドバーに設置してみました。

マインスイーパーと二個置きにしてみたところ、なんとなくうるさくなってしまいましたが、どちらか一つを残そうと考えてみても困ったので両方配置してしまいました。

表示が簡素ですが、これはブログのテンプレートを変更しても自然になじむようにと考えた結果です。
自分で中途半端に表示に凝るよりテンプレート任せの方がいいだろうと考えてこうしてあります。


数字を並べるタイプのいかにも普通の16パズル(15パズル?)ですが、よければ遊んでみてください。


◆京ぽん対応

JavaScriptのゲームは京ぽんなどの携帯搭載のOperaブラウザでも動作します。
ただ、ゲームをするだけの為にこのページを開いてもらうのも何ですので(そうでもない?)、どこかに携帯で遊ぶ用のページでもそのうち作るつもりです。


◆JavaScript

言語としてのJavaScriptには一通り慣れました。
JavaScriptは変なところが不便だったり、変なところが斬新だったりします。

とても誤解されている言語だと思います。
出来の悪いオブジェクト指向言語だと思い込んで使っている人が多いようですが、JavaScriptはそもそもオブジェクト指向言語ではないと思います。オブジェクト指向言語だと思い込んで無理に使うとどうしてもエレガントではなくなります。
Lispに似ていると思いますしそのように言う人は多いですが、しかしながらLispのつもりで使おうとするとこれまたLispのようには取り扱えません。

独自のエレガントな書き方があることは解ってきたのですが、しかしながらあんまりエレガントな書き方をしようとすると互換性大丈夫かな?とか心配になってしまいます。
一応書いておくと、エレガントな書き方というのは往々にして見られる不必要にトリッキーな書き方の事を指しません。
兵法で有名な孫氏曰く、トリッキーな解決法は良くありません。私もそう思います。必要も無いのに自然に逆らわないこと。

ECMA Script(JavaScriptの大人な呼び方)はこれから普及するのでしょうか。
いずれにせよもうちょっと言語仕様を手直ししないといけない気がしますし、利用者の誤解があまりに多い不幸を乗り超えられるのだろうかとか思いますが・・・良い対抗馬がぜんぜん思いつかないのでスクリプト用としてそこそこ普及してしまうのかな?

個人的には簡潔なSchemeが大流行したり、MLやHaskellが大流行したりする方が面白いと思いますが、そういうのは無理でしょうねえ。

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904 Docomoが、PCでのデータ通信定額を実現することが難しい理由

この記事を書くきっかけになったのは、
NTTドコモ データ通信に定額制 無線ネットが使い放題
という記事を見かけたからでした。

この記事は1月14日のニュースで、その後他社からの続報も無いので、「これは誤報っぽい話なのだ」ということはみんな解っているのだろうとおもっていたのですが、残念ながらそうでもないらしい事がわかってきましたので、

・どうしてこのニュース(PCでの定額開始など)が実現困難な話に見えるか

ということについてちょっと書いてみたいと思います。
話としては一通りまとめたつもりなので、ちょっと長いですが読んでいただければと思います。

#後日追加:この記事に補足の続きを書きました(記事末尾参照)


◆元のニュースの内容を整理する

元のニュースがわかりにくいのでちょっと整理してみたいと思います。

元のニュースが言っていること。
・NTTドコモが今年の夏にHSDPAという新技術をサービスインする。
・HSDPAは最大速度14.4メガで、ADSL並みである。
・HSDPAで、PC接続向けの定額サービスも用意したい。月数千円で利用できるようにしたい。
・AUも追随してくる(と読めてしまう)

これを読んで、「これは夢のような新サービスだ」と思ってはいけません。
私が思うに、これは夢のような・・ではなくて夢のままに終わります。
この記事を読んで直感的に思うようなサービス(つまりADSLの代わりになるような高速定額サービス)は実現が困難だからです。


◆なぜ困難か

まず、記事では(読みかた次第ですが)ドコモのHSDPAを追いかける立場のように思えてしまうAUですが、実はすでにHSDPAと同等の技術をサービスインしています。実はこういう感じなのです、

