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携帯電話の「純増数」とはどうやって増えて減るのかまとめ(携帯電話三月の純増数)

携帯電話の三月の純増数の発表がありましたので、携帯電話ネタで一回投稿しておこうと思います。

また、ずっと読んでいただいている人(感謝しております)には復習になってしまいますが、純増数ってどういう数字なのかについて、これまでに書いたことを再度まとめてみたいと思います(書いているうちに増えている内容を再度整理することも目的として)。

一応書いておきますと、以下は私がこれまでに書いているうちに話題にしたことをまとめただけなので、純増数に関する真理が全てまとめられているというわけではありませんので、その点はご了承ください。

◆まず全体について

まず全体について簡単にコメントをしてから解説に移ることにします。

携帯電話3月の純増数
http://www.tca.or.jp/database/2011/03/

  • SBM 49万8100
  • docomo 48万2900
  • KDDI 26万1600
  • WILLCOM 8万2300(PHSのみ:7万4800)
  • UQ 13万1000 (総契約者数:80万6600)
  • EM 5万8000 (総契約者数:311万7900)

ソフトバンクがぎりぎりの一位になりました。もうちょっとでドコモに純増首位を明け渡す大ピンチだったのか、ソフトバンクの純増調整能力の完全勝利だったのかは解りません。

また、ウィルコムの復調が続いています。これはどうも本格的に調子が戻ってきたようです(純増数は、ですが)。

また、モバイルブロードバンドの戦いでは、純増数ではUQが好調になってきましたが、EUもまだ純増が続いており、全体の数の逆転があるとしてもまだ先のことになりそうです。

また、スマートフォンブームやウィルコムが原因で「二台持ち」が増えていることからか、飽和して久しいとされる携帯電話市場ですが、純増数はまだかなりの数になっています。

◆純増数についての復習

携帯電話会社のその月の純増数は、非常にわかりやすい数字であるために、携帯電話の好調さを判断するのに良く用いられます。しかしながら、純増数はそのまま素直に(好調さの指標として)受け取ってはいけない面があります。

以下、以前からずっと読んでいただいている人(ありがとうございます)には復習になってしまいますが、再度純増数についての説明をしてみたいと思います。。

純増数は、(当たり前ですが)以下のように表すことが出来ます。

純増数 = 新規契約数 - 解約数

純増数が「好調」になるためには、沢山新規契約を取るか、解約が少なければよいことになります。

そして注意すべきこととして、「新規契約」と「解約」はそれぞれ違う性質を持っている点があります。ポイントとしては単純な好調不調(好評不評)以外の要素が色々あることです。

新規契約:

新規契約はもちろん、そのキャリアがどれだけ魅力的なサービスをしているか、魅力的な端末を提供しているかによって大きく影響されます。

しかし、新規契約数に影響することはそれだけではありません。

新規契約数は「新規獲得の予算」を突っ込むと、素直に増える傾向があります。例えば、端末のバラ履きやを行えば契約者数を増やすことができる、CMをすれば影響がある、などです。

よって、(短期的には)新規獲得の予算をどんどん突っ込めば新規契約数は素直に増やすことが出来る傾向があります。

解約:

解約は少し様子が違います、まずは以下のように表現してみましょう。

解約数 = 総契約者数×解約率

つまり減るほうの数は、「契約者の多さ」に影響されます。契約者の多さは、サービスの良い悪いとは関係が無いことに注意してください。

また解約率は、大まかに言って、「不満の多さ」と「解約のしやすさ」で決まるといえるでしょう。まず、不満が多いと解約されやすくなるのは容易に想像できます。「解約のしやすさ」とは何かというと、例えば「解約したいけど二年縛りが・・」みたいな状況を想像してください。解約したくても出来ない場合があるのです。

よって以上より三つの要素に整理できます

  • 契約者数が多いと解約で不利になる
  • 契約者の不満が多いと解約され、少ないと解約されない
  • 解約しにくい場合には、不満が多くても解約率が上がらないことがある

一つ目は仕方のないことです、二つ目は真っ当な努力です。三つ目はちょっとズルい話ですが、携帯電話会社は「解約しにくさ」を巧妙に作戦に取り込んでいます。

まずは、すでに例に出した「二年契約による割引」などです。これは言ってみれば、解約を不便にする代価として割引が提供されていることになります。ので、こういうのを仮に「解約妨害割引」と呼んでみたいと思います。

