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494 携帯電話九月の純増数:ソフトバンク一位、AUが僅差で二位

記事の更新に少し間が空いてしまいましたが、九月の純増数についての記事を書いてみたいと思います。

事前の予想投票との答えあわせの結果(というか驚きの結果)と、いろんな事が起こっているぞ、ということを書いてみたいと思います。

それでは本文、

◆まずは結果と、「予想」の答えあわせ

いつものように記事は後で書くとして、まずは数字そのものを、次に事前の予想投票の答えあわせを行いたいと思います。

九月の純増数
- DOCOMO 6万6000
- KDDI/au 10万2300
- SBM 10万8000
- EM 8万8200
- WILLCOM -3万5400(PHSは-4万2300)

また今月は、九月末時点でのWiMAXの契約総数が発表されています。
- UQ 2万1700

今月もソフトバンクがなんとか一位でしたが、他の点で意外性が多い数字です。

AUが僅差で二位になっていること、ドコモの数字があまり良くない事が、先月までとは違うところでしょう。

SBM > DoCoMo > EM:42票 (65%)
SBM > EM > DoCoMo:0票 (0%)
EM > SBM > DoCoMo:1票 (1%)
EM > DoCoMo > SBM:0票 (0%)
DoCoMo > SBM > EM:16票 (25%)
DoCoMo > EM > SBM:5票 (7%)

正解は、

SBM > EM > DoCoMo:0票 (0%)

「予想が当たった人は誰もいない」というとんでもない結果となりました。だめじゃないですか、皆さん。


◆SBMはまだ純増一位を続ける気のようだ

今月もまたソフトバンクが一位になりました。

7月の純増数で首位陥落後、ソフトバンクの純増一位に対する今後の「真意」がどうなのかは不明なところもありましたが、

- ではない:純増一位はもういいので無理は止める
- ではない:純増一位キープはもうやめるが、時々は一位に戻って「接戦なんですよ」とアピールする
- そういうことらしい:純増一位キープにまだこだわる

どうやら、今後も引き続いて無理をしてでも純増一位の維持にこだわる方針のようです。

念のために今回も書いておきますと、「純増の数字を作る」のは、多い少ないの違いはあるにしても他社も行っていることですから、その事自体をとやかく言うつもりはない、ということは先に書いておきます。

ソフトバンクにとって、純増一位の数字を作って維持するためのコストはどんどん大きくなっているはずですから、正直、時間が経つほどに純増一位をキープする作戦は割に合わなくなってきているはずです。

ですから、もっと合理的なことにコストを使おうとか、純増数に予算を使うのを止めて、既存ユーザをより満足させるために予算を使おう、という方針転換がなされてもおかしくはないのですが、結局は八月の首位陥落は、意図したものではなかったようです。

なお、「好調のイメージ」から実際の好調を作り出して走り続けようとする作戦も、ちゃんとした作戦です。ですから全否定されるようなものではありません。

しかし、それはソフトバンク視点での話、ユーザ視点での話ではありません。既存のソフトバンクユーザにとっては色々考えることも多いことではないかと思います。


◆「連続純増一位」には難問が

また、ソフトバンクが純増一位をとにかく続けようと思っているとすると、ひとつ大きな問題があることがわかります。

純増一位は次の春あたりにまた陥落する可能性が高いという悩みです。しかも、下手をすると(何も対策しないと)「派手な首位陥落」になってしまう恐れもあります。

というのは、「第二世代の巻き取りが順調ではない」ためです。

ソフトバンクは2010年3月末までに、第二世代(1.5GHz帯のPDC)の停波をする必要があります。免許が切れるためです。そして、1.5GHz帯はその後すぐに次世代で使われることになっているので、予定通りに停波しないと大問題になってしまいます。

#逆に言えば、ソフトバンクが意図的に停波をしないことで、他社の次世代計画を混乱させることが可能だということでもあります

で、現在の第二世代のユーザ数は、
http://www.tca.or.jp/database/2009/09/

前月から-12万1100の減少、残りのユーザ数が107万9200となっています。そして停波までの時間の残りはあと六ヶ月です。絶望的な数字ではありませんが、しかし順調だとは思えない数字です。

注意すべきは巻き取り(第三世代への移行)が進むほどに「第三世代に移行してもらうのが困難なユーザ」が残るという点です。つまり、同じ数字を巻き取る難易度は今後どんどん上がって行くのです。

