« 2008年8月 | トップページ | 2008年10月 »

2008年9月の6件の記事

598 北米モバイルWiMAXが(一応)サービスイン/AUばら撒く/欧州のiPhone

今日のいろんなニュースについて少しづつコメントをつけてみたいと思います。


◆北米のモバイルWiMAXが(一応)サービスインした

一時期は撤退すら囁かれていた北米のモバイルWiMAXですが、ようやくサービスインをなさったようです。とはいっても、とっても小規模にですが。

米SprintのモバイルWiMAXサービス「XOHM」がついに始まる,まずはBaltimoreから
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080930/158762/

米Sprint Nextel社は2008年9月29日,同社のモバイルWiMAXサービス「XOHM」を,米Baltimoreにおいてサービス開始することを明らかにした(発表資料)。(略)Sprint Nextel社は2008年9月中にサービスを開始すると発表していたが,ぎりぎり公約を守る格好となった。

「2008年9月中にサービスを開始しますよ」→「9月29日にサービスイン」ですから、まるで小学生の夏休みの宿題です。しかもサービスインしたとは言っても、ボルチモア(という都市)限定でのサービスインとなっています。日本でいう「試験サービスイン」以下のレベルです。

課金システムですが、ホットスポット的にするようです。

携帯電話サービスのような長期間の契約を結ばずとも,1日単位でサービスの利用が可能としている。無線LANのホット・スポットのようなサービス形態を想定しているようだ。サービス料金は,1日単位の利用で10米ドル,「Home Internet service」が月額25米ドルで,「On-the-go service」が月額30米ドルである。

無線LANの月額料金が何故成立し難いか、というのと同じ事情がモバイルWiMAXにもあるのかなと思ってしまいます。つまりエリア的にその程度なのではないかと。

で、速度ですが

「XOHM」ブランドで開始される今回のモバイルWiMAXサービスは,下り方向で平均2~4Mビット/秒の速度を実現できるという。

少し前まで大騒ぎされていたような速度感とはうって変わっての「インパクトのない数字」です。台湾の端末で出るとされていた速度もこういう感じでしたし、韓国から伝わってくる速度感も似たような感じですから、モバイルWiMAXとは結局のところこの程度の速度しか出ない代物なのかもしれません。

光ファイバ並みの速度をモバイルで安価に使い放題する革命的技術だ、なんていう話を信じていた人にとってはこれはショックな数字かもしれません。

しかもこの数字は「混雑」は考慮していない数字ではないかと思われます。KDDIの方がハイレベルなWiMAX網を整備するとは予想されますが、日本でもこういう程度でサービスインする事になるかもしれません。ただこれでも、世間的にはガッカリ感だとしてもイーモバイル(や現行世代のPHS)にとっては困った存在になるでしょう。


◆AU、ユーザ獲得で一万円を撒くようです

au、新規契約ユーザーに1万円キャッシュバック
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/42028.html

auは、新規契約ユーザーを対象にした1万円のキャッシュバックキャンペーンを実施する。期間は10月1日~31日。沖縄を除く全国で実施される。

キャンペーンの対象となるのは、(1)MNPを利用してauに乗り換えたユーザー、(2)22歳以下で新規契約したユーザー、(3)50歳以上で対象機種で新規契約したユーザー。上記のいずれかの条件を満たせば、もれなく1万円がキャッシュバックされる。なお、(3)の対象機種は、W62PT、URBANO、A5528K、A5529T、A101K、A1407PTの6機種。

お金を撒いて10月の契約者数を底上げなさるようです。

増やしたいのは、
・MNPのポートイン
・大学生以下の新規契約
・URBANOとかに釣られた年配の方

最初の二つについては以前からの流れのてこ入れに思えますが、最後の一つは戦略的にも見えます。らくらくホンが嫌なシニア層を取り込もうとなさっているようです。

またもしかすると九月の純増数があまりよろしくないのかもしれません。


◆日本の「iPhone減速」は欧州での販売結果と同じ感じ

発売前の私の記事にも実はそういう感じのことを書き込んでいたのですが、欧州ではiPhoneは最初に盛り上がって売れたものの、その後にあっという間に減速してしまってあまり売れていません。

欧州編●初代iPhoneは苦戦,割安価格で巻き返しを図る
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080924/315303/?ST=network

2G版の初代iPhoneは,米国に比べて欧州での売れ行きは決して良いとは言えなかった。例えばフランスではフランス・テレコム(ブランド名「オレンジ」)が11月から販売を開始し,発売初日から最初の5営業日で3万台を販売して好スタートを切ったものの,人気は長く続かず最終的には約10万台にとどまったという。ドイツもT-モバイルが11月から販売していたが,販売台数は4万台程度にとどまったようだ。

最初の瞬間風速だけでその後は一気に減速していたというわけです。しかもフランスは日本と並んでアップルに「好意的」な人が多い国のはずですがこの有様です。

そして売れなかった理由ですが、これも日本と似た感じです。日本では日本の高度な国産携帯と比較されたことが難しい状況になった理由ですが、欧州ではノキアなどのハイスペック携帯の文化があり、これと比較されてしまったようです。

初代iPhoneが欧州で振るわなかった理由として,(1)本体の価格が高い,(2)2G(GSM)ではデータ通信を満足に利用できない,(3)iPhone対抗の端末が豊富にある──などが挙げられる。特に欧州市場は,フィンランドのノキアのシェアが高い。「ノキアを中心に欧州の端末ベンダーが,iPhoneに対抗できるマルチメディア端末を数多く投入していた。それらに比べてiPhoneは高額だったため苦戦を強いられた」と,情報通信総合研究所の渡辺研究員は分析する。

日本と似たような感じに見えます。

なお、この記事ではiPhone 3Gの初動は比較的良好である、と続いています。その理由としては3Gが販売奨励金モデルを持ち込んだことで見た目安くなったことと、3G対応して高速になったことが挙げられています。ただし、2Gの時にも販売直後の売れ行きは悪くなかったのでして、今後どうなるか次第です。

