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2009年7月の6件の記事

503 ソフトバンクに厳しいニュースが最近多かったなという話

ここしばらく、ソフトバンクに厳しいニュースが多かったな、というあたりをまとめて書いてしまいたいと思います。


◆とうとう基地局の数でAUに抜かれる

もはや時間の問題でもありましたが、携帯電話の基地局数でAUに逆転されてしまいました。

ソフトバンクはドコモと「数」で競っていましたが、ドコモははるか先に行ってしまっただけではなく、AUにも「数」で追い抜かれてしまいました。

以前から書いていることですが、AUは基地局を数より質で整備してきており、その上で数でも追い抜かれてしまったので、現時点での基地局網の能力には決定的な差がついていると考えてしかるべきでしょう。

AUは800MHz帯の周波数変更のための基地局入れ替えがあったり、2GHz帯の平行整備を進めているので800MHz帯との二重になっていて数が増えている面もありますが、コスト面はともかく、少なくとも容量面では良い方向に働いているはずです、質的な手抜きが無い上で数が増えているのですから。

◆さようなら8円ケータイ

8円ケータイの廃止の「テスト」が一部地域で行われていることは記事にしましたが、とうとう全国で廃止されてしまうようです。

ソフトバンク、基本使用料を「月月割」の対象外に
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20090717_303192.html

ソフトバンクモバイルは、携帯電話を「新スーパーボーナス」で購入した際に受けられる割引「月月割」について、8月19日以降の契約では基本使用料を「月月割」の対象外にすることを明らかにした。

端末代金を一括支払いすれば月額8円のケータイができる、がお盆明けに終了です。

ソフトバンクでは、今回の割引対象の変更について「将来的なサービス品質の向上のため」と説明している。

以上が中止の理由ですが、意外と真実を言っている気がします

◆第二世代の巻き取り時期迫る

以前に書いたとおり、ソフトバンクは来年の四月までに(2010/03/31まで)に第二世代の停波を行う義務を負っています。電波の免許がそうなっているためです。

つまり、残り九ヶ月で、第二世代の利用者を第三世代に移動する必要があります。さもなくば、移行せずに残った数がいずれそのまま「純減」になります。

しかしまだ6月末時点で、第二世代の利用者は150万人。しかも、数が減るにしたがってどんどんと「移動してもらうのが難しい」人が残ってしまいます。巻き取りは絶望的にはなっていませんが、しかしちゃんと巻き取れるのか良くわからない数字です。

さらに、巻き取りにはコストもかかるのです、熱心に巻き取ろうとすればするほどコストはかかります。ソフトバンクには頭の痛い話のはずです。

◆総務省からの回答は「だめです」

総務省が「MNOのMVNO化は原則禁止」の方向性での議論を提示,接続政策委員会から
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090707/333362/

ソフトバンクは、携帯他社から回線を借りたり、基地局の設置場所を借りたりしようとしていました。

他にも要求があったかもしれませんが
・都会の混雑を緩和するために回線を借りたい
・田舎のエリア不足に対処するために回線を借し出させたい
・基地局の設置場所を借し出させたい

ソフトバンクがイーモバイルの回線を借りるという話は、最初の目的を果たすための貸し借りでした。この貸し借りについては、イーモバイルとの同意ありでの貸し借りでした。しかし、基地局を持っている携帯電話会社(MNO)が回線を借りる(MVNO化)は責任放棄ではないか、ということで騒動になっていました(過去に記事にしました)。

「MNOがMVNOしてはいけない」というのは、これまで暗黙に当然のルールだと(他社は)思ってきただけで、明文化された禁止ルールではありませんでした。しかしソフトバンクは「何を言っているんですか貸し借りする方が正しいのですよ」としました。

で、総務省がこの問題についてルールを決めることとなり、その結果は「ソフトバンクに対する『ノー』」でした。

「MNO(移動体通信事業者)がMVNO(仮想移動体通信事業者)になるローミング」について,事業者間で合意していない場合は原則禁止で検討していく方向性を打ち出した。

ソフトバンクは出来ればドコモから回線を借りたい(正しくは「ドコモに無理にでも貸し出させたい」)と思っていたようですが、これで「それはできなく」(原則禁止)なりました。

加えてソフトバンクが求めていた,800MHz帯を利用する携帯電話事業者(NTTドコモとKDDI)へのローミング義務付けについては,「必要性が乏しいのではないか」とした。

