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2009年2月の40件の記事

今週の投票:携帯電話2009年2月の純増数、どうなる?

今週は「携帯電話2009年2月の純増数、どうなる?」をお題にしてみたいと思います。

投票の選択肢が六つしか作れない都合上、純増1位を取る気配のある3キャリアについての予想としました(ごめんなさい)。

念のために書いておくと、
・SBM:ソフトバンクモバイル
・EM:イーモバイル
・DoCoMo:ドコモ
の略です。略さないと入らないので略しました(すみません)。

なお、投票結果は投票をすると見ることが出来ます。

具体的な数字を予想(予言)しておきたい人は、コメント欄に書いてください。後で、自分の予想が当たったと自慢したりすることもできます。

なお、投票は3月5日で締め切られますので、それまでにお願いします。

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投票結果:次世代序盤戦の主役はHSPA+かLTEか?

「次世代序盤戦の主役はHSPA+かLTEか?」の投票の結果と感想です。


◆結果

まずは結果そのもの。

LTE優勢:34票 (33%)
HSPA+優勢:30票 (29%)
LTEとHSPA+が拮抗:8票 (7%)
LTEとHSPA+、共に動きは遅いまま:18票 (17%)
WiMAXに話題の主役を取られる:6票 (5%)
次世代PHSに話題の主役を取られる :6票 (5%)

おおよそに言って、LTEが三分の一、HSPA+が三分の一、その他の意見が三分の一という感じでしょうか。

数字上はLTE優勢が多いですけれども、意見としては二つに分かれているようです。また、三番目は次世代自体の動きが遅いという意見でした。

意見がすっかり分かれたあたり、やっぱり皆さんどうなるか見極められていないようですね。

投票ありがとうございました

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537 モバイルWiMAXは「遅からず速からず」?

モバイルWiMAXの試験サービスが始まりました。試験サービスの感想もいろいろ出てきていますので、そのあたりについて仮に投稿をしてみたいと思います。

◆速いとも遅いとも言いにくい速度

まず、事前予想もやっていた速度を中心に書いてみましょう。

表看板には掲げていないようですが、UQコミュニケーションズは10Mbpsを超える速度がやってきます、というような説明をしていることがありました(後で引用するニュースでも「15Mbps以上が出ると言っていたのに」というような部分が出てきます)が、まずそういうことにはならなかったようです。

確かに実測で10Mbpsを超える場合はあるようですが、現時点では頻繁に目にするような数字とは言えないようです。逆に速度が出ない側の話になると、使いたい場所で1メガ以下だったとか、そもそも窓際以外では圏外だったという話もあります。

期待していた人の期待には応えられなかったが、あまり期待していなかった人の予想は下回らなかったのが結果ではないかなと思っています。

個人的にざっくりまとめると、こういう感じなのではないかと思います。

・報告されている速度はばらつきがある
・速度を出す事自体を目的にすると、10Mbps超が出ることもあるらしい
・室内圏外が多く、窓際で速度が出る傾向
・移動に弱い
・2-5Mbpsくらいを期待しておくべき
・運がよいと8Mbpsくらいが出ている
・運が悪いと、1Mbps以下どころか圏外
・RTTは少なくとも優秀ではない

40Mbpsを素直に受け取った方面からすると(特に、こういう速度は「基地局を占有した場合の速度」だという事を知らない人は)あまりに予想外の数字のようです。

ただ、全くダメだろうと思っていた人にとっては、逆の感想ではないかと。


◆まだどうもよくわからない

まだ判断は難しい状況だろうと思います。というのも、

・基地局はまだ整備中:これから"改善"したり"変化"したりする可能性がある
・利用者は皆無に近い状態:混雑したときのことは全くわからない
・現時点の利用者はモバイル愛好者で無償利用

「改善」は、UQコミュニケーションズ自身が基地局密度を将来的にはもっと上げたいと言っているようなことや、スポット的にエリアカバーをする基地局(屋内基地局など)が未整備であること、室内対策用の中継局などが用意されていない点の可能性です。

「変化」は、ユーザ数が増えた場合の変化や、基地局密度を上げた場合の変化、小型の基地局のよる変化などです。例えば、基地局密度を上げると逆に電波状態が悪くなってしまうような事も考えられます。

#これから良い方向に進むとは限らない

「モバイル愛好者」というのは一般の利用者はもっと辛口だろうということです(ただし、最高速度の面以外で)。無料で提供されている事もあり、現時点で出ている感想は好意的なものが多いのではないかと予想しています。


◆いまひとつ切れ味の悪いレポート記事

速度について言及をしている記事を二つ持ってきますが、どちらも慎重に書かれているように思えます。

UQ WiMAX端末の実機で接続スピードを検証,屋内での電波減衰が弱点か
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090226/325620/

UQコミュニケーションズは,電波の状態がよい場所では実効速度で15Mビット/秒以上の速度が出るというが,実際に利用する場合はどの程度の値なのか。これを調べるため,編集部内で場所を変えながら,速度がどう変化するのかを調べてみた。測定場所は3カ所。まず電波を捉えやすいと考えられる「窓際」。次に,窓から15m以上の距離があって壁を越えた位置にある「廊下」。3つ目が,廊下の先に位置する窓のない「倉庫」である。
UQ WiMAXでは,窓際では下り3.45Mビット/秒と高速だったが,廊下では同2.94Mビット/秒,倉庫では同1.17Mビット/秒と,窓から離れるほど速度が落ち込む傾向が見られた。特に速度が落ちる傾向が大きかったのは上り回線。窓際,廊下,倉庫で,それぞれ0.527Mビット/秒,0.099Mビット/秒,0.031Mビット/秒という結果になった。

これに対して,イー・モバイルでは場所による速度低下の傾向が見られなかった。

イーモバイルについては、下り速度は1.383Mbps~1.045Mbps(1メガちょっと)で、上がり速度は0.291Mbps~0.359Mbps」となっています(つまり300kbpsくらい)。
※訂正:上りと下りを間違えて記載していた部分について書き直しました。

モバイルWiMAXが建物内の場所によって速度が変化しているのに対し、イーモバイルでは場所による影響は見られません。

元記事にはグラフで結果が示してあって直接引用できないので文字にてまとめると、

下り速度 / 上がり速度
・窓際:3.45Mbps / 0.527Mbps
・廊下(屋内に15メートル):2.94Mbps / 0.099Mbps
・倉庫:1.17Mbps / 0.031Mbps

室内での上りの速度低下が激しいことと、結局のところ窓際で使っても3.45Mbpsだという結果になっています。

イーモバイルよりは速そうだなと思える速度ではあるのですが、記事では「UQコミュニケーションズは,電波の状態がよい場所では実効速度で15Mビット/秒以上の速度が出るというが」としっかりツッコミが入っています。つまり、期待を裏切っている速度であると言っているわけです。

そして次のレポート、こちらでは屋内圏外がかなり激しい感じになっています。

速報レビュー:本日スタートのUQ WiMAXの実機を試す
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/review/44266.html

今回の速報レビューでは、ケータイ Watch編集部にて試してみた。住所で言えば東京都千代田区、UQ WiMAXのエリア内と公表されている。編集部はビル内の2階に入っている。試してみた日時は26日の13時~14時ごろだ。

元記事を引用したいところですが、引用すると恐るべき長さになったので、簡単にまとめてみました。以下の引用は元記事をまとめたものです。

窓から5mほど離れた席(2Fの編集部):
・窓から5mほど離れた席
・電波が不安定で、繋がったり繋がらなかったりする状態

この部屋では事実上室内は圏外に等しい状態のようです。

2階北側の窓際
・安定して繋がるようになる
・計測10回の結果
 ・下り:平均2.36Mbps(最高2.81Mbps / 最低1.43Mbps)
 ・上り:平均60kbps(最高110kbps / 最低47kbps)

窓際(本当に窓のすぐそば)に移動すると使えるようになるものの、こちらでも同じく上がり速度が激しく低下しています。

7階の南向き窓側
・下り:平均2.76Mbps(最高4.18Mbps / 最低1.9Mbps)
・上り:平均1.09Mbps(最高1.38Mbps / 最低765kbps)
・一瞬だけ好条件になる事もあるようで、下りでは最高4Mbps超えも

電波状態がある程度回復すると上り速度はまともになるようです。

その他には、

場所によっては電波強度表示が4段階くらいまで行き、7Mbpsを超えるときもあったが、少し位置を変えただけで電波状況が変わってしまい、再現できなかった

ラッキーならば7Mbpsを超えるようですが、継続して出なかったとのこと。

そして、感想はこうなっています。

今回はテスト環境があまり良好ではなかったのかもしれないが、それでも千代田区のど真ん中で10Mbpsも出ていないとなると、ちょっとまだまだ電波が強いとはいえない状況だ。カバー済みのエリアでも、基地局がもっと密に設置され、死角が減っていくことに期待したい。

こちらでもやっぱり「褒められない」ということですが、今後改善されるかもしれません的な感想になっています。


◆追加:圏外具合を示す動画

全く使い物にならなかった、という記事もあるようです。

【ビデオニュース】果たして編集部でWiMAXはつながるのか?
http://www.rbbtoday.com/news/20090228/58208.html

試したのは、編集部がある西新宿の高層ビルの11階および1Fの屋内・屋外だ。
サービス提供エリアを見ると新宿は入っているが、電波状況は非常に悪かった。高層ビル、室内というせいもあるかもしれないが、編集部内を歩き回ると、たまに微弱な電波を拾い、すぐに消えるといった具合だ。今回は残念ながら、最終的に電波をとらえることができなかった。

事実上の圏外ということです。

おそらく一つ前のニュースの「編集部の室内では非常に不安定で」というのは、このニュースで紹介されているような状況の事を言っているのではないかと思われます。もしそうだとすると、不安定というより圏外に等しいと言ってよいかと。

なお、記事ではこういうツッコミも続いています、

ちなみに、サービスエリアはこちらで確認できるが、地図の下には「こんな場所で快適に使えました」と駅構内が複数個所挙げられているが、駅でPCを広げる機会は比較的少ないのも現状だ。

「こちら」というのは公式サイトのエリアマップです。そんなところで速度出ても意味無いですよね?というツッコミがなされています。

駅は屋外に近い状態であり、なおかつ駅にはモバイルWiMAX基地局があって基地局からの距離も近いということもあって速度が出るので、エリアマップに書いちゃったんでしょう。

でも自分が繋がらなくてがっかりした場合には、エリアマップに良い事が書いてあるほど、がっかりを増幅させる情報になってしまうようですね。


◆今後改善するのか?他キャリアへの影響は?

まだ試験サービスなので、今後改善される可能性はあります。特に単に基地局の密度不足なだけならば。

ただし、密度を上げても解消しなかったり、密度を上げられなかったり(密度を上げると別の問題が生じる場合)には、エリアが怪しいが速度は出るサービスのままになりましょう。

移動についてもどうやら怪しいようです。これについても、基地局密度が足りないだけならば整備で改善されてゆくはずですし、移動性能自体に問題があるのなら、基地局整備が進むと逆にさらに悪化するかもしれません。

イーモバイルにとっての最悪の結果にはなっていません。モバイルWiMAXが異次元の速度感で登場していないからです。

しかし、イーモバイルより一段階上の速度にはなっており、混雑による速度低下の面でも(利用者の居る)イーモバイルの方が不利です。

また、イーモバイルにとって望ましい結果、全くダメな状態での試験サービスインにはなっていないようです。今のところの感じではですが。

イーモバイルとの関係については、速度面で大差がついているわけではないので、HSPA+導入とエリア面での優位性のアピール次第、および一般人がモバイルWiMAXの悪い側面にどう反応するか次第ではないかと思います。

また、同じ2.5GHz帯を使う事になるウィルコムの次世代PHSも、同じような屋内圏外の問題に悩まされる可能性があることにもなります。もしモバイルWiMAX固有の欠点によるのではなく、本当に電波が届かない事が原因ならばですが。

ただし、次世代PHSはPHSから引き継いでいる「狙った方向に電波を集中させる」技術が用いられるので、ウィルコムのPHSが他社のPHSと屋内での性能が違ったのと同じように、たとえ電波自体が届きにくい事が問題だったとしても、屋内圏外では違いが出るかもしれません。

とりあえず結果としては、WiMAXは流れを変えるような性能は示せなかったし、かといって「もうこれはダメだ」と思えるような性能ではなかったのではないかと思います。

日本での次世代緒戦の結果を見極めるにはもうすこし様子をみないといけないようです。

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538 ベライゾンのLTEが実測で60Mbps、の話について考察

先日ベライゾンのLTEについての記事を書きました。そこで出てきた「実測値で60Mbpsが出ています」という件について少し考察。


◆「60Mbps」の前提条件は何もわかりませんが

どういう条件でのどういう数字のことなのかさっぱり解らないのですが、ベライゾンから、試験運用の結果60Mbpsが出ていました(実際の運用での平均速度はわかりませんけど)という発言がありました。

チューンしたデモで不自然な速度を出したり、さらには「有線接続」を用いたりして速度の水増しが行われる事がありますから、この速度もそういう類のものかもしれません。そのような場合には考察する意味はあまり無いのですが、今回はそうではないとして少し考えてみます。

実際に試しての数字であることと考え、「どれくらいの数字」なのかを考えてみましょう。

前提条件が良くわからないのですが、10MHz幅での速度ではないだろうということで、20MHz幅での速度だとします。ちなみにベライゾンは20MHz幅でサービスインできる帯域を持っています。

MIMOが2x2なのか4x4なのか良くわかりませんが、実環境での実効最大速度にはMIMOはあまり働かないということにして気にしない事にします。

また、ベライゾンが80Mbpsと言ったという話もあるようですが、とりあえずは60Mbpsで考えてみる事にします。


◆LTEで60MbpsをHSPA+と比較する

LTEで電波状態が良いときで他に誰も使っていないときには60Mbpsが出るという事にします。

・LTE:60Mbps/20MHz幅

不正確ですが、簡単のため4で割って第3世代と帯域幅をそろえてみましょう。

・LTE:15Mbps/5MHz幅(仮に)

現実感のある(ないしは非現実的ではない)速度が出てきました。HSPA+では5MHz幅で「理論値」が(MIMO無しで)21Mbpsですから、HSPA+にとっては15Mbpsはちょっと厳しい数字に見えます。

MIMOを使っても実際の最高速度は二倍にはなりませんから、HSPA+ではちょっと厳しい速度がLTEでは出ているらしいことになります。

ドコモも以前、LTEでの帯域あたりの実効速度は「数倍程度になる」ようなことを言っていたような気がするので、それとも矛盾しない数字かもしれません。

よって、20MHz幅で電波の良い状態(で混雑皆無)のLTEを使うと、本当に60Mbpsのような速度が出るのかもしれません。

#もしそうだとしても実際に体感できるのは稀でしょうが・・

2009年中にこんな速度が実測できる「試験サービスイン」が実現してしまったら、大事件になるはずです。北米のWiMAXは崩壊でしょうし、細切れに割り当てた日本は大後悔になるはずです。

念のために書いておくと、60Mbpsは単にベライゾンのビッグマウスなだけかもしれませんけどね。だったらここまでの考察は全く意味無しです。

なお10MHz幅の速度だった場合には、必殺有線接続が必須の速度なので意味なし速度です。


◆実際の速度は

HSPA+での20MHz幅を用いてのギリギリいっぱい(14.4化、64QAM化、MIMO、帯域の4つ束ね)をした場合のスペックは168Mbpsですから、スペック上は似た数字になるのかもしれませんが、LTEの方が実際の速度が出そうな感じです。

まあ、だからこその「次世代」なのであって、ドコモがHSPA+ではなくてLTEの早期サービスインを目指しているのでしょう。

しかし電波状態が良好な場合には両者に差がつくというだけのことで、電波状態が良好でなければあまり変わらないかもしれません。

次世代技術でものすごく速度が出るのは、基本的に基地局近辺だけというのが良くあることなので、電波状態がややこしい場所では逆に第3世代系の方が安定しているかもしれません。。

また、念のために書き添えておくと、「60Mbps」は「電波状態がとても良くて一人で基地局を占有できた場合」で、一人一人が占有できる速度ではありません。混雑するとあっという間に速度低下を起こします。

よって、理論速度や最大実効速度よりも、基地局を密に配置したところが「実際には速い」ということになるかもしれません。ちなみに次世代PHSはこちら側からの作戦です。

まあ、次世代PHSに限らず他陣営は、実際に利用する速度では大差が無いとか、実用上関係ないみたいなことは言いつづけなければならなくなるでしょうけど。

ちなみにモバイルWiMAXですが、次世代っぽい最高速度と設備が安い(これも怪しくなってきましたが)面以外の性能は基本的に良くないと予想されます。よって、速度と安さでLTEに負けた場合には、ちょっと厳しいのではないかと。

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539 総務省が「ソフトバンクがイーモバイルの回線を借りる」に介入

「ソフトバンクがイーモバイルの回線を借りる」の件について、どうやら総務省が介入をするようです。

もしかするとソフトバンクはイーモバイルの回線を借りられなくなってしまうかもしれません。


◆総務省がソフトバンクがイーモバイルの回線を借りる件に介入の予感

大手の回線借り抑制 総務省、携帯新規参入促す
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090222/biz0902221339002-n1.htm

ベンチャー企業などが大手携帯電話事業者の回線を借りて無線通信市場へ参入できる「MVNO(仮想移動体通信事業者)」制度について、総務省が参入資格などの見直しを検討することが21日、明らかになった。
同省は、大手同士の提携が市場の寡占化を強める恐れがあるとして、大手による回線借りに一定の制限を設ける方針だ。

このニュースは「誰が言ったのか」がはっきり書かれていませんが、おそらくお役所関係の人が記者に方針を漏らしたということでしょう。

「大手同士の提携」というのは、ソフトバンクとイーモバイルの提携の事です。そして、この件についての役所の意見は「寡占化を強める恐れがある」というものです。

お役所としては「大手による回線借りに一定の制限を設ける」という事にしたいようです。


見直しは24日から情報通信審議会(総務相の諮問機関)で議論を開始。今夏をめどに報告書をまとめる。

見直しは2月24日(火)から開始され、「今夏をめどに報告書をまとめる」そうです。ただ「今夏」ではソフトバンクの件には全然間に合わないじゃないかという気もするのですが。

もしかしたらソフトバンクについては個別に何かの判断がされ、夏には新しい公式ルールが出来るという事かもしれません。

◆「貸し借り」の一覧と整理

夏には貸し借りの新ルールが決まるようです。そうなると今度は逆に「大手同士で何をやってよいか」も明らかになる事になります。

これまでは「MVNOの意義から考えて、普通やっちゃだめでしょ」という不文律でした。よって例えば、KDDIがドコモの回線を借りるような事は「最初からありえない話」でした。

しかし、やってよい事といけない事が明らかにされる事になりますから、基準に沿っていればKDDIとドコモが貸し借りするような事も出来る事になるということです。

よって、大手同士の貸し借りは制限つきになる代わりに、行われやすくなるかもしれません。

現在おこなわれている貸し借りと、現時点で話が出ているものを整理すると(他にあったら教えてください)

借りている
・イーモバイルがドコモから回線を借りている

これから
・ソフトバンクがイーモバイルの回線を借りたい
・イーモバイルがソフトバンクの回線を借りるかもしれない
・ソフトバンクがモバイルWiMAXを借りたい
・ウィルコムがドコモの回線を借りたい

以下それぞれについて、

□ソフトバンクがイーモバイルの回線を借りたい

これについては、「今回の騒動の発端」ですから何らかの制限がかけられるか禁止される可能性が高いです。

ただし「現在のルールでは禁止されていない」としてサービスを開始してしまい、新しい方針が出る事には既成事実になってしまっていてどうしようもない式の踏み倒し作戦もあるかもしれません。


□イーモバイルがソフトバンクの回線を借りるかもしれない

逆の「イーモバイルがソフトバンクから借りる」については、二つの要素が混ざっているように思われます。

・新規参入ゆえのエリア不足を補うため
・自分が苦手な部分を他社から借りて済ませるため

前者はイーモバイルのエリア化の手が届いていない田舎を時限付きで借りるようなことで、後者は東京都心のエリアの穴を自分でふさぐ代わりに借りて済ませるようなことです。

前者についてはドコモから借りているのと同じ理屈なので許可されるかもしれません。後者については、今回の制限の対象になるかもしれません


□イーモバイルがドコモから回線を借りている

この貸し借りはすでに成立済みですが、利用に制限がついています。

・時限付きで借りている(期限が来るとローミング終了)
・エリア整備が進んだ地区は期限前でもローミング停止

イーモバイルはローミング終了期限までに自前で全国カバーをしなければならず、自前でカバーをしつつあるエリアではローミングが停止されます。

イーモバイルはドコモから回線を借りるときに、(ドコモに言わせれば)無茶な条件を出してもめていたためドコモが貸すのを嫌がり、国が仲裁に入って制限つきの条件になったという経緯もあるのですが、

・期限までに自前でエリア整備する義務は残る
・エリア化済みの地区で借りてサボれない

つまり今回の規制の対象にはならないと思われますが、場合によっては制限がより厳しくなるような事はあるかもしれません。


□ソフトバンクがモバイルWiMAXを借りたい

イーモバイルの件と違うのは、ソフトバンクは自前でモバイルWiMAXの基地局網を持っていない事です。しかも2.5GHz帯で立候補して落選しています。

ですから、自前で出来なかったから借りるという理屈は成り立つのではないかと思われます。

ただし判断の方針によっては、同種のサービスは自前でも提供可能なはずだということになることもあるかもしれません。


□ウィルコムがドコモの回線を借りたい

次世代PHSとの関係で言うと、イーモバイルが回線を借りているのと同じ状況になります。よって、この理屈ではイーモバイルがドコモから回線を借りているのと同じ方法で借りることは出来るのではないかと思います。

また、ソフトバンクにとってのモバイルWiMAXと同じく、ウィルコムは自前でW-CDMAの網を持っているわけではありません。ドコモがLTE+W-CDMAであるのになぞらえて、XGP+W-CDMAで対等になるという理屈も無くはありません。W-CDMA相当のものが無いので、と。

ただし既存のPHSが全国カバーしている事をカウントされた場合とか、例えば東京都心で次世代PHSとドコモの回線を組み合わせるような事については、違う判断が出るかもしれません。


◆どうなるのか?

