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2008年11月の4件の記事

585 次はソフトバンクとイーモバイルの純増一位争奪戦かも- 2008年10月の携帯純増数

しばらく更新に間があきましたが、2008年10月の携帯純増数について記事を書いてみたいと思います。


◆まず結果

まずは数値を。

DoCoMo 3万2700
KDDI 4万6700
SBM 11万8400
EM 10万2500
WILLCOM マイナス2万2700

今月も概ねこれまでの流れが継続した形となりましたが、イーモバイルが2位になったことと、ウィルコムが今までよりも多く純減した点が異なる点ではないかと思います。

ドコモは久しぶりにKDDIに抜かれてしまいました。KDDIが伸びたというよりもドコモが控えめの数字になったという感じです。

SBMは今月も一位をキープしました。しかし、もう少しのところまでイーモバイルに迫られました。

そしてウィルコムは多めの純減をしています。


◆純増数をあまり気にしすぎてはいけない

極めて「分かりやすい」数字であるために、純増数は必要以上に業績の良し悪しと結び付けられてしまう傾向があります。

しかし以前記事に書いたとおり、純増数というのはちょっと難しい数字です。同じ内容を二回書く代わりに以前の記事へのリンクを張ります。

7月の携帯純増数は先月と同じ流れ / 純増数には一喜一憂するものでもない側面も
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/08/611_7_8565.html

加入者数が多いゆえに解約に弱いはずのドコモがまだ純増を保っているのは、ドコモがかなり頑張っているか「人間以外の契約」へ力をいれて純減しないようにしているからだと思われます。

KDDIについても、公約だった3000万契約を達成したあとは低空飛行が続いています。

両社ともに世間的なイメージの悪い純減は回避しつつ、それ以上の無理はしないようにしているのではないかと思われます。

一方でソフトバンクは今月も一位を維持しました。ソフトバンクも本音では一息つきたいのかもしれませんが、好調であるというイメージ自体がソフトバンクの好調の基礎になっているという事情のためか、まだ頑張った数字になっています。さすがにそろそろこの水準の維持は難しくなってきているのではないかと思うのですが。

イーモバイルはもう少しで一位の二位になりました。ここで一位になっていれば世間的には大ニュースになっていたはずで、イーモバイルとしては実に惜しい事をしてしまったかもしれません。

イーモバイルですが、「絶対契約者数が少ないために純減の効果がかなり少ない」ため、純増数では他社よりも圧倒的に有利な状態にあります(上記の以前の記事を参照のこと)。ですので、イーモバイルが純増一位を取るのは(他社に比べて)それほど難しい事ではありません。

よって、例えばドコモが少し純減をしていてイーモバイルが一位独走だったとしても、本当の好調さではドコモの方が上、ということもありえる状況です。

ソフトバンクは息切れしてきているように思えますし、もうしばらくすると「イーモバイルが一位」のニュースが続くこともあるかもしれません。

逆にいえば、ソフトバンクが一位死守をするためには、「イーモバイル対策」をせねばならないのではないかと思います。


◆イーモバイルがもう少しで一位

イーモバイルが今月好調なのは、Touch Diamondの好調によるものと、100円ノートパソコン作戦によるものだと報じられています。

iPhone発売前夜の変な熱気の中、千本会長が「EMONSTER liteでiPhoneに対抗する」と言い放った時には、iPhoneに熱狂する方面からは失笑もあったようでした。しかし、「Touch Diamondの好調」という結果は、iPhoneを凌駕したわけではないにせよ(念のため)、一応「対抗できている」という結果になりました。

私も当時、イーモバイルもiPhoneを欲しがるより、iPhoneキラーを大々的に売り出すほうがイーモバイルらしいはずだ、と書きました。結局それで良かったようですね。

また、ソフトバンクが大金を使って開拓した市場をイーモバイルが横からちょっと頂いたことになっているかもしれません。iPhone 3Gの国内発売がもし無かったとして、Touch Diamondの好調はありえないからです。もし10月の純増数の好調が主にTouch Diamondによるものならば、千本会長は孫社長とジョブス師匠を肴に祝杯を上げているかもしれません。

一方で「100円ノートパソコン」については、携帯電話の契約というより、良く言われるようにノートパソコンのローンを携帯電話料金の形で払っているような、従来からすると変な純増でもあります。自動販売機の純増をカウントするのが変という感覚の人にとっては、これも変に違いありません。