もし、巻き取りに失敗した場合にどうなるかというと、その分の数字はいつかの時点で「純減」として処理しなければならなくなります。

もし、3月末の時点でかなり多くのユーザが残っていて、その数字をすぐに処理した場合、純増一位どころか大幅な純減となってしまうはずです。

純増一位を死守するつもりなら、巻き取り問題に対処する必要がありますが、どういう方法を取るにせよ、ソフトバンクにとって負担がかかることになるのは間違いありません

当然ソフトバンクはこの問題について既に考えはじめているはずです。どうやって乗り切るつもりなのでしょう。


◆またもや「僅差の一位」

今月はなんと、長らく首位攻防戦の圏外だったAUが「あと一歩で首位奪還」というところまで数字を伸ばして来ました。

AUは公約だった「3000万達成」の後は低空飛行気味でしたが、390円攻撃などでとうとう反転攻勢に出てきたようです。しかし、ソフトバンクとの差は「わずか5700」ながらわずかに及ばず、あと一歩のところで残念ながら二位ということになりました。

注意すべきは、またもや「僅差の一位」だということです。

「あと少し」でソフトバンクが一位を防衛したことがこれまで何回あったか考えてください。あまりにも「回数が多すぎ」ます。

一方で、あと少しでソフトバンクが首位陥落をしたのは「7月の純増数の一回」だけです。

まあ、各社がギリギリの戦いをした結果として毎回僅差になっているだけで、ソフトバンクにはたまたま運が味方しているだけなのかもしれません。

しかしこれは、運による現象ではない可能性があります。

純増数の数字は、(短期的には)予算を使えば作り出せる数字でもあります。逆に言えば、純増数を作るほどに予算がかかることになります。当然の事ながら、予算は普通節約したいと思うものです。

純増一位をキープのみを目的にしているのなら、絶対的な純増数の大小は問題となりません。他社よりも少しでも多ければ良いのです。

つまり純増一位をキープのみを目的にしている場合の「最良の数字」とは、「僅差で一位」ということになります。

ですから、
- 「僅差で一位」だから、ソフトバンクはピンチだ
という解釈も成り立つと同時に
- 「僅差で一位」だから、ソフトバンクにとって理想の結果
という解釈も可能になります。

つまり、ピンチなのではなく、ソフトバンクの完全勝利だったのかもしれないのです。


◆意図した「僅差の一位」に必要とされること

意図して「僅差の一位」にするためには、以下が両方とも出来るようになっている必要があるはずです。

- 他社の純増数を何らかの方法で予想、ないしは実数を知る手段があること
- 自社の純増数を何らかの方法で増減できること

しかし純粋な予想だけではどうしても誤差が大きくなりますから、以下ができればもっと正確なコントロールが可能になります。

- 他社の純増数(結果)を何らかの方法で発表前に予想/実数を知ることできること
- 自社の純増数を何らかの方法で事後(集計期間経過後)にある程度増減できること

なお念のために書いておきますと、他社の数字を知ろうとする努力は全てのキャリアが行っていることですし、数字が良くないから急遽キャンペーンを行って数を増やそうみたいなことも、全てのキャリアが行っていることです。

ので上記は量的には「程度の問題」の話であり、質的には「簡単な事だけをしているか、難しいことまでやっているか」ないしは「何も問題ない範囲で済ませているか、反則技を使っているか」の差ということになります。

またいずれにせよ、これについても結局、「ユーザにとって本質的では無いところに予算が使われる」活動であることには違いはありません。


◆その他の数字

次に一位がらみ以外の数字についても書いてみましょう。

八月に純増首位を奪還したドコモですが、今月は四位に後退しています。どうやらドコモは純増数の順位(短期的な純増数)に執着する気は無いようです。つまり、この様子だと、ドコモが無理をしてまで連続純増首位を目標にしたりはしなさそうです。

ドコモの数字が下がったため、イーモバイルが結果的に三位になっています。イーモバイルの数字自体はここしばらく同じような感じです。

ウィルコムは、全体では3万5400の減少で、PHS限定では4万2300の減少になっています。この数字は九月の数字ですので、最近の混乱が発生する前の数字ということになります(まだ反映されていない数字)。

