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2009年4月の12件の記事

515 ドコモがパケット定額下限を490円に:ドコモがソフトバンクを兵糧攻め?

ドコモがパケット定額を値下げしたりした件について、ドコモがソフトバンクを兵糧攻めしはじめたようにも見えるという話を書いてみたいと思います。


◆ドコモは5.7Mbpsですが、イーモバイルは5.8Mbps

まずは上がり高速化が開始される件について。

NTTドコモ、「HSUPA」導入で上り速度を最大5.7Mbpsへ高速化
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0904/28/news068.html

ドコモも上りの高速化を実施する事になりました。上がり(端末→基地局)も3.5世代化して高速化するということです。これで、ソフトバンク以外のキャリアは上りの高速化がなされたことになりました(AUもRev.Aで実現しています)。

面白いのはこの記事中でドコモによる速度と、イーモバイルによる速度の発表の数値がずれてしまっている事です。ちなみに、技術的には両社ともに同一のものを導入しています。

NTTドコモは4月28日、HSUPAの導入により上り最大5.7Mbps
イー・モバイルが2008年11月に導入して上り最大1.4Mbpsの速度でサービスを開始、4月17日に最大5.8Mbpsへ高速化している。

どちらかに数字を統一しないといけないはずですが。

なお、上がり高速化は基地局のソフトウェア書き換えでほとんど済むと思われますので、ドコモの「上がり高速化の人口カバー率」はあっという間に上昇してしまうのではないかと思います。


◆二段階定額の下限が値下げ

2008年の10月に二段階パケット定額を導入したドコモですが、今度はパケット定額の下限を引き下げてきました。

ドコモ、パケット定額を月額490円からに--PC接続も月額1000円から
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20392474,00.htm

下限の料金が値下げされていますが、しかし上限金額は変わっていないのでネット方面からは意味が無いという声が出ています。

たしかにブログを読むような人で、二段階定額を使っている人にとっては意味の無い値下げではないかと思います。ちょっと使うだけであっという間に上限到達、が普通のはずだからです。

二段階定額についてはドコモが二段階定額を導入したときに記事を書いています。

値下げドミノ:ドコモがパケ代値下げ→ソフトバンク→?
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/09/601_7f92.html

主張としては同じですので、上記の記事を読んでいただきたいところですが、

・このブログを読むような人にとっては値段の変化無し
というのも、「ちょっとパケットをまともに使うだけ」であっという間にパケット定額の上限に到達するためです。

・しかし、実はろくに使っていない人は値下げに
店員に「安心ですよ」とか何とか言われて意味無くパケット定額に入っている人からの収入は減る、ドコモにはこういう人が多いはずです。

世間全体でみると後者の効果は大きいと思われます。ただし、490円ともなると、ろくに使っていない人に無意味にパケット定額契約をさせるのはさらに容易になるとは思いますが。

そして、ドコモが値下げした結果、前回と同じくソフトバンクも対抗値下げに踏み切らざるを得なくなりそうです。


◆ソフトバンクも値下げをする「予定」であると発表

前回の「ドコモの値下げ」の時にはすぐに即時の対抗値下げを発表したソフトバンクでしたが、今回は対抗する事のみを発表するにとどまりました。

ソフトバンクモバイルもパケット定額を月額490円からに--ドコモに対抗
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20392509,00.htm

7月をめどに料金コースを見直すとの発言がなされるにとどまりました。つまり、ドコモと同時に対抗するわけではないということです。

これまでは即時対抗していましたから、どうも対応が弱くなった感じがしてしまいます。やはり、苦しいのではないかと思ってしまいました。

ドコモが二段階定額を導入したときの前回書いた記事にも、同じことを書いたのですが、

そもそもドコモはホワイトプランのようなものをやっていないのですから、ソフトバンクがドコモと同じところまで値下げする必要は無いし、ソフトバンクの方が部分的に高そうにみえるところがあっても、トータルでは安ければ安いのです。

ですが、気の毒な事にソフトバンクとしては対抗値下げをせざるを得ない立場となっています。もっとも、そういう状況はソフトバンク自身が作ったのですが。

・ドコモが値下げをする
・ソフトバンクとしてはドコモより高いというイメージは許容できないので、対抗値下げせざるを得ない

その結果、前回の対抗値下げではiPhoneの料金が変な感じで追加値下げされてしまうなど、結果的にソフトバンクの料金システムが混乱してしまう場面も見られました。

よって、前回の記事で今後こういうことが起こりうると書きました

前回の指摘
・ドコモが「ソフトバンクもすぐに値下げせざるを得ない」と悟る
・ドコモは、ソフトバンクの痛いところを狙って値下げをする
・ソフトバンク、泣く泣く対抗値下げ

ドコモの値下げの本当の意図はわかりませんが、結果的に今回のドコモの値下げはソフトバンクを兵糧攻めする形ともなっています。

しかもこの値下げ、ドコモとソフトバンクが揉め事を起こしていたところに発表された値下げでもあります。


◆接続料議論

話題的にめんどくさいので、これまでブログで記事にしてこなかったのですが、最近ドコモとソフトバンクの間で「揉め事」がおこっています。

接続料(アクセスチャージ)の問題です。

例えばドコモのAさんからソフトバンクのBさんに電話をかけたときには、音声のデータの流れはこういうことになります。

・端末(Aさん)=ドコモの携帯電話網=ソフトバンクの携帯電話網=端末(Bさん)

で、日本の課金方式では通話料金はAさんが全部払います、そしてその支払い先はドコモです。しかし、AさんからBさんへの通話ではドコモの設備だけではなくソフトバンクの設備も使っています。

ので、こういう場合にドコモがソフトバンクに「ソフトバンク側の回線を使う料金」を支払う習慣があります。これを接続料(アクセスチャージ)といいます。

※これは日本での習慣であり、例えばアメリカではAさんもBさんもそれぞれ料金を払うというシステムを採用していたりします

ドコモが問題にしているのは、

・携帯四社でソフトバンクの接続料(アクセスチャージ)が突出して高い
・ドコモからソフトバンク、ソフトバンクからドコモへの通話のトラフィックはほぼ同じなのに、ドコモからソフトバンクへ100億円以上もの支払いが生じている

結果的にはドコモやAUのユーザがソフトバンクにお金を払っている形にもなっていることから、この現状は良くないとドコモは言っています。

そして間接的にホワイトプランの値下げ分を、ドコモやAUのユーザに支払わせているとして非難しています。

一方ソフトバンクは、

・800MHz帯を持っていないから基地局整備が大変でお金がかかっている
・弱いキャリアは接続料で優遇すべきだという考え方もある

というようなことを主張します。

それを受けてドコモが再反論をします、

・800MHz帯はソフトバンクが言っているほど低コストではない
・ドコモは2GHz帯メインでエリア整備している
・ソフトバンクの自称基地局数はウソ、自分でちゃんとエリア整備してないのに何を言っているのか

