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608 iPhone料金の「値下げ」は値下げではなくて「イラネ割」に思える

iPhoneがパケット料金を二段階定額制にしましたが、その件について記事にしてみることにします。

・あまり値下げになっていないこと
・しかし別の意味では値下げになっていること

という感じの記事を書きたいと思います。


◆「安くなった」と報じているニュースが目立ちますが・・

孫社長は相変わらず上手いなというか、今回の値下げはかなり思い切った値下げに見えるように出来ています。

第一印象
これまで:5985円
値下げ:1695~5985円
2990円/月でiPhoneを持つことが出来ます

一台目として持つのは躊躇している人が多いというか、そもそもソフトバンクショップの店員さんが「二台持ちを薦めてくる」ような売り方です。しかし、どうも二台持ちとしては高すぎるというところが問題でした。

2990円/月なら持とうかな、と思わせるようにしたわけです。

では、以前の記事の「実質月額料金」を新料金で書き直してみましょう。

修正版:実質的な毎月の支払い最低額(8GB版の場合)
980円+315円+(1695~5985円)+960円 = 3950~8240円/月

修正版:実質的な毎月の支払い最低額(16GB版の場合)
980円+315円+(1695~5985円)+1440円 = 4410~8700円/月

宣伝されている2990円には端末のローン支払いが入っていなかったので、その分の値段が上がったのが上記のものです。

二段階定額制だから「節約すればきっと安く使えるんだ」と思いたいところですが、計算してみると二段階定額はあまり意味が無い事がわかります。

二段階定額料金:
2万0175パケット以下 最低料金
その間 0.084円/パケット
7万1250パケット以上 上限料金

7万1250パケットはどれくらいのサイズかというと、わずか8.7メガバイトに過ぎません。1Mbpsくらいの通信を60秒行うと消費されてしまう程度の量しかありません(例:1.16Mbps×60秒)、つまり電波状態の良いところで回線を60秒フル稼働させるとそれで上限に到達しまう場合があるような、そんな量しかないということです。

一ヶ月で60秒だとすると、1日にするとわずか2秒になります。

もちろん回線はずっとフル稼働するようなものでもありませんが、時間を10倍にしてみたところで一日あたり一分にも全然届きません(平均速度120kbps×20秒/日で上限)。さらに10倍に薄めて100倍にしても数分程度にしかなりません。

フルブラウザでウェブブラウズをするとあっという間に「月額およそ一万円」に逆戻りのはずです。動画再生をしようものなら文字通り瞬殺で上限到達となるはずです。

そもそもiPhoneを買ってすべき楽しい事は、パケットの浪費を伴うことばかりです。iPhoneを買ってパケットを節約せよというのはちょっともったいない使い方です。

節約すればきっと安く使えるんだ、と思わせておいて、その実としては値下げになっていない気がします。

これは安いと思って二台持ちしてみたものの、あっさりと一万円コースの請求がやってきましたということになるような気がするということです。良く出来ています。

再修正版:実質的な毎月の支払い最低額(8GB版の場合)
980円+315円+ほぼ5985円+960円 = ほぼ8240円/月

再修正版:実質的な毎月の支払い最低額(16GB版の場合)
980円+315円+ほぼ5985円+1440円 = ほぼ8700円/月


◆しかし、こういう場合には安くなります

念のために書いておきますと、今回の料金改定は純粋な値下げです。よって以前よりも高くなる状況は考えられません。見た目の安さ感と実態がかなり違うかもしれない、という新しい問題が生じただけで、値上げか値下げかと聞かれれば純粋な値下げです。

上記の説明のとおり、iPhoneをiPhoneとして使う限り、つまり「iPhone面白いな」とか「買って楽しいな」と思っている人は値下げ効果がなさそうであるように思えます。

ただ、「イラネ」と思ってしまった人の場合には、二段階定額の恩恵がやってきます。買ったけど全然使わなかったとか、あべこべにも音声通話にしか使わないような使い方をしている場合には安くなります。