純増数としては良くない数字ですが、ここしばらくの数字と同じ感じの数字です。状況から見て九月は純増数対策の予算はほとんど使っていないはずですから、「何も無しのほったらかし」の場合これくらいの数字になることが解った、とも言えるのではないかと思います。


◆モバイルWiMAXがかなり苦戦しているようだ

また今月は、UQコミュニケーションズの数字、つまり「モバイルWiMAX」の数字が初めて発表されています。

他のキャリアは毎月の増減数が発表されていますが、今のところ四半期(三ヶ月)ごとの発表になるようです。初回の今回については「現時点での契約者の総数」が発表されています。

そしてその数字ですが、

九月末時点でのUQコミュニケーションズの契約者数(総数)
- UQ 2万1700

どうやらあまり良い状況ではないようです。サービスインに先立って、無料で大量の端末を撒いているにも関わらずこの数字である、ということにも注意すべきです。

「UQ WiMAX」2月26日スタート──5000人限定で無料サービス、7月1日以降は月額4480円
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0902/03/news050.html

UQ、無線LANルーター型端末も投入──無料モニター1000人、4月3日受付開始
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0903/27/news084.html

とりあえず引っ張って来たのは上記の二つですが、これで全てではないはずです(例えば、間接的(MVNO経由)に無料で提供されている数とか)。

配った数と半年経った数の差があまり無いのはちょっと深刻ではないかと思います。

なお、サービスイン当初に目標として出ていた数字は、

UQ Com、「UQ WiMAX」を2月26日に23区と横浜・川崎で開始へ
-試験サービスは無料。商用時の料金は月額4480円
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/24745.html

ユーザー獲得目標は「初年度で数十万規模を目指す」とした。

あと半年で数十万にするのはちょっと難しいんじゃないかなと思います。ただ、この半年でUQコミュニケーションズ自身の状況認識は大きく変わったはずですから、いまさらこの発言を引用するのはちょっと可哀想かもしれません。

もちろん純増数は予算次第な面もあるので、これから「無茶」をすることはできますが、現状の状況を考えるにその後どうなるか予想がつきません。

UQコミュニケーションズは携帯界隈に見られる変な商売はしない(例えば二年縛りなどは皆無、とか)ことを看板に掲げているくらいなので、現状の数字を甘受した上で、エリア改善に力を入れたりするのではないかと思います(つまり正攻法)、もし対策を取るならですが。

次に数字が出てくるのは来年になります(12月末時点の数字が年明けに発表される)。さて、その時にはどうなっているのでありましょうか。


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コメント

UQはUQ+WIN,UQ+ドコモのデータカードが出るので状況大きく変わるんじゃないでしょうか。
イーモバイルから脱出するユーザーが激増しそうな気がします。すでにMNPでも4ヶ月連続マイナスですし。

投稿: fu | 2009/10/12 07:14

UQ+WINの「WIN部分」は制限撤廃してほしいよなあ。
じゃなきゃ、「UQ単独」料金と同額じゃないと納得できない

投稿: ドッチーモ | 2009/10/12 15:05

少し所かかなり空くだろいつもw

UQ+WINでは魅力半減(お仕置きモード搭載なので)、UQ+ドコモも実現は難しいでしょう
ただしMVNOがやる分にはありますが所詮MVNOなので3G部分での速度がネックとなるのでは?
UQ+イーモバがベストな組み合わせかと思われます

投稿: | 2009/10/12 16:25

>>MNP
イー・モバイルは音声ユーザーは数万人しかいないので関係ないのでは?

>>UQ+イー・モバ
イーモバは21M始まって既にUQのエリアを越えたし、速度はユーザーほとんどいないUQと互角なのでUQと組ませる意味がないですね。値段高くなるし。

あえて言えば、ドコモ+イーモバ。この組み合わせ以外はないと思います。

これ以外の組み合わせでいくら最初から内蔵していても、PC買ったときに大量にデスクトップにあるバナーと同じ運命でしょうね。

投稿: | 2009/10/12 17:16

UQ+WINは純増数はどっちに計上ですかね。

両者に加算だったら、「UQの粉飾」をするために
「WINデータのお安いオプション」に用意しとけば十分KDDI的にOKではないだろうか。

投稿: ドッチーモ | 2009/10/12 19:43

SBMのEMMVNOの計上と同じやり方てことですね、そうすれば純増au1位は可能でしょう

投稿: | 2009/10/12 20:27

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