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531 世界市場に0円スマートフォンが登場? / ガラパゴス販売方式、アメリカで流行??

台湾のAcerが「0円スマートフォンを登場させる」ような事を言っていたり、海外のキャリアがインセ販売(ガラパゴス販売方式)をどんどんやるよー、と言っている件について。


◆台湾のAcerが「0円スマートフォンを登場させる」

しばらく前に、AcerやDELLがスマートフォン市場に参入したら低価格スマートフォン量産時代がはじまりますよ、というようなことを記事にしましたが、

「劣化ケータイ」としてのスマートフォンが登場するかもしれない
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2009/02/548-f2b9.html

記事では最初は違っても世界規模での競争の結果そうなる可能性が高い、ということを書きましたが、Acerが投入するスマートフォンは最初からいきなり「量産型低価格スマートフォン」を目指しているようです。

スマートフォンをいずれは無料で──台湾エイサー上級副社長
http://www.computerworld.jp/news/mw/137589.html

台湾のPCベンダーであるAcerは、スマートフォンの販売価格をネットワーク・オペレーターに無料配布できるくらいの価格に下げたいとしている。「それが、10月の発表を予定しているスマートフォン2機種の狙い」と、同社のシニア・コーポレート副社長で、スマート・ハンドヘルド・ビジネス・グループの社長を務めるアイマール・ド・ランクザン(Aymar de Lencquesaing)氏は語った。

結構な金額で出荷するけれどもお客さんの負担金がゼロ円という話ではなくて、「ネットワーク・オペレーターに無料配布できるくらいの価格」と言っています。つまり携帯電話会社に無料で配れるくらいの価格と。

どこまで本気かわかりませんが、少なくとも、

・スマートフォン = 高機能 = ハイエンド = 高価格

というつもり「ではない」のは確かです。グローバルな競争というのは何と恐ろしい。

記事では、エイサーがもうすぐ発売を予定しているスマートフォンについての話題もあるのですが、そちらは普通なのでさておいて(笑)、無料計画の方に集中して引用してみましょう。

ド・ランクザン氏は、このほかにも「C1」および「E1」と呼ばれる2つのモデルがあることを明かしたが、その仕様についてはほとんど語らなかった。これらのモデルは、電子メールやWebブラウジングに適しており、さまざまなカラーリングが選べる予定だという。
同氏が壇上に持って上がった黒と白のデバイスには、どちらも大画面スクリーンと大きくて丸いジョイパッドのようなコントロール装置が付いていた。
 「われわれは、顧客に魅力的なスマートフォンを提供したい。しかも、一般の多機能携帯電話と同程度の価格で」とド・ランクザン氏は述べた。「C1とE1は、まずネットワーク・オペレーターに配布され、その後には無料になるだろう」という同氏のことばが、本当に実現されるかどうかに注目したい。

「その後には無料になるだろう」ですから、もしかしたらインセで無料にということかもしれません。しかし、衝撃的な価格を意図して開発しているのは確かなようです。

お金が無いのでスマートフォンで我慢するか、という時代、なんと次のお正月までに到来しているかもしれません!


◆ガラパゴス販売方式っぽい方法がアメリカで流行中

日本では悪い習慣であるとされているインセ制度ですが、アメリカでインセ販売っぽい方法がブレイク中という記事です。

携帯キャリアはデバイスの“補助金付き”販売に商機を見いだす
顧客争奪戦の中、ネットブックやiPhone以外のデバイスにも拡大する見込み
http://www.computerworld.jp/news/mw/137610.html

不況の中、顧客獲得に必死の携帯電話事業者が、ネットブックを始めとするワイヤレス・デバイスに対し多額の「補助金」を出し始めている。

米国の携帯キャリアAT&T Wirelessは今週、ネットブック2機種(Dell製とAcer製)の販売に対して補助金を出してきたことを認めた。AT&Tのデータ通信サービス(月額60ドル)を2年間契約すれば、これらのネットブックを1台99ドルの特別価格で購入することができる。