またイタリアでは散々なようでして、やっぱりイタリアでも「発売前にはメディアで騒動になった」ものの、

世界的なiPhone 3Gフィーバーに対する一般のイタリア人の反応は冷静だ。その理由を知るため,2008年7月28日~30日にかけて,ボローニャ市在住で18歳~68歳までの携帯電話利用者100人を対象に聞き取り調査を行った。質問は「あなたは,iPhone 3Gに興味がありますか」とごく簡潔にした。

この結果,71%のユーザーが「興味がない」と答えた(図1)。興味がないとした回答者に対して,さらに「なぜ興味がないのか」という質問をしてみたところ,最も多かった回答は「値段が高すぎる」で62%だった。iPhone 3Gの8Gバイトモデルの価格は,TIMのプロモーション価格は199ユーロだが,通常価格は499ユーロ。これは,ボローニャ市ではシェア(共有)型アパートの家賃1カ月分に相当する。これに次いで,「使い勝手が悪い」「現在の機種に満足している」との意見も多かった。

これはなかなかの感じでして、
・71%のユーザーが「興味がない」、18%が「興味がある」
・「値段が高すぎる」62%
・「使い勝手が悪い」20%
・「現在の機種に満足している」11%

「高すぎる」はともかく、その次に「使い勝手が悪い」が来ているというのがなんともです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

599 スカイ・クロラの原作者がソフトバンクに怒る、を聞いて考えた事

しばらくぶりの更新になってしまいました。

少し前に話題になったニュースを聞いて、考えちゃった事について少し書いてみたいと思います。


◆スカイ・クロラの原作者がソフトバンクのユーザサーポートの酷さに怒る

スカイ・クロラの原作者、と書き始めてしまいましたが、私自身スカイ・クロラが何なのかよく解っていなかったりします。そういう小説があって、最近アニメ映画化されたものだそうでございます。解る人にはその方が解るらしいので、引用元からそのまま借りてきました。

今回書こうと思っている「話題」については原作者であるということ自体は実は関係が無くて、単にこの人が「ソフトバンクに不満を持っておられる」ということです。とりあえず引用をしてみましょうか。

スカイ・クロラの原作者の森博嗣氏がiPhoneのトラブルでソフトバンクモバイルに激怒
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080925_iphone_mori_log/

作家の森博嗣氏がソフトバンクで購入したiPhoneの回線が突然つながらなくなり、ソフトバンクモバイルに持って行ったところ、「初期不良であることは確認できましたが、このiPhoneはソフトバンクで販売したものではないので、こちらでは一切対応ができません」というわけのわからない対応をされ、挙げ句の果てに「違法なソフトをダウンロードした可能性があります」というようなことを言われてしまい、かなり激怒したためなのか、連日に渡って自身のブログで事の顛末を書き立てています。

正確には「引用の引用」みたいな事になってしまいました。元のブログから引用しようかなと思ったのですが、無闇に長くなるのと今回書こうとすることとずれちゃうので、すでに引用してまとめてある記事を参照することにしました。

ちなみに元のブログはこっちで、回線がつながらなくなる事件が発生してから時系列でソフトバンクの困った対応に当惑する様が連載されています。

森博嗣さんのブログの2008/09/17日分
http://blog.mf-davinci.com/mori_log/archives/2008/09/17/index.php

正確には09/17日から始まってしばらくしばらくの間この件についての記述が(リアルタイムで)続いています。

おおよそこういう感じのようです(ちょっといい加減ですが)
・iPhoneが購入してちょっとするとつながらなくなってしまう
・ソフトバンクのサポートに「壊れちゃったよ」と言うも、滅茶苦茶な対応をされる。
 ・ソフトバンクは関係ないことでございます。
 ・わかりませんので
 ・しらべますので→そのまま放置
 ・他人の電話と入れ替わったのではないでしょうか?
 ・お客様が違法なソフトウェアをお使いになったからぶっ壊れたのです
・もはやどうやったら修理してもらえるのか状態。
・警察か裁判か、と思うところまで行くが、その前にアップル日本に直接連絡してみた。
・アップルは常識的な対応をしてくれ、15分で修理解決。
・アップル曰く、森さんは何も悪くありません。単なる初期故障です。
・ソフトバンクからは謝罪すらなし

ちなみに、ソフトバンクとの契約ではソフトバンクがiPhoneのユーザサポートをすることになっているとかです。

また森さんは、

考えてみたら、最初からiPhoneに対して、ソフトバンクの店は嫌々という感じだった。自分たちでは技術的に取り扱えないものを売らなければならない。できるだけ売りたくない、という態度が見えていた。

なんて事も書いておられます。以前の記事でも書きましたけど、どうやら携帯屋の店員にとってはトラブルが多すぎて売りにくい端末なんだそうですけど。

とりあえずソフトバンクのミラクルな対応が明らかになっちゃったという次第であります。

非常識であるな、という件については(私がこの記事を書くのが少し遅い事もあって)すでにあちこちで書かれているので、少し違う視点からこの件について書いてみたいと思います。


◆あんまり驚かなかった

これを聞いて思ったことが色々あるのですが、まずは順番に書いてゆきたいと思います。

まず私はあんまり驚きませんでした。というのも昔、YahooBB(ADSL)で同じような目にあった知り合いが居て、その時もソフトバンクはかなりミラクルな対応をなさっていたからです。ので、あいかわらずか~、と思ったのが最初の感想でした。

その知り合いは二度とYahooBBは使うまいと決意なさいまして、また再度同じような目に遭うのはもうこりごりということで考えた結果、結局フレッツADSL+自分でプロバイダに乗り換えてしまいました。

そして、iPhoneはやっぱり「面倒を起こしすぎる」端末なのだろうなとも思いました。森さんのブログの「店員が売りたがっていない」というのも、そういうことでしょう。売った後に面倒の多い端末は携帯屋は売りたがりません。iPhoneはこの意味で最悪クラスの端末だとか聞きますから。

森さんが怒るのはもっともな事で、そもそも自分がお金を出して買って、なおかつ「その間も」お金を出して維持している回線についてどうにもならなくなっているというのはちょっと耐えがたいことです。もしこの回線が「メインの回線」だったら本当に困った事になったはずです。

