613 iPhoneとジョブス師匠の「省略病」
このネタについてそれほど詳しくて書くわけではないので、間違いなどはご容赦ください。
ジョブス師匠の
・演説魔力
・なんでそれを省略する?
・思い切り過ぎて使いにくい
iPhoneで色々言われている件について、昔からそういう人なんじゃないか、というようなことを書きます。
土日に誰かにこういう説明をしたら面白がっていたのでブログにも書いてみます。
◆ジョブス師匠
以下、基本的に必要以上に茶化して書いてますので、怒ったりしないでください。その方が読む人が面白いというだけの東スポ的理由で(すみません)やっています。
まず、この記事のために無茶苦茶に省略した略歴を載せて、それをベースに適当な事を書き散らしたいと思います。
ジョブス師匠の歴史:
・スティーブ・ウォズニアックとつるんでアップル社を作って成功する時期
・マックを作って、その後アップルを追放される時期
・NeXTというコンピュータを作るが今ひとつな時期
・アップルに戻ってきて現在に至るまで
◆スロット要らない事件
アップルといえばマックのイメージがありますが、「マックがアップル」になったのは途中からです。
そもそもはスティーブ・ウォズニアックという天才が良く出来た個人用コンピュータを作り出して、それを「手作業」で作って売ったところ好評で、そんでもってアップルを起業してそれの改良品を大々的に売って急成長したというのがアップル社の最初です。
で、ジョブスはそのコンピュータの拡張スロットの数が気にいらなかったようです。
ジョブス:「拡張スロットは一つにすべき、むしろ無しにしたいくらいだ」
ウォズ:「そんなのは絶対だめだ」
結局、コンピュータは「スロット4つ」で売り出されました。で消費者はどう思ったかというと、「四つでも全然足りません」。
その他:
・ジョブスは起業をためらったウォズを、「言葉巧みに煽って」アップル社を設立させる
・その他の人も、ジョブスが「言葉巧みに」設立に関与させる
・ただ、コンピュータそのものはウォズがほぼ独力で作った
ちなみに、ウォズさんは比較的初期にアップル社を去っています。この人、面白い事こそが大事でお金は全然気にしないような人なので(一方でジョブスは起業以前からビジネス=お金に執着)、ついてゆけなくなったようです。
ウォズさんは気にしてないようですが、ジョブス師匠はいまでもウォズさんを嫌っているようです。伝説の二人が再度仲良くする日はおそらく来ないような感じです。
◆マック
アップル社はウォズさんの作ったコンピュータで順調に成長していたのですが、他社、具体的には現在のウインドウズパソコンの直接の祖先にあたるIBMのパソコンの登場などによって、だんだん分が悪くなってきます。
次世代機が必要になりました。
で、LISAという次世代機プロジェクトができます、LISAというのはジョブスの娘の名前でした。
(以下については諸説あるようですが)ジョブスはゼロックス社で、こちらも伝説的人物のアランケイが開発していたALTOというマシンを見学します。で、ALTOに衝撃を受けたジョブスは・・言うなればALTOを真似することにします。
ジョブスは最初からLISAに「いらんこと」をしていたようですが、ALTOを見てからLISAをALTOのようにしようとして本格的にLISAの開発に過剰に口を出しはじめます。で、当時の(実務を取り仕切っていた)アップルの社長は、ジョブスを野放しに出来ぬと判断し、ジョブスをLISAから追い出します。
ジョブスは今後は社内の別プロジェクトの「マッキントッシュ」に張り付いて乗っ取ってしまい、全く同じ事をします。
・ALTOみたいにしろ
・拡張スロットは嫌いだから無くせ(今度こそ本当に無くなった)
・基盤の回路パターンが美しくないから作り直せ(そんなところ見ません)
・フロッピーの取り出しボタンは無粋だから無くせ(マックのフロッピー閉じ込め事故の原因)
結局これがアップルの次の主力になったわけですけれども。
◆追い出される
LISAとマックあたりの件でジョブスとアップルの社長と険悪になってアップルの社長が居なくなってしまいます。その結果、代わりが必要になります。で、ペプシの社長をジョブスが引っ張ってきます。この時にも口説き文句で伝説を残しています。
・ジョブス:砂糖水なんか売ってないで、世界を変えませんか?