ドコモから田舎の回線を借りれば、お金を使いたくないソフトバンクとしては田舎の基地局整備のコストをかけずに済んで大変助かったはずですが、実質的に禁止されてしまいました。自分でエリア整備しなさい、と言われてしまいました。

ちなみにソフトバンクの言い分にも一応利はあって、儲からない(利用者の少ない)田舎のエリア整備を全社が並行して行うと無駄が生じるので、一社が整備してそれに各社が相乗りする方が良い、という主張でした。そして、他国でそういう例もあることを主張していました。ですが、さすがに無理(強制に貸し出させるのはさすがに無理があります)は通らなかったようです。

そして今回、逆にOKになったものは、

・事業者間で合意している場合
・競争促進や利用者の利便性が向上する場合

「合意している」というのは、ソフトバンクとイーモバイルの貸し借りが相当します。ただし、「自前でエリア整備しなさい」という方針には反します。

OKの場合の例としては、

・携帯電話事業者がWiMAXサービスを提供するなど異なる市場のサービスを提供する場合
・新規参入したMNOが基地局を全国展開するまで,暫定的に利用する場合
・トラフィックがひっ迫しているMNOが自社ネットワークを増強するために一時利用する場合

最初のものについてはつまり、ソフトバンクは2.5GHz帯を借りることはできそうだということ。モバイルWiMAXを借りたり、XGPを借りたりすることは問題ないようです。

次のものは、イーモバイルが時限付き/条件付きでドコモからエリア整備がまだの地区のローミングを受けている例や、似た条件付きでウィルコムがドコモから回線を借りている例が該当すると思われます。

最後のものについては、ソフトバンクがイーモバイルの回線を借りている話を「条件付き」で許可したものととれます。
・トラフィックが逼迫していること
・一時利用であること
イーモバイルから回線を借りっぱなしの前提で借りるのは止めてほしいようです。そうなると、一時利用が一時利用という名の恒久利用にならないようにする必要が生じます。だとすると、「トラフィックが逼迫していて」なおかつ「トラフィックの逼迫の自前での解消を十分に行っている」とか「期限が設定されている」というような前提が必要になりそうな気がします。

結果として総務省の回答は、「ほぼ全部ダメです」というものでした。

ただし、イーモバイルからPC定額の回線を借りるのを即時禁止されることは避けられたようですし、モバイルWiMAXやXGPを借りるのは問題ないようです。

ドコモの回線を借りるのは難しいようですが、何も借りてはいけない、ということにはなりませんでしたし、これらと1.5GHz帯の自前の次世代で今後は乗り切ることになるのでしょう。

なおソフトバンクが「1.5GHz」で何をする/何ができるのかについては、近いうちに書いてみたいと思います。こちらについては良い話もいろいろ考えられます。

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携帯電話の基地局にいろんなものをくっつける話

携帯電話の基地局にいろんなものをくっつける話があるようで、それについて。


◆ドコモは花粉センサ

ドコモ、ケータイ基地局で花粉観測 将来の収益源目指す
http://www.asahi.com/business/update/0718/TKY200907180237.html

携帯の基地局網に着目。花粉の飛散量や紫外線量などを遠隔操作で測定できる装置を新たに設け、データの収集・蓄積を試験的に始める。


ドコモは花粉や紫外線の観測を行うセンサを、(ただし一部の基地局に試験的に)設置してみるそうです。

基地局にセンサーをつける発想としては、ウィルコムがXGP基地局にカメラをつけたりしています(これについては少し書きたいことがあるので後ほど)。

花粉を測るということは、花粉を測る「花粉センサー」を設置することになります。花粉センサーってどういうものか調べてみると、NTTグループで作っているものが見つかりました。同じグループ内ということで、これを使うのかもしれません。

リアルタイム花粉センサのしくみ
http://www.ntt-gp.com/html/jigyo_3b_sensor.html

単に「空気中に飛んでいる小さいもの」を数えると花粉以外も数えてしまいますから、そのあたりで工夫が必要なようです。

ちなみに、あちこちにつけた気象センサで情報を集めるような話は、前からあります。たとえば、あちこちを走り回っている配送車に温度のセンサをつけるるようなことがされています。

