« 575 次世代PHSの基地局と端末はすでに用意されている | トップページ | 573 イーモバイルが「1.5GHz帯は要りませんから、1.7GHz帯をください」と言う理由 »

574 エリクソン曰く、「GSM/HSPA/LTEと光ファイバ以外は滅びる」

欧州における携帯のボスっぽい存在であるエリクソンが、またモバイルWiMAXを斬っています。

ADSLもWiMAXも将来は無い、とのこと。


◆WiMAX嫌いは相変わらず

10Mビット/秒以下はすべてモバイル通信が担うようになるだろう
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Interview/20090106/322318/?ST=network&P=1

エリクソンというのは、欧州の携帯電話技術のボスみたいなところで、GSM、W-CDMA、HSPA、HSPA+、そしてLTEに関わっているところです。そして、モバイルWiMAXには厳しい評価をしています。

そのあたりは2008年のお正月辺りのモバイルWiMAX関係の記事にいろいろと書きました。

記事ではエリクソンの以前からの主張がまた繰り返されています。

・GSM/HSPA/HSPA+/LTE が時代の本流

・世界的にはまずHSPA化が進み、LTEは少し遅れる

LTEは2010年ころから始まると見ているが,2013年の段階でも加入者はHSPAやGSMと比べて非常に少ないだろう。

・モバイルWiMAXは流行らない

モバイルWiMAXはニッチな技術でしかなくなると見ている。エリクソンでは,2013年にモバイルの加入者が60億以上に達すると見ているが,そのうちの98%が3GPP系の技術が占めると予測している。

インテル(WiMAXの親分)は最近、エリクソンと協力をしてノートパソコンへのHSDPAの搭載を進めていますが、エリクソンはHSDPAとLTEでWiMAX滅ぼすつもりなのです、なんとも。

また、エリクソンは10Mビット/秒以下の固定回線はモバイルで置き換わるだろうと、言っています。欧州で3.5世代でのデータ通信が増え、ADSLが減っていることを引き合いに出しています。光ファイバ以外はモバイルに置き換わるだろうという主張です。

ただし、インタビュアーから無線の宿命である「容量」の問題について突っ込まれており、それについては「そのうち解消するであろう」みたいなことしか答えられていません。

また、世界各国でLTEを導入する周波数が異なっている点について懸念が示されています。

・米国:700MHz帯
・欧州:2.6GHz帯(2.5GHz帯)
・日本:2GHzや1.5GHz帯

日本でも700MHz帯がそのうち空きますが(アナログTVが終了すればですが)、その場合も米国とは割り当て方が違います。

日本の2GHz帯はW-CDMA帯域をLTEに転用するという話が出ていることによります(他国もずっと先にはLTEに転用されているかもしれません)。また1.5GHz帯は他所から見ると変な割り当てなので、また日本のLTEは世界から孤立した、とか誰かが言い出す原因になるかもしれません。

で、LTEの帯域幅については、

世界的にLTE用の帯域幅として主流になるの何MHz幅か。

どの事業者も最高スペックである20MHz×2が望ましいが,現実的には20MHz×2の周波数の確保は難しい。10MHz×2が主流になると見ている。

20MHz×2が確保できれば、従来とは異次元の(スペック上の)速度が実現できるはずですが、現実的には10MHz×2ではないか、とのこと。またやっぱり、5MHz×2になるのは避けたいようです。ただ、2GHz帯の置き換えだとしたら、最初は5MHz×2になるでしょうね。

また、次世代PHSやTD-SCDMAについてのエリクソンの発言は無いようです。

|

« 575 次世代PHSの基地局と端末はすでに用意されている | トップページ | 573 イーモバイルが「1.5GHz帯は要りませんから、1.7GHz帯をください」と言う理由 »

コメント

韓国じゃWiMAXが電話になるんですな
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0901/20/news080.html

国策ってすごいですね
UQもこんな真似できるのかなあ

投稿: 猥風呂 | 2009/01/20 21:50

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 574 エリクソン曰く、「GSM/HSPA/LTEと光ファイバ以外は滅びる」:

« 575 次世代PHSの基地局と端末はすでに用意されている | トップページ | 573 イーモバイルが「1.5GHz帯は要りませんから、1.7GHz帯をください」と言う理由 »