« 2008年5月 | トップページ | 2008年7月 »

2008年6月の26件の記事

629 FireFoxの「ボス」、iPhoneの不自由さに不満表明

最近FireFoxの新しいのが出て話題になっていますが、FireFoxの「ボス」が同じく最近話題になっているiPhoneに物申しております。


◆「iPhoneはビジネス上の理由で不自由になっている」

快適になった(というか2.0が重すぎただけ?)が好評のFireFox3ですが、「FireFox3が出てよかったね」集会でFireFoxの「ボス」がiPhoneに苦言を呈しておられます。

モジラCEOのジョン・リリー氏
「iPhoneはウェブじゃない」、モバイルFirefoxが目指すもの
http://www.atmarkit.co.jp/news/200806/27/firefox.html

アクセス集中によるサーバ負荷への対応など、あわただしい1週間を過ごしたモジラ・コーポレーションCEOのジョン・リリー氏がリリースパーティーに参加するために来日。6月26日に都内で会見を開き、Firefoxの現在と未来について語った。

というわけでこの集会の趣旨はFireFox自体についての集会です、iPhoneについて何かを言う集会ではないということにはご注意ください。

単体のコンシューマ向けOSSプロダクトとして、すでに大きな成功を収めつつあるFirefoxだが、リリー氏は「青い“e”という文字だけがインターネットではない。インターネットの使い方には選択肢があるのだということを伝えていきたい。FirefoxはOSSの素晴らしさを人々に伝え、参加することの価値を提供できていると思う」とモジラコミュニティの理念を語る。

リリー氏が語る理念は大きく3つある。選択の自由があること、(選択すべき技術仕様やソフトウェアが)オープンであること、標準準拠であることだ。

そして、上記のようなFireFoxの掲げている理念を踏まえた発言である事にもご留意ください。と元記事から引用して断った上で問題の部分をさらに引用したいと思います。

元アップルの社員でアップル製品の愛用者でもあるリリー氏だが、iPhoneを例にオープンであることの重要性を訴える。

「注意しておかないと、すぐにプロプライエタリな技術にロックインされる。ビデオやモバイルは、その好例だ。iPhoneはライセンス上、 FirefoxもサンのJavaも、アドビのFlashも搭載できない。ライセンスの問題で、われわれはアップルのSDKを使えない。アップルは、こうした制限はセキュリティやパフォーマンス上の理由だと説明しているが、本当はビジネス上の理由だと私は思っている」。

一部ではワルイ日本を更生させる正義の使者みたいなことにされているiPhoneですが、FireFoxの「ボス」は悪の象徴としてiPhoneを例に出しています。そして、iPhoneの不自由さを例をあげて説明しています。

iPhoneにはライセンス上の制限(アップルによる制限)で以下が搭載不能
・FireFox(ウェブブラウザ一般が禁止)
・Javaを実行する機能
・Flashを表示する機能

端末に能力が無くて搭載不可能なのではなくて、搭載できるのに搭載させてもらえないということです。これについてアップルは「セキュリティやパフォーマンス上の理由」ということを理由にしているそうですが、これに対して「ビジネス上の理由」(つまりお金儲け)が本音だろうと指摘しています。

iPhoneのソフトウェアの流通はアップルの公式サイトを経由しなければ行う事が出来ない事になっています。よって、勝手に作って勝手につかうもんね、というのは難しいようです。「反則技」で使うことはできるかもしれませんが、それは地下流通ですから、そんなところにサンやらが正式にソフトウェアを提供するわけには行きません。

なぜこれらが禁止されているかというと、これらのソフトウェアは「ソフトウェアを実行する機能のあるソフトウェア」だからだそうです。アップルはユーザのためにこの種の機能を持つソフトウェアを規制していると言っており、この人は「ビジネス上の理由で禁止しているだけ」と言っているということです。

後から補足:もっと解りやすく
アップルは「プログラムコードを解釈して実行するような機能」を持つソフトウェアの開発を禁じているようです。そうなるとJavaの実行エンジンは当然ダメで、Flashもダメなのは容易に理解できますでしょうか?そしてブラウザも実行プラットフォームになりえるので禁止だということです。

FireFoxに限らずブラウザ上では「いろんな処理」が出来ますので、iPhone向けのウェブブラウザの提供は難しいことになります。iPhone利用者はApple自身が提供するSafariを使うしかないということです。批判派の主張によるとですが。

Javaを実行する機能は文字通りソフトウェアを実行する機能、Flashもアプリケーションを実行する機能です。よって開発できません。

FireFox側はアップルが許可しないから「作らないし知らない」という感じでこういう発言をしています。しかし、それでも商売上搭載したいJava(Sun)やFlash(Abobe)は「何とか搭載させてもらえないでしょうか」と交渉しているようですが、とりあえず許可される流れではないようです。

批判派の主張によると、アップルはiPhone上で動くソフトウェアの種類を完全にコントロールしようと(アップル公式サイトでアップルの許可の元に提供されるものしか実行できないようにしたい)しているので禁止しているとされます、ユーザのためではなくて。

過去における似たような例を一つ出すと(正しくはちょっと違いますけど)、マイクロソフトがブラウザやJavaを抹殺しようとしたのに少し似ています(正しくはちょっと違いますけど)。また、任天堂が許可したゲームしか流通を許さない任天堂方式にも似ています、批判派の主張によると。

個人的には難しいところだと思っていて、商売と言うのはそういうものだという気もしますし、しかし、この人の不満と同じものも感じてはいます。ただ、アプリの出し入れが自由でない時点でスマートフォンぽく無い感じはします。


◆ネットの根本である自由の理念に「抵触」

再度、同じ部分を引用しますと、

リリー氏が語る理念は大きく3つある。選択の自由があること、(選択すべき技術仕様やソフトウェアが)オープンであること、標準準拠であることだ。

おそらくオープンソース方面の人々も不快感を示しているのではないかなと思います。

そして「ウェブ」には「ウェブとは自由である」という理念が根本にあるのだとすると、「iPhoneはウェブじゃない」ということになります。

自由じゃないからウェブじゃない、というのは大げさに聞こえるかもしれませんが、ウェブの基本原則が「自由」というのは単なる気持ちの問題ではないところがあります。

ウェブは誰の支配下にもありません、自由で民主的なところがあります。これはコンピューターネットワーク一般が自然に持つ性質ではありません。自由と民主主義的なネットにしようという理念によって「そのように作られた」のでそうなっています。そういう風なネットワークを作ってくれた偉人が過去にいたので、今日のようなインタネットがあるというわけです。

「ウェブではない」と言う批判は表面上の道徳の問題で言っているのではなくて、彼らの魂の問題でもあるということです。

#まあ、だからといって高尚な発言に見せかけただけの発言かもしれません


「私はiPhoneを使っているし、とても気に入っているが、これはウェブではない。App Storeはアップルという単一の企業が管理・運営していくもので、どのアプリケーションを流通させるかはアップルが決める。これはオープンとはいえない。インターネットでアプリケーションを公開するために、誰かに頼んだり、ライセンス料を払ったり、あるいは気兼ねすることなどない。ただ単にアプリケーションを作って配布するだけだ」。

この人が何に不満を持っているかはおわかりいただけたでしょうか?大げさに言うとインターネットの根本にある自由と民主主義の原則に反するアップルの発想を嫌っているのです。

また、ウェブ2.0とかオープン何とかを連呼している人が、iPhoneのビジネスモデルを褒めているとしたら思想的には破綻しているかもしれない、ということになります。

また例としてはあまり良くありませんが、携帯文化圏の人にわかるように説明すると、iPhoneは「勝手アプリが完全禁止されている」世界だということです。つまりドコモで例えると、
・ドコモ公式サイト以外からアプリを落とす事はできない
・アプリだけではなく、アプリに類するものも禁止
・「実質的に勝手アプリ/勝手アプリに類するものを実行できる可能性」のあるアプリも開発禁止。

FireFoxの人が怒っているのはこういうがんじがらめはアップルのエゴだと言っているわけです。

またこういう次第ですから、FireFoxのこの人は日本の携帯電話ウェブ(元祖囲い込みのiModeとか)も気にいりません。

同様の理由で、リリー氏は日本のモバイルインターネットの世界も「インターネットではない」と指摘する。

そういえばこういう日本の「不自由な携帯のウェブ」からの自由を提供した端末こそ、「京ぽん」でした。


◆モバイル版のFireFoxを作っているそうです

「IEがウェブの標準を守ってくれないので困る」という良く聞く不満なんかも記事にありますが、他にはFireFoxのモバイル用を作っている話も出ています。

試作版?をiPhoneを意識して紹介をするプレゼンも行われたようです、どうもiPhoneが気にいらないんでしょうか。

「iPhoneが究極のUIじゃないということをメッセージとして出していきたい。いまモジラ・ラボでは、いろいろなUIのプロトタイプが出てきているところだ」。リリー氏はMac OS XのFirefoxで動くモバイル版Firefoxのデモンストレーションを披露。モバイル端末の狭い画面を想定したUIを動かして見せた。

まだ実験的という印象が強いが、例えばモバイル端末の狭い画面でも使いやすいように、普段は画面の横にナビゲーションバーを隠しておいて、ポインタ(おそらく指)でフリップすることで画面に「戻る」などの操作ボタンが現れるといった動作や、複数のタブをサムネイルで表示して切り替えるといった動的なUIは、直感的だ。

まあ選択肢は大いに越した事はありませんから、「ブラウザを自分で自由に入れることのできる」一般のスマートフォンユーザとしては、早く動くものを作ってもらって選択肢を増やしてもらいたいところでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

630 WILLCOM 03のホットモックを触ってみて考えました

世間では「WILLCOM 03を買いました」という話が沢山ある中、モック→ホットモックを触ってみました程度の事を今さら書いてみたいと思います。


◆予想外の小ささ感

WILLCOM 03 をお店に見に行っていない人は見に行って手にとってみたほうが良いと思います。実際に店頭でモックを手に取ると結構ショックな感じがしますから。

サイズはスペック的には主に「縦の長さの数値が数センチ分減った」というだけに過ぎないともいえるのですが、アドエスとは全く違うサイズ感がします。私は店頭で「何も期待をせず」にモックを手にとった瞬間にショックを受けてしまいました。

アドエスを手に取った時には、小さくなったなあと感心したとしても「携帯のサイズ感」から外れた印象をもったと思います。脳が反射的に自動的に携帯電話のサイズ外の物体として認識するような感じです。いかにも携帯電話っぽい形だけどどこか違うという、なんというかアドエスを持ったときの「独特の存在感」の感覚です。

WILLCOM 03 には、なんとそれがまったく無かった。手にとってもアドエス独特の違和感が私には感じられませんでした。大変にショックでした。


◆印象というのは不思議

また、これまでのW-Zero3とはデザイン的にも「今風の携帯」との違和感がなくなりました。こちらも違和感が消滅しています。

WILLCOM 03 はデザインコンセプト優先で作られたそうですが、それが何を目標としていたかはともかく、脳が「この物体は今時の携帯電話の一種である」と、持った瞬間に反射的に判断するようにはなったらしいです。

私がショックを受けたのは、あのアドエスの後継機を手に取ったはずなのに、持ってみると脳が直感的に違う判断をしたためです。

他の皆さんも「普通の携帯のサイズになった」と仰られていますが、おなじ印象だと思います。

サイズ的に従来の機種と比べるとこうなります。
・nineよりも長さが短い
・WX320Tの方が分厚い
・携帯電話の機能てんこもりのデカイ機種よりもコンパクト感
なるほど「だからショックだったのか」という気になります。

(以下はサイズ感で感動した感動のままにしたい人にはやらない方が良いかもしれませんが)

ところが、アドエスのモックと並べてみると、サイズ的に革命的変化があるわけでもないことが解ります。確かに小さくなっているには違いないのですが。

並べてみた途端になぜにWILLCOM 03から受ける印象がこんなに大きく違うのか良くわからなくなってきて、むしろアドエスも悪くないぞみたいな事まで思えてきます。人間の感覚は不思議かもしれません。


◆みんなが心配しているあの部分

私がモックを手に取った目的は、「気になるあの部分」を確認するためでした。

気になる部分というのはイルミネーションキーの部分です。この部分は実際に操作してみないと何もわからんので店に行きました、それがそもそもの目的でした。

とても使いにくいのではないかと予想していましたが、試してみると思ったよりはよっぽど大丈夫な感じでした。試しに携帯風の日本語入力でメールを書いてみたりしたのですが、わりと問題なく日本語を入力する事が出来るので安心しました。

物理的なキーに比べて使いにくいとは思いましたけれども、期待していなければ十分許容できる操作感だとは思いました。期待していなければですが。

むしろ、携帯風に日本語を入れようとすると液晶画面にデカデカと出現することのある「でかすぎるカーソルキー表示」の方が操作の邪魔に感じました。表示の抑止や、小さい表示にできるようにしてください。

また、私はこの種の点は全く気にしないタイプですが、キーボードのスライド部分はゆるい感じと言いましょうかがっちり作られてない感じを受けました。キーボードを引き出すときにとりあえずはメカニカルな感動は無いです。

ただし、フルキーボードのキー自体のボタンはとても押しやすくなっているように思いました。とてもいい感じに思えました。こちらはすばらしいです。

全体的にハードウェアとしては良く出来ていて、触ってみるとその場ですぐに買いたくなるような感じです。


◆中身も携帯になったかというとそれは・・

WILLCOM 03 では携帯電話的なメニューが追加されていて、携帯電話的に通話・メール・ウェブを使うことも出来なくはないような状態になっているようでした。店頭でいきなり触っても操作方法は解る感じでしたが、ただ、すっかり代替品となりえているかといえば、私には似せてあるだけに思えました。

WILLCOM的には、スマートフォンが何であるかよく解らずに買ってしまった人への対策なのだと思います。デザイン面では先ほど書いたように「携帯電話との違和感消滅」ですが、この部分の「違和感」は感じました。使う側で適応しなきゃならないでしょう。

ただ、この機能があることで「買ったけど全く使う気が起こらなかった」「購入即解約予備軍」という人は減る気はしました。あんまり便利ではないなと思いながらでも使いつづける確率は上がったんじゃないかなと。使いつづけてくれれば、ある日スマートフォン文化圏に目覚める人も出てくることでしょうし。

また、「間違って買った人」(スマートフォンについて十分に理解せずに買う人:実はかなりの人数がこれではないかと思われますが)には、結局最後まで「携帯を模した部分」しか使わなくなってしまう人も居そうなので、人によっては「この部分が端末のほぼ全て」になりそうな気もします。

できれば「携帯を模した部分」も「携帯電話との違和感を全く感じないほど」の完成度にして欲しいところです。ファームアップの後付けでも良いからそうしてほしいところです。スマートフォンなのかどうか一瞬わからんくらいまで隠蔽してほしいところです。そうすれば、本当に多量に売っても大丈夫になるでしょう。

ちなみに、「これカワイイ!」と連呼しているだけで興味が完全にそこからの女の人とか(その人はHONEY BEEとnicoと03で迷っておられました!)、「お前パソコン持ってたっけ?」「いや俺も持ってない」「これキーボードついてるしパソコンのファイル見れるやつじゃないの?ちょうどいいやん」という人ようなはやっぱり売り場に居られました。

彼らが(間違って)買ってしまった後、果たして今度はどうなるのでしょう?うまくスマートフォン世界に絡めとる事が出来ていればすばらしいのですが。


◆スマートフォンとしてはいままでのとおり?