なお、同じ弱小勢力のはずのイーモバイルの接続料は高くないどころか安かった、という事実もソフトバンクに不利に働いています。

またイーモバイルからすると、ソフトバンクが揺らぐことはイーモバイルの大躍進につながるわけですから、本件についてソフトバンクの味方をすることはなく、ただソフトバンクが困って弱るのを黙って見ているはずです。

また、ドコモの主張するとおり接続料の値下げがなされるならば、携帯他社への通話料金の値下げが始まるきっかけになりえます。というのも、接続料が他社への通話料金のボトルネックであるためです。

また当然に、値下げがされることになると、携帯他社からのソフトバンクへの「接続料の差額による収入」が減ったり無くなったりすることになり、ソフトバンクはさらにお金で困ることになります。

ちなみに今回のパケット定額下限の値下げは、こういう状況になった後で発表されています。

接続料値下げ議論はみてわかるとおり、結果的にソフトバンクへの兵糧攻めになっています。そしてパケ代下限値下げも兵糧攻めとみなせます。


◆値下げ攻撃をかわす方法

完全に蛇足ですが、ちょっと思いついたという事で以下を書いてみたいと思います。

ソフトバンクを困らせるドコモの値下げ、は今後も続くかもしれませんが、もしそうだったとして、ソフトバンクには値下げ攻撃から逃れる方法があります。

ドコモ(や他社)と全く異体系な料金システムに変更してしまえばいいのです。

ソフトバンクが値下げ攻撃から身を守る方法
・料金コースを原形とどめないほど違ったものにする
・他社とは全く違った料金コースを採用する
・「ホワイトプラン980円のソフトバンク」のイメージはしっかりと残す
・その他の「個別の点」については、他社と料金システムがあまりに違いすぎて、安いのか高いのか比較不能
・他社がソフトバンク類似の料金コースを設定するのが難しい細工をする

今回の件の問題は、料金プランの一部分、ドコモのパケット定額下限とソフトバンクの定額下限が客観的に比較可能である、という点が問題点です。ならば、そういう細かい点は比較不能にしてしまえば対抗値下げをしなくとも良くなります。

その上で「ホワイトプランのイメージ」さえしっかり残せば、全体では料金が安い(だろう)イメージはちゃんと残るはずです。

24時間以内対抗値下げの攻めのソフトバンクは何処へ行った(防御だらけ)、という感じですけども。

#ちなみに、接続料のほうについては防御するアイディアは思いつきません

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最近のその他の話題(4/29)

最近のその他の話題です


◆スタパ斎藤さん、WILLCOM NS に興味を持つ

WILLCOM NSに興味津々!!
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/stapa/45120.html

システム手帳が好き、ということから興味を持っているようです。資料をPDFにしてNSに入れて持ち歩く、というのは便利かもと思ったり。印刷するとどんどん増えて収拾つかないですし。本題と関係ないのですが、そうなんだーと思ったのはポメラ愛用者らしいことだったり。

WILLCOM NS ですが、店頭で試してみると記事にもあるように通信関係も思っていたより遅くないし、動作自体の遅さもない。ただ、UIはもうちょっと使いやすくても良かったと思いました、ただこれについては常用すると慣れるかもと思いましたけど。

#ただし個人的には、システム手帳が嫌いだという根本的な問題点が。


◆業界内からも「地上波アナログ停波の延期論」?

地デジ移行、放送業界内で延期論 NHK放送文化研調査
http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=NN002Y130%2016042009

「予定通りに移行してもらわないと困る」という思惑は大きいようですが、それでも「さすがにこれはまずいんじゃないの?」ということになってきたようです。


◆お金をとるんですか

「ダウングレードを恐れずに地デジ再送信サービスの導入を検討」,J:COMの決算説明会から
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090428/329311/


ケーブルテレビが地上デジタルをアナログに変換して送信してくれる、というニュースです。つまり有線でテレビを見ている人は停波しても大丈夫になるかもしれないニュースだ・・と思いたいところですが、「有料サービス」で提供するつもりだそうです。

有料にする理屈もわかるのですが、有料だとわかった途端むしろ悪印象かもしれません。アナログ難民からお金を取ろうという話になってしまうからです。


◆AUにも(ようやく)スマートフォンがやってきた

au初のスマートフォン「E30HT」、5月1日発売――個人向けにも販売
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0904/27/news067.html

HTCのアレがAU向けにも発売される事になりました。携帯他社で発売されてから結構経つので、いまさらですかという受け止められ方のようです。ただ、AUの回線応答が違ったりするので、もしかしたら使った感じが少し違うかもしれないし、帯域規制がどういう感じになっているのだろうと思ってみたり。

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516 またもや「日中で次世代携帯を」の話が

以前にツッコミを入れたことのあるネタですが、またもや「日中で次世代携帯を開発しよう」という怪しい話が出てきています。

すぐに投稿した方が良いと思える話題なので、推敲などがされていませんが投稿してしまいます。


◆麻生さん、これはダメです

もし麻生さんがこの件で向こうと合意して帰ってきたら、怒ってよいような気がします。だれですかこんな話を作っている人は。

次世代携帯、日中が協力 端末やインフラ整備、首相会談で合意へ
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090428AT3S2703B27042009.html

まずは元の記事が変な事を言っているのでそれに突っ込みます。

中国で主流となる通信規格が、日本と同じ第三世代携帯電話(3G)や、第3.9世代(3.9G)に移行するのを見据え、

この記事を書いた人は、まずこの時点で基本的な事を何も解っていないかもしれません。日本で主流となる方式と中国の国策の方式は違うものですし、日本はLTEの開始間近で、中国はTD-LTEをまだ開発中です。同じではありません。

ないしは、「日本と中国の利害関係が一致しているかのような誤解をさせる記事」を書いていることになります。同じ技術だから利害関係も一致するので協力するのです、という間違った説明をしている事になりますから。

困ったのはこの部分、

両政府が新たな端末開発やインフラ整備で連携する官民協力を主導。

政府主導で必要の無い「協力」を強いられるかもしれません。

また記事の見出しがこういう事になっています

首相会談で合意へ

もう合意する事になっています。

技術協力をテコに約6億5000万件とされる世界最大の携帯電話市場への日本企業の進出を後押しする。

これは最近の中国の常套手段ですね、自国市場を餌にして他国と交渉する方法です。先日のソースコード公開問題でも、公開しないと中国で売らせませんというものでした。


◆メリットがあるか怪しい

以前から「日中で協力して次世代携帯を」という良くわからない話があるようです、いったい誰がそんな話を広めているのは知りたいところです。

前にこういう記事を書いたことがあります。

「日中韓で第四世代携帯」は正直どうだろうか?
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/04/697_0e97.html

