中国のTD-SCDMA、導入わずか二ヶ月で中国版3.5世代に移行開始?
更新する時間がなくなっています、すみません。
◆TD-HSDPA?
これまで記事に書いたとおり、中国大陸では、国策の独自の第三世代技術のサービスインが、2008年の4月1日(なんとエイプリルフール)にありました。
もともと、W-CDMAやCDMA2000に少し遅れてサービスインするはずだった技術でしたが、実用化は遅れに遅れ、おそらく北京オリンピックには間に合わせたいというだけのことで、何とか直前の試験サービスインが行われたようです。
その後の状況はあまり伝わってきませんが、どうやらあまりうまく行っていないようでして、その事についても記事にしました。
#過去の記事をTD-SCDMAで検索してください
「大丈夫かなあ」という風に思っておりまして、読者の方もそう思われていたはずなのですが、なにやらよく解らないニュースが湧いて出てきています。
【中国】中国移動、中国 TD 規格を5月末に 3.5G 規格にアップグレード
http://japan.internet.com/allnet/20080516/26.html
5月15日、中国国内メディアの報道によれば、中国移動(チャイナ・モバイル)は5月末に TD 規格(TD-SCDMA:中国独自の 3G通信規格)を 3.5G 規格(TD-HSDPA)にアップグレードさせることを明らかにしたという。アップグレードの実施により、接続速度は大幅に上昇し、2.8 Mbps に達する見通しとのこと。
なんとも(悪い意味で)驚きのニュースです。
まず、なにやら危うい感じになっているらしいTD-SCDMAであり、既存のTD-SCDMAの基地局網の問題を何とかすべき状況のはずなのですが、ここでなぜかの新技術投入です。
しかも、五月末です。TD-SCDMAの試験サービスを開始したのは、4月の頭です。二ヶ月で3.5世代移行というのは、いかがなものでしょう。
また、「2.8 Mbps」という半端な速度だということもまた微妙な印象です。
北京オリンピックまでに3.5世代のサービスインまでやってしまいたくてしょうがなかったのでしょうか?正直なところTD-SCDMAのサービスインすら無理矢理な感じでしたから、ここまで来るともうなんだかよく解りません。
ただ、もし仮に(仮にですけどね)、この技術が問題なく動いた場合には、中国市場に巨大なマーケットが存在して量産効果を見込むことが可能で、なおかつ3.5世代としても使えるものが、日本の2GHzTDD帯域でも利用可能になった、ということにもなるかもしれません。現地で調査を行って、TD-SCDMAは今は初期状態だけれども将来は大丈夫だぞ、ということが解ったのならば、日本でTD-HSDPAをサービスインするのも選択肢かもしれません。
ただまあ、そんな風には全く思えませんけれども。
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