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これからのモバイル通信の要点は「気前の良さ」かもしれない

大した内容じゃなくてごめんなさいですが、更新。

次世代通信で、どのキャリアが速度出ているみたいな話がありますが、今まで以上に意味なくなってきているかも、という話について。

これからのモバイル通信の要点は「気前の良さ」かもしれない

前々からの書いていることですが、モバイル通信の話題となると、どうしても通信速度の計測で評価される傾向があります。測りやすいし解りやすいからでしょうね。

でも、本当は速度以外にも色々な側面があります。エリアが広いかどうか、エリア内で安定してつながるかどうか、移動してどうなのか、電池は持つのか、などです。ですが、こちらは客観的に調べて説明しにくいし、それそれの人の利用形態に照らしてどうかも解りにくいです。

ただそれでも、ある特定の状況で速度がどれくらい出るかという目安にはなったと思うのですね。しかし、今後はそういう意味ですら参考になるか怪しくなりそうだなということを少し。

たとえばこういう記事があったりしました、

下り速度はSoftBank 4Gが「圧倒的」――ICT総研、4社高速データ通信の速度を調査
http://www.itmedia.co.jp/promobile/articles/1203/07/news070.html

極端に遅い数値が出ているキャリアは参考情報になるかもしれませんが(ちなみに、上記のイーモバイルでも、あまり該当しないと思います)、あとは、あんまり参考にならない、と私は思ってます。これまでもそうでしたが、今後はもっと微妙になるかなと思います。

これも前々から書いている話ですけど、速度は利用者が少なければどんどん出ます。初期のイーモバイルがそうでしたし、(初期の)WiMAXもそうです。昔から書いてますが、モバイル通信の「スペック上の通信速度は」

  • 電波状態があり得ないほど良い状態での理論値
  • 使用者が自分以外に居らず、電波帯域を独占できた場合の数値

前者はもちろん理想的な状態など発生しません。特に問題なのは後者で、たくさんの人が同時に使うと帯域は皆で分け合うことになります。どうやら、一般の人は「下り75Mbps」というのは、自分一人で占有できる速度だと思っているようですが、そうじゃないんですね。

正確じゃないですけど、いわば「下り75Mbps」は一人分ではなくて、基地局を利用する皆で山分けをする速度なのですね。だから、二人で使っていたら二分の一に、十人で同時利用すると十分の一に、つまり利用者が多いと速度はどんどん下がってしまいます。ですから実際に出る速度は、以下のようなものでした。

  • 基地局が出せる速度(電波状態があり得ないほど良い状態など無いから)
  • 利用者の多さ(つまり混雑の度合い)

SoftBank 4Gで速度が出ている理由と思えるものが二つあります。

  • 広い帯域を一つに束ねて利用していること(逆に言えば今後に向けて混雑に弱いと考えられる)
  • サービスインして間もないので利用者が居なかったこと(記事の時点では)

以上の二つは、総合的な能力評価とするには今一つの要素です。本来知りたいレベルでの実力を測ったことにはならないだろうからです。ただ、ウィルコムの基地局の場所を利用していることから、

  • 基地局密度が高い

ことから、今後比較的速度が落ちにくい・・かもしれませんし、ウィルコム譲りのマイクロセルと言う看板だけ使って、結局基地局はあまり作っていないので実はダメ、なのかどうかはわかりません。こちらの要素についても、結局上記の調査結果からはよく解りません。

もう一つの要素:帯域規制

今後は、さらに話がややこしくなります。「混雑」を減らすために帯域制限をすることが普通になってきたからです。

これまでは、

  • 利用者が多いor基地局整備が甘すぎるから混雑する
  • 利用者が多くないor基地局がしっかり整備されているから混雑が無い

という風に考えれば良かったのです。

しかし今後はこういう場合でも「速度が出ている」ようになります。

  • 利用者が多いのに基地局整備もサボっている、でも、鬼帯域制限をかけているので、「速度が出ている」

おそらく今後(というかすでにそうなっている気もしているのですが)は、鬼帯域制限/鬼利用規制(この用途は駄目この用途も駄目・・・)をすることで、基地局整備の手を抜くのが流行ると思います。