利用者としては、これでは明らかに困ります。ただし、サポセンの担当者の側で考えると、とんでもない事になっていて「こういう対応しか出来なくなっている」のではないかという気もします。

そもそもサポセンには訳のわからん苦情が日夜押し寄せてくるわけですが、来る日も来る日もiPhone関係の訳のわからん+難しい苦情が押し寄せてきていて、収拾がつかなくなっているのかもしれません。携帯屋の店員が売りたがらない(苦情や質問は店にも行くので)のと同じような理由で。

つまり、iPhoneはやっぱり「素人にはお薦めできない」代物だ、ということかもしれません。しかもそういうものをあんな売り方(むしろ解ってない人に売っている感じ)をしているわけです。

ただサポセンの担当者個人には同情するにしても、結局ちゃんと対応できていないソフトバンクそのものがよろしくないのは同じです。個人的には「昔から何も進歩してないのか」と思えたりもしました。


◆しかし考えてしまった事

おそらく森さんは、まともな知識(常識)のあるユーザなのではないかと思います。そして森さんを襲ったトラブルは、iPhoneにとって典型的な初期トラブルだったと思えました。アップルストアがあっさり解決しているあたり、典型的な問題だと思えます。

よって、このような状況をまともに解決できないサポセンはどうしようもないとも思えます。

ただ、じゃあサポセンを万全にすべきか、という話になると、もしかすると考えないといけない事があるのではないかという気もします。

もし現在iPhoneのサポート体制が崩壊しているとすれば、崩壊している原因は森さんのようなユーザへの対応が原因では無い、とも思えます。

伝え聞く話では携帯屋の店員は「うっかり悪質なアホにiPhoneを売ると、ものすごく面倒な事になる」ということをもう解っていて、うかつに売りたくない感じだそうです。同じ現象がサポセンでも起こっているかもしれません。

#ちょっと酷い表現も使いましたが、解りやすくするためですのでご容赦ください

もし悪質なアホ+iPhoneへの対応も含めて万全なサポート体制にするとなると、それは大変な事になるのではないかと思えます。

「そんなもの大変だろうと利用者には関係ない」と思うかもしれませんが、実はそうでもありません。サポートセンタもお金を使って維持されるわけでして、悪質なアホ+iPhoneにもしっかり対応できるサポセンというのは、おそらくコスト高になるのです。

ユーザサポートの利用は有料ではありませんから、サポセンのコストは利用者が平均に負担する事になります。ということはどういうことかというと、こういうことになってしまいます。

サポセンをアホ対応OKにする:
・アホがより高度なサービスを受けるために、真っ当なユーザが損をする形になる。

このブログを読んでおられる皆様は、ブログを読む能力があるという時点で私がここで言っている「悪質なアホ」には属しない人たちであろうと思います。

公平不公平の話といえば、機種変間隔が短い人と長い人の話が少し前にありました。また、AUの帯域規制も似たような話題かもしれません。ただし、機種変を多くするとかパケットをたくさん使う方向にお金を流すのは(至極いい加減は表現ですが)まだしも世の中を前に進める方向にお金を傾ける形になります。

しかし悪質なアホのためにお金を流すというのは、アホのコスト負担をアホでない方が行うという変な仕組みにも思えます。森さんがなさった「苦労」も、もしかするとアホのコスト負担をアホでない人が行った一形態なのかもしれません。

「商売というのはそういうものだよ」ということも思うわけですが(ということは念を押しておきます)、そうやって考えてみると、

・「アホであること」のコスト負担を「アホでない方」がする仕組みになっている

というのは他でもある気がするな、と思えてきます。


◆何か方法は無いものか

今回の件でソフトバンクのサポセンは問題があるということが暴かれてしまいましたが、実はもっとダメなサポセンなところがある、という話も聞きます。イーモバイルのサポセンはさらに一段階ダメレベルが高いところだと。

ただまあ、親切なサポセンはお金がかかるのだということを考えますと、サポセンがダメでもその分安いのならば、アホではない人や常識のある人にとっては良い傾向である可能性もあります。よってもしかすると、通信業界の新興勢力のサポセンがダメ揃いだとしても、それは合理的なことであるのかもしれません。

ただ、現状の「ダメなサポセン」というのは、こちらの意味においても結局ダメで、結局どうやってもダメな評価しかあげられないもののような気がしてなりませんけれども。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

600 売れ行き不振だと言われる『iPhone』を「企業に売り込む」そうです

iPhoneですが、あんまり売れてないという話題が最近あります。それに関しての記事と、iPhoneを企業に売り込むらしいというニュースについて。


◆売れてない?

まず前置き。

最初に断っておきますが、iPhoneについてはこれまでいろいろ書いてきたとおりの感想を持っています。デジタルガジェットとしてはとても面白いと思うのですが、携帯電話としてはかなり難がある機種に思えるので一台持ちは厳しいし、かといって二台持ちにはお金がかかりすぎるなあ、という良くある感想を持っています。

二段階定額で見た目は安くなったけれど、実際に使うと月一万円くらいになってしまうだろう、という事も書きました。また、ソフトバンク視点で料金を見てみると、決して高い料金設定ではなくて、化け物級のパケット通信をすることを考えると、むしろ大丈夫なのか解らないほど安い料金に思えるということも書きました。

評価もしているんだけど難しい事も多いという風に思っています。

今回の記事はiPhoneにとって明るい話題ではないので、まず最初に無用な誤解を与えぬように悪口を言いたいが為の批判ではないという事を断っておきたいと思います。以下は、純粋に現状の情勢についての考察です。

まず一つ目の記事を、

【クローズアップ】どうなる スマートフォン戦線異常あり
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200809040080a.nwc

ちょっと前に出て割と話題になった記事です。基本的にはいろんな話題がだらだら書いてある感じでもあるのですが、話題になった部分は以下のあたりです。

≪アップル“敗戦”≫

 日本では100万台売れる-との予測もあったアイフォーンに、もはや当初の勢いはない。アップルとソフトバンクは販売実績を極秘にしているが、通信業界に詳しいUBS証券の乾牧夫シニアアナリストは「20万台前後で止まっている感がある」と推測。年内販売は控えめに35万台程度と見積もっていたが、それにも及ばない情勢という。

