943 クアルコムが中国の携帯電話会社と組むことになった
引き続いて、中国の(携帯)電話会社の再編関係です。
クアルコムが、中国の(携帯)電話会社に出資し、協力関係を構築する事が決まったようです。
◆中国大陸にクアルコム支部が登場?
中国電信:米国クアルコムとのCDMA技術協議に合意
http://www.chinapress.jp/mobile/11717/
クアルコム:中国電信への資本参入協議、大詰め
http://www.chinapress.jp/it/11735/
まず、以前の記事で書いた再編まとめを再度持って来たいと思います。
※中国移動と中国電信は元々国家唯一の国営通信企業を分割したもの。
グループ1:
中国移動(国営携帯電話会社)(国内1位:世界1位)
+中国鉄通(チャイナレールコム)(鉄道の通信網が由来の固定事業者)
+中国衛星通信(チャイナサットコム)(元は中国電信の一部)
グループ2:
中国電信(チャイナテレコム)(国営固定電話会社:固定1位)(PHS事業者)
+中国聯通(チャイナユニコム)(国内2位:世界3位)のCDMA部門
グループ3:
中国網通(チャイナネットコム)(固定2位)(PHS事業者)
+中国聯通(国内2位:世界3位)のGSM部門
#グループにつけた番号は私が勝手につけた番号なのでご注意ください。
つまりクアルコムは「グループ2」に協力する事が決定し、出資すら話が進んでいます。しかもその相手のルーツは由緒正しい「国営電話会社(固定部門)」というわけです。日本で言うとNTT東西でしょうか。
クアルコムの受ける利益は、
中国電信のCDMA2000の通信モジュールを搭載する携帯電話端末の売り上げより、CDMA技術特許費用を4―5%支払う予定とのこと。
また
クアルコムはチャイナ・テレコムに対するCDMA特許費用を減額する予定であるとのこと。
だそうでして、
アナリストは「CDMA事業の買収後、同社はCDMAネットワークの拡大、また、通信設備の3Gアップグレードへの投資を予定しており、海外資金を導入する可能性は高い」とコメント。 チャイナ・テレコムのCDMA事業買収に対して好感を持つクアルコムは、チャイナ・テレコムとの協力関係を強化し、積極的な資本参加を求めている模様。
GSM部門とCDMA部門にバラバラにされてしまいますが、中国聯通はもともとは世界三位の携帯電話会社です。
中国大陸にCDMA2000のキャリアが登場する可能性はこれでかなり高くなります。クアルコムとしてはこの流れでUMBも導入させてしまいたいところでしょう。というのは、もし仮に、中国以外の世界をLTEが制覇したとしても、中国をUMBで完全制圧すれは、どちらも勝者となります。出資もしたいと言い出しており、結構本気(必死)なようです。
またどうやらこの件について中国側にも、偉大なるクアルコム様と偉大なる中国の大組織が組むのだ、という空気があるような気がします。「ブランド」と組む事で勝ちチケットを買った気になっていると言いましょうか。言い換えれば、中国側が具体的なことについてしっかりと考えていない可能性もあります。
クアルコムに頼るとお金はかかると思いますが(資金調達が大変)、とりあえず問題ない基地局網を構築してくれることではあるでしょう。結果、LTE/W-CDMA陣営が制圧した世界で孤立する事もあるかもしれませんが、自分が巨大だとそういうことは気にならないのかもしれません。
しかし、技術的失敗の可能性が低いとしても、それ以外の理由で失敗することだってあります。さて、どうなるんでしょうね?
クアルコムとしては、もしベライゾンがUMB陣営に留まっていれば、今回の件と合わさった時点でLTEとの勝負の行方はわからなくなったはずなのに、というところでしょう。
また、中国電信はPHS事業者でもあります。クアルコムとの協力関係がどのような影響を及ぼすのか、というところも気になります。
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