・HSDPA≒EV-DO(いわゆる「WIN」)
・HSUPA≒EV-DO Rev.A

かなり前(2004年11月?)に、AUが「ブロードバンド携帯」「パケ代定額開始」と盛んにCMを行っていた頃があったと思います。「WIN」が始まった時です。
HSDPAやEV-DO(WIN)は3.5世代と呼ばれる同世代の技術で、実はAUはとっくの昔に3.5世代をサービスインしています。今年の夏だとしても、ドコモはこの変化の早い携帯の世界で二年近くも遅れをとっていることになります。

では、なぜにすでに3.5世代に突入して久しいAUがPCでの定額を行わないのか?
それは技術的に難しい点があるからで、これはドコモのHSDPAも同様なのです。

なぜかというと、それは「PC定額にすると絶望的に速度が出ない」からです。
既にサービスインしているAUを例に説明してみましょう。

WINは「最大速度2.4メガ」ということになっています。それだけ速いならPCで定額サービスを開始しても何ら問題ない・・ように思えます。
しかし、この「最大速度2.4メガ」は、
・A:電波状態がありえないほどの理想的状態での最大速度
・B:1通信あたりの最大速度ではなくて、基地局あたり(正確には1RFあたり)の最大速度

まずAの点について。
「最大速度2.4メガ」と名乗っているWINを実際に通信させて速度を調べてみると、場所を変えたり時間を変えたりしてがんばっても800K(0.8メガ)ぐらいしか出ません。
実際には800K出ることも珍しいことで、「800K出ました」なんていうと「そんなに出るなんてウソをつかないでください」とさえ言われます。実際に期待していいのは400Kくらいなのかもしれません。

次により深刻なBの点について。
これは意味がわかりにくいかもしれませんが、実は「2.4メガ」は一人あたり2.4メガではなくて、「基地局に繋いでいる利用者全員で2.4メガ」だということです。
もし二人の人間が通信していたら、通信帯域は二人で取り合いになります。五人なら五人で、10人なら10人で取り合いになります。そしてそのぶん速度は落ちます。

先に示した800kは「一人で基地局を占有できた場合」の速度です。誰かが使っていれば100K前後になることは珍しくありませんし、混雑時間帯は50Kや30Kのような非常に遅い速度にまで低下します。

AUはPC定額をしていないばかりか、パケット量が増えることに非常に神経質です。例えばアプリのデータ通信量を制限したり、着歌のビットレートを低いままに保ったりして混雑が起きないようにかなり気を配っています。
にもかかわらずこのありさまです。

もしPC定額を導入したらどうなるかといいますと、現在の「混雑時間帯」を越える混雑が一日中続くことになります。スペック上は2.4メガでありながら、例えば通信速度10Kというような大変なことにもなります。懐かしきテレホーダイのアナログモデムよりも遅くなることでしょう。

さて、どうしてPC定額が難しいかわかっていただけたでしょうか?
定額とまともな通信速度の両立はほとんど不可能というわけです。


◆さらに追い討ち

厳しい話はさらに続きます。

HSDPAの「理論値14.4メガ」は将来におけるスペックで、今年の夏のサービスイン時には「理論値3.6メガ」でスタートします。ですから、(理論値3.6メガながら実測値は)1メガ程度の帯域の奪い合いになることでしょう。

AUの方が速度が遅いように思えるかもしれませんが、AUは「電波帯域1.25Mhz」を消費して理論値2.4メガを達成しています。ドコモは「電波帯域5Mhz」を消費して理論値3.6メガ(将来14.4メガ)です。つまり、ドコモはAUの4倍の電波を使っています。
オマケ:話題のiBurstは5Mhzで24メガ
896 iBurstって「第二世代」なんですよ、知ってました?