「iPhoneはあまり数が出ていない」というのは発売直後から言われつづけていることですが、この記事では具体的数字が挙げられています。あまりよろしくない数字が出ています。

発売される前には、iPhoneは短い期間で100万台売れる、みたいなことを言っている人も居たようですが、思いっきり外れてしまいました。記事で「日本では100万台売れる-との予測もあった」というのは、調子の良い予想をしていた人たちへのツッコミでしょうね。

私も手放しで褒められる機種ではないと思っていたので(発売される前からそういう評価を含む記事を書いていましたし)、馬鹿売れするという予想は無責任なんじゃないかと思ってみていました。ただ、もうちょっとくらいは流行るのではないかとも思っていました。しかしどうも予想外に激しい秋風感のようです。


乾氏は「新しい提案のある製品だが、日本向けに手直しせず発売した点で市場を見誤っていた。一定のヒットはしたが、戦後処理も必要な段階だ」とアイフォーン商戦を総括。携帯が電話とメール機能にとどまっていた欧米と異なり、「日本はすでにネット閲覧や音楽再生機能を盛り込んでいる。アイフォーンの新規性は薄い」と市場環境の相違を指摘した。

携帯としては微妙だし、高度に発達した日本の携帯を前提に考えると、決定的なものがあまり無いという良く言われる指摘です。

これだけだと「この記事が勝手に言っているだけ」とも取れるのですが、各種情報にはiPhoneがさほど好調ではないというような情報があります。そもそも売れ行きランキングにあまり良い順位で出ていませんでした。

iPhoneは話題性の後押しもありましたし、売れ行きが拡散することなく1機種に集中するので(競争相手が居たとして、競争相手は複数の機種に分かれている)、順位が上がりやすいはずだったのですが、在庫が十分な状態になってからも今ひとつ大きな動きがありません。

iPhoneが「事前の感じ」のようなヒットになった場合、容易に「売上一位が連発」になったはずですが、そうなっていません。

また、何らかの数字で示せる「好調の証拠」があった場合には、あの孫社長が発表で使っていないわけがありません。しかし、iPhoneが何らかの「記録」を作ったというを誇らしげに発表されるようなことはありませんでした。


◆あくまでも伝聞

個人的には売り方を間違っている気もしています。どうも、iPhoneを本当に可愛がってくれる人には結局敬遠されてしまい、勘違いして買ってすぐにほったらかし状態にするような人に向けて一生懸命売り込みがされているようにすら思えます。

なんとなくiPhoneが可哀相に思えています。そもそも、大量に売れるような機種じゃないような気がしていたのは確かですけども。

以下は上記の記事のようにちゃんとソースがあるものではなくて、単なる伝聞ではあるのですが(ということは念を押しておきたいと思います)、実情は上記の記事で示されているものよりももっと悲惨なようです。

出荷した数と実際に売れた数の差みたいなのがどうもあるらしいのですが、この差が大きいのではないかという話があります。また、売った後のクレームが多いので店員が困っているらしい事、返品の試みやら早期解約のような面倒が比較的目立つらしい事、あくまでも伝聞でしかないので完全なデマが混ざっているかもしれませんが、通常の大ヒット商品の感じでは到底ないようです。

もしかすると、20万台という数字よりもさらに下が現状を正しく伝える数字かもしれないということです。

また、買ったあとのiPhoneもなかなか悲しい状態のようです。「ひろゆき」さんが、「一ヶ月で飽きる」という予言(暴言)をしましたが、実際に調べてみると既に飽きられてほったらかしになっているiPhoneはかなりの比率で存在しているようです。よって予言的中の可能性があります。これも伝聞みたいな感じではあるんですけど(すみません)。

家電量販店の携帯売り場に行ってみても、iPhone売り場のデモ機は余裕で遊んでいる状態です。発売直後には長蛇の列で、手にとってみても電池切れの端末ばかりでしたが、今や触っている人が誰も居ないのが基本状態にすら思えるようなありさまです。iPhoneは無駄に数だけ揃って店頭で充電されているだけになっています。

身近でも、時間があるごとにiPhoneを触っていた人(まるでインタビュー時の夏野さんのように)が、知らない間に全く持ち歩かなくなっていたり、携帯電話とかにはあまり詳しくない人(ソフトバンクの電波が上位二社よりも悪いことすらまるで知らない人)が、ソフトバンクの普通の電話機と比べてというような意味で「iPhoneは相当電波悪いらしい」ということを言って回っていたりと、どうにも悪い話ばかりが発生中です。

たしかに普通の電話としては問題あるように思いますが(一台目としては薦められない)、もうちょっと愛好されても良い機種だと思うんですけどね。個人的には、なんか可哀相だなと思うようになっています。


◆売れないと困るかもしれない?

こういう次第ですから、iPhoneの二段階定額化については「販売不振ゆえの販売てこ入れがもう行われた」なんて言う人も居たりします。

アップルとの契約が実際どうなっているのかは(私には)解らないのですが、売れただけ仕入れる形ではなくて、既に「ソフトバンクは最低限○○万台は仕入れます」というようなかなりの台数の約束をしてしまっていて、売れ行き不振だと大量の不良在庫になってしまう事情があるという噂もあります。

そうでないのならば「随分と話題になったし売れなくても別に良いや」でも済ませられるのですが、状況によっては「売れてない」というのは非常に致命的な現象である可能性もあります。

多少(予定より)売れ行きが悪いのならば別に問題ないのでしょうが、山のように売れ残ってしまう感じだとちょっと厳しいことになってしまいます。


◆孫社長、iPhoneの法人向け販売に力を注ぐと発表

そして今日(昨日)、孫社長がiPhoneを法人向けに大規模に売り込むという発表をしています。

ソフトバンクがiPhoneを1500社に無償貸与、法人市場に攻勢
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080909/314491/

