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635 iPhoneの「料金」リークが「故意」に思える説

ネットで出回っている「iPhoneの日本での料金の噂」についての記事です。


◆iPhoneの維持費はやっぱり高い?

ネットにソフトバンクのiPhoneに関する内部資料なるものがリークされてちょっと話題になっているようです。出所のよく解らない情報で、誰かのイタズラであっても何ら不思議ではないものではあります。しかし、内容的には妥当(あるいは予想の範囲内)のものです。

「リーク」の内容が示すのは、「iPhoneユーザになるには結構お金がかかるらしい」ということです。


◆端末は安くなかった

まず、端末の価格ですが、ジョブス師匠が世界的に有名にしてしまった「199ドル」ですが、これは「販売奨励金を差し引いた後」の価格であることが後ほどわかってしまいました。

日本ではここしばらく「販売奨励金なんて馬鹿げたものをやっているのは日本だけなので、海外を見習って廃止しないと携帯関係がガラパゴスで滅ぶ」でしたが、iPhoneの販売では海外が「販売奨励金」の制度を取り入れているということです。

199ドルというのは、北米でAT&TからiPhoneを買ったときの、販売奨励金を引いた金額だそうです。

そしてどうやら、日本でも同じようなことになりそうです。

リーク:販売奨励金ありでの実質負担額は199ドル(2万円)くらいになるが、一括支払い(本当の端末価格)にすると、6万円くらいになる。

つまり、「新しいiPhoneはとても安くなった」というのはすっかりジョブス師匠に釣られてしまっただけでして(私もでした)、端末そのものの価格は安くなっていないようです。

iPhoneは黒船だと評した人の中には、こんな端末をこんな価格で売り込んだら地殻変動が起きる、という意見もあったように思うのですが、別にそうでもなかった、という結果になりました。むしろ事前の予想のとおりの価格でした。

ただし、iPhoneの原価は結構安いらしいので、アップルは端末の販売自体で結構儲けることになるのでしょう。


◆維持費はやっぱり高そう

孫社長はすぐに「ホワイトプランを適用できるようにしたい」と発言しておりました。ホワイトプランは低価格の象徴ですから、「これは太っ腹だ」というイメージが最初に出来てしまいました。こちらも「安い」というイメージです。

しかし、iPhoneは本来、通話中心に使う端末ではありません。パケットを大量に使うような使い方を本来する端末です。

従来の料金コースで考えると、するとスマートフォン用の定額コースが適用されるべき端末になり、それで料金計算をすると、上限は1万1000円くらいになってしまっていました。これは仕方ないとも言えるのですが(他の機種のユーザはそれだけの金額を払って使っているわけですから)、iPhoneを欲しいと思った人の大半にとっては許容できない金額でした。

こちらについては孫社長が思い切った値下げをするかどうかがポイントでした。

しかし、リークではやっぱり高いようです。

リーク:パケット定額での上限価格は月額一万円弱

少しだけ値下げをして、一万円の大台は越えないようにしたプランになるようです。結局のところ「およそ一万円」と言ったところでしょうか?


◆パケット消費の激しい端末のはず

以下は、発売前の予想なのでご注意ください。

パケット定額なしで使ったら安いのではないか、というようなことはあまり考えない方が良いか(パケ死につながる)、ないしは本当にそんな使い方で気が済むのなら、iPhoneではなくてiPodTouch(+無線LAN)を買う方が良いと考えます。

iPhone/iPodTouchは、快適に「閲覧」が、画像やら動画やらmp3やらウェブページやら届いたメールやらを指でスリスリしてぼーっと見つづけるようなことが快適に出来る端末のはずです。

ただし能動的なことをしようとしたり(例えばメールを書こうとしたり)、難しい事をしようとしたとたんに快適さは失われて操作が面倒になるというような端末のはずです。おそらくメールを書く能力は、普通の携帯にも劣るはず。

個人的にはこれをスマートフォンと呼ぶのはどうかなと思っていて、「スリスリ閲覧専用装置」というような別のものに思えています(新ジャンルの素晴らしい端末)。とりあえず、W-Zero3をパソコン的に使うような使い方(Officeのファイルを編集してしまうとか)はiPhoneには期待できないはず。

ので、端末そのものでオリャーと作業するようなことは苦手で、どちらかと言うとぼーっとしながら「閲覧」を続ける、ないしは気がついたらついついそういうことをやってしまっている、ような端末のはずです。

そうなると、パケットは流れまくりになります。

実際、GSMで速度が今ひとつ出ない現行のiPhoneでも、パケット消費量はかなり多いそうです。3Gになって速度が出るようになったのを良いことに動画を見たり音を鳴らしたりするようにもなるはずです。

定額にしないとあっという間にパケ死するはずですし、ソフトバンクからすると負荷をやたらかける端末の料金を下げると困った事になるということになります。ネットワークには余裕ありませんし。

(この点、ドコモならば現行の定額料金がすでに安い上に、網も頑丈にできているので、太っ腹な料金設定も可能だったかもしれませんし、そもそも「実際に出る速度」が全然違うかもしれません)

また、もしかしたらメールを書いたり通話をしたりするのはかなり面倒で、二台持ちする方が快適、という事もあるかもしれません。長文を打ったり難しい作業をする事が多い人なら、スマートフォンと二台持ちする必要があることもあるかもしれません、例えばWILLCOM 03とiPhoneの二台持ちとか(ワケワカですが)・・

とりあえず私個人としては、もしiPhoneを契約するとしても、iPhone一台持ちにするのは躊躇します(真面目に考えてそう思いました)。

iPhoneとのお付き合いはとにかくお金がかかることになるのかもしれません。


◆意図的なリークに思えた

今回のリークですが、私には意図的なものにも思えています。ソフトバンクが、わざとリークさせて「世間の反応を見ている」ようにも思えます。

つまり、

・月額料金は上限一万円くらいにしないと厳しいのだけれど、果たしてそれでどの程度理解してもらえるか

・ジョブス師匠が「二万円くらい」と大発表して端末代金が安いという話が広まってしまったけれど、実際は六万円くらいですが大丈夫?

・予約が殺到してるけれども、価格が発表になってからキャンセルだらけにならないように「皆さんの思っているような低価格じゃないですが大丈夫ですか?」という牽制球

すでにソフトバンクショップで予約をしたりしようとすると「日本ではそんなに安くないですけれど大丈夫ですか?」と店員がお客に念を押してくるそうです。

私が思うに、熱狂している人が多いので「飛びつく人はこれくらいの値段ならば飛びつく」と思われるので、値下げする必要はおそらく無いんじゃないかと思います。端末一括六万円はむしろ安いようにすら思えます。なぜなら、「欲しい人」にとっては一括10万円でも(文句は言うかもしれませんが)欲しいものだろうからです。

安いから買う端末では決して無くて、並んででも探してでも歩き回ってでも欲しいから買う端末だろうからです。たとえば売り切れ売り切れになってしまっていて、「1万円余分に払えば今すぐ買える場所があるらしい」となったら、そこに殺到でしょうから。

また、今後ドコモが端末を獲得する事態も考えられるため、値下げはその時になってからの切り札にしてもいいのではないかと思ったりもします。おそらくその時には、「ドコモで契約した方が快適に使える」という困ったことになるでしょうから。

「高すぎる」と思った人は、ドコモからも販売されるようになって、値下げ競争になる展開を願うべきかも知れません。

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