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702 続き:KDDIが次世代の「様子見」をする条件が揃った?ベライゾンのLTE早期開始で

続きの記事を投稿します。

やっぱりLTE:北米の700Mhz帯の使い道が発表される
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/04/703_lte700mhz_efbc.html

の続きです。


◆KDDIが「事前に確認したいもの」は全て事前に?

ベライゾンはLTEに一気に移行するというような感じの発表でした。移行すると決めた以上全力で、ということではないかと思います。

ベライゾンが言っているとおりに2010年「まで」に北米でCDMA2000+EV-DO+LTEのサービスインが実現した場合を考えてみます。ベライゾンは2009年2月から帯域を利用する権利がありますから、確かに2009年から早速LTEのサービスを始めたいところでしょう。帯域を遊ばせておいても意味がないですから。

この場合、KDDIが「様子見牛歩戦術」を取りたいと考えている場合には、実に都合の良いことになるかもしれません。。

KDDIが取りうる次世代の選択肢はおおよそ以下のとおりです。

・LTE(Super3Gや3.9世代とも呼ばれているもの)
・モバイルWiMAX(あるいはその改良版)
・UMB(クアルコム版の3.9世代)

現在KDDIはLTEとモバイルWiMAXを候補として考えているはずです。あるいは両方とも駄目だった場合には、敢えてUMBに移行することもあるかもしれません。

これ以外の可能性は低いですが、「あえて」それ以外の候補を挙げるとすれば、京セラ繋がりで次世代PHSも候補とする事は可能かもしれません。

KDDIが現在知りたいのは、「CDMA2000からLTEに移行したらどうなるのか」ということと、「モバイルWiMAXは携帯として(今後)どの程度使い物になるのか」(現状のままでは使い物にならないとKDDI自身が事実上認めている)の二つのはずです。

次世代はLTEで決定という空気もありますが、次世代はW-CDMAで決定の空気だったのにサービスインしてみるとひどい状態で、最初からきちんとサービスインできたCDMA2000を採用していたAUが快進撃をするきっかけになったということもあります。

LTEが駄目とわかってW-CDMAキャリアにはHSPA+が流行り、KDDI自身が手がけるモバイルWiMAXはもう勘弁な状態、という場合には「それ以外の候補」が正解になる可能性はあります。

逆にいえば、LTEが「外れクジ」だった場合に、CDMA2000からLTEに移行を開始してしまうとKDDIには逃げ場所がなくなります(KDDIはHSPA+に逃げられません!)。よって、仮にLTEが外れクジだった場合に移行を決めてしまっていると、KDDIには取り返しのつかない事態になる可能性もあります。

そして、以下のKDDIの知りたい以下の事は、近いうちに判明する可能性があります。

・CDMA2000からLTEに移行したらどうなるのか
・モバイルWiMAXは(今後)携帯としてどの程度使い物になるのか

都合のよいことに、2009年の終わりには上記二つの疑問にある程度の答えが出ている可能性があるかもしれません。


◆2009年

日本ではドコモが2010年中にLTEを開始したいといっています。ドコモがLTEを早期にサービスインしようとするのは間違いありません。ただし、LTE用の帯域を早期に用意するのは難しい状況に思えます。

おそらく本格的にLTEがサービスインするのは2011年以降になるのではないかと思います。あるいは、サービスイン自体が2011年に遅れてしまうかもしれません。

ソフトバンクとイーモバイルについては、LTEのスタートダッシュで大勝負を仕掛けてくるなどのことが無い限り(しかもそんな事をしてもドコモには勝てないでしょう)、普通に考えてドコモよりはサービスイン計画が遅れる事になるはずです。また、両社ともにHSPA+で高速化をしつつ様子を見ることも可能な状況です。

そのとおりになるかどうかは定かではありませんが、アメリカの700Mhz帯の記事では、スプリントは「2010年までには」と言っています。

まとめるほどの事ではないですが、

2009年~2010年 ベライゾンがCDMA2000+EV-DO+LTEのサービスを開始
2010年 ドコモがLTEのサービスを開始予定
2011年 ドコモのLTEへの移行の本格化?、他の二社もLTEへ着手?(あるいはHSPA+で様子見)

「ベライゾンのサービスインが2009年~2010年早期に行われる前提」においては、KDDIが「ベライゾンのLTEへの移行の様子を実際に確認してから」次世代への態度を決定しても、ドコモのLTEへの移行に大きくは遅れを取る事は無い、ということになります。