安くなるパターン:イラネになってしまい、自宅に置きっ放しになってる人
・8GB版 3950円/月
・16GB版 4410円/月

4000円前後ではあるわけで安くはありませんけれど、家で電源を切って転がしておけば半額くらいにはなるというわけです。これが今回の値引きでの最大の恩恵に思えます。

「イラネ割」とでも呼びたくなるような状態です。


◆イラネ割としてのお得さを考える

「使わなくなって自宅でほったらかしになる」というのは「ひろゆきさん」が予言したiPhoneの一ヵ月後の未来です。

ほったらかしになるということは、積極的に何もしないということなので、それがあるがままの姿だともおもうのですが、イラネ割以外に積極的に「解約してしまう」という方法もありますから、それと比べてみましょう。

解約すると販売奨励金の1920円/月の支払いが復活するはずです。これで、比較をしてみましょう。

イラネ割
・8GB版 3950円/月
・16GB版 4410円/月

解約後のローン支払い
・8GB版 960円+1920円=2880円
・16GB版 1440円+1920円=3360円

イラネ割の方が1000円くらい高いということが解りました。ですが、ホワイトプランで通話できますし(ほったらかしておいてそういう使い方は無い気もしますが)、もう一回iPhoneを使うように戻したり出来ることを考えると、悪くは無いかもしれません。

「解約Lite」という風にも思えますね。


◆ソフトバンクにとって

パケットを使わなければ安くなるということは、無線LANで使えば安くなるぞ、と思えるかもしれませんが、最初に説明したとおり「上限が低すぎる」ので、基本的に無線LANを使う習慣で使っても、上限に到達しないようにするのは難しいのではないかと思います。

もちろん、ほぼ無線LANでしか使わないような使い方をすれば話は別ですが、そうなるとiPhoneである意味がなくなります。それならばiPod Touchを買ったほうがよっぽど経済的になります。

よって、新料金コースで無線LANでの利用が増えるというのはちょっと疑問です。しばらくは頑張ってみるかもしれませんが、すぐになんじゃコリャになって節約する意味が無い事を悟るでしょうから(あるいは人間ってもっと頭が悪くて、それでも節約してしまうのかしら?)。

現在でも無線LANで利用している人が割と多いようですが、これは夏野さんが言っていたように「3G接続だけど遅いけど、無線LANなら快適」だからのような気がします。少なくとも私の知っている限りではそんな感じのようです。

また値下げ前で考えると、買ったものの飽きられて放置されている端末は「一番儲けが大きい」端末でした。一切通信をすることなく(つまり設備に負担をかけることなく)、月8000円以上の収入をソフトバンクにもたらす事になるわけですから。

iPhoneは大変残念な事に買うべきではない人が買っている場合も多いと考えられるため(変に話題になりすぎたため)、自宅で放置されている端末は割とある状態になるのではないかと思います。これから時間が経つにつれて、そういう可哀相なiPhoneは増えてゆくはずです

「値下げ」で安く持てるようになったように見えるので、二台持ち狙いで購入する人は増えると思いますが、使われなくなって寝ている端末からの収入は経ることになります。

もちろん孫社長は最初からそんなことは解っているはずですから、ソフトバンクとしては寝ている端末一台あたりからの収入を減らしても、台数を出したい事情があるのでしょう。


◆意外な人が得をするという変な結論

とりあえず、iPhoneをiPhoneらしく使う前提においては、これまでとほとんど変わらないように思えました。よって、二台持ち前提で考えている人は引き続き慎重に検討なさるのがよいのではないか、と思います。

おそらく、月額およそ一万円は変わらないのではないかと思います。音声通話もするのであれば、一万円超えは普通になるはずです。月額料金が下がる、という理解の仕方はどうもよろしくないように思えます。

ただ、二年経つ前に飽きて自宅でほったらかしにする可能性が高いので悩んでいる人には、これは良い値下げかもしれません。飽き性の方、熱しやすく冷めやすい人には朗報であるかもしれません(?)

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コメント

この件で、このような記事が少ないので心配だったのですが

この記事のとおりだと思います

ついでに言うと
auのパケット定額も似たような状況なのです

SBMはこれしかないのですが

auはまともなプランがあるのに売り込まない
という悪質さがあります
(auで月々のパケット利用料から最適な定額が3種類あるのに、ライトだけが宣伝されている)

投稿: 姫 | 2008/08/11 07:04

使わなくなったら,すぐに解約して,端末の分割払いの残りだけ支払うのが一番安いよね.どうして使わないのに回線維持のために月額使用量払う事が前提なの?

投稿: おのひろき | 2008/08/14 08:52

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