基本的なことは上記の記事に書きましたので、出来れば上記を先に読んで欲しいと思います。

まず記者は、日本と中国が携帯電話技術で同じ物を用いていて利害関係が一致するとしていますが、

日本(ドコモ一家)
・第3世代:W-CDMA/HSDPA(日欧:世界標準)
・次世代(3.9世代):LTE(世界標準)
・その次:IMT-Advanced(LTEの改良版:開発中)

中国の国策技術開発
・第3世代:TD-SCDMA/TD-HSDPA(まだ未完成)
・次世代(3.9世代):TD-LTE(ほとんど開発がされていない)

一致する点はありません。また、「次の技術」の開発においても、互いに違うものを開発しています。

日本は携帯電話技術で世界から孤立した、と日本叩きをする人が今になってもいますが、実際には第三世代以降では「日本は世界の勝ち組」になっています。

日本は携帯電話技術においては世界の三大勢力(日本:ドコモ一家、欧州:エリクソン、米国:クアルコム)の一角を占めており、次世代では日欧連合のLTEがクアルコムの次世代技術を退場させて勝ち組本流になり、クアルコムもLTE陣営に加わってしまったような次第です。

世界では第3世代どころか3.5世代も枯れた状態になり、次世代(LTE)の足音をする状況で、他国の技術を締め出して国策で独自の第3世代技術開発を続けていたのが中国です。

TD-SCDMAはまだちゃんと完成した状態だとは言えず、TD-LTEに至ってはまだほとんど開発されていないはずです。

日本は世界の勝ち組本流の一員で、中国は独自技術を作って本流に挑戦している形になっています。また中国は独自技術を勝たせるために、中国市場で他の技術の導入を遅らせたりするようなことをしています。

しかも、どうもTD-SCDMAは中国大陸でも旗色が良くないので、市場の力でこのまますぐに滅んでしまう可能性もあります。よって、中国の挑戦が次の本流になるとは考えにくい状況にあります。

なぜこの状況で、中国にとってではなく日本にとって、日中が連合(して欧米に対抗)する必要があるのかなと思いました。


◆誰の主張なのでしょう?

「日中で協力して次世代携帯」という話はどこから出ているのでしょう。もしちゃんとした理由があって進められている話ならば、その理由を聞きたいところです。

日本は現路線を維持するだけで、次の携帯電話技術においても勝ち組本流になる可能性が高いわけで、技術的な勝算が薄い独自技術路線をとっている中国と手を組んで日本に意味のある結果が得られるとは思えません。

またそもそも、世界を無視して独自技術開発を続けている中国が、世界標準に歩み寄らないのに、日本に歩み寄ってくれたりするかどうか考えて欲しいところです。

また、欧米との駆け引きがうまく行かないから中国と組む、というのなら、欧米と引き続き駆け引きをするのと、中国と駆け引きするのとどちらが大丈夫そうか、考えて欲しいところです。

#このあたりは先にしめした「以前書いた記事」にも書きました。

「協力によって中国市場を・・」という話を出すのなら、それはこういう事になります、

・主張の正体:日本は携帯電話技術と引き換えに、中国市場に入れてもらうべきだ

そういう取引が成立するかどうか、また、成立したとしてどれほどの意味がある結果につながりそうか、よく考えて欲しいところです。

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最近のその他の話題

最近のその他の話題について、

◆インテルがまたARMをいじめている

IDF Shanghai 2008 - Chandrasekher基調講演、Moorestownの基板も公開
http://journal.mycom.co.jp/articles/2008/04/08/idf08/index.html

インテルがまたARMをいじめています。以前、インテルがiPhoneの悪口を言ったと騒動になったことがありましたが、ARMいじめのあまりARMを採用しているiPhoneに言及してしまったため林檎方面の怒りを買ったためでした。

内容的には以前に記事にした時と同じ感じです、"フルインターネット体験"と言っていたりしています。

例えば日本では、モバイルアクセスの90%が携帯電話から行われているが、しかし、その内80%を超えるユーザーは、端末のパフォーマンスや接続性に不満を持っているという調査結果が公開された。

「不満」というのは、「現状のモバイル環境はパソコンでのネットアクセスと比べてどう思いますか?」みたいなことを聞いた結果のはずですが、それをインテルのCPUの支持率に置き換えてしまうかのようなロジックはどうなんでしょうかと。

携帯電話やスマートフォンとか方面での ATOM vs ARM においては、結局のところATOMはほとんど採用されていません。ネットブック(やWILLCOM D4)くらいですが、これは結局はパソコンそのものだからデスクトップ版のWindowsを動かす必要があり他に選択肢がないだけです。

インテルは Moorestown で巻き返すつもりのようですが、ARMも新型を投入しつつありますし、逆にARMがネットブック側に攻め込む動きも出てきました。さて、この戦いの結末はどうなるのでありましょうか。

◆オラクルがサンを買ってしまいました

話題にするのがちょっと遅いですが、記事に。

オラクルが74億ドルでサンを買収
http://www.atmarkit.co.jp/news/200904/20/oracle.html

念のために説明をしてみましょう。

オラクルというのはデータベースのソフトウェアで有名な会社です。オラクルマスターとかいうIT系の資格の名前なら聞いたことがある人もいるかもしれません。

サンはJavaのところです。Java以外にはSolarisというUNIXのOSやらハードウェアやらの一式や、他に気になるものとしては、OpenOfficeやMySQLもSunが持っています。

この買収でいろんな事がどうなるんだろうといわれてますが、特に心配の声を聞くのはOpenOfficeやMySQLのこと。Oracleが親になってOpenOfficeは大丈夫なのかなという心配や、もっと心配されているのはMySQLの発展が終わることです。

というのはOracleとMySQLは両方ともデータベースの製品で(場合によっては)競合しているため、安楽死させられるのではないかとか、MySQLが進化してOracleなんてもう要りません、と、ならないように飼い殺しにされるのではないかと心配されているようです。

◆ITソースコード強制開示強行

中国、ITソースコード強制開示強行へ…国際問題化の懸念
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090424-OYT1T00053.htm

あちこちで散々話題にされてますから、そっちについてはコメントをつけませんが、これは携帯関係にも当然影響します。携帯電話端末や携帯基地局にも。

このブログの話題的にも(読んでない人は過去記事を見てください)、お上主導で携帯電話会社をいきなり大再編したり、7000万人がまだ使っているPHSが停波の命令を受けたり、独自の通信技術開発で無茶をしてみたり、向こうは良い意味でも悪い意味でも日本では決してされないようなことを平気でやりますなーという感じでしたが・・