流れから言って、ソフトバンクがイーモバイルから回線を借りる話は、一番まずい話なので禁止の方向ではないかと予想します。その他については制限付きになるのではないかと思ったりします。

また、1.5GHz帯の取り合いでわざわざ「落選者なし」になるように調整したりするようなことがありますから、「それぞれの損得をバランスする」ようなことがなされて、

例えば(「例えば」なのですが)、
・ソフトバンク:イーモバイルからは禁止するがモバイルWiMAXについては許可
・ウィルコム:借りてよいけれども2.5GHz帯のエリア整備計画に基づいて時限付き
・イーモバイル:ドコモと似た条件付きでならソフトバンクから借りてよい

ただし、これからキャリアからいろんな異論が出たりすると思うので、事前の予想のとおりになるとは思えなかったりはします。

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540 アメリカのLTEは2009年中に開始予定(ただし「オバマ」次第)

なんと、アメリカのLTEは今年中(つまり2009年のうちに)に開始されることになりそうです。


◆ベライゾン「2009年中にLTEを試験サービスインします」

ベライゾンがLTEを2009年中にはじめると言っているようです。

最近読み始めた人のために、念のために補足。

「ベライゾン」とは北米の携帯電話会社のことです。ボーダフォンも出資しているところで、世界最大のCDMA2000な携帯電話会社でもあります。北米では勝ち組な電話会社です。

CDMA2000陣営なのですが、2007年末に次世代技術ではW-CDMA陣営のLTEを採用しますと発表してしまい、その後の700MHz帯オークションでも競合するグーグルを蹴散らして(あるいはそうではなくて・・)、携帯電話向けとして良質な帯域である700MHz帯の獲得に成功しています。

ベライゾン700MHz帯をLTEに使うと最初から言っており、早期のサービスインを目指すと以前から発表していました。

で、まずは元のニュースの引用です。

ベライゾン、LTEサービスの試験運用を年内に開始
米国2都市で試験サービス、2010年には商用サービスも開始を予定
http://www.computerworld.jp/topics/nb/136189.html

米国の携帯電話キャリアVerizon Wirelessは、60Mbpsの伝送速度をサポートするLTE(Long Term Evolution)方式のモバイル通信サービスを、2009年中に米国の2都市で試験運用する予定であると発表した。来年(2010年)には商用サービスも正式に開始する予定であり、サービス地域も25~30カ所に拡大する計画だ。

世界的にはLTEの先頭集団は2010年からサービスを開始するような感じになってきているようですが、ベライゾンはさらにその前の2009年にとりあえず「開始」してしまうつもりのようです。

・2009年のうちに:2都市で試験サービスイン
・2010年:商用サービス開始

「2都市」だけですか?と思った人も居ると思います。ですが、アメリカでサービスイン済みということになっているモバイルWiMAXも同じような状態だったりします。実はモバイルWiMAXはいくつかの都市で(練習的に)サービスインしているだけに過ぎません。

よって、実はモバイルWiMAXのリードは僅かでしかありません。

さらに、アメリカのモバイルWiMAXは怪しいことになっていて足踏み状態になっていて、なおかつエリア整備で不利な2.5GHz帯のWiMAXと、電波の飛びが良い700MHz帯のLTEですから、ベライゾンの進撃速度にあっという間に追いつかれる可能性があり、

「2010年に25~30カ所に拡大する計画」

の序盤でいろんな面で完全に追い越されている可能性があります。来年の前半には試合終了状態かもしれないということです。

またベライゾンがLTEで何をするのかというと、

Verizonはまず、ノートPCユーザーを対象としたデータ通信サービスを開始する予定だが、料金プランについては明らかにしていない。

モバイルWiMAXにぶつけてくるようです。

また、これは2009年の試験サービス以降アメリカで「LTEで通信したいノートPCの需要が出現」する事を意味します。

ノートPCユーザーは当面、内蔵/外付けカード型やUSBドングル型の端末を使ってLTEネットワークに接続することになる。

需要が発生すればLTE通信モジュールを内蔵したノートPCも早期に出現しやすくなります。

「60Mbps」という数値は、同社がパートナーの英国Vodafoneと共同で実施した試験運用の実績に基づくピーク・レートだ。VerizonのCTO(最高技術責任者)であるリチャード・リンチ(Richard Lynch)氏は、実際のサービスでどの程度の転送レートが得られるのか、見通しを示していない。

ベライゾンは20MHz幅でのLTEサービスインを行う予定で、20MHz幅で試してみたところ60Mbpsくらい出たということでの数字なのではないかなと予想します。

なお、ベライゾンは20MHz幅のサービスが出来るだけの帯域を手に入れています。

連邦政府の実施した競売で同社が落札した700MHz帯(22MHz幅のバンド)が使われる

1.5GHz帯を細切れにして台無しにしている日本は、今からでも考え直すべきかも知れません。これからベライゾンのLTEが圧倒的パワーを見せ付けたとしても、「日本では帯域幅が狭すぎて真似できません」ということになりかねません。

また、60Mbpsは今回限りの言い逃げではないようで、

リンチ氏は、「実際にネットワークの運用を開始するまでは、平均速度がどの程度になるかはわからない。今年12月末までにははっきりするはずだ」と述べた。

試験では60Mbpsが出ましたが、実際にどのくらいの速度になるかは年内に実際のサービスでお見せしますしますからどうぞご覧下さい、とのことです。

とりあえずは大幅なハッタリ速度ではないようです。もしハッタリ速度だったら後でこの発言がたたる事になるでしょう。

ただし、この速度が実際の計測値だとしても「混雑したら速度は下がる」というのは避けられません、ベライゾンはマクロセル運用するはずですし。

ただ、そこはフェムトセルも計画されているようでして、

リンチ氏は以前、企業や家庭の屋内における通信状態を改善するために、LTEの電波に対応したフェムトセル方式の小型基地局を普及させていくと発言していた。

もともと電波の質がとても良い700MHz帯なので、屋内に基地局を設けなくても圏外にはなりにくいはずですが、トラフィック分散が狙いなのかもしれません。

普通の基地局については、

同社のLTEネットワークでは、フランスのAlcatel-LucentとスウェーデンのEricssonの機器

というわけで、LTE本家のエリクソンとアルカテルルーセントが参加しています。

LTE対応スマートフォンが2011年くらいには登場するとか、LTE家電が登場するなどという話(こっちは怪しいかも)があったあと、料金プランもLTE登場後は新しい感じになってゆくかもしれないという発言をなさっています。

さらにリンチ氏は、ゆくゆくは多くのユーザーがマシン間通信対応の機器を中心にLTEインタフェースを搭載したデバイスを5~6台程度持つようになるとしたうえで、こうしたデバイスの通信料金を一括で支払えるような新しい料金モデルが登場するだろうと「予言」している。

電話機やパソコン用の通信モジュール以外のいろんな機器がLTE対応になると、自然の成り行きで個別に料金を払ったりするような話ではなくなるだろう、というだけのことでもあるのですが。

ちなみに、いろんな機器がLTEに対応する未来の図、WiMAX陣営が喧伝していた未来図と同じものです。LTEでも同じ事が出来るぞ、ということかもしれません。たぶん、他の通信方式でも同じでしょう。


◆今後

ただし、以上の話には大きな前提が一つあります。

「アメリカでアナログ地上波が停波する」ことです。テレビの跡地をLTEに使う話だからです。

本来なら2009年2月の中頃に停波が済んでいるはずでした。しかし、4ヵ月延期されて6月になってしまいました。

この4ヵ月延期に停波問題が解決しなかった場合には、再延期される可能性もゼロではありません。そうなるとベライゾンのLTEサービスイン計画はどんどん後ろにずれてゆきます。2010年になっても延期されていればLTEも延期です。

ただ、(ほぼ)無料で電波帯域をもらっている日本と違い、アメリカではオークションで帯域を売ってしまっています。

日本なら「公共」の電波だからもうちょっと待って、という理屈も成り立ちやすいですが、ベライゾンはお金を払って買ったので(個人の持ち物に近い)、苦情を言いやすい立場にあります。もし再度延期されると「さすがに待たされすぎだ」と喧嘩がはじまるかもしれません。

つまり、LTEの今後はオバマさん次第でもあるということです。

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541 エリクソン、HSPA+で40Mbpsを出すデモ(ただし「有線接続」で)

先日、エリクソンが第3世代のまま42Mbps(スペック上は)になる基地局を売り込もうとしているという記事を書きましたが、これのデモで40Mbpsが出ているという件について。

◆エリクソン先生、またですか

ここしばらく話題にしてきた(記事としては以前からかなり書きました)HSPA+ですが、エリクソンがデモを行っていたようです。デモでは、なんと?40Mbpsが出ていたようです。

まず引用

【MWC】EricssonがマルチキャリアHSPAをライブデモ,実効40Mビット/秒を記録
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090218/165917/

スウェーデンのEricssonはスペインのバルセロナで開催中のMobile World Congress 2009の会場内にて,マルチキャリア技術を使ったHSPA(DC-HSDPAとも呼ばれる)のライブ・デモを実施している。

「マルチキャリア」というのは何かというと、W-CDMAの帯域(キャリア)を複数(マルチ)束ねて使いますという事です。

マルチキャリア技術とは,2倍の帯域を使用することで通信速度の高速化を計る技術。理論的には速度も2倍になる。HSPAは5MHz幅の帯域を使って,現在最大21Mビット/秒の速度を実現しているが,マルチキャリア化することで10MHz幅の帯域で最大42Mビット/秒の速度が期待できる。

「21Mビット/秒」、つまり21Mbpsがどういう計算式?で出てくるものなのかはここしばらくの記事で何回か説明しましたのでそちらをご覧下さい。ごく簡単に算数を再現しておきますと、

・3.6Mbps×2:7.2Mbps(現在の日本の3.5世代)
・3.6Mbps×2×2×1.5:21Mbps

ただし後ろの方の「×2」の実際の効き具合は怪しく、×1.5についても電波状態がとても良い場合にしか効果がありません。

よってスペック上は「21Mbps」になるにもかかわらず、7.2Mbpsでの体感速度から画期的な変化は起こらないという困った高速化の現状でした。

マルチキャリア化については素直に2倍になるものの、電波帯域も通常の2倍使ってしまうので2倍の混雑を招きます。

エリクソンは現在HSPA+基地局を絶賛売込み中なのでデモをしていたようです。そしてデモでは・・

Ericssonのデモではマルチキャリアの基地局とモバイル・ルーター型の受信機(写真1)を使って,ファイルを受信や動画を伝送する様子を披露。実効速度としては,40Mビット/秒弱を記録していた(写真2の右のウインドウ)。

40Mbpsなんてすごいなー、と思ったあなたはエリクソン先生にやられています。

理論上のスペックが42Mbpsなのに40Mbpsも出ている事をまず疑いましょう。そんなに出るわけがありません。理論値の95%もの速度だからです。

7.2Mbpsのイーモバイルで言うと、6.8Mbps以上出た状態に相当します。しかも先ほどの算数計算式の説明で書いたとおり、21Mbpsよりも7.2Mbpsの方が理論値に近い数字が出る傾向がありますから、実際には、7.2Mbpsで7.1Mbps以上出ているくらいの感じです。

こういうデモは速度が出るようにチューニングを凝らして行われるのが普通ですが、さすがにチューニングをしてもここまで速度を出すのは困難なので、

「これは有線接続で行われたデモ」

ではないかと思われます。

有線接続というのは何ですかというと、「基地局」と「端末のようなもの」を「有線」で接続をしているのではないかということ。有線接続だから「電波」状態はきわめて良好ということになり、それでさらにチューンしたのでこういう事になっているのではないかと。

おいおいちょっとそれは・・というデモなのですが、元のニュースでは「あたかもエリクソンが実環境でも超高速が出る新技術のデモをした」かのように取れる記事になってしまっています。

しかし元のニュースではそういうことは一言も説明がなされていません。そんな事でよいのでしょうか・・

LTEについてもEricssonは最新のライブ・デモを実施した。20MHz幅の帯域を使い,2×2 MIMOの構成で,170Mビット/秒弱の速度が出る様子を見せた(写真3)。

実はこちらも同じような次第であります。


◆エリクソンと大人の事情?

こうやって速度を真に受けたニュースが流れてしまっているわけでして、エリクソンの思う壺です。

もっともこうでもしないとモバイルWiMAXのハッタリを真に受けてしまった人々の心を携帯本流のLTEに呼び戻せないのかもしれません。頭の悪い人向けのデモだったのだと思いたいところです。

そういえば昔に行われた「世界初のLTEの小型端末」のデモにおいても、海外では有線接続デモが行われて派手な数字が出ていました。ただ、日本ではちゃんと無線接続でデモが行われたところ常識的な速度しか出ず、「何でたったこれだけの速度しか出ないんですか?」とか記者(3桁速度が当然に出るもんだと思っていたらしい)に質問を受けたりしていました。

そういう事情あたりで有線接続デモはしょうがないのかもしれません。

今後とも、有線接続デモのスペシャリスト、エリクソンの次世代技術にご期待ください。

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今週の投票:次世代序盤戦の主役はHSPA+かLTEか?

お題は「次世代の序盤戦の主役はHSPA+かLTEか?」です。

期間は、2009年~2011年末くらいのイメージでお願いします。

場所は主に日本での情勢ながらも、世界での流れも考慮してください。場合によっては日本と世界での流れが全然違う事になることもありえますから。

1.5GHz帯は2010年に空く予定ですし、世界的にもLTEは2010年にスタートする予定ですから、2011年の終わりにはサービス開始から1年が過ぎて段々先が見えてきている感じになっているはずです。

HSPA+は現在の第3世代をさらに高速化をする延命技術なところがあり。一方でLTEは本物の次世代技術。しかし、HSPA+は既存の携帯端末や携帯基地局と混ぜつつ、同じ帯域で徐々に置き換えられるために導入がしやすく、LTEは端末も基地局も帯域も入れ替えになります。

世界ではGSMから第3世代飛ばしでLTEへの移行をするところもあるとされる一方で、W-CDMAが長い間普及しなかったように、当面はHSPA+が主役だという意見もあります。

さて皆さんはどうお考えでしょうか?

#投票をすれば投票結果を見ることができます

なお、WiMAXの話題や次世代PHSの話題ばっかりになっているよう場合は他の二つの選択枝をお選びください。また、それ以外の展開を予想しているのであれば、コメントとして書いてください。

ただし、「意外にもそうなる」という場合の選択肢でして、「そうなって欲しい」という選択肢ではないので、そういう投票は自重ください(笑)。

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542 ソフトバンクの携帯基地局数、ドコモにダブルスコアにされる・・が

携帯基地局数で、ソフトバンクの基地局数がドコモにダブルスコアされたらしい件を枕に。


◆ソフトバンクの携帯電話基地局数、ドコモにダブルスコアにされる

ソフトバンクの携帯基地局数がドコモにダブルスコアにされてしまっています。

現在の基地局数はこれくらい
ソフトバンク:3万7千くらい
ドコモ:7万6千くらい

37000×2=74000なので、しばらく前に「ドコモはソフトバンクをダブルスコアにした」ことになります。

また「基地局の質」でもドコモの基地局の性能とソフトバンクの基地局の性能は全く違うため、そのあたりも考慮に入れると、もしかすると実質的には一桁くらい違う感じかもしれません。

また、AUにも基地局数で逆転されそうになりつつあります。AUは数より質優先でエリア整備を行っているにもかかわらずです。

他社が原因と言えるような要素もあります、
・ドコモはどうかしているほどの基地局整備をしている
・AUはトラフィック増への対応や、2GHz帯の整備や、800MHz再編で基地局整備を進めている

AUについては現在すでにある基地局の改修を行いつつ(改修は数の増加に入らない)、その上で増えた数であることを考えた方が良いと思います。

新しく基地局を別の場所に作って(+1)既存の基地局を撤去する(-1)ような事はしませんし、改修や入れ替えで済むのならそちらの方がコストもかかりませんから、そちらが優先されてこの数字ということになります。

ドコモについては、意味が解らないレベルの基地局整備なので比較するのもどうかと思いますが、ドコモとの比較をはじめたのは孫社長自身なので、その辺は勘弁していただくとしましょう。


◆ただし、ソフトバンクも「質的改善」は続けている

AUについての補足で「改修は数の増加に入らない」ということを書きましたが、これはソフトバンク自体にも当てはまります。

よって、数が増えていないからといってソフトバンクが何もしていない(何も改善が無い)ということにはなりません。実際に意外なことから、ソフトバンクが質的改善を行っている事がわかることがありました。

少し前にソフトバンクの「無免許基地局事件」がありました。

ソフトバンクモバイル、無許可で携帯電波発信
http://www.asahi.com/national/update/0127/SEB200901270004.html

携帯電話会社のソフトバンクモバイル(SBM、本社・東京都港区)が、基地局の無線設備をNEC製からエリクソン製に変更する工事の際、監督官庁の関東総合通信局の許可を待たずに、基地局から電波を発信していたことが分かった。同通信局は電波法違反としてSBMから事情を聴いており、行政処分を検討する。

どういう事件かというと、
・ソフトバンク(の下請け)が役所への届け出の許可待ちを無視して基地局入れ替え工事を行っていた
・その結果、免許はまだなのに基地局が稼動していることがあった
・「電波法違反」となった

電波法では携帯電話会社が基地局を設置して電波を発信する場合、国の免許がいる。出力変更などで無線設備を交換する場合も許可が必要で、無許可で電波を発信した今回のケースは、基地局の運用停止や文書・口頭による指導など行政処分の対象になる。
朝日新聞が入手したエリクソン社の工程表によると、神奈川県のある基地局では、設備変更の許可は昨年10月8日なのに、2日前の6日には更新した無線設備で電波を発信していた。このほか、許可の1週間前から発信した基地局もあり、東京都や埼玉県など計31カ所の基地局が違法に運用されていた。

というわけで、「違法」となったわけです。

ソフトバンクは基地局の価格交渉でかなり無理をしているとか言われますが、それゆえに工事の現場に無理が行っている証拠かもしれません。

また、無茶な予算で無茶なスケジュールで工事をさせた結果手抜き工事が行われ、結果としてしばらくすると故障やらに悩まされるようになっているかもしれません。

(そういうことになった前例はいろんな分野で見られます)

またもう少し考えてみるとこの事件は

・ソフトバンクが免許手続き無視の工事をやっていた

という事がわかるだけではなく、

・NECの基地局をエリクソンの基地局に入れ替えていて、どうやら基地局の「出力変更」もなされている

ということも解ります。記事にはこうもあります、

SBMや関係者によると、同社は昨年から首都圏の基地局約1800カ所で、無線設備をNECからエリクソン社製に変更している。工事や関東総合通信局への提出書類作成はエリクソンが担当。その後、基地局の免許を取得しているSBMが、電気通信事業者として許可を申請した。

これはおそらくこういうことではないかと思われます。

・「4万6000基地局」を達成すべく、無計画に作った基地局、ないしはかなり以前からある旧式基地局を
・将来を見越した性能のあるエリクソン製の基地局に入れ替えている

こういうのが関東で少なくとも1800カ所で行われていたという事です。もしかしたら、エリクソンの基地局を一つ設置して、多数の「無駄な基地局」を撤去している状態かもしれません。

だとすると、基地局数は減るくらいで良いのかも知れません。

孫社長が数が多い方が勝ちみたいなことを言い出したので話が若干おかしくなっていますが、同じ性能の基地局ならば多くの場合には「数が沢山配置されている方がしっかりした基地局網」と言えるのは言えるのですが、質優先の戦略もありえます。

また、少ない基地局数で基地局網を作ったほうがコストもかからない傾向がありますから、維持費の掛からないインフラという意味では数は多くない方が良いわけです。


◆「4万6000発言」は重ねて愚かであった

最初に念のために書いておきますと、おそらく孫社長ご自身は「4万6000発言」については相当に反省をなされているのではないかと思います。今でもソフトバンクの基地局は5万を超えていると発言なさっていますが、これは「一度言ってしまったので引っ込みがつかない」ということではないかと思います。

#もしまだ反省をしていないのなら、相当にダメです

「4万6000発言」はいろいろな意味で失敗でした、まずこれまでに書いたのは

・物理的にほとんど達成できない目標だった
・役に立たない基地局に予算を浪費するという間違いにつながった
・ソフトバンクの評判に土をつけてしまった
・ドコモを眠りから覚ましてしまい、世界最強のインフラへとひた走る原因を作ってしまった

さらに加えて、

・基地局は数より質が優先だ、という戦略を取りにくくしてしまった
・予算を上手に使うには、質優先の戦略も有効手だった
・質優先の基地局は、HSPA+やLTEへのアップグレードへの配慮を考えても望ましい戦略だった


◆AUは基地局の数が少ない事をむしろ誇っていた

ここ数年で勢いがなくなったAUの発言ではなく、まだ元気があった頃の発言ではありますが、AUはドコモよりも携帯基地局の数が少ない事をむしろ誇りにしていました。

つまり、量より質優先で能率よくエリア整備してて賢いでしょう?と。

これでエリアに穴だらけなら叱られたと思いますが、第3世代では圏外になりにくいことで知られていたのがAUでした。

逆に言えばドコモの怒涛の基地局整備、基地局網の維持コストをどんどん増大させている点では問題だとも言えます。もし将来的に技術革新があり、現時点で最新型の基地局がお荷物になった場合には、ドコモは役に立たない金食い虫を多数抱えた状態になりえます。

実際、ソフトバンクの基地局入れ替えの原因には「3.5世代に対応できない基地局が多い」というものがあります。第3世代の事しか考えていない基地局が役に立たなくなって、交換を迫られているというわけです。

今ソフトバンクが新しく整備している基地局、例えば今回の記事のエリクソン製の基地局は、

・最低でもHSPA+化は見据えたもの
・LTE化も一応考えられている基地局

になっているのではないかと思われます。

孫社長が自分で言ってしまったが故の「基地局数の呪縛」はしばらく続くと思いますが、基地局の入れ替えが進んでいるのなら、安物乱立よりは良い傾向だとは思えます。

#質も数も両方とも足りない状態だとは思いますが

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今週のらくがき帳

先週に続き、雑多なことを書き付けておくところを試しに作っています。

・どうでもいい事を書く予定
・予定としては週に一回くらいリフレッシュして、新しい記事に移ります
・その間は、投稿された後も内容が追加されたりすることがあります

要望があれば、ここに書かれたエントリを正式な記事にするかもしれません。


◆忙しかった

更新がしばらく(数日)とまってしまいました。ものすごく大変な事が立て続けに発生しておりまして、ブログどころではなくなっておりました。今も大変なままだったりしますが(どうしよう)。

案内所にも書いておりますが、時々投稿が遅くなったり一気に沢山投稿されたりすることがありますので、その点はお許しいただきたいです。


◆どこでもWi-Fi

伝聞なので本当なのかどうかわかりませんが、どうやらネット対戦に使う分には問題なく使えるようです。DSとの組み合わせは相当に良い感じだとか。

その上であの価格設定なのは良い感じでしょうね。ただ、解ってもらうのが難しそうですけども。


◆東芝のスマートフォン「TG01」

日本でも発売される事になるはずですが、果たしてどのキャリアからなのか?


