携帯電話2010年2月の純増数:一位陥落はちょっとマズい月だったのではないかな
いまさらですが、二月の純増数についての記事を書いておきたいと思います。
時間がたってからの投稿ですみません。
その代わり、3月末の発表が近いことを踏まえての内容にしました。
◆予想と結果
まずは事前の予想投票について答え合わせをしましょう。
- docomo 14万8300
- KDDI/au 12万1400
- SBM 14万5800
- EM 7万3100
- Willcom 6万5000(PHSのみ:6万9600)
SBM > DoCoMo > EM:11票 (78%)
SBM > EM > DoCoMo:1票 (7%)
EM > SBM > DoCoMo:0票 (0%)
EM > DoCoMo > SBM:0票 (0%)
DoCoMo > SBM > EM:2票 (14%)
DoCoMo > EM > SBM:0票 (0%)
正解は
DoCoMo > SBM > EM:2票 (14%)
意外な結果だが、「もしかしたら」とは思っていた結果だった、そんな感じでしょうか。
◆2月の首位陥落はちょっと不味いかもしれない
2月最大の事件は、「ソフトバンクが一位ではなくなった」ことです。僅差であるとはいえ、ドコモが押し勝ってしまいました。また、AUにも数字で近いところまで接近を許してしまっています。
ソフトバンクはいつものとおり(これまでのとおり)なんとか一位をキープしようと、いつものようにダッシュしようとしたものの、とうとう足が思ったとおりに動かなくなってきた、と、そういう感じがしています。
ただ、純増数一位ではなくなったこと自体については、私自身は以前から「純増数に一喜一憂するものではない」
と言っているとおり、また、無理に純増数を稼ぐよりももっと別のことをすべきであると言ってきたとおり、この結果からソフトバンクが本質的にどうなったとは思いません。
#また逆に「純増数を一位」にする作戦の意味もあるとは思っています、利用者の実際の利益にはつながらない予算の使い方だと思いますが
ただ、2月の首位陥落はちょっと不味かったと思うのです。
というのも3月末には「第二世代の低波」が待ち受けています。明らかに綺麗な巻き取りは絶対に不可能な状況ですから、3月の時点で多量の端末が巻き取れずに残ります。
もし3月末で巻き取れなかった第二世代を純減処理した場合には、ソフトバンクは確実に首位陥落します。それどころか大幅な純減となるはずです。
ただし、前から書いている通り、
・一気に処理すれば、その後に足を引っ張られることは無い
・第二世代の停波という実にわかりやすい理由があるので、大幅純減になったとしても納得しやすい
ですから、例えば「第二世代の停波ですから」という理由を非常に強調すれば、巻き取り出来なかった分を一括処理するだけではなく、「それ以外」の数字の処理も一気にまぜこぜに処理してしまえるチャンスですらありました。
ただ、これには一つ前提が必要です。
「確かに、第二世代の停波が無かったらソフトバンクは一位だろうからね」というみんなの予想が存在することです。
直前の2月に首位陥落してしまっていては、「本来は今月の好調なんですが、第二世代の停波ですから」と言っても、「怪しいなあ」となってしまいます。
メディアも「第二世代の停波に伴い」とは言うでしょうが、「二ヶ月連続で」というフレーズも必ず入ってしまうのです。ああ、流れが変わったのね、という空気が若干出たまま四月商戦の後半に突入することになります。
更新が出来てなかったので書けなかったのですが(ごめんなさい)、以上から、もし三月末で第二世代の巻き取れなかった分を一括処理するなら、2月は必ず純増一位を死守するはずだ、と思っていました。
ですが、二月の結果は
・純増一位を守ろうとしたようだが、陥落した
と思える僅差の敗北です。作戦ミスだったのではないかと思えます。
これでソフトバンクは、
・一括純減処理を諦め、三月の純増数での首位奪還を目指す
か
・「ソフトバンクは二ヶ月連続で」というニュースが流れるのを我慢する
のどちらかの痛みを取らなければならなくなりました。
少なくともとも取れる手が狭まったとは言えるでしょう、そういう意味では失敗です。
もしかするとですが、ドコモが狙って2月攻勢(ないしは2月だけ正確な純増数予想が出来ないようにして失敗させた)をやった可能性もあります。以後の畳み掛け攻撃計画付きで。
私は2月は余裕をもって一位を確保し、3月で「仕方ないんですよ」と非常に強調しつつ一括処理するのが良いやり方だと思っていたので、よりによって2月で負けるというのは驚きでした。