私は店頭で端末を触ってみるだけのつもりで来ただけでしたが、予想外に良い印象を受けたので「これは欲しいかも知れんなー」と思ってその場で注文を出す事も考えました。しかし、そこから思いとどまりまして、今は考えモードに入っています。

原因はスマートフォンとしての部分はこれまでのとおりだと感じたことです。これは人によっては「買っても大丈夫」というシグナルでしょうが、「アドエスと同じくどうしようか悩むな」というシグナルにもなりえます。

WindowsMobileの良い面を引き出せるところまで使えるかなー?とか、「端末そのものを愉しむ時間」があまりないような気がすること、その場その場で「携帯電話としての最低限の操作をすばやく済ませたい」というニーズが私には多いことが解っているためです。

また、USBからの外部充電に制限がなされている点もちょっと困ります。電池切れに困る事が多かったので、USB経由で電池から充電するものを常に持ち歩いているのですが、これができなくなるとまた電池切れに悩まされることになりそうで困っています。この点だけでも解消されれば買う気もしなくも無いのですが。

ただ、既にWindowsMobileの世界に慣れ親しんでいる人にとってはこれは即買いの端末かもしれません。私が店頭で端末を見ている間にも、モックを触って衝動買いしている感じの人が(何と!)複数居ましたけど、確かにそういう魔力のある端末でした。触ってみるとなにか欲しくなりますから。

また、販売員の方は明が難しそうでした。対応しているお客が何も解っていない人なのか、ある程度解っている人なのかで説明すべき事が全然違うだろうからです。ちなみに、ホットモックを触って衝動買いしている感じの人と販売員の会話は

衝動買いの人:そういうことは全部わかっているんで、具体的な料金とかのあたりだけが解らないだけなんです
販売員:でも一応確認すべきところは確認しなきゃならないし、どこが解っててどこが解ってない人なのかこっちには解らない

衝動買いの人の次は、どうやらパソコンと区別がついてない人の質問だったりして、販売員の人も大変だなと思った次第です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

631 ドコモとiPhone / その他のキャリアとiPhone / 蛇足

iPhoneについてもう少し書きます。

同じ話題で記事を書くか迷いましたが、結局少し書いてみることにしました。


◆ドコモはまだ諦めていない

iPhoneがソフトバンクから出るという発表がなされた時から、「ソフトバンクの独占販売である」という情報は一切出てきていません。よって、普通に考えるとソフトバンクは独占販売権を獲得したわけではないだろうということになります。しかし、独占販売権はありません、と発表されたわけでもないので、なんとも不透明な状態でした。

その後、ドコモは「iPhone獲得に向けて引き続き努力する」という発表を行っています。おそらく、アップルは二股をかけて交渉をし、現在もなお二股をかけているのではないかと思います。

事前に多くの人がドコモ勝利を予想したように、ドコモから発売されていても不思議では無いので、今後ドコモから出る可能性はまだかなりあるのではないかと予想します。

その人のiPhoneへのスタンス次第ではあるとは思うのですが、一般人にとっては基本的に「ドコモから【も】出たほうがメリットがある」だろうとは思います。

まず、ドコモのほうがネットワークが頑丈で混雑に強く、HSDPAエリアも広いために、iPhoneをドコモで使った方が差がわかるくらい快適な可能性があります。

またどちらにしても、ドコモとソフトバンクの両方で出ることになると、競争になりますから端末の価格や料金面で手に入れやすくなるでしょう。

特に「高すぎる」と思った人にとっては、ドコモからも出て値下げ競争になるのを期待すべきかもしれません。


◆ドコモとアップル

これまでの記事にも書きましたが、アップルは厄介な条件をいろいろ出していると見られています。

おそらく六万円以上で端末を納入するのではないかと思われるにもかかわらず、利用者の「実質負担額」は8GB版で199ドル前後にすることを要求しているものと思われます。その差額は「販売奨励金」で何とかしなさいというわけです。

また、パケットを大量に消費する端末をパケット定額で受け入れなければならず、おそらくアップルは帯域制限などは止めろといっているはずです。設備の面ではドコモの方に余裕がありますが、ドコモからiPhoneが発売される場合でもやはり「ドコモ史上もっともパケットを浪費する端末」になると思われます。厄介な端末である事には違いありません。

また、アップルは「アップルによる利用者の囲い込み」を行おうとしています。ドコモはドコモで囲い込みたいはずです。なにせ「元祖囲い込み」のiModeのドコモですから。しかしアップルはiMode的な事情は「全く無視した要求」をドコモにするはずです。

つまり、ドコモから見るとわがまま放題だろうということです。

今回の「ソフトバンク勝利」はドコモ側には寝耳に水だった可能性もあり、交渉で裏切られたと思っている可能性もあります。もしそうなら、この不信感、あとでアップル側からドコモに擦り寄ろうとした時にアップルにとって「高くつく」可能性もあります。

アップルから見ると、土管屋としてはドコモが圧倒的に優秀であり、なおかつ資金力やシェアにおいてもドコモが圧倒的です。

iPhone販売を通じて「アップルへの囲い込み」をしたいアップルにとって、領土の拡大にはドコモの優秀な土管とドコモユーザの数の優勢の方がありがたい面もあります。しかも、ドコモユーザの方が「支払いの良い人たち」は多いはずです。

今のままだとソフトバンクユーザ以外にはMNPや二台持ちの決断を強いる事になりますが、ドコモと手を結ぶことができればMNPを強いなくてもアップルが掌握できるユーザは市場の半分以上にも到達します。

これからのiPhoneフィーバー変化でのアップルとの力関係の変化や、ドコモがどのような姿勢でアップルとの交渉に臨むか次第で色々な事があるのではないかと思います。残念ながら、どういう交渉がこれまでに行われて、これから行われるかは全く秘密のままになると思いますが。

(実は他国ではそういう傾向が多いらしいのですが)発売当初は大変な熱気に溢れるものの、あっという間に尻すぼみになるようなパターンだった場合や、ソフトバンクの網が混雑してしまって快適に使えなくなった場合、あるいはアップルの囲い込み作戦が不発に終わった場合には、「ドコモからの追加販売によるてこ入れ」をアップルが必要とする事もあるかもしれません。

よって、ドコモの姿勢は今のところ淡白ですが、これは正しい気がします。
・獲得にむけて交渉は継続する、と言っていて諦めたとは行っていない
・ドコモは「別に獲得しなくてもそんなに困るわけではない」と言っている。他にもスマートフォンは沢山あるし、タッチパネルな機種だって沢山ある。

ここで「ドコモとしては何としてでも獲得します」と言ってしまった場合、当然にアップルは強気になります。全体的な情勢を考えた場合、ドコモの立ち位置自体が圧倒的に有利な面もあります。その点は、どうやってもアップルは決して無視できません(また、だからこそ多くの人がドコモ勝利を予想したのです)。

そして利用者にとって望ましいのは、「両方から出る」という展開です。そうなって損になることはありませんから。

私自身の(外れた)予想も、「予想としてはドコモ勝利なんだろうけども、希望としては両方から発売される方がユーザーのためにはなるだろう」というものでしたから、

・ドコモ落選だが交渉継続
・ソフトバンク勝利も独占権持たず

ならば、利用者にとって望ましい展開にむしろ近い流れなのかもしれません。


◆「その他」のところは

その他のキャリアからiPhoneが出ることはほとんど期待できません(当面は)。

まずAUですが、通信方式が違います。AUから出すためには「CDMA2000に対応したiPhone」を開発する必要があるためです。北米ではCDMA2000が優位であるにもかかわらず、アップルは世界で優勢なGSM/W-WCDMAに対応させていますから、なかなか難しいところでしょう。お膝元なのに切り捨てているくらいですからね。

イーモバイルについては、周波数がまず問題になります。iPhoneが1.7GHz帯に対応していなければどうしようもありません。また、ユーザ数が少なすぎますし、エリア整備も不十分です。現時点ではパケットをどんどん使えるようになっていますが、これは「ユーザ数が少ないから」の現象であることはアップルも直ぐ見抜くでしょう。

また、千本会長もいろんな意味での多大な負担を強いるiPhoneの獲得よりも別の戦略を選ぶのではないかと思います。むしろ「iPhoneキラー」な端末を猿に持たせてCMをするような作戦のほうが「らしい」というのは皆さんも思うところではないでしょうか。

ウィルコムについては「W-SIMスロット」にアップルが興味を持ってもらえれば何らかの製品が出るかもしれません(可能性だけですが)。GSM版のW-SIMやW-CDMAのW-SIMが出た場合には、もしかしたらアップルとの何かはあり得る話かもしれません。もしかするとAUよりゴールに近いかもしれません。ただ当面発売される可能性がほぼ無い点では全く同じです。

つまりまとめると、当面はドコモとソフトバンク以外から出る可能性はかなり低いということです。当面は出ないと思って差し支えないと思います。

それ以外のキャリアのユーザは自分のキャリアの端末とiPodTouchとの組み合わせで使うということになりそうです、その方がお金もかかりません。

しかし「どうしてもiPhoneそのものが欲しい人」は、さっさと諦めて二台持ちかMNPを検討した方が良いだろうということです。ただ、ドコモユーザなら待つ方が正解の可能性はあります。


◆素朴な疑問

以下、ついでの蛇足。

元祖のiPhoneが出た当時にすぐに思ったことなのですが、iPhoneは新しいデジタルなおもちゃとしては面白そうなんですが、

・通話するには横幅が大きすぎませんか、元祖W-ZERO3並みに無理がありませんか?
・iPodを兼ねてる事になっていますが、本当に兼ねてるんでしょうか?

後者を簡単に説明すると、「iPhoneを買ったとして、結局のところiPhoneとiPodを両方持ち歩いている気がしてならない」ということです。いや別に、両方持って歩いて何ら問題あるわけではないのですが。音楽携帯とiPodをもって歩くのは別に普通ですし。ただちょっと、あまり見かけない感想のような気がしたのでついでに書いて見ました。

一応お断りしておきますと、前から書いているように「閲覧装置」としては面白い端末だとは思いますので、その部分に何かを言っているわけではありません。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

632 iPhoneはなぜ高いのか

ソフトバンクからとうとうiPhoneの料金に関する発表がなされました。

その件について少し書いてみます、

また、最初にお断りしておきますが、本記事は発表直後に書いておりますので、もしかするとどこか不正確なことがあるかもしれません。


◆高い?安い?

料金の発表を受けてのリアクションは様々です、素朴なリアクションで一番多いと思えるものは「高すぎる」というものです。ただし逆に「これはとても安い」という意見もあるようでして、もっと高いと思っていた人にとっては安かったり、画期的なんだから安いんだよ的意見だったりするようです。

ではまず、発表された料金について書いて、その後にコメントを書きたいと思います。

数字ばっかりでつまんない人も居るかもしれませんが、その後でちゃんとまとめますので、しばしご辛抱ください。

直接の月額料金(以下は全て必須)
・ホワイトプラン 980円
・S!ベーシック 315円
・パケット定額フル 5985円

端末代金の二年ローン
・8GB版 960円/月
・16GB版 1440円/月


その他、以下も必要になるケースは多いのではないかと、
・あんしん保証パック(修理保障) 475円
・Wホワイト 980円

また、以下の注意事項があります。
・S!メールは利用できない
・ホワイト学割対象外
・ただともメール対象外
・USIMが専用のため、他の端末に差し替えて使うことは不可

さらには実際に使い出すと、アップルがネットで提供するサービスへの支払いも事実上不可避になってしまう、というようなこともあるでしょう。

端末の実質負担額と、本来の価格(8GB版で)
・実質負担額(販売奨励金を引いた金額) 960円/月×24月=23040円
・本来の価格 960円+1920円(販売奨励金)/月×24月=69120円

端末の実質負担額と、本来の価格(16GB版で)
・実質負担額(販売奨励金を引いた金額) 1440円/月×24月=34560円
・本来の価格 1440円+1920円(販売奨励金)/月×24月=80640円

ちなみに、二年以内に解約したり機種変更すると、「本来での価格」での毎月の負担が始まります。


◆実質の月負担額は?

まず、「パケット定額」や「S!ベーシック」が必須に入っているのはおかしいんじゃないかと思った人も居ると思いますが、必須です。なしでは契約できません。これがどうしてか(と思えるか)は、後で説明します。

これも実質的に支払い不可避である端末のローンとあわせると、

iPhoneを持つために必要な実質的な毎月の支払い最低額(8GB版の場合)
980円+315円+5985円+960円 = 8240円/月

iPhoneを持つために必要な実質的な毎月の支払い最低額(16GB版の場合)
980円+315円+5985円+1440円 = 8700円/月

この金額を二年間支払う必要があります。また、ホワイト学割などは使えず、音声通話も別料金で加算されます。また、iPhoneを落としたりして壊すことを考えたり(あんしん保証パック:475円)、Wホワイトを利用する場合もあるでしょうし、留守電サービスもあります。

またそもそも、アップルが別途アップル側への支払いもさせようと待ち構えています。とても便利なんだけれど有料、というものがどんどん出てくるはずです。

おそらく、通話料金無視でも月額一万円の二年以上くらいは覚悟しなければならないだろうということになります。


◆高いのか安いのか?

普通の感覚、ないしは「安いソフトバンク」のイメージからすると、これは相当に高いということになります。ソフトバンクは今回の発表に際して、ホワイトプランを適用できますとか、「端末の実質負担額」を強調するなどして安く見せようとしていますが、やっぱり高いわけです。

一方で(私が少し前に記事で書いたように)、状況を事前に知っていて「これはかなり高いはずだ」と覚悟していた人、またはスマートフォンを持つとお金がかかるものだということを知っている人にとっては、思ったよりは安かったようです。

端末の「実質負担額」ですが、「199ドル」「299ドル」というスティーブジョブスの発表から少し高めの感じで設定されました。また、端末自体の価格は結局「7万円弱」という決して安くは無い金額となりました。ただ、買う人は10万円を越えていても買ったと思いますけどね。

端末の原価は相当に安いとされます、言い方は悪いですが安い材料を使って上手に作ってあるとされるためです。アップルが(ゲーム機のように)端末自体で儲ける事を考えない作戦なら、本当に199ドルということもあり得る状況でした。でも、そうではありませんでした。

ただし、この手のものは通常結構な値段がするものでして、「7万円弱」というのは安くは無いにしても非常識に高いわけでもありません。


つまり
・高いはずと思って覚悟していた人には思っていたほど高くなかった
・ソフトバンク=安いのイメージの人には、相当高い金額になってしまった。

積極的に買いたい人にだけアピールする価格設定ですね、計画してそうなったのではなくて、結果的にそうなったのだと思いますけど。

また、おことわりしておきますと、この記事は「高い」と思った人向けに書いています、ですから「安い」と思った人は気を悪くしないようにしてください。この端末、とても欲しい人とそうでない人の落差があるようですから。

また、この金額設定ですが、端末の実質負担額、月額の実質負担額ともに「アメリカでの価格」とほぼ同じです。もしかするとアップルとの契約でがんじがらめになっており、このような料金設定しか出来ない状況なのかもしれません。


◆どうしてパケット定額が必須なのか?

一部の人を大いに落胆させたと思われるのが、パケット定額が必須であることです。ホワイトプランだけで安価に端末だけを手に入れることはこれで出来なくなりました。

これにはいくつか理由が考えられます。まずは、定額をつけずに利用すると一瞬でパケ死する可能性が高いこと、そしてもう一つは、ソフトバンクの懐が厳しいと思われるためです。そして、アップル自身がパケット定額前提で利用される事を望んだ可能性です。

以前の記事に書きましたが、iPhoneは「受動的な閲覧」一般については快適に出来る端末です。端末にはフルブラウザが積まれており、動画や音声などの再生も快適に行えます。このあたりはiPod譲りということになります。そしてそこにW-CDMA/HSDPAの回線がつながっているわけです。

そしておそらくアップルはネット接続のトラフィック制限をするようなことを許容(歓迎)していないはずです。よって、パケットは鬼のように流れるはずです。そもそも、速度の出ないGSM接続のみのiPhoneでも、トラフィックが多い端末だったようですし。

iPhoneは「完全な素人」も買ってしまう端末のはずです。で、本来パケット定額は必ず必要か、ないしはパケ死しないようによっぽど注意して使わないといけない端末です。

「完全な素人」で「良く考えない人」はこういうことをするはずです
・パケット定額は高すぎる、なぜこんなに高い?
・ホワイトプランだけでいいじゃん、高くなったら高くなってから考えればいいや。

先ほど書いたように、iPhoneは超音速でパケ死を招くようなパケット浪費端末です。

「良く考えない人」なのですぐにこういう事になります。
・ちょっと使っただけなのに、どうしてこんな金額の請求なの??先月と同じ使い方しかしてないのに

確実に客が悪いわけですが、販売店の説明が足りなかったとか、お客さんに対する企業の誠意、とかいうことになって面倒な事になる可能性があるわけです。

似たような状況で過去に「3.5世代携帯電話をパソコンにつないでしまって、とんでもない請求がなされた」ということについて、「消費者に対する横暴である」というニュースになっていたことがありました。曰く、

・端末では定額なのに、どうしてパソコンに繋いだだけで巨額の請求になるのか。消費者のことを考えずに儲けすぎではないのか。
・儲かっている携帯電話会社が、弱い消費者をいじめるのはけしからん

この場合も、少なくとも携帯電話会社が悪事をしているように書かれるのはおかしいわけですが、世間がアホならば、それにあわせて商売をしなければならないのも事実かもしれません。

今回、ソフトバンクは「定額を必須」としました。これによって、このような無用なトラブルが発生する可能性は皆無になりました。

あるいはこういうことを理由にして、ソフトバンクはユーザから安定してお金を取る事を合理化できることにもなります。

おそらくiPhoneは「ソフトバンク史上最もパケットを浪費する端末」になるはずです。パケットを大量に流すということは設備に負担をかけるということです。ただでもソフトバンクの設備には余裕が無いわけでして、お金は取れないわ負荷はかかるは、というのは悪夢です。この面からも料金を安くするのは難しいのです。

場合によってはですけれども、ソフトバンクの経営を傾ける可能性すらある端末です。販売奨励金にお金が必要であり、おまけに設備に大きな負担をかける可能性すらあるからです。混雑に巻き込まれるかもしれない既存ユーザにとっても迷惑な存在かもしれません。

というわけでこの料金設定は結果的にソフトバンクにとって「安すぎる」可能性すらあります。

#ユーザにとって高すぎ、キャリアにとって安すぎるとなると最悪の展開です

またもしかすると、アップル側から「パケット定額での提供」を義務つけられていた可能性もあります。つまり、アップル自身が無用なトラブルを避け、(以後に書くように)iPhoneでネットを使わせてアップルへお金を払わせるように仕向けているのかもしれません。


◆アップルガラパゴス

アップルはiPhoneを買ったユーザに、サルのように端末でネットにつなぐことを希望しているような気がします。

結局そうではありませんでしたが、アップルが超低価格で端末を販売すると思われた理由には、端末をとにかく普及させてしまい、「その後」にアップルは儲けようとしているのではないかとも思われていたためです。

というのは、iPhoneは制限無しのフルブラウザを積んではいるものの、iMode的な「囲い込み」を画策しているように思えるためです。

つまり、iPhoneユーザはアップルが管理するネットにつなぐようにさせ、アップルが提供するネット上の(有料)サービスを使わせ、iPhoneで動かすアプリケーションもアップルのウェブサイト経由でのみ手に入れることが出来るようにし、動画も音楽もアップルから提供されるものを使わせるようにし、そこでお金を落とさせて儲けるつもりのようだということです。

よって、iPhoneは従来の意味でのスマートフォンとは言えないのではないかと私は思っています。端末で出来る事がアップルによってかなりコントロールされているためです。

iPhone上で動くフリーウェアを手に入れるだけでも、作者から直接手に入れることは出来ないような状態だからです。

こうなると、ネット接続は定額が必須になっていて、ユーザはサルのようにネットに繋ぐ状況の方がよいわけです。その結果アップルが儲かるからです。たとえ携帯キャリアにとっては大きな負担になろうともです。アップルは携帯キャリアに「私のための土管屋になってくれ」と言っているのかもしれません。

なんとなくこれは不思議な状況でして、日本的なものを壊すということで一部で持ち上げられているはずのiPhoneが、販売奨励金の積極利用の件も含め、「むしろ日本よりも日本的なことをしようとしている」ということになります。