◆Sprint Nextel は引き続き炎上中

Sprint Nextel が決算発表、加入者数は下げ止まらず
http://japan.internet.com/finanews/20090220/11.html

アメリカのWiMAXと言えばスプリント(が親会社)ですが、炎上状態はまだ続いているようです。


◆ウィルコムは世界に先駆け(すぎ)ました

携帯電話の業界団体,充電器の規格統一で協力へ
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090218/324945/

つまり、MicroUSBが携帯の(充電)端子の共通規格になる運びであるというニュース。ウィルコムがMicroUSBな機種を出しているのはこういう流れになる事を見越しての事でした。

ただ、miniUSBのケーブルは売ってるけれど、microUSBは売って無さすぎです。ウィルコムの採用はもうちょっと後でも良かったのではないかと。


◆恐怖のココログ

たった今、記事が一本消滅しました。投稿したらタイムアウト→システムエラーとなってしまって消えてしまいました。もう一度書く気がしない。

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投票結果:モバイルWiMAX、どれくらい速度が出ると思いますか?

投票結果です。

まずはテキストとグラブ(投票画面そのもの)で結果を。

16Mbps以上:2票 (1%)
12-16Mbps:8票 (6%)
8-12Mbps:20票 (16%)
5-8Mbps:33票 (27%)
2-5Mbps:37票 (30%)
-2Mbps:20票 (16%)


以下、ちょっと手抜きでの結果。

・最多の意見は「2-5Mbps」

・中央(順位がまんなか)の意見は「5-8Mbps」

・16Mbps以上を16Mbps、12-16Mbpsを14Mbps、-2Mbpsを1Mbpsとして平均を取ると、皆さんの意見の平均は「5.9Mbps」

が皆さんの予想のようです。


◆その他感想

今回の投票に限らないようですが、一部面白い傾向があるように思えます。

「10Mbps以上」の予想根拠に「マーケティング上の事情を考えると」というものが見え隠れします。つまり、「10Mbps以上出るだろう」ではなくて「10Mbps以上出ないと不味いから」という予想。

逆に速度が遅い側の予想は、「イーモバイルよりは最高速度が出るのでは?でも、異次元の速度にはならないだろう」という予想が基本になっているようですね。

「イーモバイル+α~二倍程度」を予想した人が「2-5Mbps」あたりで、電波状態などなどがよければもっと出るはずだ的意見が「5-8Mbps」かなと。

結果としての心理的な境界線は、
・10Mbps マーケティング上のイメージを保つために必要な最低ライン
・5Mbpsくらい 冷静に見ている人たちの気持ちが浮き沈みするライン
・イーモバイル感の速度 緒戦敗北ライン

投票の作り方が難しいので断念しましたが、本当は「室内圏外」や「移動中」の問題と組み合わせて考えないといけないので、以上は速度だけの(もしかしたら意味の無い)区分であることは念のために書き添えておきたいと思います。

ではみなさん2/26の試験サービスイン(答え合わせ)を待ちましょう。

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543 "iPhone以外"のスマートフォンはFlashフル対応へ

スマートフォンへのフルスペックFlashの搭載の話がどんどん進んでいます、がiPhoneは相変わらずの状態だという話。


◆(およそ)iPhone以外のスマートフォン、フルバージョンのFlashに対応予定

「ほとんど」とはいかなる事かというのが今回の記事の内容でもあります。

2010年にスマートフォンのほとんどがFlash 10対応に - 米Adobe
http://journal.mycom.co.jp/news/2009/02/16/055/

米Adobe Systemsは2月16日(欧州時間)、現在スペインのバルセロナで開催されているMobile World Congressにおいて米PalmがOpen Screen Project (OSP)に参加したことを発表した。これにより、同社スマートフォン「Palm Pre」上でFlash Playerがサポートされることになる。またAdobeではPC版とフル互換となるFlash Player 10を、2010年までにPalm webOSに加え、Google Android、Nokia Symbian、Microsoft Windows Mobileの各スマートフォン向けにリリースする計画だ。これにより、iPhone (Apple)を除くほとんどのスマートフォンでFlashが搭載されることになる。
AdobeはFlash 10発表時にPC向けの「Flash」と携帯向けの「Flash Lite」の2系統の製品をひとつの「Flash」に統合していくと説明していたが、ここで改めて対応プラットフォームや登場時期について明らかにした。

よって、近いうちにスマートフォンにおけるFlash事情はこうなるということです。

・Flash 10でPC向けのFlashと携帯向けのFlash Liteが統合される。
・スマートフォンのプラットフォームのほぼ全てがFlash 10に対応する
 ・Windows Mobile
 ・Symbian
 ・Android
 ・Palm Pre(webOS)
・2010年までに以上が完了する予定

「ネットから降ってきてブラウザの上やローカルマシンで動いたりするもの」関係の競争が激しい昨今ですが、Flashもその辺りでの覇権を狙っており、今のところは戦いは優勢に進んでいます。

ただし、
・iPhone
・BlackBerry
はリストから外れています。

BlackBerryについては、ビジネス向けだからというところもありそうです。iPhoneについては以前から何回か書いているように、

・Adobe:開発したい
・ユーザ:対応して欲しい
・アップル:×△・・・

となってしまっており、iPhone登場からもう随分経つにもかかわらず対応がなされていません。

◆「iPhoneのFlash」は難航中という説明

Adobeは以前からずっとiPhone向けのFlashを何とかしようとしているようなのですが、Appleさんがいろいろ言うためにまだ対応できていないようです。

iPhone対応Flashの準備は困難続き--アドビCEOが発言
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20387424,00.htm

Adobe Systemsは、ほとんどの環境で動作するFlash技術をAppleの「iPhone」でも利用可能にすべく長い時間をかけて取り組んでいる。
スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムにあわせて、Adobe Systemsの最高経営責任者(CEO)Shantanu Narayen氏はBloombergニュースサービスの取材に応じ、何カ月も努力を重ねてきたが、今も、iPhoneで正常に動作するFlashを作る作業において困難が続いていることを認めた。

本当は「何ヶ月」なんていうレベルじゃないと思います。ここでいう「何ヶ月」というのはアップルとの最新の妥協案でのやりとりが、ということだと思います。本当は初代iPhoneが出たとき以来の問題です。

その2週間前にあたる3月初旬、Appleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏は、PC用FlashはiPhoneで使用するには「動作が遅すぎて実用的でない。一方でモバイル版のFlash Liteはウェブでの使用に十分ではない」と述べ、iPhone対応Flashへの期待に冷や水を浴びせていた。

つまりこういうことになっています。ついでにインテルも加えると、

・Adobe:開発したい
・ユーザ:対応して欲しい
・アップル:「ユーザのためにならないのでダメです」
・インテル:ARMなんかを積んでいるから、iPhoneはフルインターネット体験が出来ない、Intelを積まないからだ

以前書いたとおり、実際にはどうやらAppleが「iPhone上でアプリを実行する基盤になりうるようなアプリの開発を禁止している」のが原因だと見られています。この記事でも、

Adobeは「iPhoneのウェブブラウジングエクスペリエンスにFlashのすべての機能をもってくるためには、SDK(ソフトウェア開発キット)やさまざまなライセンスの枠を超えてAppleと協業する必要がある」と述べていた。

Adobeは技術的な問題ではなくて、Appleがライセンスで禁止しているから開発できないんだ、と言っているという事です。「ライセンスの枠を超えて」というのは、禁止を解除してくださいというお願いですね。

以前も書きましたが「禁止」をしている理由は、iPhoneで動作可能なアプリをアップルの管理下に置きたいためだとみられます。つまり、

・アップルがOKを出し
・アップルの公式サイトに配置されたアプリ
・上記以外のアプリはiPhone上で実行できない

という囲い込み状態を維持したいのだろうと。

iModeで言うならば「勝手アプリ完全禁止」かつ、加えて「間接的に勝手アプリに類するものの実行を可能にするものも禁止」の状態です。

FlashやJavaの実行エンジンや、Safari以外のウェブブラウザは「間接的に勝手アプリに類するものの実行を可能にするもの」なので禁止対象になっています。

Adobeはアップルに泣きついて何とかしようとしてますし、SunもJavaを出したいと思っています。FireFoxはアップルに呆れてこのあたりの事情をぶっちゃけてしまいました。

Adobeはおそらくアップルの要望に沿った「制限版」のFlashを作ろうとしているのではないかと思われます。


◆インテルやアップルの言い分が通らなくなる

アップル(ジョブス師匠)の説明は、

「動作が遅すぎて実用的でない。一方でモバイル版のFlash Liteはウェブでの使用に十分ではない」

・Flashは遅すぎて使い物にならない
・Flash Liteはへぼすぎて使い物にならない
・だから搭載しない

ついでにインテルの主張も書いておきますと、

・ARMを積んだマシンは非力すぎてFlash対応すらまともにできない

というものでした。

しかし、スマートフォンはほとんどの場合CPUとしてARMを搭載しており、今回のAdobeの発表で「iPhone以外のスマートフォンではフルに対応」の方向となりました。

対応していないのはiPhoneだけになってしまうと説得力はなくなってしまいますから、ますます対応してくださいの声が大きくなるはずです。

さて、この状況にアップルはどう対応なさるのでしょうか?

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544 「ウィルコムが次世代PHSで中国のZTEと提携」の件

ウィルコムが次世代PHSで中国企業と提携する事になったという件について少し。


◆ウィルコムが次世代PHSで中国のZTE(中興通訊)と提携するそうだ

まず問題のニュースを引用。「メガは100万」とあったりしてちょっと子供向けな感じです。

ウィルコム、次世代PHSで中国大手と提携 端末など共同開発
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=AT1D1602P%2016022009

ウィルコムは中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)と次世代PHS事業で提携する。今秋に始める商用サービスで使うデータ通信カードを共同開発する。ZTEと組むことでカードの価格を国産より2、3割安くし、光ファイバー回線並みの通信速度で動画などをやり取りできる新サービスの普及を狙う。世界最大のPHS市場である中国への導入でも連携する。

次世代PHSは通信速度が最大で毎秒20―100メガ(メガは100万)ビットと、現行のPHSより飛躍的に高めたサービス。ウィルコムは10月に主要都市で商用サービスを始める計画だ。

おそらく、ウィルコムがZTEに機器を発注しただけではないかと思います。

ZTEは中国の企業で、携帯関係を手広くやっているところのようです、PHS端末とかPHS関係の機器を作っていたりもするところです。

今秋に始める商用サービスで使うデータ通信カードを共同開発する
ZTEと組むことでカードの価格を国産より2、3割安くし

とあるので、10月の正式サービスインに向けて通信カードを安く量産してくれるようにお願いしただけに思えます。例えば、とWILLCOM D4における台湾的な役割、シャープ(とウィルコム)が作り台湾が量産するのと同じような。

以下で話題になっているような気がするのですが、

世界最大のPHS市場である中国への導入でも連携する

こちらについては、今のところ具体的なことはまだ無いのではないかな、と思ってみています。

そもそもWiMAX関係の機器も中国で生産されていますから、生産される事と技術が受け入れられる事は別だと思わないといけません。

今後の中国におけるPHSの流れについては以前の記事に書いたとおりの見方をしています。次世代PHSについては、場合によってはTD-SCDMAと競合してしまうので、モバイルWiMAXの中国上陸と同じような難しさがあるのではないかと思っています。

ただ、7000万もの利用者がまだいるのも事実で、今回加えて次世代PHSの機器生産でのつながりもできれば、中国のPHS事業者や中国政府が今後何か心変わりを起こしたときに、そういえば次世代PHSってあるじゃないか、と思ってもらえるきっかけにはなるでしょう。

また、英語の記事では、

Willcom To Tie Up With China's ZTE For Next-Gen PHS
http://www.nni.nikkei.co.jp/CF/FR/GATEWAY/rss_news.cfm?URL=/AC/TNKS/Nni20090216D16JFF01.htm

TOKYO (Nikkei)--Willcom Inc. plans to sign a technological cooperation agreement with major Chinese telecommunications equipment manufacturer ZTE Corp. as early as this week to jointly develop devices and base stations for next-generation PHS (personal handyphone system) service, The Nikkei learned Monday.

"devices and base stations for next-generation PHS" とありまして、こちらでは「端末および基地局」となっています。

基地局も中国で安く作ってもらうのかもしれません。基地局の大量配置をしたい次世代PHSにとっては意味のあることかもしれません。ただ、基地局には高度なノウハウが必要なはずで、発注できるのだろうかとか発注して良いものなのだろか、とも思いますが。

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545 2009年中にイーモバイルが「最速」の座を取り戻すかもしれない(スペック上は)

もうしばらくすると、40Mbpsを名乗るモバイルWiMAXがスタートします。

しかしもしかすると、2009年中にイーモバイルが「最速」の座を取り返す可能性があるという話です。


◆イーモバイルの千本会長「モバイルWiMAX対抗策も準備」

まず、記事の引用をしてから、順番に説明をしたいと思います。

イー・モバイル、月額780円から利用できる音声通話向け新プラン
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/24688.html

今回の問題になる部分は以下です。

モバイルデータ通信サービスでは、新たにUQコミュニケーションズが2月よりモバイルWiMAXの展開を予定(本格展開は夏以降)。これに関して千本会長は、「我々が2年前に苦労したように、当初はエリアでご苦労があるのではないか」としつつも、「対抗策もしっかり準備している」と発言。また、「競争相手が出てくることは良いこと」とも述べた。

今回問題にするのは「対抗策もしっかり準備している」という部分です。

この「対抗策」とはいったい何なのかを順番に考えてみたいと思います。


◆モバイルWiMAXの「40Mbps」のスペックの正体

その前にまず、モバイルWiMAXの40Mbpsの正体について少し説明をしておきたいと思います。

UQコミュニケーションズは、「下り40Mbps、上り10Mbps」を名乗っています。

http://www.uqwimax.jp/service/wimax/

で、「他社データ通信カード」は7.2Mbpsだという比較がされていたりもします。

実はこの「40Mbps」という数字、実情(ユーザが使って感じる速度)よりもかなり大きい数字になっているはずです。というのは、「MIMOで2倍」が入っているためです。

つまり40Mbpsとは、20Mbps×2=40Mbpsで実現されており、そして問題なのは「MIMOで2倍」は実際にはあまり上手く働かない(とされる)ためです。

MIMOについては過去の記事で説明を行っていますから詳細な説明はそちらを参照して欲しいですが、アンテナを複数搭載する事によって、基地局と端末の間の通信経路を複数確保することによって速度を高速化する方法です。

よって「スペック上」は通信経路を二重にすると最高速度は二倍になり、四重にすることによって四倍に出来ます。なお、次世代通信技術が景気の良い話を言っているときには、必ずといっていいほど「MIMOによるインフレ」で数字が増やされています。

MIMOはスペック上は派手に最高速度を上げますが、実際(実効速度)には思ったほどの高速化がなされないとされます。

よって、40Mbpsの正しい理解は、
・「20Mbps×2」というよりも
・「20Mbps+α」の方が実情を反映している

さらには、そもそもの20Mbps自体が「理想的な状況」での速度だということもあります。これは、HSDPA(やADSL)のスペック上の最高速度と実際の速度の落差と同じ現象です。

モバイルWiMAXのお披露目デモでの速度では16Mbpsが出ていました。これを「16Mbps/40Mbps」で理解するとがっかりですが、「16Mbps/20Mbps+α」と理解しなおしてみると、

「さすがデモだけにきっちりチューニングしてあるな」

と思えるのではないかと思います。その後のタッチトライでの速度感もこれなら納得できるはずです。


◆第3世代はまだまだ高速化できる

HSDPAの高速化についての記事も過去に何回も書いたので、こちらも復習になってしまうのですが、イーモバイルの7.2Mbpsは以下によって実現しています。

・3.6Mbps(HSDPAの基本の速度)
・7.2Mbps(3.6Mbps×2:スペック上は二倍になるが、実際にはそれほど速くならない)

実効速度の向上効果やかかるコストなどを考えると、おそらく7.2Mbpsあたりで打ち止めになってLTEに移行することが多いのではないか、とも言われています。ですが、3.5世代の高速化には続きがあります。

・3.6Mbps(HSDPAの基本の速度)
・7.2Mbps(3.6Mbps×2)
・14.4Mbps(3.6Mbps×4:さらに速度向上効果はなくなる)

また、別の方法での高速化があります。AUがRev.Aの高速化に使っている、64QAM化です。

・16QAM→64QAM化:1.5倍(転送できるデータ量が4ビット→6ビットに増える)

ただこちらもノイズに弱くなるために電波状態が良い状態でないと高速化の効果が無く、実際の効果は限定されます。

組み合わせると、
・21Mbps(3.6Mbps×4×1.5)
までスペックを上げることが出来ます。

また、モバイルWiMAXと同じくMIMOによる高速化を採用すると、「スペック上」はさらに2倍にできますから、

・42Mbps(3.6Mbps×4×1.5×2)

スペック上の数字は激しく高速化しますが、実際の体感速度の向上は知れている感じになるはずです。ユーザにとっては困った現象でもあります。

さらには帯域を二つ束ねて使うことも計画されています。電波帯域を2倍浪費しますが、これまでの「高速化」と違って素直に速度は倍になります。

・84bps(3.6Mbps×4×1.5×2×2)

ただしイーモバイルについては現在、帯域を一つしか持っていないので、この方法は使えません。

とりあえず、可能性としては「42Mbps」に出来る状態にあり、将来的には「84Mbps」にすることも可能であることがわかります。

#ただし、実効速度無視のスペックだけのハッタリ速度になるでしょうが


◆エリクソンは42Mbpsの基地局を売り込み中

上記の話、計算上の話ではないかと思われるかもしれませんが、現在世界最大の携帯電話基地局メーカであるスウェーデンのエリクソンが、HSPA+(42Mbps)の基地局の売り込みをしているところです。

エリクソンはすでに21Mbpsの基地局を実用化済みで、21Mbpsで実際にサービスを行っている携帯電話会社もあるとのころです。その上でエリクソンは現在「42Mbps」を売込み中なので、これを買ってくるとあっさり実現できてしまう可能性があります。

http://www.ericsson.com/jp/ericsson/pr/2009/02/20090213_hspa42mbps.shtml

2009年2月13日

エリクソン (NASDAQ: ERIC) は、スペインのバルセロナで開催されるMobile World Congressにおいて、最高42Mbpsのダウンリンクデータ速度を実現する新しいHSPAマルチキャリア・テクノロジのデモを、世界で初めて行います。

ただし、エリクソンがデモするのは
・3.6Mbps×4×1.5 ×2(周波数を二つ使う)
であり、「MIMOでの(スペック)2倍化はその次に実現する」と言っています。ただし今後近いうちに今回の説明で出てきた高速化手法を全て実現すると言っています。

エリクソンは、64QAM、MIMO、マルチキャリア・テクノロジを早期に導入することで、それぞれのブロードバンド市場でのリーダーを目指す世界中の事業者各位のお手伝いをしたいと考えています。

また将来的には、帯域を二つではなくて四つ束ねる事で「168Mbps」を達成したいとのことです。

HSPAの進化の次のステップは、MIMOアンテナテクノロジと4つの周波数チャネルを組み合わせたマルチキャリア構成を含むものとなります。これらの改善を組み合わせることで、168Mbpsのダウンリンク速度が実現されます。

ただしこの場合には、上り20Mbps幅と下り20Mbps幅が必要になってしまいますが・・


◆42Mbpsは40Mbpsよりも数字が大きい

イーモバイルがWiMAX対抗策としてほのめかしているのは、おそらく携帯基地局を売りに来ている人から、上記のような話を聞いて「それならまだ頑張れるな」と思っているという事だと思います。