そして電波を多く使うことが更なる問題を生み出します。
ドコモのFOMAに割り当てられた周波数帯域は15Mhzしかありません。そして「HSDPAの5Mhz」というのは、三分の一にも相当してしまいます。
5MhzをHSDPA専用にしてしまった場合、音声通話に使える周波数帯域が10Mhzしか無くなってしまいます。そして、FOMAは街中では混雑してきています。
HSDPAは音声通信と混在させること(周波数帯を共用にすること)もできるのですが、音声通信とHSDPAのデータ通信が互いに干渉してしまって、更なる速度の低下を招いてしまいます。

一方でAUは1.25Mhzしか使いませんから、EV-DO(WIN)は音声との住み分けが容易で、専用帯域で通信を行うことができます。
今後開始されるEV-DO Rev.A(3.5世代をさらに高度化したもの)で何らかの新サービスを始めようと考えた場合も、1.25Mhzさえ用意できれば新サービス専用の帯域を用意できます。ドコモなら干渉覚悟の混在は必至です。


頭の回る方は、それなら基地局をたくさん作ってしまえば良いではないかと思われるかもしれません。
たしかにそれが唯一の解決方法ではあります。
しかし、そうなると莫大な資金が必要になりますし、基地局の増設となると場所の交渉からですから時間がかかります。また、基地局の密度を増やすと都心での通信がさらに不安定になり、FOMAの不評がさらに増します。


◆PC定額はすべきではない

ドコモは資金力では飛びぬけていますから、文字通りの「力技」でPC定額を実現できるかもしれません。
しかし、そこまで無理をしてPC定額をする必要は思いつきません。

最大のライバルたるAUはPC定額をする気がありませんし、ドコモで厳しいならボーダフォンには不可能なサービスです。そしてウィルコムとは顧客層が競合していません。そしてなによりも、これは削りあいの一種なのであって利益を増やす新サービスではありません。
ドコモの顧客は、音声通信主体で「NTTの安心」を買っている客ですから、ドコモが自ら進んでリスキーなことをする理由は思い当たりません。

そこまでして基地局をたくさん作ったところで、通信技術がしかるべきところまで進歩して(通信技術は「第三世代」で終わりではありません)定額が当然期待される状況になれば、大量の旧式設備が残って困るだけです。

新規参入のソフトバンクやアイピーモバイルなどは「PCも定額にする」などと表明しているようですが、ここまでに記したとおり、PC定額にした場合にはまともなサービスは期待できません。新規参入だからどうせ加入者が少ない(電波は比較的あまる)し、新規だから無茶をせざるを得ないから(あるいは技術的無知)、というのが理由だと思います。


◆ではウィルコムは?

ウィルコムはPCでの定額を実現していますが、これは例外です。

PHSは小型安価な基地局を大量に配置して日本中の音声通話の大半を賄うという計画でしたが、計画の見通しが甘かったために予定通りに普及しませんでした。
言ってみればその失敗の後に残されてしまった基地局をうまく再利用しているのがウィルコムです。

音声通話の利用者が計画よりも大幅に少ないために帯域が余っていて、日本中に大量の基地局が配備済みでありながら遊んでおり、なおかつ基地局がの機能をソフトウェア的に書き換え可能になっているなど妙に高性能だった(他社のPHSはここがダメでした)、といういろんな偶然が重なって、PCでの通信定額が提供できています。
あくまでもPHSの失敗の後に残されたインフラの思わぬ再活用から始まったウルトラCです。一から計画されて生まれたネットワークではないのです。

(ドコモのPHSが終了するというニュースがあったので、このことについて記事を書きました。
ドコモのPHSが終了する理由
PHSの顛末についての詳しい話は上記の記事を読んでください)

ウィルコムが発表の度に「定額をするにはネットワークの『厚さ』が大事だ」と言っているのはこういうことを言っています。また、冗談交じりで「顧客の苦情に対応する形で基地局を作っていると結果的にこうなってしまっただけで、今からネットワークを最初から作れといわれたらこんな風にするかどうか解らない」とも言っています、これは偶然の成功の側面も大きいことを暗に認めているということでしょう。

結果的に現時点においては驚異的な収容能力をもつネットワークが出来上がっているわけですが、長い年月をかけて偶然生まれたネットワークでもあるわけで、今から他社が真似してできるものでもないのです。

