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2009年8月の12件の記事

最近のその他の話題 :ファームアップ

八月が終わってしまいました。やり残したこと多し。


◆ウィルコムでまたファームアップ

WILLCOM|バージョンアップ情報
http://www.willcom-inc.com/ja/support/update/index.html

2009.08.31 京セラ製「HONEY BEE(WX331K)」の最新ソフトウェアが更新されました。
2009.08.31 JRC製「WX220J-Z」の最新ソフトウェアが更新されました。
2009.08.31 JRC製「WX220J」の最新ソフトウェアが更新されました。

HONEY BEE と WX220J/WX220J-Z で新しいファームが提供されています。あいかわらず真面目なファームアップです。

HONEY BEE は発売されて結構経ちますし、後継機も(HONEY BEE 2 および BAUM)発売されていますが、実質的に機能追加がなされたことになります。他社では珍しい現象です。

・着信ボイスの容量制限を解除しました。 公開日:2009年8月31日

もしかすると「着歌」を売るために制限解除したのではないか、という気もします。HONEY BEE系のユーザに着歌を売ろうというのは適切な戦略に思えますし。

一方の、WX220J/WX220J-Zですが、これは何と初代味ぽんの子孫にあたる機種ですが新ファームが提供されています。

AH-J3001V/AH-J3002V(味ぽん)→AH-J3003S→WX220J/WX220J-Z

ただ、WX220Jは法人向けのシンプル機種で、

・ ビジネス安心サービスに対応しました。
・ プロフィール画面からファームウェアバージョン番号が確認できるようにしました
公開日:2009年8月31日

ファームアップの内容的にも法人向けに便利にした、というもののようです。


◆しかし、室内圏外の問題点が聞かれなかったのは何故?

ウィルコムの試験サービスですが、電波状況があまり良くない状況では通信をあきらめる設定にされていたようです。

[ウィルコム]XGPの試験サービス,屋内浸透をあえて制限
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090824/335857/?ST=network

同社の近義起執行役員副社長は本誌の取材に対し,「現在の試験端末では,ある電波強度よりも弱くなると圏外になるように設定してある」と明かした。ウィルコムは6月中旬から,一般企業に対してXGP端末の貸し出しを始めている。「まずはXGPの速さに驚いてもらいたかった」(近副社長)ため,電波が弱く速度の出にくい場所では,あえて通信できなくしたのだという。

XGPの通信方法のうち、速度が遅くなるものの電波状態の悪化にも強いモードを封印していたか、ないしは基地局との電波状態が一定より悪い場合に寝るようにしてあったのではないかと思います。

ただ不思議なのは、XGPの試験サービスで室内圏外が多いというような評価がなかったことです。WiMAXとの比較でも大きな差はなく、むしろ好評価のようでしたし。

室内圏外が激しいなんていうレポートが出ていれば、そういうことだったのか、とも思えるのですが。

ただし、2.5GHzだからしょうがないと思える場合はある、というようなレポートがされていることもあって、もしかしたらそういう場合が該当する状況だったのかもしれません。

あるいはもしかしたら、本当はこちらが問題なだけかもしれません。

端末と基地局のチューニングが不十分で,電波が弱い場所や強い反射波を受ける場所では通信が不安定になる場合があるという。

電波状態がややこしい状況で安定して動作しないので、電波が弱い場合ではなく、「不安定になりそうな状況」では通信を切っていたのかもしれません。ただこれも、レポートで不満に現れていたわけではありません。

記事ではRTTを今以上に改善するとのコメントも出ています。

日経コミュニケーション編集部の実験によればXGPのRTTは30ミリ秒程度(関連記事)。一方で,NTTドコモは開発中のLTE(long term evolution)の実験環境で,RRTを10ミリ秒以下に抑えられたと公表している。「ウィルコム網内ではXGPでも10ミリ秒以下。さらに短くできる」(同)。

XGPは現時点でもRTTが優秀だという評価を得ていますが、RTTはまだチューニング可能な状況のようで、さらに短縮を目指すようです。

これらのチューニング成果は,本サービス開始時には実装するという。

現行世代のPHSでも「チューニング」はかなりの回数行われていますので、XGPでも同じようなことになるのではないかと思います。基地局のファームアップも頻繁に行われることになりそうです。

◆結局書かなかったですが :日本のファームアップ

話題的には選挙に関連したネタを書こうかなと思ったことがあったのですが、結局書きませんでした。

純粋に書きたいこともあったのですが、この時期に投稿することはあまりこのブログの本意ではないなと思ったので。

#ツッコミどころの多かった選挙だった気が(結果は当然の結末に思えています)

選挙が終わったので、また何か思い出したら何か書くかもしれません。

そもそもそういうネタは面倒だから、前からどうしようかなと思っているのですが・・・、書いて欲しい人が多いのか、今のままでいい人が多いのかもわかりません。そもそもどんな人が読んでいるのかすらよく解りません。ネットは難しいですね。

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投票:携帯電話2009年8月の純増数、どうなる?

今月も純増順位予想をしたいと思います。

今月の純増数の発表の日は9/7(月)なので、投票の締め切りは9/6としました。

先月のソフトバンクの首位陥落のその後、今月は果たしてどうなるでしょう。

毎度の事ですが、投票の選択肢が六つしか作れない都合上、これまでと同じ3キャリア限定での予想とします。

・SBM:ソフトバンクモバイル
・EM:イーモバイル
・DoCoMo:ドコモ

略さないと入らないので略しています。

なお、投票結果は投票を済ませると見ることが出来ます。

具体的な数字を予想(予言)しておきたい人は、コメント欄に書いてください。後で、自分の予想が当たったと自慢したりすることもできます。また、うまく投票できない人もコメント欄にお願いします(すみません)。

投票に含めていないAUとウィルコムについて何か予想をしておきたいひとも、コメント欄にお願いします。

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497 スマートフォンを「ケータイ」の世界進出のチャンスにできるかも、という話

ちょっと考え方を変えてみると、「スマートフォン」を経由して、「ケータイ」の世界進出が可能かもしれない、ということを書いてみたいと思います


◆「低価格スマートフォン量産時代」の足音

世界市場向けに低価格にパソコンを量産しているメーカーが、今後次々にスマートフォン市場に押し寄せてくる、というニュースをまず。

パソコンメーカー、相次いでスマートフォン市場に参入(1)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djCZV1051.html

パソコンメーカーは、販売の落ち込みを補うべく、従来は携帯電話機メーカーが支配していたスマートフォン(多機能携帯電話)市場に参入している。
今年はパソコン・携帯電話機の世界販売台数は減少する見通しだが、スマートフォンの出荷台数は依然として伸びている。調査会社オーバムによる今年の出荷予想は、スマートフォンが23%増の1億7190万台、一方の携帯電話は9.1%減。同ガートナーの予想によると、パソコン出荷台数は6%減の2億7400台。

景気減速の影響もあり、パソコンの市場はあまりよろしくないようです。

従来は、携帯電話とパソコンはまったく違った商品であるため、パソコンメーカーには携帯電話は参入しにくい市場でした。

しかし「スマートフォン」ならばパソコンメーカーにとって手が届きそうで、なおかつ現在どんどん市場が大きくなっています。「今が参入のチャンス」と見ているのではないかと思います。

コンピュータ機能を搭載するスマートフォンが増えている一方で、利益率ではスマートフォンは従来のパソコンの2倍を超えている。この意味ではパソコンメーカーによる同市場への参入は、理にかなっている。

多分、パソコンメーカが大挙して押し寄せた時点で、パソコンと同じくらいには儲からなくなるのではないかと思うのですが、今の所はパソコンを作るよりも実入りの良い商売だそうです。

エイサーで携帯情報端末(PDA)事業の副社長を務めるロジャー・ユエン氏は、パソコンとスマートフォンとは部品やソフトウエアが類似しているため、パソコンメーカーがスマートフォンを製造するのは比較的たやすい、と明かす。

個人的にはパソコンとどれくらい類似しているのだろうか、とは思いますが、従来の携帯電話よりはパソコンメーカーのノウハウが生かしやすい、つまり参入がたやすいようです。

この記事にも、いろんなメーカーの名前が出てきます。

米パソコン大手デル(Nasdaq:DELL)は17日、契約者数ベースで世界最大の携帯電話事業者、中国移動(チャイナモバイル)(0941.HK,NYSE:CHL)と提携してスマートフォン市場に初参入する、との計画を発表した。米ヒューレット・パッカード(HP)(NYSE:HPQ)、台湾の宏碁(エイサー、2353.TW)や華碩電脳(アスーステック)(2357.TW)などのパソコンメーカーは、デルに先立ちすでにスマートフォンを売り出している。