#ただ、アップルの目論見が成功するとは限りません。

しかしながら、こんな事が可能なのは「天下のアップル」だからこそであり、ウインドウズモバイル端末で同じ事をやったらたちまち奈落の底ではないかと思われます。

そうなると、「アップルガラパゴス」ではないと「自由」を標榜するのが、ウインドウズモバイル端末が対抗する方法かもしれません。WILLCOM 03の発表の際に「脱ガラパゴス」というプレゼンがありましたが、iPhoneと03の方向性の違いも、結局はそういうことになるのかもしれません。

#アップルのようにはなれないから、という理由でですけど


◆二台持ち

iPhoneは普通の電話機から良い意味でも悪い意味でも外れてしまっていることが原因で、普通の端末でできることが出来ない、あるいは苦手なことが色々あるようです。

たとえば通話。通話に最適な形をしているかと言えばそうではありません。バッテリの持ちも短く、これも通話に向いていません。

また、メール端末として難があるかもしれません。従来のiPhone/iPodTouchは、一般的な携帯と比べても日本語入力が得意では無いためです。ましてやキーボードを持つ機種(インターネットマシンや03)と比べると明らかにメールは苦手なはずです。よって、メール大好きな人には苦痛な端末かもしれません。
#ただしこの点は、今回投入される新端末で大幅に改良されている可能性もあります

また、ワンセグやおさいふなどの日本的な機能にもほとんど対応していません。例えば携帯の絵文字にもまともに対応していない、というのは場合によっては致命的なはずです。

さらに、他のスマートフォンと比べると「スマートフォンらしい自由さ」にも欠ける端末のようです。

「用意されたコンテンツを受動的に閲覧する」だけならば快適に使える端末なようなのですが。そこから踏み出るとどうも苦手な事が多いようです。


よって、iPhoneへの機種変更は失うものが無視できない場合があることになります。iPhoneで全部事足りる人も居ると思うのですが、万人がそうであるかというと、決してそうではないはずです。

人によっては、二台持ちが必須になってしまうものと思われます(私自身もそうではないかと思っています)。

従来型のスマートフォンとも、普通の携帯電話とも両立しない端末であると考えるのであれば、三台持ちすら必要かもしれません。

あるいは、三台持つくらいのゆとりがある人には、iPhoneは非常に素晴らしい端末だが、それが出来ない人には悩ましい場合も多いというくらい尖がった端末であるということかもしれません。

そこで問題なのは、iPhone自体がそもそも維持費が高いことです。二台持ちはちょっと厳しい感じになります。

念のために書いておくと、これらは別にiPhoneが悪い端末であるということを言いたいのではありません。

ただ、アップルらしい革命的に思い切った取捨選択が、新しい可能性と同時に新しい課題も生んでいるということです。


◆しかし欲しい人にはとても欲しい

そのへんの普通の人(あるいは、その辺の普通につまんない人、私を含む)には、面白そうだけれど買うかと聞かれると困る感じではないかと思います。

ただ、別にiPhoneは市井の人に広く支持される必要は別に無く、一部の人の熱狂によって支えられていてもそれで十分です。

・そもそもiPhoneだけで一台持ちして問題ない人
・iPhoneで苦労しようとも気にしない人、ないしは苦労したい人
・携帯電話の複数持ちの支出があまり気にならない人

市井の多くの人はこれに当てはまらないでしょうけど、買う人は値段なんて関係無しに探してでも買うでしょうし、安くなきゃ買わないような人は安くしても使いにくいと文句を言うだけのような気もします(「普通」の電話の尺度で評価すると)。

「高い」という意見が多い中、一部では「安い」と言われているところを見ると、これで良いのでしょう。そして、「安い」と思えない人には高すぎる贅沢品(二台持ちの携帯は贅沢品です)なのでしょう。

「高い」と思える(おそらく大半の)人には、「安い」という意見がある意味すらわからないはずです。これのどこが安いんだと。でも、「これはかなり安い」と思ってる人も居るんですねえ。

「安い」と思える人は買いましょう。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

633 iBurstが2.0GHz帯で候補に出てくる? / 802.20に正式に承認される

これも少し時間がたってしまった話題ですが、投稿します。


◆iBurstが正式に802.20になる

正しくは「iBurstをベースにしたもの」ですが気にせずに書き進めます。

IEEE802.20というのは、アメリカで規格なんかを決める委員会で、IEEE802.11が無線LAN関係、IEEE802.16がWiMAX関連のところです。

IEEE802.16はもともとが固定用途の無線(有線の代わり)の話をするところでモバイルの話ではなかったのですが、いつのまにかモバイルの話になってしまいIEEE802.16e(モバイルWiMAX)が出来上がってしまいます。もともとモバイルの話をするところはIEEE802.20でした。

細かい事は過去に記事にしたのでそちらをお読みください。

今回のニュースはそこでiBurst(をベースにしたもの)が正式に承認されたというニュースです。

京セラ提案の「iBurst」、IEEE 802.20として標準規格に
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/40436.html

「iBurst」は、京セラと米ArrayCommが共同開発した高速無線通信技術。1ユーザーあたり下り最大2Mbpsでのデータ通信が可能で、周波数利用効率の高さや、時速100kmでの移動でも利用できるハンドオーバー性能などが特徴とされる。今回、IEEE 802.20となった規格は、iBurstをベースにしながらマルチキャスト機能や現行システムの1.5倍となる伝送効率の実現、暗号化方式「AES」のサポートが追加されている。

もともとのiBurstは
・帯域:5MHz幅(上下兼用)
・基地局あたり最大24Mbps
・ユーザあたり最大1Mbps
というものでした。

効率1.5倍ということですから、

・帯域:5MHz幅(上下兼用)
・基地局あたり最大36Mbps(24×1.5として)
・ユーザあたり最大2Mbps

ということになったのでしょう。

「マルチキャスト機能」は「放送」のようなサービスを効率的に行う事ができるということです。

また、

京セラのiBurstベース技術、IEEE802.20規格として正式承認
http://www.rbbtoday.com/news/20080618/52070.html

iBurst はすでに海外11か国(オーストラリア、アゼルバイジャン、カナダ、ガーナ、ケニヤ、レバノン、マレーシア、ノルウェー、南アフリカ、タンザニア、アメリカ)で商用導入されている。

また、現在、10か国以上で iBurst を導入する計画が進んでおり、今回の IEEE による正式承認を受け、導入国がさらに広がることが期待される。

他の技術と異なるのは、このようにすでに「使われている」ということです。例えばLTEを採用したいとしても、今すぐに基地局を買ってきてサービスインする事は出来ませんし、実際にサービスをするとどんな性能になるのか解りません。それに対して今すぐに使え、実績もあることになります。

ただし、iBurstは他の次世代がOFDMA(第4世代系とでも言っておきましょうか)を用いているのに対し、第2世代系の技術です。他と比べて古い感じはします(実際、実用化されて時間が経っています)。ただし、それなりの性能があるから802.20に承認されてはいるのですが。

今すぐ導入できるローリスクローリターン(ミドルリターン)な選択肢だということです。


◆最大2Mbps

最大2Mbpsというのはかなり「遅い」ように思えると思います。

3.5世代携帯でも3.6Mbpsや7.2Mbpsであったり、LTEなどの次世代では(ほとんどハッタリの数値であるにしても)100メガ超えの話題ばかりだからです。

ただ、この数字はちょっと意味が違います。

・帯域:5MHz幅(上下兼用)
・基地局あたり最大36Mbps(24×1.5として)
・ユーザあたり最大2Mbps

基地局あたりの速度と、ユーザあたりの速度が全然違う事に注意してください。

背伸びしまくって最大2Mbpsが限度の技術なのではなく、多数のユーザが接続してもユーザあたり最大2Mbpsが出るようにしてあるということです(ただし、逆に言えば基地局がスカスカでもそれ以上は出ないということ。現状では)。

また、3.5世代での「7.2Mbps」というのは、到底そんな速度が出るわけが無いという数字ですが、この場合の最大2Mbpsは、本当にそれに近い速度が出るという数値ということになります。多数のユーザが接続中でも一メガ超えは普通に出来るであろうということです。

つまり、

・7.2Mbps:非現実的なスペック上の数値
・2Mbps:複数のユーザが繋いでいても、本当にそれに近い速度が出るという数値

というわけで、実効値で一メガ強の速度を安定して提供するような方式ということになります。


◆2GHz帯の獲得戦にどこかがiBurstで手を挙げるかもしれない

現在、2.0GHz帯の電波の再割り当ての話が進んでいます。iBurstはその割り当てですでに技術として候補になっています。

もともとはアイピーモバイルに割り当てられていましたが、サービスインできずに帯域返上となったためです。

そしてそこに、iBurstを売り込む話が出てます。

古河電工、iBurstでの伝送実験をケーブルテレビショー2008で公開
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/22141.html

古河電工は11日、iBurstによるワイヤレスブロードバンド伝送実験を、6月19日より開催される「ケーブルテレビショー2008」にて実施すると発表した。

iBurstは、京セラと米Arraycommが共同開発した無線通信規格。電波指向性を操作できるアダプティブアレイアンテナ技術などを利用して、5MHzの周波数帯域では1基地局で下り最大24Mbps、1端末あたりでは下り最大1Mbpsでの通信が可能。総務省 情報通信審議会で行なわれている、2007年にアイピーモバイルが返上した2GHz帯の再割当検討において、対象技術として審議されている方式の1つだ。

今回の実験は、6月19日から21日にかけて開催される「ケーブルテレビショー2008」の古河電工ブースにて行なうもので、iBurstの基地局1台および移動局4台を利用した伝送実験を実施する。古河電工がCATV事業者に対するシステム設計・構築を、京セラがiBurst関連機器の開発・製造を、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)がiBurstネットワークの設計・工事・運用・保守を担当する。

古河電工では、情報通信審議会の動きを注視しながらCATV事業者にiBurstの紹介を行ない、日本全土のブロードバンドネットワークの構築を促進し、デジタルディバイド解消や公共福祉サービス構築に貢献するとしている。

24Mbps/基地局で1Mbps/ユーザのようですから、従来からのiBurstでデモがなされるようです。

この話だと、CATV事業者で参入したいところがあるのでしょうか?

また、割り当てがなされる周波数幅は15MHz幅ですが、これを干渉防止で5MHz×3にする必要が無いのならば、15MHz幅全てを通信に使うことが出来ます。その場合には、

・帯域:5MHz幅(上下兼用)
・基地局あたり最大36Mbps(24×1.5として)
・ユーザあたり最大2Mbps

単にそのまま三倍すると、

・帯域:5×3MHz幅(上下兼用)
・基地局あたり最大108Mbps(24×1.5として)
・ユーザあたり最大2Mbps

という感じになります。

基地局一つで相当な数のユーザのアクセスがあっても「ユーザあたりの速度を維持」できる事がわかります。

また、すでに実用化されて時間が経っているので、導入後に深刻なトラブルを出す可能性もあまりありません。ただし、次世代な感じが今ひとつ薄いのも事実。

さてこの売り込みは成功するのかどうか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

634 モバイルWiMAX陣営からノーテルがおそらく脱落の方向

結構前の話なので申し訳ないですが(更新が止まっててすみません)、記事にします。


◆ノーテルが脱落の方向

カナダのノーテルという携帯基地局を作っているところが、LTEを主力にするという決定をしたようです。

Nortelがモバイル通信方式「LTE」に研究開発リソースを集中,WiMAXより重視
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080612/307834/

カナダのNortel Networksは現地時間2008年6月11日,迅速な第4世代(4G)無線通信技術の事業化を実現するため,研究開発リソースを携帯電話向け通信方式Long Term Evolution(LTE)に集中させると発表した。これまで取り組んできた無線ブロードバンド規格WiMAX対応製品の開発は,イスラエルAlvarionとの共同作業に切り替える。

つまり、モバイルWiMAXの開発を実質的にやめる方向のようです。

元々ノーテルはこういう算段だったのではないかと思います。

短期的:スプリントのモバイルWiMAX基地局の需要に期待(スプリントは最初、スケールの大きい調子の良い事を言っていた)
長期的:世界的なモバイルWiMAXの立ち上がり

この意思決定をしたのは、モバイルWiMAXがまだブームの頃だったはずです。

北米からモバイルWiMAXの話自体が消滅するという最悪の事態は避けられましたが、しかしどうやらノーテルはスプリントから仕事を取れなかったようです。そして台湾や日本でも駄目で、予定はもう駄目なのでしょう。

ノーテルがモバイルWiMAXに手を出した頃にはまだモバイルWiMAXはブームだったのですが、皆さんご存知のとおり事態は数年で激変して、今や怪しい感じになっています(もともと、作為的なブームだった気がするのですが)。

2007年の後半くらいから、「長期的」な方については怪しくなりつつありました。そして、スプリントから仕事が取れなかった事で「短期的」な方についても意味がなくなりました。よって、公式に寝返ることにしたのでしょう。

モバイルWiMAXについては積極的な開発を止めてLTEにリソースをまわし、お金を回収できる限りにおいて回収することにしたのではないかと思います。

・主力部隊はLTEに再配置
・会社の将来はLTEに再度託す
・モバイルWiMAXの成果(開発済みのもの)については、他社と協力してお金を回収できるのなら回収する

北米(アメリカ・カナダ)は最初の段階ではモバイルWiMAXの本拠地っぽいところでしたが、今やWiMAXの凋落とLTEの進撃が一番目立つところになってしまいました。

またこれは、「カナダも手を引いた」ということかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

案内所から転記

案内所に書いたどうでもよいことを転記して保存しておく場所。


◆その他

かなり以前、それをよく知らないときに「つなぎ法案」と聞いて、柳沢選手しか思い出せませんでした。

◆さらにその他

「つなぎ沢」という地名があり「つなぎ沢観音」というのがあるらしい(笑)。

http://www.mogami33.com/guide/no23.html

湖を渡って来た人は、荷物の積みおろしや舟の乗り降りの際、この大木に舟をつなぎとめたので、つなぎ沢と呼ばれていました。それで昔は、つなぎ沢観音とも言われました

東北はすごいな。

◆さらにさらにその他

「つなぎ温泉」というのがあるらしい。

岩手県盛岡市つなぎ温泉観光協会
http://www.tsunagionsen.com/

温泉の効能に「シュートを打たなくなる」というのがありそうです。

|

635 iPhoneの「料金」リークが「故意」に思える説

ネットで出回っている「iPhoneの日本での料金の噂」についての記事です。


◆iPhoneの維持費はやっぱり高い?

ネットにソフトバンクのiPhoneに関する内部資料なるものがリークされてちょっと話題になっているようです。出所のよく解らない情報で、誰かのイタズラであっても何ら不思議ではないものではあります。しかし、内容的には妥当(あるいは予想の範囲内)のものです。

「リーク」の内容が示すのは、「iPhoneユーザになるには結構お金がかかるらしい」ということです。


◆端末は安くなかった

まず、端末の価格ですが、ジョブス師匠が世界的に有名にしてしまった「199ドル」ですが、これは「販売奨励金を差し引いた後」の価格であることが後ほどわかってしまいました。

日本ではここしばらく「販売奨励金なんて馬鹿げたものをやっているのは日本だけなので、海外を見習って廃止しないと携帯関係がガラパゴスで滅ぶ」でしたが、iPhoneの販売では海外が「販売奨励金」の制度を取り入れているということです。

199ドルというのは、北米でAT&TからiPhoneを買ったときの、販売奨励金を引いた金額だそうです。

そしてどうやら、日本でも同じようなことになりそうです。

リーク:販売奨励金ありでの実質負担額は199ドル(2万円)くらいになるが、一括支払い(本当の端末価格)にすると、6万円くらいになる。

つまり、「新しいiPhoneはとても安くなった」というのはすっかりジョブス師匠に釣られてしまっただけでして(私もでした)、端末そのものの価格は安くなっていないようです。

iPhoneは黒船だと評した人の中には、こんな端末をこんな価格で売り込んだら地殻変動が起きる、という意見もあったように思うのですが、別にそうでもなかった、という結果になりました。むしろ事前の予想のとおりの価格でした。

ただし、iPhoneの原価は結構安いらしいので、アップルは端末の販売自体で結構儲けることになるのでしょう。


◆維持費はやっぱり高そう

孫社長はすぐに「ホワイトプランを適用できるようにしたい」と発言しておりました。ホワイトプランは低価格の象徴ですから、「これは太っ腹だ」というイメージが最初に出来てしまいました。こちらも「安い」というイメージです。

しかし、iPhoneは本来、通話中心に使う端末ではありません。パケットを大量に使うような使い方を本来する端末です。

従来の料金コースで考えると、するとスマートフォン用の定額コースが適用されるべき端末になり、それで料金計算をすると、上限は1万1000円くらいになってしまっていました。これは仕方ないとも言えるのですが(他の機種のユーザはそれだけの金額を払って使っているわけですから)、iPhoneを欲しいと思った人の大半にとっては許容できない金額でした。

こちらについては孫社長が思い切った値下げをするかどうかがポイントでした。

しかし、リークではやっぱり高いようです。

リーク:パケット定額での上限価格は月額一万円弱

少しだけ値下げをして、一万円の大台は越えないようにしたプランになるようです。結局のところ「およそ一万円」と言ったところでしょうか?