しかもベライゾンはKDDIと全く同じ状況の「CDMA2000+EV-DO+LTE」です。KDDIにとって一番知りたい「CDMA2000から移行した場合何が起こるか」が事前に解る事になります。

また、KDDIのモバイルWiMAXの予定を書いてみると、

2009年2月 東京23区および横浜市などで試験サービス
2009年夏 東名阪地区へとエリアを拡大/商用サービスを開始
2009年度末まで 政令指定都市
2010年度末まで 全国主要都市

こちらも2009年中にどの程度のものかは判明するでしょう。なにしろKDDI自身が手がけていますから、他社には解らないことまですっかり解っているはずです。

またスプリントがモバイルWiMAXをどうするかについてもさすがに2009年中には決着がついているでしょう。CDMA2000+モバイルWiMAXを(本気で)採用する陣営が北米に存在するかしないかということも解っているはずです。

おまけに次世代PHSも2009年末までには姿を現しているはずで、しかもこちらは身内の京セラが開発していますから内々の情報まで知る事も出来るかもしれません。

もしLTE自体が遅延した場合には、ベライゾンもドコモもその他他社も同じくサービスインが遅れるはずです。様子見できる時間そのものが延びます。

ベライゾンが「可能な限り早期のLTEサービスインを目指す」前提において、KDDIは「見たいものを全部見てから、次世代をどうするか決める」ことが出来るかもしれないということです。

KDDIは2009年末までならば、EV-DO Rev.Bをサービスインしつつ問題なく様子見を続ける事はできるはずです。なにしろ他社の次世代はまだ全然始まらないのですから。

モバイルWiMAXは「自分のところがサービスイン」しますし、次世代PHSは少なくとも問題になる携帯三社とは関係無いですし、日本でのLTEはもう少し時間がかかるでしょうし(帯域の用意の問題などで)。


◆ベライゾンにとっての2009年

ベライゾンからすると早期にLTEへの移行に成功すれば、日本のKDDIやスプリントも自陣営(CDMA2000+EV-DO+LTE)に巻き込むことができる可能性が増えます。この場合、仲間は増えるに越した事はありません。

また、既存の帯域の切り替えではなくて「新規の帯域」ですから、LTEを遅らせても帯域が遊ぶだけです。新しく獲得した700Mhz帯に繋ぎでCDMA2000の電波を吹くことも考えにくいですし。

エリクソン(など)からすると、北米のベライゾンは既にLTE側につき、スプリントは弱体化しており、あとはKDDIさえ陥落させれば日米欧はLTEでほぼ完全制圧したことになります。

しばらく前まではKDDIとスプリントがCDMA2000+モバイルWiMAXで似た取り組みをしており、ベライゾンも次世代への態度未定でした。CDMA2000陣営の世界三大キャリアはしばらく前までいずれもLTE陣営には居ませんでした。

場合によっては揃ってUMBやモバイルWiMAXを採用してLTEと敵対勢力として集結する可能性すらあり、CDMA2000陣営の三大キャリアはエリクソン(など)にとって問題勢力でした。この三キャリアからLTE以外が育ち、世界に広がる可能性がありました。

しかしスプリントとモバイルWiMAXは急速に弱体化し、2007年末にはベライゾンがLTE側へ完全に寝返りました。

KDDIは以前にはUMBに移行する雰囲気濃厚で、モバイルWiMAXにも手を出しているという厄介な存在だったはずです。しかしKDDIのUMB移行の可能性は低くなり、ここでベライゾンのLTEへの早期移行を問題なく成功させればKDDIの心が大きく揺らぐのは確実です。

もし2009年中にベライゾンの大成功が見えてしまえばKDDIの将来はほぼ決定です。そうなればドミノ式にスプリントの将来も自動的にほぼ決定となりましょう。

またKDDIがLTEへの移行を決定した場合には、ベライゾンの移行例を参考(真似)にして割とスムーズに移行するということになるでしょう。そうなれば日本でLTEへの移行競争勃発という事になりましょうから、LTE陣営としてはこれも思う壺という事になります。

そしてKDDIからすると、結局もうしばらく様子見をしていれば必要な事はかなり解ってしまうという事になる気がします。しかもモバイルWiMAXを自分の手の中に握ったままで。

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