579 ARMが逆にネットブックに攻め込むらしい
以前、Intel vs ARM(iPhone) という記事を書きましたが、今度はARM側がインテル側に攻め込むかもしれないという話題です。
以前の記事:
「インテルがiPhoneを酷評」騒動の正体は「モバイルCPU戦争」でiPhoneはあまり関係ない件
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/10/588-iphonecpuip.html
◆ARMなネットブックが作られる?
モバイルなCPUの世界では「ARM」が広く使われています。インテルはAtomで攻め込もうとしていますが、あまり芳しくないようです。iPhoneも(インテルの意に反して)インテルのAtomを採用せずに、ARM系のCPUを採用しています。
で、インテルが「『ARMを採用した』(iPhoneが)気に入らない」と言ったところ、「(ARMを採用した)『iPhoneが気に入らない』」と解釈して記事を書いてしまった人が居て、騒動になったというのが前回の記事でした。
つまり、モバイル世界を巡っての、「ARM vs Intel」の戦いが事の本質であるということでした。
で、今回のニュースです。
Freescale、ARM プロセッサ+Ubuntu で Netbook 参入、200ドル以下を実現か
http://japan.internet.com/webtech/20090106/3.html
Freescale Semiconductor は、2009年1月5日、8.9インチ・ディスプレイや8時間の連続バッテリ動作などを特長とした Netbook PC を200ドル(USD)以下の価格で実現するための総合ソリューションを携え、Netbook PC 市場に参入すると発表した。Freescale の新しいソリューションは、ARM Cortex-A8 テクノロジを採用した新しい i.MX515 プロセッサをベースとしており、機器メーカーが Netbook 製品を短期間で開発して市場に投入できるようにするための、ソフトウェア、コンポーネント、およびリソースを豊富に取り揃えている。
つまりこういうことです。
・ネットブック(Eee PCみたいなやつ)をARMで作ろうという話が出てきた。
・そのために(ARMとしては)ハイパワーなCPUも用意された
・値段は200ドル以下(2万円以下)
・長時間バッテリ動作(ARMは省電力)
・Linuxベースのマシン
インテルは携帯電話の領域に攻め込もうとしているわけですが、この話はARMがPCの領域に攻め込もうとしているという話です。
ARM側にはいくつか問題があります
・デスクトップマシン用のWindowsのARM版が無い(今のところ)
・(超)ハイパワーなCPUが無い
・CPU以外の部品は同じように電気を使う
でも、Linuxのネットブック(ないしは他のOSの)としては十分に成立可能な状況にはあると思われます。安くて電池持ちがとても良いものができる、かもしれません。
「8時間の連続バッテリ動作」とあるのは、ARMの省電力性能を生かしての事だと思います。
イメージしやすいようにすると(あまり良い比喩ではありませんが)、WILLCOM 03のハードウェアをパワーアップしたものをノートパソコンっぽい筐体に入れるというような話だと思ってください。そして、Eee PC的なものを作ろうとしているということです。
以下、蛇足ですが、
デスクトップ用のWindowsのARMへの移植を実現させるのは難しいと思うのですが、Linux以外でデスクトップ用のOSがARMに移植されているとみなせる例があります。それは何かというと、MacOS(iPhone用のOS)です。
ということは、デスクトップのWindowsのものを作るのは難しいけれども、ARMでMacなネットブックは作れるかもしれないということです。まあ、そんなものは決して作られないでしょうけど、もし作られたら相当なショックに違いありません。
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