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528 カーライルがウィルコムに追加出資の件について

あまり書くことが無いので少しだけ。


◆カーライルがウィルコムに追加出資するらしい

以前、ウィルコムへ新規で出資してくれるところを探すのを諦めた、という一部ニュースがあったことについて記事にしましたが、今度はカーライル自身が追加で出資するというニュースが出てきました。

米カーライル、ウィルコムに追加出資 次世代PHS後押し
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20090314AT1D1305L13032009.html

米投資ファンド大手のカーライル・グループはウィルコムに追加出資する方針だ。ウィルコムが4月中をメドに実施する50億円の第三者割当増資を全額引き受け、出資比率を60%から65%前後に引き上げる。ウィルコムは次世代PHS事業の試験サービスを来月に始める計画で、カーライルは新規事業の立ち上げを主導する姿勢を明確にする。

念のためにまずは復習。

ウィルコムにお金を出しているところは現時点ではこういうことになっています。

・カーライル 60%
・京セラ 30%
・KDD(京セラの子会社) 10%

カーライルで60%、京セラ一味で40%ということになっています。

ポイントは、カーライルが過半数を持っているので基本的にカーライルの意見が通るのですが、過半数を持っているからといってなんでもできるわけではなくて、三分の一以上の反対がある場合には重要なことを決められないため、カーライルが主導権を持っているが、京セラには拒否権があるので、京セラが同意しないことはできなくなっています。

で、新しくお金を用意するには、主に出資してもらう方法と、どこかから借りる方法がありますが、借りる方については、ウィルコムはお金の状態を良い状態にする代わりに、良い条件でお金を借りているとされます。

で、

・2.5GHz帯の獲得の際の事業計画では「追加資金無し」での計画が出されている
・2008年の夏に、次世代PHS計画の前倒しのために新規出資を探すという一部報道(注:この時点ではまだ世界は好景気というかお金が唸っている時期)
・しばらく前に、8月に出ていた新規出資者探しを諦めたという一部報道

以上を前置きにして今回のニュースについて。

日経が報じただけなので、本当なのかどうかは疑わないといけないのですが(前例もありますし)、その辺についてはひとまずさておきます。

今回のニュースですが、カーライル自身が50億円を追加で出資する事になったという一部報道です。

おそらく問題は金額というよりも、「出資比率を60%から65%前後に引き上げる」というところです。先に説明をしたように「京セラは三分の一拒否権」を手放したくないわけですから、カーライルは限界いっぱいまで出資しましたということになりそうです。

つまり、カーライルは50億円しか出資しないのではなく、京セラが反対するので50億円くらいしか出資できないのだと思われます。「普通の方法」ではこれでカーライル側からの追加出資は難しくなったんじゃないかと思います(他の方法があると思う人は教えてください)。

お金を調達する手段としては、出資以外に「どこかから借りてくる」方法がありますが、こちらについては、次世代PHSがサービスインする前の今より(モバイルWiMAXのように話題バブルではないので)、実際にサービスインして「これなら大丈夫だな」と思ってもらってからの方が安くお金を集められるはずです。

50億円がどれほどのものかについてですが、携帯他社であまりに巨大な金額が動いているために何だかよく解らなくなっていますが、例えば次世代PHSの基地局の展開資金に使うとしたら、

・50億円:500万円×1000基地局
・50億円:250万円×2000基地局
・50億円:100万円×5000基地局

2010年3月までの基地局数のノルマは1500ですから、それくらいにはなりそうです。

基地局の場所は既にあり、既存の基地局のパワーアップと兼ねての交換作業で済むようになっているので、基地局さえ開発できていれば計画どおりに作業は進みやすいはずですし、基地局は500万円もしないはず(少なくとも多数を量産した時点で)です。

また、このタイミングで話が出てきたというのは、ちょっと興味深いかもしれません。

というのは、モバイルWiMAXが日本で試験サービスインしてしばらくして、その後の発表だからです。どのような判断を経てなのかはわかりませんが、少なくともモバイルWiMAXの試験サービスがどのような状況であるか、という情報がカーライルにもたらされ、その後の決定のはずだからです。

上記のような意味でどういう意図の追加出資なのかはわかりません。もっと急いでエリア展開しないと負けてしまうと思ったからかもしれませんし、逆に競争相手がこんな軟弱なならば我々は大丈夫だと思ったからかもしれません。

少なくとも、もうどうやってもダメだという判断ならば追加出資は無いはずなので、そういう判断はされなかったのではないかと。

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コメント

誤報であったとしても
明るい話題は嬉しいですね。
ここは京セラに25億だして
貰うのが無難な気がしますが、
UQに出資してるので無理ですね。

投稿: おーくてぃ | 2009/03/16 00:28

UQに投資しているとはいえ、しばらくは基地局を生産する唯一の企業ですし、中国や台湾の企業が基地局メーカーとして参入しても研究開発は京セラと密に動いていくわけですし、持ち株比率の変更がない程度に出してくれないかな~と甘い期待を抱いてみたりして

投稿: ナカトシ | 2009/03/16 12:41

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