597 ドコモが「新型ブラックベリー」投入および、スマートフォン大量投入を表明
ドコモが「ブラックベリーの新型」を投入し、来年はスマートフォンでも攻勢をかけてくるようです。
来年はこの分野、なかなかすごい事になってしまうかもしれません。
◆本命の「新型ブラックベリー」の日本登場が発表される
ブラックベリー(BlackBerry)というのは日本ではあまり知られて居なかったりもしますが、北米を中心に大人気の「ビジネススマートフォン」です。
実はiPhoneは本拠地の北米でもブラックベリーに数では負けてしまっています。おそらくこういうこともあり、iPhone 3Gでのアップルのチャレンジには「iPhoneをビジネス用途にも使ってもらいたい」という目論見も含まれていました。今のところアップルの目論見は成功していないように見えますが。
iPhoneが純然たる趣味の領域であるiPodから派生した(Mac OSXからの派生だとも考えられますけれども)ものであるのに対し、ブラックベリーはビジネスのために生まれた端末です。そしてブラックベリーが(北米で)大成功しているというのは、企業でビジネス用端末として使うために必要なことをちゃんと実現している端末だということでもあります。
今回ドコモが投入する最新型のブラックベリーは、ビジネス向けの機能に加え、個人が遊びで使う際に必要になりそうな「スマートフォンとしての機能」が強化されており、iPhoneとは逆に「ビジネス用途側から個人が趣味で持つ用途に」攻めようとしています。
さて、簡単にまとめて見ますと
・ドコモが最新型のブラックベリーを投入することを発表した
・ブラックベリーはもともとビジネス用途に作られている端末
・最新型のBlackBerry Boldでは個人が趣味で持つための機能も強化されている
・ハードウェアのキーボードとトラックボール付き
・HSDPA/無線LAN/Bluetoothに対応
ただ、注意しないといけないのは、日本で今現在「普通のスマートフォン」と思われている感じの物にブラックベリーがあっさり撃破されてしまう事もありえるということです。北米と日本は違うかもしれないので。また、Android携帯やら何やらも出てきます。
しかし以下はこれまでの北米での ブラックベリーVS iPhone の流れを踏まえて書きます。
◆ドコモの発表
ドコモが最新型を投入しますと発表した記事から、さらに気になる点を拾ってみましょう。
ドコモ山田氏が語るスマートフォン戦略、ラインナップ拡充も
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/42015.html
まず、最新型のブラックベリー(BlackBerry Bold)について「軸足はあくまでも法人市場」だと仰っています。現在ソフトバンクの孫社長がiPhoneで手を出そうとしているところに、北米の「本物」が程なく攻めてくるということになったということです。
少なくとも現在までのところ(初代発売後ずっと)、北米ではブラックベリーに対するiPhoneの攻撃は成功していないはずです。ビジネス分野では分が悪いのです。
ドコモもこの点を踏まえてどうやら自信を持っているようで、
(法人市場も狙う)iPhoneとは、一部でターゲット層がかぶるだろうが、BlackBerry Boldは法人向けで一番オススメできる商品と捉えている
と言っています。
先に書いたようにBlackBerry Boldでは個人向けの機能も強化されています、こちらはブラックベリーがiPhoneを意識したとも言えなくもありません。こちらについてドコモは「個人ユーザーについても2台目としての需要があるだろう」と割と冷静な意見です。
また、iPhoneでいろいろ言われた「従来の日本式携帯の世界との調和」についても妥協はしないようです。
例えば、iモードや携帯プッシュメールとの統合も行うようです。
当初、BlackBerry Boldはiモードメールを利用できないが、串田氏は「パソコンからiモードメールが利用できるWebサービス『iモード.net』のような形のサービスを来年早い時期に投入する。その数カ月後に自動的にメールをプッシュ配信する仕組みを導入する方針」とした。
おそらくドコモ相手にわがまま放題で交渉に望んだであろうアップルと違い、ブラックベリーの発売元(RIM)はドコモとちゃんと協力関係を構築したのでしょう。日本の携帯市場に即したブラックベリーを用意することになるようです。
下手すると、iPhoneが素人携帯ユーザに敬遠というか買ってから「なんじゃこれ」と言われたのに対し、ドコモが「日本化」を済ませて投入したブラックベリーは普通に受け入れられてしまうという謎現象が発生するかもしれません。
またこうなってしまった以上、ブラックベリーは日本では「ドコモ組」の一員となってしまって、ドコモ独占供給になるやもしれません。
もっとも、iPhoneのような「超話題性」は望めないでしょうけれども。あれは林檎の特権ですから。
◆ドコモ、怒涛のスマートフォン攻勢の予定
ドコモが本気になると恐ろしい事になります。
狂気のレベルの基地局整備が良い例です。ソフトバンクがあらゆる無理とインチキを駆使してもドコモに数すら及ばない事を証明する羽目になったのが一例です。
iPhone騒動を経て(ドコモがiPhoneを取れなかったという「動揺」も大きかったはず)ドコモはスマートフォンに本気になったようです。
まずはスマートフォンを大量投入するようです、他社にとってこれは恐ろしい流れです。
今年度はBlackBerry Boldを含めて6機種程度、2009年度には10機種近くリリースしたい
ドコモは言った事は基本的に守りますから、これはハッタリだと考えるべきではないでしょう。
また、ブラックベリーだけではなくて「あらゆる物を出す」ようです。ウインドウズモバイル端末についてはすでに出していますし、
iPhoneはまだあきらめていない。Android端末は来年頭には出したい。
だそうです。Android端末については普通に出てくるでしょうし、iPhoneについてもまだ交渉は続いているようです。
iPhoneについては当初とアップルとドコモの力関係が全然変わっているのではないかと思われます。おそらくアップルがドコモに頭を下げなければならなくなりつつあるはずです。もしかするとドコモはiPhoneも「日本携帯化」をさせて発売させるかもしれません。もしそうでなくとも、ドコモから発売されれば、最強のドコモ基地局網でiPhoneを使うことができるということになります。
一部の人たちが待望する「ドコモでiPhone」が実現するのは、こうなると「後は時間の問題」になっているかもしれないということです、今すぐではないにしても。
また、スマートフォンの市場規模について
日本でのスマートフォン市場のポテンシャルは150~200万台程度ではないか
だそうです。
こういう流れになったということは日本のスマートフォン市場を切り開いてきたウィルコムにとっては難しい感じになりつつあるということです。
記事に書いたかどうかは解りませんが、これも「端末の優位」は簡単に追いつかれるという例かもしれません。基地局側(インフラ)の優位はなかなか覆せないのですが。特に質的な差については。
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コメント
個人的には、スマートフォンって少しでも仕事の効率を上げるために(あとは趣味として)持つイメージがあるので、
BlackBerryのような仕事での運用をメインに想定した端末をベースに、エンターテイメント性の機能を付加・強化していくのは良いような気がしますね。
既存の市場にドコモが力を入れてくるとなると、今までよりにわかにスマートフォン市場が活気付いてきて面白くなるかもしれませんねー。
選択肢が増えるのはいいことだと思いますし。
投稿: sy | 2008/10/02 00:38
iPhoneはSkype Phoneに
これは「すべてのスマートフォンは連帯せよ」っていう決起につながるのかな?
ソフトバンクとその他のキャリアのスマホは通話定額なのかな?
http://d.hatena.ne.jp/ooyutanoo/20081005/1223216477
投稿: | 2008/10/07 10:09