次世代PHSは近いうちに「倍の速度」になる?
積み残しのネタについて少しだけ書きます。
◆倍の速度になる?
めむのっくさんのところにあったネタです。もともとは京都新聞の記事のようです。ウェブにちゃんとニュースとして掲載されているものを見つけて記事にしようと思っていたのですが、結局見つかっていません(そういうURLをご存知でしたら教えてください)。
次世代型端末 用途で特化も 喜久川政樹ウィルコム社長に聞く
http://s.memn0ck.com/20080314_kyoto.html
記事の内容は一般の新聞に掲載された記事ということもあて、ウィルコムのことというか次世代PHSのことを多少なりとも知っていればごく普通の内容になっています。以下の一点以外は。
当初の通信速度は毎秒二十メガビット以上だが、近い将来に四十メガビットに引き上げられる
「倍の速度になる」と仰られています。
まず、「当初の通信速度は毎秒二十メガビット以上だが」についてですが、これは現状の次世代PHSで予想される最高速度そのものの数値です。
10Mhz幅での運用での最高速度は「どのように名乗るか」次第ですが、20メガあるいは無理すれば30メガと名乗ることも不可能ではないようなスペックです(ただし30メガと名乗るのはちょっと苦しいですが)。また、30メガで既に無茶ですので40メガと名乗るのは無理です。
ですので記事における「二十メガビット以上」というのは喜久川社長が良心的?な数字を使って説明したものではないかと思われます。
すると、四十メガビットというのは「現在の次世代PHSの最高速度の倍の速度」ということを意味するのではないかと思います。
倍の速度となると、以下の二つの可能性が(私には)思いつきます。
・MIMOの採用
・20Mhz化
当初の次世代PHSはMIMOなしでサービスインする予定のようです。というのはMIMOを携帯端末に搭載するのは現時点では現実的ではないからでしょう。しかし例えば、基地局は最初からMIMO対応で出荷され、端末側で対応可能な状態になり次第サービスインするということがもう決まっているということかもしれません。
もう一つは、利用する帯域を倍にする可能性です。ウィルコムに割り当てられている帯域は現在のところ20Mhzです(残りの10Mhz幅も利用可能になるのはしばらく後になります)。今のところ基地局あたりで利用する帯域は10Mhzなのですが、帯域的には基地局あたり20Mhz幅にすることも不可能ではないということになります。そして将来的には30Mhz幅にすることも可能だということになります。
モバイルWiMAXは干渉問題がありますので隣接するセルで周波数を変える形で10Mhz×3での運用をせざるを得ないようですが(少なくとも当面は)、次世代PHSにはPHS譲りのメカニズムでそのような問題は無く、別に普通に20Mhz幅運用ができるのかもしれません。
インタビューは、このどちらかがもうすでに計画に入っているということを示唆するのではないでしょうか。
MIMOについては消費電力的にどうなのかなと思えますが、実用化可能ならば「最大速度を稼ぐ」ために対応させることは必要かもしれません。LTEが160Mbps出ると言っているのも、20Mhz幅に4x4MIMOを組み合わせた数値ですし(そんなものが実用的かどうかはさておいて)。
また、次世代PHSを第四世代の戦い(あるいは「3.5Ghz帯の争奪戦」)に参加させるためにはさらに広い帯域幅でも利用できるようになっているべきなので、こちらも期待したいところです。
また、MIMOと20Mhz幅は別に組み合わせて利用する事も出来ますから、「最大速度40メガ」はまだまだ通過点に過ぎないだろうということでもあります。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
ウィルコム、次世代PHSでMVNO向け説明会を開催、オープン戦略を強調
http://opentechpress.jp/news/08/03/27/2252237.shtml
やっぱりMIMOっぽいですね
投稿: | 2008/03/28 17:42