DELL、HP、Acer、ASUSの名前が挙げられています。

これまではスマートフォンはメインの市場から少し外れた場所にありましたが、これからは世界の巨大メーカーの本気攻撃を浴びることになりそうです。


◆予想のとおりになるのかどうか

こういう事になっている原因は、市場予想屋さんの予想がスマートフォン市場が大きくなると言っているためだと思われます。

・事実:これまではスマートフォンは限られた市場だった
・事実:現在、まだ小さい市場ながらも、スマートフォン市場は成長中
・予想:これからスマートフォン市場はめきめき成長する

ただ、この予想が本当に当たるのか?という疑問もあります。

日本でも、「一部」の事前予想では「2009年はスマートフォンが大きく成長する」事になっていて、これは「iPhoneのブーム感」をそのまま真っ直ぐに外延して予想を作ったのではないかのではないかと思われるものでした。ですが、ブームは続くとは限らず、醒めてしまうことも多いものです。

今回引用したニュースにもこうあります

パソコンメーカー、相次いでスマートフォン市場に参入(2)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djCZV1052.html

パソコンの受託生産メーカー、アスーステックのジョニー・シー董事長によると、来年のスマートフォン目標出荷台数は100万台だという。同社は05年にスマートフォン市場に進出、先週にはナビ機能を搭載した2機種を発売した。

しかしこうした動きによる利益貢献に対し、少なくとも短期的には懐疑的な見方を示すアナリストもいる。大和証券のアナリスト、カルバン・ハン氏は、「粗利益率や収益性を引き上げるためには、収入の少なくとも10%をスマートフォンで稼ぐ必要があるが、パソコンメーカーが向こう1-2年以内にこれを実現することは難しい」と指摘する。当初の出荷量は小規模なものにとどまる公算が大きく、生産を増強するまでには時間がかかる、としている。


世界向けで「100万台」ですから、非現実的な数字ではないのですが、

・沢山売れるようにならないと、本業のパソコンの業績を改善するようなことにはならないですよ
・本当に沢山売れるようになるのかわからない

また、

出荷台数で世界第3位のパソコンメーカーであるエイサーは、今年2月にバルセロナで開催された見本市、モバイル・ワールド・コングレスで、スマートフォンの製品一覧を発売した。王振堂董事長は当時、向こう3年間以内にスマートフォン事業が収入の10%を生み出すようになるかもしれない、と語っていた。

「向こう3年間以内にスマートフォン事業が収入の10%」ですから、バンバン売れないとそういうことにはならないはずです。


◆目論見のとおりになるかはともかく

パソコンメーカーが「希望」するとおりに、パソコンメーカーが量産するスマートフォンがどんどん売れるようになるのかどうかはさておき、

「そこそこの性能のスマートフォンが安価に量産される流れである」

ではあるようです。大量生産したけれども、ちっとも売れずに困ることになるかもしれませんが、それでも生産はなされます。

なお、「そこそこの性能」としているのは、

「消費者は高性能で低価格の商品を望んでいるため、パソコンメーカーがスマートフォン市場で成功する機会はある。いずれはスマートフォンもパソコン同様に日用品化する。パソコンメーカーはコモディティ化した商品を得意としている」と述べた。

多分、通がうなるような品を少量生産するようなことはしないでしょう。

既存のスマートフォンメーカーは、せっかく贅沢してスマートフォンを買うのに、あんな安物を買うくらいなら普通のケータイの方がまし、だからこっちを買う、と思わせるようなものを作るようになるのではないかと思います。

ので、パソコンメーカーが大量生産するスマートフォンのことをひとまず「量産型スマートフォン」と呼んでおくことにします。


◆なんちゃってケータイ

日本以外では、少なくとも当面は、

・普通の世界の携帯電話の価格 < 量産型スマートフォンの価格

となるのではないかと思います。ですから、スマートフォンの高機能さ(と操作性の癖など)に値段の分の価値があると判断されるかどうかが問題になります。

しかし、日本では、

・世界量産型のスマートフォンの価格 < 日本の低価格ケータイの価格

ということになるのではないかと思われます。

「世界の携帯電話」は日本では受け入れられません。レベルの高い日本では商品として成立しないからです。ですから、以前からの

・世界の携帯電話の価格 < 日本の低価格ケータイの価格

は日本には影響はありませんでした。ガラパゴス議論を引き起こした以外は。

しかし、「世界量産型のスマートフォン」は日本でも商品価値をもつと思われるため、

・世界量産型のスマートフォンの価格 < 日本の低価格ケータイの価格

は「ケータイは高いし、安物スマートフォンで我慢するか」という現象を引き起こす可能性があります。

また「スマートフォンはケータイではない」のですから、「スマートフォンで別にいい」と思ったとたんに、日本的なケータイの尺度も通じなくなります。

さらに、「ケータイっぽいスマートフォン」を最初から計画して作らせることもできます。これを、以前書いた記事で「劣化ケータイとしてのスマートフォン」と呼びました。

これは「ケータイ」にとっては困った現象です。

実際、

日本固有のケータイ vs 世界から押し寄せて来るスマートフォン

はよくある対立図式です。ケータイとiPhoneのよく見かける議論もこれです。

◆スマートフォンは「ケータイ」にとって最大のチャンスかもしれない

ここで「ケータイ」とは本当のところ何のことを指すのか、一度考えてみましょう。

ケータイ化したスマートフォンが売れたとして、なぜ「ケータイ化スマートフォン」を買った人は「単なるスマートフォン」を買わずに「ケータイ化スマートフォン」を買ったのでしょう?

それは「ケータイを使いたかった」からです。

「ケータイ化スマートフォン」はハードウェア的にはケータイではないけれども、「ケータイのように」使うことができるから、「ケータイ化スマートフォン」です。

ハードウェアとしてはケータイではないので、ハードウェアだけ見れば「売れなかったので負け」です。

しかし、本来ケータイではないスマートフォン上で、いわば「エミュレーション」をしてまで(そしてスマートフォンとしての本性を犠牲にしてまで)、「ケータイ」として使いたいと思っている人がいたとしたら、そこまでして使いたいと思わせた「ケータイの勝利」とも言えます。

また「ケータイを使ったり持った時に得られている体験ができること」が「ケータイ」ならば、別にハードウェアを伴っている必然性はない、と思えてきます。

もちろん、「このケータイの色と形は何とすばらしい」という部分はエミュレーションできないわけで、もしかしたら「ケータイ」の価値は二つ(以上)に分けて考えないといけないのかもしれません。

で、ここから逆に考えます。

「ケータイ」とはハードウェアのことではなく、日本人が携帯電話機から受けている良いサービスのことを指す、と定義しなおします。

そして、「ケータイ」は日本で海外の携帯電話(ケータイではない携帯)がまったく売れなくなるほどに、ハイレベルなものです。

しかし海外ではいろんな事情で、日本の携帯電話は高すぎたりいろんな事情で現地になじむことができず、電話機が海を渡れていないので「ケータイ」体験を海外にうまく提供できていません。

そして「ケータイ化スマートフォン」はスマートフォンを用いて「ケータイ」を提供する試みとみなせます。

日本製の携帯電話は海外にありませんが、「スマートフォン」はこれから世界に広まります。考え方を変えると、日本に閉じ込められていた「ケータイ」を提供できるプラットフォームが世界に普及し、ケータイの良さを理解してもらえるチャンスである、とみなすこともできます。

・ハードウェア:台湾
・ソフトウェア:アメリカ

これを

・ハードウェア:台湾(裏方ご苦労)
・OS:アメリカ(裏方ご苦労)
・「ケータイ」:日本(商品価値の本体)

そうなると「ケータイ化スマートフォン」を経由してハードウェアとしての日本製携帯電話の価値も上がるかもしれません、よく出来た「専用設計ハードウェア」だからです。

もし、そういうことが可能なら、

普通の世界の携帯電話 < 量産型スマートフォン < ケータイ化スマートフォン < 本物のケータイ

とすることもできるかもしれません。

以上、面白いことを考えてみたよ、という話でした。

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雑:「実効速度」のように「実効料金」や「理論料金」っていうのが必要かも

みなさま私のブログを読んでいただいてありがとうございます。

では、いろんな「どうでもいいこと」ことを少し、


◆ドット絵を描きたい(ただし荒い感じのもの)

しばらく前のこと。

・小さい画像っぽいものが必要な状況になった
・ちょうど良いものが無かった
・誰も絵心が無かった
・「ペイント」で画面拡大してドットを打ったら、良い感じのものができて感動した

ほぼ単色で、ドットが超荒い感じのもの(12ドット×12ドットくらい)をいくつか作りました。

ただ、その時は何かの神様が降りてきていたのか、ビギナーズ何とかだったのか、その後に同じような事をしようとしても、うまく作れずに困っています。

ドット絵って、どうすれば良いものなのか、どなたかご存知無いでしょうか?