◆パケット消費の激しい端末のはず

以下は、発売前の予想なのでご注意ください。

パケット定額なしで使ったら安いのではないか、というようなことはあまり考えない方が良いか(パケ死につながる)、ないしは本当にそんな使い方で気が済むのなら、iPhoneではなくてiPodTouch(+無線LAN)を買う方が良いと考えます。

iPhone/iPodTouchは、快適に「閲覧」が、画像やら動画やらmp3やらウェブページやら届いたメールやらを指でスリスリしてぼーっと見つづけるようなことが快適に出来る端末のはずです。

ただし能動的なことをしようとしたり(例えばメールを書こうとしたり)、難しい事をしようとしたとたんに快適さは失われて操作が面倒になるというような端末のはずです。おそらくメールを書く能力は、普通の携帯にも劣るはず。

個人的にはこれをスマートフォンと呼ぶのはどうかなと思っていて、「スリスリ閲覧専用装置」というような別のものに思えています(新ジャンルの素晴らしい端末)。とりあえず、W-Zero3をパソコン的に使うような使い方(Officeのファイルを編集してしまうとか)はiPhoneには期待できないはず。

ので、端末そのものでオリャーと作業するようなことは苦手で、どちらかと言うとぼーっとしながら「閲覧」を続ける、ないしは気がついたらついついそういうことをやってしまっている、ような端末のはずです。

そうなると、パケットは流れまくりになります。

実際、GSMで速度が今ひとつ出ない現行のiPhoneでも、パケット消費量はかなり多いそうです。3Gになって速度が出るようになったのを良いことに動画を見たり音を鳴らしたりするようにもなるはずです。

定額にしないとあっという間にパケ死するはずですし、ソフトバンクからすると負荷をやたらかける端末の料金を下げると困った事になるということになります。ネットワークには余裕ありませんし。

(この点、ドコモならば現行の定額料金がすでに安い上に、網も頑丈にできているので、太っ腹な料金設定も可能だったかもしれませんし、そもそも「実際に出る速度」が全然違うかもしれません)

また、もしかしたらメールを書いたり通話をしたりするのはかなり面倒で、二台持ちする方が快適、という事もあるかもしれません。長文を打ったり難しい作業をする事が多い人なら、スマートフォンと二台持ちする必要があることもあるかもしれません、例えばWILLCOM 03とiPhoneの二台持ちとか(ワケワカですが)・・

とりあえず私個人としては、もしiPhoneを契約するとしても、iPhone一台持ちにするのは躊躇します(真面目に考えてそう思いました)。

iPhoneとのお付き合いはとにかくお金がかかることになるのかもしれません。


◆意図的なリークに思えた

今回のリークですが、私には意図的なものにも思えています。ソフトバンクが、わざとリークさせて「世間の反応を見ている」ようにも思えます。

つまり、

・月額料金は上限一万円くらいにしないと厳しいのだけれど、果たしてそれでどの程度理解してもらえるか

・ジョブス師匠が「二万円くらい」と大発表して端末代金が安いという話が広まってしまったけれど、実際は六万円くらいですが大丈夫?

・予約が殺到してるけれども、価格が発表になってからキャンセルだらけにならないように「皆さんの思っているような低価格じゃないですが大丈夫ですか?」という牽制球

すでにソフトバンクショップで予約をしたりしようとすると「日本ではそんなに安くないですけれど大丈夫ですか?」と店員がお客に念を押してくるそうです。

私が思うに、熱狂している人が多いので「飛びつく人はこれくらいの値段ならば飛びつく」と思われるので、値下げする必要はおそらく無いんじゃないかと思います。端末一括六万円はむしろ安いようにすら思えます。なぜなら、「欲しい人」にとっては一括10万円でも(文句は言うかもしれませんが)欲しいものだろうからです。

安いから買う端末では決して無くて、並んででも探してでも歩き回ってでも欲しいから買う端末だろうからです。たとえば売り切れ売り切れになってしまっていて、「1万円余分に払えば今すぐ買える場所があるらしい」となったら、そこに殺到でしょうから。

また、今後ドコモが端末を獲得する事態も考えられるため、値下げはその時になってからの切り札にしてもいいのではないかと思ったりもします。おそらくその時には、「ドコモで契約した方が快適に使える」という困ったことになるでしょうから。

「高すぎる」と思った人は、ドコモからも販売されるようになって、値下げ競争になる展開を願うべきかも知れません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

636 中国政府、国策の第三世代(TD-SCDMA)以外の「締め出し」を計画?

さて、とんでもないニュースです。

あり得ない話が検討されているようです。


◆中国、独自技術で鎖国?

中国が国策で独自開発した「TD-SCDMA」を守るため、それ以外の新技術を中国から締め出すかもしれないという恐るべきニュースが出てきました。

中国工業情報化部:通信規格TD-SCDMAの一本化、ほのめかす
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/080613/20503.html

6月12日、中国国内メディアによれば、中国工業情報部部長李毅中氏は中国通信業界専門家、李進良氏、李世鶴氏らと会談。中国3G産業の発展について、中国独自3G規格「TD-SCDMA」を中国唯一の3G規格にする見解が示されたとのこと。

見解を示した理由について、李進良氏は「現在世界3G規格は主に、WCDMA、CDMA2000、TD-SCDMAの3種類。仮に中国がWCDMA、CDMA2000、この2種類の規格を採用した場合、中国3G市場は2G時代のように、海外ケータイ大手に占有される可能性がある」とコメント。

いろんな意味で驚愕するニュースです。

まず、当事者が直接言ってしまっていることです。さすがに「私の意見では」という形にはなっておらず、「専門家に意見を聞いたらこういうことを言っておりました」という体裁になっていますが、そういう体裁での「ほのめかし」になっています。

また、携帯専門家が国策の技術を守るために、あっさりと海外勢の完全締め出しをしようと言ってしまっているのもなかなかすごい事かもしれません。

しかし確かに、TD-SCDMAを守る方法は他にはないかもしれません。


◆これは何をすると言っているのか

かつで第三世代技術が、「まだこれからの話題」で開発中だったころにこの話の始まりがあります。世界の大御所が寄り集まって開発しているW-CDMAと、当時はまだ新興勢力だったクアルコムがCDMA2000を開発しているころ、中国が独自の技術開発を検討します。そして当時新しい話として話題になっていた(はず)のTD系のCDMAを独自で開発することになり、TD-SCDMAの開発がはじまります。

ちなみに、大半の携帯電話の通信技術は、下り(基地局→端末)と上り(端末→基地局)の通信を違う周波数で行う事で分離をしています。CDMA2000やW-CDMAはそうですし、GSMやPDC、LTEもこの方法です。

それに対して、下りと上りで同一の周波数を使い、時間分割で上下を分離する方法があります。TD-SCDMAはそういう種類の第三世代のひとつです。他陣営との違いをそこで出すつもりだったのでしょう。ちなみに、PHSや次世代PHS、WiMAXなども時間で分離する方法をとっています。

最初は、CDMA2000やW-CDMAに少しだけ遅れてサービスインするはずだったのですが、サービスインは延々と遅れ、2008年の4月になってようやく「試験サービスイン」が行われるほどとんでもなく遅れています。ちなみに、「2008年の4月」というのは、北京オリンピックに間に合わせたいという「国策による日程」だと思われます。

その間、中国では第三世代の導入がなされず、その時点ですでにTD-SCDMAの保護がなされているとも言えました。また、中国はモバイルWiMAXが第三世代として認められることに反対しましたが、これもTD-SCDMAと競合するためだと言われています。

中国は現在、TD-SCDMA(第三世代)の試験サービスインに引き続いて、独自の3.5世代のTD-HSDPAをサービスインをするのかな?状態であり、さらには独自の3.9世代技術のTD-LTEを開発しています。

そして今回、TD-SCDMAを保護するためにW-CDMAやCDMA2000を中国大陸から締め出す事を検討しているという話が出てきた、というわけです。


◆もしこれが本当に行われるとしたら

これも少し前に記事にしましたが、中国では現在お上の主導で通信(携帯)の三グループへの再編が行われています。


そして、クアルコムと組む陣営(=CDMA2000を採用する)が出てきていますが、

クアルコムが中国の携帯電話会社と組むことになった
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/06/943_1bab.html

この話も流れてしまうか、もしくは「クアルコムは仕方なくTD-SCDMAに手を出す事になる」という妙な事になる可能性があります。

クアルコムは最近まで知らん顔をしていたので、中国ではおそらくTD-SCDMAはクアルコムの影響下に無いのだと思われていたような気もするのですが、基本的にTD-SCDMAもCDMAです。CDMAの特許の多くを支配するクアルコムはTD-SCDMAへのライセンス料支払いを要求することが出来ます。

よってクアルコムにとってCDMA2000での中国大陸への進出が頓挫するのは望ましくないことですが、TD-SCDMAでも支配力を残す事は出来てしまいます。よって、クアルコムがTD-SCDMAに手を貸したり、クアルコムがTD-SCDMAのチップセットを出したりするような訳の解らない展開になることも無くはない(という程度ですが)、かもしれません。

また、他のCDMA系技術よりも直接の競合関係になるモバイルWiMAXの中国上陸は、やっぱり厳しいということかもしれません。同じTDD系で帯域を取り合いになってしまいますし、TD-LTEの将来を潰すからです。

閉鎖的だと日本の悪口を言う日本の人はいますが、私は同じ人が中国のこれらの政策を批判するしているのをほとんど見たことが無かったりします。国策への批判だとすると、WiBroや台湾のモバイルWiMAX国策も同様に批判されるべきですがこれもあまり見たことがありません。


◆その他

もし、TD-SCDMAの将来がこういう無理な方法によってでも担保されるとするのであれば、TD-SCDMAの基地局は必ず量産され、端末も必ず量産される事になります(しかも「中国価格」で)。可能性レベルの話に過ぎませんが、日本の2.0GHz帯で「これをあてにして」TD-SCDMA/TD-HSDPAで立候補する、ということはありえるかもしれません。

また、もし禁止されるとこういう事になってしまうかもしれません。

すでにサービスインしているものはお咎めなし(インフラまで作ってあるのでどうしようもない)
・GSM
・CdmaOne
・PHS

これから許可されるもの
・TD-SCDMA
・TD-HSDPA
・TD-LTE?

「上に政策あれば、下に対策あり」(と中国の人は言う)の「もしかしたら」
・GSM系の高速化版、EDGEやEDGE Evolution
・高度化PHS

というわけで、ここでとんでもない事に気がついたわけですが、もし仮にW-CDMAとCDMA2000が禁止されて閉塞的な感じになった場合において、高度化PHSが抜け穴として生き残った場合には、中国大陸で意外と重宝されるかもしれません。

高度化PHSがTD-LTE(次世代)まで倒してしまうことは考えにくいですし(だからこそウィルコムは次世代PHSを開発しているわけです)、そもそもすでにPHS自体はサービスイン済み、ガス抜きにはちょうど良いかもしれません。どちらにせよ日本のローカル技術なので、中国がもっとも恐れる「欧米の世界標準による蹂躙」にはつながりようがありません。

そもそも遡ると、中国大陸で大規模にPHSが普及したきっかけは、固定電話会社に「携帯電話」を禁止したことでした。「上に政策あれば、下に対策あり」で「これは携帯電話じゃありませんから」という屁理屈で始まったのがPHSでした。その後、料金が安いなどの利点によって急速に普及する事になります。

無理に規制をすると変な事になるという例かもしれません。しかしTD-SCDMAを守るのは難しいのも事実かもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

637 第三世代のまま80Mbps超まで高速化する話が実際に進んでいるようで

以前の記事でも書いていましたが、LTEなどの次世代に移行しなくても高速化はできる、という話題です。


◆具体的な話に

以前の記事にも書きましたが、LTEに移行しなくても3.5世代の発展系でも高速化(あるいはスペック上の高速化)をする事が出来ます。それについて具体的な話が進みつつあるようです。

総務省の3.9G作業班,DC-HSDPAの標準化動向などを紹介
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080613/308039/

今回プレゼンの中心となったのが,HSPAの高度化システムの動向だ。ノキアシーメンスネットワークスと日本エリクソンは,3.9Gシステムの本命と見られるLTEに加えて,データ変調方式の多値化などによってHSPAを高速化するHSPA Evolution(HSPA+)と,帯域を2重化して高速化するDC-HSDPA(dual cell-HSDPA)の動向について紹介した。

ノキアとエリクソン、つまりヨーロッパ勢が呼ばれて説明をしたようです。

詳しい説明は後でしますが(わかんない人はしばしお待ちください)、以下のとおりのようです。文章で書くと面倒なことになったので箇条書きです。プレゼンみたいになってしまいますが、

・既存のHSDPA高速化をフルにして14.4Mbps
・64QAMで×1.5で21Mbps(HSPA+)
・2x2MIMOを利用して×2(HSPA+)
・5MHz幅の通信を二つ束ねて×2(DC-HSDPA)

これらを全部組み合わせると、なんと84Mbpsにもなります。

今回のニュースは、こういう高速化が理屈の上では可能だという話なのではなくて、こういう話が(一応は)具体的に進みつつあるということです。

この話の良いところは、既存の第三世代を徐々に進化させてゆく事ができるので(新規の帯域も必要ない)、導入が難しくないということです。また、実績のある技術ですからとんでもないトラブルが出る可能性もあまりありません。これだけのスペックがあれば真正の次世代技術にもスペック上はあまり見劣りしません。

もちろん悪い事はあって、「スペック」は稼ぐ事はできるけれども実際の速度向上や効率向上はさほどではないと見られることや、結局LTEに移行するのであれば無駄な投資になることです。

LTEが(初期)トラブルに悩まされるような状態だった場合、こちらの選択肢が(一時的な)本流になる可能性もあります。

なお、CDMA2000でも同じような高速化が可能です。64QAMなどはすでに実用化済みで(Rev.A)、むしろCDMA2000陣営の方が既存世代での高速化は先行しています。つまりAUも次世代に移行しない選択肢が同様にあるということになります。


◆あたらめて詳細の説明

前から読んでおられる方には再度になりますが、どういうことで84Mbpsにもなるのかを説明したいと思います。

現状の高速化
・まずW-CDMA(第三世代)はそもそも最高速384kbpsでした。
・HSDPA(3.5世代)になり、まず3.6Mbpsに高速化します。一応は同じ仕組みで14.4Mbps(3.6Mbps×4)まで高速化が可能になっています。

現状
・現在の日本の端末の大半は3.6Mbpsまでの対応になっています。
・現在進行しているのは7.2Mbps(3.6×2)への高速化です。スペック上は速度は2倍になりますが、実効速度が2倍になるわけではありません。しかし、それなりの効果(販売上の効果)があるのでここまでは対応は進むと見られます。
・14.4Mbpsへの高速化も可能ですが、実際の速度向上はさらに限定的になると見られ、対応するのも大変なので、現行世代での高速化は7.2Mbpsで打ち止めになるという意見も多くあります。

次の計画は、速度を1.5倍にする高速化です。現状のHSDPAは16種類(4ビット)の波形でデータを送る16QAMですが、これを64QAM(6ビット)にすることで1.5倍の高速化をします。CDMA2000陣営はEV-DO Rev.Aですでに実現済みです。クアルコム陣営はとにかく先行しています。

ただし、64QAMはノイズに弱くなるので、「電波状態の良い場合のみ最大1.5倍まで高速化する」という感じになります。よって実際の速度向上は限定的です。

これで、21MbpsにするのがHSPA+の基本的なところです。

HSPA+では、他に2x2MIMOの導入の話もありました。これは端末にアンテナを複数生やすなどして、基地局と端末の間の通信を最大二重化する方法での高速化です。最大二重化なので、スペックはこれで二倍になります。21Mbps×2で42Mbpsとなります。

ただし、MIMOは電力を多量に使うほか、携帯端末にMIMOが可能なアンテナを搭載するのは難しいので、携帯端末での実用化は怪しいところがあります。さらにはそんなに都合よく通信は二重化されない事が多いので、通信速度の高速化の効果も実際には限定的だと思われます。

理屈上ではMIMOは2x2に限られるわけではなく、さらに「倍率」を上げることもできますが、さらに現実性は薄れ(難易度は向上し)ます。

そして今回「DC-HSDPA」という名前で出ているものは、5MHz幅での従来の通信を二つ束ねて高速化する方法です(CDMA2000陣営ではRev.Bですでに計画済みです)。10MHz幅を使うことになりますが、実効速度も素直に二倍になることが期待できます。この高速化についてはスペックと実効速度との乖離はありません。

全部組み合わせると「スペック上は84Mbps」というすごい事になります。しかし、実効速度は現在から比べてそれほど向上しないはずでして、実効速度とスペック上の速度には激しい乖離が生じることになるのではないか、と予想しています。


◆ソフトバンクとイーモバイルが検討するはず

この高速化はソフトバンクとイーモバイルによって検討されるはずです。ドコモは早期の次世代(LTE)への移行を計画していますし、LTEの推進役である以上その義務を負っています。

しかし、ソフトバンクとイーモバイルがLTEへの早期の投資をする力が無い場合や、LTE自体を外れ技術であると考える場合には、HSPA+やDC-HSDPAへの投資で高速化をする選択肢があります。ただし、LTEが早期から成功した場合には無駄な投資になる可能性もあります。

特にLTEよりも良い点は、LTEの導入には「専用の帯域」を用意する必要があるのに対し、これらの高速化は既存技術の延長のものなので、従来の通信と混ぜながら次第にアップグレードできる点です。また、実績のある技術に下駄を履かせた高速化なので、大きなトラブルに見舞われる可能性も低いはずです。

スペック上はかなり高速化したように見せる事が出来るため、商売上の次世代対策にもなります。実際の高速化の効果はLTEの方が上であると思われるので、顧客に「スペックだけ」であることを悟られないようにする必要はありそうですが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

638 アメリカのAT&TはしばらくLTEを採用しない?