ソフトバンクの孫正義社長は9月9日、「iPhone(アイフォーン) 3G」を法人顧客1500社に無償で貸与する方針を明らかにした。この日の法人顧客向け説明会に出席した企業が対象で、上限は各社5台、最大7500台程度を用意した。貸与期間は3カ月間で、通話料や通信料はソフトバンクモバイルが負担する。

これを「iPhoneが好調なので、それに乗っかって超攻撃的な作戦に出たのである」という解釈をすることも可能だと思うのですが、「全然売れてなくて困り果てているんだな」という解釈をすることも可能です。

とりあえず、売れに売れていて在庫がないですよ、という状態ならこんなバラ撒きは出来ません。よって、バラ撒きが出来るくらいには端末があるということになります。

また、一部の「楽観的予想」が言っていたように、あっちこっちからビジネス用も含めたアプリが自然にドカドカ作られるということだったなら、てこ入れをせずとも今ごろはビジネスiPhoneの話題がメインの話題が通るところを行き来していたはずです。でも今出ている話題は珍しい系の取り扱いです。ただしこれが「今はそうではない」だけなのか、「将来もそうならない」のかは解りません。

孫社長も結構慎重な物言いのようでして、

ソフトバンク孫社長「iPhoneを生産性向上のための武器に」
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/41746.html

「iPhoneを使い始めて最初の2週間くらいは、いままでのケータイと使い勝手が違うため頭にくるかもしれない」と語る孫氏。その上で「業務で使うアドレス帳をコピーし、社内メールにアクセスできる設定を行い、手持ちのCDをデジタル化して持ち歩いてもらえば3カ月経ったときにiPhoneが可愛くてたまらなくなるだろう。われわれの感じている興奮が無料モニターで少しでも伝われば」と述べ、講演を締めくくっている。

「手持ちのCD」というのは社用端末にそんなもんコピーしたら怒られるだろう、と思うのですがそれはともかく、孫社長も「iPhoneが普通の携帯とは違うので」というあたりについては言及せざるを得ないようです。

またビジネスの現場をコストの観点から分析した場合にもiPhoneは有効だという。「平均的なビジネスパーソンにとって、デスクと会議室のちょっとした移動なども含めた『移動時間』がはオフィスアワーの約30%に上るという調査結果がある。年俸500万円の社員で計算すると約150万円分の無駄。セキュアで、いつでも持ち歩けるiPhoneを使ってこの時間も仕事できれば、端末や通信コストもあっという間に回収できる」(孫氏)。

「オフィスアワーの約30%」というのが本当かなという気がしますし、また、移動時間は移動時間なのでして(必要な移動ならばそれは「無駄」というのだろうか?少なくとも「その間」まで他の作業を強いられるほどの)、さらには移動時間には携帯電話で音声通話やメールチェックで使ったりノートパソコンを広げたり、紙のメモ帳を開いたりすることが出来ますが、これらとの比較はどうなんでしょう?

もしPDAっぽい形状のものが最適だったとしても、他のスマートフォンでも良くね?という気はします。iPhoneじゃ無きゃならない理由がこの発表からはよく解らないわけです。

また、外回り業務にドコモ端末のiモードやiアプリを用いるような方法は前からあるので、これと比べてどうなんだろうということも思います。

つまりのところ何が言いたいのかというと、例えば
・この記事をソースにして
・私の会社にiPhoneを用いたシステムを(金を払って)導入しましょう
という説得が可能かと言われれば実にごもっともなツッコミを多数浴びてしまうだろうということです。

正直なところ私には、iPhoneをビジネスに使おうという発想、将来的に正解になるのかどうかはよく解りません。ので、この記事は将来に渡ってもiPhoneのビジネス利用はダメである、という主張をするつもりは全く無いのですが(この点は念を押しておきます)、ただ現時点でどう判断すべきかと言われたら、慎重に判断すべきではないかと答えることになろうと思います。

また気になるのは、アップル自身にとってビジネス利用を意識する事自体が、3G端末の投入から始まった「新しい挑戦」、ないしは「再挑戦」であることです。つまり実績が無いということです。また、アップルが「やっぱりダメだな」と思った途端に撤退方向に進む可能性があることです。

ビジネス利用が最初から意図されている端末と比べると、ちょっと気になる点ではあります。


◆最初の話題に戻る

最初の話題に戻りますと、これは一般向けにiPhoneを売り込むのが大変厳しくなったので、じゃあ法人向けにダメ元でつっこんでみようと思ってのことである、ということも「疑われる」ということです。

つまり、販売不振が極まった結果であるということになります。この場合には、ビジネス端末としての適性が実際にあるかどうかということはあまり問題になりません。

「何でもいいから在庫を崩さないとピンチになった」というだけのことになります。この場合の作戦成功は「在庫が掃けること」ですから、実際に役に立つかどうかについては上手に煙に巻くのが正しいということになります。

そうではなかった場合には、孫社長が「自分で使った結果感じたこと」として、「これはビジネス端末としていけるぞ」という判断としてのことになります。つまり、iPhoneには本当に未来が詰まっており、孫社長はそれを開花させようとしている場合です。

その場合に気になるのは、孫社長の判断が正しいのかどうかです。これは「将来において正しい判断が出来る人か」という興味にも直結します。

例えば夏野さんに、「iPhoneってビジネスに使えると思いますか?」とか聞いてみたらなんて答えるんでしょうか。とても気になります。

ただ、夏野さんの答えが孫社長より正確と思えるかどうかと言われれば、そのあたりはどうも怪しいわけですけれども。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

AUからも「携帯+無線LAN」が正解じゃないか、という意見が

最近、携帯電話の容量が足りなくて困っている系の話題があります。

AUのパケット制限、ソフトバンクのホワイト地獄(インフラが)、イーモバイルの速度低下、ドコモが都市部に基地局を乱立するのも。「容量が足りない」からです。


◆無線LANだそうだ

KDDI高橋誠コンシューマ事業統轄本部長を直撃
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20080829/1018138/?P=2

――LISMO VIDEOもPCにつなぐのではなく、ケータイに直接ダウンロードできると便利だと思います。iPhone 3Gのように、auケータイも無線LAN対応が当たり前になってきたりはしないのでしょうか。