◆ウィルコムのカメラ

ウィルコムでは次世代のXGPの基地局にカメラをつけているようです。

花粉センサよりは、カメラの方がお金になる話だと思いますが、利用者としてはどうも歓迎しにくい話だなと思っています。

これまでならば、ウィルコムの基地局が視界に入っている場合には、「ここの電波状態は問題なさそうだな」と思えたわけですが、カメラが設置されてしまうと、基地局が見える→基地局からこちらも見える可能性がある→誰かが見てるかもしれない、ということになりますから。

カメラの件に関しては、例のストリート何とかでも問題になっていました。カメラを設置する側の理屈として、プライバシーの概念をこれからは変えないといけない、というようような主張があるそうですが、設置する側がそういうことを言っても屁理屈にも聞こえます。とにかく映すな、をあまりに尊重すると変なことになるのも解るのですが、それを考えても。

◆不動産としての基地局

これらの話は、基地局の「場所としての価値」が生かされようとしているとも言えます。

花粉センサーをつけたりカメラをつけたりするのは、そして、他社と鉄塔を共有したりするのも、場所の利用価値をさらに引き出そうという話となります。

ただ、上記の話は両方とも、多分あまりお金にならないと思いますが。

ただし、そもそもの「携帯電話の基地局として使っている」という意味では、価値がちゃんとあります。一番わかりやすい話としては、16万の基地局の場所を転用して次世代の基地局網を整備できるのが有利という話。そして、位置から場所を確保する交渉をすると苦労するという話。

また、新規参入(を企む側)からすると、既存事業者を守る既得権益があるということにもなります。そうなると、場所を持っていないのが不利だという「正義を謳う話」が成立しえます。国民を既得権益者の横暴から守るために、新規参入にも"オープン"にしなさいという、既得権益を剥がして配る話が。

ちなみにこの可能性を大げさに理解すると、海外の悪い勢力が日本の基地局の場所を"オープン"にさせて日本を食い物にする大計画が存在するという話もできてしまいます。

ただそもそも、ゼロから基地局を作ったはずのイーモバイルは、地域によってはソフトバンクの基地局網より「良い」ところもあるようで、もし場所が"オープン"になった場合には、ソフトバンクがイーモバイルの基地局の場所を乗っ取るようなこともありそうです。

ですからそもそも、場所確保の問題はあるものの、帯域確保の問題ほどではなさそうかなと思います。新規参入が努力して、一応それで何とかなっているらしいということで。新規の苦労は当然あるのでしょうが、制度をいじるほどではないのではないかと。

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504 6月の純増数:ソフトバンクが純増一位陥落寸前!(わずか500差)

携帯電話の2009年6月の純増数が発表されましたので、それについて書いてみます。

ちなみに、純増数とは「新規契約者数-解約者数」、つまり、その月の契約者数の増減のことです。


◆驚きの結果

まずは結果。

ドコモ 11万2400
KDDI(au) 4万3800
SBM 11万2900
EMobile 9万1600
WILLCOM -9600(PHSでは-2万3700)

今月もソフトバンクが一位でしたが、ちょっと驚きの結果になっています(ドコモの数字と比べてみてください)。

記事を書き始める前に、予想投票を行ったということで、そちらの答え合わせをします。


SBM > DoCoMo > EM:14票 (31%)
SBM > EM > DoCoMo:16票 (35%)
EM > SBM > DoCoMo:5票 (11%)
EM > DoCoMo > SBM:0票 (0%)
DoCoMo > SBM > EM:6票 (13%)
DoCoMo > EM > SBM:4票 (8%)

正解は、「SBM > DoCoMo > EM」となりました。当たった人は、おめでとう。

また、「DoCoMo > SBM > EM」の人は惜しかったですね。もうちょっとで「歴史的正解」を当てることができるところでした。


◆まさにギリギリの一位

結果から言うとソフトバンクは今月も純増一位を維持できましたが、ありえないほどギリギリの一位になってしまっています。

SBM 11万2900
ドコモ 11万2400

その差はわずか「500」でした。もはや差はないに等しい数字です。実質的にソフトバンクは勝ったのではなく、ドコモと並んだ上で、「運が勝った」だけだと思います。

以前の記事に書いたように、一位キープを目的にするのなら、数を取るコストを無駄に使わないようにすべく、純増数はほどほどのところでセーブしておくのが賢いという側面もあります。しかし、「差が500しかない」というのはそういうレベルの話を完全に超えてしまっていますから、狙ってここまでの僅差にしたとは考えにくいので、