ちょっとだけです。


◆LTEを少し待つらしい

iPhoneがらみで、アメリカのAT&Tの3.9世代の話が出ていましたので、それをきっかけに少し書いてみます。

3G iPhoneへの準備!? 米AT&Tが3Gサービスを強化
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/06/05/010/

AT&Tは、HSDPA/UMTSを用いていた3GネットワークをHSDPA/HSUPA (HSPA)へとアップグレードする作業を進めており、既存の同社の3Gサービス提供地域については6月末までに作業を完了する見通しだ。
2005年からこれまで、AT&TはHSPAネットワーク導入に200億ドル以上を投じてきた。2009年~2010年には20Mbpsのスピードが期待できるHSPA+へと同ネットワークをアップグレードし、長期的にはLTE (Long Term Evolution)の導入を計画している。

ちなみに最近読み始めた人のために説明しますと、これは次世代通信技術がらみの話題です。

現在、AUとウィルコム以外の電話会社は、
・導入済み:W-CDMA(第三世代)
・導入済みないしは進行中:HSDPA(3.5世代)

そして現在世界中で話題になっているのは、この次の「次世代」をどうするかです。一昔前にはモバイルWiMAXが未来技術ともてはやされた事もあるのですが、最近では正体がばれてしまって、すっかり人気がなくなりました。クアルコムが開発している次世代技術(UMB)もあったのですが採用するところがなく、現在では世界標準になりつつあるW-CDMA陣営が次世代として提案しているLTEが次世代になる流れになっています。

また、こういう世界の戦いには混ざっていませんが、次世代PHSも独自開発されている次世代技術です。

ドコモはLTE陣営の重鎮(開発している張本人の一人)でして、早期のLTE導入を目指しています。
・導入済み:W-CDMA(第三世代)
・導入済みないしは進行中:HSDPA(3.5世代)
・導入予定:LTE(3.9世代)

LTEは現在利用されている第三世代とは違う技術を用いています。そして、LTE以外に、既存の第三世代をさらに強化しようという流れもあります。HSPA+などと言われている技術です。ドコモは、HSPA+には手を出さないようです。

現在はLTEが次世代の本命だという空気で、一時期は早期導入を競うような流れにもなりかけたようですが、LTEの早期導入が正解かどうかはこれも解りません。HSPA+(第三世代の強化系)で様子見をする方法もあります。

で、このニュースなんですが、アメリカのAT&T(W-CDMA陣営)は「しばらくはHSPA+を導入し、LTEはしばらく後にする」ということを言っているということです。

日本以外では第三世代の導入がかなり遅れていることが多く、AT&TもGSM(第二世代)が基本になっており、現在第三世代と同時に3.5世代の整備を行っている状態です。

また、日本では下り通信(基地局→端末)の高速化を行うHSDPAしか導入がなされていませんが、AT&Tは上り通信(端末→基地局)の高速化をするHSUPAの導入も行っているようです。

そして最近妙に突貫工事でエリア整備を行っているようですが、これは「第三世代のiPhoneに間に合わせるため」だとされていて、この引用元もそれについての記事です。

この記事などによると、

・AT&Tは現在HSDPA/HSUPAの導入を急ピッチで行っている
・2009年~2010年には、HSPA+の導入を行う
・LTEの導入はさらに後

となります。

またAT&Tはベライゾンとおなじく700MHz帯を獲得していますので、LTEを導入する帯域の都合ができないということではないのです。新しい帯域はすでに手に入れています。それでもLTEの早期導入はしないということなのです。

2009年~2010年は、世界で先頭グループの「次世代」が立ち上がる時期です。

2009年は日本では、モバイルWiMAXと次世代PHSが利用可能になる時期です。またベライゾンが2009年にLTEを開始したいといっています(実際に実現できるかは不明ですが)。ドコモはLTEを2010年に開始すると言っています。

ですが、その時期にはHSPA+の導入を新たに始めることになっているようです。繰り返しますが、AT&TはLTEのための帯域が無いわけではありません。LTE導入の先頭グループに参加することが出来るのに、参加しないようだということです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

3G iPhoneは安いのか高いのか解らない件について

更新に間があいてすみません。

まずは少しだけ更新します。


◆高いのか安いのか

iPhoneについて少し書きます。

予想を外してしまいました、という件についてはすでに記事にしましたが、その後、ジョブス師匠からの公式発表がありまして、それに関して少し書いてみたいと思います。

色々とつっこんで書きたいのですが、情報を全て追えていないので(ブログの更新が止まっていたくらいですから)、ちょっとだけ。

やすい?

iPhoneには山ほど噂がありまして、新しいiPhoneにはこれまでになかった○○に対応しています、という話が沢山あったのですが、基本的には従来のiPhoneを3G対応させたもの、となりました。

中には、モバイルWiMAXに対応しているなんていう噂もごく一部であったようです(これはさすがに「そんなわけがない」)。モバイルWiMAXは事あるごとにこういう話題が出ますね、そういえば700MHz帯の時もそうでしたし。

ただ、予想以上に安かったという点は意外だったようでして(そういう予想はあまりなかったはずです)、一般のニュースなどでも「安い」という部分は妙に取り上げられていたようにおもいます。安い方(8ギガ版)が199ドル(二万ちょっと)、高いほう(16ギガ版)が299ドル(3万ちょっと)でした。

iPhoneは結構「お金のかからない作り」になっているようでして(原価が安い)、それを世界向けに量産しますし、ジョブス師匠は製造元には厳しい値切りをやっていると思われますので、この値段になっているのではないかと思われます。

日本で一体何円にするのか知りませんが、ジョブス師匠が発表した値段を大幅に逸脱した値段にはしにくいはずです。端末代で稼ぐのは難しいかもしれません。

高い?

孫社長はiPhoneをホワイトプランで提供したいといっていまして、これを世間は「気前が良い」的に歓迎しているようですが、正直なところiPhoneは音声通話主体の端末ではありません(あるいはそういう使い方はもったいない)。問題になるのは、パケット通信を使った場合の料金です。

で、どうやら普通のパケット定額の料金ではなくて「スマートフォンの料金」が適用されてしまうようです。どういうことかというと、上限料金が1万1000円くらいになるって事です。まあ高いですね。

iPhoneはiPodTouchがそうであるように、「閲覧」は快適にできます。何かをぼーっと見るのは快適にできますが、難しい事をしようとしたり、能動的なことをしようとするのは比較的苦手なようです。いわゆるスマートフォン的な感じではないかもしれません。

利用面で言うと、パケットを多量に消費してしまう端末だということです。海外でもiPhone利用者は他の端末よりもパケットを大量に使っている傾向があるようです。

あるいはそういう使い方をしないと買った意味が無い端末であるとも言えます。パケットを使わずに使う方法もありましょうが、そうなるとiPodTouchを買えば済んでしまいます。

通常のパケット定額が適用できてしまうと、おそらく鬼のようにパケットを使って網に負担をかける人が続出する端末になるのではないかと思います。そして、ソフトバンクのインフラには余裕がありません。

またそもそも、従来のスマートフォンよりもパケットを使うと予想されますから、ソフトバンク的には「スマートフォンの料金」は当然で、特別料金にしなかっただけ気前が良いということかもしれません。


苦情の発生を予想

パケット料金が上限に到達するような使い方こそ、この端末の正しい堪能の仕方ではないかと私は思います。また、アップルは「思わずそういう使い方をしてしまうような端末」として作っているのではないかと思います。ただ、そうなると毎月の請求が一万円を越えてしまいます。

また、玄人しか買おうとしなかったスマートフォンと違い、iPhoneはむしろ素人中心に売れるはずです。玄人はこれまでのスマートフォン料金の事を知っていますが、素人は知らないことが多いと思います。

よって、「利用料金が高すぎる」的なことを言われたり、定額じゃなくて大丈夫だろう→超音速でパケ死、という騒動がある気がします。


ドコモ

また、網に負担をかける端末であるからこそ、混雑に強く、HSDPAが完備されているドコモの網で使うべき端末にも思えます。

もしかすると後日ドコモからiPhoneが発売された場合、ソフトバンクで使う場合とドコモで使う場合の利用感が全く違う、とか言われるかもしれません。ドコモとの速度差がありすぎて。最悪、ソフトバンクの網ではiPhoneの能力は寸止めになる可能性もあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

5月の携帯の純増数:ウィルコム純増、携帯各社は揃って減速(そろそろ飽和?)

携帯電話の加入者数の五月の純増(つまり利用者の増減)が発表されました。

というわけで少し執筆します。


◆まずは結果

まずは結果を

ドコモ 6万900
AU 7万2400
SBM 17万3700
EM 5万1500
WILLCOM 1万1200

ウィルコムが純増に復帰しています。後は概ねこれまでどおりですが、AUとソフトバンクの差が開いてドコモに追いつかれそうになっていることと、そしてなにより「全体的に純増数がかなり減った」のが特徴でしょう。

全体的に数が減った件については、端末の買い控えという解釈がなされているようです。そういえばここしばらくの間に携帯三社の新端末発表会がありました。しかし、「端末の買い控え」というのは、典型的な「原因探し」の結果にも思えます。

つまり、(その人にとって)解せない数の不調があったとしてその原因を考えようとしたときに、新端末の発売待ちなんじゃないだろうかという「原因を発見」してしまうような感じです。携帯三社の場合については、この理由で納得できてしまう期間が年間を通じて結構あるために、どうしても理由とされがちです(しかし、本当に買い控えである場合もあるはずですから、難しいところです)。

というわけで、買い控えだという解説はよく見るのですが、私は別の理由なんじゃないだろうかと考えていますが、これも何ら根拠のある話ではありません。市場の飽和の効果がとうとう出てきたのかな、と考えたりしています。もし、これからしばらくこういう感じが続くのなら、市場の飽和か、この分野の消費自体が落ち込んだのが原因と考える方が良いと思います。

また、AUがドコモに接近してしまっています。これについてはAUが不調というよりも、ドコモが無理をしているように思えたりもします。

イーモバイルについては、解約の効果を無視できる契約者数でCM打ちまくりにもかかわらず、わずか5万増に留まっています。考え方によっては相当な不調です。しかし、初期費用が高いなどの点から、イーモバイルは攻撃的な売り込みよりも消耗しないことを優先しているようにも見えますので(妥当な判断に思えます)、これはこれでよいようにも思えます。

もう一つはウィルコムの復調が今月の違う点です。

ウィルコムが復調した原因の一つと考えられるのは、HONEY BEE(WX331K)の好調さです。HONEY BEEは発売されてからずっと好調でしたが、先月の時点でまだ純減でした。よって好調だとは言っても効果は限定されているのかなと思ったのですが、初期のHONEY BEEの品薄状態が(多少)解消されたと思われる今月の発表になると、しっかり純増になっています。

良い感じで改良されているWX320Kをベースにして作りこんであるので、使いはじめてからの不満なども少なく、売ってからも手のかからない端末ではないかと思われます。よって、長期的にも安定した純増に貢献する端末になるかもしれません。短期的な純増よりもむしろこちらの方が重要な点かもしれません。

おまけにWX330Kも順調に売れているようですから、ウィルコムのWX320K系改良機はこれからも出つづけるかもしれません。もう少ししたら出る事になっている京セラのW-SIM機や年末の全部入りなども全部同系統かつ同手法でのコンセプトを作られるのではないかという気がしてなりません。まあそれで何も問題ありませんけれども。

さて来月は、
・全体の純増の減速が続くのかどうか
・ウィルコムは復調を維持するかどうか
このあたりでしょうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

639 新型iPhoneが後押しするかもしれないモバイルWiMAXの没落

一つ前提があっての話ですが、書きはじめてみたいと思います。

日本での発売が決まったとの報道で近いうちの発表が確実になった、第三世代版のiPhoneについての話題です。


◆世界はまだGSMで覆われている

日本でのiPhoneの話題は、アップルがいつ許可を出すかということも話題でしたが、そもそも日本で使えるiPhoneが未発売であることも問題でした。つまり、主に端末の話題でした。

現行のiPhoneの通信方式はGSMで発売されました。それはなぜかというと、多くの国ではまだGSMが主役だからです。GSMの通信速度ではiPhoneの能力は十分に生かせない面もあったのですが、まずは広く利用されているGSMで開発され、利用者はGSMと無線LANの組み合わせで使うことになりました。

発表当初、iPhoneは世界的に大層な話題になりまして、多くの国ではいつ私の国に来るのかという話題になっていたようですが(でも、多くの国にはなかなか来なかったのですが・・ジョブス師匠との交渉があまりに難儀だったためです)、日本にはGSM網がありませんので、次世代iPhone待ちの状態となっていました。

そして、おそらく近いうちに発売されるであろう新型iPhoneは、第三世代携帯となっているものと思われます。つまり、W-CDMAに対応した端末になるものだと思われます。W-CDMAに対応することによって、GSMよりも高速な通信が可能になり、iPhoneはより真価を発揮する事になると思われます。


◆世界の悩み

第三世代なiPhoneが発売される流れとなり、日本でも「いつ私の国に来るのか」という話題で済むようになりました。

しかし、日本以外では状況が少し異なります。第三世代なiPhoneが発売されても、自国で使えるとは限らないのです。なぜかというと、W-CDMAの網が十分に整備されていない国が沢山あるためです。つまり、日本以外での悩みは端末ではなくて携帯網の方なのです。

たとえば世界最初にiPhoneを発売した、アップルお膝元のアメリカのAT&Tですが、現在かなりの勢いでW-CDMAの基地局網を整備しています。あるいは、かなりの勢いで整備しなきゃならないような「整備されて無い状態だ」ということでもあります。

700MHz帯に関する話題でこれまで北米の携帯事業者についての話題は色々書きましたので詳細はそちらを参考にして欲しいのですが、北米では大まかに言ってCDMA2000二社とGSM二社になっており、AT&TはGSMなところでした。そして、今現在W-CDMA/HSDPAに移行中です。AT&Tは獲得した700MHz帯について、HSPA+とLTEに使うと表明しています。

次世代iPhoneが発表されたのに、私の国では第三世代網が無いというのは通信事業者にとってプレッシャーです。しかもGSMからW-CDMAへの移行は規定路線ですから、プレッシャーをかけられると宿題をやっていない子供のような気分になってしまうはずです。

特にAT&TはiPhoneで他社からの移行をかなり受け入れましたから、新型iPhoneに通信網を間に合わせる必要があるのです。

また、ジョブス師匠も各国での交渉において、第三世代網を全然整備するつもりの無いキャリアには端末を提供しないはずです。意味がないですから。

つまり、新型iPhoneの発表は世界のGSM/W-CDMA/HSDPA化を進展させる可能性があります。


◆エリクソンが言うには

W-CDMA/HSDPAである3.5世代基地局で世界の半分のシェアを持っているのが、このブログでよく記事に出てくるエリクソンです。

このブログでエリクソンが出てくる時には、二つのパターンがありました。LTE陣営としての場合と、モバイルWiMAXを馬鹿にしているところとしての場合です。

エリクソンはモバイルWiMAXについては、モバイルWiMAXが大ブームだったころから批判的です。
・一度検討したこともあったが、問題のある技術であると判断した
・次世代と言っているが、せいぜいHSDPAと比べるのが適当な程度では?新規でモバイルWiMAXを導入するよりも、既存網をHSDPA(既存の3.5世代)にアップグレードする方がマシでは?

エリクソンはモバイルWiMAXは次世代としての評価どころか、HSDPAと比較しても負けているとでもいうような評価なわけです。実際、世界に先駆けてモバイルWiMAXではないモバイルWiMAXのようなものを導入して失敗している韓国では、速度的にもHSDPAとの違いが今ひとつ明確にできていないという意見もあるそうで。

W-CDMA/HSDPAの導入をやってしまうと、その後にHSPA+でのさらなる高速化への道が開けていることもあって、携帯キャリアにとってのモバイルWiMAXの価値は低下します。

つまり、新型iPhoneによる第三世代網の整備圧力は、モバイルWiMAXの敵を増殖させている事になります。


◆さらに次のiPhoneの通信方式

気が早いですが、さらに次のiPhoneが対応する通信方式について考えてみましょう。

ジョブス師匠は最初のiPhoneを、速度面で遅いながらも広く利用されているGSMを選択する非常に手堅い作戦を取ってきました。

そしてW-CDMAも事実上世界では標準的な第三世代になりつつある存在です、アップルのお膝元のアメリカではCDMA2000系の方がまだ勢力がありますが。

GSMでW-CDMAとなるとその次には来る通信方式はその流れでの後継となると考えるのが順当です。そうなると、HSPA+やLTEに対応したiPhoneが発表されると考えるべきではないかと思われます。

そうなると同じく、HSPA+やLTEの導入を急がせる効果をiPhoneが発生させる事が考えられます。

LTEは言うまでも無く、現在モバイルWiMAXの命脈を絶ちつつある技術です。


◆念のために書いておくと

念のために書いておきますと、今回の話にはひとつ考慮していないことがあります。

モバイルWiMAX「にも」対応しているiPhoneが発売される可能性はゼロではないということです。その点はご注意ください。現在のiPhoneは無線LANに対応していますが、そういう感じでモバイルWiMAXにも対応する可能性は無くはありません。

でも、GSMを選択したように慎重で保守的な面があるジョブス師匠ですから、モバイルWiMAXを主軸としたiPhoneがアップルのメインとして発売される可能性は低い、とは言えるでしょう。


◆また

iPhoneやモバイルWiMAXから離れますが、W-CDMAの普及が進むとしたら日本としては良いことがあります。日本ではGSM網がありませんが、日本にはW-CDMA網はあるからです。あるというより、世界でも稀なほど「完備されている」状態と言って良いかもしれません。

第二世代では日本独自になっていますが、第三世代は世界標準なのであり、世界が第三世代に移行すれば日本も世界と一体になるのです。

日本の悪口を言う人はGSMのことを例にあげて「今現在の」日本を非難する傾向があります、しかし、第三世代ですでにその反省は終わっており(ドコモは世界標準技術の重鎮です)、次の世界標準になるであろうLTEでも日本は重鎮にいます。

問題はいつまでもGSMが居座り、第三世代化が進まないことです。よってiPhoneでW-CDMA化が進むとしたら、日本にとって良い事かもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

その他:ボーダフォンのボス(サリーンさん)が退任するらしい

思いつきで少しだけ書きます。

雑談(脱線)的な話題です、本筋の話題については別の記事で書きますのでしばらくお待ちください。

だらだらと書きますのでご容赦ください。内容も適当です、すみません。


◆ボーダフォンのボスが退任する

少し前までは日本でも割とおなじみ?だった、ボーダフォングループの一番偉い人が退任するそうです。

英ボーダフォン、サリーンCEOが7月に退任 通期決算は黒字回復
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/080528/20006.html

ボーダフォンとは、日本ではJ-Phoneと孫社長の活躍の間にはさまれた黒歴史のことです。

リアルにボーダフォンを契約なさっていた方は、ボーダフォン日本がお金を使い渋っていることで面白くない思いをした人も居ると思うのですが、ボーダフォン日本への「本国からの指令」を出していた人というのは、今回退任するこの人(とか)のことであります。

