698 2GHz帯(TDD)でMediaFLOを使えないかなあと考えてみた
適当な記事ですのでご了解ください。
◆2GHz帯(TDD)をどうしても欲しいところは無い流れでしょうか
2007年末には2.5Ghz帯の取り合いで盛り上がっておりまして(良い意味でも悪い意味でも)、その際の場外乱闘に巻き込まれたことや、2.5Ghzでなくても帯域が欲しいというその場の盛り上がりで、2008年を迎えた時点では、「2.0GHz帯の割り当て」についてもテンションが高い状態で、国も割り当て作業を急いでいる状態でした。
しかし、その後熱が醒めて冷静になってきたからなのか、現在にいたるまで前回の落選組から「2.0GHz帯をぜひとも獲得したい」という声は無いのが現状です。
前回の騒動を牽引した、孫社長と千本会長のお二方についても、孫社長は発言無し、千本会長についてもLTE(TDD)を提案するという不気味な動きを見せましたが、その後「とりあえず提案してみただけで、凄く熱意があるわけではない」的なリアクションがありました。アッカも沈黙したままです。各陣営の真意はともかく、今のところ見える動きは無い状態です。
2.0GHz帯で候補になりうる技術の候補とそれぞれが何かついては、これまでブログで何回か記事にしていました(読んでいない人はどうぞ、たいしたものではありませんが)。
しかし、決定的な選択肢と思えるものは私には思いつかず、複数の選択肢が一長一短に思えています。私の感想としては、「これは正解だな」と思えるような選択肢にするためには、帯域を獲得した後のビジネス展開も考えての「意外な用途」を思いつく必要があるのではないかと思っています。
そして落選組にとっては、どちらかというと帯域を獲得しない方が正解にも思えています。例えばソフトバンク、既に持っている2Ghz帯と干渉すると言っています。イーモバイルについては1.7GHz帯に集中するのが筋でしょう(他の通常帯域ですら手を出すべきではない)、所帯の小さいイーモバイルがメインストリームな用途には使えない2GHz(TDD)に手を出すのはどうかなと。
そして、帯域を一番美しく利用できるであろう「EV-DO Rev.Bによる利用」については、2.5Ghz帯を得たKDDIにさらなる割り当てを行う必要があるという点で、各社の同意が得られません。
こういう感じではないかなと思います
・自分のところが積極的に獲得する計画は作れていない
・しかし他社が獲得するのは嫌な感じである
・他社の獲得を防ぐ最も確実な方法「自社で獲得に乗り出す」は困る(良い使い道が無い)
・しかし、どこかの会社が凄い使い方を考えついていると恐い
・一番望ましいのは、他社が間違って獲得して自滅すること
・どこにも割り当てられないというのも悪くない結末
自分が取っても今ひとつだけれども、敵に取られると脅威になる可能性がある、という状況になっているように思えます。そしてこういう場合には、関係勢力で手打ちをして「空白地帯にする」のがやはり正解なのかなとおもいます
ただ、そのつもりで動いていて、どこかがこっそりと凄い使い方を思いついていたりすると、とっても困るわけです。実際どこかがひっそりと必殺ビジネスプランを作り上げている可能性はあるのではないかという気もします。
◆AUがRev.Bで使うとすれば
どこも手を挙げずに割り当てが流れたとしましょう、そしてやはり活用されるべき使い方で使われるべきであるということになって「EV-DO Rev.Bによる利用」が出てきたとしましょう。
KDDIにとっては労せずに(設備投資もほとんどかからない)2Ghz帯の容量を一気に増やす事が出来ます。ですが、他社は最後まで足を引っ張るでしょうし、これによってKDDI/AUの帯域追加割り当ての権利を消費することになってしまい、700/900Mhz帯の獲得で不利に働くかもしれません。ペアになっていない、たったの15Mhzのために。
新規参入に割り当てるとすると、前回のアイピーモバイルの大失敗の二の轍を踏みたくないという力が、非常に強く働いて上手く行かないように思います。すでに書いたように、普通に思いつくような正解の使い方は無いように思える状態です(例えばW-CDMA/HSPAのような鉄板が無い)。しかし、それ以外の使い方になるとチャレンジを伴う使い方になり、新規で大丈夫?ということになります。アイピーモバイルもチャレンジ組でしたから。
