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480 関係者の発言を真に受けると「XGP≠TD-LTE」に思えるという話

高度化XGPとはTD-LTEと同じなのか違うのか、の話題について、関係者の発言をそのまま真に受けると「高度化XGP≠TD-LTE」に思えるという話について書きます。

まずは、前回の記事を読まれていないかたは、まずそちらを読んでいただければ幸いです(話題的には続きですので)。

「高度化XGP=TD-LTE」なのか「高度化XGP≠TD-LTE」なのかという話
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2011/06/484-xgptd-ltexg.html

ネットでは、「高度化XGPとはTD-LTEそのものの」であると思われていることが多いようですが、「関係者の発言を真に受ける」ならば(ここが怪しいのなら意味はありませんが・・)、「高度化XGP≠TD-LTE」に思えます。

以下、発言を引用して解説しますので、どのように思うかは皆様にお任せすることにしましょう。

◆関係者の高度化XGPについての発言:松本徹三さん

まずは、副社長の松本徹三さんのtwitterでの発言を引用してコメントしてみましょう。

以下の引用は、松本徹三さん(matsumotot68) のtwitterでの発言からです。

喝采を浴びる:

@krswy XGP-2(高度化XGP)は世界から喝采を浴びるものになるでしょう。http://twitter.com/#!/matsumotot68/status/78830999777189888 2011/06/09

「XGP-2は世界から喝采を浴びる」との発言です。

もし高度化XGPが、2.5GHz帯の免許対策(免許はXGPでもらっている)で「TD-LTEそのもの」に「高度化XGP」という別名をつけただけだったなら、そんな小細工に世界が喝采するわけがありません。

よって、「発言を真に受ける」ならば、今年中に高度化XGP(≠TD-LTE)がサービスインされ、PHS由来のマイクロセル技術が世界の話題になるはずです。

量産効果には乗るが同一のものではない:

@minaseaoi XGP-2はLTEと全く同じベースバンドチップを使う予定ですから、高速性などは全く同じになるでしょう。インプリ上では特徴が出せると思いますが、部品レベルで世界市場のスケールメリットを生かさない手はありません。http://twitter.com/#!/matsumotot68/status/74475012047912961 2011/05/28

以前の記事で書いた可能性、TD-LTEに関連して世界的に量産されるものを用いたXGPだと思える発言です。「高速性などは全く同じ」あるので、PHS的なマイクロセル技術を実現する部分以外は全てTD-LTEと同じものを流用したということなのでしょう。

つまり、こういうことでしょう。

  • 土台となる次世代技術としてはTD-LTEが(出来るだけ)丸ごと用いられている
  • 部品や場合によっては端末や基地局も流用する
  • その土台の上に、PHS由来のマイクロセル技術が実現されている

PHS由来のマイクロセル技術が特徴:

@hayato626 その通りです。ちょっとやりかたはちがいますが、XGPは今世界的に脚光を浴びているSON(Self Organized Network) の思想を先取りしたものです。但しガラパゴスになってしまうと競争力がもてませんから、そこが問題です。http://twitter.com/#!/matsumotot68/status/13409570751 2011/05/05

TD-LTEには備わっていない特徴、XGPにはPHS由来のマイクロセル技術があるというような発言です。

「今世界的に脚光を浴びているSON(Self Organized Network) の思想」とは、簡単に言うと、携帯基地局の間の干渉を基地局間の協調により低減する技術のことです。

これまでの携帯電話の基地局では、基地局を良く考えて計画的に配置しないといけません。なぜかというと隣り合う基地局同士の電波が干渉してしまうためです。このため携帯電話の基地局は配置が難しい側面があります。

また、基地局を高密度(つまりマイクロセル)に配置しようとすると、どんどん難しくなり事前に計画しての干渉対策が加速度的に困難になってしまいます。また、時間帯や天候による電波状態が変化が無視できないようなサイズになると、だんだん「そもそも無理」になってきます。

PHSでは、基地局同士が自動的に相互調整をして帯域を譲り合い、互いに干渉をしないようにする仕組みがあります。これによってPHSの基地局は、携帯電話の基地局と違って、配置にあまり気を使わなくても大丈夫で、高密度な配置(マイクロセル)も容易でした。

なお「ちょっとやりかたはちがいますが」というのは、PHSのマイクロセル技術(基地局間の干渉除去技術)は日本で独自に作られて発達したものなので、現在世界で話題になっている干渉除去技術とは少し違うということでしょう。

まとめ:

発言を真に受けると「XGP-2≠TD-LTE」だと思えます。上記の最近の発言、もし「XGP-2=TD-LTE」だったとすると説明がつきません(発言を真に受けると)。