つまり、元凶が退任するというニュースです。

名前が変わっていますが、実際ヨーロッパ人では無いそうで、この人はインド生まれのインド人のようです。

退任後なにをするかについては、内緒のようです。載っていません。

アルン・サリーンさんがボーダフォンにやってきたときには既にボーダフォンは大変な事になっておりました、以前から世界中で微妙な感じになった電話会社を買収して世界規模になったボーダフォンだったのですが(なぜって、調子の良い会社は買えるわけないからです)、まあようするにそれらがうまく行かずに大変な事になっておりましたということです。

日本ではJ-Phoneがボーダフォンに買われます。

J-PhoneはもともとJR系の電話会社なのですが、JR各社同士とJRとJ-Phone自体とかもいがみ合っておりまして、株をそれぞれで勝手にいじっているうちに、気がついたらボーダフォンに株が集まってしまったとでもいうような情けない状況で、乗っ取られます。アホです。

でその後色々なごたごたやらがありまして(そんな簡単に略すなとか言われそうですね)、孫社長が買って、現在にいたるわけです。

で、アルン・サリーンさんは何をした人かというと、ボーダフォングループから日本事業を「処分」した人です。

ボーダフォン日本の末期の兵糧攻めのような状態はアルン・サリーンさんのお金を使うな指令によるものだそうです。当時のユーザの方、そういうことだそうです。日本事業はやたらとお金を使っていて儲からないということで、「お金を使うのを止めなさい」っていうことで。

しかしながらボーダフォン日本を売り飛ばして処理しようとしても、売りに出すとは言っても巨大すぎて買い手がほとんど居らず、さらには経営状態が芳しくないので誰も手を出さないという困った状態でした。売るに売れず、さりとて改善できるわけでもないということで、ただ瓦解が進んで行って他の携帯二社によるユーザ救済みたいなこともあるんじゃないかというような話もあったりしたような。

ところが、携帯電話事業に新規参入するぞ!と言っていたはずの孫社長が、ものすごい大金でボーダフォン日本を電撃買収するという不思議な事が起こります。孫社長にボーダフォン日本を売り飛ばした人も、アルン・サリーンさんです。

これによってアルン・サリーンさんは、どうやって処理してよいのやらわからなくなっていた日本事業を始末することができたわけです。本国では、アルン・サリーンさんの手柄になりました。

この人は、一応ボーダフォンを立て直して去ることになりまして、成功した人だということ評価になりそうです。ちなみに「建て直し」には日本処分前の日干しと、日本の処分も含まれますけれども。

駄目な事業は処分しろということでいろんな事を処分、あるいは株主に処分しろといわれていろんなものを処分したわけですが、アルン・サリーンさんが、処分に反対したものがあるそうです。それは何かというと、ここしばらくこのブログで名前が出てきていたアメリカの携帯電話会社の「ベライゾン」です。

アルン・サリーンさん、日本は日干しにして処分したわけですが、ベライゾンについては処分に反対なさったわけです。日本は要らない子でしたかアルン・サリーンさん。

そもそもボーダフォンはGSM/W-CDMAで、ベライゾンはCDMA2000ですから、ボーダフォン世界帝国のアメリカローミング支部にすらならないのがベライゾンでした。そういう意味ではAT&T(GSM/W-CDMA陣営)とかの方が良かったわけです。実のところ、AT&Tとボーダフォンの間にもいろいろあったようですが、結局のところ、アメリカにおける「ボーダフォンと関係のあるキャリア」はベライゾンです。

アメリカのCDMA2000陣営にはベライゾンとスプリントがありますが、かなりピンチになってしまったスプリントと違い(ネクステルを買収したり、モバイルWiMAXに手を出したりするからです)、ベライゾンは調子は悪くありません。安物キャリアのイメージのスプリントと違い、高級なイメージのキャリアのようですし、2007年末にLTE陣営に寝返ってUMBに致命傷を与え、その後700MHz帯を大量に買ってLTEをなさろうとしています。

ベライゾンのLTEへの寝返りは、ボーダフォングループが欧州とアメリカでLTEで共通化するという意義もあります。調子は悪く無さそうなので、とりあえずはベライゾンは売らなくて良かったのかもしれません。

ちなみに、ベライゾンの処分に反対してボーダフォン自体も立て直したことになっているアルン・サリーンさんが、必要ないという判断をしたのがボーダフォン日本でありまして、それを買ったのは孫社長なのであります。まあ今さらの話題ではあるのですが、10年後に振り返ってみて、孫社長のボーダフォン日本の買収は正しかったと思えるのでしょうか?新規参入のまま+ADSLの方がもっと厳しかっただろうと思うので、買収した方がまだマシだったような気はしているのですが。

とりあえず、当時酷い目に会った人にとっては、"元凶"が去ってゆくというニュースです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

640 ウィルコムが現世代PHSの下り3.2Mbpsを計画、は落選時予備案だった説

少し遅れて記事にしますが、ウィルコムが現行世代のPHSも高速化する計画を発表した件について。


◆3.2Mbps

まず記事を。記事には他の話題もあるのですが、いっぺんに記事にすると内容が発散するので、まずは高速化の件だけについて執筆します。

ウィルコム近氏、現世代PHSの下り3.2Mbps化に言及
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/event/40090.html

引用すると綺麗に収まらなかったのでまとめてみます。
・高度化PHS(W-OAM)の通信速度の1.6Mbps化(W-OAM typeG 16x)
・W-SIMでも800K化を実現する(W-OAM typeAG 8x)
・下り速度を3.2Mbps化する通信速度の高速規格を検討中
・3.2Mbps化までは技術的目処が立っている

まず、「1.6Mbps化」については、既存の高速化路線のそのままの延長線上です。今のウィルコムの最高速たる「W-OAM typeG」は、100kbps(64QAM)を8xで束ねて800kを出しています。これを単に、16xにするという話のようです。こちらは割とすぐにやりそうな感じです。

また、「非対称高速化」を行って下り速度を高速化するようです、どうやらこれで実質二倍束ねに出来る模様。そしてこれをW-SIMに導入する事で「W-OAM typeAG 8x」というものにして、W-SIMで800kが出るようにするようです。Aは非対称(asymmetry)のAではないかと思われます。

そして、「W-OAM typeAG 8x」をさらに四つ束ねるという(おそらく独立に四つ束ねる)方法で、800×4で3.2Mbpsを実現するようです。W-SIMを四枚差しにして実現するような感じでしょうか。


◆実際どうなのかと考えると

正直なところ8xでもかなり束ねてしまっているので、16xが安定して動くのかどうかは心配なところもあったりします。ただ、心理的にはスペックがメガ超えしているとかなり違うので、商品としては全く違う価値が生じる事でありましょう。

実効速度については、実のところ第三世代携帯系の定額でもスペック値と実測値では大きな乖離があるので、仮にTypeGよりも気持ち早くなる程度だったとしても、商品としてはかなり違う感じになるかもしれません。

「非対称高速化」というのは、上り帯域と下り帯域を非対称にするということなのではないかという気がします。どなたか詳しい方にスパっと解読・解説していただくとありがたいところですが。

PHSは上がりと下りを同じ周波数帯を時間切り替え(TDD)で使っています、参考までに一般の携帯では周波数で分離して上下を独立した通信にしています(FDD)。で、上がりのスロットを潰して限界一杯まで下りスロットを詰め込むことで高速化をするんじゃないかなという気がします。そうするとどうやら下りは二倍になるようです。

また、もしかするとこれはただでも利用効率の高いPHSの電波利用効率がさらに上がるという結果にもつながる、かもしれません。

そして3.2Mbpsですが、この「W-OAM typeAG 8x」をさらに独立四系統で動作させる事での高速化のようです。W-SIM四枚差しで四倍速にするようなイメージのものではないかと思います。

速度を出すのに十分なだけの基地局を捕まえられる前提での話になりますが、ウィルコムの800kでの実効速度が仮に250Kだとしても(実際はもっと出てますよね?)、それを四枚差しするわけですから、実効速度でもメガ到達をするだろうという予想となります。

typeAGについてはまだ規格化されていないようですが、実現すると面白いかもしれません。特にW-SIMの800k化は早急に行っていただきたいところです。


◆実際の高速化のポイントと思われる事

少し前までTypeGの最高速度は512kでした。これは、基地局に引き込まれているISDN回線が原因の制限でした(
512÷8=64)。これがようやく光化基地局の登場で、本来の100×8を出せるようになりつつあります。800k対応には、光ファイバ化が必要ではありました。

また、光ファイバを引き込むと遅延が小さくなるようなので、体感上の改善の効果もあるのではないかと思います。

ただし16x化自体については、ISDN回線の基地局を束ねても高速化は出来るでしょうし(64×16で一メガ)、非対称化についても、ウィルコムの必殺技の「基地局をファームアップ」で古いタイプの基地局でも対応できることもあるような気はします。

地方では基地局の配置自体が薄く、多数の通信を束ねること自体が出来ないところもあるはずです。高速化はむしろ基地局の光化(つまり八本槍化)の進展次第なところもありましょう。

私の行動圏では八本槍地区はだんだん増えていて、こんなところにも八本槍が来たかと思えることもあるようになりました。ただ、もっと頑張っていただきたい気はします。むろん、次世代PHSの足を引っ張らない範囲で。


◆この時期に発表された意味

もしかしたらこれまでの記述で同じことを思われた方も居られると思うのですが、別にこの高速化のアイディアはもっと前に発表されていてもおかしくないものにも思えます。しかし、これまで発表されていませんでした。

その理由ですが、おそらくこの高速化案は「2.5GHz帯落選時の予備計画」として温存されていたものではないかと思っています。

つまり、2.5GHz帯を仮に獲得失敗していた場合に、「現行世代でもHSDPAと張り合うくらいのことは出来ますので当面はこれで頑張ります」という感じで発表される予定で温存されていた案ではないかな、と。

で、温存する理由もなくなり、次世代PHSもそれなりに進んでいて問題が無くなり、800k化もそれなりに順調に進んでいるということで、そろそろ披露するかなということで出てきたのではないかなと。

とりあえずは、W-SIMの高速化と(出来ればメガ到達)、商売に影響が大きいであろうカード型の早期のメガ超え(スペックだけでも)は早期にやっておいたほうが良いのではないか、と思ったりします。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

iPhoneがソフトバンクから出るらしい、でももしかしたらドコモからも?

iPhoneがソフトバンクに決まったらしい件について、臨時で少し書きます。


◆予想外

iPhoneがソフトバンクから出るらしいことが突然発表されたようです。

大半の人にとって、(いろんな意味で)予想外の事だったのではないでしょうか。

予想外:ドコモではなかった
予想外:ドコモとソフトバンクではなかった
予想外:なぜか「何にも無い普通の日」に突然発表された

少なくとも私は、ジョブス師匠の次の演説会にて、ジャジャーンと師匠自ら発表なさる感じになるのだろうと思っておりました。

もしかしたらこの「変なタイミングでの発表」そのものが、孫社長とジョブス師匠の駆け引きの一部なのではないかとすら思ったりします。八割くらいしか決まっていないのに、発表して既成事実化しちゃった、とか。

私は、発表はもう少し後だろうと思っていたこともあり、少し前から「今週中を投票期間に設定して」投票ごっこを行っていたところでした。発表されちゃったのでもう締め切りましたが。

今週の投票 - iPhoneはどこから出る?
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/06/iphone_c3b1.html

現時点での投票結果は、

・ドコモ:26票 (41%)
・ソフトバンク:19票 (30%)
・AU:0票 (0%)
・イーモバイル:1票 (1%)
・ウィルコム:7票 (11%)
・ドコモとソフトバンクの両方:10票 (15%)

悪ふざけの票がウィルコムに7票も入ってしまっていますが(私もW-SIMなiPhoneは見てみたいが)それはさておき、

この投票でも割と多くの人は、ドコモないしはドコモ+ソフトバンクだと予想しています(しかもこの投票ではソフトバンクには「予想の票」だけではなくて「応援票」も入っているようなのですが・・)。

世間一般でも、予想が外れた人の方が多いのではないかと思っています。

この投票を今週末に締め切って、その際に記事とともに表明するつもりだった私の予想は、以下のようなものでした。

私の予想:
・ドコモの可能性が高いと思う
・ユーザを一番幸せにするのは、ドコモとソフトバンクの両方から出る事
・両方から出る可能性も結構ある
・ソフトバンクのみから出るのは、ソフトバンクがかなりの悪条件を飲んだ場合のみだろう。

一点予想から言いますと、私も外してはおります。はい、外れましたとも。


◆ドコモだという予想は

ドコモだと予想していて予想が外れた人は日本に沢山居ます。何故そういうことになったかというと、普通に客観的に判断して一社に絞れといわれたら、どうしてもドコモに思えたからからではないでしょうか。

例えばこういう状況を考えてみてください。

・ドコモもソフトバンクも一切自己アピールも交渉も発言も一切禁止
・ジョブス師匠は、一切無言のドコモとソフトバンクについて、ジョブス師匠自身で情報を集めて、どうするか判断して片方以上を指名してください。

こうやって考えると、ジョブス師匠はほぼ間違いなくドコモについては指名するのではないかという気がしてきます・・のはずです。

よって私はドコモかなと思っていました。ただ、以下に書くとおり、絶対にそうなるとは思っていませんでした。


◆両方から出る場合

両方から出る可能性もあるだろうと思っており、また「両方から出て欲しい」というように思っていました。そう思っていたのですが、予想としてはドコモ単独としていました。

「両方から出て欲しい」と思っていたのは、日本のユーザが一番幸せになるのは両方から出る場合だと思っていたからです。どちらか片方からしか出ない場合に起こる事と、両方から出た場合に起こる事をイメージし、どちらが良いか考えてみてください。手に入れようと思った場合はどうでしょう?利用料金は?通信回線は?

両方から出た方が、日本でiPhoneが広く利用されるようになる気もします。

よってジョブス師匠が日本に根付かせたい(あるいは数を売ってしまいたい)と思っているのなら、両社に売らせるのではないか、とも思いました。


◆ソフトバンク勝利の場合

ソフトバンク勝利の可能性があるとすれば、それはジョブス師匠との条件交渉による場合だろうと思っていました。

iPhoneは基本的にその国での独占販売権を競わせ、Appleにとって破格の条件で契約を取るというのが基本的な作戦です・・でした。ジョブス師匠はiPhoneに絶対的な自信があります故、売らせてあげても良いですよ的なものが基本姿勢です。またそもそも、そうでなくてもこの人は魔人のような人です。

ただ、すでにやり過ぎが懸念されておりまして、すでにどこかの国で、あまりに無茶な条件を出してその国の全部のキャリアに断られた事件のようなことがあったはずです。またどこかで、大した台数売れてないかも事件(神通力もたいしたことないですな事件)もあったはずです。

#すみません「急に決定が来たので」調べる間が無いです。

とうとう、一キャリアの独占販売ではなくなる国が出てきています。つまり、ジョブス師匠の作戦が破綻をした国があるというわけです。

ドコモとソフトバンクの両方ではないか、という意見が出てきていたのも、iPhoneの魔力が弱くなってきているという流れを受けての意見だったはずです。もはや独占販売とかやってる空気じゃないんじゃないかと。

ちなみに皆さんもどうでしょう?世界的な話題になっていた当時よりiPhone熱がかなりさめてる人が多いと思います。特に、iPodTouchが既に売られてしまっていますから、あれで「こんなもんか」と思ってしまったり、「別にこれだけでいいや」と思ってしまった人も居ると思います。類似品も沢山出てきてしまいましたし。

というわけですから、両方から発売されるという(私が思うに)一番良い展開になる可能性もあるかなと思っていました。

しかし、独占販売権を高値で売りたいジョブス師匠の黒い野望はまだ消えたわけではありません。

ならば、

・孫社長はジョブス師匠の黒い野望に取り付いて、とんでもない条件に自分から応じるなどの勝負に出る
・ドコモ、あまりのことについてゆけなくなってソフトバンク勝利

基本的に企業としての力はドコモのほうがかなり有利で、ジョブス師匠にもそれは魅力的なはずで、孫社長からするどうしようもないハンデです。だからこそ、事前に大半の人がドコモ勝利を予想しました。

しかし、「ドコモにはホワイトプランのような無茶苦茶をする事は出来ない」というところでの勝負なら、孫社長は勝てるかもしれないと思っていました。そして、ジョブス師匠の黒い野望は、そういう作戦を展開できる状況を作り出す可能性があります。

以上は私が事前に考えていたことでした。


◆気になること

そして、今気になることです。

とんでもない条件があるかもしれない:

もしかしたら孫社長はドコモが降りざるを得ないような「とんでもない条件」と引き換えに権利を得ているかもしれません。それは既存のソフトバンクユーザには許容の出来ないような条件かもしれません。そんなことに金を使うなら基地局作れ馬鹿!とか、発売されたけど訳のわからんほどお金がかかる、何故?→そんな条件を飲むからだ

また、iPhoneはネットワーク資源を多く使うはずです。つまりネットワークが快適に使えなければ端末も十分に快適に使えず、またネットワークに負荷をかける端末のようです(海外での例による)。馬鹿売れしたりすると、網に影響を及ぼすことも考えられます。


結局ドコモも権利を手に入れる可能性:

ドコモはまだ交渉を続けると言っていると聞きました、まだ降りたわけではないようです。ということはソフトバンクの得た権利は排他的な権利ではないのかもしれません。もしかすると、ドコモも今後権利を手に入れることがあるかもしれません。

なにしろジョブス師匠は魔人ですから、今回の件は孫社長を釣っただけかもしれません(上には上がいるのです)。ソフトバンクに極めて有利な条件でサインをさせた後、次はドコモと別途交渉するだけかもしれません。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

