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「50代向け携帯」って、本当はもっと上の年齢の人を狙っている気がした

ここしばらく、KDDIが「50代向け」の携帯電話を発表していましたが、それについて少し。


◆中間地点

少し前のニュースです。KDDIから「URBANO」が発表されて、ドコモから類似目標感のある機種が発表されていて、それら両方の機種についてかかれたニュースです。

ターゲットはどこか?ドコモとKDDIの50代向け端末戦略
http://it.nikkei.co.jp/mobile/column/columngyoukai.aspx?n=MMIT0f000004092008&cp=1

2008年後半になって各キャリアが相次いで力を入れ始めたのが、50代を中心としたユーザーへのアプローチだ。NTTドコモの「706ie」シリーズやKDDIの「URBANO」ブランドが新たに登場。使いやすさと機能を両立させた端末を投入する背景には、「らくらくホン卒業生」やPDCユーザーを取り込む狙いもある。

「URBANO」の発表会ではちょい悪なイタリア人が発表をされていました。もしかすると、同じ人たち(前回あの人が活躍した際にカモにされた層)をKDDIが取り込みにかかっているということかもしれません、同じ人を起用する事で実に分かりやすい形で。

ゴルフのピンまでの距離計測機能とか、歩数計があるなどの特徴はありますが、どうもそれは本質部分ではなく、シニア向け携帯を普通の携帯のように作り直したものだと思います。

KDDIの長島孝志コンシューマ事業統括本部コンシューマ商品企画本部長は「いまの50代前後のユーザーは、マルチメディア機能を多数搭載した高機能モデルを無理して使うか、機能を割り切り使い易さを重視したシニア向けモデルをあきらめて使うかの2択しかなかった。URBANOは、若者でもシニアでもない新たなケータイとして選んでもらえるはずだ」と導入の狙いを語る。

「若者でもシニアでもない」という実情は、

・若者では決してない
・しかしシニアであるとは思いたくない。

という人たちのことでありましょう。つまりそういう携帯だろうと思います。

ドコモについては、

「らくらくホンユーザーを調査すると、使い慣れてくると『もっと普通のケータイを使いたい』という欲求が出てくるようだ。らくらくホンのシンプルなメニュー画面は、操作に慣れてくると逆に面倒に感じるという。N706ieは、そういったユーザーにも使ってもらいたい」(NEC製品開発担当者)
一部の使い慣れたシニアは「らくらくホン」を卒業したがっているのだという。

「らくらくホン」に退屈する人がいるから、だそうです。そういう人たちがどの程度居るのだろうかと思ったりしますが、ドコモくらいに巨大になるとそれくらいでも機種を作れるくらいの数のなるのかもしれません。

また以下はNECの発言のようですが、

この背景には「実は(第2世代の)PDCユーザーを巻き取る狙いもある。いまだにPDCを愛用しているユーザーは、バッテリー寿命の長さに魅力を感じているところがある。N706ieなら、FOMAでも安心して使えると考えてもらえるようスタミナバッテリーの採用を重視した」(NEC製品開発担当者)という。
これだけFOMAの新製品が出ても機種変更せずにPDCを使い続けているユーザーは、新しい機能やサービスには一切なびかない層といえる。彼らのケータイの用途は通話とメールが中心で、むしろ基本機能である通話品質やバッテリー寿命に目が向いているのだ。

N706ieは今でもPDCを愛用しているユーザーが「これなら機種変更してもいい」と感じさせるような製品開発を行っているわけだ

ドコモの第二世代を使いつづけているユーザ向けの端末も意図してつくった、とのことです。

確かに、エリア力第一主義で僻地の営業をするためにmovaを使いつづけている人もいなくはないとは思うのですが、私にはごく少数に思えます。たぶん、結局ろくに使いすらしていない人たちが正体ではないかと思うのです。

この話は市場分析野郎が自家中毒を起こしているだけにも思えたりします。私は、機種変そのもの自体との接触の必要性の無い人たちがたくさん居るだけなのではなのが実情ではないのかなと。つまり「PDCを愛用している」わけではなかろう、と。

また、どちらかといえばドコモは中間地点からシンプル側、AUは中間地点から若者側という感じもするかもしれません。


◆50代向けなんだろうか?

URBANOについては、今時の携帯に疲れた系(とでもいいましょうか)のもっと若い人に、俺はこの程度で良かった気がしていた、という感じで売れるような感じでも売れる気もします。

ただ、主戦場としては高年齢の方ということになるのではないかと思います。公式には50代向けとなっていますが、私は本当はもう少し上を狙っているのではないかとも思っています。

つまりKDDIは、団塊とか言われているあたりを狙ったんじゃないかなと。もしそうだとすると、実は割と大きな市場を狙ったKDDIの大作戦が既に作られているのかもしれません。

先に、

・若者では決してない
・しかしシニアであるとは思いたくない。

ということを書きました。人は30歳の誕生日に少なからず精神的動揺をするそうですが、同じく60歳の誕生日にも動揺をするそうです。

調査などによると団塊と呼ばれる人たちはいわゆるシニアになること、ないしは日本でシニアらしいとされているシニアになることをとりわけ受け入れようとはしない人たちだ、とか言われます。そういう難儀な状況があります。

よって、60代向けを直接名乗る商品は売れないということになります。今回のような場合、本当は団塊向けを狙っていたとしても、それを名乗るのは得策ではないという気がします。

というわけで公式の対象ユーザすら「50代向け」ということにして、シニア携帯を持つことになった自分ということを一切感じさせないようにサービスを図ったシニア携帯というのが作られていてもおかしくないわけです。

逆にらくらくホンなんかは、過剰にシニア向けに作ってある面も感じられます。おそらくそれが旧来のシニア層の要望だったからだと思われます。ですが、シニア向けを拒否する新しいシニアが出現すると、それでは逆効果になってしまいます。

というわけで新しいシニア向けに一生懸命作ったところ、シニア携帯であることすら名乗らないシニア携帯が作られたのかなと、そういう気もします。

URBANOが実際そうなのかはともかく、近いうちにそういう機種が登場することになるではないか、とは前から思っておりました。

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