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592 ソフトバンクがiPhoneユーザに「無線LAN」を配ることになった理由

ソフトバンクがiPhoneユーザに「無線LAN」を配り始めました。


◆「なんちゃって基地局」の人のプラン、実行される

正しくは、配るというよりも割引販売、さらに正しく言うと割引販売というよりも「セットで買え買え攻撃」をするというのが正しいところかもしれません。

つまり、「なんちゃって基地局」の人(後述しますので解らないJ人はしばらくお待ちください)のプランが実行に移される模様です。

まずはソフトバンクのその件のサイトを、

iPhone 3G+無線LAN 快適無線LANでiPhone 3Gフル活用
http://mb.softbank.jp/mb/special/wifi/index.html

無線LANでiPhoneを使うと素晴らしい、ということが書かれてます。また、この施策は基本的にiPhoneユーザ向けだと思いますが、従来からあるスマートフォンユーザも対象のようです。

以下、引用の都合で一部修正して引用。

■iPhone 3G / Xシリーズを新たにご購入のお客さま(新規/買い増し/契約変更)

・店頭にて、対象機種との同時購入時にのみご購入可能となります。

・対象端末1台につき、ご購入は1台までとなります。

■iPhone 3G / Xシリーズをすでにお持ちのお客さま

・2008年11月以降、ソフトバンク オンラインショップにてお申し込み受け付け開始予定

スマホ定額の料金改定の件についても思いましたが、iPhone発売の恩恵を一番受けているのは、iPhoneユーザではなくて、ソフトバンクの「iPhoneではないスマートフォンユーザ」のような気がしてなりません。

また、今は新規契約の際に一緒に売ろうとする感じのようですが、もうしばらくすると既存ユーザもこのキャンペーンの対象になるようです。

また、残念ながら「無料配り」ではなくて割引販売で、しかし割引販売とは言ってこれは安いという感じでもなくて微妙なので、どちらかというと

ソフトバンクのお店に行くと「セットで持って帰れ」としつこく薦められるようになった

というのが実質的な「前後の変化」ではないかと思われます。おそらくこれが売れると「お店が少し儲かる」という感じにはなっているのではないかと、という気はします。

世間的ソフトバンクのイメージで考えると、新規の人には無料で配るとか、ADSLかつiPhoneな人には問答無用で無料バラ撒きに出るのが「らしい」ような気もするのですが、今回はお金を取るようです。

さて、既存ユーザがお金を払ってでも買うのかどうか。


◆「なんちゃって基地局」の人の話をもう一度考える

事情が良くわかっていないと、ソフトバンクは太っ腹だな、ないしは微妙に太っ腹だなと思えるようですが(この「感じ」はソフトバンク全体へのふつーの評価とも似ているような)、こういう事がされるようになるにはソフトバンク側の事情があります。

以下、以前の記事を読んでいる人には復習になります。

iPhoneについての当初の記事から書いているように、iPhoneはとにかくパケットを鬼浪費する端末ではないかと思われます。海外でそうでしたし、そもそもそういう風に使うように作られている端末だからです。

で、問題なのはそういう端末は基地局網に大きな負荷をかけるという問題です。ソフトバンクの基地局網は他社よりも頑丈とは言えず、しかもホワイトプランで高負荷になっています。そして、基地局網を強化する設備投資をするにもつらい状況です。

ので、iPhoneが「パケット馬鹿食い端末」であるという事実は、ソフトバンクにとって頭痛の種だろう、ということを書きました。

で、ソフトバンクで基地局を作らせている人が以前、このあたりの件について「正直つらい」ということをぶっちゃけてしまうという事件がありました。以前、その事も記事にしました。

ソフトバンクのあの人が、「iPhoneは無線LANで使って欲しい」/「PC定額は他社の罠」
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/07/614_iphonelanpc_5995.html

素晴らしい本音っぷりなので、記事を読んでいない人はぜひ読んでいただきたいと思います。この人、この件で一部ソフトバンクユーザの心を掴んじゃった感じすらします。

話の流れが横にそれますが、「本音」の件については、こっちの記事のほうがより良いだろうということで追加。

ソフトバンクの4万6000基地局公約と、武士の情け
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/05/656_46000_5420.html

「4万6000」の公約の始末のつけ方が事実上インチキであったと、当事者が認めてしまったという驚きの記事でした。しかし、ユーザの不安と同じ「本音」を言う人が基地局整備の総責任者だったということが解ったため、ソフトバンクユーザには良いニュースだったようですが。

話を戻して、最初の引用から今回に関係ある部分を引用の引用しますと、

――3Gのネットワークがパンクする心配はないですか。

そりゃ不安ですよ。一機種がもたらす通信量としては莫大(省略)。結論を言えば、アイフォーン導入に向けて準備をしてきたので大丈夫。でも、実際の動向を見てみないと正直ドキドキですよ。自宅でWi‐Fi(無線LAN)経由でつないでくれる人が、5%いるのか10%いるのか。ヘビーユーザーが少しでもそうしてくれるとかなり楽になる。発売後2週間は特別体制でネットワークの状況を見続けます。

――無線LAN接続を推奨していく必要がある、と。

僕が管理している投資を削ってでもいいから、アイフォーン購入者には無線LANルーターを1個ずつプレゼントしたいと思っているくらい。自宅ではぜひ無線LANでつないでほしい。You Tubeやナビなどは、3Gネットワークよりもサクサク動きますから。

というわけで、「iPhoneに無線LANをセットで」というのは以前から言われてた事で、今回それが本当になったというわけです。ソフトバンクは行動力あるなと思いました。もう実現してしまいましたから。

つまり、ソフトバンクが無線LANをセットで提供することになったのは、ソフトバンクの気前が良いからではなくて、ソフトバンクの基地局網に余裕が無いからです。

夏野さんが突っ込みを浴びせていたように(過去に記事にしましたが)、無線LANで使わないとiPhone 3Gは快適に使えない(3G接続だと妙に待たされたりする)ということもあると思います。

また、無線LANを配ろうという話が実現したということは、実際問題としてiPhoneのトラフィックはやはり目立って大きいのでしょう。サービスインしてからしばらく経ちますから、実際にサービスインしてみると「別にたいしたこと無かった」ということならば、何もされなかったでしょうから。

次世代通信の件も含め、最高速度の話ばかり話題になりますが、実際に問題なっているのはむしろ「容量」の方になりつつある気がします。まあそもそも容量の問題があることすら理解されてないことが多いですが。

以前にAUも無線LANについて同様の見解を示しているのではないかという記事を書きましたが、

AUからも「携帯+無線LAN」が正解じゃないか、という意見が
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/09/aulan-44f7.html

もちろん、無線LANは良い事ばかりではありませんけども、ソフトバンクのこれを見て、他社も同じようにセット販売を始めるかもしれません。なぜなら、宮川さんが仰るように、基地局増設よりも安上がりで確実で、しかも後の面倒も無いからです。その上、3G接続とは次元の違う高速接続をユーザに提供できます。

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