「この方法」は今後他社に模倣される可能性もあります。他社の制限付き3.5世代PC定額や、これから出てくるモバイルWiMAXのUQコミュニケーションや、ウィルコムの次世代PHSにです。もしくは、この方法が横行すると「何か変」な感じもするのも確かなので、総務省方面から「やめましょう」という話がまた出てくるかもしれません。


◆次の一位争奪戦

イーモバイルは現契約者数が少ないため解約効果があまりありません。そして、新規契約数は予算をつっこめば(短期的には)比較的簡単に増えます。よって、ソフトバンクより純増数競争の点で有利な点があります。

今月はもう少しで届きませんでしたが、近いうちにイーモバイルが純増一位を取る日が来るかもしれません。契約者数の効果で有利だからです。

データ通信についてはこれから次世代戦争がはじまりますし、ソフトバンクがそろそろ息切れしてきていること(これまで「好調」すぎた)、またイーモバイルの基地局整備は少しずつ進んで音声通話での不便がなくなってゆく一方で(ただ、現状ではエリア狭すぎだと思いますが)、ソフトバンクの基地局整備は足踏みしています。

データ通信でまず伸びたイーモバイルは、次はソフトバンクを食べてゆく形になるのではないかという気もします、もっとも両社のこれからの作戦次第だとは思いますが。

Touch DiamondがiPhoneを(一部)食ったというのは、もしかしたらこれからの流れを象徴する出来事かもしれません。

しかしソフトバンクは一位を死守しようとするでしょう。今月の「イーモバイルに迫られる」というのはもしかすると予想外の事だったかもしれませんが、今月の結果を受けて今後はイーモバイル対策をしてくるかもしれません。

ソフトバンク・イーモバイルともに今後どうなるか解らない要素が多いので、実際にはどうなるやらわかりませんが、もしかするとこれからは

ソフトバンクとイーモバイルの純増数一位争奪戦

という新しい戦いが始まるかもしれません。そしてそういう戦いがはじまったとして、有利なのはおそらくイーモバイルに思えます。


◆ウィルコムは結構減りました

最後にウィルコム。

ウィルコムは結構減ってしまっています。なんでも発表によると純減の原因はデータ通信系の大きな純減によるもので、音声は好調なんだそうです。

「音声の純増で来月はトータルで純増に戻す」とのことですが、本当なんでしょうかねえ。

また、ウィルコムは携帯三社と比べて契約者数があまり多くありません(解約の効果が弱い)。よって、純減しているというのは重ねてよろしくない現象です。

ただ、Honey BEEが相変わらずとても売れているのは事実のようなので、「音声については好調」というのは本当なのではないかと思います。

データ通信についても、どうも売り方が下手糞な気がするので(良い点がアピールできていない)、何かが改まればこちらも改善するかもしれません。

ただ、次世代PHSが始まって「安定するまでは」なかなか難しい状況が続くのではないかと思います。

今後どうなるかは、
・次世代PHSのポテンシャルの良し悪し
・音声定額での再反撃がどこまで進むか
ではないかと思います。

まあそれにしても、ウィルコムに音声定額がもし無かったら(その後の他社の定額攻撃を招いた事を差し引いても)、今ごろとても大変なことになっていたでしょうね。

まさか2008年になってみると、「京ぽんの直系子孫」が「音声定額」でウィルコムを支える事になるとは、京ぽんブームの時には誰も思わなかったに違いないです。

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586 森久美子さんが、iPhoneにマジギレ

森久美子さんがiPhoneに不満爆発である件について記事にしてみたいと思います。

「その辺の普通の人」にとってのiPhoneがどういう存在か、ということが少しわかる感じもします。実はこのような話「良くある事なんじゃないか」とも思えますから。


◆個別の記事にリンクが張れないので

森久美子オフィシャルブログ
http://www.k-seven.co.jp/blog_mori/

個別の記事にリンクが張れなくて困ったので、仕方なしに全体を引用してコメントをつけます(なんとかしてください)。

10月27日 iPhoneにしたらね

最悪なお知らせします。

iphoneの使用にあたっては!かなり暇でiphoneと向き合う時間が沢山ある人が側にいるか?近所、家族、にAiphoneを持って居る人のみの仕様です!

PCでそのアドレスに行かないと、今までの電話張拾えないし!