高橋氏:僕はもう、無線LAN対応は必然だと思っています。やるかどうかは知りませんが。

昨今、インフラコストが上がってきているので、そのトラフィックをどこに逃がすかが大事になってきます。

学生などは、自宅ではケータイをベッドの中で使っています。YouTubeを見て、ワンセグやメール、インターネットをしています。ワンセグを導入して良かったのは、ネットを使わずに、テレビを見てもらうことで、一時的にトラフィックが発生しない状態になっていること。そこに無線LANが追加されると、さらにトラフィックが3Gネットワークから逃れるようになります。このメリットは大きいです。

AUは現在「Sports」「Change」「Video」という三つをキーワードにしています。

「Change」は見た目が変えられるやつです。「Sports」はあの「四角い端末」(Sportio)でイメージされるものです。

「Video」(LISMO VIDEO)は携帯電話で映画とかを見れますという話で、AUとしては携帯で音楽再生の延長での話でしょうね。で、そういう話だと携帯電話で直接映画が見れるのかと思ってしまいますが、それは出来ません。

・「パソコン」でダウンロードして(AU以外の回線以外で)
・パソコンと携帯を接続して
・携帯にファイルを転送して
・ようやく携帯で再生できます

という仕組みです。

・携帯の回線で直接携帯端末にダウンロードし
・携帯で再生

ないしは

・携帯の回線でダウンロードしつつ再生

ということが出来ないのは、回線の容量が耐えられないからです。

AUは他社に先駆けて3.5世代化を終えていますので回線速度自体は高速で、その面では直接再生をすることに大きな問題にはなりません。しかし、動画の「巨大な容量」を収容できる容量がないのです。

だから、パソコン経由という一見意味不明な方法をとらざるを得なくなっています。

この「容量の問題」についてはこれまで散々記事にしてきたとおりです。

記事で「LISMO VIDEOもPCにつなぐのではなく、ケータイに直接ダウンロードできると便利だと思います。」とあるのは容量の問題のことを言っており、そこでiPhoneの「無線LAN対応」のことが語られているのは、「無線LAN経由での通信にバイパスする気は無いのか」という質問です。

そしてそれに対して、AUの大物である「高橋さん」は

高橋氏:僕はもう、無線LAN対応は必然だと思っています。やるかどうかは知りませんが。

と答えています。

ワンセグを導入して良かったのは、ネットを使わずに、テレビを見てもらうことで、一時的にトラフィックが発生しない状態になっていること。そこに無線LANが追加されると、さらにトラフィックが3Gネットワークから逃れるようになります。このメリットは大きいです。

ワンセグ搭載すら、混雑対策の側面があるといっています。

以前の記事にて、ソフトバンクの基地局整備を担当していて泣きそうになっている人(「なんちゃって基地局」の宮川さん)も、「フェムトセルではなくて、無線LANの方がトラフィック対策として有効」というようなこと言っており、「iPhoneユーザにはとにかく無線LANで使って欲しい」と言っています。

少し前まではこういう時にはフェムトセルの大合唱だったような気もするのですが、こっちもバブルが壊れてしまった(フェムトセルの「干渉問題」という致命的難点が広く知られてしまった?)のか、こういう話題になると無線LANが語られることが多くなりました。

もしかすると、「次の通信方式の変化」とは「LTEかHSPA+のどっちだ」とかではなく、「既存の3.5世代+無線LAN」の組み合わせへの移行なのかもしれません。

やっぱり当面は、フェムトセルよりも無線LANということなのかもしれません。LTE(3.9世代)が本格的になる将来よりも前の話となると、結局枯れたもの同士の組み合わせの方が無難で効果的なのでしょう。フェムトセルが今後改良されても糞技術のままである可能性(というかリスク)もまだ残っていますし。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

「50代向け携帯」って、本当はもっと上の年齢の人を狙っている気がした

ここしばらく、KDDIが「50代向け」の携帯電話を発表していましたが、それについて少し。


◆中間地点

少し前のニュースです。KDDIから「URBANO」が発表されて、ドコモから類似目標感のある機種が発表されていて、それら両方の機種についてかかれたニュースです。

ターゲットはどこか?ドコモとKDDIの50代向け端末戦略
http://it.nikkei.co.jp/mobile/column/columngyoukai.aspx?n=MMIT0f000004092008&cp=1

2008年後半になって各キャリアが相次いで力を入れ始めたのが、50代を中心としたユーザーへのアプローチだ。NTTドコモの「706ie」シリーズやKDDIの「URBANO」ブランドが新たに登場。使いやすさと機能を両立させた端末を投入する背景には、「らくらくホン卒業生」やPDCユーザーを取り込む狙いもある。

「URBANO」の発表会ではちょい悪なイタリア人が発表をされていました。もしかすると、同じ人たち(前回あの人が活躍した際にカモにされた層)をKDDIが取り込みにかかっているということかもしれません、同じ人を起用する事で実に分かりやすい形で。

ゴルフのピンまでの距離計測機能とか、歩数計があるなどの特徴はありますが、どうもそれは本質部分ではなく、シニア向け携帯を普通の携帯のように作り直したものだと思います。

KDDIの長島孝志コンシューマ事業統括本部コンシューマ商品企画本部長は「いまの50代前後のユーザーは、マルチメディア機能を多数搭載した高機能モデルを無理して使うか、機能を割り切り使い易さを重視したシニア向けモデルをあきらめて使うかの2択しかなかった。URBANOは、若者でもシニアでもない新たなケータイとして選んでもらえるはずだ」と導入の狙いを語る。

「若者でもシニアでもない」という実情は、

・若者では決してない
・しかしシニアであるとは思いたくない。

という人たちのことでありましょう。つまりそういう携帯だろうと思います。

ドコモについては、

「らくらくホンユーザーを調査すると、使い慣れてくると『もっと普通のケータイを使いたい』という欲求が出てくるようだ。らくらくホンのシンプルなメニュー画面は、操作に慣れてくると逆に面倒に感じるという。N706ieは、そういったユーザーにも使ってもらいたい」(NEC製品開発担当者)
一部の使い慣れたシニアは「らくらくホン」を卒業したがっているのだという。