◆関係者の高度化XGPについての発言:宮川潤一さん

次に、現在ウィルコムのボスをされている宮川潤一さんの発言を見てみましょう。

以下、宮川潤一さん(miyakawa11)のtwitterでの発言からです。

先程、総務大臣より高度化XGPの開設許可証を頂いて参りました。XGPの高度化でTD-LTE部材とのECOシステムも可能に。今まで中座していた建設の遅れを挽回します。新サービス内容、年内には発表できるよう頑張ります。#Willcom #Softbank http://twitter.com/#!/miyakawa11/status/76483173185372160 2011/06/03

「XGPの高度化でTD-LTE部材とのECOシステムも可能に」とあります、TD-LTEの部材の量産効果に乗りますという発言です。ただこの発言については、「XGP-2=TD-LTE」でも矛盾は生じませんが。

@miyakawa11 宮川潤一 生存危機に直面した山登りを再挑戦する為には、例え遠回りになろうとも道具の構造の理解とその準備を入念に行う必要がある http://bit.ly/eTviqm ウィルコムの技術は確実に世界の技術革新の中で生きています。XGP準備着々と。#willcom http://twitter.com/#!/miyakawa11/status/37393085772210176

実態が「XGP-2=TD-LTE」だったならば、「ウィルコムの技術は生きている」という発言はお笑い発言となりましょう。

正直申し上げます。既存のXGPではもうひと塩。技術は世界最高水準ではありますが、端末はグローバルスタンダード化すべき。改良してNo.1を狙いたい。RT @btm34nndkry: XGPのスマートフォンや音声端末を楽しみにしていたのですが、今後XGPはどうなるのでしょうか? http://twitter.com/#!/miyakawa11/status/24110292695 2010/09/10

半年前の発言です。

XGPの技術力は評価するが、グローバルスタンダード化してNo.1を狙いたいという発言です。「改良」ですから、素直にとればTD-LTEをベースにした次世代PHSとして改良されたように取れます。

◆オマケ:PHS基地局数減少について

PHSの基地局を減らしている件に関して、以下のような発言があります。

まずは宮川さん

PHSの優れている点ではありますが、干渉に強い為セル間のコスト見合いを離れた設置をやり過ぎた時期がありました。現在の無線機はチャネル数が多くなり、出力も大きくなって間引きも可能です。RT @teanog: 停波まで使うつもりですが…支援するはずがサービス低下とはこれいかに? http://twitter.com/#!/miyakawa11/status/21704734322 2010/08/20

当初のPHSは一つの基地局で狭い範囲しかカバーできず、一つの基地局で対応できる通信の数も限られていた。

また、基地局の設置場所が自由にできることもあって、過去の一時期に基地局を過剰(あまり効率的ではない配置で)に設置していたことがあった。

しかし、ウィルコムの基地局はどんどん能力が向上し(例:八本槍やさらにその先の最新型基地局)、一つの基地局で広い範囲をカバーできるようになり、一つの基地局で多くの通信に対応できる(「チャネル数が多くなり」)ようになった。

よって、高性能基地局で広い範囲をカバーするようにし、あまり役に立っていない基地局を減らしている。

発言の内容としては以上のようなものとなります。

次に松本さん、

.@tamnisan 採算を無視しては会社経営は成り立ちません。SBは損をしてまで数字を作る必要はありません。現在のPHSは当初の設計よりリンクバジェットがよくなっていますから、携帯用に立てられたタワーに乗り替えてセルの集約化を図るという計画は以前からウィルコムにありました。http://twitter.com/#!/matsumotot68/status/78834943593164800 2011/06/09

「現在のPHSは当初の設計よりリンクバジェットがよくなっていますから」の部分について説明しましょう。

「当初の設計」とは、当初のPHSが狭い範囲しかカバーできなかったことを示します。

「リンクバジェットがよくなっている」とは、最新型のPHS基地局は広い範囲をカバーできるようになっていることを言っています。

「セルの集約化を図るという計画は以前からウィルコムにありました」というのは、高性能な最新型基地局に基地局を集約する計画は、買収される前から存在していた計画で、その計画を実行しているに過ぎないんですよ、という説明です。

こちらも、発言の内容としては以上のようなものとなります。

◆まとめ

(彼らの発言を)信じるか信じないかは、あなた次第です。

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コメント

カワちゃんはともかく、松っちゃんは信用ならん

投稿: DASEW | 2011/06/17 23:22

今まで一番筋通ること書いてるね
ほかのただの悪口と違って

投稿: すごい一言 | 2011/06/19 17:04

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