それにしても、

中国側は、ソフトの欠陥を狙ったコンピューターウイルスの侵入防止などを制度導入の目的に挙げる。

前にもそういう話題をしましたが、この話も「正義」や「悪い人からの保護」が謳われているのが、なんとも言えませんです。

今後の展開としては、WTO(世界貿易機関)で日米欧vs中国みたいなことになるのでしょうか。経済で反則技を使いましたという事で。

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517 XGPがデモ:秋には東京都心にXGPのマイクロセルが完成しているかも

ちょっと間があいてになりますが、ウィルコムがXGP(次世代PHS)をデモしたりした件について書いてみたいと思います。


◆上手なデモでした

4月22日、ウィルコムがとうとうXGP(次世代PHS)のお披露目を行いました、とりあえずニュース記事、

ウィルコム喜久川氏、「XGP」への展望を語る
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/45063.html

まず最初に断っておきますと、私はずっと前の最初から、XGP(次世代PHS)について、もし成功したら歴史に残るほどの大勝利になる可能性があると思いつつも、基本的には「大丈夫なのか心配」と思って見ています。

というところをまず断ってから書き始めたいと思います、以下本題。

最大の話題は、デモで予想外に良い速度が出ていた点でしょうからまずはそこから書いてみたいと思います。

- 下り速度 最大で約18Mbps(18542.34kbps)を記録し、平均で17~18Mbps
- 上り速度 最大で約11.7Mbps(12077.79kbps)

ちなみに理論値は上下ともに20Mbpsですから、下り速度は理論値に接近する実効速度になっており、上り速度についてもWiMAXの理論速度すら突破する実効速度になっています。

理論値
- 下り最大速度 XGP:20Mbps WiMAX:40Mbps(MIMOなしだと20Mbps)
- 上り最大速度 XGP:20Mbps WiMAX:10Mbps

最高速度の面でXGPに期待していた人はあまり多くなかったと思いますから、XGPが速度面でこういう数字を叩き出したのは驚きを持って迎えられているようです。

前々から他の通信技術のデモが行われるたびに同じ事を書いて来ましたが、「デモは基本的にデモ」ではあります。デモでの環境は実運用の環境とは異なりますし、速度が出るようにチューニングを凝らして行われるのが普通です(極端な例になると「有線接続」とか)。

今回のデモについてもウィルコムは周到に準備をしているものと思われます。よって、この速度は実際にサービスインされたときの速度ではないはずです。よって、この数字をあまり真に受けてはいけません(ということは強調しておきます)。

しかし、デモであるとはいえ、あまりにも速度が出ています。

この速度はかなり「頑張った」速度だと思いますが、本当に駄目な技術な場合、いくら頑張ってデモしてもここまでの速度は出ません。

また「18Mbps」という数字は、モバイルWiMAXがこれまでのデモで披露したことのある速度と、XGPの理論最高速度の間の速度です。この狭い隙間が存在しているうちに、この隙間に収まるデモを行おうと準備をしていたのではないかという気もします。ならばウィルコム、今回はうまいことやったことになります。

しかもモバイルWiMAXはもうサービスインしてしまっていますから、今から「すごい速度のデモ」をしたところで、実効速度とかけ離れたデモをやっていると言われてしまいます。


◆256QAM

MIMO無しではWiMAXもXGPも共に20Mbpsなのですが、20Mbpsの意味が少し違います。
現行のWiMAXは最大64QAM(一つの信号で6ビットの情報を送信)で20Mbpsを実現しており、XGPは最大256QAM(一つの信号で8ビットの情報を送信)で20Mbpsを実現しています。

XGPの方が難しい変調方式を用いているのに最高速度が同じなのは、WiMAXより一部難儀な事をしているXGPでは最高速度が出しにくくなっている部分があり、その部分での速度低下が256QAMで帳消しになっていると考えてください。

前代未聞の256QAMなんて実際に使えるんですか?という意見(20Mbpsと言いたいだけではないか)もあったわけですが、今回のデモでの下り速度は256QAMが文字通りにフル動作しないと出ない速度でした、「デモ」だったとは言え「下り256QAMが『十分に』動作しました」ということも示されたこととなりました。

逆に、上りが12Mbpsに留まったのは、現状では64QAMは動作しているが256QAMは十分に動作していないことを示した事になるのではないかと思います。発表で、上り速度についてもこれから改良します、と言っているのは「上りでも256QAMが使えるよう努力します」という事だと思います。

なお、XGPは基地局同士が干渉しないように互いに帯域を譲り合う方式で、それがきちんと動作した場合には、他の通信方式よりも通信同士の干渉によるノイズを浴びにくい特徴があります。ですから、基地局と端末自体が256QAMの難しさに耐えられるなら、実環境でも案外と速度が出る可能性も出てきます。

つまり、もしかしたら実環境でも256QAMは意外と使い物になるの「かも」しれない、というのも今回のデモで示されたことでした。

#結局まともに動作したのは最初のデモだけだった、の可能性もあります


◆スケジュールの意味

今後のエリア限定サービス(試験サービス)のスケジュールも示されました。

大まかには
- とりあえず形だけでも4月にスタートしたことにはする
- 最初はデモ展示中心の「見てるだけ状態」
- 次に、関係法人にデモ機貸し出し
- 法人向けのデモは徐々に拡大するが、個人向けはしばらくお待ちください

XGPはおそらく現在開発・配置されている基地局は試作段階ないしは研究段階というべきものではないかと思います。前々から本格的な開発が行われているモバイルWiMAXとは違い、開発に必要な時間があまりに無かったはずだからです。

開発が一通り済んでいるモバイルWiMAXにとって正しい時間の使い方は、エリア整備に時間を使って対LTEで先行する、というものですが、XGPの場合には基地局用地は現行PHSで確保されているので急速な設置も一応可能であることもあり、最初の完成版を大量配置するのを遅らせた方が良い状況なのではないかと思います。

よってモバイルWiMAXの試験サービスが、「完成品」への反応を試している感じがするのに対し、XGPの場合には開発中の技術を試作機で使ってもらって技術開発の参考にする形になるのではないか、と思います。

記事にはこういう部分があります、

PHS開始時の1995年、新しいネットワークとして立ち上げながら最初から商用サービスとして展開し、技術的課題が山積したことから一度電波を止めたという苦い経験があったためという。またデータ通信で4xサービスを開始する際にも理論値に近づけるためにも検証を重ねた。喜久川氏は「今回は、世代が切り替わることから、一般ユーザーが利用できる状況になる時には、十分なスペックが実現できることを目指す」として、万全を期すためにステップを踏むことにしたという。