だから、ウィルコム熱狂関係のブログではこのあたりは冷静に分析されているのかと思ったのですが、そうですね、例えば・・・
NTTドコモがHS-DPAで、PC接続データ通信に定額!?
などを見ると、そうでもないようです。

#意外とみなさん知らないのだなと驚き、というわけでこの記事を書いています。この記事を書くきっかけになりました。


◆結論

結論としては、このニュースは誤報であるか、ドコモの中で技術に明るくない人の思いつきが外部に出てしまっただけだと思います。不可能だとは思いませんが、無理が多い上にメリットが感じられないからです。
そういえばAUの社長は理系で、ドコモの社長は文系ですね。

まともに実現できるサービスならサービスインしていただきたいのですが(進歩はいいことです)、私にはどうにもドコモの既存利用者を不幸にする無理なサービスに思えます。
ドコモでも困難であるのに、携帯新規参入組は(商売上仕方が無いとはいえ)ちょっと調子の良い事を言い過ぎているように思えて大丈夫かなと思えます。


長くなりましたが、みなさん解っていただけたでしょうか?
「なるほど」と思っていただけていれば幸いです。


念のため:

この記事は、「やったー、ADSLを解約するぞー」みたいな勘違いが予想外に多かったので書いてみた記事です。
ですが、記事が原因で「HSDPAって全くダメ」という逆方向の勘違いが生まれてしまったような気がしなくもありません。世の中難しいものですね。

HSDPAが全くのダメ技術に思えてきた方、それもまた勘違いですのでご注意ください。


補足として続きを書きました
895 続き:Docomoが、PCでのデータ通信定額を実現することは難しいけれど
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/02/895_docomopc_94cc.html

関係記事
898 ドコモのPHSが終了する理由
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/02/898_phs_0100.html
896 iBurstって「第二世代」なんですよ、知ってました?
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2006/02/896_iburst_52b1.html

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909 台湾製の格安CD-RWをテスト / 「もうちょっと」があれば

台湾製の格安CD-RWをテストしていました。

格安で売られているCD-RWってどの程度使えるのか、というのを明らかにしておりました。


記事本体はこちら。
計測結果 : Daxon CD-RW 4x (HI DISC CD-RW 74分 4倍速)

HI DISCブランドで売られていた1200円50枚スピンドルのCD-RWを使ってみて、実際どの程度使えるのかみたいなことを調べてみた結果です。

結構時間ががかかってしまいましたが、50枚全部をテストしました。
四倍速CD-RWだったので本当に調べ終わるのだろうかと思いましたが、地道にやっているといつの間にか終わっておりました。なんでもコツコツとやってみるもんです。

ディスクは台湾製(Daxon)でした。

詳しい結論については記事本体の方を参照していただきたいのですが、一部にエラーが出るディスクが混ざっているものの、その他は良好に記録できるディスクでした。
使ってみてダメなディスク(書き込みエラーを起こしたディスク)を自分で選別すれば問題なく使える状態でした。その点を配慮すれば、購入しても問題ないと思いました。格安に済みますし。


出荷前にディスクを選別していれば評価は何倍も高かったはず。台湾のメーカー(昔Acerという名前だった「BenQ」という会社ですが)は、もうちょっと努力すればの「もうちょっと」をなぜしないんだろうと思ってしまいました。

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924 「Web2.0」は「ITバブル2.0」

Web2.0は一言で言い尽くすことが出来ましょう。

「Web2.0とは、ITバブル2.0のこと」

「ITバブル2.0」の呼び名は以前に自分で考えたものです。
(おそらく世界中で同じことを考えた人は沢山居るに違いないでしょうが)

「Web2.0は結局なんだかよく解らない」
「Web2.0はなんか怪しいのでは?」

直感的にそう思っている人、おそらくあなたは間違っていない、そう思います。

「Web2.0」って聞いた事もないよ、という人へ:
むしろ何も知らないままで困らないと思いますので、この記事は以降気にしなくていいです。


◆Web2.0はWeb2.0を理解していない人間が使う

完全なインチキならば話はすぐ終わるのですが、
若干話が難しいのは、Web2.0は完全なインチキではないというところです。
そのおかげで話がややこしくなります。
(ややこしい話を読むのが面倒な人は「ほぼインチキ」という理解で当面問題ないと思いますので、それでどうぞ)

