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ウィルコムの「どこでもWi-Fi」で気になる意外なこと

少し前になりますが、ウィルコムから「どこでもWi-Fi」というものが発表されましたが、これについて意外なところが気になるということについて。


◆「ゲーム機用の無線LANを持ち歩く」という装置

ウィルコムから「どこでもWi-Fi」というものが開発中であることが発表されました。まずはプレスリリースの引用。

~超小型通信モジュールW-SIM(ウィルコム シム)搭載。
いつでもどこでも日本全国が無線LANスポットに~
「どこでもWi-Fi」の発売について
http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2008/10/09/index.html

これは何かというと、

・W-SIM対応機器
・ウィルコム回線を無線LANに変換してくれるような装置
・携帯ゲーム機ユーザをターゲット層にしている
・電源がエネループ四本で稼動

W-SIMを挿して使う小さい装置で、エネループを電源にする事もあり、エネループの充電器のような感じを受けます。

これで何が出来るかというと、「どこでもWi-Fi」自体がモバイルな「無線LANアクセスポイント」になってくれて、周囲の無線LAN機器にネット接続環境を提供してくれるという代物です。

よって、「どこでもWi-Fi」を持ち歩けば、いろんな無線LAN対応機器がウィルコムのエリア内ではどこでもネットにつながるようになります。

ノートパソコンはもちろん、iPodTouchをこれでネットに繋いだりもできるはずです。

今回の発表は年一回の「東京ゲームショウ」(TGS)でお披露目し、ゲーム方面からのフィードバックを得るためのようです。つまりこの装置は、

任天堂株式会社の「ニンテンドーDS」や株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンのPSP「プレイステーション・ポータブル」などと、簡単かつ安全に接続できます。

というわけで、ウィルコムの狙いは、

・「どこでもWi-Fi」を持ち歩けば、どこでもDSやPSPでネトゲができますよ

という商品を作って売る事のようです。


◆ゲーム機向けへの配慮がなされている

東京ゲームショウでお披露目されたのはたまたまではなく、最初から携帯ゲーム機ユーザを狙って開発しているようです。というのも、「使い方が難しくないよ」という点への配慮(なんというか任天堂的な配慮といいましょうか)が見られるためです。

例えば、無線LANのアクセスポイントを利用する場合には、「設定」がとても大変です。解っている人間にも毎回面倒ですし、設定するたびに毎回ネットで調べて復習して設定しているような人も多いはずです。また、設定を失敗して第三者にアクセスされ放題になっていても困ります。

これについてはこのようにあります。

【3】無線LAN簡単設定システム「AOSS」を搭載

AOSS(AirStation One-touch Secure System)とは、バッファローが開発した無線LANの設定を自動で行う画期的なシステムです。AOSSを搭載した機器であれば、ボタンを押すだけで簡単に接続設定が完了しますので、誰でも無線LANの初期設定を行うことができます。

本製品にはAOSS機能と専用ボタンを装備しており、AOSSが搭載された、任天堂株式会社の「ニンテンドーDS」や株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンのPSP「プレイステーション・ポータブル」とワンタッチで接続設定を行えます。

つまりボタンを押せば設定修了、という簡単設計になっているということです。別に画期的な工夫ではありませんけれども、マニア向けの機器を志向しているわけでは無さそうだということです。

また、電源が専用バッテリーではなくて、「単三四本」での動作です。つまり、電池で動くということです。販売するセットにはエネループ四本と充電器のセットがついてくるようです。

エネループは、従来の充電池のように気がついたら自然放電で電池が空みたいな事は無いし電池の劣化も遅い気がするし、使いやすい感じがします。

別に普通の電池でも利用できますから、コンビニに駆け込んで電池を買ってしまえばあっさりバッテリーは元通りです。

単三電池を入れれば動く、というのはこれも解りやすい作りです。

アホガキにも理解可能に作ってありますから、「これを買えば学校でもオンラインのモンハンができる」の感じで売れて欲しいのでしょう。

また、ガキの場合は回線代金は親払いです。ということは「ゲームしたいのでもう一回線契約させてくれ」というのはなかなか成立しません。しかし、「メイン回線をウィルコムのW-SIMの電話にする+W-SIM差し替えでどこでもWi-Fi」ならば親も何とかできそうです。
#ただし「モンハン中は電話がつながらない」ということにはなりそうですが