AT&Tのある広報担当者は、将来的にはネットブックだけでなく、ネットワーク接続機能を内蔵した電子ブック・リーダやワイヤレス・デジタルカメラ、車載ナビゲーション・システムといったさまざまなワイヤレス・デバイスについても、同様の「補助金」戦略を検討したいと語っている。

ネットブックにインセ(補助金)を出されており、今後はネット対応のいろいろなデバイスの販売にも拡大されるのではないかということです、

・本来高額なものを
・2年契約を条件に値引き

通信料金と別に端末代の請求が二年間続いて・・・という話ではなくて、客を獲得するために最初に値引いていてその後の通信料金は基本的に同じ。ただし、かつての日本とは違って新規契約をして即解約をすることは出来ないようです(違約金なしでは)。

このブログで話題に出てくる「勝ち組ベライゾン」も似たようなことをしているようです。

Verizon Wirelessも、ソニーの「VAIO type P」を購入し、2年間のデータ通信サービス契約を結ぶ消費者に対し、200ドルをキャッシュ・バックしている。VAIO type Pは小型のノートPCで、ソニーのWebサイトでは900ドル前後で販売されている。

こちらはキャッシュバックですが、2年契約すれば200ドルが戻ってくるとの事です。

おそらくLTEの試験サービスが開始されると、これが例えば

・例:ベライゾンのLTEで2年契約された方には、VAIO type Pを200ドル値引き

というようなことになるのではないかと思われます。さらに余計な事まで考えると、モバイルWiMAX側もインセで応戦して、値引き合戦になるやもしれません。例えば劣勢になったモバイルWiMAX側が最終作戦として0円攻撃を始めたりするようなことはあるかもしれませんから。

で、記事中ではですが(念のために注意)、こういう販売方法はけしからんとか一時的なものだろうという話にはなっておらず、「今後流行ってゆくだろう」という話になっています。

アナリストたちはこうしたキャリアによる補助金について、短期的には大きな出費となるが、長期的には利益を生むだろうと分析する。

米国ABI Researchのアナリスト、ケビン・バーデン(Kevin Burden)氏は、景気の悪化とともに、キャリアは先を争って契約獲得に走るはずだと述べている。

「今後、あらゆるキャリアが多額の補助金を出すようになるだろう。そして、その対象も多種多様なデバイスに広がっていくはずだ。多額の補助金を支払っても、最終的にはワイヤレス・サービスの料金として回収できる。そこで、どのキャリアも(補助金付きの)デバイスを利用して顧客を増やそうともくろんでいる」(バーデン氏)

この販売方式の原因はおそらくiPhoneの「199ドル」(インセ販売で)が原因ではないかと思われます。あれがうまく行っているのなら真似しよう、と。そしてiPhone 3Gの販売方式は日本の携帯電話の売り方を参考にしたものだとも言われているわけで、日本方式が向こうに伝染したのかもしれません。

もっとも、日本で「日本の方法は良くなかった」と一部で言われているのと同じく、アメリカでも「この方法は良くないと思いつつ、どの電話会社もやめることが出来ない」ということになるのかもしれません。

ただし、もしそうなったとしても、お上が販売方法に介入するようなことは向こうでは起こらないはずです。自由に任せるのが原則、とされると思います。

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コメント

Acerも「俺のi-mode」がほしい。
http://kiyonari.japazine.com/technology/post-488.html
ノキアやRIMとおなじくAppstoreはじめます。

スマホはキャリアに無料で卸すので、もうお前ら土管決定な?
音楽もアプリも俺が売るんで。
そこんとこよろしく。

投稿: TT | 2009/03/09 01:28

不況でいわゆるデフレスパイラルと呼ばれる物価下落が世界中で進行している中、携帯電話も例外ではなく端末価格を下げないと売れない状況に海外もなりはじめているという事ですね。しかし日本のキャリアのインセティブ販売を批判していたお上や「日本の携帯電話はガラパゴスだおかしい、インセティブをやめろ、SIMロックをはずせ」派の識者達はこのニュースをみてなんて言うんでしょうね。iPhoneの件といい、ピントずれまくりな気が・・・。

投稿: | 2009/03/09 22:47

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