646 イーモバイル、とうとう帯域制限を検討するらしい
というわけで立て続けの更新です。
◆とうとう?それとも
イーモバイルが帯域制限、つまり「一部のユーザ」「一部の利用」をカットすることを検討なさるようです。
イー・モバイル、通信品質確保に向けた対策を検討開始
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/05/30/19768.html
「通信品質確保」なんていう「前向き」な表現が用いられていますが、結局のところは利用制限をかけるということです。
今回の検討は、連続的かつ大量の通信をする一部ユーザーに対して、ネットワークの品質確保や他のユーザーとの公平性を確保することを目的に行なう。ただし、現時点で、ネットワークに影響を与えるような問題はないとのことで、将来的にそのようなユーザーが出現するケースに備える意味で、検討を行なうことにしたという。
わざわざ、「今は全然問題ないんだけど」という断り書きがあります。確かに「今すぐ」ではないのでしょう。しかし、こういう発表をしたら世間でどういうリアクションが発生するかは容易に予想のつくことです。本当に当面は何も問題が無いのならば、社内的に検討するだけですむことです。
わざわざこうやって発表したのは、今すぐではないにせよ、帯域制限の必要性が生じていると見るべきでしょう。つまりこれは、いきなり導入して騒動にしないための予防線なのだと思われます。つまり、導入予告のようなものでしょうね。
◆まだ100万人にも到達していない
イーモバイルの契約者数はまだ50万人弱です。50万人が5MHz幅を使っています。ちなみに、これがどれくらいの「贅沢っぷり」かと言いますと、
・5MHz幅×2
・50万人弱
四倍すると、
・20MHz幅×2
・200万人弱
つまりどういうことかというと、他社で言うと「2GHz帯全部を使って加入者200万人以下」というレベルだということです。ソフトバンク3G(20MHz幅×2)が200万人以下だとか、FOMA(他の帯域も一応あるが2GHz帯が基本)が200万人よりは多い人数という程度の状態です、少なすぎます。
他社と比べると随分と過疎である事がわかります。ドコモとは贅沢加減が一桁違うかもしれません。ソフトバンクもホワイトプランで無茶をしていますが、イーモバイルと比べるとまだ節約をしています。
まあなんというか、本来ならば帯域はスカスカでなければならないはずです。ですが、帯域馬鹿食いのサービスをしているのでこういう事になっているようです。
ちなみに再度補足しておきますと、私はイーモバイルがいわば無理をしてもPC定額をしているのは仕方の無い面があると思っています。おそらくそれ以外に商売の方法が無かったのです。
イーモバイルが唯一他社に大きなリードがあったとすれば、それは新規参入ゆえに「帯域が空いている」ということです。そして、空いている帯域を叩き売りして最初を乗り切ったのが現在の状態ではないかと思います。
無茶なことをやっていますが、しかしスタート地点で倒れてしまうよりはマシだというわけです。
千本会長もいずれこうなることはわかっているはずです。ですから、次第にこうなるのではないかと思います。
・スタート地点で倒れるわけには行かないから、帯域大量消費のPC定額でスタートを成功させる
・帯域を相対的にあまり使わない音声端末でのサービスなどにシフトして行き、無制限PC定額は先細りさせてゆく
・通常の携帯キャリアと同じようなサービス内容にしてゆく
今現在は、音声サービスへの「乗り換え」を進めている時期なのではないでしょうか。CMがそうですしね。音声がなんとかなりそうだったら、PC定額には帯域制限などがなされるのではないでしょうか、次の商売を円滑に進めるために。
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