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659 TD-SCDMAはどうやら苦戦中

2008年4月1日からサービスインしている、TD-SCDMAですが、どうやら(予想通り?)あまり上手く行っていないようです。


◆国策の第三世代

まず最初に簡単な説明を。

TD-SCDMAというのは、中国が国策で開発している第三世代携帯技術です。

そもそもは、CDMA2000やW-CDMAと同時期(少し遅れて)開発が開始されており、CDMA2000やW-CDMAに多少遅れてサービスインする事になっていたのですが、その後開発は延々と遅延してしまっており、2008年4月1日にようやく試験サービスを開始できた状態になっただけ、というのが現在の状態です。

2008年4月1日に「試験」サービスインしたのは、中国の威信をかけたオリンピックで国策の技術をお披露目したいという目標にギリギリ間に合わせるためだ思われます。もしかすると無理にサービスインしているかもしれません。

東アジアの国策技術というと他にはWiBroがありますが、こちらはサービスイン後の状況はかなり問題だらけで利用者数などは非常に厳しい状況のようですが、結局どんな有様になっているかについての記事はほとんどありませんでした。記事自体はあるのですが、日本を批判する流れで(具体例を出さずに)WiBroを話に出すようなものくらいでした。

TD-SCDMAについても、現地の実態の情報は同様に出てこないんじゃないかと思っていたのですが、幸いにしてそうではないようなので、現地の状況を伝えていると見られる記事で私が見つけたものについて引用してみることにします。


◆そもそも繋がらないらしい?

技術的な問題でどうしても穴が空いてしまうのか(例えばWiBroはこれが疑われます)、それとも基地局の整備がろくに出来ていないのでそうなっているのかはわかりませんが、エリア的にどうも厳しいようです。

TD-SCDMA:北京市の電波弱いと指摘
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0421&f=it_0421_003.shtml

TD-SCDMA連盟は17日、現在行われている商用化テストについて専門家を招いて意見交換会を行った。その結果、広東省広州市や深セン市に比べて、北京市の通信電波が特に弱いことが明らかになった。
通信専門家の李進良氏は、テスト開始以来、北京市、広州市、深セン市を訪れて電波状況を確認したが、北京市が一番悪かったと指摘。北京市内には現在約2000カ所の基地局があるが、更に700-1300カ所増設しなければ、北京オリンピック期間中の需要を満たせないとアドバイスした。

なんとも要領を得ない記事ですが、とりあえずエリア的問題があるようです。通信電波が弱いというのは、要するに圏外になりやすいと言いたいのでしょう。

北京市内で2000箇所というのが多いのか少ないのかは解りません(基地局配置密度について解る人はコメントください)、加えて700-1300という話が出ていますが、その数字は一体どこから出てきた数字なのかわかんない数字です。つまり、かなり増やさないと足りませんといいたいだけなのでしょう。どうにも中国の怪しい方のイメージそのままがしてしまう記事です。翻訳が悪いだけと思いたい。

また、最初は珍しさで利用者が来ていたらしいのですが、とうとうそれも来なくなったとか。

3G携帯電話:差別化足らず、スタートから苦戦
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0416&f=it_0416_002.shtml

中国移動(チャイナモバイル)が第3世代(3G)通信TD-SCDMAの商用テストを開始して、既に2週間が経過した。今は3Gを求めて訪れるユーザーの姿もまばらで、当初の勢いは既に失われている。
上海市人民路にあるTD-SCDMAの展示会場では、2時間のうちに5人しかユーザーが訪れず、対応携帯端末も全く売れていない。発売初日には長蛇の列ができていたが、現在の状況を前にして、責任者も具体的な契約数を明かそうとしない。

そもそも試験サービスなので、限られた数の端末しか提供されていないはずなのですが(またそもそも、中国の人口は多いわけで、日本基準で数を認識してはいけない)、どうもそれすら掃けていないようです。

実際に興味を持って体験サービスを利用したり、販売員から機能について説明を受ける人は多いものの、購入を決断する最後の決め手に欠けるようだ。あるユーザーは、「3Gのデータ通信機能に興味を持っているが、特色がない」とインタビューに答え、他のワイヤレス接続と大差がなく、なかなか購入に踏み切れないと明かす。

日本では新技術だというだけで買ってしまう人が割と沢山います、TD-SCDMAの試験サービスは既存サービスよりも料金的に優遇されているようですから、日本だったら試験サービス用の枠は物好きで結構消化されてしまっている気もします。

「通信方式?」「具体的に今までの電話と使ってどうちがうの?」「それなら買わないなあ」中国の人は現実主義のようですね。


中国でTD-SCDMAの商用テストサービスが開始
http://journal.mycom.co.jp/column/wmobiletopic/009/index.html

鳴り物入りで登場したTD-SCDMAサービスだが、開始前から指摘されていた通りに問題が多発しているようである。ネットワーク、端末共に品質が安定していないようであり、中国内の報道によると通話中の突然の切断、電話がかからない、ネットワークを拾わないといった問題が各都市で発生しているとのことである。また端末も、電源投入後30分で突然使えなくなる、ハングアップする、といったトラブルが発生する機種もあるとのことであり、利用者からの反応は思わしくないものばかりだ。

どうやら初期FOMAどころではないようです。

端末が不安定な点については「次からはちゃんと作れ」で本サービス開始までにも対応することも可能でしょうし、電波の点についても単にエリア整備が不十分であるというだけならば、基地局をもっと整備する(あるいは正しく整備しなおす)ことで割と早期に解決は可能でしょう。しかし、技術そのものの問題による不安定であるならば、年単位で現在の状態が続くのではないかと思われます。

TD-SCDMAの成功を願う人、あるいはW-CDMA/LTE以外の技術が増える事を願う人は、根が深い問題ではない事を願いましょう。個人的には、根拠が無いながらも当面は回復しない問題に思えていますが。

どうやら慌てて基地局を大量に整備してサービスインしているようなので、もしかすると慌ててエリア整備しすぎた可能性はなくはありません。

TD-SCDMA:稼動基地数は1万4119カ所に
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2008&d=0407&f=it_0407_001.shtml

中国移動(チャイナモバイル)は2日、北京市で開かれた「2008中国モバイル通信産業フォーラム」において、現在開通している全国のTD-SCDMA基地数が1万4119カ所であることを明らかにした。
中国移動がわずか300日余りで完成させたTD-SCDMAネットワークの総規模は、10年がかりで立ち上げたGSMネットワークの規模を超えたという。

最後の引用については、「いかにも中国人らしい」と思える誇張表現ですね。向こうの人はこんな事ばっかり言いますな。特に悪気は無いらしいのでそういう文化だからと理解するべきようですが。

とりあえずオリンピックまでには何らかの結果は出てしまっているはずです。さて、ここから安定した状態にできるのでしょうか?

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