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510 接続料問題:一方で千本会長曰く「接続料は半額にできる」

少し前のニュースになりますが、興味深いのと、他があまり取り上げていないので記事にします。


◆接続料(アクセスチャージ)問題とは

まず簡単におさらいをします。

現在、主にドコモとソフトバンクの間で「接続料(アクセスチャージ)」というものが原因でもめています。発端はドコモが「ソフトバンクの接続料は高すぎる」とか、接続料経由で他社ユーザにホワイトプランの穴埋め負担をさせているのに等しいのではないか、というようなことを言ったことでした。

例えば、

NTTドコモ,ソフトバンクとの携帯接続料格差に不満を表明
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090311/326363/

なお、念のために説明をすると接続料とはこういうものです。

例えばドコモを使っている人(Aさん)が、ソフトバンクを使っている人(Bさん)に電話をするとき、通信はこういう感じになります。

ドコモの電話機 = [ドコモの携帯電話網] = [ソフトバンクの携帯電話網] = ソフトバンクの電話機

この場合の「電話料金」はAさんがドコモだけに支払います。しかし、通話ではソフトバンク側の設備も使っています。

日本ではこういう場合に、「ドコモからソフトバンクに接続料を支払う」という習慣があります。

ちなみにアメリカでは、Aさんがドコモ部分の料金を、Bさんがソフトバンク部分の料金を支払うという、お金の計算上はとてもわかりやすい仕組みになっています。
#ただし、携帯電話に出るだけでお金を取られることになりますが

ドコモの不満は、

・ソフトバンクの接続料設定が妙に高い
・ドコモ→ソフトバンク、ソフトバンク→ドコモ、それぞれの通話の量は同じくらいであるにもかかわらず、ドコモからソフトバンクへの支払いが100億を越えている
・ソフトバンクは接続料の根拠を明らかにしなさい

ちなみにドコモとAUは法律の決まりによって、接続料の根拠を明らかにしています。

また注意すべきは、ドコモは「値下げしろ」と言っているのではなく、「値段の根拠を公平公正な形で明らかにしなさい」と言っているということです。本当に正当な事情があっての高い接続料なら仕方ない、と言っているわけです。

ですがソフトバンクはこれに応じる事が出来ずにいます。こういう話になると臆病になるはずのドコモが自信を持っているあたり、ソフトバンクの接続料設定には全く根拠が無いとドコモはみているのでしょう。

ちなみに、接続料の差額による収入は、結果的に「他社のユーザから料金を取る」という形になりますから、ホワイトプランの穴埋めの一部を、あべこべにも他社ユーザに強いているとみなす事も出来ます。だからドコモは不満があるのです。


◆実際の接続料(アクセスチャージ)の金額一覧

接続料が実際どれくらいかを、ドコモが暴露してしてしまっています。

接続料(アクセスチャージ) とは
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/keyword/44715.html

2008年度の接続料(3分あたり):ドコモが暴露

NTTドコモ
 区域内:28.80円
 区域外:32.40円

KDDI
 区域内:31.50円
 区域外:39.24円

SBM
 区域内:38.70円
 区域外:45.36円

イー・モバイル
 全区域:29.34円

確かに突出してソフトバンクが高いことがわかります。

しかもソフトバンクは、弱小キャリアは安く出来ません、と主張しているのですが、何とイーモバイルの接続料が安いことも同時にばらされてしまっています。


◆千本会長、「接続料は半額でもまだ高い」

イーモバイルの千本会長ですが、接続料騒動が本格化する(本格的に炎上する)前に、接続料についてのインタビューに答えており、そこでなんとソフトバンクと正反対の主張をしています。

「接続料は半額可能」 新規参入のイー・モバイル会長に聞く(2009年3月9日0時7分)
http://www.asahi.com/business/topics/TKY200903080153.html

――どの程度が適正だと。

 「実際にかかっている費用は現在の接続料の3分の1ぐらいではないか。利益を上乗せしても半分にはできる。払うのは各社同じだから、一斉に下げれば経営への大きな影響もない。接続料が下がり競争が働けば通話料金も下がる

なぜ接続料がこの額になるのか、各社は根拠を明らかにしていない。接続料は着信時にかかる費用の回収が目的。広告費用も契約獲得費用も、端末の開発費用も関係ない。なぜ固定電話に比べ5倍以上も高いのか。適正な費用から算出しているのか疑問だ

三分の一(実際にかかっている費用)とは「10円くらい」という事になります。そこから利益を載せたとしても「15円くらいでも十分利益が出るはず」、という驚くべき主張をしています。

「一斉に下げれば経営への大きな影響もない」というのは、自社だけが下げるとソフトバンクとドコモの間のような現象が発生して「差額による他社への支払い」が出てしまいますが、同時に値下げをすれば通話量が同じなら値下げは互いに帳消しになって持ち出しは発生しないという主張です。

ちなみにイーモバイルとしては、接続料が下がって競争が働いて通話料金も下がった状況での戦い、を望んでいるから、という事情による主張でもあると思います。

これでイーモバイルの接続料が高かったら単なる言いたい放題ですが、ドコモが暴露した通り、イーモバイルの接続料は確かに安く設定されています。

ともかくも、「接続料は10円とちょっと」にしても本当は赤字にならないはず(イーモバイル調べ)、だそうです。

さてどうしますかソフトバンク。

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コメント

いつも通り、都合の悪い事は
「見ざる、言わざる、聞かざる」
では?

投稿: | 2009/06/10 22:39

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