◆そこで考えてみた全く違う使い方
そこで、
・各社が手打ちをするような結末になる
・既存のニーズに沿ったような割り当て
で何か無いかかんがえてみて、「これまでにまったく出ていない選択肢」が無いかどうかを考えてみることにしました。
問題になっている帯域はペアになっていない帯域です。そして、TDDでの選択肢についてはこれまで記事にしてしまっているので新ネタがありません。そこで、ペアになっていない場合のもう一つの使い方「放送」での利用について考えてみました。
700/900Mhz帯で、モバイル向けのテレビ放送の帯域への割り当ても話し合われているようです。といいましょうか、あらゆる勢力が「俺にも帯域をくれ」とわらわら集っている状態です。
脱線しますが、ひどいもの(と私が思えるもの)になると、自動車業界が車と車の間の通信のために結構な帯域をくれといって居たりするようです。以前から書いているように700/900は貴重な「非常に良質な帯域」なのであって、700/900でなくとも良い用途には使うべきではないに決まっています。
正直なところ、車と車の間の通信なんてもっと使い勝手の悪い帯域で十分だろうし、専用帯域を割り当てる必要すらない気がするのですが(雑多な用途の帯域の使い方の一つでよい)、自動車業界の声が大きいからそういうことになっているのでしょうか。
以上脱線ですが、こういう感じでつまらない駆け引きがどんどん続いているような状況にあります。
モバイル向け放送については、
・ワンセグを(ベースにした)日本方式を主張する陣営:ドコモや放送局など
・MediaFLOを使いたい陣営:KDDI(AU)、ソフトバンク
で揉めています。そして、両方への割り当てを行うだけの帯域は用意できないと見られています。そして、車の通信と違って、こちらは両方の方式とも存在しても悪くはない話ではないかと思います。
ならば、どちらかを2Ghzに移動できないかと思ってみたりするわけです。
◆2GHzにMediaFLO
ワンセグな方式は確か14Mhz幅くらいを必要とします。よって、こちらを2Ghzに移動させることも(もしかすると)可能ではないかと思います。しかし、日本方式ではないのでどうしてもMediaFLOが不利でしょうか?(既存の放送局が絡むので)
MediaFLOについては、6Mhz幅だけで放送が出来てしまうようです。
6Mhz幅で、
・QVGA
・30fps
・20チャンネルくらい
・併せてその他の種類の放送も出来るらしい
・6Mhz幅だけで全国をカバー可能(干渉防止のために6Mhz幅×3などにする必要は無い)
と結構な事が出来ます。知らなかった人には結構驚きの事実かもしれませんが、たった片方向6Mhzでこれだけのことができるんですね。
MediaFLOはもともとテレビ向けだった周波数帯にしか対応していないはずで(400~900MHz?)、2Ghzに対応したMediaFLOは無い筈です。しかし、もし「MediaFLOを2GHz帯で利用する事が出来る」(対応機器は十分に開発可能)として、
・700/900Mhz帯 ドコモ陣営に
・2GHz帯:KDDIとソフトバンクの両方に割り当てる(15Mhz幅に6MHzを二つ入れる)
そのようにすると、
・モバイル放送の日本方式とMediaFLOの喧嘩は丸く収まる
・三陣営ともに放送が出来るようになる
・取り合いになっている700/900から、余している2GHz帯への移動を図った形になる。
・MediaFLO陣営は先制攻撃ができる(先に放送を開始できる)
・難題の2Ghz(TDD)帯はめでたく「各陣営手打ち」の形で放送に使われて消滅する。第三の勢力に予想外の使われ方をされることはなくなる。
と、いうことでおおかたについては各方面が丸く収まります。
まー、素人がありもしない事/実現できない事を想像しただけの話でしょうけど(と思って書いてます)、本当にMediaFLOに使えるのならば、こういう風にして欲しいとかも思います。一般人には一番インパクトの大きい「帯域の使い方」になると思いますし。
この話、技術的に現実性があるのかないのか判定できる人はコメントいただければなあと思います。今日の夕ご飯を食べている時になんとなく思いついただけの話なので、申し訳ないのですが。
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