509 アナログ停波で北米の次世代戦争が秒読み状態に(LTE vs WiMAX vs HSPA+)
いろんな重要ニュースがあったにもかかわらず、どういうわけかその他のニュースに関する記事を先に投稿。
#肩慣らしとも言う
◆アメリカでアナログ地上波が停波
アナログ停波当日の米国,「大きな混乱はなし」とFCCが報告
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090615/331895/
アメリカで6月12日にアナログ地上波が停波しました。
上記記事は停波を行った当事者が「大きな混乱はなかった」と報告したというニュースです。FCCというのは日本で言う総務省みたいなところで、アメリカの電波の使い方を仕切っているところです。
日本で例えると総務省自身が「総務省の計画はとりあえず成功しました」と発表した、というようなニュースということになります。
記事中では以下のようにあります、
FCCによると,無料サポート電話には当日,31万7450本の問い合わせがあった。約30%がアナログ-デジタル変換器の動作に関するもので,そのほとんどは,電話の指示に従い再度デジタル放送波をスキャンすることで解決した。
米Nielsenの調査によると,6月7日時点でデジタル放送に対応していない家庭は,全テレビ視聴世帯の2.5%にあたる280万世帯だった(関連記事:アナログ放送終了目前,米国の280万世帯が地デジ未対応 )。
こういう状況だったとして、日本だったら「大混乱した」と言われるような気がします
ただアメリカはケーブルテレビ経由での視聴をしているところが多く影響を受けにくい傾向があることと、そもそも日本と違って不平を言う人が少ない傾向があるので、停波できたのかなと思います。
◆「LTEの足止め」は続かなかった
混乱があったかどうかはともかく停波が行われたのは確かです。不満を持っている人が実は大勢居たとして、まさかここからアナログの電波がもう一度飛ぶことにはならないでしょう。
これでアナログ停波を待っていた「700MHz帯」も利用可能になりました。停波が遅れるとその分だけモバイルWiMAXが逃げる時間になったのですが、それももう終わりです。
そもそもオークションで帯域を売ってしまったために、あまり遅延させると携帯電話会社から「巨額のお金を払ったのに約束踏み倒しで使えないとはどういうことか」「弁償してください」ということになりかねない、という圧力も、早期停波への圧力になっていたはずです。
ともかく、
ベライゾンの「LTE@700MHz帯」
のサービスインを妨げるものが無くなったことになります。ベライゾンは2009年中にLTEを開始したいと言っており、LTEのフルスペックを発動可能な「20MHz×2」の帯域を確保済みです。もっとも、20MHz幅をまとめて使うかどうか解りませんが。
LTEはPC向けのデータ通信などでスタートするようですから(そもそも初期には消費電力の問題で電話機への搭載は無理)、近いうちに北米で「LTE と WiMAX の正面対決」になる可能性は高いと考えられます。
フルスペックでのサービスインになったばあい、スペックでの100メガ超えは確実ですから、相当なニュースになって世界に広がることになるはずです。
年末までには、北米から「ものすごいニュース」が飛び込んでくることになるかもしれません。
また、700MHz帯を獲得したもう一つの勢力「AT&T」は、700MHz帯をまずは HSPA+ に使うことになっています。例えば、ベライゾンのLTEが技術的理由で2010年後半に遅れたとしても、HSPA+ は現時点ですでにサービスインできる状態にあります。
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