562 Palm Pre:老舗Palmの存亡を賭けた反撃
タイミングを逃したので最新ニュースではなくなっていますが、気にせずに書いてしまうことにしました(実は後で書く記事を書くためだったりします)。
PDAの老舗であるPalm(パーム)がスマートフォンのOS戦争に殴り込みをかけてきました。
◆Palm Pre
年初のニュースを二月頭に書いているんだなと思いつつ(すみません)、まずは記事。
PalmがwebOSベースの新スマートフォン「Palm Pre」を発表
http://journal.mycom.co.jp/news/2009/01/09/006/
Palm Preは、Palmが独自開発した新OS「webOS」ベースのスマートフォン。3.1インチ / 480×320ピクセルのマルチタッチ液晶を搭載、縦方向にスライドするQWERTYキーボードを装備する。
あわせて発表されたwebOSは、Webへの接続を前提に開発された新しいプラットフォーム。マルチタスクで動作し、複数のアプリを並行して実行できる。マルチタッチインターフェイスの導入により、画面全体を操作領域として使用でき、ドラッグ&ドロップなどの方法で画面をカスタマイズすることも容易になった。複数のサービスやデータベースを統合する機構「Palm Synergy」により、OutlookやGmailなど複数のサービスに重複した情報がある場合でも1つだけを表示するなど、ユーザは各種サービスを横断的に利用できる。
PalmはPDAの老舗でした。しかし今は昔話になってしまった存在でもありました。またそもそも日本ではPDAというカテゴリ自体が滅んでしまって久しい状態です。
ウィルコムが初代W-Zero3を発表したときには、PDAが意外な形で復活したと喜んだ人も居たようでした、逆に言えばその時にはすでにPDAは終わった存在になっており、PDA時代の(特に初期に)活躍したPalmももはや過去の存在になりつつありました。
ところがPalmが新しく独自開発したOSで時代の話題に突然戻ってきた、というのが今回のニュースです。
念のために整理をすると
・スマートフォン(電話機):Palm Pre
・スマートフォン用の新しいOS:webOS
あのPalmが帰ってきた、という話題性もありますが、出来も良かったために話題になっています。最近のスマートフォンやスマートフォン用のOSをよく研究して作られており、特にiPhoneについてはかなり参考にされているようです。
「どのようなものか」については、youtubeにあるムービーを見るのが良いと思います。個別のファイルではなくて、検索結果にリンクしてみましょう。
http://jp.youtube.com/results?search_type=&search_query=palm+pre
まあ今の時点でPalm Preを使って意見を言っている人間はヲタだけなのですが、評判はとても良いようです。
また、Palmにとってこのスマートフォンは「存亡を賭した最後の大勝負」です。存亡を賭けた最後の勝負だからこその良い出来であって良い評判に繋がっているに違いありません。
iPhoneかAndroidか?という話題に突然別の本命が飛び込んできた感じです。
アメリカではスプリントから発売されます。また、スプリントということはCDMA2000の端末として発売されることになります。これでアメリカは
・iPhone:AT&T
・T-Mobile:Android
・Sprint:Palm Pre
ということになりました。
WiMAXの難儀やらでどうも良い話題の無いスプリントですが、AT&TのiPhoneで起こったようなことが、(部分的にでも)スプリントにPalm Preでもたらされるかもしれないという意見も出ているようです。
また、CDMA2000向けの端末が北米に投入されるということは、日本ではAUから発売される可能性があるということになります。
スマートフォンには消極的なAUですからその点では実現性は薄くなりますが、「他社との違い」を強く意識しているAUですから、明らかに他社のスマートフォンとは違うイメージを持っていて洗練されているPalm Preを「AUっぽさ」の一部として日本への投入を図るかもしれません。
また、ドコモがW-CDMA版やLTE版を作ってくださいとお願いしたら作ってくれるかもしれません。
◆携帯電話向けのプラットフォーム
webOSの投入で携帯電話のプラットフォームは(同じ感じで列挙すべきでないものも平気で混ぜてしまいますが)こういうことになりまして、一つ候補が増えることになりました。
・Symbian
・LiMo(Linux)
・WindowsMobile
・BlackBerry
・Android
・iPhone
・webOS
Palmがスマートフォンの激しい競争の中生き残れるのかどうかは解りませんが、
例えばWindowsMobileのスマートフォンを作っている一つに過ぎなくなる代わりに、独自OSでの大勝負に出てきました。
出だし(発売前の評判)は上々ですが、さて今後彼らは生き残れるのかどうか?
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