具体的には21Mbps化か、思い切って42Mbpsにするかを検討しているものと思われます。

MIMOについてはアンテナを変更しないといけないはずなので容易ではないですが、それ以外の高速化については主に信号処理の部分だけの話なので、基地局が新型ならば比較的容易に導入できる可能性があります。

エリクソンが何故、21Mbps化+帯域2倍の42Mbpsを売り込んでいるかというと、導入コストがあまり掛からないからです。MIMOの導入はコストが掛かるため、それならLTEに乗り換えたほうが良いのではないかという話が出てしまうからだと思われます。

実際ドコモは、既存の第3世代の高速化(HSPA+)はコストに見合う実際の効果が無いとして7.2Mbps化で打ち止めにしてLTEに移行する判断をしています。

イーモバイルには帯域は一つしかありませんし、MIMOに対応させるコストにも厳しいものがあるかもしれません。

ただし、1.5GHz帯の取り合いに便乗して1.7GHz帯を獲得する話が実現すると、帯域を束ねる形での高速化が出来る事になり(つまりエリクソンが今回売り込もうとしているものそのもの)、MIMOなしでも42Mbps化が実現可能になリます。

さらにはMIMOと組み合わせると84Mbps以上も可能になります。

#競合陣営にとっては重ねて「1.7GHz帯を泥棒させることは危険」ということになります

どちらの方法を取るにしても、実現するのはいろいろと無理もあるので難しいはずですが、「42Mbpsは40Mbpsよりも数字が大きい」のは事実であり、もし42Mbps化をやってしまうと、イーモバイルがモバイルWiMAXを押しのけて日本最速の座に戻る事になります。

#ただし、スペック上の最高速度と実効速度はまったく違う数値になるはずなので、その点は注意

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今週のらくがき帳

先週に続き、雑多なことを書き付けておくところを試しに作っています。

・どうでもいい事を書く予定
・予定としては週に一回くらいリフレッシュして、新しい記事に移ります
・その間は、投稿された後も内容が追加されたりすることがあります

要望があれば、ここに書かれたエントリを正式な記事にするかもしれません。


◆日本無線、ファームアップする

ィルコム、音声端末「WX330J」「WX330J-Z」の最新ソフトウェアを公開
http://japan.internet.com/allnet/20090216/5.html

WX330JとWX330J-Z の新しいファームが出ているようです、持っている人はファームウェアの更新を行っておきましょう(電話機本体だけで出来ます)。相変わらず日本無線はファームアップをするなあと。

ファームアップして何か変わったと思った人がいたら教えてください。


◆次世代PHSの基地局はまだ増設されないままらしい

今しがた教えてもらっただけ(伝言ゲームとも言う)なのですが、次世代PHSの基地局数はまだ1局のままのようです。まだ大量配置に踏み切る前の調整をやっているのだろうと予想。

場所は確保済みなわけで、無理して急いで配置するよりは完成度を上げるほうが良いだろうと思いつつも、はやく基地局数が増えだすのを見たいところです。


◆中国のCDMA2000陣営、どうやらやる気である

中国電信:CDMAユーザー、2010年に1億人超える見込み
http://www.chinapress.jp/mobile/16283/

中国の人が「こういう話」をするときには、悪気なしで大言壮語をする傾向があるので注意する必要はありますが、とりあえず中国のCDMA2000陣営がやるぞーといっているという話です。

浮かれているだけでこれから現実に打ちのめされる方向なのか、本当に大躍進(=TD-SCDMA涙目)になるのかは定かではありません。このあたりについては以前いろいろ書いたとおり。


◆「どこでもWi-Fi」のタッチ&トライをやっているらしい

「どこでもWi-Fi」のタッチ&トライを実施――ビック有楽町店で
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0902/16/news110.html

2月16日から2月19日までタッチトライをやっているようです。対戦ゲームを試したり出来るようなので、誰かどんなものか試してきてください。

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546 ドコモが携帯端末メーカを囲い込もうとしている?(結果的に)

「結果的に」だと思うのですが、ドコモが携帯端末メーカの囲い込みをする事になるかもしれないというニュース。

つまり、ドコモ向け端末を他キャリアに流用するのが難しくなるかもしれないという話。


◆ドコモ「携帯端末開発費の支援」を発表、ただし知的財産権を渡す代わりに

開発費が高すぎるとか言われている日本の携帯電話ですが、実際にかなりの開発費がかかっています。

そこでドコモが「メーカー支援のために、開発費を負担する」という発表を行いました。

メーカー支援のため、100億円規模の開発費負担を発表──NTTドコモ 山田社長
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0902/02/news035.html


ドコモは、ユーザーに適切な価格でタイムリーに魅力的な端末を提供するためには、端末メーカーの協力が不可欠だと考えており、端末開発費の一部をドコモが負担し、その知的財産権をドコモで持つスキームを、今期限定で運用する考えを示した。今年度はおおむね100億円規模の開発費をドコモ側で負担する。

このニュースは一般向けには「良いニュース」だと報じられていると思います。

・携帯の開発で困っているメーカをドコモが助けてあげる
・消費者は携帯電話を安く買えるようになるかもしれない

順番が前後しますが、この記事でも安くなるかもしれないという事が書かれています。

この開発費の援助は、国内・国外のメーカーを問わず行う方針だ。これによって、端末の調達費が安くなるため、ユーザーに販売する端末の価格も安くなる見通し。

たぶんドコモ自身が「安くなる見込みです」と言ったのだと思います。

ただ、ドコモが負担しようと携帯端末メーカが負担しようと、その源をたどってゆくと結局はユーザの支払う料金で、従来と同じ開発が行われる限りは同じコストがかかるわけで、最終的な負担額は変わらない気もしませんか?説明もなしに安くなると思い込んではいけません。

実質的には、まずはドコモによる端末メーカの救済の側面があるのではないかと思います。端末開発から撤退するメーカがまた出たら困るのでしょう。

#もしかすると具体的にどこかが撤退しそうになっていての話かもしれない


◆「知的財産権をドコモが頂きます」という意味

この話は支援をして終わりではありませんでした。支援する代わりにドコモは対価として「知的財産権」をもらう事になっています。

知的財産権とは何かというと特許とか著作権のことで、今回の話では主に「ソフトウェアの著作権」(の一部)がドコモの手に渡る事になるのではないかと思われます。

端末開発費の一部をドコモが負担し、その知的財産権をドコモで持つスキーム

端末メーカがドコモ向けだけに開発をしている分には、さしたる問題は発生しないのではないかと思います。

しかし、ドコモが権利を持つわけですから、ドコモからの支援を受けて開発した端末を他キャリア向けに流用しようと思ったときにドコモの権利に抵触してしまうことが起こりうることになります。

つまり例えば、ドコモから支援を受けて作ったドコモ向け端末をソフトバンク向けに作りなおしたりするのが難しくなると予想されます。

結果的に「ドコモが携帯端末メーカを囲い込んでしまう」結果になる可能性があります。


◆しかし、前向きな意義も相当にあるかもしれない

ただし、「建設的」な意義もありまして、

 「ドコモのサービスに対応してもらうために、端末メーカーにお願いするソフトウェアの開発費用をドコモが資産として買い取るイメージになる。知的財産はドコモが確保するので、将来的にはオペレーターパックなどに組み込みやすくなるのという側面もあると考えている」(山田氏)

ドコモが権利を持っているソフトウェアを、ドコモ向け端末メーカで共有するものにしたり、世界共通の携帯プラットフォームと組み合わせて使うものにしたりすることもできるようになります。

これらは端末のコストを下げたり、日本の携帯端末市場と世界の携帯端末市場の壁を低くするような良い効果もあります。

前者については、A社が開発したソフトウェアがドコモのものになり、ドコモ経由でB社やC社の端末開発でも活用されるようなパターンです。ドコモがどうするのかわかりませんが、もしかするとA社にも利用料収入があるようにするかもしれません。そうすればみんな幸せかもしれません。

後者については、現在話題になっている「世界共通の携帯プラットフォーム」の日本市場固有モジュールにするという話です。

現在ドコモの携帯は、SymbianベースとLinuxベースでの開発がされていますが、両方とも「世界的な陣営」があります。

・Symbian陣営(Nokiaなど)
・LiMo陣営(ドコモ、ボーダフォン、NEC、パナソニックなど)

それぞれ世界共通の携帯電話開発プラットフォームを目指しており、ドコモ向けの携帯を開発する場合には、これらのプラットフォームに「ドコモ向けモジュール」を追加して開発出来るように計画されています。

ドコモが権利を持っているソフトウェアを「ドコモ向けモジュール」にすることも検討されていると思われます。記事での「オペレーターパック」とはこういうもののことです。

もしかするとドコモは後から振り返ると「日本にとってものすごく重要な一歩を踏み出した」可能性もあります。


◆しかし再利用って簡単じゃないんですよ

しかし、どうにも悪い予感もします。というのもソフトウェアの再利用というのは難しいからです。

コストダウンとかいう話になると、すぐに「再利用の話」が出てきます。ですが、実際にソフトウェアの再利用を行おうとすると、あまり上手く行かないことが多いのです。

「失敗」になりにくいのはこういうパターンでしょうか、

・ソフトウェアの再利用ではなくて、製品ごと再利用する
・最初から再利用を意識して製品と関係なしに作る

前者は使いまわしとか焼き直しをするということです。これはすでに多用されています。「既存の機種によく似た新機種だなあ」というのはこの方法が取られた結果です。

ただそもそもこの方法だと、開発チームごと使いまわさないとどうにもならないはずですが・・

とりあえず、具体的な端末向けに作られたソフトウェアの一部を、他社の別の目的にリサイクルするのは難しい(そうやって「安くなったなあ」というようにするのは)はずです。

後者は、最初から「あちこちで使われる」事を目的として製品から独立した部品を作る方法です。ただし、普通に一つの端末向けに作るのに比べてかなりのコストはかかりますし、最終製品に特化して作られるわけではないため、よっぽど上手く作らないと不満が出やすい感じになります。つまりAUのKCP+の状態。

共通プラットフォームに思いっきり具体的機能の大半を詰め込んではどうかという発想もあるとおもうのですが、それは何かというと「そういうのをスマートフォンと呼ぶんじゃないのかね?」という事になるのではないかと思います。

というわけで注意しないと、
・ドコモは役に立たない権利をもらっただけ
・開発したメーカはドコモ向け以外への流用が出来なくなる
ということになるかもしれません。

#「そうなるに決まってるだろ」と思っている人も、多そう

ただそうなっても、「端末メーカの囲い込み」には成功するので、ドコモにとって無意味ではありません。

他陣営を日干しにするのが本音ならば、「あらら上手く行かないけどもうちょっとがんばってみますよ」とか言っていても問題なさそうです。

ただし、もし再利用の方向で上手く話が進んで行けば、ものすごく重要な変化の最初の一歩となるかもしれません。

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547 インテルが「アメリカのWiMAX」がピンチである事を認める発言

インテルが、アメリカでのWiMAXの将来性を悲観している、というニュースです。


◆インテル:WiMAX事業の主軸は米国外市場へ - 将来性を悲観

まずは引用。

ワイマックス事業の主軸は米国外市場へ~インテル、米市場の将来性を悲観
http://www.usfl.com/Daily/News/09/02/0212_035.asp?id=67541

インテルは、広帯域無線通信規格ワイマックス(WiMax)の普及促進努力を米国市場から国外市場に移している実情を明らかにした。

インフォメイション・ウィーク誌によると、バルセロナで開かれるモービル・ワールド・コングレス(Mobile World Congress)を1週間以内に控え、インテルは、ワイマックスの現状について記者説明会を開き、米国内ワイマックス市場の成長見込みが弱いことから、活動の重点を国外に移行せざるを得ないことを強調した。

インテルが「アメリカでのWiMAXは厳しい状況である」ということを認める発言をしてしまいました。

「成長見込みが弱い」という表現になっていて次世代戦争で敗北したとは言っていないので、LTEに勝てないと悟ったか、次世代市場自体がダメだと思ったかのどちらかということになります。

アメリカ以外に注力するとの事ですが、アメリカ以外というのは具体的には、

インテルのショーン・マローニー販促担当上級副社長によると、日本とインド、ロシア、韓国、および欧米とアフリカ諸国では、第4世代の無線通信サービスの敷設が急速で進められており、広帯域インターネット無線接続が「世界的な議題」になっているが、米国内ではそれほどの動向にまだ発展していない。

面白いと思ったのはインテルも「世界の流れは次世代なのに(「世界的な議題」)、アメリカは遅れているのだ」と、まるで「日本が取り残される」式の言い訳をしているところです。

具体的な国としては、日本・インド・ロシア・韓国・欧米?・アフリカが挙げられています。これらの国で「敷設が急速で進められて」いるのかどうかは実に怪しいところですが。

日本のWiMAXにはインテルが最後の希望をかけているかもしれません。インドやロシアは、新興国が「楽な方法」で「広帯域インターネット無線接続」を整備しようとするところに期待しているのだと思います。韓国はWiMAXバブルの片棒を担いでいるので候補にあるのでしょう。アフリカについては、途上国作戦のことでしょう。

またなぜか台湾の名前が出てきません。確かに台湾でのモバイルWiMAXの状況はよろしくないようですが。また当然のごとく、国家ぐるみで採用を拒否している中国の名前は出てきません。

例えば、固定のWiMAXはまともな固定電話網どころか電源すら無いような途上国に簡易にブロードバンドを整備する方法として売り込む意図があります。アフリカの名前が出てきているのはそういうことです。

インドやロシアについても、既存の(無線)インフラ整備が出来ていない国では、安上がりのWiMAXがLTE等よりも有利なはずだと思っているという事です。

WiMAX方面からは、先進国ではなく新興国や途上国ではWiMAXが導入コスト面で有利であるという発言が出てくるようになっています。次世代の勝者を名乗るのを止めて、ニッチへ撤退したともとれます。

ただしLTEもコストが安くなるといっており、GSM+WiMAXの組み合わせと同じようにして、GSM+LTEの組み合わせも可能です。WiMAXで音声も取り扱うのは難しいですが、LTEでは問題ありません。つまり、途上国についても無条件で安泰ではありません。

実際、GSM+LTEな基地局はあちこちで作られつつあります。なにしろWiMAX陣営の重要メンバだったはずのモトローラですら、「GSM+LTEな基地局」の開発をしているくらいです。

なお、記者はWiMAXはヤバイと思って記事を書いているようで、続いてこうあります。

先月破産申告したノーテル・ネットワークスも、ワイマックス事業から撤退し、基地局を提供するアルバリオン(Alvarion)との提携を解消した。ノーテルは今後、LTE(Long Term Evolution)技術に特化した事業に傾注すると表明している。LTEは、UMTS方式の携帯電話通信網を第4世代にアップグレードするものだ。

さらに、ここ数週間の間に、インテルとグーグル、タイム・ワーナーは、米国内のワイマックス通信網構築を手がけるクリアワイヤーへの投資損失を計上しており、先行き不透明感は強まるばかりだ。インテルだけでもその額は10億ドルと言われる。

ノーテルがモバイルWiMAXから脱落してLTEに専念する事を表明した件と(ブログにも書きました)、アメリカでのWiMAXそのものである「クリアワイヤー」の状態が思わしくないことが書かれています。ちなみにクリアワイヤーが仮に消滅したら、北米のWiMAXが文字通りに終わります。

そして記事は、意外な形で締めくくられます。

マローニー氏は会見の席上、特に日本での試みを取り上げ、2012年までにはワイマックスが世界主要市場で実用化されるだろうと説明した。

この記事は取材場所がアメリカで、アメリカ向けの記事(インフォメイション・ウィーク誌)ですから、日本へのリップサービスでこういうことが書かれているわけではありません。

インテルは、UQコミュニケーションズのモバイルWiMAXに最後の期待をかけているのだと思います。

数年前までは日本が世界の流れに乗り遅れるなんて騒いでいた人がいましたが、いつの間にか日本は、インテルが日本を強調しなければならないほどの存在になってしまったというわけです。ただし、悪い意味でですが。

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今週の投票:モバイルWiMAX、どれくらい速度が出ると思いますか?

今週は「モバイルWiMAXの速度の予想」をしてみたいと思います。

「屋外の電波の良さげな場所でどれくらいの速度が出そうか」で予想値をお答えください。投票結果は投票を済ませると見ることが出来ます。

なお、後で「自分の予言が当たった」とか言い張りたい人は、コメント欄にて予言を残しておいてください。

「日中に普通に使ってて時々体感できる速度」でお願いします。基地局に張り付くみたいな事は無しで。

また、屋内の速度低下加減を考えると話が難しくなりそうなので、こちらも考慮外とすることにします。気になる人が多かったら、別の機会に予想をしてみる事にします。

なおブログ主は投票せずであります(そういう設定にしております)。

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投票結果:ソフトバンクがイーモバイルから回線を借りる話、どう思いますか?

「今週の投票」の投票結果です。


◆結果発表

意味無い気がしますが、テキストと結果そのものを張ってみたいと思います。

集計結果
・「責務放棄である」「認められるべきではない」(MVNO協議会):67票 (57%)
・「不当という意味が理解できない」(孫社長):20票 (17%)
・責務放棄だと思うが、実施はして欲しい:30票 (25%)


◆感想とか

皆様、投票ありがとうございました。

過半数の人が「よろしくない」と判断なさったようですね、過半数を超えました。次に多かったのは、確かに反則技だと思うけれど、実施はして欲しいという意見でした。

投票をはじめてしまった後、某ソフトバンクユーザから「ただ情けないと思う」、「PC定額に払われたお金が、ソフトバンクのインフラ強化ではなくイーモバイルのインフラ強化に使われるのが悲しい」という意見を頂きました。

選択肢には入れ(られ)なかったのですが、気持ちは良くわかるなあと思いました。

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ウィルコムの「お金を増やしません」の件についての仮投稿

何だかよくわかってないところもあるのですが、とりあえず投稿します。

必要ならば後でまた別に投稿。

「何時になったら私は帰れるんですか」の後の土曜日なので、ゆるい記事をポストしてから昼間から寝ようと思っていたのですが、面倒な話題をまず先に処理しましょうか。


◆カーライルがウィルコムのお金を増やすのを諦めるとか

まず元のニュースを引用して、それからこれまでの経緯を整理して、という感じにしたいと思います。

〔話題株〕 米カーライル[CYL.UL]がウィルコムの増資計画を撤回、ドコモ<9437.T>の回線使用で投資抑制
http://jp.reuters.com/article/domesticEquities/idJPnTK023319920090212

[東京 13日 ロイター] 米投資ファンドのカーライル[CYL.UL]が、投資先の通信会社ウィルコム(東京都港区)の増資計画を撤回するとともに、設備投資を抑制をするためNTTドコモ(9437.T: 株価, ニュース, レポート)のネットワーク回線を使用する戦略に転換することが分かった。関係筋が12日、ロイターに明らかにした。

ウィルコムは新たなスポンサーに新株を発行して資金を調達し、高速通信を可能にする次世代PHSの導入に振り向ける計画だった。昨年増資の財務アドバイザー(FA)にメリルリンチMER.Nを起用し、割当先となるファンドの選定などを行なっていた。しかし、割当先が見つからず、当面はドコモのネットワークを使うことで設備投資を大幅に抑制する方針に切り替えた。

元のニュースはこういうことを言っています。
・ウィルコムの増資計画はやめました
・ドコモの回線を借りる戦略にした

増資計画とは
・新たな出資者を見つけて「新株」を発行する
・メリルリンチに探してもらっていた

で、新たな出資者がみつからなかったので、増資計画は諦めますというニュース。

「新たな出資者」に「新株」、つまり新たにお金を出してもらう話だったのですが、引き受けるところが見つかりませんでしたということです。この話が始まったのはまだ世界が好景気だった2008年の8月の事で、その後の不景気襲来が計算に入っていなかったこともあると思われます。

また、新たな投資の話ですからカーライルが株を他所に渡す話ではないです。とりあえずこのニュースについては。


◆これまでの経緯

まず、これまでの経緯を整理してみます。

ウィルコムの株主がどうなっているかについて。

・カーライル 60%
・京セラ 30%
・KDDI 10%
また、KDDIは京セラの子会社。

会社の意思決定はまずは多数決なのでカーライルの意見が通ります。しかし、重要な事については33%以上の反対で決定を取り消しに出来るので、カーライルは過半数を持っているからといって、重要な事については京セラの意思に反することが出来ません。

つまり経営はカーライルが行うが、京セラが拒否権を持っているような状態です。

また、カーライル(やカーライル関係)が新たな出資をして66%よりも増えると、京セラの拒否権が無くなるので京セラが反対します。よってお金を新しく用意するには手間がかかる状態になっています。

ウィルコムは連続で赤字決算にしないとかの条件の代わりに、低い金利でお金を借りているとかで、借金でお金を調達するとそちらの条件でクリアが難しいことがあるんじゃないかと思われます。

お金を追加で用意するのがちょっと面倒な状況です。

次に、

2.5GHz帯の免許をもらう時点での次世代PHSの事業計画では、「自前の資金だけで済ませる」話になっていました。新たな出資者も新たな借金も無しで。

当然に免許取りの競争ですから、なるべく「良い内容」の計画書にするようにはしたはずです(全陣営が)。

ウィルコムについて総務省は「お金の面では大変良い計画である」(四候補のうち一番良い)という判定をしました。総務省はアイピーモバイルの失敗があったので、審査での再度の失敗が無いように注意もなされていました。

実際に「大変良い」のかどうかはともかく、審査なんてあてにならないとしても「とりあえずは大丈夫じゃないの」程度にはなっているのではないかと。

逆に、基地局や端末の開発が間に合うかどうかについては、サービスインの予定まで時間が無さ過ぎるので大丈夫なのかなと思っておりました。完成したものがどの程度のものかはともかく、なんとか開発は間に合ったようですが、こちらは今でもどうかなと思っています。

次に、

2008年8月にカーライルが「次世代PHSの計画を前倒しするため」に増資を計画している発表をします、今回「なし」になったのはこの計画です。増資は当初の事業計画には入っていません。

・公式:提出した計画より前倒しでエリア展開したい(そうしないと、競合他社に勝てない?)
・もしかすると:ウィルコムの儲けが予定より減っていて、追加でお金が必要になった
・もしかすると:予定以上にエリア整備に予算が必要になった(次世代PHSの基地局単価が高くなったなど)

免許の時とこの時の違いは、世界にLTE風が吹きはじめたことと、3.5世代でのPC定額が一般化したことでした。私は、急がないといけないと思ったのではないかと解釈しました。現に、モバイルWiMAXは試験サービスの予定をどんどん前倒ししています。

また、この時点では世界はまだ好景気でした。

次に、

今回の件ですが、2008年8月の件についてカーライルが諦めたという一部報道です。8月の件とつなぎ合わせると、

・前倒しのために新規でお金を集めるのを諦めた
・その代わりにドコモのMVNO

増資は「整備の前倒しのため」で、その代わりに「ドコモのMVNO」が出てきたわけですから、おそらく、

・総務省へ提出した計画でのエリア展開の速度では、競合他社に勝てない
・新たにお金を用意したいが、お金を用意する手段が限られる
・お金を出してくれるところが見つからなかった
・ドコモからMVNOすれば、エリア展開を早くしたのと似た効果が得られる

イーモバイルがドコモから回線を借りているのと似た状況ということになります。

懸念されているのは8月の話が、
・予想以上に手持ちのお金が減った or 予想以上にエリア整備にお金がかかりそう
・計画を遅らせてドコモからMVNOしよう
という解釈ではないかと。

また8月以降に、
・ウィルコムとは関係なく、景気減速でカーライル自身が現金に戻せるものは戻したい
という観測もあるのだと思いますが、今回の件については「新規の出資」を求めていたが、という話。またそもそも、カーライルは京セラが賛成しないことはできないという条件もつきます。


◆急がないといけない?