◆なぜそれを薦める

ここしばらくの間に経済っぽいの本を買うことが何度かありました。一般向けの本ですが、むしろ方向としてはリアル経済学っぽい方向の内容の本。

が、その後、某システムが私に「カツマ」の本を薦めてくるようになりました。なぜそれを買わせようとする。

どうしてこうなったのか

・諸般の事情により大規模なレコメンデーションシステムの知能はその程度である
・中の人が、クロスセリングだ、みたいなことを考えていてそういう設定をかましてある
・利幅が大きい・在庫処分したいなどの理由で、ちょっと関係ありそうだったら押し売りを試みる設定となっている
・実はリアルに両方買っている人が多い

思い返してみれば、メタルっぽい音楽が好きな奴が(今時メタルですか、ではありますが)、なぜか次々とアニソンをプッシュされてる謎の図なんかも見た事があります。こちらも謎。


◆実効料金

高校生や大学生にウィルコムが好評、ということは以前から時々聞きますが、実際どうなのかはなかなか解りにくいものです。確かに町中や電車で、以前はnicoやnine、最近ではHoneyBEE系のものを持っている人を見かけることはあるな、と思ってはいたのですが。

ですが先日、ウィルコム持っている人だらけ(ただしほぼ全員「二台目」らしい)の高校生の集団に遭遇することがありました。次から次にウィルコムの端末が出て来る、という不思議な光景が。

なんで「980円」や「8円」にはしないのですか?と聞いたところ、「あっちの方が実はお金がかかる、ウィルコム知らないんですか」と言われてしまいました。いやいや、知ってますけど。

その後、見た目の料金と実際の料金は違うんだぞという説明を聞かされました。どうやら、ケータイの料金にも「理論値」と「実効値」があるらしい、ということを考えました。

ただし、あくまでも「二台目」だそうで。そこは超えられないらしい。

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498 「ドコモのフェムトセル」と「AUのフェムトセル」の違い

前回(リンク)の続きです。


◆ドコモがフェムトセルをサービスインする

まず、ドコモがサービスインするフェムトセルについてのニュースを引用します。

今秋提供のフェムトセル――ドコモが考えるサービスの将来像
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0907/24/news078.html

通常の基地局との電波干渉は「まったく起きないわけではないが、利用状況に応じて自動的に干渉を軽減する機能をフェムトセル基地局に持たせている」(説明員)という。
電話番号を登録した端末のみと通信する仕様で、接続できるユーザーは最大4人。不特定多数が利用する通常の基地局と違い、通信速度の低下が起きにくく、音楽や映像ファイルも快適にダウンロードできるとしている。
“限定したエリアで特定の端末のみと通信する”特徴

自宅に設置したフェムトセル基地局で、自宅で使う端末のみと通信する、「いわば家族専用の基地局のようなもの」で、通常の基地局との干渉が起きないように最小限の出力で動作するもののようです。

場所は自宅だけで通信相手は家族だけに限られるため、

“限定したエリアで特定の端末のみと通信する”特徴を生かし、家族の在宅状況を外出先で確認できる「在宅プレゼンス機能」の提供も可能となる。端末がエリア内にあるかどうかで、家にいるかいないかを判断し、家族の帰宅をメールで知らせたり、サイトで確認できるようになる。

限定的なカバーしかしない基地局であることを逆に利用したサービスです。


◆AUのフェムトセル

[KDDI]来年初めにフェムト実験,高層住宅の電波対策に
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090803/334962/?ST=network


KDDIがフェムトセルを導入する目的は,都市部の不感地域の対策。屋外の基地局では,特にマンションの高層階をカバーし切れないケースが多い。こうした場所にフェムトセルを展開する。

KDDIのものも基本は、スポット的な圏外対策です。

不感地域対策としてフェムトセルを実用化済みのNTTドコモとソフトバンクモバイルは,家庭内に置かれたフェムトセルを使って付加価値サービスを提供する意向を見せている。例えば,子供の携帯電話がフェムトセルにつながったら親にメールを送るといったものだ。しかしKDDIは,現時点ではこうしたサービスは想定していないという。

こちらの記事にも「不感地域対策としてフェムトセルを実用化済み」とあります。

ただし、「干渉対策」の方法がドコモとは違う方法を取っています。

KDDIが利用するCDMA2000では,5MHz幅の帯域に1.25MHzの3本の搬送波を乗せている。KDDIは2GHz帯にある割り当て帯域で使われる搬送波のうち,1波をフェムトセル専用に割り当てる予定。このため,既存の搬送波との干渉を気にしなくて済むという。

一方,NTTドコモやソフトバンクモバイルが利用するW-CDMAでは,1本の搬送波で5MHzを使う。屋外基地局とフェムトセルで搬送波を分けられないため,電波干渉が大規模展開の際の問題になっている。

つまり、最初から基地局との干渉が起こりえないようにした、というわけです。

記事にはAU以外ではこの方法は難しいと書かれていますが、実はソフトバンクも「この方法」を取る事が可能です。なぜならばソフトバンク、2GHz帯に4つ割り当てられている帯域のうち一つがほとんど使われておらず、そこをフェムトセル専用とすることが可能なためです。


◆干渉を防ぐ方法:「ひそひそ話」

フェムトセルが干渉を避ける方法には主に二つの方法があります。その二つの方法とは、ドコモが用いている方法と、AUが用いている(用いるかもしれない)方法です。

まずドコモが用いている方法をいい加減な例え話で説明しましょう。

携帯電話「すみません!このあたりに基地局は居られませんか?」
・・・・・・
携帯電話「おーい!(大声で)」
携帯電話(あかん、圏外や)

?「ひょっとして圏外で困っているのか?」
携帯電話「誰ですか?」
?「私はフェムトセルだ」
携帯電話「こんにちはフェムトセルさん」
フェムトセル「しー、声がでかい。基地局に話を聞かれる、もっと小さい声で話せ」
携帯電話「わかりました」
フェムトセル「基地局の電波が弱いなら、代わりに接続をいたそうか」
携帯電話「お願いします」
フェムトセル「ただし、くれぐれもひそひそ話で、基地局には聞こえない声の大きさでたのむ」
(略)
フェムトセル「おっと、電波状況が変わって他の電波が届き出した」
フェムトセル「邪魔になるから、私の仕事はここまでだ」
フェムトセル「では」
携帯電話「え?」
フェムトセル(無言)

#モンスターエンジン風で


◆干渉を防ぐ方法:「専用帯域」

基地局との干渉が問題になるのは、基地局と同じ周波数を用いていることも原因です(原因と呼ぶにはあまりにも当たり前の理由ですが)。

ならば、
・通常の基地局が使う帯域(ちゃんと計画的に管理されて使われる帯域)
・フェムトセルが使う帯域
を別のものにすれば、基地局とフェムトセルの間の干渉は発生し得なくなります。

ただし代償として、帯域の一つがフェムトセル専用として消費されてしまいます。

KDDIがこの方法を検討しているのは、CDMA2000の「有利な点」を生かすためだとも思われます。W-CDMAは5MHz幅×2ごとに帯域を利用するため、フェムトセルごときに5MHz幅×2もの専用帯域を割り当てることになります。しかしCDMA2000では1.25MHz幅×2ごとに帯域を利用しているため、専用帯域を設けることは比較して容易です。

専用帯域を設けるとこういうことになります

・通常の基地局が使う帯域
これまで通り、ちゃんと計画的に管理され、綺麗な状態で使われる。

・フェムトセルが使う帯域
無計画に配置された基地局が干渉しても、フェムトセル同士の干渉に過ぎず、フェムトセルとフェムトセル(の中間部)が干渉で潰れるだけ。

あるいは

・通常の基地局が使う帯域
完全な管理社会

・フェムトセルが使う帯域
ヒャッハー状態

の二つに隔離することになります。

フェムトセルの帯域が基地局乱立でヒャッハー状態になったところで、帯域ごと完全隔離しているので特に問題は無い(そんなの関係ねえ)という方式です。

またこの方法なら、フェムトセルが干渉を恐れてひそひそ話にする必要性はなく、大声で話しても破綻しません。フェムトセル近辺では電波が強くて便利だが、フェムトセルから離れると干渉しまくり(だがそういうところは通常基地局がカバーしているので問題なし)、という状況も許容できることになります。