「ITバブル2.0」という呼称を考えたので、「ITバブル」で説明してみましょう。
ITバブルが一体どうなったかは説明するまでも無い事ですが、しかしITバブルも全てインチキだったわけでもありません。

ドットコムバブルの教訓:

バラバラだったはずのモノがつながります、確かにつながりました。便利にはなりました。しかしつながる前に大騒ぎしていた連中の言っていた事は妄想だと同時に解りました・・・・

不必要なバズワードはあらぬ妄想をも引きつけて不自然な熱狂をもたらし、その後に必要以上の落胆を招く。

(この文章は私が書いたものです)

同様に、Web2.0は完全なインチキではないゆえにある程度の説得力があります。
たしかにWeb2.0が言わんとする先には何かは存在する、と私も思います。しかし、Web2.0で騒いでいる大半の人たちの先には何も無く、彼らが不自然に騒ぐがゆえに、他の「まともな分野」までバブルの終焉の巻き添えを食うような気もします。

「この先に何も無いわけではないが、かといってこの騒動は怪しい」という何ともいえない複雑な感情は、Web2.0の技術的な輪郭を理解している人には共通の認識で、あらためて説明するまでも無い事かもしれません。

実際、技術を解っているはずの人ほど「Web2.0」について敢えて何も語っていないように思えます。解っているだけに語る事が難しいのでしょう。

騒動を支持して良いとは思えないし、かといって全部がインチキだというわけでもない。Web2.0は面倒な話題だと思います。

『Web2.0』…… そんな言葉で騒ぐ必要はねーんだ。 なぜなら、その言葉を頭の中できちんと理解した時には! 実際にその言葉を使う価値はもうすでに終わってるからだ! だから使った事がねェーッ! 『Web2.0バブル』なら使ってもいいッ! (元ネタ:ジョジョの奇妙な冒険)

◆翻訳しただけ?

「Web2.0」について調べると、
- 解らないけれど流行っているらしいと聞いた
- 解っていないのに、なぜか熱狂している人
- 「前向きに考え病」の人が、Web2.0を「前向き話題」として「前向き」に支持中。
- 「Web2.0」の「大本営発表の未来予定」を土台に空中でビジネスビジネスと言っている人
が、大量に見つかります。
ちゃんと理解していて支持している人がとても少ないのが特徴です。
(土台まで理解していると思いこんでいる「ビジネス」系の人は居るようですが)

実務・研究の方々からは現在のところほぼ黙殺されているようです。「また誰かが変な事言い出したよ」-そんな感じです。


ITバブルの時と似ています。
- 実はほとんど解っていないのに熱狂する人たち(あるいは「解っていないから」熱狂)
- 未来はこうなるはずだと空中に宮殿を建て始める「ITのビジネス」を語る人たち

加えて、
- アメリカの最新流行だというだけの理由で日本に無条件輸入する人たち
- アメリカの記事(やブログ)を右から左に翻訳するだけで、それをあたかも自分の意見であるかのようにしてオピニオンリーダーの風をする人

「あなたのビジョンは古いです、それはWeb1.0の世界ですね。これからはWeb2.0的にビジネスを思考しないといけません」-借り物の権威で物事を上から見下ろすのは気分が良いかもしれません。

しかし英語で書いてるからって全部正しいわけではありません。
アメリカ(の一部)で「盛り上がってるから」という事実は、(日本において)「正しい将来理解」である根拠にはなりません。ましてや、それを「翻訳」しただけの人の正しさの根拠にはなりません。


最後に念のために書いておきますが、確かにWeb2.0が言わんとする先には何も存在しない、ことは無いと思います、しかし「Web2.0の妄想」を担保できるようなものは無いはずです。
騒動に同調せず、Web2.0の看板を掲げずに静かに考えるべきではないでしょうか。無責任なバブルに付き合う必要は無い、と思います。