店員は料金の説明に必死で、使い方などは教えてくれない、僕持ってないので~(--;)って替われ替われ替われ替われ替われ替われ替われiフォン持ってる奴に替われ替われ替われ替われ・最低です

私の結果ですが、iPodもってるならiphone要らないわ!インターネット観るにしたって、字がちっちゃくて!疲れる!!クーリングオフしようとしたら、だめなんですよ!説明書にクーリングオフの名前が無かった!解約だけが光ってたこれ?ちょいと日本の販売的な法律に?ギリギリな感じ??売りつけりゃいいって事ね!そんな商売ヤバイ!どうせDoCoMo愛用者20年の私には、ソフトバン○のCMは来ないから、平気で言える!!iphone知りたきゃ、本買えだよ!店からは、コピーしたアドレスを変える時はこうやります的な事だよ!本みると、他の携帯とiphoneのダメな所ってのがあるんだけど、かなりダメなところが多い!

誰か使い方教えてくれない!????全然解らない!エディーさんマックブックも使いきれてない私にiphoneは無理無理!解約したい!

とりあえず、iPhoneにかなりのご不満の模様です。

ついつい買ったけども、全く使いこなせずに困り果てているようです。

森久美子さん曰く、iPhoneは
・かなりの暇人
・親しい人がiPhoneを持っている場合
しか買ってはならんそうです。

また、店員の対応が「聞いた事があるような話」になっています。店員は使い方は解らないと言うし、「僕は持っていないので」という有様のようです。そして、買ってから使い方が解らずに困り果てています。

おそらくこの店員、本当はあまりiPhoneを売りたくないのだと思います。面倒ばっかりでなんと困った端末であろうか(でもしょうがないから売っている)と思っているのではないかと、よく聞く感じの話ですが。

森久美子さんは、誰かにiPhoneを吹き込まれて買いに来たわけですが、結局何も解らなくて困り果てているようです。店員も何ら助けになっておらずそれにも怒っており、何故「こんな訳のわからん端末」を普通に売っているのかという不満もあるようです。

「解りもしないのに買うな」というのは簡単ではありますが、世間のITとかに詳しくない系の人にとっては「自分は常に解らない」のであって、またそれだからこそ携帯屋さんの店員なら解るだろうと思ったり、次分にとって本当に解らないものと頑張ればわかるものの区別がつかなかったりします。また、他の人に教えてもらうのを前提に考えていたりします。なぜなら、「解らない」ということはそういうことだからです。

ただ、もうちょっと慎重に考えて買ったほうが良かったのではないかと思います。よって、まず買った森久美子さんに向かっては「よく考えて買わなかったのが悪い」と思います。

しかし店の側、ないしはソフトバンクの側から考えると「こういうお客さんも店にやってくる」ということは、容易に想像がつきます。なぜなら森久美子さんレベルの理解力の人は世の中に珍しいわけではないからです。よって、売る側に何も責任が無いとは言えないでありましょう。


◆間違って買う人

※最初に書いておきますが、以下は「ITに詳しくない人」にとってを書いているだけです。「iPhoneそのもの」について「そういう意見」をしたいわけではありませんので、誤解なさらぬようにお願いします

スマートフォンで先行したウィルコムでも、「適切ではないスキルやニーズのユーザが端末を買ってしまう」という問題がありました。買ってすぐ解約されるという現象でウィルコムの悩みの種だったはずです。

ウィルコムは適切なスキルのユーザ向けに売ろうと注意を払ったようですが、それでもWILLCOM 03発表時には「これはスマートフォンで普通の携帯とは違うんです、とお客に説明をしても、同じ携帯売り場にある時点できちんと区別してもらえない。だから、普通の携帯だと思って買ってしまっても大丈夫なスマートフォンを目指した」と言うような事を言っていたはずです。

注意して売っていたウィルコムですらこういう状態だったわけですが、iPhoneで気になるのは思いっきり普通の人に買わせるような売り方だということです。CMしかり。

また、森久美子さんもどうやらそうなんですが、より深刻だと思うのはこんな話を聞くことです。

・買ったけど訳が解らない
・でもせっかくだから解ろうと思って調べてみて/聞いてみて、その結果解ったのは
 ・理解がいかに困難かは解った
 ・iPhoneの普通の携帯との「違い」
 ・パソコンを持っていない自分には絶望だと解った
・得た結果はより深い絶望と、自分には無理だと言う確信

単に電話したり、スリスリしてウェブ閲覧する程度ならば誰でも使えますが、電話は圏外になりやすくてあまり通話に適した形状をしていません。そしてウェブ閲覧についてもあんまり評判がよろしくないことがあります。

インターネット観るにしたって、字がちっちゃくて!疲れる!!