結果、ペプシ(砂糖水)の社長は、アップルの社長になります。が、元砂糖水の社長もしばらくして、ジョブスは要らん事をしすぎだ、と思うようになり、ジョブスはアップルから追放されてしまいます、自分が呼んできた社長に。
次にジョブスは、プロ用のパソコン?を作ろうとします。NeXTというマシンでした。
でやっぱり、同じ感じで作らせ始めます。
・フロッピーは古いので廃止、MOドライブを標準装備の起動ドライブに
・マシンの形は(加工困難な)マグネシウム合金の1フィートの立方体で
・画面表示をプリンタ出力と共通にしてポストスクリプトで(画面表示なのに)
・UNIXをもとにNeXTSTEPという独自OS
・当時はまだ普通じゃなかったレーザープリンターが標準
・予算オーバーに次ぐ予算オーバー
・結局、値段は数百万円にもなってしまう
今度はジョブスを止める人が誰も居なかったので、徹底的に尖がったマシンが出来ました。
ジョブスは未来を先取りしたマシンだから高くないと言い、一部では高い評価を受けたようですが、結局売れず商売としては失敗になります。会社が沈没寸前になったので、ハードウェアを捨ててOSだけのメーカーになります。OSをIBMのPC(つまり「ウインドウズパソコン」)に移植したりしますがうまく行きません。
今度は失敗しました。
◆アップルに戻る
砂糖水社長はジョブスを追い出した後にマックで順調に儲けてゆきました。ただ「マックの次」をうまく準備できなかったのでアップルはおかしくなります。
ウインドウズ95が発売されますが、アップルには古くなったOSしかありません。独自開発していた次世代OSもありましたが、これも開発に失敗していました。そこで、次世代OSを外部から用意して立ち直る必要がありました。
候補は以下の四つ
・マイクロソフト:WindowsNT
・サン:Solaris(UNIX)
・BeOS
・NeXTSTEP
マイクロソフトの軍門に下るとか、サンに買収されるという話もあったようですが、それ以外のOSを買って自分で何とかする方向になったようでした。そして下の二つが残ります。
BeOSを作ったのも、元アップルの社員のジャン=ルイ・ガセーでした。しかもジャン=ルイ・ガセーは「ジョブス追い出される事件」で追い出すのに加わった人間でした。
BeOSはまだ十分に完成していなかったものの、まさに未来的なOSであったためにジャン=ルイ・ガセーは勝利を確信します。普通に考えてBeOS以外に選択肢無しだろうと思っていたようです。
ところがジョブスが勝利します。なんでも聞くところによると、
・ジョブス:印刷機能も無いOSを採用して良いんですか?
これから採用するOSの評価にあたって、印刷機能のあるなしなんて本来問題ではないわけですが。
創業者のジョブスはアップルに復帰します。ところが、ジョブスは自分をアップルに呼び戻した人(ジョブスのOSを選んだ人)をアップルから追い出してしまい、さらに内部でいろいろやった結果、ジョブスがアップルの皇帝になります。つまり現在の体制になります。
OSとしてはNeXTが劣っていたように思いますが、アップルはOSではなくて「ジョブス」を購入したとするのならば、正解だったのかもしれません。
◆iMacの省略
まずは次世代OSができるまでの時間稼ぎ的なOS(アップルが独自開発していた次世代OSの外観を従来のマックのOSにかぶせてかっこよくして、機能的には小改良したもの)を開発したり、iMacを発売したりします。
iMacは機能的には(世間で斜陽だった)それまでのマックと同じで、それをカッコイイデザインに落とし込んだだけなのですが、ジョブス師匠は世間にうまくアピールして、アップル復活開始のシンボルにしてしまいます。
でiMacですが、これもまた「省略」されていました。iMacにはケーブルを差すところがほとんどありませんでした。
当時はまだアナログモデムで電話回線に接続する時代だった、ということを考えに入れてください。たしかケーブルを(差せる)ところが、
・電源ケーブル
・電話線をつなぐところ
・キーボードとマウス
・USB1.1が一箇所(一箇所くらいは無いとプリンタにも接続できなくなるので)
という何も無い状態でした。マシン内部に非公式な「拡張スロット」が存在してはいたのですが、これもほどなく消滅します。使っているうちに不足を感じてもどうしようも無い感じでした。どこまで拡張性が嫌いなんでしょうか。
◆で、iPhone_
その上でiPhoneについて考えてみましょう。
・全面タッチパネル
・バッテリーは交換できません
・なんかすごくカッコイイ
・でも日常的に使うとあちこち困る(だから二台持ちが)
・初代iPhoneが発表される際の「アップルは今日、電話を再発明します」のジョブス師匠の煽り
・などなど
ジョブス師匠またやってるぞー、と思えてきませんか。
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