エリア限定サービスの期間内にいろいろ試して対策や改良を行ってから、その後に本格的なエリア展開や端末配布をやる、ということのようです。

現時点でもう十分に完成品の技術になっているのが本来望ましいには違いありませんが、

自社で独自に技術開発をやっているメリットを生かすとなると、試して出てきた問題をすぐに反映させて技術そのものをすら改良するような話になるのかもしれません。機材を丸ごと買ってきただけだったり、世界標準の規格だとこうはできません。


◆エリア限定サービス(試験サービス)における作戦

発表ではXGPの基地局は既に100局程度配置済みであることが発表されました。

引き続いての基地局の設置方針として、東京の中心部の一部のエリアに集中的に基地局を配置することが発表されています。つまり、マクロセル的に薄く広くまずエリアの面をカバーするのではなく、東京の中心部にまず試験的にマイクロセルなエリアを出現させる方針、ということになります。

これは、マクロセル的に薄く広くエリアをどんどん展開する攻めの段階には無いことを示すと同時に、かといって漫然と基地局配置をしてお茶を濁す気も無い、ということも解ります。

もし技術的な未熟さへの守りに出るのであれば、無難な密度で無難にエリアカバーをするようなことをするはずです。ですが、発表された計画では東京の中心部に高い密度で基地局を配置する計画になっています。つまり、いきなりエクストリームな状態にチャレンジすると言っていることになります。

エリア限定サービス(試験サービス)期間に技術的問題を解決したいと言っているのと併せて考えると、いきなりマイクロセル運用してしまってマイクロセルとしての改良と実証をしたいと考えていること、とりあえずそういう目標を掲げても最低限大丈夫な程度には技術開発が進んでいるらしいこと(それ以前の状態なら「漫然と基地局を配置」しつつ基礎的な問題の対処をするはず)が予想できます。

そしてもしかすると早期に「マイクロセルの凄さ」(他社には出来ない事が出来ます)をアピールしたい(ないしはする必要がある)と考えてのことだとも考えられます。

もしこの「マイクロセルへの挑戦」が順調に進めば、秋には東京の中心部に「本物のワイヤレスブロードバンドの世界」が出現していることになるかもしれません。

ただし、あくまでも「万事が順調に進めば」ですが・・・

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518 「なんちゃってスマートフォン」としてのケータイ

「日本のケータイ」のスマートフォンに対する答えはもう出始めているんじゃないかという話。


◆フルキーボードがあれば、タッチできればいいだけだった

スマートフォンというのは日本でも一定の認知を受けるようになりましたが、広く使われるようになってはいません。

一部の愛好者にしっかりと受け入れられつつも、多くの脱落者を出しているのが現状ではないかと思います。

初代W-Zero3にはパソコン的なことを期待されたり、アドエスになると、ケータイにフルキーボードがついてて便利そうだとか、iPhoneだとタッチ操作で使える未来ケータイだと思われたり。でも使ってみると「何か違うな」と思われている事が多いのではないかなと。

実際、身も蓋も無い感想として、

アドエスすごいな、と思って買って使っていたが、冷静になって考えてみるとフルキーボードが便利なだけで、あとは普通のケータイのほうが良かった。

とか、

iPhoneが使いたいんじゃなくて、何か見る程度のときにタッチでゆるゆると使いたいだけのような気がしてきた。後は不便だから二台持ちしてます。

とか。

つまりスマートフォンのスマートフォンたる部分は実は評価されてなくて、UIの新しい部分だけしか評価されていませんでした、と。

ウィルコムのZero3は発売されるたびにケータイを意識した機種になっていますが、これは上記のようなリアクション(というか買った人からのネガティブなリアクション)を解決しようとしているのではないかと思われます。

結果、スマートフォンの課題とはケータイ化すること、ケータイではないと思わせない事、それが日本に広く受け入れられるための課題、という感じにもなりつつありました。


◆「ケータイ」からの「スマートフォン」への答え:なんちゃってスマートフォン

つまり問題は、「スマートフォンとケータイの『間』」にあるということでした、これまでの話題はスマートフォンがその間を埋めようとしていたという話でした。

ですが、この問題は反対側、つまりケータイ側から溝を埋めてしまう事も可能でした。

つまり、

・フルキーボードがあればいいだけだった
・タッチできればいいだけだった
・ケータイのほうが良かった

ということならば、

・ケータイにフルキーボードがあり、タッチが出来ればそれで良い

という話も成り立ちます。

で、実際「そういうケータイ」が発売されて好評だったりします。つまり、これのことです。

3.5型液晶でフルタッチ操作、フルキーボード搭載「SH-04A」
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/42606.html

つまり、日本式のハイスペックケータイにフルキーボードとタッチ操作が合体したものです。

もちろん「スマートフォンを使いたい」人からすると、これは「なんちゃってスマートフォン」に過ぎない存在です。カスタマイズも何も出来ないし、基本的にケータイでしかないもののはずです。

しかし、こういうのが本当は欲しかった、と思った人も多かったはずです。

つまり、「世界共通」のスマートフォンがケータイを吸収してしまう流れだけでなく、日本が高度に発達させたケータイがスマートフォンの良さを取り込んでしまう流れもあるかもしれないということです。

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519 WiMAXの次世代が300Mbps、が実はあんまり凄くない件

結論としては、また数字のインフレでした、という話。

恒例の算数考察をしてみたいと思います。


◆300Mbpsは実はあまりすごくない

まずはもとのニュースを引用して、

[5]WiMAXの次世代規格では最大300Mビット/秒に高速化
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090407/327978/

まずは300Mbpsを片付けてしまいましょう。

現行のモバイルWiMAXを「普通に」高速化する方法には二つあります。「普通に」というのは、さしたる新しい工夫も無く(というのは言い過ぎかもしれませんが)、ということです。

・×2:10MHz幅(現行)を20MHz幅に増やす
・×2:2x2MIMO(現行)を4x4MIMOする

20MHz幅対応については、帯域を2倍使って2倍に高速化します(そして混雑に2倍弱くなります)。帯域が余っている場合(あるいは余っている時間帯のみ)高速化されます。

MIMOについてはそもそもあまりうまく働かない傾向があるので、2x2を4x4にしても素直に2倍になるわけではありません、スペック以外は。

つまり、両方とも実際の利用者レベルで素直に2倍の高速化をするということではないのですが、とりあえずスペック上は4倍になる余地があることになります。

実際WiMAXの「2.0」では上記の高速化手法が両方とも使われています。逆にいえば将来のスペックを「4で割れば」現在のモバイルWiMAXのスペックと比較可能だということになります。