ここも八本槍に置き換わっていたのか、ということが最近でもあります。ウィルコムは現行PHSの八本槍への置き換えは続けているようです。個人的には、今基地局を更新する予算を使う代わりにもうちょっと待って一気に次世代にしてくれないかなあ、と思っていたりしました。一応、予定のとおりの予算はあるのかなあと。

モバイルWiMAXがエリア展開を急いでいますが、これと同じ事情がウィルコムにもあるはずです。また、モバイルWiMAXが前倒しすること自体が、次世代PHSへの前倒しのプレッシャーになるはずです。

お金が予定より足りないのなら補充すれば済むわけですが、時間の遅れは補充が出来ません。しかも、技術開発がスケジュール的に厳しい状態です。

よって、8月の話が予算の補充だったならまだ良いと思うのですが、時間の問題でそれが今回ドコモから回線を借りる話に置き換わったのなら、ちょっとよろしくないなと。

お金不足については、実際にサービスを動かせば解消するかもしれません。

10月までの試験サービス中に、次世代PHSの良い点を理解できるようなサービス(が出来る事)を示せば、あるいはそこまでしなくても「品質は謎でも、メガクラスの通信は提供可能」でであることを示せば、説得力が出るはずです。この程度は、現状完成している基地局が不完全なものだったとしても可能なはずです。

ではなくて、短期間でエリア拡大をせねばならないのだとすれば(例えばモバイルWiMAXと同じように)、春から全力でエリア展開せねばなりません。今の時点で準備が出来ている必要があります。が、そうではないのではないかなと。

お金の不足ならば、10月までの試験サービス(あるいは実質的にはもうちょっと先まで)でのアピールにがんばっていただきましょう。それでダメなら駄目と言う事で。

時間の問題ならば、ともかくも初期はドコモの回線を借りてエリア整備前倒しの代わりをせざるを得ないかもしれません。今の時点で前倒しの準備が出来ていないのならば。

イーモバイルも長い間エリア面で苦しんでいましたから、エリア展開が遅いと同じような事になるのかもしれません。イーモバイルの場合には競合は居ませんでしたが、今回は競合が沢山居ますから。

ドコモから回線を借りる場合には地方のエリア展開の遅れをカバーすると共に、W-OAM基地局を導入したのと同じ方法で高トラフィック地点から次世代PHSの基地局を配置することになるのではないかと思われます。そういうわけで「設備投資を抑えられる」ということではないかと。

もしドコモから借りられない場合には、現行PHSの8x(800kbps)との組み合わせで同じような事をするのではないかと思います。

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548 「劣化ケータイ」としてのスマートフォンが登場するかもしれない

現在、スマートフォンと言えば高級品なイメージですが、逆のイメージのスマートフォンが出来るのではないかという話。


◆今までのスマートフォン、とは違うスマートフォン

今までのスマートフォンは、(ちょっといい加減な説明ですが)普通の携帯電話を超える高機能な端末とでも言うような位置付けでした。

高機能で難しくて、端末の値段も高くて料金コースも高くて詳しい人が使っているようなイメージです。

おそらくこれからも「このイメージで売られる何か」は残る事になると思いますが、スマートフォンには別の流れが生まれる事になるのではないかとも思っています。

ここしばらくスマートフォンへの新規参入の新しい話が出てきています。台湾のAcerがスマートフォンを発表すると発売したり、DELLがスマートフォンを発表するのではないかという噂などです。

実態がどうだったかはともかく、これまではスマートフォンはスペシャル感のある存在でしたが、AcerやDELLはスペシャル感のあるものを製造するメーカではありません。そこそこのものを安価に大量生産するメーカのイメージがあります。

AcerやDELLが最初に発売するスマートフォンがどういうものかは解りませんが、スマートフォン市場での戦いが進むにつれ、彼らは「他社よりも凄いものが作れる」という戦い方を選ぶのではなく、「世界市場の平均的要求のもので、十分な性能のもので、圧倒的に安い」というところで他社を圧倒して追い出そうとするはずです。

そういうスマートフォンは、とりあえず商売としてはスペシャル感のあるものではありません。


◆しょうがないからスマートフォン

妙にレベルの高い日本市場からすると、B級なスマートフォンが低価格で供給されている状態になるのではないかと思われます。

ので、「お金が無いからスマートフォンにしとくか、不便だけど」という、今ではよくわかんないことが起こるかもしれません。

実はイーモバイルのスマートフォンはこれの先駆けであるとも言えます、日本から調達するかわりに「しょうがないからスマートフォン」を提供しているとみなす事も出来るからです。

端末開発力の無い携帯キャリアは、
・世界量産型のB級スマートフォンを調達する
・日本向けにカスタマイズして、できるだけケータイの代わりになるようにする
そして売られた後も、
・利用者がスマートフォンとして使わないことの方が多い
というようなものを売られるようになるかもしれません。

つまり、安く買ってきたスマートフォンがベースで結果的に「劣化ケータイ」になっている携帯電話機の登場です。

「スマートフォンベースのものが、今の成熟したケータイを追い越してしまい、スマートフォンしか残らない」という予想もありますし、最終的にはそうなるかもしれません。ただし、もしそうなるとしてもしばらく時間がかかるはずです。また、その場合でもケータイ側との相互の融合が起こるはずです。

すでにオープンプラットフォーム上でのケータイ開発は進みつつありますから、全てが「スマートフォンのささいな差異」に吸収されて消えてしまう前に、一度別の次元の戦いに移行してからのことになるでしょう。もしかしたらドコモはその変化にも備えているような気もします。


◆なんちゃってケータイ

巨人ドコモはなんでもかんでも自分で作っていますし、それだけの力もあります。AUはまだ難渋が続いているとは言え、独自のケータイ向けのプラットフォームを辛抱強く成熟させつつあります(KCP+)。

イーモバイルとウィルコムは、そもそもドコモとAUとの端末面での正面競争はしていないので、最初からあまり問題ではありません。

ただしソフトバンクはドコモやAUと正面から渡り合えるような機種が必要であり、なおかつケータイ端末開発が難儀するのに困っているはずです。

すでにほとんど同じ機種を何回も使いまわしたり、多色展開して工夫したりはしていますが、そういうことばかりでは持たないはずです。高機能化で追いつく必要があるからです。

ですが、ソフトバンクにはドコモのような資金力もなければ、AUのKCP+のようなものもありません。ソフトバンクの余裕が無いのは基地局網整備だけではないのです、端末開発の基礎体力でもライバル二社から引き離されつつあります。

また困った事に、基地局網についてはMVNOでごまかせたとしても、端末については他キャリア向け端末の流用が難しくなるはずです。ドコモは自社向け端末を囲い込もうとしているようですし、まさかKCP+で作ったケータイをソフトバンクが採用するわけには行きません。

そうなるとソフトバンクが最初に、スマートフォンベースやスマートフォンベースのOSをベースにした、いわば「なんちゃってケータイ」に手を出さざるを得なくなる可能性もあります。

ただし、孫社長は自らがiPhone利用者のようですし、インターネットマシンと言っていたのもソフトバンクですから、「なんちゃってケータイ」で何ら問題はないのかもしれませんが。

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549 2009年はスマートフォン普及の年、という話がありますが・・

「2009年はスマートフォンが普及する年になる」と言っている人がいますが、まあ本当なんだろうかというような事。


◆「2009年はスマートフォンが普及する年になる」、と言っている人がいますが

まず最初に書いておきますと、私はスマートフォンみたいなのに個人的には好意的です。フルブラウザが出てきたときにもとても喜びましたし。実際に流行るのならそれは歓迎したいです。

ですから以下は、私ないしはこのブログを読んでいる人たちではなくて、世間一般の話だと思ってください。

2009年はスマートフォンが普及する年になるとか、0円スマートフォンが登場して売れる年になる、というような予想?を昨年末から何回か聞きます。どっち方面から聞こえてくるかというと、マーケット何とかの方面。

そういう発言が聞かれる気持ちはわからなくも無いです。2008年はiPhoneが大層な話題になりましたし、携帯のプラットフォーム系の「カッコイイ話題」もよく聞かれるようになりました。機種も沢山投入されることになっています。市場が盛り上がるので、市場の制圧を狙って0円スマートフォンも登場します、と。


◆iPhoneからどっちに行くのか

おそらくiPhoneのブームをどう見ているかによるのだとおもいます。

まず最初、iPhoneは携帯電話自体を革命する存在だとかで話題にされていましたが、今やスマートフォンでの成功例ということになっています。いつの間にか話が小さくなっています。

スマートフォンとなると二台持ちの話題がどうしても出てきます。二台持ちの話題はいろいろ言われていますが、結局はこういうことなのではないかと思うわけです。

・スマートフォンを愛しており、ケータイはそうでもない:スマートフォンに機種変しても大丈夫な人
・ケータイを愛しており、スマートフォンはそうでもない:スマートフォンに機種変して後悔する人
・スマートフォンを愛しており、ケータイも愛している:二台持ち

これはW-Zero3が出たときからあまり変わってなかったりします。iPhoneについても結局はケータイの代わりにはならないというのが世間の結論だったように思います。だから、iPhoneを無理に持ち上げようとすると、ケータイ自体の否定を宣言するか、ケータイの存在自体が見えなくなるほどiPhoneへの愛を語らざるを得ないのではないかと。

iPhoneだと話が面倒になりそうならば、WindowsMobileというかWILLCOMのアドエスあたりで考えてみれば解りやすいはず。

またiPhoneには、Appleのブランドや話題性、よく練られたUI、iPodと兼ねているという点(あるいは「そう思うことが出来た」こと)もありましたから、普通のスマートフォンよりもケータイを我慢しやすい素養はありました。

でもスマートフォンとしては評価されていても、ケータイとしてのiPhoneは成功しているとは言えないでしょう。

「これからスマートフォンが流行る」という意見はiPhoneを足がかりにして「さらに先に行く」という話なのではないかと思います。

しかしスマートフォンが「さらに先に行く」ために乗り越えるべきものを、iPhoneですら突破に失敗してしまったというのが「2008年の結論」だという考え方も出来ます。


◆Android

次に登場時に話題になりそうなものは、GoogleのAndroidです。ですが、すでに書いたような意味でiPhoneを超えられそうな素養はなかなか見当たりません。他のWindowsMobileスマートフォンにしても同じです。

iPhoneは「スマートフォン」というものがあることを世の中に広く知らしめました。よってスマートフォンを買う可能性のある人を掘り起こしはしました。しかし、ケータイの代わりになる事には成功したと言えず、ケータイを諦めさせることも難しい事も解りました。

iPhoneが扉を開いたのも事実ながら、iPhoneが同時に限界があることを証明したのではないかと思います。

つまり、ブームの次は更なるブームとは限らないのではないか、と。

ひろゆきさんの「ちゃんと使ってるの? 不便だよ」を思い出したりもします。

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550 iPhoneで中国移動(TD-SCDMA)が交渉決裂?、これまでの交渉の詳細も

TD-SCDMAでおなじみの中国移動が、iPhoneをめぐる交渉でAppleと決裂したというニュースが出ています。また、交渉の詳細も明らかにされていて興味深い感じです。

結果的に同じ話題が続いてしまいますが、そこはお許しください。


◆中国移動とApple(iPhone)が交渉決裂?

中国での「iPhone」販売、中国移動とアップルの交渉決裂か
http://www.recordchina.co.jp/group/g28457.html

2009年2月10日、中国の通信キャリア大手、中国移動の関係者はこのほど、中国での「iPhone」販売に向け米アップルと進めてきた協議が決裂したことを明らかにした。アプリケーションの販売権を巡り、双方の折り合いがつかなかったという。10日付新浪網がロシアの通信社インテルファクスを引用して伝えた。

前回投稿した記事は、中国のW-CDMA陣営のキャリアからiPhoneが発売されるのではないかという話に就いてでしたが、今回の記事はTD-SCDMA陣営との交渉が終わったのではないかというニュース、というより噂。

TD-SCDMA陣営とは中国移動の事で、中国移動とは世界最大の携帯電話会社のこと。確かに以前(中国で電話会社が再編される前)から、中国移動とAppleの交渉が続いているという話がありました。

同関係者によれば、中国移動の王建宙・最高経営責任者(CEO)は中国でのiPhone販売の可能性について、アップルと1年半をかけて3回交渉を行った。

以下は、その交渉の内容についてです。Appleは携帯電話キャリアに無茶な条件を飲ませようとして交渉決裂になったりしているという話がありますが、そういう感じになっています。

ちなみに、Apple以外の普通の電話機メーカーは基本的に電話機を売りに来るだけで、条件をつけたりしません。

1回目の交渉でアップルは、中国移動のiPhoneの売り上げの20-30%を支払うよう要求したが、中国移動がこれに難色を示し決裂。
このためアップル社は2回目の交渉で、インセンティブ方式を提案。iPhone端末を600米ドルの単価で中国移動に売り渡し、中国移動が端末販売店にインセンティブ(報奨金)を支払うよう求めたが、これも合意に達しなかった
3回目の交渉では、アップルがiPhoneのアプリケーションを顧客に直接オンライン販売することを要求。しかし中国移動が「国内の携帯電話インターネットサービス市場における地位が脅かされる」としてこれを拒み、交渉は決裂に終わった模様。

もしかすると他国の携帯電話会社が飲んでいる条件よりも穏やかなものに思えますが、中国移動は中国市場で圧倒的存在であることを考えると、結構無理を言っているともいえます。

記事では三回になっていますが、記事での一回目が初代iPhoneでの交渉条件の一部で、記事での二回目と三回目はiPhone 3Gでの交渉で同時に提示されていたように見えたりします。

「iPhone端末を600米ドルの単価で中国移動に売り渡し」というのは、ジョブス師匠がプレゼンで199ドルと表示したけれども、日米共にインセをカウントすると最低でも6~7万円くらいになるという現象とも一致します。

ソフトバンクにも600ドルで卸されていて、そこに販売コストが乗っかっていると考えると、端末では赤字な気もします。


◆1位ではないキャリアからiPhoneが出る現象

いろんな条件を飲ませようとする結果だと思いますが、iPhoneはその国のナンバーワンではない電話会社から発売される傾向もあります。日本でもドコモではなくてソフトバンクから発売されています。

GSMが使われている中国では、初代iPhoneの時点で中国での発売は可能でした、しかしずっと交渉中であると言われつづけたまま、結局発売はされていないままです。

Appleとしては、条件面で譲歩するくらいなら発売されなくても良い、ということなのでしょう。ただし、中国はもう知らん、というわけにも行かないので、散発的に交渉は続いていたのだと思われます。

おそらく交渉決裂の話が出てきたのは、すでに書いたようにW-CDMA陣営との交渉が進んでいるからではないかと思われます。

このままだと中国でも「1位ではないキャリア」から発売される事になりそうですね。

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551 中国:W-CDMA陣営がiPhone発売、一方でTD-SCDMAケータイは探しても買えない

中国でiPhoneの発売が決まりそうだという話と、国策でやっているはずのTD-SCDMAが何か変かもしれないという話。


◆iPhoneの中国での発売が決まったという噂

注意しないといけないのは、前から出るとか出ないとかいう噂はあったけれど、実際には発売されていないということ。ただし、今回は本当に発売されそうな感じのようです。

【中国】iPhone、中国聨通から五月に発売か
http://japan.internet.com/allnet/20090210/26.html

2月10日、中国国内メディア「鳳凰伝媒」は、Apple 製携帯電話「iPhone」が中国連通(チャイナ・ユニコム)より発売される可能性があると報じた。

「中国連通(チャイナ・ユニコム)」というのは、私が前から自分ルールで「グループ3」と呼んでいた、中国大陸のW-CDMA陣営の事です。

GSM/W-CDMAに対応したiPhoneが、中国大陸のGSM/W-CDMAキャリアから登場するというのは自然な展開です。

同メディアによれば、新聨通再編にともない、中国聨通社長、常小兵氏は「iPhone」発売に向けて、Apple との交渉チームを設立しており、早ければ WCDMA サービスを開始する5月17日に発売を合わせるとのこと。

噂によると(まあ噂なんですが)、W-CDMAのサービスインにあわせての投入になるのではないかという話。華々しい登場となるかもしれません。

ただし、その時点でのW-CDMA網は話にならない状態でしょうから、実際はGSMでの利用が主にになるとはみられます。

これまで iPhone は中国移動(チャイナ・モバイル)から発売されるとの見方が優勢だったが、利益分配、商業モデルで合意に至らず、未だ中国には正式導入されていない。

「中国移動(チャイナ・モバイル)」とは中国最大にして世界最大の携帯電話会社で、第3世代ではTD-SCDMAのところです。GSM/TD-SCDMAが彼らの方式。

ただし交渉が決裂したのは、Appleというかジョブス師匠との条件交渉で折り合いがつかなかったためとも言われており、この記事にもそういうことが書かれています。Appleとの交渉がうまく行っていない国があることとそのあたりの事情については、以前のiPhone関係の記事で説明したとおりです。

一方、個人輸入など非正規ルートからの iPhone 利用者は100万ユーザーを超えるとの報告も上がっている。

で、中国でiPhoneが使われていないのかというとそうではなくて、非正規ルートで上陸したiPhoneが大量に利用され中でもあります。このあたりはさすが中国です。

もしかすると、「正式に発売されなくてもあまり関係ない」可能性すらあります。

iPhone が聯通から正式に発売された場合、中国移動が進める 3G サービス、TD-SCDMA 最大の障壁となる。

この評価は過剰評価だと思うんですけどね。iPhoneの話題には良くある感じですけれども。日本でも別に戦略的な影響はありませんでしたから。


◆ただしこれは「最初の一歩」にすぎない

というわけでiPhone自体は大きな影響があるとは思わないわけですが、これは「最初の一歩」に過ぎないのではないかと思います。

何故にiPhoneがこのキャリアから正式に中国上陸を果たそうとしているかというと、それはこのキャリアが「世界標準のGSM/W-CDMA」のキャリアだからです。だから世界標準方式の端末を持って来れたわけです。

よってこれからどんどん世界市場から優れた端末が次々に投入される最初の一歩に過ぎないと思われます。同じように基地局についても世界市場から最新鋭で低価格の基地局が提供される事になるはずです。

またCDMA2000陣営も、同じような恩恵を受ける事が出来ます。北米や日本などと同じ方式だからです。北米のベライゾン向けに供給されている端末やAU向けの端末を中国に持ってくる事が出来ます。基地局もクアルコム自らの協力によって整備されてゆく事になります。


◆TD-SCDMA陣営

現時点では中国市場での勝者である中国移動ですが、TD-SCDMAについては自分で育ててゆかねばなりません。ライバル技術が完成の域にあるのに対し、まだ未完成でもあります。端末も中国向けに新たに調達しなければなりません。

ただし、他方式がまだサービスインしていないのに対し、TD-SCDMAについては試験サービスインしてからすでに結構経っています。

サービスインしているならば端末を買って試せるはずだということで、買ってみようとしたのが以下の記事です。

入手困難? 中国渾身の力作「TD-SCDMAケータイ」
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20090209/1023499/?P=1

TD-SCDMAケータイを買おうとして、上海(文句なしの中国の巨大都市)を歩き回ったけれども結局買えなかったという話です。

TD-SCDMAケータイを売っている(はずの)ショップについてみると、携帯の端末価格と同額のプリペイドポイント付きで売られているというとんでもない売られ方をしています。つまり、実質無料で売っていると。売ってない上に何かとんでもないバラマキ状態のような気もしてきます。

大丈夫かTD-SCDMA。どうも良い話がでてこないですね。

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「どこでもWi-Fi」の発売日が3月5日に延期

アメリカのアナログ地上波の停波延期に引き続いて(?)、「どこでもWi-Fi」の発売日も延期になるようです。


◆「どこでもWi-Fi」の発売日が3月5日に延期(好評につき増産させていただきます?)