通常の携帯電話のウェブサイトは、高度に「携帯電話で誰でも見易いように」配慮して作られています。iPhoneのSafariが工夫してあるとは言っても、本来携帯デバイス用ではないパソコン用のウェブサイトを見るとなると、「携帯専用に作られたウェブサイトを携帯電話で親切に見る」のに比べて苦痛であって、普通にパソコンで見ればいいものを何故こんな変な事をするのか、という意見もあるということです。

ちなみに私個人は携帯電話にフルブラウザが載るようになったことを喜んでいる種類の人間ですから、上記のようなことは決して思いません。でも、意義を感じない人が居る事も理解できます(こういうものを安易に他人に勧めちゃダメだ)。

で、結局こういう事になります。

私の結果ですが、iPodもってるならiphone要らないわ!


◆ひろゆきさんはまだ優しかった

「iPhoneは一ヶ月で飽きる」という発言をしてしまったひろゆきさんですが、実はまだ優しかったとも言えます。一ヶ月で飽きる」ことが出来るのはiPhoneの使い方を多少なりとも会得できた人に限られます。

しかしどうやら、このような「すぐに挫折した人」は結構居られるようです、いろいろと聞く限りでは。

解らないのは良い事ではありません。でも解らない人は「自分は知識が十分ではないとは言っても、しかしどうしようもないほど知識不十分ではない」ということは解ったりします。また、一度わかろうと思って努力した結果として「これは解らない」と言う事だけはわかった状態だったりします(先に書いたとおり)。

ちゃんと契約して買ったんだからへ返品しようなんていうな、解りもせずに買うからだ、というのも全く筋が通っていますが、「何故こんなものを、あんな感じ(CMとか)で平気で売っているのだ」と思うであろうこともまた事実。自分の考えが足りなかったということは解っていても、でも「やられた」「なんとかしたい(何とかなってもおかしくない)」と思っても不思議ではありません。

その結果、一見理不尽にも思える「なんとかして解約したい」「おかしくないはずだ」という話が出来上がります。で、そういうのが店やらサポセンに押し寄せてしまっているのではないかと。無茶な要求でもあるのですが、しかし心情的にはわかる面があるのもまた事実。

売りつけりゃいいって事ね!そんな商売ヤバイ!どうせDoCoMo愛用者20年の私には、ソフトバン○のCMは来ないから、平気で言える!!iphone知りたきゃ、本買えだよ!店からは、コピーしたアドレスを変える時はこうやります的な事だよ!本みると、他の携帯とiphoneのダメな所ってのがあるんだけど、かなりダメなところが多い!

また難しいのは、この種の意見は「ネットには上がってこない」ことです。ブログを書くような人は使い道を会得できる人間がほとんどでしょうから。

というわけで、「見えないところで困っている人がたくさん居るのだろうな」とは思っていたのですが、今回わかりやすい例が一つあったので記事にしてみました。

iPhoneは、もっと可愛がってもらえる人のところに届くようにして欲しいです。ただ、何もかも解っているのにこういう売り方を続けているような気もしてなりませんが。例えば、在庫の山とか。

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587 1.5GHz帯再割り当て議論開始:日本のLTEは2010年春に1.5GHzから、かも

1.5GHz帯を次世代に再割り当てする話が動き始めたようです。

◆三社なんですか?

まずはニュースを

3.9G携帯の技術的条件ほぼ固まる,1.5GHz帯割り当てを拡大する意向も
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081027/317908/

1.5GHz帯は第二世代携帯用に割り当てられていた帯域で、
・2009年度末停波予定:J-Phone→Vodafone→SBM
・停波済み:ドコモが第二世代用に補助的に利用
・停波済み:ツーカー
・その他携帯以外にも使われている
というような使われ方をしてきた帯域です。

現在はソフトバンクの第二世代が停波待ちの状態で、この停波が実は結構大変かもしれないということを以前記事にしています

難題:ソフトバンクは2009年度末までに第二世代を停波する義務がある件
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/04/695_2009_00d2.html