記事では「モバイルWiMAXはもうしばらくすると300Mbps」になるという内容になっていますから、試しにこれを4で割ってみましょう。

300Mbps÷4 = 75Mbps

今サービスされているモバイルWiMAXは40Mbpsだから、これはすごい、と思いたいところですが、実はそうではありません。

記事ではこうあります。
・1.0(現行バージョン):最大64Mbps
・1.5:最大140Mbps
・2.0:最大300Mbps

つまり、現行のモバイルWiMAXは「最大64Mbps」という事になっています。この謎の数字はいったい何なのでしょうか。

これは言ってみれば、

・下り帯域だけでなく、上り帯域も帯域も足してある
・それだけでなく、その他エラー訂正やら諸々で実質的に消費される帯域も足してある

というようなものです。素の64Mbpsを加工して実際のサービスにするという意味ではウソではないのですが、いわば「限度いっぱいまでの大きくみせた数字」とでも言えるものです。

少なくとも、一般人向けに示すには誠意の無い数字だと言えます。

では、仕方ないので64Mbpsと比較してみましょう。

・75Mbps:300Mbps÷4
・64Mbps

実際の速度向上(効率の向上)は大した事が無い事が解ります。300Mbpsを信じるとしても1.17倍くらいの改善というところです。

そもそも「64Mbps」の時点でどうも話のつくりが怪しい(一般人向けの話としては)ので、「実質的にはほぼ違いが無い」という方が正しい気もします。


◆日本のモバイルWiMAXは2012年まで基本的にそのまま

記事中ではWiMAXについての表があります。

・リリース1.0:最大64Mbps、現行のバージョン(UQ WiMAXもこれ)
・リリース1.5:最大140Mbps、20MHz幅対応、FDD対応、マルチキャスト対応、2010年予定
・リリース2.0:最大300Mbps、4x4MIMO対応、高速移動(350Km/h)、フェムトセル、基地局の自動セル構成、2012年ごろ、

UQコニュミケーションズは1.5はスルーする感じのようで、2.0で「大幅な機能拡張を考えている」とのことです。

FDD帯域がLTE(とHSPA+)に占拠されるのはもう決まったようなものですし、UQはTDD帯域でサービスをしているわけでFDD対応しても何ら意味がありません。

「マルチキャスト対応」は、放送的なサービスが可能になるという事です。従来と何が違うのかというと、今まででは基地局から20人に「同じデータを同時に送信」する場合にも20人分の帯域が必要になっていますすが、これを束ねて一つで済ませる方法です。ただし、同じ内容を同時にしか送ることしか出来ません。

ちなみに、マルチキャストにはCDMA2000陣営がとっくに対応していますが、画期的なサービスを生むには至っていません。

20MHz幅対応についても、帯域が余っていなければ高速化の効果が限られる事と、UQコニュミケーションズは10MHz×3(というか10MHz×2+10MHz×1)で基地局間の干渉を減らしてエリア展開しているので、20MHz幅にするとエリア設計がやり直しになってし舞う問題点があります。

以上のようなことから1.5についてはスルーする感じなのだと思われます。

2.0については、スペック上は派手に速度が上がるかもしれないにせよ(先に書いたように)実際の速度向上の効果は知れているはずです。

もとのニュースでは「速度がすごく上がる」ことが見出しにすらなっていますが、実際に注目すべきは

・高速移動に耐えうるように作り直す
・フェムトセル対応にする
・自動セル構成(つまり「干渉しない技術」)

を採用する予定になっているという点です。これらは現行のWiMAXの欠点を解消しうるためです。ただし、2012年ともなるとLTEが本格的に稼動している状態で、そのときになって欠点解消に着手しても手遅れかもしれませんが。

つまり、UQコニュミケーションズは速度が上がるから2.0に対応するのではなく、WiMAXの欠点が解消するかもしれないから対応を検討している、とみられます。

ただ、2.0で解消される事になっているこれらの点は、実際に解消されるとは限りません。予定は未定という感じです。そもそもモバイルWiMAX自体が「実現するはずだった」話を実現できていないという前科もあります。

また、同じ事を思った人もいると思いますが、

・高速移動に耐えうる
・フェムトセル対応
・干渉しない技術

というのは、XGP(次世代PHS)が最初から実現する予定になっているものでもあります。

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520 「なんちゃってパソコン」としてのスマートフォン

以前からスマートフォンについての話題を何回か書いてきました、例えばこういう記事を書いたりしました。

2009年はスマートフォン普及の年、という話がありますが・・
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2009/02/549-2009-1d58.html

「劣化ケータイ」としてのスマートフォンが登場するかもしれない
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2009/02/548-f2b9.html

以上は、ケータイとしてのスマートフォンの話題でしたが、今度はスマートフォンを反対側から見てみたいと思います。


◆「劣化パソコン」としてのスマートフォン

記憶によると以前に何回か書いたことなのですが、多くないながらもスマートフォンをパソコンの代わりに使っている人がいます。

例えば以前(最近の感じではないですが)にこういうことを書いたことがあります、

店頭でW-Zero3シリーズの売れ方をみていると、ITリテラシーがむしろ平均以下の人(穏やかな表現にしてみましたが)が「なんかスゲー」とか「これパソコンじゃん」とか、また別カテゴリの平均以下の感じの人が「これでExcelとかWordを開けるんですか」ばかり(だけを)何回も聞くような人とか、そういう人が買う事も多かったようです。

何でこの人がW-Zero3を駆使ているのだろう?(リテラシーの低い人が、ファーストパソコン代わりとして使い始めてそのまま使いつづけてしまっている状態だった)という不思議な状況に出くわしたこともあります。

ただ、この売れ方は基本的に「勘違い」によるもので、自分でちゃんと考えての選択によるものというより、スマートフォンとパソコンの区別すらできない人が間違えて買っているだけのはずですが、一部の人はそのまま先に進んでしまってスマートフォンマスターになっていることすらある、という話でした。

以前に書いた、スマートフォンが劣化ケータイ(のベース)になる可能性がある、という記事にそろえると、スマートフォンには「劣化パソコン」としての可能性もあるということになります。


◆「劣化パソコン」としてのiPhone@米国

これも以前から書いていることですが、私はiPhoneはいわゆるスマートフォンと呼ばれていたものではなく、ケータイでも従来のスマートフォンでもない、別のカテゴリに属するものであると思っています。

例えば日本での「勘違い」では、例えばW-Zero3シリーズはパソコンを期待して買ってがっかりする人が多く、iPhoneについてはケータイを期待して買ってがっかりする人が多いように思えますが、これは上記の違いを反映したものでもあると思っています。

ただし、以上の認識は「日本の」諸般の状況を加味した結果でもあります。

半年くらい前のニュースになりますが、一方アメリカでは、こういうことが発生しているようです。

実はネットブックだった『iPhone』?――平均以下所得層の購入が急増
http://news.goo.ne.jp/article/wiredvision/business/2008news1-18251.html

