518 「なんちゃってスマートフォン」としてのケータイ
「日本のケータイ」のスマートフォンに対する答えはもう出始めているんじゃないかという話。
◆フルキーボードがあれば、タッチできればいいだけだった
スマートフォンというのは日本でも一定の認知を受けるようになりましたが、広く使われるようになってはいません。
一部の愛好者にしっかりと受け入れられつつも、多くの脱落者を出しているのが現状ではないかと思います。
初代W-Zero3にはパソコン的なことを期待されたり、アドエスになると、ケータイにフルキーボードがついてて便利そうだとか、iPhoneだとタッチ操作で使える未来ケータイだと思われたり。でも使ってみると「何か違うな」と思われている事が多いのではないかなと。
実際、身も蓋も無い感想として、
アドエスすごいな、と思って買って使っていたが、冷静になって考えてみるとフルキーボードが便利なだけで、あとは普通のケータイのほうが良かった。
とか、
iPhoneが使いたいんじゃなくて、何か見る程度のときにタッチでゆるゆると使いたいだけのような気がしてきた。後は不便だから二台持ちしてます。
とか。
つまりスマートフォンのスマートフォンたる部分は実は評価されてなくて、UIの新しい部分だけしか評価されていませんでした、と。
ウィルコムのZero3は発売されるたびにケータイを意識した機種になっていますが、これは上記のようなリアクション(というか買った人からのネガティブなリアクション)を解決しようとしているのではないかと思われます。
結果、スマートフォンの課題とはケータイ化すること、ケータイではないと思わせない事、それが日本に広く受け入れられるための課題、という感じにもなりつつありました。
◆「ケータイ」からの「スマートフォン」への答え:なんちゃってスマートフォン
つまり問題は、「スマートフォンとケータイの『間』」にあるということでした、これまでの話題はスマートフォンがその間を埋めようとしていたという話でした。
ですが、この問題は反対側、つまりケータイ側から溝を埋めてしまう事も可能でした。
つまり、
・フルキーボードがあればいいだけだった
・タッチできればいいだけだった
・ケータイのほうが良かった
ということならば、
・ケータイにフルキーボードがあり、タッチが出来ればそれで良い
という話も成り立ちます。
で、実際「そういうケータイ」が発売されて好評だったりします。つまり、これのことです。
3.5型液晶でフルタッチ操作、フルキーボード搭載「SH-04A」
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/42606.html
つまり、日本式のハイスペックケータイにフルキーボードとタッチ操作が合体したものです。
もちろん「スマートフォンを使いたい」人からすると、これは「なんちゃってスマートフォン」に過ぎない存在です。カスタマイズも何も出来ないし、基本的にケータイでしかないもののはずです。
しかし、こういうのが本当は欲しかった、と思った人も多かったはずです。
つまり、「世界共通」のスマートフォンがケータイを吸収してしまう流れだけでなく、日本が高度に発達させたケータイがスマートフォンの良さを取り込んでしまう流れもあるかもしれないということです。
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コメント
◆フルキーボードがあれば、タッチできればいいだけだった
このかたもそのクチのようです。女優さん?
水津亜子の『あこブログ』
http://acosuizu.at.webry.info/200903/article_41.html
>2個持ちしようと決めた最大の理由は、キーボード。
>メールやブログが打ちやすそうだし、台本書くのに追われている時には出先でも仕事が出来る。
完全なるライト層ですね。スマホ挫折しなければよいのですが。
投稿: | 2009/04/23 23:36
「見た目で流行ってそうな機能/UIは全部入れてしまおう」というのは、いかにも日本らしい開発方針ですね。
「ケータイでパソコンができます!」だったらどうでしょう?
投稿: t2enonu | 2009/04/24 21:16
>「ケータイでパソコンができます!」だったらどうでしょう?
ここで言う「パソコン」ってなんでしょうね?
WEBでもメールでもない
アプリでもゲームでもナビでもない
動画も音楽も違う・・・
文書(オフィス系)ですよね
やる気があればできそうですね
OOoとか移植できそう
問題は携帯で編集する必要性のあるユーザが
どれだけいるのか?
って感じです
投稿: 姫 | 2009/04/27 01:01