今回の記事は、ソフトバンクが第二世代を停波した後に、この帯域をどうするかという話が進んでいますよという記事です。

結論から言うと、
・第三世代の更なる発展系の技術
・3.9世代(実質的に第4世代)の技術
への再割り当てがなされるようです。具体的には「HSPA+」と「LTE」が現実的な候補になります。

一応、総務省的な技術の候補としては(出来るだけ「公平」にやらないといけない)

・LTE
・UMB
・HSPA Evolution(HSPA+)
・DC-HSDPA

以上が候補になるようです。

FDDモードのモバイルWiMAXについては、「標準プロファイルが現段階では存在しない」ということで却下されてしまうようです。まあそもそも、候補にしたところで誰も採用しようとはしないでしょうけど。

ちなみに補足すると
・LTE(W-CDMA陣営の次世代。事実上の次期世界標準)
・UMB(クアルコム自慢の次世代技術も、採用するところが無い)
・HSPA Evolution(既存の第三世代の延命技術)
・DC-HSDPA(既存の第三世代の延命技術)

下の二つについては、HSPA+と呼ばれているような感じのものをわざわざ二つに分けただけ、くらいに思っておいて良いでしょう。

KDDIがUMBで手を挙げる可能性はゼロではありませんが、KDDIも次世代にはLTEを採用することをほのめかしています。

次の問題は、どの程度の帯域幅が用意される事になるかということと、何社に割り当てるかです。

ちなみに、第二世代での利用の状況は非常に大まかに言って
・全国帯域:20MHzくらい
・東京・名古屋・大阪あたり限定での帯域:20MHzくらい

総務省はかねてから,上下それぞれで25MHz幅が空く予定の1.5GHz帯を,3.9Gシステム向け追加割り当て帯域として活用する意向を示してきた。

というわけで、全国帯域の部分についての話がまず進んでいるということのようです。

携帯電話以外に使われているローテクな利用についても一緒に整理(成敗)を行って帯域を綺麗にして、全国帯域を広げるようです。

今回の報告書案ではさらに一歩踏み込み,1.5GHz帯デジタルMCAの帯域も「3.9Gシステムを導入可能にすることが望ましい」と記した。

現在、携帯電話以外の用途も含めて取り合いをやっている700/900MHz帯ですが、ここでもつまらない用途の成敗が望まれます。

1.5GHz帯で成敗をした結果、どの程度の全国帯域が確保できるかというと、

ガードバンドを含めて合計で上下それぞれ48MHz~49MHz幅を3.9G向けに転用する見込みとなった。これによって3.9Gシステム向けに1.5GHz帯の周波数追加割り当てを,3社で分配するプランも現実味を帯びてきた。

今のところは「三社」への割り当てが計画されているようです。ということは、

(5MHz幅×3)×3社

という計画なのかもしれません。もしそうだとすると、LTEのフル性能は出せません。5MHz幅×3を一つに束ねても20MHz幅のLTEは入らないからです。

もし、「20MHz幅のLTE」の割り当てを行うのならば、三社均等に割り当てないようにする必要があります。

いずれにしても、成敗が前提になっている帯域についてはすぐに利用可能にはなりませんから、割り当て時期でズレが出ることになるはずです。よって、どちらにしても「均等」に割り当てることにはならないかもしれません。

また、1.5GHz帯は日本独自の帯域で、世界標準な感じではありません。よってどんな方式でどんな割り当てをするにせよ、世界標準とは違う感じの基地局や端末が必要になります。


◆どのように手が上がるか、など

各社がどのような方式で手を上げるかについては、

・DoCoMo:LTE
・KDDI:LTEのはず
・SBM:おそらくHSPA Evolution/DC-HSDPA
・EM:どちらの可能性もある(ただそもそも「三社」に入れないかも)が、早期ならHSPA Evolutionかもしれない

という感じではないかと思います。

また、記事になっているのは総務省の現時点での案で、実際にどうするかについては意見を募集してまたもめる事になります。2.5GHz帯の取り合いのときのようなことが、これからまた起こるかもしれないということです。

総務省では今回の報告書案を,10月31日から1カ月間にわたって意見募集にかける。その後,取りまとめに入り,12月に答申を得る計画。総務省は並行して,3.9Gシステムの免許方針案の策定にも取り掛かる。策定に当たっては,参入を希望する事業者の意見を聴取する場として,公開ヒアリングを11月7日に開催する。ここで事業者から計画するシステムやサービス内容,割り当て希望する周波数幅,事業者の選定要件,競合が生じた場合の選定基準などをヒアリングし,免許方針案の参考とする。