ガキ専用プラン(年齢制限プランにすればよろしい)を作って、一回線で「どこでもW-SIM」と「W-SIM電話機」のセット販売をすれば良いのではないでしょうか。さらには、ファミリー割引とかもセットにして親子も定額にしてしまうとか。

また、DSやPSPを携帯ネットデバイスとして本格的に使うことが出来るようになるかもしんないということです。例えばIP電話とか。

ネットの意見というのは基本的に「デジタル機器利用者の中でも、かなり出来る人たち」の意見ですが、正直なところ無線LANの設定が良くわからん人もたくさん居るはずです。結構いろんな人を救う可能性はあるのではないかと思います。たとえば、バカ社員に持たせると管理者が楽できるとか。

ただしこれらのターゲット層(リテラシが低い人たち)には、外見が「これは何?エネループ充電器?」というかエネループの充電器とすら思ってくれない可能性もあるので、売り込むのは難しいかもしれないなあとも思います。

結局、マニアが買って「これは地味に便利だよな」で終わってしまいそうな気も。


◆ウィルコムの「遅さ」の正体

「ウィルコムは遅い」とは良く言われます。絶対的なトップスピードが劣るのもそう言われる原因だと思われますが、遅く感じるのは「レスポンスが悪い」こともあるのではないかと思っています。

「レスポンスが悪い」というのはどういうことかというと、端末とネットの間のパケットの行き来に時間がかかるということです。その結果、待ち時間が長くなるだけではなく、速度も出にくくなります。また、1x接続から必要に応じて回線を束ねて加速する方法のために、接続した途端にフルスピードが出せないのも「レスポンスが悪い」原因になっているものと思われます。

もしかすると現行のx4やx8でレスポンスが大幅改善するだけで、ウィルコムは遅いという印象は一掃されるのではないか、とも思ったりします。

で、「レスポンスが悪い」というのはネトゲ用としては非常に困る性質です。このニュースを聞いてすぐ思ったのは、その点の心配でした。しかし今回の発表にはこのようにあります。

【2】ウィルコムのマイクロセルネットワークで安定したレスポンスの早いインターネット環境を実現

全国16万局からなるウィルコムのマイクロセルネットワークで、通信速度が劣化しにくい安定した通信環境で本製品をご利用いただけます。また、PHS高度化通信規格である「W-OAM」※1により、ネット対戦ゲームなどに適した、レスポンスの早い通信を実現しています。

この書き方は、「遅延の問題については検討済み」という書き方です。ネトゲしても大丈夫なのでしょう。

現行のウィルコムの遅延でもゲームができる事を確認しただけなのか、何らかの方法での対策が取られるのかどうかは良くわかりません。

対策が取られるとしたらこういうことになりましょうか。もしかしたら両方かもしれません。

・どこでもWi-Fi用の「遅延の少ない専用通信方式」をウィルコムが用意して、それを使ってもらう。
・光ファイバー回線を引き込んだ基地局では、遅延は大幅に減少して快適になるはずなので、「光基地局への置き換え計画を考えると大丈夫」ということで
あるいは
・単に、現状の回線でもDSやPSPのネトゲ的には全然大丈夫だった

つまり、ウィルコムの問題点である「レスポンスが悪い」という点は近いうちに解消される見通しである、というニュースを含んでいる「かも」しれないかもしれないということです。

ただ、もしかすると

・パケット通信ではなく、回線交換で通信を行う

のかもしれません。回線交換の場合は音声通話時のような回線接続形態となり、速度は32Kないしは64Kになりますが、遅延の問題は確かに一掃される気がします。

ネトゲは遅延が多いとうまく動かない事が多いのですが、一般的に最大速度はあまり要求しないので、これで正しいのかもしれません。

しかし、発表には「PHS高度化通信規格である「W-OAM」により」とあるので、回線交換ではない気もします。普通W-OAMと言えばパケット通信な気がしますから(でもBPSKでの音声通話もありますか)。

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