「今月はただ運が良かった」

のが結論ではないかと思います。

また6月はソフトバンクが「iPhone3GS」を 投入した月でもありました。つまり新規契約を獲れる目玉商品があった月なのです。しかも、iPhoneの新型の噂は前から出ていたこともあり、発売されるのを待っていた人たちはいたはずです。

iPhone効果有りでこの僅差、実質的には負け試合かもしれません。

ただし、試合に勝ってサッカーで負けても、勝ち点3はつくように、結果的には「ソフトバンクの勝利」であったことは間違いありません。

しかし、来月以降の数字はちょっと何が起こるかわからなくなってきたのは確かでしょう。

また、ドコモがあまりに僅差だったので目立たなくなっていますが、イーモバイルも近いところまで迫ってきています。もし来月、ソフトバンクが首位陥落したとして、祝杯を上げているのは千本会長という可能性も十分にあります。


◆「8円ケータイ廃止」が難しくなった?

現在、ソフトバンクは一部地域で料金システムを利用者にとってあまりありがたくない方向に変更するテストを実施しています。

基本料は割引サービス「月々割」から除外--ソフトバンクモバイル、沖縄で試験導入
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/cnet/20090512-OYT8T00884.htm

ソフトバンクモバイルは5月11日より、沖縄県の一部の店舗において、契約者の利用料金の一部を割り引くサービス「月々割」の対象から月額基本料を除くテストマーケティングを開始した。これにより、契約者は最低でも毎月、携帯電話の機種代金と基本使用料を支払う必要がある。
月々割は、ソフトバンクモバイルの携帯電話を新スーパーボーナスプランで購入した顧客に対して、機種に応じた一定額を通信料から毎月割り引くサービス。これまでは月額基本使用料、通話料、通信料、ネット接続サービス「S!ベーシックパック」などが割引の対象だった。今回のテストマーケティングでは、月額基本使用料を割引の対象から外した。

これで具体的に何ができなくなるかというと、
・端末を一括支払いで買い
・8円ケータイにする
というような事が出来なくなってしまいます。

8円にできるのは、割引が基本料金にも及ぶためです。しかし、基本料金が割引の対象にならなくなると、980円の基本料金はどうしても払う必要が生じてしまいます。

つまりこの変更、ソフトバンクの現金収入を増やすことを目的にした変更であるはずです。

記事では、沖縄とありますが、その後、中国・四国に「テスト」は北上して拡大し、まもなく近畿も対象になるのではないかといわれていました。

ですが、6月の純増数は危険なものでしたから、これまでと違って利用者の多い近畿地方での「テストを開始」するとなると、純増一位陥落の原因を作ってしまうことにもなりかねません。

・「8円ケータイ廃止」をとるか
・純増一位をとるか

もちろん両立させたいところでしょうが、ちょっと難しい状況ではないかと思えます。

この辺については、次の記事かその次の記事で考察してみたいと思います(もうちょっと待ってください)。ちょっと、考えていることがあるので。


◆あいかわらずのAUと、いつもより不調なWILLCOM

AUは、公約だった「3000万契約」達成後は、相変わらず低空飛行を続けています。そこそこの純増をずっと続けています。そもそも、純増数で争うような戦い方から一歩引いているようなところもあり、大きく不調になる理由もしばらくなさそうなので、こういう状態がしばらく続きそうな気がします。

ウィルコムですが今月は調子がよろしくないようですね。全体ではマイナス9600と、純増と純減の間を行ったり来たりのいつもの感じですが、しかしPHSだけにするとマイナス2万3700と、久しぶりに悪い数字です。

ただし、ウィルコムの6月の最重要ニュースとは何か、ということを考えると、

「XGPの限定サービスが(予想外に)無事な感じで始まった」

ということになりましょうから、XGPの限定サービスで手一杯になっていて他の事は全部ほったらかし、なのかも知れないと思ってみたりします。WILLCOM CORE 3G がPRINのパンクという意味不明なうっかり理由で不調になっているのも、そっちまで手が回っていないという感じ(出来る人はみんなXGPに行っちゃってる感)がします。

こういう風に書くとフォロー風ですが、「今はXGPのことがすべてに優先するモード」だったとすると、あと何ヶ月かはこういう状態が続くかもしれないという意見を書いているということで、しばらくは純減かもしれないし、CORE 3Gの面白い状態はもうしばらく続くかもしれないということ。