四社全てが、帯域の割り方から選定方法からそもそも何社に割り当てるべきかについて、全て違う意見を持っているのではないかと思います。

例えば、多社に割り当てると揉め事は起きなくなりますが、いろんな無駄も増えます。一社に全部割り当てると揉めますが、無駄は減ります。

SBMは現在1.5GHz帯を利用していることから、既得権を主張するかもしれません。1.5GHz帯を前提に整備している設備が無駄になるとか何とかで。

LTE陣営からは20MHz幅で割り当てないと真価を出せないという意見もあるでしょうし、細切れに配分すると長期的な有効活用ができないという意見も出るはずです。

逆に、落選しそうな陣営にとっては割り当て幅を小さくすれば自分ももらえる可能性が高くなります(極端な話、落選無しも可能)。

「成敗される側」(携帯電話ではないところ)も黙っていないはずです。

可能性は低いですが、新規参入が出てきた場合にも話がややこしくなります。

また、SBMが期日までに停波できない(ないしは「停波しない」)場合も考えられるので、そういう場合にどういうことになるのかも考えておく必要もあるかもしれません。

これからどうするかで相当揉めることになるかもしれません。

--

とりあえず、日本でのLTEの幕開けは、

・2010年4月
・1.5GHz帯

となるかもしれないというニュースです。

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iPhoneの「TV&バッテリー」はどうなんだろう、と

更新が追いついていませんが、先週には各社からいろんな発表がありました。その中の話題の一つについてまず更新。


◆らしくない

まずニュースを引用、

ソフトバンク、iPhone 3G用充電・ワンセグチューナーを12月中旬以降に提供
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/10/31/080/

iPhone用に、ワイヤレスワンセグチューナーと外部バッテリーが中途半端に合体したようなものが出るようです。

「TV&バッテリー」というのは、こういう感じのものです
・iPhoneよりも少し小さくて分厚いくらいの感じの装置
・USB経由でiPhoneを一回分充電する能力がある
・ワンセグチューナーを積んでいて、伸ばせるアンテナもついている
・ワンセグを見るときには、無線LAN経由でワイヤレスで
・ワンセグはiPhone上で専用再生ソフトウェアで見られる

まず、外部バッテリとしての説明からしてみましょう。

孫社長が今回自ら認めてしまったように、iPhoneはバッテリの持ちが悪いという問題があります。ただしスマートフォン一般に見られる傾向ですが。

iPhone用のポータブルな外部からの充電装置は既に複数発売されています。そもそも外部からの充電装置自体が以前から「良くある周辺機器」ですから。

しかし今回少し違うのは、
・ソフトバンク自らが売り出す装置である
・なぜかワイアレスなワンセグチューナー機能と一体化した装置である。

この外部装置は外部バッテリであるだけでなく、ワンセグチューナーを内蔵していてiPhoneに無線LANで飛ばしてiPhone上でワンセグを見ることが出来るようになるようです。ただし、iPhone上での再生ソフトウェアは専用品で他の機器で見たり出来ないようです。

どうも「アップルらしくない」製品です。確かにアップルからの発売ではないのですが。

アップルは機能を削りすぎた感じがするくらいのものを出す事が多いのに、これは変な折衷感がします。そして、ワンセグを見たい、あるいはこういうものを使ってまでiPhoneでワンセグを見たいという要望自体が「なんか違う」感じがします。


◆どんどん気になる問題点

まず、バッテリの充電なんですが、一回分の充電能力しか無いようです。また、こういう装置の電池も弱ってゆきますから、より正確には「買った当初ならば、一回分の充電能力」という感じかもしれません。どうにも頼りない。

またワンセグですが、ポケットやカバンにこの装置を入れておいて、無線LAN経由でiPhoneにワンセグ視聴が出来るようにするようですが、そういう使い方だと「ワンセグのアンテナを伸ばす事」が出来ません。

また、ワンセグチューナー自身も電池を使いますし、無線LANで飛ばして受けること自体にも電池を使います。実際この装置は

ワンセグの連続視聴時間は、約3時間(フル充電時)