問題の「三月の結果をソフトバンクが実際にどうするのか」はまもなく判明するはずです。
◆その他の数字
では、「毎月気になるその他の数字」を今月のチェックしてみましょう。
- SBM全体 14万5800
- SBM(関東) 9万8600
関東に純増が集中する現象はまだ続いています。
また、「写真立て」の数字の予想に使える数字を見てみますと、
通信モジュール
- docomo 8900
- KDDI 1万6000
- SBM 6万2400
2月も写真立てが随分活躍したかもしれない(純増数で攻めた月だったかもしれない)ことが解ります。
そして2月末時点での第二世代の残りですが
- SBM(2G) 54万3700
というわけで、やはり「かなりの数」が残ってしまいました。最後の最後に移行する人(迷っている人など)も居るだろうとは言え、これでは3月末で巻き取れない数はかなりになってしまうこと確実です。
◆それ以外
ウィルコムですが、まあ良い数字とは言えない数字です。ただ、状況がかなり悪いにもかかわらず、これまでとは全く違う数字にはなっていないので、悪い状況にしてはなんとか支えているという感じでしょうか。
イーモバイルですが、モバイルWiMaxが全面攻撃に出ているにもかかわらず、そして、ドコモまでがPC定額で攻めてきたにもかからず、そこそこの数字になっています。
どうやらイーモバイルもかなり色々と苦労しての数字ではあるようですが、楽しての数字か必死の数字(ないしは内実の無い数字)かはともかく、純増数的には少なくとも防衛には成功していることになります。
次の発表ではモバイルWiMaxの数字も発表されます。
イーモバイルとモバイルWiMAX、そしてPC定額に攻め込んできたドコモとの戦いがどうなっているのか、気になるところです。
特に、モバイルWiMAXが公約の「数十万」を確保できているかが気になるところでしょう。
現在、モバイルWiMAXは大攻勢に出ており、以前から書いている通り、既存の契約者が居なければ純減の効果も無いので、文字通りの全力の数字となっているはずです。しかも、当初の主張を曲げて(おそらくそうでしょう)、二段階料金プランも投入してきています。なんとしても四月の数字を確保するつもりのようです。
私個人としては、イーモバイルはもっと攻勢に出ていれば、例えば超限定サービスインでも42Mbpsをサービスインして日本最速を名乗れなくするなどしておけば、春までに(4月に純増数が出た時点で)大きなダメージを与えられるチャンスだったのではないかとも思うのですが、大きな攻撃を仕掛けていません。
もし、モバイルWiMAXが難なく公約達成してその後元気になった場合には(そして今後イーモバイルの大きな敵となるとしたら)、立ち上がり前に先に潰しておけば、と思えることになるかもしれません。
ただ、代わりにドコモが攻撃を仕掛けており、しかもその内容が品質やエリア、実績や信頼を訴えるというものなので、もしかしたら「代わりにドコモが叩き潰している」かもしれません。
個人的には、比較的素直に数字を出して微妙なラインの数字が出るか、ないしは内実の怪しい「数十万」の数字が出てくるかそのくらいじゃないかなと思っていますが何か根拠があるわけではありません。ただ、身近の評判から予想するに、文句なしの数十万というのは難しそうかな、と思えます。
初期よりは随分と改善したようですが、でもやっぱり他社と比べるのはつらいようですので。
ただ、CM打ちまくりがどういう結果をもたらしているのかはわからないので、なかなか予想は難しいと思っています。
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コメント
>・一括純減処理を諦め、三月の純増数での首位奪還を目指す
これ、やろうとするにはツーカーのようにTCAのPDCの残数を残すという事ですかね。
(まさか無理やり3Gへの無理やり載せかえなんて事は無いと思いますが…)
>・「ソフトバンクは二ヶ月連続で」というニュースが流れるのを我慢する
自動契約解除分を純減処理をした場合はこちらになりますが、
3月の巻き取りも今までのペースだった場合、09年度の貯金も食いつぶして純増No.1という看板までも無くなるという痛手をうけますからねえ。
なんかしらウラの手を打ってありそう?まさか…
投稿: 匿名(まだ仮) | 2010/04/01 00:26
EMとUQの戦争も俄然興味が増しますね
投稿: | 2010/04/01 10:43