「らくらくホン」に退屈する人がいるから、だそうです。そういう人たちがどの程度居るのだろうかと思ったりしますが、ドコモくらいに巨大になるとそれくらいでも機種を作れるくらいの数のなるのかもしれません。

また以下はNECの発言のようですが、

この背景には「実は(第2世代の)PDCユーザーを巻き取る狙いもある。いまだにPDCを愛用しているユーザーは、バッテリー寿命の長さに魅力を感じているところがある。N706ieなら、FOMAでも安心して使えると考えてもらえるようスタミナバッテリーの採用を重視した」(NEC製品開発担当者)という。
これだけFOMAの新製品が出ても機種変更せずにPDCを使い続けているユーザーは、新しい機能やサービスには一切なびかない層といえる。彼らのケータイの用途は通話とメールが中心で、むしろ基本機能である通話品質やバッテリー寿命に目が向いているのだ。

N706ieは今でもPDCを愛用しているユーザーが「これなら機種変更してもいい」と感じさせるような製品開発を行っているわけだ

ドコモの第二世代を使いつづけているユーザ向けの端末も意図してつくった、とのことです。

確かに、エリア力第一主義で僻地の営業をするためにmovaを使いつづけている人もいなくはないとは思うのですが、私にはごく少数に思えます。たぶん、結局ろくに使いすらしていない人たちが正体ではないかと思うのです。

この話は市場分析野郎が自家中毒を起こしているだけにも思えたりします。私は、機種変そのもの自体との接触の必要性の無い人たちがたくさん居るだけなのではなのが実情ではないのかなと。つまり「PDCを愛用している」わけではなかろう、と。

また、どちらかといえばドコモは中間地点からシンプル側、AUは中間地点から若者側という感じもするかもしれません。


◆50代向けなんだろうか?

URBANOについては、今時の携帯に疲れた系(とでもいいましょうか)のもっと若い人に、俺はこの程度で良かった気がしていた、という感じで売れるような感じでも売れる気もします。

ただ、主戦場としては高年齢の方ということになるのではないかと思います。公式には50代向けとなっていますが、私は本当はもう少し上を狙っているのではないかとも思っています。

つまりKDDIは、団塊とか言われているあたりを狙ったんじゃないかなと。もしそうだとすると、実は割と大きな市場を狙ったKDDIの大作戦が既に作られているのかもしれません。

先に、

・若者では決してない
・しかしシニアであるとは思いたくない。

ということを書きました。人は30歳の誕生日に少なからず精神的動揺をするそうですが、同じく60歳の誕生日にも動揺をするそうです。

調査などによると団塊と呼ばれる人たちはいわゆるシニアになること、ないしは日本でシニアらしいとされているシニアになることをとりわけ受け入れようとはしない人たちだ、とか言われます。そういう難儀な状況があります。

よって、60代向けを直接名乗る商品は売れないということになります。今回のような場合、本当は団塊向けを狙っていたとしても、それを名乗るのは得策ではないという気がします。

というわけで公式の対象ユーザすら「50代向け」ということにして、シニア携帯を持つことになった自分ということを一切感じさせないようにサービスを図ったシニア携帯というのが作られていてもおかしくないわけです。

逆にらくらくホンなんかは、過剰にシニア向けに作ってある面も感じられます。おそらくそれが旧来のシニア層の要望だったからだと思われます。ですが、シニア向けを拒否する新しいシニアが出現すると、それでは逆効果になってしまいます。

というわけで新しいシニア向けに一生懸命作ったところ、シニア携帯であることすら名乗らないシニア携帯が作られたのかなと、そういう気もします。

URBANOが実際そうなのかはともかく、近いうちにそういう機種が登場することになるではないか、とは前から思っておりました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

601 値下げドミノ:ドコモがパケ代値下げ→ソフトバンク→?

更新する時間が確保できてなくてすみません。

しばらく前のニュースから。


◆ドコモが値下げ?値上げ?

しばらく前に、ドコモがパケ代を「値下げ」したというニュースがありました。

ドコモ、ソフトバンクよりも最低料金が低い3G携帯向け料金プランを発表
http://markezine.jp/article/detail/5142

ドコモは、大量のデータをやりとりする第3世代携帯向けのコンテンツやサービスの利用者のために、月額定額料が毎月の利用量に応じて変動する新しいパケット定額サービス「パケ・ホーダイ ダブル」と「Biz・ホーダイ ダブル」を10月1日から提供する。

「パケ・ホーダイ ダブル」は月額1,029円から始まり、iモードのみの場合は上限が4,410円、iモードフルブラウザを利用する場合は5,985円となる。

つまりのところ、某社のダブル定額のパクリをするということのようです。「パケ・ホーダイ ダブル」定額ですから、略すと「ダブル定額」になってしまいます。デコラティブメール、略してデコメとかと似ています。

料金コース的にはあれとにそっくりです。

最低料金が1029円で、携帯電話の世界に閉じ込められてのパケット利用ならば4410円上限、フルブラウザなどを使うと、5985円になります。

ドコモの「Answer」の結論として、お客さんに意見を聞いてみた=調査したところ「他社のあれがドコモにも欲しい」という意見が多く、ならばドコモも真似しようということかもしれません。客の言うとおりにした、ということかもしれません。

基地局を立てて欲しいと言われれはすぐに立てようとする、他社のあれが羨ましいという意見が多かったら素直に真似をする、というようなことが「Answerのドコモ」なのかもしれません。

また、実は戦略レベルでの積極的な判断によるものであり、他社をあっさり真似する作戦にしたのかもしれません。業界の巨人ですから、他社の良いところを全部真似することを中心にし、物量で一位をキープする作戦は有効です。ドコモに革新性を求めている人にとっては、そういう作戦はつまらなくてしょうがないでしょうけど。