641 ドコモが「iモードの公式サイトの上位に表示される権」利をオークション制に

ドコモが「iモードの公式サイトで上位に表示される権利」をオークションで売ることにした模様です。


◆難しいところ

というわけでまず記事です。

ドコモ「iモード」表示項目を競売 「利便性を損なう」と事業者から批判
http://www.j-cast.com/2008/05/30020923.html

NTTドコモは、携帯電話ネット接続サービス「iモード」の公式サイトに表示される項目の一部を競売にかける。これまでは利用者が多い順に表示していたが、入札額の高い順に切り替える。

これまでは、利用頻度トップ10が表示されるという、それはそれで公平な仕組みだったようです。そしてこれからは、毎月行われる入札でお金を積んだ順トップ10で表示されるという、それもそれで公平な仕組みになります。

競売にかけられるのは、このうち「働く/住む/学ぶ」「着うたフル」「着うた/着モーション」「着信メロディ/カラオケ」「待ちうけ画面/フレーム」「ゲーム」「占い/診断」「コミック/書籍」「デコメール」の10項目についてで、08年6月23日から「入札額順」が反映される予定だ。

なんというか、いかにも導入されそうな項目です。

NTTドコモ広報はJ-CASTニュースに対し、 「この10個のサイト(項目)はほとんど同じ順位が続いており、替わり映えがなく、新しいサイトが作られてもなかなか昔からの上位サイトのなかに入れない。(入札額順にすることで)ユーザーの選択肢が増える可能性がある」

ドコモは「ユーザのためです」と言い張っています。

そして記事はどちらかというとドコモ批判調になっておりまして、これでもかという感じです。

その一方で、利用者数の多いコンテンツ事業者の反応は冷ややかだ。
不満を露にするコンテンツ事業者も少なくない。
「auやソフトバンクまで競売を始めたら大変だ」
(『メニューリスト』は)公共性の高いものですから、お金でランキングが決まってしまうのはいかがなものなのか」

以下、強調部は私によりますが、

また「メニューリスト」の上位にいる別の事業者は、次のように批判する。 「今まで良いコンテンツを作れば、何もしなくても来ていたお客さんが、お金をかけなくては来なくなるというのは明らかにデメリット。一体どういう経緯でこんなことになったのか。今までドコモの『メニューリスト』を信頼して来たお客さんの利便性を損なうもの。ユーザーへのサービスを第一に考えて欲しかった」

というわけで、これらについて少し意見を書いてみたいと思います。


◆話はそんなに簡単ではない

こういう場合の典型的は反応や論調は、お金への嫌悪です。この記事はまさにそれ一色です。「公共性」とか「お客様のため」というのもまた「定番」です。

最初に書きましたが、これまでのシステムもこれからのシステムも、ある意味においては公平なシステムです。恣意的なところはどこにもないという意味では。

また、記事の後半で不満を言っているのは、「既得権益者」であることには注意してください。現在のシステムで現に利益を受けている人がシステムのルールの変更を歓迎するはずがありませんから(現在のルールで勝ち組なのですから)、そりゃ聞けば文句を言うに決まっているわけです。

また、メニューリストは公共性の高いものですから、とありますが、「着うたフル」「占い」「待ち受け画面」みたいなメニューに公共性うんぬんというのは違和感も感じます。

一般の側で嫌がる意見が多いとすれば(おそらく賛成しない意見が多いのではないかという気がします)、ドコモが儲けるということ自体についての不満ではないかと思います。

確かに「インチキな手段が横行し、手段を選ばずに金」では世の中荒廃してしまいます。でも、お金を得られるか得られないかで判断する思考回路(市場原理)が働かないと、世の中みんな"終わってる田舎"のようなことになります。

またそもそもドコモがここで利用者以外から儲けられるならば、利用者の負担額が間接的に減る可能性だってあることになります。極端な話、ここで天文学的な収入が得られるなら、ドコモの携帯は完全無料、ということだってあるかもしれません。

--

さて、今回の旧システムと新システムですが、旧システムは良い意味でも悪い意味でも波乱の無いシステムだったはずです。新システムでは波乱のあるシステムになるはずです。

旧システムでは、一度上位に表示されるとさらに上位に表示されるループが形勢されやすいですから、既得権益を持っている人を優遇する仕組みです。実際ドコモも、

この10個のサイト(項目)はほとんど同じ順位が続いており、替わり映えがなく、新しいサイトが作られてもなかなか昔からの上位サイトのなかに入れない。

言ってみれば、NTTみたいなのが居座っていて、イーモバイルやソフトバンクみたいなのが入れなくなっているということなのです。そしてなにより、新しい勢力があらゆる手段でここに割り込もうと考えても、その目的の達成は簡単ではなかったはずです。

ところが今度はお金で買い取る仕組みに変わりました。もしかすると結構な金額が飛び交う事になるのかもしれません。そして、新しい勢力の割り込みは、お金を積めばよいだけという実にわかりやすいものになりました。

新システムで安定上位になるところがあるとすれば、常に大金を積みつづけるところということになります。

旧システムでは、上位に表示されることが自動的に上位表示につながるループになりましたが、新システムでは、上位に表示されることがお金につながり、そのお金が来月の上位表示の買い取り資金につながるループになる必要があります。

つまり、儲ける才能(ユーザからお金を取る能力)のあるところが優遇されるともいえます。ユーザから巧妙に金を取ることができるところが上位表示されやすくなる、という意味では、一般での「嫌悪する意見」は正しいとも言えます。ただ、お金を払いたくなるようなナイスなサービスのみが生き残る、と考えると悪くは無いかもしれません。

また、結局のところはメニューに表示されるところが上位表示のために使うお金は、ユーザから巻き上げたお金ですから、ユーザからドコモへの新しいお金の流れができた事には違いありません。ただし、新しいサービスが出てくる可能性は増えたとは言えます。

つまり、ユーザにとってはこういう事になるのではないかなと思います、

新旧比較:
・旧システム:いつ見ても化石みたいなつまらん定番サイトばっかり表示されてる
・新システム:いつ見ても金の亡者ばっかり表示されてる

つまり、公式メニューなんか今も昔も将来もあてにするなということかもしれません(・・・)。

「ユーザにとって本当に良いところ」が恣意的な何かに依存せずに表示されるルールを考えるのは、まあ難しいですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

642 今さら無駄?「モバイルWiMAXも3.9G審議に加えてほしい」

ちょっとだけです。

これも投稿が出来ていなかったネタです。


◆いろんな意味で無理があります

モバイルWiMAXが今後は「私も3.9世代に混ぜてください」と言いはじめました。

「モバイルWiMAXも3.9G審議に加えてほしい」,総務省委員会にてWiMAXフォーラムが主張
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080530/305490/

「モバイルWiMAXもIMT-2000ファミリーであり,3.9Gとして求められる無線ネットワーク技術を採用している。そのため総務省の3.9G審議の中で,LTEなどと共にモバイルWiMAXも検討対象に加えてほしい」と主張した。これに対し委員会は「今後の審議の参考にする」と答え,モバイルWiMAXを審議の対象とするかどうかについての判断を保留した。

3.9世代とは、つまりLTE(とUMB)の割り当てについての議論の場であります。そして、携帯電話用のこれから割り当てられる帯域をどうするかという議論と等価でもありました。少なくともこれまでは。

事実上対象となっているのは、
・1.5GHz帯の再割り当て
・700/900MHz帯の割り当て
・一応、1.7GHz帯も対象?

そしてUMBは採用されるか怪しい状況なので(KDDIは一応保留状態ではあると思いますが)、事実上、上記の帯域を対象にしての、LTE割り当て議論が行われているのが実情だったと思われます。

最近、この議論にHSPA+などの既存の第三世代の強化系も候補にしてくださいという話が出ていました。おそらく、LTEへの早期移行をしない可能性のあるイーモバイルとソフトバンクからではないかと思われます。

どちらにせよ、LTEとHSPA+が併せて議論されている状況そのものが、既存の第三世代をLTEに切り替えて行く流れでの発想でした。

そこで突然、モバイルWiMAXが「私も混ぜろ」と言ってきたわけです。


◆既存キャリアにモバイルWiMAXの支持者はもはや居ない

「私も混ぜろ」ということになったわけですが、実際にモバイルWiMAXで帯域を使おうとするところがあるのかどうかを考えてみましょう。

・ドコモ:2.5GHz帯争奪戦でモバイルWiMAXを無視するほどの無視加減
・ソフトバンク:今ではLTEないしはHSPA+が本命でしょうと態度変更済み
・イーモバイル:千本会長自らが「後になって」ですが、2.5GHz帯争奪戦の途中で「モバイルWiMAXはハズレだろう気がついていた」との趣旨の発言。
・KDDI:どちらにせよ、さらに帯域をもらうの無理です。
・ウィルコム:モバイルWiMAXが駄目だから次世代PHSの開発を決断した

1.5GHz帯にせよ、700/900MHz帯にせよ、帯域をもらって何に使っても良いといわれてそれでもなおモバイルWiMAXを使おうと考えるような陣営は無いというわけです。帯域をもらったら、基本的にLTEかHSPA+に使われるはずです。

そういう意味ではまったく意味の無い行動ではあります。モバイルWiMAXの話題性の維持活動のために、実成果と関係ない活動がなされていると見なす事も出来ます。つまり、モバイルWiMAXの日本支部の活動のための活動かもしれません、と。

ただ、モバイルWiMAX一味が帯域を新規参入に割り当てさせ、なおかつモバイルWiMAXで手を挙げるところがあれば話は別です。もっとも、そういう展開になるとは考えにくいですが。何故ならば、700/900MHzは超取り合いになっており、1.5GHz帯は2.0GHz帯以上に変則的な帯域になってしまうからです(また、あの手ごわいソフトバンクの「既得権益」のある帯域でもあります)。


◆そもそも

そもそも、次世代感のある技術ならOKということならば、802.20なども対象になってしまいます。そしてそれなら次世代PHSも混ぜろ、ということになるかもしれません。もしモバイルWiMAXの乱入が認められたらならば、802.20関係や次世代PHSもぜひとも混ぜてもらいましょう。

結局のところ、モバイルWiMAX日本オフィスのアリバイ作りと、遅延行為程度の効果しかないのではないかという気がします。もし、モバイルWiMAXを支持する陣営に孫社長並みの怪物が居て、新規参入で割り込もうとしているのならば意味のはあるのかもしれませんが、日本にそんな怪物はそうそう居るわけではありません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

943 クアルコムが中国の携帯電話会社と組むことになった

引き続いて、中国の(携帯)電話会社の再編関係です。

クアルコムが、中国の(携帯)電話会社に出資し、協力関係を構築する事が決まったようです。


◆中国大陸にクアルコム支部が登場?

中国電信:米国クアルコムとのCDMA技術協議に合意
http://www.chinapress.jp/mobile/11717/

クアルコム:中国電信への資本参入協議、大詰め
http://www.chinapress.jp/it/11735/

まず、以前の記事で書いた再編まとめを再度持って来たいと思います。

※中国移動と中国電信は元々国家唯一の国営通信企業を分割したもの。

グループ1:
中国移動(国営携帯電話会社)(国内1位:世界1位)
+中国鉄通(チャイナレールコム)(鉄道の通信網が由来の固定事業者)
+中国衛星通信(チャイナサットコム)(元は中国電信の一部)

グループ2:
中国電信(チャイナテレコム)(国営固定電話会社:固定1位)(PHS事業者)
+中国聯通(チャイナユニコム)(国内2位:世界3位)のCDMA部門

グループ3:
中国網通(チャイナネットコム)(固定2位)(PHS事業者)
+中国聯通(国内2位:世界3位)のGSM部門

#グループにつけた番号は私が勝手につけた番号なのでご注意ください。

つまりクアルコムは「グループ2」に協力する事が決定し、出資すら話が進んでいます。しかもその相手のルーツは由緒正しい「国営電話会社(固定部門)」というわけです。日本で言うとNTT東西でしょうか。

クアルコムの受ける利益は、

中国電信のCDMA2000の通信モジュールを搭載する携帯電話端末の売り上げより、CDMA技術特許費用を4―5%支払う予定とのこと。

また

クアルコムはチャイナ・テレコムに対するCDMA特許費用を減額する予定であるとのこと。

だそうでして、

アナリストは「CDMA事業の買収後、同社はCDMAネットワークの拡大、また、通信設備の3Gアップグレードへの投資を予定しており、海外資金を導入する可能性は高い」とコメント。 チャイナ・テレコムのCDMA事業買収に対して好感を持つクアルコムは、チャイナ・テレコムとの協力関係を強化し、積極的な資本参加を求めている模様。

GSM部門とCDMA部門にバラバラにされてしまいますが、中国聯通はもともとは世界三位の携帯電話会社です。

中国大陸にCDMA2000のキャリアが登場する可能性はこれでかなり高くなります。クアルコムとしてはこの流れでUMBも導入させてしまいたいところでしょう。というのは、もし仮に、中国以外の世界をLTEが制覇したとしても、中国をUMBで完全制圧すれは、どちらも勝者となります。出資もしたいと言い出しており、結構本気(必死)なようです。

またどうやらこの件について中国側にも、偉大なるクアルコム様と偉大なる中国の大組織が組むのだ、という空気があるような気がします。「ブランド」と組む事で勝ちチケットを買った気になっていると言いましょうか。言い換えれば、中国側が具体的なことについてしっかりと考えていない可能性もあります。

クアルコムに頼るとお金はかかると思いますが(資金調達が大変)、とりあえず問題ない基地局網を構築してくれることではあるでしょう。結果、LTE/W-CDMA陣営が制圧した世界で孤立する事もあるかもしれませんが、自分が巨大だとそういうことは気にならないのかもしれません。

しかし、技術的失敗の可能性が低いとしても、それ以外の理由で失敗することだってあります。さて、どうなるんでしょうね?

クアルコムとしては、もしベライゾンがUMB陣営に留まっていれば、今回の件と合わさった時点でLTEとの勝負の行方はわからなくなったはずなのに、というところでしょう。

また、中国電信はPHS事業者でもあります。クアルコムとの協力関係がどのような影響を及ぼすのか、というところも気になります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

944 中国の(携帯)電話会社の再編、なんともうすでにほぼ完

以前書いた記事の続報です。

中国の(携帯)電話会社、三大グループに集約される見込み(ただし、国策で)
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/05/post_239a.html


◆もうかなり「作業」が進んでしまっている

先日、国家の方針が発表されたばかりだったわけですが、もう実際の再編の作業がかなり進んでしまっています。恐るべき速さです。

China UnicomとChina Netcomが合併――中国の通信業界、本格再編へ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0806/03/news018.html

中国の大手ブロードバンド・固定電話会社China Netcom Group(中国網通)と、中国の大手携帯電話会社China Unicom(中国聯通)は6月2日、合併を発表した。存続会社はUnicom。取引は、UnicomがNetcomを株式交換を通じて買収する形をとり、買収総額は約4392億香港ドル(約563億ドル)。
Unicomは、CDMA事業を総額約1100億人民元(約159億ドル)でChina Telecom(中国電信)に売却することも併せて発表。合併後の新会社での携帯事業はGSMに特化し、3Gへの移行に注力するとしている。
中国政府は5月、通信セクターの再編計画を発表。UnicomとNetcomの合併は「固定と携帯の融合というトレンドに沿うもの」であると同時に、中国政府の計画に沿うものでもある。

以前の記事から、再度再編計画の全体を持ってきます。

※中国移動と中国電信は元々国家唯一の国営通信企業を分割したもの。

グループ1:
中国移動(国営携帯電話会社)(国内1位:世界1位)
+中国鉄通(チャイナレールコム)(鉄道の通信網が由来の固定事業者)
+中国衛星通信(チャイナサットコム)(元は中国電信の一部)

グループ2:
中国電信(チャイナテレコム)(国営固定電話会社:固定1位)(PHS事業者)
+中国聯通(チャイナユニコム)(国内2位:世界3位)のCDMA部門

グループ3:
中国網通(チャイナネットコム)(固定2位)(PHS事業者)
+中国聯通(国内2位:世界3位)のGSM部門

グループにつけた番号は私が勝手につけた番号なのでご注意ください。

ちなみにグループ1については、中国鉄通の買収などが事実上既に済んでいるはずです。今回のニュースは、

・中国聯通がCDMA部門を売ることで合意した(グループ2)
・中国聯通と中国網通が合併する事で合意した(グループ3)

というわけで、実のところこれで今回の再編はほぼ終わってしまいました。

日本では全くあり得ない事が起こっています。まず、お上から「堂々と」と号令が下っての再編だということと、しかも細部まで指示されて決まっている事。それに対して異論や意義が出るところか、光の速度で再編作業が終わってしまっていることです。

なんでも北京オリンピックまでには完全に再編を完了させるとかです。あり得ません。

よく、ビジネスの速度がどうのこうのという話で日本の文句を言う日本の人が居ますが(実際、日本の決定は時間がかかりすぎる傾向はあると思いますが)、迅速なのではなくて、単に野蛮で無謀なだけなのではないかという気もしてきました。合理的とか効率的というよりも、むしろそんな感じがしませんか?


◆第三世代熱

そして、これで中国大陸のPHS事業については再編で考慮されない側の要素となってしまいました。とは言っても元々固定電話網と一体ではあるので、一陣営に統合できるようなものではないのではありますが。

中国大陸のPHSは、携帯電話事業への参入を禁止されていた固定電話会社が「これは携帯じゃないですから」という屁理屈でサービスインしたところ大繁殖したものです(つまり設備投資も一応終わり、なおかつ儲かっている事業ではある)。しかし今回の再編によって、固定電話会社は「本物の携帯電話」を手にすることになります。

おそらく最初は、固定電話会社に悲願の本物の携帯が来るということで、第三世代の話が非常に盛り上がると思うのです(おそらく今はこの段階)。しかし、実際の作業の話が始まる段階になると、かなり面倒で時間と予算のかかる作業が必要になると解って(そして世界的な3.9世代の話などもあり)、そこからが本当の意思決定になるはずです。

ちなみに、世界中が今になってもGSMだらけなのは、同じような悩みに到達した結果、GSMでも高速化できるしそれで良い、となりがちな為です。一度、第三世代に手を出しながら、GSMに戻したりするところすらあります。

またウィルコムとしては、中国ではW-OAMどころかパケット通信すら未サービスのようですし、最新型八本槍を輸出するとか、W-SIMで何かをするとか、次世代PHSのデモをしておくようなことは必要でしょうね。知られなければ考慮される事もありませんから。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

台湾のモバイルWiMAX端末、なんと実効速度は2Mbps

少しだけです。


◆遅くね?