なお、蛇足でついでに書いてしまうと、

六月上旬のXGPの基地局工事が足踏みしていたらしい件については、これはおそらく計画のとおりだったと予想しています。

六月半ばにXGPをメディアなどに公開することが決まっていたなら、その前に最終総確認と最終調整が行われているはずです。たとえばソフトウェアをリリースする前には、いったん開発作業を完全中止して大丈夫か確認をしたり、見つかった問題点を修正する作業を行いますが、そういう感じの作業で工事が止まっていたんじゃないかと予想。

ちなみに基地局工事の費用を節約したいなら、ずっと同じくらいの工事を続けるのが一番安上がりなので(設置場所はもう確保されていることにも注意)、基地局の増加数が一定しない場合には、何らかの理由(技術的理由など)がある可能性が高いのではないかと。

ただまあ、試合に負けてサッカーに勝ってたとしても負けは負けでして、マイナス2万3700は良い数字ではないのは確かですから、来月はもうちょっと持ち直すようにすべきでしょうね。XGPには影響しない範囲で。

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モバイルWiMAXの障害「報告」が多すぎる件について

モバイルWiMAXの障害報告のページが面白いことになっているという話題について、余計なことを書いてみたいと思います。


◆多発でも丁寧でもなく、手抜きかなと

WiMAXに障害多発? UQの障害報告の方針
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20090703_299856.html

7月1日の本格サービス開始以来、UQコミュニケーションズのWebサイトでは連日、WiMAXサービスの障害発生がアナウンスされている。携帯事業者の障害報告としては著しい頻度であり、同社にその真相を聞いた。
こうした事態について、UQコミュニケーションズに真相を聞いたところ、UQでは「WiMAXサービスの障害発生状況に関するお知らせ」において、基地局1つ1つで発生している障害についても全て公表しているという。確かに障害発生エリアを確認してみると、「東京都○○区○○1丁目周辺」などと非常に小さなセル単位での障害報告となっている。

記事にもあるとおり、いわゆる通常の意味での障害多発と呼ぶものとは少し違う状況です。

他社では障害としないものを報告していることから、これを顧客への姿勢がどうのこうのという話にしてしまっている人もいるようですが、それも違います。気持ちがどうのこうのという話はそもそも意味が無いことが多いですが。

おそらく、これはこういうことで発生している現象にも思えます。大雑把に説明すると、

・基地局自身に「私は今こういう状態です」という情報を送ってくる機能がある。
・その機能で送られてくる情報を、基本的に直結でそのままウェブに表示している

他社は通常こうしているはずです

・基地局自身に「私は今こういう状態です」という情報を送ってくる機能がある。
・送られてきた情報は、携帯電話会社の基地局指令本部みたいなところに表示される
・表示された情報をもとに、担当者が実際に何を起こっているか判断して対処する。
・担当者が公表すべきことがあると判断した場合、障害がアナウンスされる。


◆報告していること/実は報告していないこと

ただ、どうも悪意の手抜きには思えません。そうではなくて「賢い方法だ」と思って採用した方法にも思えます。

お客様に基地局1つ1つで発生している障害についてすべて公開しており、情報をオープンにする顧客指向であり、これからはこういうビジネススタイルであるべきで、包み隠さないことでコストまで削減される、という話だったのかなと。

でも例えば、「○月○日に関東地方でメール送信が難しい状態になっておりました」の代わりに、メールサーバのログを完全公開されてもそれでは意味が解りません。

区別されるべきものが区別されていない気もします。つまり、情報の大小じゃない気がします。

まず、基地局に機能不全が発生していることと、利用者へのサービス内容の低下(利用者に不便が発生していること)が発生していることは、区別される必要があります。

例えばある基地局が壊れたとしても、周囲の基地局で応急処置して実質的に問題ないような場合には、故障があってもサービスには影響はありません。その逆に、基地局には何の問題も無くても、予想外の通信が行われて輻輳してしまった場合には、サービスに影響しています。

また、サービス内容の低下があったとして、特に報告せねばならないことかどうかの区別もされなければなりません。サービス内容の低下には、利用者との約束を守れていないレベルのものと、そうではないものがあります。

例えば、壊れた基地局を周囲の基地局で応急処置したので速度がいつもより半分くらいしか出なくなった地点がある場合、解消されるべきですし、できればそういうことも解るようになっているほうが親切ですが、約束破りのレベルではありません。