その他にも色々あります「家族割」や家族割と連動させた「学生割引」もこのような解約妨害割引の一種といえます。二人とも同じキャリアじゃないと定額にならない、アプリを買ってしまっているので、のようなものも解約を面倒にします。

また、ひどい方法として、純粋に解約の事務手続きを非常に面倒にして、その上で解約を挫折させて最低料金コースで寝かせ状態にさせるなどの方法もあります。

◆再度、純増数を見てみる

次に、上記で説明したことのおさらいとして、再度今月の純増数を見てみましょう。

  • SBM 49万8100
  • docomo 48万2900
  • KDDI 26万1600
  • WILLCOM 8万2300(PHSのみ:7万4800)

ソフトバンクとドコモは僅差で並んでいます。しかし、ドコモは契約者総数がソフトバンクの三倍くらいあります。ですから、解約の効果ではドコモが不利なのです。よって、純増数では並んでいてもドコモの数字のほうが実はすごいともいえます。

どうしてこうなっているかというと、ドコモは「解約率が非常に低い」ことがまず背景にあると思われます。ドコモには解約したい人がとても少ないのです。ドコモには鉄壁の防御能力があります。

一方でソフトバンクは新規契約を取るのは上手なのですが(ここは皆さん知っての通りです)、解約は三社では一番多い傾向にあります。両社は対照的な戦い方かもしれません。

AUは、解約率は悪くは無いけれども、新規をあまり取っていないのでこの数字のようです。

また復調しているウィルコムについてですが、純減するなど長い間不調だったウィルコムにとっては(つまり「ウィルコム基準」では)、現在はかなり好調な状態になっているといえます。

しかし、ウィルコムの契約者数はそんなに多くありませんから、本来解約の効果はあまりありません。よって本当に好調になった場合には、今後もっとびっくりする数字が出てくる可能性もあります。

  • UQ 13万1000 (総契約者数:80万6600)
  • EM 5万8000 (総契約者数:311万7900)

モバイルブロードバンドで戦ってる二社ですが、純増数ではUQが好調ですが、総契約者数を考えるとどちらが優勢なのかは判断の基準次第で分かれるところではないかと思います。またこの両社、きちんと採算が取れるところまで契約者数が延びていないので(EMは考え方次第かもしれませんが)、命削り合戦のようなところもあるため、純増や契約者数で勝てばよいわけではないという面もあります。

◆しかし、純増数は目的ではなくて手段なので

最後にもう一度話をひっくり返します。

携帯電話会社の目的とはなんでしょうか?少なくとも。純増数を多くすることは目的ではなくて、「手段」に過ぎないことが解ります。

「純増1位」として世間に知れることはプラス要素です。しかし、別に二位とどれくらい離れての一位なのかは世間は気にしません。

そして自然な純増ではなく、予算を使っての「純増」の場合、純増を多くすることは予算の浪費につながります。よって、純増数をうまくコントロールし「ぎりぎり一位」になるような純増数に抑えておくことが、実は一番理想的であるという考え方もできます。

では、再度数字を見てみましょう。

  • SBM 49万8100
  • docomo 48万2900

ソフトバンクは「実にうまくやった」とみなすこともできます。実に効率よくドコモを出し抜いたとも言える数字です。

自社の純増数を何らかの方法でコントロールする手段を持っていて、その上で他社の純増数を十分な制度で予想する手段を持っていれば、意図的に「ぎりぎり一位」の数字を作って、効率的に「純増一位」の看板を獲得することも可能です。

もちろん、そんなことをやっていることに相手が気がついたなら、意図的に相手の数値予想を間違わせて一位を取り返したり、短期間にものすごい勢いで数を伸ばしてコントロールが追いつけないようにする、などの対策も出来ます。

そうやって考え始めると色々な駆け引きが考えられます。

なお、さらに「そもそも」を考えると、無理な純増にお金を無駄にしても仕方が無いと考えて、無意味な純増一位レースは無視し、携帯電話会社と利用者にとって意味のあるところに予算を使おう、という考え方もできます。

#AUは、そういう理由で純増一位レースにはあまり興味が無い可能性もあります。

例えば利用者としては、純増数のために予算を浪費するよりも、自分を大事にするために使ってくれた方がありがたいはずですよね?

追記:

各社解約率

  • ドコモ:0.46%
  • KDDI:0.68%
  • ソフトバンク:0.91%

しかも、ドコモは強制解約と自然解約(海外への引越しなど)で0.2%で、本当の解約はわずか0.26%。

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