とりあえず、
- 「Web2.0」と「ビジネス何とか」の専門用語が両方出てくる文書は内容的に危うい可能性が最も高い
- 高尚な概念だからなんとなくな理解しかできないのではなく、最初からあやふやな内容の主張だからそうなるだけ。だから、そういう理由で「奥が深いんだろうな」と思ってはいけない。あなたの理解力の問題ではない。最初からそうなのだから。
- 非常に大まかに言って、具体的な知識というより思想に近い形で熱狂の対象になっています。そして、それゆえ面倒です。
- 当面は「Web2.0」について何も理解しようとしなくても多分困らないので、面倒だったら完全無視で大丈夫だと思います。中途半端に信奉してしまい信奉者の夢遊病にかかるのが一番割に合わないとおもいます。


ましてや外野の普通の人間にとっては積極的に関っても仕方の無い話題なので、メディアが騒ごうが「怪しいものは怪しいのだ」という態度で遠巻きに眺めているのが多分正しいのではないかな、と思います。

「Web2.0ってなんのことか結局解らない」そう思ったあなたの直感は割と正しい、ということです。
解らないままで大丈夫。

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925 長い前置きのあと / 「っぽく」ならないこと

なぜか今ごろになって。


◆長い前置き

このブログはろくでもないことしか書いておりません。
あまりにもちゃんとしていません。

しかし「ちゃんとしよう」と思った途端に全く何も書かなくなってしまうのが私なので、このブログは「きちんとしていないこと」を書く場所だということにしています。

◆発表の達人

世の中には、いきなり他人の作ったプレゼン資料をもらって、スライドの順番を入れ換えたりするだけでいきなり(最初からよく考えられたシナリオがあったかのような)内容のある名プレゼンをしてしまう人がいます。
生まれながらの才能もあるのだと思いますが、そう考えると話が終わってしまうので、そうではないという事にしてちょっと考えてみます。

事前によくよく考えてプレゼンを何回もしているうちにそんな達人になるのでしょうか?私が思うに、達人にはなるだろうけれどこれは種類が違います。これはきちんとする訓練が主であって、素ではないからでしょう。

普通の人が事前準備なしの「天然のプレゼン能力」を使うと聞くほうが迷惑という話になります。しかし、まれに天然で鑑賞に耐えうるレベルの人が居て、そういう人が達人なのだと思います。

今の世の中はゆとりがありません。なんでもかんでも「今すぐ役にたつもの」です。鑑賞に堪えない天然の能力を何回も披露できるようなゆとりは無いのが普通でしょう。


◆文章

何も考えずにいきなりだらだらと書き始めても薀蓄があってきちんとした文章を書ける人が稀におられます。
基本的には同じだと思います。

新聞記者は、実に新聞記事らしい文章を文章の長さまで指定してあっという間に書けると聞きます。内容のない取材資料を渡されて、「これ800文字くらいで」と言われても書き直しもせずにいきなり「それっぽい」文章が書けてしまうそうです。
きちんとする訓練というのはこういう感じなのだろうと思います。

立派にビジネスの事を言ってる・・っぽい文章とか、人生を啓蒙している・・ようにみえる文章もおそらく同じだと思います。

そして、文章が本当に何を言っているのかなんて気にしない人が大半だからでしょうか、「っぽい文章」の方が本物の文章よりも人気が出ます。あるいは、そうだからこそ、「っぽくなること」と本当に中味があることが(当人すら)区別出来なくなって、「っぽく」まろうとすることの方が流行するのだろう、と思います。

天賦の才能のない人が、「っぽく」ならならず、なおかつ成長するにはどうしたらいいのでしょうか。
まず、「っぽい」に捕まらないようにする事。そのうえで、何かの水準に達する事自身を目的にせずに何かしら書きつづけてみたらどうなのだろうと考えるようになりました。

おおよそそういうことなどを考え、他の事情などもあって、このブログを書いています。
このブログはそういう意味で実験のようなものです。


なぜ?

さあ。

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