◆ドコモとAU

ドコモのフェムトセル基地局は、ヒソヒソ話をするフェムトセル基地局で、一方でAUは専用帯域を用いた「そんなの関係ねえ」方式を予定しているということになります。

再度引用します

KDDIが利用するCDMA2000では,5MHz幅の帯域に1.25MHzの3本の搬送波を乗せている。KDDIは2GHz帯にある割り当て帯域で使われる搬送波のうち,1波をフェムトセル専用に割り当てる予定。このため,既存の搬送波との干渉を気にしなくて済むという。

一方,NTTドコモやソフトバンクモバイルが利用するW-CDMAでは,1本の搬送波で5MHzを使う。屋外基地局とフェムトセルで搬送波を分けられないため,電波干渉が大規模展開の際の問題になっている。

記事には「ソフトバンクには難しい方法である」とありますが、先にも書いた通り、実はソフトバンク、2GHz帯の帯域の一つをほとんど使っていないため、その帯域をフェムトセル専用の「そんなの関係ねえ帯域」にすることは出来なくはありません。

もっとも、2GHz帯の帯域の四分の一を割り当てる事になるので、思い切った判断をすることになります。ただし、現状では帯域はろくに使われておらず、1.5GHzへの投資に集中するつもりなので、基地局が綺麗に配置されていない2GHzは後回しでよい、ということなら、KDDIと同じ方法を取ることも出来ます。

◆無線LANの方が良いのでは、という意見もある

そもそも、フェムトセル自体要らないのではないかという意見もあります。

実際、ドコモが実現しようとしているサービス、基本的には無線LANでも多くが実現可能なものです(むろん、全部が実現できるわけではありません)。

例えばエリクソンはフェムトセルについて以下のようなコメントをしています、

HSPA+とLTEは並行して導入される――Ericsson、モバイルブロードバンドの動向を予測 (2/2)
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0902/26/news085_2.html


――「フェムトセル」はモバイルブロードバンドで重要になるのでしょうか。

エリクソン氏 フェムトセルについては、慎重に対応していきます。オペレーターが抱える問題の種類によって、フェムトセルが適さないこともあります。現時点でEricssonは、ゲートウェイ側で開発しています。オペレーターの反応はさまざまですね。

フェムトセルではDSL回線への接続が必要となりますが、DSL回線を持っている人の多くが無線LAN環境(Wi-Fi)を構築しています。フェムトセルはネットワークの混雑を止めるのが目的ですが、混雑の原因となっているのはデータであり、データ通信を行うノートPCのほとんどがWi-Fiに対応しています。つまり、フェムトセルで解決できる課題は、Wi-Fiでも対応できるということです。

フェムトセルの導入は、音声トラフィックの解決には意義がありますが、ネットワークのキャパシティを上げる際にはデータが問題となります。また、エリアカバーの問題解決にもフェムトセルが有効だと思いますが、キャパシティの問題解決には最適とはいえません。個人的には、フェムトセルが多くのオペレーターが必要とする解決策になるとは思いません。

エリクソンは「携帯電話の基地局メーカー」なので、通常基地局を置き換えるような画期的フェムトセルが登場すると大変困る立場である、というところには注意する必要はある気がしますが、

・エリクソンとしてはフェムトセルにはあまり乗り気では無いらしい
・フェムトセルを設置するブロードバンド回線がある場合、フェムトセル以前にWi-Fi(無線LAN)が利用可能になっていることが多いのでは?
・混雑の原因の多くはデータ通信で、これは無線LANで吸収できる

また、

・フェムトセルはエリアカバーの問題解決(圏外対策)には有効
・キャパシティ(容量)の問題解決には最適では無い

つまりエリクソンも、フェムトセルで携帯基地局網の容量を増加させようとするのは、あまり良い方法では無いと言っている事になります。

フェムトセルは携帯電話の基地局そのものの一種ですから、もしきちんと動けばいろんな可能性を秘めています。ですから、無線LANとフェムトセルを一緒にするのは失礼でもあるのですが、今のところ出来るようになることには大きな違いはない、とも言えますし、今後実際に出来る事に大きな違いが出るのかどうかもわかりません。

とりあえず、フェムトセル基地局より、無線LANのルータの方が確実に安くて面倒が起きないのは事実です。

ちなみに、ドコモもAUも「自宅では無線LANで」は既にサービスイン済みです。実はどっちに転んでも問題は無さそうです。

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499 前置き:フェムトセルの復習

フェムトセルのニュースについて少し書きたいと思いますが、その前に、復習としてひとつ記事を書きます。


◆「フェムト」

フェムトセルの「フェムト」とは、マイクロ(10の-6乗)とかミリ(10の-3乗)とかピコ(10の-12乗)のような「小さい単位につけるもの」のことで、フェムトは単位としては10の-15乗を意味します。

マイクロセルが「基地局のセルが非常に小さい」という比喩の意味で使われると同じように、マイクロセルよりもさらに狭い範囲(ピンポイントに近い)をカバーする基地局のことを「ピコセル」と呼ぶことがありました。

ピコセルよりもさらに小さい範囲をカバーする基地局の概念だったので、フェムトセルには「フェムト」セルという名前がついています。

通常の携帯電話の基地局が、鉄塔やビルの上に大きなアンテナを設置し、大きな装置を設置し、しっかりした専用回線を引いて動かすのに対し、フェムトセルは、

・普通の回線:一般人が使う民生用のネット接続回線を使う
・簡易な装置:安価で小さい装置が基地局と同じようなことをする
・狭いカバー範囲:基地局の周辺だけをカバーする

ピコセルが普通の基地局の流れで小さくしたのに対し、フェムトセルは「発想の転換」がなされていました。

フェムトセルで革命がおきる、という話では、

・「基地局」が安価に大量生産される
・そんな基地局があちこちにそれこそ大量に配置される
・携帯電話会社が設置する重厚長大な大形基地局が、一般人が設置する小型基地局の海によって取って代わられる

こうやって書くと、なぜ素敵な話として歓迎されたかはわかりやすいと思います。

新しいものはすばらしいと思う人や、一般消費者の小型基地局が大きな基地局に取って代わるというところにロマンを感じた人や、金のにおいがするから煽ってどんどん期待を膨らませてぼろ儲け、とかで話題になったのではないかなと思います。

ただしこの話、かつての「みんなが設置した無線LANの海が都市を多いつくし、携帯電話での通信なんて時代遅れになる」という、結局実現しなかった未来ともどこか似ていました。


◆フェムトセルの難点

最初の調子の良い話では、今頃はとっくに世界中フェムトセルだらけになっているはずでした。ですが、そんなことにはなっていません。

フェムトセルにはいくつかの難点がありました。

まず通常の基地局とのハンドオーバーが難しいいう問題があります。ハンドオーバーは基地局から基地局に通信を引き継ぐわけですから、基地局同士でその情報のやり取りをしなければなりません。しかしフェムトセルは「簡易」であるためその情報のやり取りをきちんと行うのが難しい(面倒)という問題があります。

また、ハンドオーバーさせて良いのか?誰がどのようにフェムトセルを利用するのを許すべきなのか、ハンドオーバーさせたときの料金設定はどうなるんだ、というような問題もあります。こちらは技術的な問題だけではないですが。

干渉の問題もあります。携帯電話の基地局は互いに干渉したり圏外を生じたりしないようにきわめて計画的に配置されていますが、フェムトセルの基地局は「みんなが配置する」わけですから計画的に配置されません。

フェムトセルの基地局が出す電波も結局は「携帯電話基地局の電波」ですから、通常の基地局の電波と干渉したり、フェムトセルの基地局同士が干渉したりする可能性が生じます。干渉すると、圏外になってしまったり大きな性能低下を起こしたりします。

しかも干渉で問題が生じても、通常の基地局と同じように管理されていませんから、基地局を調整したりして対処することが難しく、場合によっては意図的にフェムトセル基地局が改造(出力増強など)される可能性もありました。

つまりそもそも、基地局を自由に配置することが困難な技術を用いているのに、自由に配置される基地局を作ろうとしたので問題が起こっていました。

◆干渉問題

フェムトセルで革命が起こります、という一部の主張は、上記の「干渉の問題」を無視しての未来予想図だったのではないかと思います。

基地局をあちこちに山ほど配置すれば、それで面カバーできるのではないかとか、通信容量をぐっとパワーアップできるのではないか、という予想は、携帯電話の基地局は気をつかって配置しないとちゃんと動かない、電波が届かなくて圏外、と、電波が干渉して圏外、をきちんと計画して調整しないとなりたたない、という状況を無視しています。

じゃあ、干渉しないように技術開発すれば良いのでは?