まずは引用。

ウィルコム、「どこでもWi-Fi」の発売日を3月5日に変更
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0902/10/news062.html

ウィルコムは2月10日、「どこでもWi-Fi(WS024BF)」の発売日を、2月19日から3月5日に変更すると発表した。

どこでもWi-Fiは、W-SIMを内蔵した無線LANアクセスポイント。ニンテンドーDSやPSPなど無線LAN対応の携帯ゲーム機でネット対戦ができるなど、場所を選ばずに無線LAN機器を利用できるのが特徴。バッテリーは三洋電機製の単三形充電池「eneloop」を同梱しており、約1000回の繰り返し充電ができる。

ウィルコムは発売日を変更した理由を「想定以上の反響をいただき、増産の必要が生じたため」としている。

気が付いてみると本来の発売日がいつだったのかも覚えてなかったので、「3月5日に変更」は前倒しするのかと思ってしまいました。延期でした。

本来の発売日は2月19日だったのが、3月5日に延期されるそうです。二週間くらいの延期ですね。ウィルコム側によると、「想定以上の反響をいただき、増産の必要が生じたため」だそうです。

このブログも「反響」の一部になっていると思うわけで、私も延期の原因になってしまったのかもしれません。早く買いたかった皆さんすみません。

確かに思ったよりは話題になっているのだと思いますが、ネットで思ったより話題になっているからといって実際に売れるとは限らかったりするわけで、変に強気になって増産して在庫の山を作ったりしなければ良いのですが。

「どこでもWi-Fi」は商品として解りにくいところがありますから、場合によってはとことん売れないかもしれませんから。潜在的なお客さんは思ったよりもかなりいると思いますが、売れるようにするのは難しいんじゃないかと。

もしかしたら増産ではなくて、何か問題が見つかってバグ取りでもやっているのかなと思ったりもします。ただ、デモ機の貸し出しをやっていたりするので、まともに完成すらしていないような事は無いはずです。

もしかしたら同梱するW-SIMの方で何かやっているのかもしれません。typeG W-SIMとセットで登場するための延期だったら拍手ですが・・・


◆モバイルWiMAXとの前後関係が移動した件

発売延期によって、モバイルWiMAXの試験サービスインとの前後関係が変わりました。これまでの予定では2月19日に「どこでもWi-Fi」の発売→2月26日にモバイルWiMAXでしたが、モバイルWiMAXのすこし後になりました。

ターゲットとしている層がそもそも違うとは思いますが、話題としては埋もれてしまうかもしれません。そういう意味では2月19日といわずもっと早く発売しておけば良かったかもしれません。

また、蛇足かつ以前の主張の繰り返しですが、月々1980円で販売するのなら、980円+1000円で月額980円ということにすると良いと思います。あまり誠実な料金表示ではありませんが、今風の方法としては。

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552 アメリカでアナログ地上波の停波延期決定、次は「再延期があるかどうか」

前からの話題の続きです。

オバマさんが半ば公約にしていた「アナログ地上波の停波延期」ですが、下院を一度通過しないという混乱はあったものの、二度目で議会も通過したようです。

日本へ影響したり、世界のLTE化のスケジュールに影響する可能性のある話題です。


◆アメリカのアナログ地上波の停波は6月に延期されました

オバマさんが勝った時点で、ほとんど延期されることになっていたようなものでしたが、とうとう本当に延期されました。

米国議会がアナログ放送終了の延期法案を承認,デジタル完全移行は6月に
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090209/324415/

米国では2009年2月17日をもってアナログ放送を終了する予定だったが,これを6月12日まで延期する。同法案は米上院が1月29日に可決し,2月4日に米下院を通過。大統領が署名すれば成立する。Copps氏は,「全国的な2月17日の切り替えを実行できる準備が整っていないことは明らかだった」と述べている。

というわけでギリギリの通過となりました。本来の停波予定日は2009年2月17日で、二回目で議会を通過したのが2月9日。ギリギリに延期されたようなことにもなりました。

当然延期されると思っていた人にとってはもしかして2月17日を越えちゃったらどうしよう、と考えてしまうような直前で、知らなかった人には直前に何で延期されるんだという感じになりました。

そもそもギリギリな感じになってしまった原因は、当初の停派の予定と大統領選挙が変な感じで重なったためですが。

とりあえずこれでアナログ地上波は四ヵ月延命されます。そして同時に「停波後にLTEに使うはずだったのに」も4ヵ月延期になります。

また、「延期しなさい」という命令がなされたわけではなく「延期しても良い」というのが本当に決まった事で、

ただしテレビ局は,FCCの定めた手続きに従えば,2月17日以降,6月12日まで待たずにアナログ放送を打ち切ることができる。これまで期日の切り替えを目指して取り組んできた一部テレビ局にとっては,変更に対応するのが困難な可能性があり,その場合は柔軟に対処するよう議会はFCCに指示したという。

中国政府の命令っぷりとは随分違う感じです。国民の事情がありますので停波延期に協力していただくとありがたいですが、手順に従えば予定通りの停波も仕方ありません、という感じになっています。

しかし、政府からの圧力が無い代わりに消費者からの圧力はどうもあるようです。予定通りに停波してしまうと消費者の反発を受けたり視聴者離れを招くような状況のようで、お上が「延期しなくてもいいですよ」と言ったところで、実際には選べるような感じではないようです。

一般人の事情が放送局を動かしているという事で、一応は民主的ではあるんでしょうか?

米政府はデジタル移行支援策として,デジタル-アナログ変換装置1台購入につき40ドルを援助するクーポンを昨年より支給してきた(関連記事:米商務省,アナログ放送終了に向けデジ-アナ変換機1台あたり40ドル援助)が,まだ200万世帯以上がクーポンの配布を待っている状態だという。

「200万世帯」とありますが、ニールセンの調査では650万以上となっていました。

クーポンが何故滞っているかというと、まずは単に予算切れだそうです。

そしてクーポンを配ったらそれで済むのかというと、停波が先行実施されたハワイではいろいろな混乱が生じているようですから、配れば全て解決するような問題でも無いようです。


◆再延期の可能性は無くは無い

今のところ、この4ヵ月でクーポンを配って解決するつもりで作業を進めるようですが、相手は650万もの人でして、そう簡単に解決するとは限りません。どうも再延期される可能性はあるにはあるようです。

アメリカのアナログ地上波が停波した700MHzの帯跡地は、携帯電話で利用されることになっていて、世界初の本格的なLTE(次世代)のサービスインはアメリカの700MHz帯からになるのではないかとも言われていました。もし大幅に遅れてしまうと他国の計画に影響が出てくる事も考えられます。

他国より先行したくないドコモや、アメリカと同じ「CDMA2000+LTE」の次世代に相乗りしようと思っているAUにも影響があると思われます。

また、日本のアナログ地上波の停波問題にも影響するでしょう。

もし2010年の正月になっても停波延期のままだった場合には、いろんな予定が変わっているような気がします。

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553 中国のMP3プレーヤは、「進化」して「MP7プレーヤ」に

笑い話をもとに、新しい話題に挑戦してみる記事です。


◆中国で「MP7プレーヤ」が発明されました

中国では、MP3プレーヤが独自の進化を続け、とうとう「MP7プレーヤ」に到達なさったようです。

世界の工場中国、ついに「MP7プレーヤ」に到達
http://japanese.engadget.com/2009/02/07/mp7-china/

昨年のCESで発見されたのはMP5プレーヤでしたが、日々進歩する世界の工場はMP6プレーヤを開発。そして2009年、人類はついにMP7プレーヤに到達しました。「動画対応プレーヤ」的な意味の「MP4」から定義が曖昧な「MP5」へと進んだ時点で予測された未来ではありますが、MP5とMP6はそもそも存在しないので看過するとしても、今回のMP7(MPEG-7)は実在しているので困り者です。仮に世界初のMP7「プレーヤ」だとしても、MPEG-7で規定される動画でも音声でもないメタデータXMLの集合体をどのように表現するかは不明です。

ちなみに念のために補足しておきますと、(中国人が主張するような意味での)「MP7」というものは実在しませんです。

何故こうなったかというと、

・MP3プレーヤが流行

安物家電の量産拠点である中国では、MP3関係の半導体が揃い、部品をそろえて組み立てればダメ会社でもMP3プレーヤを開発生産できる状態になると、MP3プレーヤが山のように作られるようになりました。

どっかから手に入れたMP3が普通の中国ということもあり、市場にも受け入れられます。

イーモバイルが中国から調達した携帯電話にもMP3再生機能がついていましたが、これも当地の「とりあえずMP3は再生できるようにしてみた」が影響しての事だと思われます。

・MP3が流行り過ぎる

作られすぎた結果、右も左もMP3プレーヤということになってしまいます。

・MP4を名乗るところが現れる

MP3再生機能が珍しくも何とも無くなったため、差別化を図ろうとして動画再生に対応し(まあここまでは他国と同じ流れです)、そのついでに「MP4プレーヤ」を名乗るところが出てきます。

・MP5プレーヤ登場

お前らがMP4なら、俺らはMP5だからもっと凄い、と言い出すところが現れます。4と5の明確な区別は出来ない状態で

・そしてついにMP7プレーヤ登場

「4」を名乗った気持ちは解らなくもありませんが、とうとう「MP7」まで登場してしまった、というのがニュースでネタにされている現象です、もはやスタート地点はどこかへ行ってしまっています。

また、MPEG-7は実際に規格として存在しており(もちろん中国の製品が言い張っている「MP7」とは別物)、MPEG-7の携帯プレーヤって意味解らんぞというツッコミが入っています。ちなみにMPEG-7というのはメタデータ、言ってみれば「説明用の(テキスト)データ」をつけるためにあるもので、とりあえず音声や動画ではないので、

動画でも音声でもないメタデータXMLの集合体をどのように表現するかは不明です。

という風にネタにされています。


◆数字現象

おそらく中国の人も、「4なら解らなくも無いが、7って何だよ7って」と思っているに違いありません。向こうの人は怪しいものが多いのである意味判断力が鍛えられている面もありますし。

だけど多分、この作戦は販売上は成功しているのではないかと思います。

買う人に聞いたら、怪しい数字なんか気にしないで自分でちゃんと考えて買いますと言うはずですが、実際は数字が大きいことに人間は影響されてしまいます。

たとえば、ドコモの「904」が最新の時に、携帯他社にたまたま「904」の型番の機種があったとしても本来何の関係も無いはずですが、おそらく関係ない「904」も売上が少し上がるはずです。

さらには他社に「905」という型番の機種があり、ドコモの「904」と競合する機種だった場合には、「905」が少し有利になる、ということも起こっているはずです。

また、ドコモ以外に「90x」と「70x」という機種があった場合、「70x」の方が少し安物に見えたりしているはずです。実際には何も関係なくても。

もちろん、店頭で買う人に意見を聞いたら、数字なんて気にしないで自分でちゃんと考えて買っています、と言うはずですが。

そういうわけで、おそらく他社はこれまでドコモの50xや90xを意識した数字の振り方をしていたはずです。ドコモと混同しない体系を採用するか、似た体系にしてドコモより少し多い数字にするか。

例えばAUはこれまで「ドコモと違う二桁の番号体系」を使ってきました。しかしドコモが二桁の番号体系に改めた後、AUはドコモの番号体系に似た三桁の番号体系にしています。よって、この変更で何かが少しだけ変わるかもしれません。

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554 「どこでもWi-Fi」は悪くないらしい

「どこでもWi-Fi」+ゲーム機について、ゲーム方面の人による記事が出ています。どうやら悪くないようです。


◆「どこでもWi-Fi」とゲーム機の組み合わせはとても良い、らしい

「どこでもWi-Fi」を早速試してみる―ゲーム機との相性は抜群
http://www.inside-games.jp/news/335/33586.html

まずは外観、「どこでもWi-Fi」は三洋電機の充電式乾電池「eneloop」と充電器のセットが同梱されていて、乾電池4本で動作するのですが、製品の外観は「eneloop」の充電器にそっくりです。

物体としての感じは、エネループ充電器をそのまま想定していればがっかりする事はなさそうです。サイズ感も重量感もおそらく同じような感じではないかと思われます。

通常の使い方は異常に簡単になっています。意識するのはスイッチだけで良いようです。また、電源の切り忘れをやらかしても大丈夫なようです。

使い方はとっても簡単。上部にある「POWER」のスイッチをオンにするだけ。自動的にネットワークに接続し、あっという間に周りがWi-Fi環境となります。スイッチをオフにすれば切れますし、15分間アクセスがないと自動的にシャットダウンします。

通常の無線LAN利用では大抵初心者が投げ出す事になる、「設定作業」ですが、これも簡単なようです。

バッファローの「AOSS」に対応していますので、ニンテンドーDSなどの対応機器との接続が非常に簡単です。DSiの場合、設定メニューからインターネットの項目を開き、新しい接続先で、AOSSのボタンをタッチ、「どこでもWi-Fi」側にあるAOSSボタンを押すと、あとは放っておくだけで自動的に設定がなされます(約1分程度待ちます)。

これも簡単に出来ているようです。しかし、これでも解らないと言う人は居るはずですから(世間の解らない人は本当にわかりません)、紙一枚(解らない人は読まない人も大抵兼任している)で誰が読んでも解るような説明を用意するとか、店員が設定してあげるとか、そういうのは必要でしょうね。

店員が設定するのを店側が嫌がるとしたら、設定一台あたり100円(小学生以下は無料)とかにすれば・・・あまり良いアイディアではないか。

RTT値が低くレスポンスが速いため、携帯ゲーム機の対戦ゲームように通信量が少なく、速いレスポンスが求められるゲームにはぴったりではないかと思います。実際に『マリオカートDS』や『テトリスDS』で試してみましたが、プレイに支障は全くありませんでした。もちろん、DSブラウザを使ったネットサーフィンなどにも使えます。

というわけでゲームは問題なく出来るようです。最初に大きなデータを受け渡しするゲームでは始まるまでが遅いかもしれないとは思うのですが、応答時間的には全く問題ないようです。

また、「DSブラウザを使ったネットサーフィン」というのは、意外とこの機器の使われ方の裏の本命ではないかという気もします。

◆「DSブラウザ」+「どこでもWi-Fi」

「DSブラウザ」と「どこでもWi-Fi」の話題はあまり見ませんが、もしかしたらこっちの方で売れる事もあるのではないかと思っています。

・誰でも使える「どこでもWi-Fi」
・誰でも使える「DS」

ネットは使いたいけれど難しいことは解らない人には結構良いのではないかと思います。

念のために任天堂自身によるDSブラウザの説明。ちなみにこれもOperaベースです。

http://www.nintendo.co.jp/nom/0608/21/index.html
http://www.nintendo.co.jp/ds/browser/feature/index.html

つまり、「DSを既に持っている人」にとってはこういうことになるわけです。

「どこでもWi-Fi」を買い足すだけで、外でmixiを更新したり、Webメールを見たり、ヤフオクが出来たり、株の売り買いができるるようになる

また、PHSの通信速度が遅いという問題点は、DSブラウザーでは「気が付かない」可能性があります。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ニンテンドーDSブラウザー

なお、(無線LANの)線規格上の最大スループットは2Mbpsだが、画像読み込みによる測定結果は約150kbpsとかなり低く、無線通信よりも処理能力がネックになっているものと考えられる。

対戦ゲームだけならば市場は限られますが、「どこでもWi-Fi」を買い足すだけでどこでもDSでmixiやら株やらが出来ますということになると、話は違ってくると思います。

なお、「DSのブラウザなんか全然ダメだよ」という意見はとても良くわかるのですが、しかしながら、ネットではフルボッコだったはずのau BOXがなぜ売れているのかということを考えると、「一日中mixiが出来るようになったー」と大喜びする人が沢山居ても不思議ではありません。


◆伝染する

「どこでもWi-Fi」は複数のユーザで一緒に使う事も出来ます、ということは、知り合いの誰かが持っていて使わせてもらうような状況が発生する可能性があります。

ネット接続を貸してもらって、借りただけですぐに「これは便利だな」と思えるような製品になっていれば、貸してもらった人も買うようなこともあるのではないかと思います。

「どこでもWi-Fi」が実際にどの程度のものなのかはわかりませんが、上手く行けば口コミのようにして広まるような事もあるかもしれないなと思いました。

ただし、以前の「どこでもWi-Fi」の記事のときにも書きましたが、ITとかよくわかんない人にとっては「どこでもWi-Fi」は「何の使うのかさっぱり解らない謎の物体」で無線LANとか聞いてもまだ何の事かわからない、もしかするとエネループ充電器と間違えることさえ出来ない人がおそらく多いと思われます。

よって、店頭やCMで「どこでもWi-Fi」がその人にとって意味のあるものであることを伝えるのは結構難しいと思います。そこをどうするのかなと。ウィルコムはそういうところはとても下手なので、そこはかなり懸念されます。

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今週の投票:ソフトバンクがイーモバイルから回線を借りる話、どう思いますか?

また投票をやってみる事にしました。

ソフトバンクがイーモバイルから回線を借りる話について、いろいろな意見が出ていますが皆さんはどう思われますか?

代表的な意見としてまずは三つを取り上げました。

なお、下記のどれにも当てはまらない場合には、コメントにお書きください。

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今週の落書き帳

雑多なことを書き付けておくところを試しに作ってみます。

・どうでもいい事を書く予定
・予定としては週に一回くらいリフレッシュして、新しい記事に移ります
・その間は、投稿された後も内容が追加されたりすることがあります

エントリ?をあとできちんとした記事にするかもしれません


◆流行りもの

新しい話題が出てくると興味(インタレスティング)を持つのですが、利用者として採用するかどうかは良く考えてからの事が多いです。思い返してみると、興味を持っただけでは事を書かない傾向があるようでで、いろんなネタが投稿されていません。

例えばGTDっぽいことを試していた時期があって、今でも一部GTDっぽいことを続けています。こういうのも投稿するようにしようかと、ちょっと考えているところです。


◆なぜ例にGTDが出てきたかというと

「すぐに何かに記録する」ということをしているのですが、記録手段でずっと困っているためです。なんでもかんでも携帯で自分宛にメールしてみたり、メモ用紙を持ち歩いてなんでもかんでも書いてみたりしたのですが、どうも納得できる方法がありません。

新しい記録手段を貯めそううかどうか現在迷っているところです。


◆「アッカのWiMAX」の人たち、無線LANで再起する

アッカから独立したWi2,1万基地局で国内最大公衆無線LAN事業者を目指す
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090203/324068/

2.5GHz帯の獲得で立候補していたアッカのモバイル部隊が、「アッカ落選→イーアクセス(イーモバイル)に吸収合併される→里子に出される」という経緯を経て、無線LANの会社として再出発なさるようです。

東京都心以外では無線LANが使えなさ過ぎだと思いますので、無線LANを整備しようとする人たちが増えるのはありがたいと思ったり、無線LANで事業大丈夫なのかなと思ったり。


◆カルビー、全社を挙げてポテチが割れないように努力中

ポテチの割れを減らす全社改善活動
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/JIREI/20090129/323737/

ほのぼのした話題にも見えますが、カルビーは大真面目に取り組んでおられます。


◆Zだらけの町があるらしい

http://ja.wikipedia.org/wiki/木村栄

岩手県奥州市水沢区では、この業績をたたえ、「Z」の文字を色々なところに使っている。

奥州市文化会館(通称Zホール)
水沢小学校、水沢工業高校の校章にZの文字が入っている
水沢総合体育館(通称Zアリーナ)
勤労青少年ホーム(通称ヤングZ)
みずさわ観光物産センター(通称Zプラザアテルイ)
奥州市コミュニティバス(通称Zバス)
日本宇宙少年団・水沢Z分団

残念ながらマジンガーZとは関係ないようです。


◆消えますた

二件エントリを追加したのですが、投稿ボタンを押した時点でココログがシステムエラーを出しまして二件が幻の投稿になりました。ココログは恐ろしい。


◆TD-SCDMAがどこへ行っても買えない

入手困難? 中国渾身の力作「TD-SCDMAケータイ」
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20090209/1023499/?P=5

TD-SCDMAケータイを入手しようとして上海を歩き回ったけれど、結局買えませんでしたよという話。うーむ、こんなことでいいのかと。

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555 携帯電話の一月の純増数、これまでの流れのとおり

短い記事です(本格的な記事はまた後で書きますのでしばらくお待ちください)。

携帯電話の一月の純増数が発表されましたので、それについて記事にしてみたいと思います。

◆今月も今までの流れのとおり

まずは結果から、

- DoCoMo 6万4300
- KDDI(au) 1万2600
- SBM 12万400
- EM 7万1700
- WILLCOM 2万800減

今月もこれまでの傾向を踏襲しています。ソフトバンクがいつもより余裕があることと、ウィルコムが多めに純減していることが少し違う点でしょうか。

また、ソフトバンクの契約者数が2000万を突破しています。

純増一位をずっとキープしているソフトバンクですが、かつてのAUの一位独走時代とは違うことがあります。AUの場合、純増一位独走かつ余裕あり、でしたが、SBMの場合には純増一位独走かつ苦しい、となっています。つまり、ソフトバンクにとって純増一位は命綱になっています。

ソフトバンクには難しい状況になりつつあるので、いつまで「今月も純増一位」を続けられるかが今年のポイントです。とりあえず今月は余裕ありでの一位キープでした。今月については大きな問題なしという結果でした。

2位と3位には、鉄壁の守りでドコモ、契約者数が少ない有利さでイーモバイルとなりました。KDDIについては、公約の3000万を達成した後は、ずーっと低空飛行中です。

