« 投票:携帯電話2010年3月の純増数、どうなる? | トップページ | 投票:携帯電話2010年4月の純増数、どうなる? »

492 「臨時代理のプロ」の若林さん、最後まで「代理の伝説」

「臨時代理のプロ」の若林さん(若林正俊議員)が、最後にやらかした件について少し書いてみたいと思います。

以前「代理の若林さん」について書いた記事を読まれた方は、ニュースを聞いたとたん面白くてしょうがなかったと思いますが、(前回と同じように)一応もう一度説明をしたあとで、今回の件について書いてみたいと思います。

◆「臨時代理のプロ」の若林さん

事件そのものは本来起こってはいけないことなので笑い事ではないのですが、しかし同時に「面白い」事件であることもまた事実です。

「隣のボタンをうっかり押してしまいました」だけで既に面白いのですが、よりによって「あの若林さん」がボタンを代わりに押していた、のが、この事件の面白さの神懸っているところです。

若林さんについては以前記事にしたので(評判の良い?記事なので、よければこちらも読んでください)、

鳩山さんのライバルが「若林さん」(それ誰?)に決まった、という「トンデモ事件」
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2009/09/post-f195.html

記事を読んでいただいた方はすでにこの事件の「面白さ」は理解できていると思うのですが、一応少し説明してから今回の件について書いてみることにします。

若林さん(若林正俊議員)は「抑えの切り札」「ミスター・リリーフ」「お助けマン」とか「困ったときの若林」とか呼ばれていました。なぜそういうことになったかと言いますと(上記記事から再度持ってきましょう)


困ったときの若林さん:

2006/09/26 松岡利勝:農林水産大臣に
2007/05/28 松岡利勝:事務所費問題等で・・(「ナントカ還元水」)
2007/05/28 若林正俊:農林水産大臣の臨時代理

2007/06/01 赤城徳彦:農林水産大臣に
2007/08/01 赤城徳彦:不祥事により就任2ヶ月でスピード更迭
2007/08/01 若林正俊:臨時代理で農林水産大臣に
2007/08/27 若林正俊:内閣改造で臨時の農林水産大臣を辞任

2007/08/27 遠藤武彦:農林水産大臣に
2007/08/27 若林正俊:環境大臣に
2007/08/27 遠藤武彦:金銭問題で就任7日後にスピード更迭
2007/09/04 若林正俊:臨時代理で農林水産大臣を兼任

この「臨時代理」の連発で有名になった人でした。そしてその後も伝説は続きます。

おまけに、
・福田内閣では「臨時ではない」農林水産大臣をだが、福田内閣自体が臨時っぽい内閣に

そしてその後も
・山崎正昭参院幹事長が体調不良で辞任
・参院幹事長の後任に谷川秀善さんが就任
・両院議員総会長が空席になったので、いわば臨時で若林さんが就任

そして、上記の記事の通り、

・衆議院選挙大敗北のあと、首班指名選挙(誰が次の総理になるか決める投票)で、自民党は「誰の名前を書いたらいいのか」わからなくなってしまう
・麻生の名前を書くのは嫌だ、しかし代わりの候補も用意できない→しょうがないから白紙投票で(党執行部)
・白紙投票は嫌だ!→じゃあどうするんだ、誰にも決まらないじゃないか
・もめ続ける
・「じゃあ若林さんでどうでしょう?」→拍手で了承
#詳細は上記記事をご覧ください、別の意味でも伝説なので

若林さんは、首班指名候補という非常に重いものの臨時代理を引き受けることで、歴史に残る代理となりました。
#正しくは「白票の臨時代理」の引き受けかもしれません

若林さんは引退が決まっていて次の選挙には出ないことになっていたので、さすがにこれで伝説は終わりかと思ったのですが、最後に予想外の伝説を作って引退となりました。

若林伝説最終章:
・代理で投票ボタンを押して議員辞職

念のために再度書いておきますと、本来笑い事ではないことです。しかし同時に「面白い」事件であることもまた事実。

面白さの面でいうと、くだらないことで自爆してまで伝説になったという意味で「タシロ神」並みの面白さです。

◆しかも、代理投票にはあまり意味がなかった

最終的には「この日の10件、うっかり押しました」と白状して自ら議員辞職なさったわけですが、そもそも最初に指摘されたのは

自民・若林氏に懲罰動議=青木氏の代理投票-民主
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201004/2010040101086

民主党は1日、2010年度のNHK予算が承認された3月31日の参院本会議の採決で、議場にいなかった自民党の青木幹雄前参院議員会長の代わりに投票ボタンを押したとして、同党の若林正俊元農水相に対する懲罰動議を参院事務局に提出した。

「2010年度のNHK予算」が問題だったわけですが、これがなんとまあ、

NHK予算は全会一致で可決しており、投票結果の記録では両氏とも賛成のボタンを押したことになっている。

「全会一致で可決」ですから、若林さんが代理で押そうが押すまいが、「押す意味がほとんどない」代理投票だったということになります。

若林さん、何をやってはるんですか。

投票してないことは参議院の記録に残るのでカッコ悪いということはあります。でも、有権者がそこをチェックして選挙に影響するかというとそうではありません。メリットがあまり無いのです。重ねて「何をやってはるんですか」です。

男風呂だった、というオチがついていたタシロ神のようです。

◆議員辞職も「代理」だった可能性もある

指摘があったこの1件だけではなく、

自民党・若林元農水相 “代理投票”で辞職
http://news24.jp/articles/2010/04/02/04156577.html

また、若林氏は先月31日の本会議で10回あった採決すべてで、青木氏の代わりに投票したことを明らかにした。

一回ではないのですね。このため、本当にうっかりなのか?以前から代理で押していたのではないかという疑問もあるようです。

しかも当日は若林さんの「両側」が欠席の状態で、そのうち青木さん(参議院自民党のボス)の席のボタンだけ「うっかり」押されています。

反対側の席のボタンには何もしておらず、しかも、反対側の席の投票パネルの方が若林さんの席に近い位置にあって「うっかり押しやすい」位置にあった、という状況もあります。それなのに、です。

#なお、当ブログのこの記事はこの事件の「面白さ」のみに注目していますので、
#この点について真面目な考察をするつもりではありませんのでご了承ください

つまり、以下のような可能性もある「かも」しれないことになります。

・青木さんが以前から依頼していた
・若林さんは、以前から代理でボタン押しをやっていた

もしそうだとすると、こういうことになります。

・青木さんは参議院自民党のボス
・話が大きくなるとまずい
・若林さん、青木さんを守るために「代理で議員辞職」

つまり、議員辞職までもが「代理」だったかもしれないのです。



|

« 投票:携帯電話2010年3月の純増数、どうなる? | トップページ | 投票:携帯電話2010年4月の純増数、どうなる? »

コメント

初めて書き込ませてもらいます。
このサイトで若林さんの面白さを教えていただき、代理投票のニュースをきいて不謹慎とは思いつつ爆笑していました。
今回詳細を教えていただき、再度笑わせてもらいました。
ありがとうございます。
最近お忙しいようですが、時々でもいいので書いてください。
携帯の話もとても興味深いのですが、また面白いニュースも教えてください。
楽しみにさせてもらいます。

投稿: ムコモ | 2010/04/06 12:35

江戸時代なら、代理神社が建立されて、奉られているレベルの伝説。

投稿: | 2010/04/07 00:36

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 492 「臨時代理のプロ」の若林さん、最後まで「代理の伝説」:

« 投票:携帯電話2010年3月の純増数、どうなる? | トップページ | 投票:携帯電話2010年4月の純増数、どうなる? »