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699 三月の携帯純増数:SBM僅差首位、ウィルコムは低空飛行、そして「AUが3000万突破」が意外に重大な事実

三月の携帯契約者数の増減の結果が発表されたので、記事にしてみたいと思います。

#実は風邪を引いています。


◆SBM一位

まずは結果一覧を掲載。

ドコモ 17万3700
KDDI 50万0500
AU 54万3100
SBM 54万3900
EM 13万0200
WILLCOM 1万8300

念のために説明をすると、KDDIというのは「ツーカー+AU」のことです。

今月はソフトバンクが僅差ながら一位でした。僅差で一位の場合には、KDDI<SBM<AUというどちらが一位なのか微妙な状態である「およそ一位現象」が発生しやすいのですが、今月はツーカーの動きが止まっていたために、「おそよ一位現象」は発生しませんでした。

なお、ツーカーは三月末で完全停波しております。しかし、ツーカーのユーザの数をゼロにする処理は三月分に加算されなかったようです。よって、来月の発表では、KDDIの数値は盛大に削られる(ツーカーをゼロにする処理のマイナスをかぶるため)ということになると思います。

ソフトバンクはホワイト学割があるので、もっと健闘するかと思いましたが、僅差で一位でした。

ドコモは意外に健闘しています。二年縛りと引き換えの「家族間定額」の効果などがあったのかなあとか、人間以外の契約が多かった(自動販売機など)のではないかと思ったりしています。

「家族間定額」については、これはユーザに料金ではなくて「自由」を支払わせているということで、「解約妨害割」という名前を付け、以前記事にした事もあります。

「家族間通話定額」は「窮屈な携帯の未来」の一部でもある - 「解約妨害割引」と「二台待ち」
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/02/721_d43a.html

今年のドコモは「解約妨害割」(二年縛り+家族縛りの複合妨害)で順調に解約率を減らすのではないかと思います。もしかするとこの4月の数字は、これから一年のドコモの「妨害作戦による健闘」の序章かもしれません。総務省や競合他社は、そろそろこの問題に対策をした方がいいかもしれません。

イーモバイルについては前例のないことなので、多いのか少ないのか解りません。しかし意外と少なかったような印象を受けています。イーモバイルについては現契約者数が非常に少なくて解約の効果がほとんど無いので、もっと盛大に増えていてもおかしくはなかったはずですが、初期料金が高すぎたってことでしょうか(しかし、初期料金を大盤振る舞いしていないのは、正しい判断だと思う)。

ウィルコムについては、新機種が好調で、しかも三月であり、3880円定額も始まりましたが、いつも通りの低空飛行となりました。純減しないのなら、しばらく低空飛行でも良しとしましょうか。来月も低空飛行でお願いします。


◆意外と重大な事実:AUが3000万突破で「帯域追加割り当て」の権利発生

結局、大勢としてはこれまで通りの流れの範囲内の結果でした。数字としては。

それ以外については、
・ドコモの(PHSを含む)市場シェアが、50%を切った
・AUが3000万に到達した

前者については、とうとうという感じもしますし、むしろ「まだドコモは半分もある」というところに驚きを感じます。

ドコモには、ドコモ式の優良ユーザ(支払いが良くて、ろくに使わないので設備に負担をかけず、解約せず、機種変更もあまりせず)がかなり多いはずです。その上に「解約妨害割」が順調な滑り出しです。ここ数年で第三世代の初期の大失敗を帳消しにして強固なインフラを構築し、次世代(LTE)では万全の体制を敷きつつあります。三分の一になる日は当面来ない気もします。

後者ですが、これは意外に重要な事実です。

通常ならば、これは言ってみれば「キリ番」なだけであって本質的には達成前と達成後で特に違いはない、というのが正しい理解だと思います。3000万達成が公約だったらしいことを考えても、本来はそうだと思います。

ところが、AUの3000万確保は「戦略的な意義」があります。

というのは、AUは3000万確保によって「電波帯域を追加で割り当ててもらう権利を得た」のです(そのはずです、間違っていたら訂正します)。

3G事業者は、帯域割り当てを公平にするために「利用者数に対して帯域の割り当てを行う」というルールが出来ています。これは、利用者数に対して帯域が多いと有利になるために、追加割り当ては公平にしようということで決まっているルールです。

「利用者数に対して帯域が多いと有利」の典型的な例としては、イーモバイルが挙げられます。パソコン向けに定額を提供できているのは、新規参入なので(最初は)帯域に思いっきり余裕があるためです。イーモバイルはその余裕を取り崩して初期の評判を作ったのです。

実はソフトバンクの音声定額も、第三世代への移行が送れていて第三世代のユーザ数が他社よりも少ない事を逆手に取った作戦でした。そのことは、孫社長自身が認めています。

例えば、ドコモがしばらく前に1.7Ghz帯の東名阪帯域を割り当てられていますが、これもこのルールによる追加割り当てでした。

AUは2Ghz帯はあまり活用していないのですが、800Mhz帯を鬼のように活用しているために、結果的に全体では「追加割り当て条件」に到達した、というわけです。AUが2Ghz帯をあまり活用していない事はいろいろ言われますが、実はトータルでは帯域を有効利用していたというわけです。


◆追加割り当ての権利

次世代(LTE)への移行には、既存の帯域をなんとかして開けるか、新帯域が必要になります。

ドコモは鬼のような設備投資をしていますから、ドコモにしか出来ない文字通りの力技で既存帯域に空きを作る事もできるでしょう。またそもそも、追加割り当ての権利も持っています。

AUは2Ghz帯には(今のところは)比較的余裕があるので、こちらで空きをひねり出す事は可能でしょう。そして、追加割り当ての権利まで手に入れてしまいました。

今後割り当てられる可能性のある帯域を挙げると、

・1.7Ghz帯の残り
・700/900Mhz帯
・1.5Ghz帯の再編後の再割り当て

AUはこれらで優位に立ったと言えるのではないでしょうかと。

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コメント

1.7GHzの追加割当て帯域の条件を出してみると
各グループ08年3月末現在の3G利用状況
ドコモ    4394万加入 30MHz幅(800MHz帯15MHz幅除く)
 追加割当て条件3000万、3500万、4000万は達成済み 次割当て条件4500万
au      2968万加入 15MHz幅(800MHz帯15MHz幅除く)
 追加割当て条件750万、1500万、1875万は達成済み 次割当て条件3000万
ソフトバンク 1400万加入 20MHz幅
 次割当て条件1500万
イーモバイル 41万加入 5MHz幅
 次割当て条件250万
とすると、残り5MHz幅2つ分はauが獲得できる可能性が高いような気がします。
ただ、最初の5MHz幅2つ分をドコモが獲得した時と異なり
今後は800MHz帯も考慮しなければという話に変わっていた場合は、
後2~3か月で3グループとも条件を達成しそうなので
どこが割当てされそうなのかは見ものかも知れません

投稿: 匿名(まだ仮) | 2008/04/15 18:05

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