この調査によると、iPhone所有者の43%は年収が10万ドルを超えている人たちだが、2008年の夏にiPhoneの購入が最も増加したのは、収入が平均より低い世帯だった。

具体的には、年収2万5000ドルから5万ドルの世帯で、6月から8月のiPhone所有者数が48%増加したのだ[年収10万ドル以上のiPhone購入者の増加率(16%)の3倍、全体(21%)の2倍以上のペース。なお、2006年の統計では、全世帯平均の年収は5万4453ドル]。

こうした層では、ウェブサイトを見たり、音楽を聴いたり、電子メールを使ったりするのに別々の製品を買うのではなく、iPhone1台ですべてを済まそうと考える人が増えているという。

つまり、アメリカで「なんちゃってパソコン(ネットブック)」としてiPhoneを購入している人が多くなっているかもしれないというニュースです。

元のニュースでは、何故売れているかについて以下のような考察をしています。

約200ドルの本体に、最低でも月額70ドルという通信料金は、可処分所得の少ない人たちにとっては贅沢すぎるようにも思われる。だがこうした人たちは、複数のデジタル機器やサービスを使う代わりに1つのデバイスを使えば節約できることに気づいた。

ここはそうではなくて、インセ制度の悪い面について散々議論がなされた日本の視点で見れば、実際のところは「最低でも月額70ドル」の意味(ローンで端末を買うようなものであること)をちゃんと理解できずに買っている人が大半だと予想します。

たった200ドルを払うだけで携帯電話でもあり、パソコンっぽいこともできる話題のものを手に入れられるぞ(トータルでの損得は考えたことがない)、ではないかと思います。

◆劣化パソコン

他にも最近「パソコンのようなもの」の話題があります。

・Android+ARM でネットブックを作る話がある
・au BOX が好調

ただし、au BOX については「パソコンそのものの代用品」だと思って入手する人はおらず、最初から買った後の結果が正しく認識されているのは違うかもしれません。

「パソコンではないがパソコンのようなことが出来るもの」は新しい分野ではなく、過去の挑戦と失敗がある分野ではあります。しかし、スマートフォンやネットブックのようなものが今のような形で受け入れられつつある状況は過去に無かったことです。

ケータイでしかネットしない人が沢山居ますし、(ネットな人たちの事前の評価と違って)au BOX が好調なのですから、

・スマートフォンがケータイ化して、スマートフォンとケータイの間をカバーするものを作る
・ケータイではないという不満を取って、ケータイの代わりになる

だけではなく、反対にすることも出来るかもしれません。

・ケータイではカバーできない領域、スマートフォンとパソコンの間をカバーするものを作る
・ケータイと併せて持てば、ないしは、ケータイではないことを我慢すれば、パソコンを持ってない・使えない、の代わりになる

前者は実際にケータイで出来ることが出来るようになる必要があります。しかし後者は実際にパソコンでできることが出来るようになる必要が無い、という違いもあります。

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最近のその他の話題

ちゃんとした記事は現在推敲中です。もうしばらくお待ちください。


◆更新、おろそかになる

ちょっといろいろ厳しい事になってしまっておりまして、ブログどころではなくなっておりました。誰かサンポール買ってきてー!

更新するネタは一応考えてあるのですが、執筆する時間がなかったということで、まずはどうでもいいことを投稿してリハビリしたいと思います。もうしばらくするとちゃんとした記事を書きますので、もう少しお待ちください。

◆ドコモ、投資

ドコモ、「ビリーズブートキャンプ」ヒットのテレビ通販会社を買収
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0904/06/news095.html

ドコモがテレビ通販の大手を買収したというニュース。

報道では「ビリーのところ」がどうも強調されているようですけれども、ドコモが買ったのはビリーではなく、ビリーの土管です。この通販会社がビリーを作ったわけでも、世界的に流行らせたわけでもないので。

テレビ通販でドコモが何かするということなのでしょうけれど、ドコモの無駄使いの歴史がまた増えるような気もしてなりません。


◆ドコモ、投資?

ドコモ米国アドバイザリーボードにスティグリッツ氏
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0904/02/news014.html

スティグリッツさんというのは、ノーベル経済学賞を受賞なさった人です。本業での業績よりも、まだ"そっち"が本流だった頃にグローバリズム批判の本を書いていたりするので(「最近」になって掌返しをする人は沢山いますが)それでの世間受けがあったりする人に思えます。

スティグリッツさんがドコモに何をアドバイスするのやらと思ったり(何をアドバイスしてもらうんでしょう?)、ドコモ社内の誰かの趣味での無駄使いという気も。


◆な、なんだってー!

俺達はとんでもない思い違いをしていたようだ。LTEには他のどんな技術も勝てない。最初から全て仕組まれているんだよ。

LTEを入れ替えるとTELになる。つまり、LTEは電話そのものの(以下省略


◆LTE、(20世紀の)業界用語説

デルモ(モデルのこと)
ワイハ(ハワイのこと)
シータク(タクシー)
ギロッポン(六本木)
LTE(TEL)

使い方:デルモにLTEする

ドイヒーな記事でした。申し訳ございません。

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521 携帯電話3月の純増数:AUが復調

三月の純増数について少し書きます。


◆結果と答えあわせ

まずは結果、

- ドコモ 27万8200
- KDDI 22万3100
- SBM 38万1700
- EM 12万1900
- WILLCOM 8700

今月も先月と似た結果になりましたが、AUが復調しています。

まず、投票結果の答え合わせをしてみましょう。

- SBM > DoCoMo > EM:16票 (29%)
- SBM > EM > DoCoMo:13票 (24%)
- EM > SBM > DoCoMo:3票 (5%)
- EM > DoCoMo > SBM:2票 (3%)
- DoCoMo > SBM > EM:10票 (18%)
- DoCoMo > EM > SBM :10票 (18%)

正解は「SBM > DoCoMo > EM」でした。今回は予想の一番人気が正解でした。


◆AUが復調?それとも一時的な現象?

