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593 モバイルWiMAXの実機デモで、わずか1.7Mbpsしか出てない件

モバイルWiMAXの端末のデモがされつつありますが、「ちょっと速度遅くね?」という件について。

◆またも遅い速度が・・

2.5GHz帯のサービスインが近づくにつれて、具体的な話が色々と出てくるようになりました。デモなども行われるようになりつつあります。

実際にサービスインした後に起こる事は、デモで示される事とはまあ同じではありません。なぜ同じではないかと言うと、デモは実環境よりも理想的な状況で行われる事が多く、また逆に未成熟な状態でデモされる傾向があるという要素もあります。

前者の顕著な例としては、「LTEで250Mbpsが出ます」というデモです。まさかLTEがサービスインした途端に250MBpsをみんなで使える状況になるわけがありません。まさにデモのためのデモです。

後者については、そんな状態ならデモするな、と言いたいところですが、デモすら出来ない状態ではないという遅れてないアピールをする場合や、世界に先駆けて実際に動いてます、という場合にそういうことになります。もしかすると、エリクソンの性能が今ひとつだったLTE実験機もこちらの部類かもしれません。

前置きして、今回の話題に行きます。

地域WiMAX向けの展示なのですが、モバイルWiMAXのデモが行われています。そして、デモでの速度が「あれっ?」という低速度です。

[ITpro EXPO]地域WiMAXを体感!フジクラがモバイルWiMAXを動態展示
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081015/316889/?ST=top

地域WiMAXじゃないか、と言ってはいけません。地域WiMAXも同じ通信規格であるモバイルWiMAXを使いますから、通信方式が違うわけではありません(固定WiMAXとごっちゃにしないように)。

フジクラという会社が地域WiMAXをするところ向けに機器を展示していて、この会社が実際に取り扱っていて納入済みの基地局と端末のデモが会場で行われていたようです。
で、記事の気になる部分です。

気になるスループットは「まだ調整中の部分が多い」(説明員)ということで,会場内では1.7Mビット/秒程度だった。通常は数Mビット/秒程度は出るという。

なんとたったの1.7Mbpsしか出ていなかったようです。

どういう端末でデモされたかというと、

端末は韓国INFOMARK製のUSB接続タイプで,国内での技術適合証明を取得済み。同社がシステムを手がけた福井県敦賀市のCATV事業者「嶺南ケーブルネットワーク」は10月1日から試験サービスを開始しており,そこで利用中の端末である。

だそうで、試作機ではありませんでした。

また、実際の利用状況よりもノイズは少ない(だって基地局との至近距離通信ですから)状況でのデモになっているはずです。同じく「混雑」もありませんし、建物に遮られて圏外みたいなことも当然ありません。


◆同じような「速度が出てない話」

今回の速度に関する部分、つまり

・1.7Mbpsしか出てません
・「もうちょっと出るはずなんですけどね・・」と、もじもじする

というような記事を実に過去に書いたことがあります。

台湾のモバイルWiMAX端末、なんと実効速度は2Mbps
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/06/wimax2mbps_5c3b.html

WiMAXの実効速度は,「現在の端末は2Mビット/秒程度だが,チューンをすれば8M~10Mビット/秒まで出せるだろう」(同社の説明員)という。

1.7Mbpsと2Mbpsは似た数字じゃありませんか。苦しい言い訳をしているのまで似ています。

そしてこういう記事もありました。

北米モバイルWiMAXが(一応)サービスイン/AUばら撒く/欧州のiPhone
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/09/598-wimaxauipho.html

「XOHM」ブランドで開始される今回のモバイルWiMAXサービスは,下り方向で平均2~4Mビット/秒の速度を実現できるという。

これも似た数字です。

また韓国では「速度的にHSDPAと何が違うのかわからん(ちょっとしか違わんではないか)」というツッコミを受けていたはずです(あっちはモバイルWiMAXではなくて「WiBro」ですが)。

つまり、1.7Mbpsという数字はモバイルWiMAXの性能を正しく表している数字かもしれません。もちろん、そうじゃない可能性も十分にありますけれども。

ちょっと大丈夫なんでしょうか?>モバイルWiMAX

またこれに加えて、混雑での速度低下や、セル(エリア)の端っこでの怪しい性能や、移動時にどうなるか、建物の中圏外という問題がまた別途あるかもしれない、ということも一言添えておきます。


◆なぜ遅いのかを少し考えてみる

最初に書いておきますが、これからどんどん改良されて行くだけのことで、一年も経たないうちに目を見張るような速度が出るようになるだけのことかもしれませんので、恒久的な問題だと思わないほうがいいかもしれません。

ですが一度、これが当面は続く問題だったとして、その原因について考えてみましょう。

まずモバイルWiMAXが「規格ごと腐っている」可能性です。この場合には当面はどうにもなりません。

ただしKDDIがサービスインするモバイルWiMAXについては、モバイルWiMAXの怪しい部分の取り扱いを慎重に行ってサービスインするようなので、KDDIだけは大丈夫という変な現象が起こるかもしれません。

次に、アナログ回路がまだうまく作れていない可能性が考えられます。つまり、10MHz幅の信号を綺麗に処理できる回路ないしは素子が難しすぎて、(2.5GHzを使う)OFDMAなモバイル機器に本来必要な性能を持つアナログ処理が出来ていない可能性です。

後者の場合には、モバイルWiMAXだけではなくて、次世代PHSやLTEでも同種の悩みを抱えている可能性もあります。よって次世代PHSやLTEにとってもこれは他人事ではない可能性もあります。

またそもそも、次世代通信技術というものは「そもそもこの程度」でしかないという可能性も考えられます。つまり現状+α程度でしかないと。

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コメント

チップがだめな場合、確かXGPの方はWimaxと違って10MHzをフルデコードじゃなくチャンネルごとに扱うから影響ないんじゃないですかね。それともやっぱ影響あるのかな???
来年の本格稼働時にはWimaxがどうであれXGPはまともに動いてほしいな~

投稿: Nakatoshi | 2008/10/16 19:36

おいおいおいおいおいおい見捨てるのかい?
インテの旦那!
http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000056022,20382281,00.htm

WiMAXを超えるものって何? やっぱLTE?

投稿: TT | 2008/10/21 21:57

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