とあります。

また、「iPhoneの電池持ちを良くする」一番良い方法は「iPhoneを無闇に起動しない」ことです。そして、無線LANの連続利用も電池を使ってしまいます。

よって、ワンセグ視聴をするとこういう事になります、
・ワンセグを見るためにiPhone自体を起動するので電池が減る
・飛んできたデータから動画を表示する処理をするためにiPhoneの電池が減る
・無線LANが動きっぱなしになるのでiPhoneの電池が減る
・「TV&バッテリー」自体もワンセグの受信処理と無線LANにして飛ばす処理で電池が減る
・よって、iPhoneの電池が無くなった時に「TV&バッテリー」から充電してもらおうと思った時点で「TV&バッテリー」のバッテリが減ってしまっている

何のための外部電池だか解らなくなってきました。

よって、こうした方がよりすっきりすると思うわけです。

・iPhone
・普通に外部バッテリ
・別途ワンセグ視聴機

ないしは、

・iPhone
・普通に外部バッテリ
・ワンセグは見ません

普通の携帯電話ユーザですらワンセグなんていらねえ(ほとんど使わない)という意見もあるわけでして、iPhoneを使うような人が別途装置を持ってまで見たいと思わないと思うのですよ。

あるいは、実際問題としては、

・iPhone
・普通に外部バッテリ
・ワンセグ搭載の携帯電話と二台持ちしてるし

全てが台無しの感じですが、でも実際こういう感じが多そうです。

どうも真のiPhone愛好家のための装置であるとは思えなくなってきました。

もしかすると、
・ワンセグを視聴させて、パケットの消費を減らしたい(混雑対策)
のかもしれません。

あるいは、
・店頭で一緒に売りつけて売上を増やしたい作戦
なのかもしれませんし、
・単に孫社長の悪アイディア
ということかもしれません。

また、ここで書いているような意見を持っているような人は最初からターゲットではない製品で、
・店頭で「でもワンセグとかないんですよね・・」とか言う客を納得させて売りつけるため
に使うものかもしれません。

前から言っているとおり、どうもソフトバンクのiPhoneの売り方は「本来iPhoneを買うべきではない人」に一生懸命売っている気がしてなりません。本当にiPhoneを愛してくれる人の手に届く変わりに。

この装置、この悪い傾向をさらに加速させる気もします。

#少なくとも玄人が感心するような装置では決して無いと思う


◆絵文字と無料無線LAN

他、近いうちにアップル側での対応で「携帯絵文字対応」をするようです。孫社長曰く、我々の説得が実ったのだ、とのことですが、ソフトバンクの発表というのは「孫社長劇場」でもあります。

引用したニュースにはありませんが、孫社長はiPhoneの売れ行きについて、当初の予定の通りに順調に売れております、とか仰ったそうですが、それはさすがに違うだろうと皆さん思ったのではないかと。

毎回の「孫社長劇場」らしい感じです。(嫌味じゃなくて)本当にこういうのが上手い人だと、感心します。

で、絵文字の件について考えてみてどうも気になるのは、もしかするとこれは「ドコモからの要望にアップルが応えたもの」であるかもしれないということです(ドコモが絵文字無しを許すわけが無い)。つまりもしかすると、一部の人が熱望している「ドコモから発売」の足音かもしれないよ、と。

また、

会場でソフトバンクモバイルの代表取締役社長兼CEOの孫正義氏は、iPhoneへの要望として、「バッテリーの持ちが悪い」「ワンセグが見られない」「メールで絵文字が使えない」という3点が挙げられていると説明。

コピペの不満はどこへ言った、とか言いたくなりますね。

実際は「発表の都合」でしょうから、引き続き他の「より重要な」要望への対処も続けてくださるのではないかと思います。孫社長がiPhoneを(どの程度かはともかく)個人的に使っているようなので、不満点などはちゃんと解っているはずですから。

絵文字以外には、

また11月4日からiPhone用に、公衆無線LAN「BBモバイルポイント」を無料で使えるようにする。BBモバイルポイントは現在、マクドナルド、JR駅構内、空港内ラウンジ、Yahoo!カフェなど全国約3,500カ所で展開している。

同サービスは、申し込み不要で、BBモバイルポイントのエリア内でアカウントを設定するだけで利用できるようになる。12月1日から2回目以降の接続でIDアカウント、パスワードの入力なしにサービスが利用できる自動接続に対応する。

ユーザは便利になるし、ソフトバンクからすると基地局への負荷が減るので、一石二鳥な感じがします。

マクドナルドに長居するiPhoneユーザが見られるようになったりするのかもしれません、変な光景かもですが。

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