一位が入れ替わることがあるとしたら、イーモバイルかドコモかのどちらかになるでしょう。

ウィルコムは多めの純減になりました。状況的には厳しいので、まあ仕方なしという数字でしょうか。純減は阻止、で動いているとは思うのですが、数の維持にあまり予算を使っえない事情もあってこうなっているのでしょう。

まとめとしては、今月も同じ流れでした。

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556 ソフトバンク:「言うのを忘れてましたが、モバイルWiMAXも借ります」

ソフトバンクとイーモバイルとの提携が出てきたと思ったら、今度は「モバイルWiMAXも借ります」とのこと。


◆イーモバイルの回線を借りるな、の声があがる

ソフトバンクがイーモバイルの回線を借りると言う話、あちこちで非難を浴びています。無責任であると言う記事を書いている人はあちこちにおられます。

#個人的にはソフトバンクのインフラの燃え具合を想像するに留まりましたが

今回の件について、MVNO本家の方面から怒りの声が上がっています。

ソフトバンクモバイルとイー・モバイルの提携は「責務放棄」--MVNO協議会が猛反発
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20387685,00.htm

MVNO協議会は、周波数の割り当てを受けた通信事業者が他の事業者の通信網を利用することは、モバイル通信網の拡大につながらず、電波の公平な利用に反すると指摘。また、通信サービスの事業者を多様化し、競争を促進するというMVNOの理念にも反するとしている。

「周波数免許を付与されている事業者が他の通信事業者のモバイル通信網を利用したMVNOとなることは、そもそものMVNOの趣旨に反し、また、周波数免許に伴う責務の放棄につながることから、認められるべきではない」(MVNO協議会)

MVNOは本来、携帯電話会社ではないところが携帯電話会社っぽい商売をはじめられるようにするために意図されて生まれた制度でした。

イーモバイルは新規参入のエリア整備の弱点を補う名目でドコモの回線を借りています。

ソフトバンクは今回、そのような理由は特に無いけれども借りるという「新しいMVNOの使い方」を発明してしまったとも言えます。

そして、本来の意味でのMVNOの利用者の方々がお怒りになっているというニュースです。

携帯電話会社の難しいところは、国民の共有資産である電波帯域を国から無料(ないしは無料に近い形で)で提供されているということです。

「そもそも、諸外国では、MNOによる周波数免許の取得はオークションによるものとされ、少なくとも兆円単位の初期投資が必要とされているが、日本では、周波数免許の取得にあたり、通信事業者にこのような負担は課されていない。日本の通信事業者は、国民共有の財産である周波数の使用権を電波利用料以外の対価を支払うことなく取得しているといえる。このような特典に伴う公共的な責務として、通信事業者は、可能な限り広範囲にわたり、多様なモバイル通信サービスの提供を可能とし、公平かつ能率的な電波利用を実現する設備を構築し、国民の利便に寄与する通信サービスを提供すべきだ」(MVNO協議会)

公共の電波を国民から託されて事業を行っているならば、有効利用して国民にサービスを提供する義務があるはずなのにそれを放棄しているのでけしからんという意見です。だから「責任放棄」と言われているのです。

実際ソフトバンクは、自前で2GHz帯にW-CDMA用の帯域を持っていて全国に基地局を配置しているのに、W-CDMAの新興キャリアから回線を借りようとしています。確かに、「自分でサービスできるものを他所から借りようと」しています。

さて今回のイーモバイルとソフトバンクの貸し借り、このような意見がを受けたお上から「そういうMVNOは反則だから許しません」と言われて禁止されるのか、それとも今後「ソフトバンクが新しい商売のやり方を発明した」と言われるようになるのかどうかは定かではありません。


◆「モバイルWiMAXも借ります」

さてソフトバンク、イーモバイルから借りる騒動のついでにもう一つ面白い発表がありました。

イーモバイルとの話が表面化した直後、なんと「モバイルWiMAXも借ります」と言ってしまいました。


ソフトバンクモバイル、モバイルWiMAXサービスを検討――UQのMVNOで
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0902/05/news109.html

ソフトバンク社長の孫正義氏が、モバイルWiMAXを利用したサービスの提供を検討しているとコメント。現在、テストを行っており、7月から始める可能性もあるとした。

2009年3月期第3四半期の決算会見に登壇したソフトバンク社長の孫正義氏が、UQコミュニケーションズのMVNOとして、モバイルWiMAXを利用したデータ通信サービスの提供を検討していることを明らかにした。

すでにUQコミュニケーションズに要望を出しているとし、「7月から始めるかもしれないので、テストを開始している」と孫氏。ただし導入するかどうかの最終決定は、テストの結果や条件面での折り合い次第としている。

おそらくこの話、千本会長は知らなかったのではないかと思われます。イーモバイルとの話がまとまった途端、訳の解らん話が飛び出してきた感じになっているのではないかと。

もしかすると、モバイルWiMAXの話をちらつかせてイーモバイルとの条件交渉に使っている可能性もあります。だとすると、千本会長は怒っているかもしれません。

イーモバイルとの話と違って、ソフトバンクはモバイルWiMAXについては堂々と借りることが出来ます。そもそも、落選組はMVNOで借りてください、という約束での割り当てだからです。よって、イーモバイルとの話がどうなろうと、こちらの話自体がなくなることはありません。

この記事にはありませんが、孫社長は「落選した我々のモバイルWiMAX計画のような安い価格なら借りてあげますが」というようなことを言っています。借りる立場なのに上から発言です。条件面で納得できれば借りるつもりであるという発言です。

UQコミュニケーションズには無理をしても貸す理由も無いので、条件があわないから借りたくないのならどうぞ借りないでください、だと思います。2.5GHz帯の獲得の経緯から言っても、喜んで貸す感じではないでしょう。もっとも、ソフトバンクが大量にユーザを獲得してくれるのなら、その点についてはありがたいのはありがたいはずです。

もし仮に続いて「次世代PHSも借りる」と言い出したりすると面白いかもしれません。もっとも、当のウィルコムは複雑な気分で貸すことになるのは間違いありません(ウィルコムにも同じく「貸す義務」があるので断れない)。

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557 中国政府、今度は2011年までにPHS停波を命令(利用者は6800万人)

中国政府がまた無茶なことをはじめました。

今度は2年以内に中国大陸のPHSを停波しなさい、と命令を出してしまいました。


◆もはや違う話題に

最初に書いておきますと、中国のPHSはこれから難しいことになるだろうなと思っていまして、中国の第3世代に関する記事では以前からそういう風なことを書いておりました(後述)。

PHSをやっていた固定電話会社は念願の携帯電話の免許を手に入れて喜んでいるところなので、これからPHSはないがしろにされるだろう。ただ、第3世代の熱狂が醒めて現実を向き合う時がやってきたとき、見直しの時期がくるかもしれず、そのときが本当に最後の勝負だろうと。

ところが中国政府、PHSの存在意義があるとかないとか、そういう議論とは別次元のことをなさるようです。2011年末までにPHSを停波しなさいという命令を出してしまいました。

まずは引用、

中国のPHS「小霊通」、2011年末までに撤退
http://www.asahi.com/international/jinmin/TKY200902040183.html

中国のPHS「小霊通」撤退が3日、ついに決定された。中国移動(チャイナ・モバイル)はこの日、政府主管部門からすべての1900―1920MHz周波数の無線システムを2011年末までに引き揚げ、1880―1900MHz周波数のTD―SCDMAシステムに影響がでないよう明確な指示を受けたと表明した。「国際金融報」が伝えた。

中国移動の関係者によると、政府主管部門はすでに中国移動が1880―1900MHzと2010―2015MHzのあわせて35MHz周波数を使ってTD―SCDMAネットワークを構築することに同意しており、他のキャリアに対し、1900―1920MHz周波数の無線システムでの容量拡張や新ユーザーの拡大を停止し、カバー範囲を広げないよう要求した。

山西電信の従業員は、「このほど小霊通の受付を停止したが、市場から完全に撤退する時期は定かではない」と話す。

工業情報化部がこのほど発表した統計によると、PHS利用者は08年12月現在、全国で6893万人にまで減少しており、その大多数は小霊通の利用者だという。

まとめるとこういうことになります。

・2011年末までに停波しなさい(今は「2009年2月なのに」)
・理由:TD-SCDMAと干渉するから全部停波しなさい
・現在の利用者数:6893万人

2年切ってる状態で、停波の命令です。本音がTD-SCDMAだろうというのは簡単にわかる話ではあります。

6893万人もの利用者が居るのに残り二年です、巻き取りとなると6893万人を6893万台の新しい携帯に置き換えることになります。また、中国のPHSは料金が安いために利用されている面があるので、携帯への乗り換えは値上げになるはずです。電話番号も変わってしまいます。

しかも残り二年切っていますので、利用者がたくさん残ったままに停波になってしまうのではないかと思えます。ちょっと強引過ぎるんじゃないかなと。オリンピックのために土地を強引に取り上げた話なんかを聞いたことがありますが、同じく無茶しますね。日本ではちょっと考えられないです。

よってこういうことも考えてしまいます。

・中国でのWiMAXはやっぱり絶望的かもしれない

こんなことまでなさるのなら、政府が嫌っているモバイルWiMAXが上陸しようとしたらどんなことになるのか解りません。念のために補足をすると、TD-SCDMAとモバイルWiMAXは同じTDD帯域を利用するので直接競合します。

・日中韓で協力して第四世代携帯規格を作ろうという人は考え直した方が良いかもしれない

日本には「日中韓で協力して第四世代を」と言っている人が一部居られます。(日欧の)LTE系の技術が第四世代本命にリーチをかけている状態で別陣営をこさえようとする意味があるのですか、という突っ込みは前からありましたが、加えて、日本と「協力関係」が成立しうるのかどうかよく考えた方が良いかもしれないです。


◆妙な損得関係

まず前置きで、まとめのコピペをまた持ってきます、

グループ1:TD-SCDMA(国策の独自第三世代技術)
中国移動(国営携帯電話会社)(国内1位:世界1位)
+中国鉄通(チャイナレールコム)(鉄道の通信網が由来の固定事業者)
+中国衛星通信(チャイナサットコム)(元は中国電信の一部)

グループ2:CDMA2000(クアルコムと協力関係)
中国電信(チャイナテレコム)(固定1位)(PHS事業者)
+中国聯通(チャイナユニコム)(国内2位:世界3位)のCDMA部門

グループ3:W-CDMA(W-CDMAは世界標準)
中国網通(チャイナネットコム)(固定2位)(PHS事業者)
+中国聯通(国内2位:世界3位)のGSM部門

毎度の事ながら、グループにつけた番号は私が適当に付けた番号です。

復習になりますが、中国大陸のPHSはそもそも携帯電話事業への参入を禁止されていた固定通信事業者が「携帯じゃないもんねー」の屁理屈でサービスインしたものです。その後、安かったこともあって1億台を超えるまでに普及が進みます。

で、現在固定通信事業者だったところは再編の結果、夢にまで見た念願の携帯電話の免許をもらって浮かれている状態です。

また、TD-SCDMAが技術的に怪しい状態の今、完成された技術であるCDMA2000やW-CDMAで大攻勢をかけることが出来れば、下位2陣営が歴史的大逆転をすることが出来るかもしれない絶好の機会でもあります。当然に第3世代への熱は高まります。

よって、もともとPHSはないがしろにされてゆくだろうと見ていました。少なくとも今しばらくは。

ただし第3世代の基地局網の整備を実際に開始すると、途方も無い作業になることがこれから解ってゆくはずです。その時に、PHSの基地局網は既に整備済みで、利益も生みつづけていることが再評価される可能性はありました。ですが、それどころか停波命令が出てきてしまいましたが。

また両陣営にとって、第3世代に力を入れてPHSから軸足を移すことや、第3世代へ巻き取ってゆくことには意味があったとしても、「停波」となるとメリットが無かったりもします。なぜかと言うと、PHSを停波して空く帯域はTDD帯域ですから、どうやってもW-CDMAやCDMA2000の役には立ちません。停波すると敵陣営のTD-SCDMAが元気になるだけです。

よって今回の政府の命令、W-CDMAやCDMA2000の陣営に無用な苦労と犠牲を強いて停波をさせ、得をするのはTD-SCDMA陣営(中国移動)だけというなんとも不公平なことにもなっているように思われます。第3世代に浮かれているとはいえ、短期間で停波しろと言われたら、やっぱりいろんな意味で嫌には違いありません。本来なら自陣営の第3世代に巻き取れるはずだったユーザもこぼれてしまうでしょうし。

この命令、もしかするとこういうことも解った上でTD-SCDMA陣営以外への嫌がらせも兼ねているのかもしれません。

中国の人が停波が迫ってきたときにどういうリアクションをするのかわかりませんが(怒るのか、諦めるのか、それとも物分りがとてもよくてあっさり巻き取りできているとか)、場合によっては「アメリカのアナログ地上波の停波延期」みたいな顛末になることも、もしかしたらあるかもしれません。なにしろ残り2年以下ですから。

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558 謎:「ソフトバンクとイーモバイルが回線を借り合う」という噂

・ソフトバンクがイーモバイルの回線を借りる
・イーモバイルがソフトバンクの回線を借りる
という交渉がなされていると報じているようです、これについて


◆イーモバイルとソフトバンクが協力する?

まずニュースを引用。

定額制データ通信、ソフトバンク参入へ イー・モバイルと回線相互貸借
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=AS1D0300N%2003022009

携帯電話会社のソフトバンクモバイルはデータ通信を主力とする携帯電話会社、イー・モバイルと回線を相互に貸し借りする方向で交渉を始めた。まず、ソフトバンクがイー・モバイルから回線を借り、パソコンなどに使う無線データ通信について、今春にも定額制のサービスを導入する方針。今後、ソフトバンクがイー・モバイルに回線を貸すことも交渉している。国内の携帯電話会社同士が回線を貸し借りするのは今回が初めて。

ソフトバンクはイー・モバイルの回線を借りる「MVNO(仮想移動体通信事業者)」として定額制のサービスを提供する。料金はイー・モバイル(2年契約の場合、上限は月間4980円)とほぼ同水準とする予定だ。ソフトバンクはこれまで携帯電話4社で唯一、定額制のデータ通信を導入しておらず、ユーザーの獲得が遅れていた。

次いで、イー・モバイルの回線網が整備されていない地方を中心に、ソフトバンクがイー・
モバイルに対して回線を貸し出す方向で交渉している。

まずは元の記事に沿って書いてゆきたいと思います、

・ソフトバンクがイーモバイルの回線を借りてPC定額をする
・今春にも借りてサービスを提供する
・その上で、ソフトバンクの地方の回線をイーモバイルが借りる

ソフトバンクは基地局網が混雑で死にそうなのと、3.5世代化が進んでいないこと、そしてここしばらく設備投資をサボり気味なので、その結果としてこれから「サボったツケ」を支払うことになるはずです。ホワイトプランの維持が大変な状態なのに、これから第二世代巻き取り(=第3世代への流入)までやらないといけません。

混雑していて困っているので、加入者数の割にやたら多くの帯域を持っていて余裕のあるイーモバイルから回線を借りてPC定額を提供する予定である、その時期は春だ、というのがニュースの半分。

そして、イーモバイルは基地局整備がまだ十分に進んでおらず、ドコモから回線を借りてエリアの穴を塞いでいるわけですが、ソフトバンクから回線を借りて穴を塞ぐようにしたい、というのがこの話のもう半分です。

ドコモから回線を借りていますが、これには期限が設定されています。また、イーモバイルに言わせれば貸し出し料金が高すぎるのでイーモバイルがやりたいサービスができません。ドコモはイーモバイルの言い値は安すぎて無茶苦茶なので話にならんと言うことなのですが。

ソフトバンクよりもドコモのほうがエリア面では圧倒していますから、エリア面では借りる意味はまるでありません。よって、
・ソフトバンクが回線を借りたいのを良いことにドコモより安く買い叩いた
ないしは
・ドコモの貸し出し期限までの自前でのエリア整備が絶望的になったので、ソフトバンクから借りよう

というようなことも考えられます。というわけでイーモバイルにとっては損になる話ではなさそうです。


◆結局はイーモバイルが得をする?

以上は元のニュースの主張に沿って書きました。互いに足りないところを補い合う、損の無い話であるという風になっています。

しかし、問題があるように見える部分もあります。

ソフトバンクは何が何でも「純増一位」を死守しなければなりません。一位ではなくなると、かなりダメージを受けることになるはずです。

そしてソフトバンクの一位を脅かす相手とは、他ならぬイーモバイルです。また、ソフトバンクの「ホワイトプラン」を脅かすのも他ならぬイーモバイル。ソフトバンクの最重要防衛地点を巡って激戦をすることになる相手と握手するという意味の解らないことになります。

またソフトバンクにはPC定額を捨てる選択肢があります。もともとデータ通信の客は居ません。そもそも、次世代戦争が始まりつつある状態で、3.5世代を借りるのは微妙なところもあります。

もしかしたら、PC定額は外向けの説明に過ぎず「普通のパケット通信や、さらには音声通話だけで破綻が迫ってきている」のかもしれませんが。

イーモバイルからすると、進撃先はソフトバンクしかありません。先日発表された780円定額についてもソフトバンクに矛先が向いています。ソフトバンクのホワイトプランが獲得している顧客層を攻略することになります。

鉄壁の守りを構築してしまったドコモや、価値観レベルで違う領域に到達したKDDIとは戦いにくい状態です。しかしソフトバンクには進撃可能で、なおかつソフトバンクは弱りつつあるチャンスです。仮にソフトバンクが瓦解した場合には、イーモバイルには夢のような大躍進の道が開かれます。

そういう意味では、ソフトバンクが死にそうになって手を伸ばしてきたのなら、一度助けるふりをしてから笑って無視すべきです。

また、イーモバイルはドコモとのローミング対応機種については、2.0GHz帯と1.7GHz帯の両方に対応した機種がすでに用意されています。つまり、特に新しいことを何もする必要はありません。

しかし、ソフトバンクの端末は1.7GHz帯に対応していません。よって、イーモバイルの網を借りるために準備が必要になります。また、ソフトバンクが1.7GHz帯に対応した端末を発注すると、1.7GHz対応端末がの用意が難しくて困っているはずのイーモバイルも調達しやすくなってイーモバイルを利します。

全体的に言って、この話はイーモバイルに利するところが多いように思えます。イーモバイルが1.5GHz帯の割り当てに便乗して1.7GHz帯を手に入れるのに成功しているとか、どうもソフトバンクはイーモバイルに親切に過ぎるのではないかという気もします。

逆に言えば、イーモバイルがとても上手くやっているとも言えます。この件についても。

また、ソフトバンクはイーモバイル以外から借りる選択肢もあります。割高になるとしてもドコモから借りることも可能でしょうし(ドコモは断りたくても断れないでしょう)、速度が足りないもののウィルコムの現行世代PHSを安く借りることも出来ます(孫社長の手にかかればPHSだって商品力を取り戻すかもしれません)。またそもそも2.5GHz帯はMVNOを義務つけられています。


◆考えすぎてみる

もしかすると建設的な理由ではなくて、両社ともに弱りきっていて休戦しないと両方とも倒れる寸前だから、ということかもしれません。言ってみれば、休戦して手打ちし、お互いが取る市場を話し合って決めてしまい、両社とも休もうとしているんじゃないかと。

もしくは、どちらかの会社が策士で、協力するふりをして相手を潰そうとしているのかもしれません。お互い困っているんだから協力し合おうよ、と社長同士が夢のある話し合いをしたはずの数年後、片方の会社は食べられて跡形も無い、なんてことは実際あります。

さらにちょっと考えすぎるとこういう風にも見えなくもありません。

ソフトバンクとイーモバイルがこうやって協力しあうと、両社をセットで売却しやすくなるかもしれません。

世界最大の電話会社のチャイナモバイル(中国移動:TD-SCDMAのところ)がソフトバンクを買収するという噂がありましたが、その方向で考えるとセット販売は悪くない話です。そうだとすると「外部の第三者」が求めた両社の握手かもしれません。

#考えすぎです

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559 モバイルWiMAXは2月26日からと正式アナウンス(でした)

モバイルWiMAXの試験サービス開始が正式にアナウンスされました。

予定として公表されていた2月28日よりも二日前倒しの「2月26日」となったようです。


◆日本のモバイルWiMAXの開始は2009年2月26日

昨日、発表されている資料をもとに2月28日に試験サービス開始と書いてありますよ、と書いたわけですが、その翌日に「2月26日スタート」と正式発表がされてしまいました。

実は昨日の記事で、2月28日は土曜日なんですけど大丈夫なんでしょうか、次の週にすると2月にはじめましたと言い張れなくなるので数日前倒ししてはどうでしょうか、と書こうと思ってやめたのが悔やまれます(笑)。

川崎市を前倒しで試験サービスに加えるくらいですから進捗は悪くなく、数日の前倒しは何でもないということなのでしょう。

これで正式に2009年2月26日(木曜日)からの試験サービススタートとなりました。


「UQ WiMAX」2月26日スタート──5000人限定で無料サービス、7月1日以降は月額4480円
http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0902/03/news050.html

UQコミュニケーションズは2月3日、モバイルWiMAXサービス「UQ WiMAX」を2月26日から提供すると発表した。6月30日まではお試し期間として、5000人限定で基本料無料、データ通信カードも無償で提供する。

試験サービスの提供条件はこうなりました
・限定5000人
・個人向けではハードウェアも無料提供
・7月からは有料
・エリアは東京23区、横浜市に加えて川崎市を前倒し

端末代金を取るのはMVNO向け限定のよう?で、UQコミュニケーションズが直接個人向けに提供するものについては、端末を無料提供するようです。さて、5000人は多いのか少ないのかというところ。

本サービスについては
・7月1日開始
・月額4480円
・端末買いきりで、契約期間縛りはなし(買い切りなので当然と言えば当然)

料金ですが月額4480円になりました。確かに従来の3.5世代定額よりは安いのですが、エリア面などで劣りますから評価はわかれそうです。

以前も書きましたが「この料金設定の真意」は実際にサービスを使ってみると解ると思われます。予想されている以上に快適な通信環境なので安くしていないか、最初は地味にしか売り込まないつもりだけなのか。

端末は
・USBタイプ シンセイコーポレーション製(韓国メーカー)
・USABタイプ NECアクセステクニカ製
・PCカード NECアクセステクニカ製
・ExpressCard/34 シンセイコーポレーション製

二社供給になりました。昔はWiMAXは世界中から端末が手に入るとか言われていましたが、二社体制でデータ通信カードっぽいものだけとなると、次世代PHSとさほど変わらない状況です。もっとも、これから差が出てくるのかも知れませんが。

その他については
・無線LANサービスもセットで無料で提供される
・発表会場での実測通信速度は下りが16Mbps、下りが4Mbps前後

無線LANについては実際のメリットは知れている感じかなと思います。屋内で圏外なので無線LANで繋いだなんていう情けない状況もあるかもしれませんが。

速度については、発表会場で理想的な状況が作られていると思われる状態で「下りが16Mbps、下りが4Mbps前後」だったようです。会場内に設置された基地局との通信で。また、2x2MIMOありでの速度のはずです。

伝聞なので正しいのか間違っているのかさっぱり解らないのですが、屋外で電波状態の良い場所で使った場合かつ混雑が無い場合、つまり運の良い状態では8メガくらい、速度馬鹿が工夫をして10メガ超え、状況があまり良くないと2~4メガ、みたいな予想とか、見るような見ないような。

まあその前にエリア自体が(最初は)問題ありそうで、モバイルWiMAXに関しての懸念は主にこちらでしょう。繋がらなければ速度はゼロですから。

ユーザ数は最初の年で数十万を目指すそうで、もしそのとおりになるとその数十万はイーモバイルから削られる可能性が高いと思われます。もっとも、イーモバイルはこれから音声に逃げてゆくはずですが。


◆ついでに

ついでに書いておくと、今日を境にして次世代通信技術が妙に持ち上げられはじめ、3.5世代でのデータ通信、例えばイーモバイルの過小評価な風潮がはじまるかもしれません。ですがおそらく、そこは冷静に眺めておいた方が正解だと思います。なんかそういう気がします。

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560 モバイルWiMAXは2月28日から(2月28日も2月ですから?)

