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515 ドコモがパケット定額下限を490円に:ドコモがソフトバンクを兵糧攻め?

ドコモがパケット定額を値下げしたりした件について、ドコモがソフトバンクを兵糧攻めしはじめたようにも見えるという話を書いてみたいと思います。


◆ドコモは5.7Mbpsですが、イーモバイルは5.8Mbps

まずは上がり高速化が開始される件について。

NTTドコモ、「HSUPA」導入で上り速度を最大5.7Mbpsへ高速化
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0904/28/news068.html

ドコモも上りの高速化を実施する事になりました。上がり(端末→基地局)も3.5世代化して高速化するということです。これで、ソフトバンク以外のキャリアは上りの高速化がなされたことになりました(AUもRev.Aで実現しています)。

面白いのはこの記事中でドコモによる速度と、イーモバイルによる速度の発表の数値がずれてしまっている事です。ちなみに、技術的には両社ともに同一のものを導入しています。

NTTドコモは4月28日、HSUPAの導入により上り最大5.7Mbps
イー・モバイルが2008年11月に導入して上り最大1.4Mbpsの速度でサービスを開始、4月17日に最大5.8Mbpsへ高速化している。

どちらかに数字を統一しないといけないはずですが。

なお、上がり高速化は基地局のソフトウェア書き換えでほとんど済むと思われますので、ドコモの「上がり高速化の人口カバー率」はあっという間に上昇してしまうのではないかと思います。


◆二段階定額の下限が値下げ

2008年の10月に二段階パケット定額を導入したドコモですが、今度はパケット定額の下限を引き下げてきました。

ドコモ、パケット定額を月額490円からに--PC接続も月額1000円から
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20392474,00.htm

下限の料金が値下げされていますが、しかし上限金額は変わっていないのでネット方面からは意味が無いという声が出ています。

たしかにブログを読むような人で、二段階定額を使っている人にとっては意味の無い値下げではないかと思います。ちょっと使うだけであっという間に上限到達、が普通のはずだからです。

二段階定額についてはドコモが二段階定額を導入したときに記事を書いています。

値下げドミノ:ドコモがパケ代値下げ→ソフトバンク→?
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/09/601_7f92.html

主張としては同じですので、上記の記事を読んでいただきたいところですが、

・このブログを読むような人にとっては値段の変化無し
というのも、「ちょっとパケットをまともに使うだけ」であっという間にパケット定額の上限に到達するためです。

・しかし、実はろくに使っていない人は値下げに
店員に「安心ですよ」とか何とか言われて意味無くパケット定額に入っている人からの収入は減る、ドコモにはこういう人が多いはずです。

世間全体でみると後者の効果は大きいと思われます。ただし、490円ともなると、ろくに使っていない人に無意味にパケット定額契約をさせるのはさらに容易になるとは思いますが。

そして、ドコモが値下げした結果、前回と同じくソフトバンクも対抗値下げに踏み切らざるを得なくなりそうです。


◆ソフトバンクも値下げをする「予定」であると発表

前回の「ドコモの値下げ」の時にはすぐに即時の対抗値下げを発表したソフトバンクでしたが、今回は対抗する事のみを発表するにとどまりました。

ソフトバンクモバイルもパケット定額を月額490円からに--ドコモに対抗
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20392509,00.htm

7月をめどに料金コースを見直すとの発言がなされるにとどまりました。つまり、ドコモと同時に対抗するわけではないということです。

これまでは即時対抗していましたから、どうも対応が弱くなった感じがしてしまいます。やはり、苦しいのではないかと思ってしまいました。

ドコモが二段階定額を導入したときの前回書いた記事にも、同じことを書いたのですが、

そもそもドコモはホワイトプランのようなものをやっていないのですから、ソフトバンクがドコモと同じところまで値下げする必要は無いし、ソフトバンクの方が部分的に高そうにみえるところがあっても、トータルでは安ければ安いのです。

ですが、気の毒な事にソフトバンクとしては対抗値下げをせざるを得ない立場となっています。もっとも、そういう状況はソフトバンク自身が作ったのですが。

・ドコモが値下げをする
・ソフトバンクとしてはドコモより高いというイメージは許容できないので、対抗値下げせざるを得ない

その結果、前回の対抗値下げではiPhoneの料金が変な感じで追加値下げされてしまうなど、結果的にソフトバンクの料金システムが混乱してしまう場面も見られました。

よって、前回の記事で今後こういうことが起こりうると書きました

前回の指摘
・ドコモが「ソフトバンクもすぐに値下げせざるを得ない」と悟る
・ドコモは、ソフトバンクの痛いところを狙って値下げをする
・ソフトバンク、泣く泣く対抗値下げ