以下はたとえ話ですけれど、例えば、

  • 現在:利用者が居らんので『下り速度は xxxxx が「圧倒的」』
  • 将来:鬼規制なので『下り速度は xxxxx が「圧倒的」』

何ともつまらんではないですか、でも、今後こういうことは増えると思うのです。鬼規制を掛けているだけなのに、速度で圧倒的なんてバカバカしいわけですが。

しかも、こういうことも起こりえます。

  • キャリアA:インフラ整備はサボってますが、鬼規制なので『下り速度は キャリアA が「圧倒的」』
  • キャリアB:インフラ整備は頑張ってて、帯域制限も少なく気前よく使わせている神キャリアですが『下り速度は キャリアA が「圧倒的」』

速度だけ比べる記事だとキャリアAが褒められますが、果たしてどう思いますか、と。

鬼規制合戦にならなければいいが

規制は「解りにくい」ので、利用者が叱らないと各キャリアは「狡猾な規制合戦」を始める恐れもあります。

例えば、一揆をおこす寸前の「これはやだなあ」という規制とXX年縛りを巧みに組み合わせるような、やな感じの規制が横行するかもしれません。

で、各キャリアの「競争」が、いかにユーザを狡猾な規制に落とし込んで縛りこむか、みたいなところで行われるようになると大変残念であります。狡猾な規制をしたキャリアが儲かって栄え、気前の良いキャリアが儲からないみたいな展開は、嫌でしょ?

よって、あのキャリアは鬼規制だから怪しからん、ということは皆言いましょう。言わないと評価の対象にならないからです。また、そういう比較記事もあれば役に立つと思います。

#そういう意味では、気前がいいモバイルWiMAXは褒められるべきだと思います

私は昔から、モバイル通信で固定回線の置き換えをするのは現実的ではない、と書いてきました。モバイルは速度は出ても通信容量が少ないので、混雑は避けられないし、混雑を軽減するためのある程度の規制も仕方ないところかもしれません。

でも今後未来に向かって、通信の量が減るとは考えられませんし、世の中の進歩のためにも減っていいとも思えません。よって規制合戦ではなく、頑張って基地局をたくさん作っていただくのが、望ましい競争ではないかと思う次第です。

まとめ

  • 通信速度が出た出ないは、実力の一部でしかない
  • 速度が足りない場面は、もうあまりない
  • エリアの広さや、エリア内での安定性は相変わらず解りにくい
  • 基地局が実質的に多いか少ないかは、わかりにくい(役に立たない基地局を沢山設置しても意味がない)
  • さらに加えて、「どれだけ気前が良いか」が今後大事だがこれも解りにくい
  • 基地局整備をする代わりに、「狡猾な規制」でごまかすキャリアが出てくるかもしれない
  • 各キャリアで、どれだけ狡猾な規制をするか、みたいな嫌な競争がなされるかもしれない

混雑して大変なのはわかるわけですが、現状の制限はもうちょっと緩い方が良いのではと思いますし、混雑時間帯だけ規制するならともかく、一度規制されると深夜のガラガラに空いている時間帯まで規制されたりするのは、ちょっと酷いのではないかと思う私でした。

利用者に「どれだけ気前が良いか」で評判がつくようになると、状況は変わってくると思うのですが。

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コメント

いつも判り易い解説ありがとうございます。
firstlight様がどのポジションなのか厳密なところはわからないのです、いつもよくわかっていない使用者に判定基準がわかりやすい記事になっていて理解がすすみ助かります。
このブログ以外、私が寡聞であるとはいえ、このような判りやすい内容の文章を読んだことがありません。
いつもありがとうございます。
firstlight様のいう「気前のよさ」は宣伝が難しそうですね。

投稿: モコム | 2012/07/10 12:58

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