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629 FireFoxの「ボス」、iPhoneの不自由さに不満表明

最近FireFoxの新しいのが出て話題になっていますが、FireFoxの「ボス」が同じく最近話題になっているiPhoneに物申しております。


◆「iPhoneはビジネス上の理由で不自由になっている」

快適になった(というか2.0が重すぎただけ?)が好評のFireFox3ですが、「FireFox3が出てよかったね」集会でFireFoxの「ボス」がiPhoneに苦言を呈しておられます。

モジラCEOのジョン・リリー氏
「iPhoneはウェブじゃない」、モバイルFirefoxが目指すもの
http://www.atmarkit.co.jp/news/200806/27/firefox.html

アクセス集中によるサーバ負荷への対応など、あわただしい1週間を過ごしたモジラ・コーポレーションCEOのジョン・リリー氏がリリースパーティーに参加するために来日。6月26日に都内で会見を開き、Firefoxの現在と未来について語った。

というわけでこの集会の趣旨はFireFox自体についての集会です、iPhoneについて何かを言う集会ではないということにはご注意ください。

単体のコンシューマ向けOSSプロダクトとして、すでに大きな成功を収めつつあるFirefoxだが、リリー氏は「青い“e”という文字だけがインターネットではない。インターネットの使い方には選択肢があるのだということを伝えていきたい。FirefoxはOSSの素晴らしさを人々に伝え、参加することの価値を提供できていると思う」とモジラコミュニティの理念を語る。

リリー氏が語る理念は大きく3つある。選択の自由があること、(選択すべき技術仕様やソフトウェアが)オープンであること、標準準拠であることだ。

そして、上記のようなFireFoxの掲げている理念を踏まえた発言である事にもご留意ください。と元記事から引用して断った上で問題の部分をさらに引用したいと思います。

元アップルの社員でアップル製品の愛用者でもあるリリー氏だが、iPhoneを例にオープンであることの重要性を訴える。

「注意しておかないと、すぐにプロプライエタリな技術にロックインされる。ビデオやモバイルは、その好例だ。iPhoneはライセンス上、 FirefoxもサンのJavaも、アドビのFlashも搭載できない。ライセンスの問題で、われわれはアップルのSDKを使えない。アップルは、こうした制限はセキュリティやパフォーマンス上の理由だと説明しているが、本当はビジネス上の理由だと私は思っている」。

一部ではワルイ日本を更生させる正義の使者みたいなことにされているiPhoneですが、FireFoxの「ボス」は悪の象徴としてiPhoneを例に出しています。そして、iPhoneの不自由さを例をあげて説明しています。

iPhoneにはライセンス上の制限(アップルによる制限)で以下が搭載不能
・FireFox(ウェブブラウザ一般が禁止)
・Javaを実行する機能
・Flashを表示する機能

端末に能力が無くて搭載不可能なのではなくて、搭載できるのに搭載させてもらえないということです。これについてアップルは「セキュリティやパフォーマンス上の理由」ということを理由にしているそうですが、これに対して「ビジネス上の理由」(つまりお金儲け)が本音だろうと指摘しています。

iPhoneのソフトウェアの流通はアップルの公式サイトを経由しなければ行う事が出来ない事になっています。よって、勝手に作って勝手につかうもんね、というのは難しいようです。「反則技」で使うことはできるかもしれませんが、それは地下流通ですから、そんなところにサンやらが正式にソフトウェアを提供するわけには行きません。

なぜこれらが禁止されているかというと、これらのソフトウェアは「ソフトウェアを実行する機能のあるソフトウェア」だからだそうです。アップルはユーザのためにこの種の機能を持つソフトウェアを規制していると言っており、この人は「ビジネス上の理由で禁止しているだけ」と言っているということです。

後から補足:もっと解りやすく
アップルは「プログラムコードを解釈して実行するような機能」を持つソフトウェアの開発を禁じているようです。そうなるとJavaの実行エンジンは当然ダメで、Flashもダメなのは容易に理解できますでしょうか?そしてブラウザも実行プラットフォームになりえるので禁止だということです。

FireFoxに限らずブラウザ上では「いろんな処理」が出来ますので、iPhone向けのウェブブラウザの提供は難しいことになります。iPhone利用者はApple自身が提供するSafariを使うしかないということです。批判派の主張によるとですが。

Javaを実行する機能は文字通りソフトウェアを実行する機能、Flashもアプリケーションを実行する機能です。よって開発できません。

FireFox側はアップルが許可しないから「作らないし知らない」という感じでこういう発言をしています。しかし、それでも商売上搭載したいJava(Sun)やFlash(Abobe)は「何とか搭載させてもらえないでしょうか」と交渉しているようですが、とりあえず許可される流れではないようです。