実際、こういう干渉の問題を解決すべく開発されている技術もあります。例えばPHSやXGPがそうです。ですから、PHSやXGPなら「山ほど配置作戦」はまだ実現できるかもしれません。

しかし、通常の技術を「後付け」で干渉しないように改良するのは困難で、その上フェムトセルともなると、既存の方式をそのままに安価な基地局で何とかしようとするわけですから、容易な事ではありません。

実のところ干渉対策されているPHSやXGPでも無計画に基地局を配置すると性能が十分に出ないので(干渉しなくても性能が出なければ設置する意味が無い)、基地局の配置場所は考えて決められています。

というわけで、結局のところ

・一般人が設置する小型基地局の海によって取って代わられる

は、なかなか難しいのではないかと思えます。

上記のようなフェムトセルのことを「容量増加型のフェムトセル」「置き換わり型のフェムトセル」とでも呼んでおきます。


◆消極的なフェムトセル

じゃあ、フェムトセルはまるで使い物にならないかというとそうでもありません。

干渉が問題にならない状況での利用すればこれまでに挙げた難点はかなり解消されます。

例えば、「圏外の場所」「圏外に近い場所」に簡易基地局を設置するような方法や限定的な狭い場所のカバーしかしないなら、干渉の問題は起こりにくくなります。

・一般の携帯基地局の電波が届かない/弱い場所に設置する
・そういう場所を簡易的にカバーするための簡易基地局として用いる
・電波は最小限にしか飛ばさない

こういう消極的なフェムトセルの事を「圏外解消型のフェムトセル」「お手伝い型のフェムトセル」とでも呼んでおくことにします。

ただ、あまり劇的な効果も見込めなさそうです。

・エリアに本格的な穴が開いているのなら、通常の小型基地局の設置が望ましい
・フェムトセルの設置コストは、通常の基地局より安いものの、無視できるコストでは無い
・カバーできるエリアは狭くならざるを得ない

フェムトセルが大きな「革命」を起こすためには、現在の携帯基地局網を担っている「通常の基地局」に置き換わるものである必要があります。が、これはむしろ「通常の基地局が頑張ってもカバー出来なかった残りのスキマを埋める」や「容量面で少しお手伝いする」ものです。


(続く)

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500 ソフトバンクの「純増一位陥落」は計画されたものかもしれない

六月末にこのネタで投稿しようとしていて、投稿していたら予言が当たったことになっていただろうなあと、ちょっと残念に思いつつ投稿。


◆ソフトバンクが一位をやめる方法

純増一位を続けることは好調を印象付けることで効果がありました。実際、ソフトバンクはそういう感じで「好調だから好調」という波に乗っていました。

ですが、純増一位の維持にはいろんな無理をしており、純増一位を維持するためのコストは増大し、「好調だから好調」から得られるメリットは減っている、ように見えました。

ソフトバンクに無理をする余裕がなくなるにつれ、またそもそも永遠に純増一位を続けることなどどのキャリアにも出来るわけがないので、純増一位はいつか終わる必要がありました。

ただ、長く続いている純増一位には重みがあり、そして同じく長く続いている純増一位が終わる事にも重みがあります。よって、純増一位が終わる/終わらせるのは、難しいことでした。

問題になっているのは「好調だから好調」へのダメージですから、実体のあるダメージが問題なのではなく、一位で無くなった事が大きなニュースになりうる事が問題でした。

例えば、純増一位を「どのキャリア」に奪われた方が良いかを考えると、例えばこういう解釈をする人が居たとして、

- ドコモに:業界の巨人に負けるのは仕方ない、これまで頑張ったよね
- AUに:AUに流れが"戻った"
- イーモバイルに:時代が変わった、新時代だ

この場合はドコモに負けておいた方がよさそうということになり、ドコモが好調な時期に一位を明け渡すようにした方が良いことになります。


◆理由ないしは忘却

#以下、よく検討して書いたものではなく、勢いで書いているだけです

純増一位で無くなったことの重みを減らすには、例えば、

- そういう理由なら仕方が無い
- うやむやに

「仕方が無い」については、

- 自分たち以外のことで起こったことですから、仕方ないです
- より大きな方針転換に伴う変化ですから、仕方ないです

例えば、
- 何らかの社会的なアクシデントが原因で不測の事態となり、純増一位では無くなった
- 総務省が変な方針を作ったからで、私たちは被害者
- 未来を見据えた大改革、大方針転換を行った結果、その副作用として純増が減りましたが、全体から見れば些細なことです

「不測の事態」は例えば、外国の人が悪い事をしたので端末が・・なんか実は該当するかもしれません。

「変な方針」については、将来にチャンスがありました。2010年3月の第二世代停派の際に、無理して停波せざるを得なかったので純増一位が止まった、と。なお、800MHz帯が無いから、もこれに類するかもしれません。

「大方針転換」は、やり方によっては真っ当な方法です。無理な純増一位をやめることは、不自然な努力を有意義な努力に配分しなおすことでもあるからです。ただ、新方針を作るのは簡単ではないでしょう。

ただ、ここまでのものは難しいところがあります。2010年3月で純増一位を終わらせるのは自然に出来たかもしれませんが、3月まで持ちこたえられるか、というところが問題に思えました


◆忘却

残ったものはこれです

- うやむやに

「好調だから好調」が問題なのだとしたら、純増一位ではなくなったとしても、それをみんながすぐに忘れてしまえば問題がありません。

どうやったら忘れてもらえるか?

他に大きなニュースがあればよいのです。

「大きなニュース」は自分で作ってもかまいません。先に挙げた「大方針転換」も同じ事です。

ですが、近いうちに純増の事などみんなが忘れてしまうような文字通りの「大ニュース」が確実に発生することが解っていました。

それは何かというと「総選挙」

ただ難点はいつ解散するのか良くわからなくなっていたことでした。

今回の場合、日程がわかったのは7月中ごろですから、タイミング的には難しかったのですが、

- 8月頭に首位陥落のニュースを:7月分の数字を急遽減らす
- 9月頭に首位陥落のニュースを:8月分の数字を減らす

考えてみてください、ソフトバンクが今月に首位陥落したこと、9月に予想される大ニュースの洪水と新しい風の中で、まだ覚えている人はどれくらい居るでしょう?

うやむやにするには最適のタイミングだったかもしれません。

これで、純増一位ののろいは解けそうです。九月になれば世間は初期化され、「新しいこと」がみんなの注目を受ける空気がやってきます。新しいソフトバンクに生まれ変わるには良いチャンスかもしれません。

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2009年7月の純増数について(遅くなった)

しばらく更新どころではなかったので、いまさらになります。すみません。

#たまっているネタをどんどん書きたいと思います(実際にできるかは不明)

2009年7月の純増数について。


◆2009年7月の純増数

まずは結果、

ドコモ 14万3600
KDDI/au 5万6600
ソフトバンク 13万7600
イーモバイル 7万6100
ウィルコム -7200(PHSは-1万8500)

そして予想投票はこうでした。

- SBM > DoCoMo > EM:27票 (46%)
- SBM > EM > DoCoMo:5票 (8%)
- EM > SBM > DoCoMo:4票 (6%)
- EM > DoCoMo > SBM:1票 (1%)
- DoCoMo > SBM > EM:18票 (31%)
- DoCoMo > EM > SBM:3票 (5%)

正解は、
- DoCoMo > SBM > EM:18票 (31%)
当たった人、歴史的正解おめでとう。


◆ソフトバンクが純増一位でなくなる

最大のニュースは何と言っても、「ソフトバンクが首位を明け渡した」ことです。先月の時点で非常に危うい数字になっており、それを受けて今月はどうなるのか注目されましたが、結果としては、「意外とあっさり首位陥落」となりました。

予想としては二通りあるように思えましたが
- 先月が500だったのを反省して、今月はもうちょっと余裕を持たせて一位
- 首位陥落
結果を見る限り、先月の「500差」は油断してそうなったのではなかったようです。ただ、別の記事で書こうと思っていますが、ソフトバンクはそろそろ首位を譲るか、と思っていた可能性もあります。

また、注目すべきは来月以降の数字です。

ドコモに凄い勢いがあっての首位ではありませんから(調子は良いですが、勢いというより穏やかに長期間続くような好調に思える)、ここからずっと純増一位で独走するかははっきりしません。