【COMPUTEX/WiMAX Expo】台湾Qisda,WiMAX/無線LAN/EDGE対応のスマートフォンを展示
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080602/305762/

台湾Qisdaは2008年6月2日,台湾・台北市で開催されているイベント「2008 WiMAX Expo Taipei」で,IEEE 802.16e準拠のモバイルWiMAXと無線LAN,GSM/GPRS/EDGEの3ネットワークに対応するスマートフォンを展示した。これは台湾政府が進めるWiMAXの産業振興プロジェクト「M-Taiwan」のテスト用端末だという。

台湾は国策でWiMAXに巻き込まれている、というようなことは以前話題にしたとおりであります。

この記事になっている試作端末もどうやら国家プロジェクト絡みのようです。「M-Taiwan」とは何ともそのまんまの名前です。

そしてなんですが、

WiMAXの実効速度は,「現在の端末は2Mビット/秒程度だが,チューンをすれば8M~10Mビット/秒まで出せるだろう」(同社の説明員)という。

なんかさらっと書いてありますが、2Mbpsだそうです。

帯域幅などの条件が書かれていませんが、おそらく10MHz幅か、もしかすると20MHz幅です。ちなみに、UQコミュニケーションズ(つまりKDDIのWiMAX)は10MHz幅でサービスを開始します。

「チューンをすれば8M~10Mビット」ということなので、5MHz幅という事はないと思います。5MHz幅でそんなに実効速度が出ると言い張っているとしたら、法螺だからです。

しかも、速度というのは利用者が複数いたり、電波状態が悪いと低下します。

HSDPAと比較すると、さらにはHSPA+と比較すると実に微妙なことになっている気がします。もしかすると、3.9世代は端末にするのが難しいから、だけかもしれませんが。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

645 AUも帯域が足りないので規制開始、とドコモの動画戦略

ちょっと前のニュースですが、帯域不足話題繋がりで投稿します。


◆AUといえば節約上手なところですが

AUが利用制限をなさっています。

au、EZwebの大量通信ユーザーを対象にした速度制限試験
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/39905.html

KDDIは、EZwebの通信で連続かつ大量の通信を行なう一部ユーザーを対象にした速度制限機能の導入に向け、全国で同機能の試験を実施する。期間は5月26日~6月30日で、全日ではなく21時~翌1時に限定した形での試験となる
今回行なわれる試験は、大量通信する一部ユーザーに対して、通信速度を制限するというもの。対象となるユーザーは、前々月(今回は3月利用分)の通信量が月間300万パケット(約366MB)以上で、なおかつ21時~翌1時に「auの設備を逼迫させる恐れがある」とKDDIが判断した場合に限られる。

AUはもともと、「帯域の節約上手」なキャリアでした。

一部AUユーザには不評でもあるようですが、定額開始時からずっと、いろんな制限をあちこちに設けていて、定額にしても通信量が極端に増えたりしないように注意しているように思われました。たとえば有名なアプリの制限とか。

結果として、AUは800MHz帯を非常に効率良く利用しています。AUは2GHz帯は今ひとつ使っておらず、その事について2.5GHz帯の騒動の最中に孫社長に悪口を言われたりもしています。
しかし、800MHz帯の方を非常に高度に利用しているため、800MHz帯と2GHz帯をあわせてもなお、帯域あたりのユーザ数はソフトバンクのほうが下で、つまりソフトバンクのほうが総合的には「帯域を無駄使いしていた」という有様でした。

AUはPC定額を提供していますが、PC定額の通信カードそのものが「自分で帯域制限をする」という機能を備えています。そもそも速度はあまり出ないようになっており、さらに連続で通信を続けると厳しい帯域制限を端末自らなさるというありさまです。まさしく節約王です。

イーモバイルの帯域逼迫は無制限で使わせ過ぎなだけであり、ソフトバンクについてはホワイトプランが無茶なだけですが、AUについてはちょっと様子が違うということです。無茶のツケではなくて、800MHz帯が本当に厳しい状態なのではないかと思われます。たぶん、他の二社とは次元の違う悩みのはずです。

おそらく「21時~翌1時」ということですから、ここ最近になってパケットを沢山利用するユーザが増えて来たために、通常の利用を守る必要が出てきたのではないかと思います。

もしかすると、2GHz帯へのパケットを流すのが予定の通りに行っていないのかもしれません。対応端末への乗り換えが遅れているか、エリア整備が遅れているか、あるいは基地局は配置したものの2GHzが圏外になる事が多く、2GHz化したエリア内であるにもかかわらず800MHzでの通信になってしまうとか。

おそらくごく一部の動画見まくりな人とか音楽落としすぎな人限定で、混雑時間帯・混雑地区限定ながら遅いよ状態になるのだと思われます。大半の人にとっては今のところは大きな影響はなさそうです。


◆AUの悩みは続くだろう

原因はおそらく主に動画ではないかと思われるわけですが、制限の話が出た前後にこういうニュースが出てしまっています。

YouTube、au端末での再生に対応
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/05/22/19659.html

AUにとってはもう止めてという感じかもしれませんし、もしかしたらYouTubeが対応する方針であることを聞いて、先手を打って規制を開始したのかもしれません。

なんともAUにとっては頭の痛い状況が続くかもしれません。

しかも、困った事にドコモは「動画を今後のサービスの主軸」に据えようとしています。

これまでの記事で色々書いてきたとおり、ドコモはここ数年のとんでもない設備投資の結果、超最強な基地局網を構築しています。しかも数年すると今度は世界最強のLTE基地局網の建設も始まる事になります。

AUはドコモに先んじて3.5世代を開始したときにはパケット定額を開始し、ドコモは半泣きになりました。ドコモは本来定額が厳しい3.5世代ではない第3世代でパケット定額をして苦労をする事になります。

今度は、ドコモが最強の3.5世代基地局網で動画を売りにし、AUが半泣きになるのかもしれません。

AUの3.9世代展開はしばらく時間がかかります。しかし、今現在の技術で2GHz帯を急遽強化する投資をするにも微妙な時期です。モバイルWiMAXもしばらくは役に立たなさそうです。

なお、動画競争になってしまうと、ソフトバンクはもっと困ります。データ通信が全般的に危ういのでAU以前の状態だからです。イーモバイルにとっても、端末は高くなるし音声より帯域は無駄になるし、ドコモの網のほうが強固な上にドコモは無制限PC定額も音声定額もやっていないのでその分帯域は空いています。

ドコモ以外の各社にとっては動画の流行は望ましくない現象かもしれません。最強ドコモが有利な場所での戦いに引きずり込まれるからです。

ドコモが最近「動画」と騒ぎ始めたのは、もしかしたら結構考えた結果であって、どうやったら他社に最大のダメージを与えられるかを考えた結果かもしれません。ただし、ドコモが流行らせようとしたものが失敗に終わる事は多かったりもしますけれども(例:テレビ電話とか)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

646 イーモバイル、とうとう帯域制限を検討するらしい

というわけで立て続けの更新です。


◆とうとう?それとも

イーモバイルが帯域制限、つまり「一部のユーザ」「一部の利用」をカットすることを検討なさるようです。

イー・モバイル、通信品質確保に向けた対策を検討開始
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/05/30/19768.html

「通信品質確保」なんていう「前向き」な表現が用いられていますが、結局のところは利用制限をかけるということです。

今回の検討は、連続的かつ大量の通信をする一部ユーザーに対して、ネットワークの品質確保や他のユーザーとの公平性を確保することを目的に行なう。ただし、現時点で、ネットワークに影響を与えるような問題はないとのことで、将来的にそのようなユーザーが出現するケースに備える意味で、検討を行なうことにしたという。

わざわざ、「今は全然問題ないんだけど」という断り書きがあります。確かに「今すぐ」ではないのでしょう。しかし、こういう発表をしたら世間でどういうリアクションが発生するかは容易に予想のつくことです。本当に当面は何も問題が無いのならば、社内的に検討するだけですむことです。

わざわざこうやって発表したのは、今すぐではないにせよ、帯域制限の必要性が生じていると見るべきでしょう。つまりこれは、いきなり導入して騒動にしないための予防線なのだと思われます。つまり、導入予告のようなものでしょうね。


◆まだ100万人にも到達していない

イーモバイルの契約者数はまだ50万人弱です。50万人が5MHz幅を使っています。ちなみに、これがどれくらいの「贅沢っぷり」かと言いますと、

・5MHz幅×2
・50万人弱

四倍すると、

・20MHz幅×2
・200万人弱

つまりどういうことかというと、他社で言うと「2GHz帯全部を使って加入者200万人以下」というレベルだということです。ソフトバンク3G(20MHz幅×2)が200万人以下だとか、FOMA(他の帯域も一応あるが2GHz帯が基本)が200万人よりは多い人数という程度の状態です、少なすぎます。

他社と比べると随分と過疎である事がわかります。ドコモとは贅沢加減が一桁違うかもしれません。ソフトバンクもホワイトプランで無茶をしていますが、イーモバイルと比べるとまだ節約をしています。

まあなんというか、本来ならば帯域はスカスカでなければならないはずです。ですが、帯域馬鹿食いのサービスをしているのでこういう事になっているようです。

ちなみに再度補足しておきますと、私はイーモバイルがいわば無理をしてもPC定額をしているのは仕方の無い面があると思っています。おそらくそれ以外に商売の方法が無かったのです。

イーモバイルが唯一他社に大きなリードがあったとすれば、それは新規参入ゆえに「帯域が空いている」ということです。そして、空いている帯域を叩き売りして最初を乗り切ったのが現在の状態ではないかと思います。

無茶なことをやっていますが、しかしスタート地点で倒れてしまうよりはマシだというわけです。

千本会長もいずれこうなることはわかっているはずです。ですから、次第にこうなるのではないかと思います。

・スタート地点で倒れるわけには行かないから、帯域大量消費のPC定額でスタートを成功させる
・帯域を相対的にあまり使わない音声端末でのサービスなどにシフトして行き、無制限PC定額は先細りさせてゆく
・通常の携帯キャリアと同じようなサービス内容にしてゆく

今現在は、音声サービスへの「乗り換え」を進めている時期なのではないでしょうか。CMがそうですしね。音声がなんとかなりそうだったら、PC定額には帯域制限などがなされるのではないでしょうか、次の商売を円滑に進めるために。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

今週の投票 - iPhoneはどこから出る?

投票をやってみようとおもいます。

もうすぐ発表されるもうすぐ発表されると言われつつまだ発表されない「日本でのiPhoneを発売する携帯電話会社」ですが、あなたはどのような結果に「なる」と思いますか。

どのような結果に「なってほしいか」などについてはコメント欄にご記入いただければと思います。

なお、選択肢はもうちょっと増やしたかったのですが、この数が限度のようなので、その他の回答を希望される方もコメント欄を活用ください。

なお、投票を済ませると投票結果を見ることが出来ます。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

647 「次世代PHSは100Mbps以上」は誇張でもあり、控えめでもある

しばらく更新がとまっておりました。

溜まっているネタをどう処理したものかというところですが、まずはウィルコムの例の発表会から、次世代PHSについての発表に関連した記事を書きたいと思います。


◆WILLCOM CORE

次世代PHSのウィルコムでの名前が決まって発表されました。「WILLCOM CORE」だそうです。COREとは「Communication Of Revolution & Evolution」だそうですが、これは略語を考えてから逆に考えたのでしょう、今風のネーミング方法ではない気もしますが。

よって、
・技術の名前は次世代PHSないしはXGP
・それを使って行われるサービスの名前はWILLCOM CORE
ということになるようです。一般で使われる場合はこの区別はされないと思います、あるいはWILLCOM COREという名称自体、あまり使われないのではないかという気もしなくはありません。

また、あわせて速度などについての発表もなされています。

「次世代PHS」サービスブランドネームが WILLCOM CORE に決定
http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2008/05/26/index_02.html

発表には、目標とするシステムスペックに付いての記載があります。

・速度:上下100Mbps以上(さらに数倍を目指す)
・モビリティ:時速300km以上で利用可能(新幹線で利用可能)
・実効速度が出る(混雑で簡単に速度低下したりしない)

というわけで、これまでになく「派手な発表」がなされています。ウィルコムもとうとう「プレゼン競争」に参加したようです。

◆100Mbpsの意味

おそらくはサービスイン直後の速度と「100Mbps」から受ける印象は結構違ったものになるはずでして、そういう意味では誇張のなされた数字であるともいえます。これまでに使われていた「20Mbps以上」ですら、正直なところ実際の利用で感じる速度とは違うものだろうからです。

しかし、こういう速度の発表についての数字が無意味に派手になっているのは以前の記事に書いたとおり、他陣営(LTEやモバイルWiMAX)の方が派手(酷い)です。

その関係についてはこれまで何回も記事を書いていますが、LTEについて最近書いた記事は、

「LTEが250Mbpsを出しました」は実はそれほど凄くない
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/04/701_lte250mbps_f4e9.html

「通信技術の競争というよりも、プレゼン技術の競争」というのが現在の速度競争の真相だと思われます。

次世代PHSはこれまであまりインフレさせた発表は行っていなかったのですが、今回は他陣営と同じような事をしたようです。では、同じく今回の発表について算数考察を行ってみることにします。

まず記事中には※付きで以下のようにあります。

30MHz(全帯域)×2(MIMO)使用した場合の最大伝送速度。サービス開始当初の速度は別途検討中。

ウィルコムには現在20MHzしか割り当てがありません。残りの10MHzは2015?年までは封印されます。またそもそも、サービスイン当初は、10MHz幅でのサービスを行う事になっています。またMIMOブーストも行われているようです。

まずはサービスイン当初の予想されるものを書いてみましょう。速度は実効速度ではなくてスペックということで。

・10MHz幅(上下兼用)
・MIMOなし
・最大20(~30)Mbps

これに算数考察を行ってみたいと思います。まずは30MHz幅にします。幅を三倍にすると三倍以上になるので、ここで括弧を外します。

・30MHz幅(上下兼用)
・MIMOなし
・最大60~90Mbps

さらにMIMOブーストをします。良心的なことにx2のみになっています。LTEなんかはほぼ常に4x4でのプレゼンがなされているのにです。

・30MHz幅(上下兼用)
・2x2 MIMO
・最大120~180Mbps

ウィルコムがプレゼンで「100Mbps以上」と言っている状態を(算数で)計算するとこういう感じになりました。まあ、確かに100Mbps以上です。参考までに他陣営なら臆面もなく用いているであろう4x4 MIMOを用いてみると、

・30MHz幅(上下兼用)
・4x4 MIMO
・最大240~360Mbps

となります。実は「100Mbps以上」という発表は、控えめでもあるわけです。また「さらに数倍を目指す」というのも、確かに目指す事ができることが解ります。実現の目処が立っているという意味では、何ら問題のない発表であるとも言えます。


◆100Mbpsの微妙な意味

ウィルコムが「100Mbps」という数字を用いたのには二つの側面があると思います。

まずは、他陣営のプレゼン競争の中、次世代PHSだけがいわば(結果的に)過少申告になっている状態を止めようと考えた事と、実際にサービスインした際の速度とプレゼンとの乖離を最小限にしたいという数字ではないかと思います。

まず、数字が三桁に到達することには、一般人にとっての心象に大きな影響があります。また、100というのは(一般のイメージでの)光ファイバーの速度でもあります。さらにはモバイルWiMAXで良く出てくる「70Mbps」も超えています。

また100は「最小の三桁の数字」でもあります。あまり調子のよいことを言い過ぎて、サービスイン直後の実際の速度でガッカリされる可能性を一番少なくして、なおかつプレゼンを効果的にしようとしたので「100Mbps」になったのかもしれません。

つまり、「100Mbps」とはサービスイン直後の速度を考えると大げさな速度なのですが、しかし純粋に速度発表競争としてみた場合には控えめであるという数字に思えます。インフレ大爆発な数字にしなかったあたりが、いかにもウィルコムらしいとも言えます。


◆300km/h

また、300km/h以上で利用可能にする事が目標である、という発表もあります。具体的には新幹線での利用を意識した発表です。

現行のPHSでは、そもそも移動時の利用について考慮せずに作られてしまっています。現在のPHSが苦手ながらも移動して使えるのは、後付けで移動時の性能を改良するように努力した結果のものです。よって、PHSが移動が苦手であるというイメージがありますが、これは「移動時の性能が原理的に悪い」というよりも「移動時のことは考えられない形で生まれた」ためです。

次世代PHSでは、PHSを苦しめたこの問題点を最初から無くすように配慮されているはずです。そもそも実現が技術的に難しかったのではなく、考慮されていなかったので苦労しただけのはずですから。

高速移動に対応できるように作られている携帯電話と同種のメカニズムが最初から組み込まれているはずなので、新幹線で携帯電話が使えるのと同様程度には使えるようになるはずです。少なくとも他の3.9世代とは同じ程度の移動性能にはなるのではないでしょうか。


◆実効速度が出る

利用者が多くなっても速度が簡単に低下したりしないようにする、とのことであります。つまり、いわゆる「マイクロセル」の特徴を生かすという発表です。他の技術との一番の違いでもあるかもしれません。

マイクロセルというのは、セルが小さいというよりも「基地局同士の電波が干渉しない」という表現の方が適切ではあるのでしょうが、一般向けにはマイクロセルないしは速度が落ちないという表現の方が良いようです。

この点を極めると、固定回線との戦いすら可能ですが、ただし基地局を非常に沢山配置しなければならなくなります。プレゼンでは既存の1000倍の容量が必要だ、というのがあったそうです。

真のモバイルブロードバンドは容量の面でウィルコム有利とは言えど、固定回線相手の戦いとなるとまだ厳しいようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年5月 | トップページ | 2008年7月 »