ニュースでは値下げっぽい取り扱いになっていますし、ドコモはこれで減収する(つまり儲からなくなる)ようですが、値下げなのか値上げなのかは微妙なところがあります。

下限が1029円になりましたから、使っていない人、ないしはドコモに多そうな「店員に言われて『安心』だと思ってオプションをつけているけど、携帯はほとんど使わない」「実は定額が得なのか検討したことが無い」ような人は値下げになります。

逆にいえば、一番儲け幅の多いユーザ(使いもしないのに料金を払いつづける客)から儲けられなくなります。

一方でパケット馬鹿方面にとっては定額上限突破は当たり前の世界です。そして、以前の完全定額の料金よりも二段階の上限の料金の方が高く設定されています。よって、パケット馬鹿によっては実質値上げという事になります。おそらくこのブログを読むような人にとっては値上げとなることでしょう。

よって
・某社のコピー
・「実は使っていない人」には値下げ(イラネ割)
・ある程度以上使っている人にとっては値上げ
です。

また、これで「見た目の安さ」がかなり改善する事になります。ソフトバンクがiPhoneでやったのと同じような値下げ感が生じる事になります。よって、

・「安く」なったので、パケット定額オプションをつける人が飛躍的に増える
・ドコモは月々○○円から、という比較で他社に対して優位になった
・でも、ある程度以上パケットを使う人にとっては実質値上げ
・ただしトータルでは儲からなくなるらしい

またこれは、引用元のニュースタイトルが言っているように、ドコモがソフトバンクよりも見た目安くなったという瞬間でした。

しかし、ドコモの方が安い(ように見える)というのはソフトバンクにとっては許容できないことでして、案の定あっという間に対抗策がとられました。


◆ソフトバンク、すぐに対応する

ソフトバンク、「パケット定額フル」下限額を値下げ
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/41505.html

ソフトバンクモバイルは、パケット通信料定額制サービス「パケット定額フル」の下限額を値下げし、月額1029円~5985円のサービスとして27日より提供を開始する。既存ユーザーに対しては自動的に適用される。
なお同社では、今回の値下げについて、NTTドコモの「パケ・ホーダイ ダブル」に対抗したものとしている。

孫社長はあいかわらず上手でして、ソフトバンクは気前が良いぞという感じでドコモにすぐに対抗した感じにしているようです。値下げするからには「さすがソフトバンク」と思わせたわけです。また、あまりに素早い対抗値下げ発表もソフトバンクの本領発揮でした。

ですが、この状況では半ばそのようにせざるを得なかったように思えます。ソフトバンクがここでドコモに対抗策を出さないわけには行かなかったのが正しいところではないかと思います。つまり、ソフトバンクには他に方法は無かったのではないかと思います。

料金コースはドコモ(や某社のあれ)と横並びということになりました。

結果としては、iPhoneが変な感じで追加値下げされた感じになったり、iPhoneの巻き添えで料金値下げになって喜ばしい状況だったと思われるソフトバンクのスマートフォンユーザがさらに値下げということになりました。

iPhoneの一回目の値下げは「2990円」になるなどギリギリのラインで計算されたものではないかと思われますが、思わぬ形で再値下げを強いられる事になりました。もし、2990円がギリギリのやりくりで生まれた料金だったとするならば、痛い値下げになったかもしれません。

値下げ自体は客へのインパクトはありますが、しかし2990円から「2324円」ですから、どうもインパクト感は強くありません。どうも能率の良くない価格になってしまったのではないでしょうか。最初の値下げのタイミングを誤ったと思っているかもしれません。


◆値下げドミノ

ドコモが意図してやったのかどうかは解りませんが、ドコモの値下げはギリギリで活動しているソフトバンクの命を削るような効果もあったのではないかと思います。

ドコモの値下げはソフトバンクに対抗値下げをさせて、自滅させるための作戦の一環かもしれません。

ドコモが値下げをした場合、どうしてもソフトバンクは対抗せざるを得ない状況があります。他の方法で対抗できるかというと、どうも難しいように思えます。

ソフトバンクにはホワイトプランがあり、ドコモはそんな大変な事はやっていません。ですから、パケット代やら他の料金がドコモよりも高くても本来問題ない(トータルではソフトバンクが有利ならよい)とも言えるはずですが、でも「ソフトバンクの勢い」を支えているものが何であるかを考えると、そういう理屈で対抗するのは困難で、値下げによって対抗しないのは難しいように思えます。

また、ソフトバンクがいろんな値下げをするとダメージを受ける陣営がまたあります。おそらくイーモバイルが被害を受けるのではないかと思います。イーモバイルはCMで「安い」と連呼していような次第でして、ソフトバンクよりも高くなる、ましてやドコモよりも高くなるわけには行かないからです。

ただイーモバイルにとってはそれでも、恐ろしい負荷がネットワークにかかる「完全パケット定額」よりも(次世代戦争も間近です)、音声端末でソフトバンクを食べてゆく方に将来を賭けるでしょうから、あのCMは正しいし、ソフトバンクが値下げをしたら自分達はさらに値下げをしてソフトバンクにプレッシャーをかけるくらいの事をする気がします。

ドコモはソフトバンクにとって痛いポイントを狙って「値下げ」を続ける事で、さらに攻撃を続ける事も出来ます。もしこういうことを意図しての値下げで、これからも攻撃が続くのだとすると今後えらいことになるかもしれません。


◆あまり影響を受けないAU

携帯にどっぷり使っている人たちの方面では最近評価の芳しくないAUですけれども、上記の値下げドミノとはあまり関係ない場所にいるのがAUでもあります。

かくなる方面の人からは「明後日の方向に行ってしまった」と評判の良くないAUですが、明後日の方向に行ってしまったということは、他社とは違う戦い方をしているということでもあります。例えばもしドコモとソフトバンクがとんでもない殴り合いを開始したとしても、AUは別のルールに守られるというわけです。

AUの現在の戦略が嫌いな人は結構居ると思いますが(特に携帯馬鹿の人には)、こうやって考えると巧妙な作戦を取っているようにも見えてきます。前々から時間をかけて、他社とは戦う場所がずらしてあるわけです。戦う場所がずれているということは、勝敗を決めるルールも違うということです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年8月 | トップページ | 2008年10月 »