また、ソフトバンクについても、どういう対応をとるのか解りません。

- 純増首位の奪還を目指す
- これを機会に純増数で無理をするのをやめる
- これを機会に純増数で無理をするのをやめるが、時々首位になるようにする
- 実はこれまでの無理で相当まずいことになっていて、それどころではない

また、ドコモについても純増首位に拘るのかどうか解りません。来月の数字こそ注目かもしれません。


◆その他の純増

イーモバイルは、以前はソフトバンクに迫っていた時期もありましたが、ここへ来て一つ下の数字になっています。

流れが変わったのだとすると、
- 全体の数が増えたので、解約の効果が無視できなくなりつつある
- 100円PCの勢いが落ちた
- モバイルWiMAXの影響を受けている
ないしは、純増で無理をするのをやめたのかもしれません。

イーモバイルが首位を奪っていたら結構なニュースになっていたはずで、もったいない事をしたのではないかと思います。今後首位になっても、以前ほどは大きなニュースにならないでしょうし、以前に近いところまで迫ったときに、無茶をしてでも首位を奪っておくべきだったかと。

AUは相変わらずの低空飛行です。悪い数字にならない程度の数字にしつつ、純増数では勝負しないという位置のままです。さほど無理をしていない数字で、純増で勝負する気は無いようですから、来月もこういう感じだと思います。

ウィルコムは、今月も同じような良くない数字になりました
- 3Gを加算した全体では、小幅な減少
- PHSだけでは、(ウィルコムにしては)多めの減少
先月も同じ事を書きましたが、次世代が始まるまではこの調子が続くのかなと思ってみています。

こちら(ドコモとソフトバンク以外)については、来月も似たような感じになるかな、と。

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その他の話題(2009/08/04)

どうでもいいことを少し。


◆真実

街中やメディアで見かける、結婚産業が製造した写真やら映像を見て気がついたどうでもいいこと。

・男向け結婚産業:女の人が映っている
・女向け結婚産業:女の人が映っている

基本、女の人しか映ってない、ということに気がつきました。

男の人が多少映っている場合もありますが、背景ないしはモブキャラの一部として映りこんでいるだけで、女の人が左右に移動すると背景と一緒にスクロールして消えると思います。

ただし、片方には可愛い感じの女の人が、片方にはうっとりと陶酔してる女の人がでてくるのが大きな差異のようです。

◆浦島海苔のお茶漬け

Shop99(ないしはローソンの低価格の奴)を、たまに利用することがあります。

販売単価が安いだけで冷静に考えると実は安くないものが多い気がしますが、普通の店が閉まっている時間帯になると、コンビニより便利になります。

例えば、夜遅くにお茶漬けを時々買うことがあります。お茶漬けは何種類かが置いてあるのですが、売り場のメインは永谷園の例の奴が占めています。でも、どうも端っこにちょっとだけ置いてある別のメーカのものの方が、
・美味しい
・三つの味が混ざって入っていて便利(のり×2、鮭×2、梅×1)
・そもそも一袋多い
結局、基本的にそちらを買うことが多くなりました。

両方とも食べたらそういうことになると思うのですが(人にも食わせた)、でも相変わらず売り場は永谷園がメインです。安売りの店でまでブランドで買う人のほうが多いのでしょうか?

◆中国でアジャイル建築が発明される

<テレビ塔ポッキリ事故>図面不在!「作りながら考える」恐怖の実態が発覚―河北省石家荘市
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=34029

記事には「『Always三丁目の夕日』の東京タワー」のようなものが映っていますが、見た目は似ているながら以下の点が決定的に違います。

・東京では無くて中国
・昔話では無くて現在
・建設中ではなくて建設後

冗談はともかく、さすがに日本の建築がこのレベルで作られていることは(ほぼ)無いはずですが、ソフトウェアで例えると、とたんに笑っている場合ではなくなってきます。

なんとこのプロジェクトには図面が存在していないことがわかった。

なんとこのプロジェクトには仕様書が存在していないことがわかった。

建築監督・管理会社の報告によると、もともと同社は基礎工事のみを請け負っていたが、発注元である市広播電視局からの執拗な依頼により、その後の工事も続行した。塔の設置工程について、同社は技術面で不適合であり、その点を再三にわたり申し出ていたという。
溶接などの特殊技術を十分に持たない農村出身の出稼ぎ労働者らが多数を占める現場で、「模索しながら」進められていたと発表した。

ソフトウェアに例えて考えると、日本も同レベルでした。

中国では文字通りの横暴として行われたのかもしれませんが、「執拗な依頼により、その後の工事も続行した」というのは、日本の場合だと、

・お客さんのことを思う気持ちが足りない
・モノを作る人間としての意識が足りない
・黙れ技術馬鹿、「現実」を見ろ

なんていう感じで、「これは当然に正しいことだ」な感じでの「執拗な依頼」になっているかな。そして、こういう事故になって叱られるのも、作らされた人だけ。


なお、このブログも「模索しながら」進められていることも同時発表しておきたいと思います。


◆マンモス行方不明

酒井法子が行方不明…親族が捜索願を提出
http://www.sanspo.com/geino/news/090804/gnd0805000-n1.htm

マンモスうろ覚えのマンモスを使ってみたかっただけの投稿。マンモスごめんなさい。

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501 エリクソンが北米のCDMA2000市場への侵攻を開始

エリクソン(LTEの重鎮)が、北米のCDMA2000市場を狙った活動を始めているようです。


◆スプリント、エリクソンに命脈を握られる

スプリント、通信網の管理をエリクソンに委託
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djCXN6923.html

スプリントについては、しばらく前に結構ブログで話題にしました。というのも、北米のモバイルWiMAX推進派だったからです。

最初はモバイルWiMAXで大革命を起こす、のような随分と調子の良い事を言っていたのですが、だんだんトーンダウンして相次ぐ計画の延期と縮小、ついには撤退するのではないか(ないしは、外野から「撤退すべきだ」という声があがるようになり)とまで言われるようになり、最終的には他社と一緒にモバイルWiMAXの子会社を作って細々とやっているだけになっています。

つまり、最終的には実質的に撤退とも取れる状況(最初の大言壮語は見る影も無い)になっているのですが、これまでの経緯を踏まえると、北米のWiMAXにとってスプリントは重要な存在でした。

ここは、経営状態があまりよろしくありません。少なくとも北米の携帯電話会社では状況が最も思わしくないところです。また、CDMA2000を採用しているところです。

で、このニュース。

携帯電話サービス大手スプリント・ネクステル(NYSE:S)は9日、通信網の運営をスウェーデンの通信機器大手エリクソン(Nasdaq:ERIC)(ERIC-B.SK)に委託し、同社に向こう7年間で最大50億ドルを支払うことで合意したと明らかにした。スプリントは新製品と顧客のつなぎ止めに集中する狙いだ。

つまり、
・携帯電話網の運営をエリクソンに丸投げする(!)
・携帯電話の免許と設備の所有権はスプリントに残る(少なくとも今のところは)
・スプリントは新製品と顧客のつなぎ止めに集中する

・・・携帯電話会社とは何なのか、良くわからなくなってきました。

日本にもこういうことになる会社が出現しないことを願うばかりです。

また、スプリントはCDMA2000を採用しており、先に書いたように一度はCDMA2000+モバイルWiMAXを画策しました(結果としてはモバイルWiMAXは別会社で細々とやることになりました)、しかしエリクソンはGSM/W-CDMA/LTEの親玉で、モバイルWiMAXに対してはずっと批判を浴びせてきたところです。

エリクソンはCDMA2000の商売にも手を出すことになり、一方でスプリントはW-CDMA/LTE陣営の親分に事業の命脈を握られた状態になるということになります。

スプリントはお金が無いからこういうことをやっているので、当面は既存のインフラをお金を使わずに維持することになり、既存のCDMA2000網がしばらく維持されるはずですが、その後はエリクソンの流れでW-CDMA/LTE陣営への移行(CDMA2000+LTE)ということになりそうです。

(少なくとも北米の)CDMA2000+モバイルWiMAXはこれで事実上消滅かなと。

◆エリクソン、ノーテルからCDMA2000部門を買う

エリクソン、ノーテルCDMA部門獲得で北米市場での優位確保
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djCYI9424.html

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)スウェーデンの通信機器大手エリクソン(Nasdaq:ERIC)(ERIC-B.SK)は、破産手続きを進めるカナダの同業大手ノーテル・ネットワークス(NRTLQ)が実施した入札で、同社の最も収益性の高いCDMA部門を11億3000万ドルで落札した。ノーテルが25日明らかにした。