一方で関東全域で通信不能になったような場合には、こちらは約束破りですから、確実に報告しなければなりません。

つまり
・基地局の運用状況
・サービスの状況
・約束破りが発生したかどうか
は区別して報告されるべきではないかと。

ただもちろん、細かい情報が全部出ていること自体は決して悪いことではないので、情報を出すなといっているわけではありません。例えば、小さい「約束破り」すら報告しないような方針よりは良い方針かもしれません。でも、必要な情報が良くわからないという意味では、似た結果だとも言えます。

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その他の話題(2009/07/05)

その他のニュースについて少し。


◆日本無線のファームアップはまじめだ

http://www.willcom-inc.com/ja/support/update/index.html

2009.07.02 JRC製「WX330J‐Z」の最新ソフトウェアが更新されました。
2009.07.02 JRC製「WX330J」の最新ソフトウェアが更新されました。
2009.07.02 JRC製「WX321J‐Z」の最新ソフトウェアが更新されました。
2009.07.02 JRC製「WX321J」の最新ソフトウェアが更新されました。

WX321Jは2007年の2月に発売された端末ですが、なんと新しいファームが提供されました。二年以上前の端末です。しかも後継機まで発売されているにもかかわらず。

日本無線はウィルコムでの初代端末AH-J3001V/J3002Vでも非常にまめなファームアップをしています。その回数なんと11回。

http://www.jrcphs.jp/j300v/frm_rireki.html

最初のファームにいろいろ問題があったのも原因だったのですが、結果的に最初と最後ではまるで別な状態になるほどの改良がされました。

また、このファームアップがあったということは、日本無線の開発部隊がまだ生きているということ。

WX321J→WX330J→後継機

後継機が出るかもしれません。

◆世界で広がる「ガラパゴス販売方式」

以前に同じネタで記事を書いたので、ニュースの紹介だけ。

米AT&Tなどがバンドル販売に参入,加入者増を狙う
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090624/332546/?ST=network

既に英国ではボーダフォン,オレンジ,T-モバイルが,ドイツではT-モバイル,ボーダフォンなどが販売を始めており,米国でもAT&Tとベライゾン・ワイヤレスの大手2社が本格参入を表明している。

日本で言う100円ネットブックと同じ販売方法が、海外で広まっているというニュースです。

◆マイクロUSBが携帯電話接続ケーブルの「世界標準」に決定

Apple、Nokiaなど主要携帯メーカーが共通充電器に賛同 - EU
http://journal.mycom.co.jp/news/2009/06/30/004/?rt=na

European Union(EU: 欧州連合)は6月29日(現地時間)、欧州委員会が推進する携帯電話の充電器共通化について主要携帯電話メーカーの賛同を得たことを発表した。

欧州委員会は、マイクロUSBコネクタを接続インターフェイスとするユニバーサル充電器の採用を求めている。

EUでmicroUSBを携帯の「標準接続端子」にする方向が決まりました。

前も書きましたが、ウィルコムはこれを見越して最近の機種ではmicroUSBを採用していました。正直のところちょっと早すぎる採用にも思えましたが(実際、ケーブルの入手などで困った人は居るはずです)。

上で書いた日本無線のAH-J3001V/J3002Vは、接続端子にminiUSBを最初に採用した機種でした。それから原則的にminiUSBが採用されており、その後microUSBの標準化の動きが始まるとともに、microUSBへの切り替えが行われています。

ちなみに味ぽんは、着メロに単なるSMFを採用する、ドコモと同じ絵文字を採用するなど、他社では「独自」が当たり前だったところに標準技術の採用がされた端末でした。

脱線はともかく、日本の他社がどうするのかわかりませんが、とりあえずはmicroUSBケーブルや関係機器の入手製は良くなりそうです。

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投票:携帯電話2009年6月の純増数、どうなる?

今月も純増順位予想をしたいと思います。

今月の純増数の発表の日は7/7(火)なので、投票の締め切りは7/6としました。

毎度の事ですが、投票の選択肢が六つしか作れない都合上、これまでと同じ3キャリア限定での予想とします。

・SBM:ソフトバンクモバイル
・EM:イーモバイル
・DoCoMo:ドコモ

略さないと入らないので略しています。

なお、投票結果は投票を済ませると見ることが出来ます。

具体的な数字を予想(予言)しておきたい人は、コメント欄に書いてください。後で、自分の予想が当たったと自慢したりすることもできます。

投票に含めていないAUとウィルコムについて何か予想をしておきたいひとも、コメント欄にお願いします。


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