ドコモの値下げの本当の意図はわかりませんが、結果的に今回のドコモの値下げはソフトバンクを兵糧攻めする形ともなっています。

しかもこの値下げ、ドコモとソフトバンクが揉め事を起こしていたところに発表された値下げでもあります。


◆接続料議論

話題的にめんどくさいので、これまでブログで記事にしてこなかったのですが、最近ドコモとソフトバンクの間で「揉め事」がおこっています。

接続料(アクセスチャージ)の問題です。

例えばドコモのAさんからソフトバンクのBさんに電話をかけたときには、音声のデータの流れはこういうことになります。

・端末(Aさん)=ドコモの携帯電話網=ソフトバンクの携帯電話網=端末(Bさん)

で、日本の課金方式では通話料金はAさんが全部払います、そしてその支払い先はドコモです。しかし、AさんからBさんへの通話ではドコモの設備だけではなくソフトバンクの設備も使っています。

ので、こういう場合にドコモがソフトバンクに「ソフトバンク側の回線を使う料金」を支払う習慣があります。これを接続料(アクセスチャージ)といいます。

※これは日本での習慣であり、例えばアメリカではAさんもBさんもそれぞれ料金を払うというシステムを採用していたりします

ドコモが問題にしているのは、

・携帯四社でソフトバンクの接続料(アクセスチャージ)が突出して高い
・ドコモからソフトバンク、ソフトバンクからドコモへの通話のトラフィックはほぼ同じなのに、ドコモからソフトバンクへ100億円以上もの支払いが生じている

結果的にはドコモやAUのユーザがソフトバンクにお金を払っている形にもなっていることから、この現状は良くないとドコモは言っています。

そして間接的にホワイトプランの値下げ分を、ドコモやAUのユーザに支払わせているとして非難しています。

一方ソフトバンクは、

・800MHz帯を持っていないから基地局整備が大変でお金がかかっている
・弱いキャリアは接続料で優遇すべきだという考え方もある

というようなことを主張します。

それを受けてドコモが再反論をします、

・800MHz帯はソフトバンクが言っているほど低コストではない
・ドコモは2GHz帯メインでエリア整備している
・ソフトバンクの自称基地局数はウソ、自分でちゃんとエリア整備してないのに何を言っているのか

なお、同じ弱小勢力のはずのイーモバイルの接続料は高くないどころか安かった、という事実もソフトバンクに不利に働いています。

またイーモバイルからすると、ソフトバンクが揺らぐことはイーモバイルの大躍進につながるわけですから、本件についてソフトバンクの味方をすることはなく、ただソフトバンクが困って弱るのを黙って見ているはずです。

また、ドコモの主張するとおり接続料の値下げがなされるならば、携帯他社への通話料金の値下げが始まるきっかけになりえます。というのも、接続料が他社への通話料金のボトルネックであるためです。

また当然に、値下げがされることになると、携帯他社からのソフトバンクへの「接続料の差額による収入」が減ったり無くなったりすることになり、ソフトバンクはさらにお金で困ることになります。

ちなみに今回のパケット定額下限の値下げは、こういう状況になった後で発表されています。

接続料値下げ議論はみてわかるとおり、結果的にソフトバンクへの兵糧攻めになっています。そしてパケ代下限値下げも兵糧攻めとみなせます。


◆値下げ攻撃をかわす方法

完全に蛇足ですが、ちょっと思いついたという事で以下を書いてみたいと思います。

ソフトバンクを困らせるドコモの値下げ、は今後も続くかもしれませんが、もしそうだったとして、ソフトバンクには値下げ攻撃から逃れる方法があります。

ドコモ(や他社)と全く異体系な料金システムに変更してしまえばいいのです。

ソフトバンクが値下げ攻撃から身を守る方法
・料金コースを原形とどめないほど違ったものにする
・他社とは全く違った料金コースを採用する
・「ホワイトプラン980円のソフトバンク」のイメージはしっかりと残す
・その他の「個別の点」については、他社と料金システムがあまりに違いすぎて、安いのか高いのか比較不能
・他社がソフトバンク類似の料金コースを設定するのが難しい細工をする

今回の件の問題は、料金プランの一部分、ドコモのパケット定額下限とソフトバンクの定額下限が客観的に比較可能である、という点が問題点です。ならば、そういう細かい点は比較不能にしてしまえば対抗値下げをしなくとも良くなります。

その上で「ホワイトプランのイメージ」さえしっかり残せば、全体では料金が安い(だろう)イメージはちゃんと残るはずです。

24時間以内対抗値下げの攻めのソフトバンクは何処へ行った(防御だらけ)、という感じですけども。

#ちなみに、接続料のほうについては防御するアイディアは思いつきません

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コメント

SBMはメール無料廃止にして便乗値上げしそうですよ

投稿: | 2009/05/02 00:15

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