CDMA部門とは、日本流に言うなら「CDMA2000部門」のことです。

ノーテルは携帯電話主流での負けが込んでいたので、逆転を狙ってモバイルWiMAXに入れ込んでいた、ようですが、モバイルWiMAXも終わってしまったので撤退してLTEに乗り換えると言ってモバイルWiMAXブームにさらなる止めをさしたあたりで、ノーテル自体も終わってしまっていました。

逆転狙いでモバイルWiMAXに手を出しただけの負け組みの烏合の衆、というような表現はかつてクアルコムがモバイルWiMAX陣営の嫌がらせ(クアルコムが言うには)に怒っているときに使った表現でしたが、実はここもそうだったと言えるかもしれません。

来年1月にエリクソンの最高経営責任者(CEO)に就任するハンス・ヴェストベリ最高財務責任者(CFO)は「われわれの目標は北米市場で通信機器とサービスの供給元として最大手になることだ」とコメントしている。

エリクソンはどういう会社かというと、「携帯電話基地局屋さん」とでも言うところです。

次世代技術戦争では勝利陣営となったエリクソンですが、世界市場では中国勢の安売り攻勢を受けています。原因は各種の「標準化」が進み、新興国の企業の追い上げが容易になったことです。日本の家電メーカーが苦しんでいるのと同じ構図が、携帯電話の基地局でも発生しています。

エリクソンはGSM/W-CDMA/LTEの市場に注力してきましたが、CDMA2000陣営が勢力を持っている北米市場への進出を画策しているようです。目標は記事によると、

「われわれの目標は北米市場で通信機器とサービスの供給元として最大手になることだ」

なお、CDMA2000というと、世界標準としてようやく君臨を始めたW-CDMAに押されて将来はあまりよろしくないということになっています。ですから「これから縮小する市場ですよね?」というあたりはどうしても話題になります。

アナリストの間では、CDMA向け機器の売り上げがどの程度のペースで縮小していくかについて意見が割れている。高い収益性を10年以上保つとの見方もある一方で、ベライゾン・ワイヤレスや他の携帯電話サービス事業者がLTEの導入を急いでいるため、CDMAの減少ペースはもっと速いとの見方もある。

意見が割れているそうです。それぞれの意見は、

・高い収益性を10年以上保つ(まだまだ儲かる)
・LTEに早期に巻き取られる

「高い収益性を10年以上保つ」というのは、これからも当面はCDMA2000陣営によって第三世代は(あるいはLTEと平行して)利用され続けるだろうという意見です。考えてみれば、中国では「これから」CDMA2000の基地局網を中国全土に整備するところもあります。

後者は、CDMA2000陣営はCDMA2000+LTEの状態を経て、早期にLTEへの一本化を行うのではないかという意見ということになります。

ちなみに、CDMA2000陣営はCDMA2000+LTEに移行するのであって、CDMA2000を放棄してW-CDMA/LTEに移行するわけではないという点にはご注意ください。W-CDMAとセットでなくても導入できます。

つまりのところ、LTEへの一本化がどのような速度で進むか、が問題になっていることになります。

ただ考えてみるとわかりますが、エリクソンはそもそもLTEの主役です。早期に「LTEだけ」になってしまっても、LTEの基地局網がエリクソンの手の中にあれば別に問題が無いのかもしれません。実はCDMA2000の先が長くないことなど最初から前提で、北米のCDMA2000陣営を手中に収め、CDMA2000陣営がLTEへ移行するノウハウを蓄積し、将来のLTE化した北米を制圧するつもりなのかもしれません。

なお、エリクソンはベライゾンのLTE導入計画でも名を連ねています。

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502 「次世代」の速度は結局どれくらいになりそうか?(HSPA+/WiMAX/LTE/XGP)

「非常に大雑把な話」として(注意)、次世代通信の速度はどの程度になりそうか、ということを書いてみたいと思います。

書いてみてから、あんまり意味のないことを書いてるな、と思いましたが、しょうがないので投稿。


◆劇的な速度向上が難しい、という復習

IT関係の世界では、「信じられないような性能の向上の連続」というのが当たり前です(ないしは「でした」)。ですから、モバイル通信の速度も同じように、10倍だ100倍だ、気がついたら1000倍だ、という風に進歩してゆくものだ、と思い込まれているところがあるように思います。

ですが、例えばCPUの劇的な演算性能の向上は「ムーアの法則」で示されるようなどんどん伸びてゆく未来が示されてきたのに対し、モバイルの速度(容量)は「シャノンの限界」という「理論的な天井」に制限されています。

しかも困ったことに、現行の技術ですでに利用する電波の帯域あたりに出せる速度は「理論的な天井」の近くまで来てしまっているという事実があります。

現在、次世代通信技術が「異次元の凄い速度がでるようになりますよ」と言っているのは
・広い帯域を一人で占有
・基地局の超近くなどノイズが非常に少ない状況
・MIMOなどによるインフレ
というような状況でのトップスピードのプレゼン競争の側面があります。

このプレゼン競争に「IT関連は凄い勢いで進歩するものである」というイメージが合わさって、一部で無用な誤解があるように思います。

実際の利用環境では
・限られた帯域を沢山の人間が共有して利用するので、混雑で速度低下する
・電波状態がそんなに良くなければあっさりと速度低下する
・帯域を新しく確保するのは難しい
・基地局の増設は容易ではないし、コスト増につながる
と、そう簡単には行きません。(かつての)CPUの性能のように「ぐんぐん伸びる競争」というより、残った隙間をいかに上手に埋めるかという競争に近くなっているのではないかと。

ただし逆の誤解(例えば「今のままで進歩は無い」)も正しくないのではないかと思われ、

・しかし、これから将来に向け着実な性能向上は続く
・次世代通信技術は結果的に、現在とは全く違うモバイル高速通信の世界をもたらすだろう

ということもまた事実だろうと思います。

ただこれは、ITへの素朴なイメージのような「ありえない勢いの進歩」というより、自動車の燃費って昔と比べてすごく良くなって感心します、というイメージに近いのではないかな、と。


◆クアルコム曰く、LTEもHSPA+もそんなに性能差は無い

以下、「着実な進歩」の側面を端折っていることに注意して読んでください。

以前、モバイル通信関連の技術での世界の王である「クアルコム」が、「LTEもHSPA+もそんなに性能差は無いぞ」と言っているという記事を書きました。

クアルコムCEO曰く:「HSPA+もLTEもそんな変わらない」
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2009/03/524-ceohspalte-.html

上記記事にも目を通していただければと思いますが、

クアルコムの主張
・理論的な速度限界が近いのが現状
・LTE(などのOFDMA系)の方が速度面(帯域利用効率)で優れているが、HSPA+との間に大きな差は無い
・だから基地局を沢山作るような方向が今後の正しい方向である(が現行の携帯電話の技術ではこれが難しい)

また、その次に書いた記事で触れましたが、

LTEでは「オフライン」の概念が無いかもしれない
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2009/03/523-lte-e11a.html

・少なくとも現在のところ、MIMOはあまりうまく働かない

という発言もされています。そもそも、第三世代系でのMIMOの採用も可能ですから、LTEだけが使える技ではありません(次世代系の方がMIMOとの親和性は高いですが)。

◆「大まかな」予想

また、他にはこういう要素があります

・W-CDMA/CDMA2000は技術として枯れていて安定している
・OFDMA系(モバイルWiMAX/LTE/XGP)はまだ技術的に発展途上で、最初は持っている能力を十分に発揮できない可能性がある
・最悪の場合には、OFDMA系はやっぱり駄目だった、となって総崩れ(ただし可能性はあまり無い)
・最高速度面ではOFDMA系の方が優れるが、干渉に対する性能は(現在のところ)第二世代に近いので、基地局の電波が干渉した場合の安定性は、第三世代の方が勝る可能性がある

そして何より、

・速度(容量)は利用する帯域幅に比例して改善する

という実に解りやすいルールがあります。

とりあえずは、2015年や2020年のようなずっと先は別にして、今年や来年すぐのレベルではクアルコムの言うように、
・第三世代の発展系であるHSPA+と、OFDMA系の技術には大きな速度面での性能差は無い
かもしれない、ということになります。

また、以下の記事ですが、実はあんまり良く考えずに書いているということは念を押しておきつつ書いてみたいと思います。

◆次世代第一ステージ

では、日本で近いうちに問題になる「次世代っぽいもの」が用いる帯域幅を書き並べて見ましょう。

・モバイルWiMAX(10MHz):帯域は上下兼用、下り2:上り1
・XGP(10MHz):帯域は上下兼用、下り1:上り1の上下対称
・HSPA+(10MHz:5MHz×2):下り専用帯域が5MHz幅、上り専用帯域が5MHz幅