今月もSBMが1位でしたが、AUが3位だったのがいつもと違います。では細かいところについて。

SBMはここしばらくと違い他社を引き離しての余裕のある1位でした。無理しての純増1位ではあるようですが、これだとまだしばらくは純増1位を維持できるのかもしれません。

ドコモは今月も二位でした、ドコモは驚異的な解約率の低さを背景にした底堅い好調のようなので、当面はこれくらいの好調さは続く事になるでしょう。

イーモバイルは久しぶりに四位になりました。携帯他社が3月になって純増数を増やしているのに対し、イーモバイルはあまり数が増えていません。他社と違って3月になっても増えない傾向があるだけなのか、それともモバイルWiMAXの足音で減速が始まったのか、来月以降の数字で何が起こっているのか解るかもしれません。

また今月もウィルコムが少しながら純増しています。

AUはドコモに接近するほどの純増数に復調しています。AUは長い間低空飛行を続けていましたが、久しぶりに見るような数字に復活しています。

AUの復調についてすぐに思いつく原因を考えてみると、

- 3月の一時的な効果
- 本当はソフトバンクの調子が悪いので相対的に改善している
- AUが回復期に入った

一時的なものかどうかは来月以降の数字を見ればわかると思います。AUが本当に復調しつつあるのなら、ソフトバンクの減速が原因だけかもしれませんし、KCP+の試練が終わったからかもしれません。

もし仮に「KCP+がプラスに回り始めた」のならば、AUの復調はまだ序の口であるかもしれず、もしそうならソフトバンクから1位を奪還するのは、意外にも復調したAUになるかもしれません。

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522 エリクソンが「HSPA+で56Mbpsのデモ」について

まだ例のごとくの内容ではありますが、「エリクソンがHSPA+で56Mbps」というニュースが出ていますので、それについて少し(また)記事を書いてみたいと思います。


◆またもや「理論値」

まずは元のニュースを持ってきます。

Ericsson、下り最大56MbpsのHSPA+をデモ
http://www.itmedia.co.jp/promobile/articles/0904/03/news054.html

Ericssonは、米国ラスベガスで開催されている通信イベント「CTIA Wireless」において、下り最大56Mbpsの通信速度を実現するHSPA技術を世界で初めて公開した。
今回の技術についてEricssonは、2010年中の商用化を予定していることを明らかにした。 なお同社は、2009年2月にスペイン・バルセロナで開催されたMobile World Congressで下り最大42Mbpsのデモを公開。こちらについては2009年中の商用化を目指している。また、下り最大21.6MbpsのHSPA+サービスは、すでにシンガポールなどでスタートしている。

一部では画期的な新技術が登場したような扱いにもなっているようですが、このブログをずっと読んでおられる人にとっては「またかエリクソン」というニュースではないかと思います。

もうほとんど解っている人向けにごく簡単にまとめてしまうと
・14.4Mbps化×2(帯域2つ束ね)×2(2x2MIMO)
で理論値56Mbpsが実現しただけのことです。

解っている人は以上の説明だけで納得できると思いますが、以下またもや説明してみたいと思います。


◆またもや復習

まず注意して欲しいのは、56Mbpsは「理論値」だということです。実環境で出る速度とは全く異なった数字だと考えるべき数字です。

もしエリクソンが理論値に近いような速度でのデモを行っていた場合には、それはデモのためのデモである可能性が高く、理論値に極めて近い数字でのデモが行われていた場合には「必殺有線接続」が疑われます。

第3世代の高速化手法をまとめると以下のようになります。


既存の第3.5世代の枠組みでの高速化:3.6Mbps→7.2Mbps→14.4Mbps

注意すべきは、スペック上の数値は二倍になりますが、実効速度は二倍にならない事です。7.2Mbps化しても素直に二倍にもなりませんし、14.4Mbps化の場合にはさらに実際の高速化の効果は限定されます。実際の速度向上とコストを考慮すると7.2Mbps化くらいまでで打ち止め(すべき)だろうという予想もあります。ドコモはこの方向です。

64QAM化:×1.5

16QAM(一つの信号で4ビットの情報を送信する)を64QAM(一つの信号で6ビットの信号を送信する)にして、スペック上の最高速度を1.5倍にする方法です。ノイズに弱くなるために電波状態が良い状態でしか効果が無く、基地局が近い場合などにしか高速化の効果は見込めません。よって、実際の速度向上は限定されます。


2x2MIMO:×2

基地局と端末に電波的な性質の違うアンテナを二本装備し、基地局と端末の間の通信経路が複数になるような効果をによって高速化をする方法です。理屈の上では最大2倍になりますが、MIMOが実環境でうまく働く事はあまりないとされます。よって、こちらも実際の速度向上は限定されます。

また、MIMOは基地局や端末のアンテナを二本にしないと実現できないので、基地局の工事などが必要になります。信号処理だけでも実現可能な他の高速化よりも手間とコストがかかる可能性があり、それならばLTEに乗り換えた方がよいという判断がされる可能性があります。


帯域複数束ね:×2

W-CDMAは5MHz幅での通信を行いますが、複数帯域を同時に使う事で高速化を図る方法です。帯域を2倍使えば、スペックは当然に2倍になります。混雑を考慮しなければ、帯域を2倍使う事によって実効速度も素直に2倍になります。ただし、混雑による速度低下がある場合には、帯域を2倍使うと混雑も2倍になってしまいます。


◆56Mbpsをどうやって実現しているか

つまり、スペック上の高速化には4つの方法があるのですが、56Mbps化とは

・14.4Mbps化
・2x2MIMO
・帯域複数束ね

を組み合わせて実現されているということになります。

なお、元の記事でも出てくる「42Mbps」では、

・14.4Mbps化
・64QAM化
・帯域複数束ね

で42Mbpsが実現されています。

また、すでに21Mbps化を行っている携帯電話会社がある、というのは

・14.4Mbps化
・64QAM化

による実現です。

もし今回の発表が新しいとしたらMIMOでの高速化がお披露目されたということかもしれません。

また、すでに

・64QAM化
・帯域複数束ね

のデモを行われているのに、その次に行われたMIMOのデモが64QAMが無い状態に戻ってしまっている点に注意すべきかもしれません。

もしかすると「64QAM化」と「MIMO」が同時にうまく働かないのが原因の可能性があります。というのもこの二つは相性が悪いかもしれないからです。もしかしたらエリクソンは、うまくチューンしたデモが実現できないので、あえて64QAM無しに戻してデモをしている可能性もあります。

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今週?の投票:携帯電話2009年3月の純増数、どうなる?

投稿したつもりがミスしていたので、再投稿。

ミスした結果として今週というか「月曜中まで」なのですが、今回は「携帯電話2009年3月の純増数、どうなる?」をお題にしてみたいと思います。

先月と同じく、投票の選択肢が六つしか作れない都合上、純増1位を取る気配のある3キャリアについての予想としました(ごめんなさい)。

念のために書いておくと、
・SBM:ソフトバンクモバイル
・EM:イーモバイル
・DoCoMo:ドコモ
の略です。略さないと入らないので略しました(すみません)。

なお、投票結果は投票をすると見ることが出来ます。

具体的な数字を予想(予言)しておきたい人は、コメント欄に書いてください。後で、自分の予想が当たったと自慢したりすることもできます。

なお、投票は4月6日(月曜日)で締め切られますので、それまでにお願いします。

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