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547 インテルが「アメリカのWiMAX」がピンチである事を認める発言

インテルが、アメリカでのWiMAXの将来性を悲観している、というニュースです。


◆インテル:WiMAX事業の主軸は米国外市場へ - 将来性を悲観

まずは引用。

ワイマックス事業の主軸は米国外市場へ~インテル、米市場の将来性を悲観
http://www.usfl.com/Daily/News/09/02/0212_035.asp?id=67541

インテルは、広帯域無線通信規格ワイマックス(WiMax)の普及促進努力を米国市場から国外市場に移している実情を明らかにした。

インフォメイション・ウィーク誌によると、バルセロナで開かれるモービル・ワールド・コングレス(Mobile World Congress)を1週間以内に控え、インテルは、ワイマックスの現状について記者説明会を開き、米国内ワイマックス市場の成長見込みが弱いことから、活動の重点を国外に移行せざるを得ないことを強調した。

インテルが「アメリカでのWiMAXは厳しい状況である」ということを認める発言をしてしまいました。

「成長見込みが弱い」という表現になっていて次世代戦争で敗北したとは言っていないので、LTEに勝てないと悟ったか、次世代市場自体がダメだと思ったかのどちらかということになります。

アメリカ以外に注力するとの事ですが、アメリカ以外というのは具体的には、

インテルのショーン・マローニー販促担当上級副社長によると、日本とインド、ロシア、韓国、および欧米とアフリカ諸国では、第4世代の無線通信サービスの敷設が急速で進められており、広帯域インターネット無線接続が「世界的な議題」になっているが、米国内ではそれほどの動向にまだ発展していない。

面白いと思ったのはインテルも「世界の流れは次世代なのに(「世界的な議題」)、アメリカは遅れているのだ」と、まるで「日本が取り残される」式の言い訳をしているところです。

具体的な国としては、日本・インド・ロシア・韓国・欧米?・アフリカが挙げられています。これらの国で「敷設が急速で進められて」いるのかどうかは実に怪しいところですが。

日本のWiMAXにはインテルが最後の希望をかけているかもしれません。インドやロシアは、新興国が「楽な方法」で「広帯域インターネット無線接続」を整備しようとするところに期待しているのだと思います。韓国はWiMAXバブルの片棒を担いでいるので候補にあるのでしょう。アフリカについては、途上国作戦のことでしょう。

またなぜか台湾の名前が出てきません。確かに台湾でのモバイルWiMAXの状況はよろしくないようですが。また当然のごとく、国家ぐるみで採用を拒否している中国の名前は出てきません。

例えば、固定のWiMAXはまともな固定電話網どころか電源すら無いような途上国に簡易にブロードバンドを整備する方法として売り込む意図があります。アフリカの名前が出てきているのはそういうことです。

インドやロシアについても、既存の(無線)インフラ整備が出来ていない国では、安上がりのWiMAXがLTE等よりも有利なはずだと思っているという事です。

WiMAX方面からは、先進国ではなく新興国や途上国ではWiMAXが導入コスト面で有利であるという発言が出てくるようになっています。次世代の勝者を名乗るのを止めて、ニッチへ撤退したともとれます。

ただしLTEもコストが安くなるといっており、GSM+WiMAXの組み合わせと同じようにして、GSM+LTEの組み合わせも可能です。WiMAXで音声も取り扱うのは難しいですが、LTEでは問題ありません。つまり、途上国についても無条件で安泰ではありません。

実際、GSM+LTEな基地局はあちこちで作られつつあります。なにしろWiMAX陣営の重要メンバだったはずのモトローラですら、「GSM+LTEな基地局」の開発をしているくらいです。

なお、記者はWiMAXはヤバイと思って記事を書いているようで、続いてこうあります。

先月破産申告したノーテル・ネットワークスも、ワイマックス事業から撤退し、基地局を提供するアルバリオン(Alvarion)との提携を解消した。ノーテルは今後、LTE(Long Term Evolution)技術に特化した事業に傾注すると表明している。LTEは、UMTS方式の携帯電話通信網を第4世代にアップグレードするものだ。

さらに、ここ数週間の間に、インテルとグーグル、タイム・ワーナーは、米国内のワイマックス通信網構築を手がけるクリアワイヤーへの投資損失を計上しており、先行き不透明感は強まるばかりだ。インテルだけでもその額は10億ドルと言われる。

ノーテルがモバイルWiMAXから脱落してLTEに専念する事を表明した件と(ブログにも書きました)、アメリカでのWiMAXそのものである「クリアワイヤー」の状態が思わしくないことが書かれています。ちなみにクリアワイヤーが仮に消滅したら、北米のWiMAXが文字通りに終わります。

そして記事は、意外な形で締めくくられます。

マローニー氏は会見の席上、特に日本での試みを取り上げ、2012年までにはワイマックスが世界主要市場で実用化されるだろうと説明した。

この記事は取材場所がアメリカで、アメリカ向けの記事(インフォメイション・ウィーク誌)ですから、日本へのリップサービスでこういうことが書かれているわけではありません。

インテルは、UQコミュニケーションズのモバイルWiMAXに最後の期待をかけているのだと思います。

数年前までは日本が世界の流れに乗り遅れるなんて騒いでいた人がいましたが、いつの間にか日本は、インテルが日本を強調しなければならないほどの存在になってしまったというわけです。ただし、悪い意味でですが。

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コメント

>数年前までは日本が世界の流れに乗り遅れるなんて騒いでいた人(ry
毎度思うのですが ↑の人たちは責任とか取っていないのですかね......?

XGPをm-WiMaxのサブセットとして認めてもらえないものでしょうかねー?
ハード・技術的にはかなり同一の部分が多いですし XGPは音声にも細心の注意を払って規格が作られているでしょうし WILLCOMはお金ないしで補い合えると思うのですが......

投稿: sy | 2009/02/20 00:32

日本のWIMAXサービスの質も低下してますよ。
設備投資の余力がUQ社にはもう無いのでは?

投稿: | 2013/01/10 23:48

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