批判派の主張によると、アップルはiPhone上で動くソフトウェアの種類を完全にコントロールしようと(アップル公式サイトでアップルの許可の元に提供されるものしか実行できないようにしたい)しているので禁止しているとされます、ユーザのためではなくて。

過去における似たような例を一つ出すと(正しくはちょっと違いますけど)、マイクロソフトがブラウザやJavaを抹殺しようとしたのに少し似ています(正しくはちょっと違いますけど)。また、任天堂が許可したゲームしか流通を許さない任天堂方式にも似ています、批判派の主張によると。

個人的には難しいところだと思っていて、商売と言うのはそういうものだという気もしますし、しかし、この人の不満と同じものも感じてはいます。ただ、アプリの出し入れが自由でない時点でスマートフォンぽく無い感じはします。


◆ネットの根本である自由の理念に「抵触」

再度、同じ部分を引用しますと、

リリー氏が語る理念は大きく3つある。選択の自由があること、(選択すべき技術仕様やソフトウェアが)オープンであること、標準準拠であることだ。

おそらくオープンソース方面の人々も不快感を示しているのではないかなと思います。

そして「ウェブ」には「ウェブとは自由である」という理念が根本にあるのだとすると、「iPhoneはウェブじゃない」ということになります。

自由じゃないからウェブじゃない、というのは大げさに聞こえるかもしれませんが、ウェブの基本原則が「自由」というのは単なる気持ちの問題ではないところがあります。

ウェブは誰の支配下にもありません、自由で民主的なところがあります。これはコンピューターネットワーク一般が自然に持つ性質ではありません。自由と民主主義的なネットにしようという理念によって「そのように作られた」のでそうなっています。そういう風なネットワークを作ってくれた偉人が過去にいたので、今日のようなインタネットがあるというわけです。

「ウェブではない」と言う批判は表面上の道徳の問題で言っているのではなくて、彼らの魂の問題でもあるということです。

#まあ、だからといって高尚な発言に見せかけただけの発言かもしれません


「私はiPhoneを使っているし、とても気に入っているが、これはウェブではない。App Storeはアップルという単一の企業が管理・運営していくもので、どのアプリケーションを流通させるかはアップルが決める。これはオープンとはいえない。インターネットでアプリケーションを公開するために、誰かに頼んだり、ライセンス料を払ったり、あるいは気兼ねすることなどない。ただ単にアプリケーションを作って配布するだけだ」。

この人が何に不満を持っているかはおわかりいただけたでしょうか?大げさに言うとインターネットの根本にある自由と民主主義の原則に反するアップルの発想を嫌っているのです。

また、ウェブ2.0とかオープン何とかを連呼している人が、iPhoneのビジネスモデルを褒めているとしたら思想的には破綻しているかもしれない、ということになります。

また例としてはあまり良くありませんが、携帯文化圏の人にわかるように説明すると、iPhoneは「勝手アプリが完全禁止されている」世界だということです。つまりドコモで例えると、
・ドコモ公式サイト以外からアプリを落とす事はできない
・アプリだけではなく、アプリに類するものも禁止
・「実質的に勝手アプリ/勝手アプリに類するものを実行できる可能性」のあるアプリも開発禁止。

FireFoxの人が怒っているのはこういうがんじがらめはアップルのエゴだと言っているわけです。

またこういう次第ですから、FireFoxのこの人は日本の携帯電話ウェブ(元祖囲い込みのiModeとか)も気にいりません。

同様の理由で、リリー氏は日本のモバイルインターネットの世界も「インターネットではない」と指摘する。

そういえばこういう日本の「不自由な携帯のウェブ」からの自由を提供した端末こそ、「京ぽん」でした。


◆モバイル版のFireFoxを作っているそうです

「IEがウェブの標準を守ってくれないので困る」という良く聞く不満なんかも記事にありますが、他にはFireFoxのモバイル用を作っている話も出ています。

試作版?をiPhoneを意識して紹介をするプレゼンも行われたようです、どうもiPhoneが気にいらないんでしょうか。

「iPhoneが究極のUIじゃないということをメッセージとして出していきたい。いまモジラ・ラボでは、いろいろなUIのプロトタイプが出てきているところだ」。リリー氏はMac OS XのFirefoxで動くモバイル版Firefoxのデモンストレーションを披露。モバイル端末の狭い画面を想定したUIを動かして見せた。

まだ実験的という印象が強いが、例えばモバイル端末の狭い画面でも使いやすいように、普段は画面の横にナビゲーションバーを隠しておいて、ポインタ(おそらく指)でフリップすることで画面に「戻る」などの操作ボタンが現れるといった動作や、複数のタブをサムネイルで表示して切り替えるといった動的なUIは、直感的だ。

まあ選択肢は大いに越した事はありませんから、「ブラウザを自分で自由に入れることのできる」一般のスマートフォンユーザとしては、早く動くものを作ってもらって選択肢を増やしてもらいたいところでしょう。

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