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507 インテル vs ARM:インテルがノキアと提携

インテルがノキアを提携した、というニュースについて書いてみたいと思います。


◆インテルとノキアが提携するらしい

まだ提携の具体的内容は明らかになっていないのですが、インテルとノキアが提携することが発表されました。

IntelとNokia、無線ブロードバンド時代に向けたモバイル機器開発で戦略提携
http://journal.mycom.co.jp/articles/2009/06/24/intel_nokia/

ノキアとはいわずと知れた携帯電話端末で世界最大のところ。インテルはPC用のプロセッサで世界最大のところです。

発表でも
・これからどのような提携を行うのかというところ
・提携によって話がややこしくなるところ
への質問が浴びせられたようですが、具体的な回答は無かったようです。

まずこの二社に関連する話題としては、大きく二つのカテゴリがあります。

・モバイル用のプロセッサの話題:ATOM vs ARM
・次世代通信技術の話題:W-CDMA/LTE vs モバイルWiMAX

それぞれについて考えてみましょう


◆Linuxが共通項(MoblinとMaemo)

「モバイル用のプロセッサの話題」については、インテルとの提携なので当然ながら、今後はノキアはインテルのチップを採用する方向で検討をするという説明はされましたが、具体的にどのようにするかについては発表がされていません。

ただし、インテルにとってATOM採用抜きでの提携は意味がありませんから、こういうスマートフォンの発売が検討されている「かも」しれません。

・(Nokia+Symbian)+ATOM/Moorestown
・(Nokia+Maemo)+ATOM/Moorestown
・Nokia+Moblin

ちなみにMoorestownとは「次世代ATOM」のコードネームです。

SymbianやMaemoについては過去にも記事で触れましたが、両方ともNokiaが自分の手元に置いているモバイル用のOSです。

Symbianは昔から欧州で使われているモバイル用に設計されているOSで、日本でもドコモの携帯の一部がOSに用いています。Maemoは聞き慣れない名前だとおもいますが、これは要するにLinuxの一種です。

両方とも現在は非インテルなCPUで動作しています。しかしこれをインテルへ移植する話があるかもしれません。ただしSymbianについては比較的面倒が多そうなので、こちらは何もなしかもしれません。

三つ目のMoblinとは、インテル自身が育成中のモバイル用途向けのIntel+Linuxです。こちらは逆にインテルが育成中のものをノキアが採用する形になります。

NokiaのMaemoもLinuxベースですから、当然統合しようという話はでているようで、

・Linux(Moblin+Maemo)+ATOM/Moorestown

という話は進むことになりそうです。

そして当然のことながら「ARMとの関係はどうするんですか」という質問が浴びせられましたが、ノキアは実に典型的な回答で、

「ARMとの関係を悪くするという提携ではございません、ARMとも今後とも良好な関係を続けます」

という何の情報も無い回答だったようです。ノキアがARMとの関係をどうするのかは解りません。


◆モバイルWiMAXについての言及は無し

もう一つの話題である「W-CDMA/LTE vs モバイルWiMAX」については、あまり具体的な話は無かったようです。

インテルがHSPA/3Gの技術ライセンスを受けるという発表がされたものの、モバイルWiMAXについての話は無かったようです。

ノキアはモバイルWiMAXに深くかかわっていた時期もあったのですが、かといってW-CDMA/LTE陣営でもあり続けていました。そしてモバイルWiMAXのブームが去ってゆくとともにだんだんと距離を取りはじめ、最近ではモバイルWiMAXの端末製造を中止したりしています。

今回も特に話は無かったこと、ノキアが一度撤収モードに入ってしまっていることからも、モバイルWiMAXについての提携は前提に入っていないのではないかと思います。またそもそものインテルも最近ではエリクソンと協力したりしていますから、「HSPA/3Gの技術ライセンス」の話題もあまり新しい情報ではありません。

よって、まずは

・Linux(Moblin+Maemo)+ATOM/Moorestown+HSPA/3G

というものを作る話になのではないか、と思います。

インテルの意図はとても解りやすいのですが(ARM対策)、ノキアにとっての利益についてノキアはどう考えているのかは、はっきりとしない話でもあります。

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コメント

Maemoのノウハウをフィードバックしたケータイ(スマートフォン)用Moblinと現状のMID系Moblinに分かれるのですかね?
Moorestownがインテルの当初の目論見通り 待機消費電力が現行Atomチップセットの1/10になればケータイ向けARMに太刀打ちできるのかなー?
x86アーキテクチャのAtomがケータイに搭載されたらPCのアプリがケータイで使えちゃったりする未来が来るですかね?

投稿: sy | 2009/07/04 00:42

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