実のところ「10MHz幅」で横並びであることがわかります。スペック上の最大速度についても、

・モバイルWiMAX(10MHz幅):40Mbps(MIMOなしなら20Mbps)
・XGP(10MHz幅):20Mbps
・HSPA+(10MHz幅:5MHz×2):21Mbps

と似たような数字になっています。

もちろん、最高速度以外の面について、実際に使ってみた感触ではそれぞれの技術にはいろんな違いがあるはずです。実際、
・モバイルWiMAXは他と比較して不安定
・XGPはエリア内なら安定
・HSPA+は、すでに利用者が沢山居るので混雑時は顕著な速度低下がある(しょうがない)
・HSPA+はエリア外でもHSDPAとして使えるのでエリアで安心
とか、違いがあります。

しかし、状況が良い場合の速度を持ってきて「xxMbpsが出ました~」みたいな話になった場合には、互いに大きくは違わない数字になるはずで、実際のところ現在報告されている数字は、そういう感じになっているようです。

現時点の利用者にとっては「その違いこそ全て」でもあるのですが、長い目でみると、似たような数字ではないかなと思ってみています。

#むしろ利用者にとっての違いは速度面以外にあるのではないかと


◆次世代第二ステージ

では、話をもう少し先にしてみましょう。もうしばらくするとLTEが始まったり、DC-HSDPAが始まったりします。

・モバイルWiMAX(20MHz幅):80Mbps=40Mbps×2(MIMOなしなら40Mbps)
・XGP(20MHz幅):40Mbps(MIMO無しのままの場合)
・XGP(20MHz幅,2x2MIMO):80Mbps
・DC-HSDPAかつHSPA+(20MHz幅:5MHz×2×2):42Mbps
・DC-HSDPAかつHSPA+かつMIMO(20MHz幅:5MHz×2×2,2x2MIMO):84Mbps
・LTE(20MHz幅:10MHz×2、2x2):86Mbps(MIMO無し換算なら43Mbps)
ないしは
・LTE(20MHz幅:10MHz×2、2x2):59Mbps(MIMO無し換算なら29.5Mbps)

LTEの速度は手抜きで過去の記事の数字をそのまま持ってきました。

「LTE実験で120Mbpsの通信を確認」はどの程度のものか?
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2009/03/526-lte.html

の「モトローラによる数値」の数字を持ってきました。数字が二つある理由は上記記事をご覧ください。

LTE開始までにイーモバイルが42Mbps化をするのは確実だろうと思います。MIMO無しの数字だと似た数字になるでしょうが、MIMOが効いている分、スペック上での速度はLTEが上になります。

ただ、イーモバイルもMIMOを採用した場合には84Mbpsになり、スペックでも似た数字になるはずです。ちなみに以前の記事に書いたとおり、エリクソンはHSPA+の84Mbps化を実用化しつつあります。

クアルコムの言うとおりになった場合、実測できる最高速度では確かにLTEの方が上になるけれども、HSPA+との速度差は大きくは無いだろう、ということになります。利用している帯域幅は同じですから。

もしイーモバイルが、LTEとHSPA+の両天秤という日和見をやめ、早期に「1.7GHz帯は全部HSPA+に使います」と宣言して「帯域三つ束ね」をしてMIMOまでやってしまった場合、LTEを含めてもイーモバイルが日本最速になるかもしれません。

その場合はイーモバイル、日本初の100Mbps超えを宣言できることにもなるかもしれません。

XGPも計画されている高速化、20MHz幅対応や、MIMO対応をすればこちらもスペック上は80Mbpsと同じ領域に到達します。ただ、実測される最高速度がどうなるかは私にはわかりません。

モバイルWiMAXも20MHz幅対応をする技術的余地はありますが、モバイルWiMAXは基地局同士が干渉しての性能低下を避けるため、現在のところ帯域をこのような運用にしているようです。

・10MHz幅A:屋外用周波数A
・10MHz幅B:屋外用周波数B(干渉を避けるため周波数Aと互い違いに利用)
・10MHz幅C:屋内基地局専用

蛇足ですが、KDDIはモバイルWiMAXの欠点(とされるもの)をカバーするために、
・上記のような周波数の利用を行っている
・通信の上下比率を固定
・基地局間の同期
ということをしているようで、大変に慎重な運用がなされています。

日本のモバイルWiMAXが比較的健闘しているのは、上記のような運用をしているからかもしれないので、下手すると

「20MHz幅運用にしたとたん、大変なことになりました」

となってしまい、手を出せないかもしれません。もっとも、もしそうだったとしても

・モバイルWiMAX(10MHz幅、4x4MIMO):80Mbps=20Mbps×4(MIMOなしなら20Mbps)

とする方法はあります。4x4MIMOを用いた場合にはスペック上の速度は上がっても、実際の速度はちっとも上がらないということになると思いますが。崩壊するよりましです。

なお、XGPの場合は「基地局同士が干渉しない技術」なので、PHS由来の「干渉しない技術」の開発が及第点のところまで進めば、20MHz幅運用は割と問題なく行える、のではないかと思います。ただ、「ちゃんと開発が出来れば」ですが。

LTEの場合は、XGPのようには自動で干渉をしないようには動作したりしませんが、セルの境界に配慮した動作をするようには計画されているようです。

ただ、これがうまく動作しない場合には(日本の都市部の厳しい状況で動作不良が発生するなど)、モバイルWiMAXと同じように帯域を二分割してエリア設計しなければならないかもしれず(そんなことにはならないと思いますが)、

・LTE(10MHz幅:5MHz×2、2x2):43Mbps(MIMO無し換算なら21.5Mbps)
ないしは
・LTE(10MHz幅:5MHz×2、2x2):29Mbps(MIMO無し換算なら14.5Mbps)

となるかもしれません。あるいは3.5世代で「LTEの穴」を埋めることになるでしょうが、その場合にはLTEと3.5世代のハンドオーバーがスムーズに行えないと、やはりおかしなことになるはずです。

ちなみに、HSPA+には上記のような各種リスクが少ないという特徴があります、なにしろ既存技術に下駄を履かせただけですから。ただし、優れた性能も期待しにくいのではないかと思います、なにしろ既存技術に下駄を履かせただけですから。


◆「実際に使ってみてどうか」は解りません

通常に利用した場合に体感できる速度はどれくらいだろうかとか、混雑時間帯の速度がどうなるのかとか、圏外になりにくいかどうかとか、移動時の性能とか、そもそもエリア化の速度はどうかとか、消費電力の面(携帯電話っぽい端末に搭載できるかどうか、でも問題になる要素)などでは、それぞれかなり違いが出てくるのではないかと思います。

このあたりはスペックや実測速度競争と違って、どういう状況なのかが解りにくいのも困ったところです。

また、

・モバイルWiMAXはどうも技術として作りが甘いようだが、今後の改良は無視できない
・XGPはいろんな意味で未知数。大躍進の可能性も、早期滅亡の可能性も
・HSPA+は無難な性能だろうが、悪い意味で無難な性能という結末になるかもしれないし、OFDMA系が初期不良に苦しむ中、無難さゆえに黄金時代になるかもしれない。
・LTEはまだお披露目されていない、多分しっかりしたものが出てくるだろうが。

とりあえず、今回問題にした側面については、

20MHz幅(上下あわせて40MHz幅:20MHz×2)のLTEでも開始することになっていれば、他の技術と圧倒的なスペック差がつくことになったかもしれませんが、1.5GHz帯は細切れになりましたから、案外と長期間の団子レースになるかもしれません。

#ただし「実際に利用して快適か快適でないか」では大きな差がつくかもしれません

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投票:携帯電話2009年7月の純増数、どうなる?

今月も純増順位予想をしたいと思います。

今月の純増数の発表の日は8/7(金)なので、投票の締め切りは8/6としました。

毎度の事ですが、投票の選択肢が六つしか作れない都合上、これまでと同じ3キャリア限定での予想とします。

・SBM:ソフトバンクモバイル
・EM:イーモバイル
・DoCoMo:ドコモ

略さないと入らないので略しています。

なお、投票結果は投票を済ませると見ることが出来ます。

具体的な数字を予想(予言)しておきたい人は、コメント欄に書いてください。後で、自分の予想が当たったと自慢したりすることもできます。

投票に含めていないAUとウィルコムについて何か予想をしておきたいひとも、コメント欄にお願いします。

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