その他:ボーダフォンのボス(サリーンさん)が退任するらしい
思いつきで少しだけ書きます。
雑談(脱線)的な話題です、本筋の話題については別の記事で書きますのでしばらくお待ちください。
だらだらと書きますのでご容赦ください。内容も適当です、すみません。
◆ボーダフォンのボスが退任する
少し前までは日本でも割とおなじみ?だった、ボーダフォングループの一番偉い人が退任するそうです。
英ボーダフォン、サリーンCEOが7月に退任 通期決算は黒字回復
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/080528/20006.html
ボーダフォンとは、日本ではJ-Phoneと孫社長の活躍の間にはさまれた黒歴史のことです。
リアルにボーダフォンを契約なさっていた方は、ボーダフォン日本がお金を使い渋っていることで面白くない思いをした人も居ると思うのですが、ボーダフォン日本への「本国からの指令」を出していた人というのは、今回退任するこの人(とか)のことであります。
つまり、元凶が退任するというニュースです。
名前が変わっていますが、実際ヨーロッパ人では無いそうで、この人はインド生まれのインド人のようです。
退任後なにをするかについては、内緒のようです。載っていません。
アルン・サリーンさんがボーダフォンにやってきたときには既にボーダフォンは大変な事になっておりました、以前から世界中で微妙な感じになった電話会社を買収して世界規模になったボーダフォンだったのですが(なぜって、調子の良い会社は買えるわけないからです)、まあようするにそれらがうまく行かずに大変な事になっておりましたということです。
日本ではJ-Phoneがボーダフォンに買われます。
J-PhoneはもともとJR系の電話会社なのですが、JR各社同士とJRとJ-Phone自体とかもいがみ合っておりまして、株をそれぞれで勝手にいじっているうちに、気がついたらボーダフォンに株が集まってしまったとでもいうような情けない状況で、乗っ取られます。アホです。
でその後色々なごたごたやらがありまして(そんな簡単に略すなとか言われそうですね)、孫社長が買って、現在にいたるわけです。
で、アルン・サリーンさんは何をした人かというと、ボーダフォングループから日本事業を「処分」した人です。
ボーダフォン日本の末期の兵糧攻めのような状態はアルン・サリーンさんのお金を使うな指令によるものだそうです。当時のユーザの方、そういうことだそうです。日本事業はやたらとお金を使っていて儲からないということで、「お金を使うのを止めなさい」っていうことで。
しかしながらボーダフォン日本を売り飛ばして処理しようとしても、売りに出すとは言っても巨大すぎて買い手がほとんど居らず、さらには経営状態が芳しくないので誰も手を出さないという困った状態でした。売るに売れず、さりとて改善できるわけでもないということで、ただ瓦解が進んで行って他の携帯二社によるユーザ救済みたいなこともあるんじゃないかというような話もあったりしたような。
ところが、携帯電話事業に新規参入するぞ!と言っていたはずの孫社長が、ものすごい大金でボーダフォン日本を電撃買収するという不思議な事が起こります。孫社長にボーダフォン日本を売り飛ばした人も、アルン・サリーンさんです。
これによってアルン・サリーンさんは、どうやって処理してよいのやらわからなくなっていた日本事業を始末することができたわけです。本国では、アルン・サリーンさんの手柄になりました。
この人は、一応ボーダフォンを立て直して去ることになりまして、成功した人だということ評価になりそうです。ちなみに「建て直し」には日本処分前の日干しと、日本の処分も含まれますけれども。
駄目な事業は処分しろということでいろんな事を処分、あるいは株主に処分しろといわれていろんなものを処分したわけですが、アルン・サリーンさんが、処分に反対したものがあるそうです。それは何かというと、ここしばらくこのブログで名前が出てきていたアメリカの携帯電話会社の「ベライゾン」です。
アルン・サリーンさん、日本は日干しにして処分したわけですが、ベライゾンについては処分に反対なさったわけです。日本は要らない子でしたかアルン・サリーンさん。
そもそもボーダフォンはGSM/W-CDMAで、ベライゾンはCDMA2000ですから、ボーダフォン世界帝国のアメリカローミング支部にすらならないのがベライゾンでした。そういう意味ではAT&T(GSM/W-CDMA陣営)とかの方が良かったわけです。実のところ、AT&Tとボーダフォンの間にもいろいろあったようですが、結局のところ、アメリカにおける「ボーダフォンと関係のあるキャリア」はベライゾンです。
アメリカのCDMA2000陣営にはベライゾンとスプリントがありますが、かなりピンチになってしまったスプリントと違い(ネクステルを買収したり、モバイルWiMAXに手を出したりするからです)、ベライゾンは調子は悪くありません。安物キャリアのイメージのスプリントと違い、高級なイメージのキャリアのようですし、2007年末にLTE陣営に寝返ってUMBに致命傷を与え、その後700MHz帯を大量に買ってLTEをなさろうとしています。
ベライゾンのLTEへの寝返りは、ボーダフォングループが欧州とアメリカでLTEで共通化するという意義もあります。調子は悪く無さそうなので、とりあえずはベライゾンは売らなくて良かったのかもしれません。
ちなみに、ベライゾンの処分に反対してボーダフォン自体も立て直したことになっているアルン・サリーンさんが、必要ないという判断をしたのがボーダフォン日本でありまして、それを買ったのは孫社長なのであります。まあ今さらの話題ではあるのですが、10年後に振り返ってみて、孫社長のボーダフォン日本の買収は正しかったと思えるのでしょうか?新規参入のまま+ADSLの方がもっと厳しかっただろうと思うので、買収した方がまだマシだったような気はしているのですが。
とりあえず、当時酷い目に会った人にとっては、"元凶"が去ってゆくというニュースです。
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