モバイルWiMAXの試験サービスが2月28日から始まるという話を少し。


◆日本のモバイルWiMAXは2月28日から試験スタート

UQコミュニケーションズ(KDDIのモバイルWiMAX)が、試験サービスの開始予定を発表しています。

PDF注意
http://www.uqcommunications.jp/news/BWAサービスに向けた進捗状況報告書_2009.01.30.pdf

ちなみに上記の資料は、2.5GHz帯を獲得する際に義務つけられた定期的な状況報告として出されているものです。免許を貰う際に提出した計画のとおりに進んでいますよということを報告するためのものです。よって、読んで面白いようなものではありません。

今気になるのは、「2009年2月」にはじまることになっていた試験サービスです。もうすでに2月ですから、どうなっているの?と思っている人もいると思いますが、「2月28日だって2月ですから」ということで「2月」と申請されていたので、まだです。

#ちなみにこれは最初からそういうことになっています

試験サービスは
・2009年2月28日に試験サービス開始
・東京23 区、横浜市、川崎市
・パソコンに刺して使うデータ通信カードっぽいものだけでスタート

エリア展開が前倒しされています。当初の計画では東京23 区と横浜市だけでサービスインする予定でした。LTEやHSPA+よりも先行すべく急いでいるようです。

また、端末は「データ通信カードっぽいもの」だけでの試験サービスのスタートになるようです。

・試験サービスは無料
・ただし、試験サービスに使う端末は有料
・端末の種類(USBドングル、PCMCIA、Express Card/34)
・UQ→MVNOの端末代:12000円

試験サービスの月額料金は無料だけれども端末は有料となると、まるでソフトバンクの7円携帯のようでもあります。試験サービス期間が終わったら無料じゃなくなる辺りまでもがそっくりです。


◆ちなみに

ちなみにウィルコムも同じような報告書の提出を義務つけられています。

エリア限定のサービスは
・4月から
・山手線の内側
・すでに公開されている「データ通信カード」でスタート

両方とも地味なスタートになりそうです。

モバイルWiMAXについては基地局の整備が比較的進んでおり、端末側の開発も進んで(以前からある技術なので)いますから、エリアの感じがどの程度か、そして最高速度がどの程度出るのかはおおよそは観察することは出来ると思われます。ただし、混雑した場合にどうなるかはまだわかりようがありません。

次世代PHSについては、4月の時点ではまだあまりよくわからない状態になると思われます。基地局の設置も進んでいないはずですし、技術的にもまだ開発中に近く、端末などもまだ試作品に近いものであると思われるためです。よって、まるで参考にならないような気もします。

ただ、もし四月の時点で次世代PHSの性能が圧倒していた場合には、技術面での勝負はついたとみて良いかもしれません。ただ、次世代PHSについてはスケジュールの遅延が心配されます(また逆に、変に慌ててサービスインして無用な炎上をするのも心配される)。

おそらく、両陣営ともに試験サービスの時点ではまだどうなるのか良くわからんな、という感じになるのではないかという気がします。しばらく気長に様子をみる必要があるんじゃないかなと思ってます。

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雑:「餃子の王将」(京都王将)と「大阪王将」は餃子の味が違う?

激しくどうでもいい話題を投稿してみるテスト。


◆なぜか王将の説明から

記事を書くまえに他の人に聞いてみたところ、いろんな前提を知らない人が多いということで、何故だか解説から書き始めます。

まず、餃子で有名な「王将」ですが、創業者関係の内輪もめで二つの会社に分裂してます。なんでも兄弟喧嘩だとか聞きますが。

・「餃子の王将」ないしは単に「王将」(京都王将)
・「大阪王将」

本家から「大阪王将」が分派した感じでしょうか。京都が発祥なので、本家を区別する場合に「京都王将」と呼ばれたりするようです。

他に、チェーン店だったところが自立して独立勢力になっていたりすることもあるそうですが、今回の話題とはあまり関係ないので省略します(ただ、独立勢力で「同じような話」が他にもあったらコメントしていただくとありがたいです)

王将は店によって味が違うとか言われますし、店によってメニュー(定食とか)が違ったりします。なぜかというと、例えばファミレスみたいに各店が完全に統一されておらず、店ごとに自主的な運営がされていて、なおかつ調理の大半も店で行うので、味も揃いません。

ので、王将の「美味い」とか「不味い」という話題は噛み合わなくなりがちです。同じ名前のチェーン店の同じ名前のメニューについて語っていても、そもそもの元の料理が全然違うことがあるからです。

つまり王将は店によって味が違うので、美味しい王将を探せということでもあります。

ただ、看板メニューの餃子については「餃子の中身」と「皮」を工場で大量生産しているので、味は比較的揃っています。もっとも、皮で包む作業と焼く作業は店で行っているので、餃子でも店ごとの差があるようです。

でも、他のメニュー(例えば炒飯とか天津飯とか炒め物とか)に比べると、餃子については同じ味が期待できます。


◆「京都王将」と「大阪王将」は餃子の味が違う?

ようやく本題です。

もしかしたら王将フリークには常識なのかもしれませんが(私は時々しか行かない)、ある日ふと、京都王将と大阪王将で餃子の味が違うことに気が付きました。

前述したとおりそもそも店によるばらつきがあるので、私が行ったことのある店の焼き方がたまたま違うだけ、という可能性もあるのですが、

・大阪王将の方が皮が美味しい気がする
・「食いました」感は京都王将の方がする気がする

京都王将は皮が厚くて餃子がゆるい感じで、しっかり食った感じがして、食べた後にに余韻が残る感じがする。

大阪王将の方が皮がプリプリしていて餃子が締まっている感じがして、食べた感じがあっさり目の印象で、余韻が残らない。

この話題、身近ではちょっとした議論に発展しつつあるのですが、皆様はどう思われるでしょうか?

・本当に味が違うのか
・違うとしたらどのように違うのか
・どっちが美味いか
・どの店に行って何を頼むのが正解か

そもそも大阪王将の店がどこにあるのか良くわからない状態だったりもします。ウェブサイトでは大阪市内の場所しか載っておらず、しかも更新が滞っている疑惑。

個人的には大阪王将の餃子の方が美味いのではないかという暫定意見です、今のところですが。

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561 Apple(iPhone)が Palm Preを特許侵害で訴えるかもしれない

Appleが、iPhoneのかの有名な「二本指操作」の特許を手に入れました。そしてAppleは競合他社をこの特許で攻撃することをほのめかしました。


◆Apple、iPhoneの「二本指操作」を特許にした

まず記事から。

アップル,「iPhone」のマルチタッチインターフェースに関する特許を取得--米報道
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/MAG/20090127/323573/

Appleに対し「iPhone」へ搭載されたマルチタッチユーザーインターフェースの多くが対象と思われる特許が認められていた。

MacRumorsの報道によれば,特許は米国時間1月20日に認められており,これを最初に見つけたのはWorld of Appleという。発明者には,Steve Jobs氏,iPhoneのソフトウェアチーフであるScott Forstall氏,Appleが2005年に買収したFingerworksの創立者の1人であるWayne Westerman氏など,Appleの幹部が含まれている。

いろいろ言われていたようですが、結局は特許として認められた(とりあえずは権利として成立した)ようです。

同特許はきわめて長大で,指でズームする操作を伴うウェブブラウジングやスワイプジェスチャーによるスクロールなど,iPhoneで使われているデータ表示方式の多くが対象となる。

記事によるとですが、内容が山盛りな感じの特許出願のようです。

具体的な操作から、iPhoneには実装されていない機能までいろいろ書かれているようです。なお、この特許のルーツはもともとAppleがiPhoneを作るために買収したタッチ操作な企業であるFingerworksの技術です。

発明者(つまり思いついた人)にはジョブス師匠の名前なんかもあるようですが、他人の手柄を横取りしてないのかなとも思ってしまったりします。

最高業務執行責任者(COO)のTim Cook氏は21日,第1四半期(2008年10-12月期)決算発表の際,当社は「(知的財産が)勝手に使われるのを座視しない。使える手段は何でも使うつもりだ」と述べ,iPhoneの競合他社はこの点を肝に銘じておくべきであると続けた。

この日は特許が成立した翌日であり,それを念頭に置いた発言だろう。名指しは避けているもののPalmに向けられたものと受け止められている。

ジョブス師匠が療養中でお休みになったため、代わりにボスになったティムクックさんが「競合他社がiPhoneの真似をすると訴えるぞ」と脅しをかけています。

特許成立のタイミングとPalm Preのお披露目時期が近かったことと、他のスマートフォンOSが避けていたのか対応できていなかったのか・・の「二本指操作」にPalm Preが対応していたことなどから、このアップルの警告は「Palm Preに向けられたもの」であると報じられています。

下手すると社運を賭けたPalm Preは、市場に登場する前にAppleからの攻撃を食らって退場することも無くは無い(そこまでのことになるとはなかなか思えませんが)、ということになりました。

また、台湾とかで独自に工夫が進んでいる「iPhoneっぽいUI」などについても、同じく攻撃を受けることがあるかもしれません。


◆本当に権利があるのかどうか

この件についてはいろんな世間のリアクションが予想されます。なんかあんまり関与したくない感じの応酬とか。

個人的にはアップルが競合を次から次へ攻撃してスマートフォン世界が焼け野原にされても嫌ですし、ちゃんと予算と時間をかけて独自開発したものを権利化したのに模倣され放題では世の中おかしくなる気もしたりします。両方のことを考えます。

以下、なんとなく人から聞いた話をそのまま書く程度の「ものすごくいい加減な内容」ですが、そもそもの話として・・

アップルがiPhoneで特許を取ろうとしていることは知られていましたが、マルチタッチ操作自体が実は以前から存在(公開されたことがある)しているもので、最初から権利になるようなものではないという話も聞いたことがあります(本当なんだかどうか知らないぞ)。

また、もしかするとAndroidが今ひとつマルチタッチ対応出来ていないのは、「大丈夫な範囲で作ってあるから」かもしれません。

その範囲を超えてしまったPalm Preは不味いのかもしれませんし、逆にPalm Preは最初からその辺りが大丈夫なことを確認して作られていて全然余裕、かもしれません。

さて、どうなるんでしょうか。

何が大丈夫で何が大丈夫でないのかはっきりせず、なおかつアップルが「やりますよ」感を取り下げない限り、スマートフォン世界の進歩が遅くなるかもしれません。

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562 Palm Pre:老舗Palmの存亡を賭けた反撃

タイミングを逃したので最新ニュースではなくなっていますが、気にせずに書いてしまうことにしました(実は後で書く記事を書くためだったりします)。

PDAの老舗であるPalm(パーム)がスマートフォンのOS戦争に殴り込みをかけてきました。


◆Palm Pre

年初のニュースを二月頭に書いているんだなと思いつつ(すみません)、まずは記事。

PalmがwebOSベースの新スマートフォン「Palm Pre」を発表
http://journal.mycom.co.jp/news/2009/01/09/006/

Palm Preは、Palmが独自開発した新OS「webOS」ベースのスマートフォン。3.1インチ / 480×320ピクセルのマルチタッチ液晶を搭載、縦方向にスライドするQWERTYキーボードを装備する。
あわせて発表されたwebOSは、Webへの接続を前提に開発された新しいプラットフォーム。マルチタスクで動作し、複数のアプリを並行して実行できる。マルチタッチインターフェイスの導入により、画面全体を操作領域として使用でき、ドラッグ&ドロップなどの方法で画面をカスタマイズすることも容易になった。複数のサービスやデータベースを統合する機構「Palm Synergy」により、OutlookやGmailなど複数のサービスに重複した情報がある場合でも1つだけを表示するなど、ユーザは各種サービスを横断的に利用できる。

PalmはPDAの老舗でした。しかし今は昔話になってしまった存在でもありました。またそもそも日本ではPDAというカテゴリ自体が滅んでしまって久しい状態です。

ウィルコムが初代W-Zero3を発表したときには、PDAが意外な形で復活したと喜んだ人も居たようでした、逆に言えばその時にはすでにPDAは終わった存在になっており、PDA時代の(特に初期に)活躍したPalmももはや過去の存在になりつつありました。

ところがPalmが新しく独自開発したOSで時代の話題に突然戻ってきた、というのが今回のニュースです。

念のために整理をすると

・スマートフォン(電話機):Palm Pre
・スマートフォン用の新しいOS:webOS

あのPalmが帰ってきた、という話題性もありますが、出来も良かったために話題になっています。最近のスマートフォンやスマートフォン用のOSをよく研究して作られており、特にiPhoneについてはかなり参考にされているようです。

「どのようなものか」については、youtubeにあるムービーを見るのが良いと思います。個別のファイルではなくて、検索結果にリンクしてみましょう。

http://jp.youtube.com/results?search_type=&search_query=palm+pre

まあ今の時点でPalm Preを使って意見を言っている人間はヲタだけなのですが、評判はとても良いようです。

また、Palmにとってこのスマートフォンは「存亡を賭した最後の大勝負」です。存亡を賭けた最後の勝負だからこその良い出来であって良い評判に繋がっているに違いありません。

iPhoneかAndroidか?という話題に突然別の本命が飛び込んできた感じです。

アメリカではスプリントから発売されます。また、スプリントということはCDMA2000の端末として発売されることになります。これでアメリカは

・iPhone:AT&T
・T-Mobile:Android
・Sprint:Palm Pre

ということになりました。

WiMAXの難儀やらでどうも良い話題の無いスプリントですが、AT&TのiPhoneで起こったようなことが、(部分的にでも)スプリントにPalm Preでもたらされるかもしれないという意見も出ているようです。

また、CDMA2000向けの端末が北米に投入されるということは、日本ではAUから発売される可能性があるということになります。

スマートフォンには消極的なAUですからその点では実現性は薄くなりますが、「他社との違い」を強く意識しているAUですから、明らかに他社のスマートフォンとは違うイメージを持っていて洗練されているPalm Preを「AUっぽさ」の一部として日本への投入を図るかもしれません。

また、ドコモがW-CDMA版やLTE版を作ってくださいとお願いしたら作ってくれるかもしれません。


◆携帯電話向けのプラットフォーム

webOSの投入で携帯電話のプラットフォームは(同じ感じで列挙すべきでないものも平気で混ぜてしまいますが)こういうことになりまして、一つ候補が増えることになりました。

・Symbian
・LiMo(Linux)
・WindowsMobile
・BlackBerry
・Android
・iPhone
・webOS

Palmがスマートフォンの激しい競争の中生き残れるのかどうかは解りませんが、
例えばWindowsMobileのスマートフォンを作っている一つに過ぎなくなる代わりに、独自OSでの大勝負に出てきました。

出だし(発売前の評判)は上々ですが、さて今後彼らは生き残れるのかどうか?

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563 Googleがインターネット全体を有害判定(うっかりミスで)

天下のGoogleさんがオモシロ事件を引き起こしてしまった件について、少し。


◆「このサイトはコンピューターに損害を与える可能性があります。」

日本時間で2009年の一月が二月に変わろうとしている時に異変が起こりました。Googleで何を検索しても、検索結果の全てのウェブサイトに以下の警告文が表示されるようになってしまいました。

このサイトはコンピューターに損害を与える可能性があります。

具体的なイメージっぽいものを無理に作ってみると、

Google
このサイトはコンピューターに損害を与える可能性があります。
多言語対応サーチエンジンの日本版。ウェブ、イメージおよびニュース検、Usenet 掲示板。
www.google.co.jp/ - 16k - キャッシュ - 関連ページ

Google
このサイトはコンピューターに損害を与える可能性があります。
Google. ウェブ全体から検索 日本語のページを検索 検索オプション | 表示設定 | 言語ツール · おすすめいろいろな検索便利なツールもっと楽しく ... 広告掲載 - ビジネス ソリューション - Google について - Google.com in English. ©2009 - プライバシー.
www.google.co.jp/webhp?hl=ja - 15k - キャッシュ - 関連ページ
www.google.co.jp からの検索結果 »

全ての検索結果が漏れなくこういう表示になってしまっていました。その時、世界中の全てのGoogleを利用している人の画面の全てで。

この変な状態は40分間続き、その後元に戻ります。


◆このメッセージは何か?

このメッセージは、ワルいソフトウェアが置いてあって言葉巧みに利用者にそれを実行させようとするウェブサイトが検索結果に含まれている場合に、警告文として表示されるものでした。

つまりまるで、Googleがインターネット全体を「有害だからアクセスしちゃ駄目だぞ!」と言っているような異様な表示でもありました。

普通こういうことになると、Google側というか世界全体で発生していた問題だとは思いませんから、「私、何かやっちゃったかな?」(例えば、何かを間違えて設定してしまったとか)とか、「自分のマシンがハカーさんにオモシロイタヅラされちゃったよう!」とか思ってしまったりしたようでした。

ですが、世界同時に発生した怪現象だということがわかり、ああ、Googleさんが何かやっちゃったか、とうとう世界のGoogleさんがハカーさんにオモシロイタヅラされるという歴史的事件が起こったんじゃないか、ということになりました。

個人的には、インターネット全体が有害ってのは、Googleさんは意外と真理に到達なさっているかもしれないぞ、とかしょうもないことを思いました。人は皆生まれながらに業を背負った罪人であり、ネットも同じなのです。Googleはそういうことを言いたいんです(ウソです)。


◆原因は「うっかりミス」

発生原因はなんと「うっかりミス」だったようでした。

Googleはワルいソフトウェア(マルウェア)のURLを調べている非営利団体からURLリストを貰っていて、それを基にこのメッセージを表示していました。

ところが、そのURLリストに「全てのURLにマッチしてしまう」ものが間違って混ざってしまっており(「/」)、その結果起こった現象だということでした(ただし「Googleの発表」によると、ですが)。

なんとも馬鹿馬鹿しい原因でありました。

もう世界中の人が言ってることですが、一つのシステムに依存してしまうとつまらないうっかりミスで世界中が大変なことになってしまうということを改めて考えざるを得ません。

ハインリッヒの法則というものがありまして、
・1つの重大事故の背景には
・29件の軽微な事故があり
・300件のヒヤッとするような事件がある
というのがあります。

これは300件の「ヒヤリハット」の時点で注意をするようにすれば事故が防げるという主張ですが、今回の事件は「29件の軽微な事故」に相当するものであると言えましょう。

つまり、これはGoogleが原因で世界を巻き込む真の大事故(1つの重大事故)が起こりうることを示した事件だとも言えます。

◆ネットの自由は実にもろい

以下、あまり面倒な話題を書くのはどうかと思うのですが、少し書いてみます。

今回はネット的に「正義」の看板を背負っているGoogleさんが引き起こした事件だったので、どちらかというと笑い話になっていますが、これがもしマイクロソフトが引き起こした事件だったら、マイクロソフトが我々を支配するための仕組みだ、と非難する人が出てきたことでしょう。

つまりGoogleに何かのリストがあって、そこにURLを書き込むだけで有害判定されてしまえるのなら、そのリストが世界の一部分を支配しているともいえます。だ。iPhoneに「キルスイッチ」があることが問題になりましたけど、それと同じ。

iPhoneのものを私は「デスノート」とかしょうもない呼び方をしましたけど、これもある意味そういうものです。

まあ、よく考えないといけない問題があることを再認識する事件でもありました。

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