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2008年3月の24件の記事

「3880円定額」は音声端末向けではない証拠 / しかし裏技としては音声端末向けでもある?

更新にしばらく間があきました。
しばらくの間、洒落にならない状態が続いておりまして、それゆえでした。

注:「ワン切りできる」件について、可能なのか不可能なのか解らなくなりましたので暫定的に記事を修正しました。


◆ウィルコムの3880円定額が開始

以前にこのブログで記事にした事もある、ウィルコムの3880円定額が3/28日から始まりました。

念のために、3880円定額というのは
・ウィルコムの新料金コース
・月額3880円でウィルコム最高速のデータ通信が定額で使い放題
・ただし、このコースでは音声通話が出来ない
・また、二年契約が必須

3880円定額については、発表された時の反応は割と賛否両論だったような印象があります。私が思うにですが、データ用のコースであるという理解をした人は割と悪くないと思い、音声向けのコースと混同した人は悪い反応や複雑な反応をしたように思っています。つまり、「音声通話が出来ない」という点についての理解がその点で大きく分かれたというように思っています。

音声通話が出来ない料金コースであることが気にいらないと思った人で、それをそのまんま3880円定額の評価に直結させちゃった人は不満を表明していて、データ通信だけ出来ればいい人や自分と区別した人はそれなりの良い評価をしているというように思えました。

個人的には、以前の記事に書いたとおり「音声が使えない」というのは、「データ通信カードで契約するような客層にターゲットを絞ったコース」というだけで、不満がある人はそもそも新料金コースの対象者ではないのだろうというのが私の理解です。

その証拠にウィルコムのウェブサイトを見てみると、

新つなぎ放題
http://www.willcom-inc.com/ja/plan/data/whole_new/index.html

ページの下部に載っている「端末の写真」を見てほしいのですが、見事に「データ通信専用」な端末ばかりです。例えばZero3シリーズは影も形もありません。つまり、音声通話をするユーザは今回の新コースでは最初から考慮外であるということが明らかな感じです。


◆わざわざ分離した理由

わざわざ音声を禁止にしたのは、対象ユーザを分離するためだと思います。

・通信カードを挿して使っているだけの人。極端な話、電話番号すら要らない人。
・スマートフォン的に使っている人(やそれ以外の人)

つまり、前者だけを対象にした新コースだとろうということです。顧客の集団にそれぞれ対応する料金コースがあった方が解りやすいですし無駄が無いでしょうからそうしたのでしょう。

音声通話をしない人には音声通話関係で改善があっても関係ないのでして、それなら値下げして欲しいと思ったりするはずです。しかしデータ通信もするし音声通話もする人にとっては、両方とも改善してもらわないと困るわけです。違うニーズを一つの料金コースでカバーしようとすると、どうしても無駄が出てしまいます。

スマートフォンを使う人にとっては音声とデータが合わさったお得コースが必要。しかしデータ通信カードしか使わないユーザにとってはデータに限定してもらった方が良い、音声通話をするとしても二台持ち、ということになりましょうから。

それならそれぞれ別の料金コースとして提供した方が良いだろう、ということになりますよね。3880円定額はそういう定額なのだと思います。

言い換えれば、

・データ中心のスマートフォンユーザ
・音声定額+パケット定額なスマートフォンユーザ
・音声(+メール)中心ユーザ

についての料金コースについてはまだこれから何か出てくる/出す事が出来るだろうということになります。今回対象外なわけですから。


◆ところが

対象外のはずだったわけですが、ところが3880円定額は意外にも従来端末でも悪くないコースのようです。

3880円定額で封印されるのは、実は以下だけのようでした。
・こちらから発信した回線交換の接続で相手と接続される瞬間に切断される

つまり、
・こちらから発信した場合のみ
・回線交換のみ
・相手が電話に出たところで切断される(相手の電話機を鳴らすところまでは可能)

つまり
・着信には制限無し、かかってくる電話を受けての通話は普通に出来る
・パケット通信は無制限なので、音声端末/スマートフォンでのメール送受信ともに問題なし。ただしライトメールはパケット通信ではないので制限される。
・相手の電話機の呼び出し音を鳴らすことは出来る、ただ相手が出た瞬間に切れる。相手がそこから折り返し電話してくれるなら、何とか問題は無い。

注意:呼び出し音を鳴らすことは出来ないという話もあるようで、相手の電話機の呼び出し音を鳴らすことは出来ないかもしれません

整理すると、制限はこれだけだったということです。
・自分から電話をかけた場合、相手の電話機は鳴るが、相手が出た瞬間に切断される。
・ライトメールの送信が出来ない。

音声端末でのつなぎ放題契約を上回るウラワザになりますが、3880円定額を音声端末などで契約するのは、結構悪くなさそうです。

注意:ワン切り状態できるのは、3880円定額にコース変更してしばらくの間だけで、しばらく経つと発信自体ができなくなるという話もあるので、ご注意ください。

ライトメールの我慢はどうにでもなりましょうから、こちらからの音声通話がもれなく「ワン切り」状態になる点を受容できれば、検討する価値はありましょう。

#しかし、先ほど書いた「対象ユーザを分離する」というウィルコムの目論見はあっさりと崩れちゃった気もしなくもない

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次世代PHSは近いうちに「倍の速度」になる?

積み残しのネタについて少しだけ書きます。


◆倍の速度になる?

めむのっくさんのところにあったネタです。もともとは京都新聞の記事のようです。ウェブにちゃんとニュースとして掲載されているものを見つけて記事にしようと思っていたのですが、結局見つかっていません(そういうURLをご存知でしたら教えてください)。

次世代型端末 用途で特化も 喜久川政樹ウィルコム社長に聞く
http://s.memn0ck.com/20080314_kyoto.html

記事の内容は一般の新聞に掲載された記事ということもあて、ウィルコムのことというか次世代PHSのことを多少なりとも知っていればごく普通の内容になっています。以下の一点以外は

当初の通信速度は毎秒二十メガビット以上だが、近い将来に四十メガビットに引き上げられる

「倍の速度になる」と仰られています。

まず、「当初の通信速度は毎秒二十メガビット以上だが」についてですが、これは現状の次世代PHSで予想される最高速度そのものの数値です。

10Mhz幅での運用での最高速度は「どのように名乗るか」次第ですが、20メガあるいは無理すれば30メガと名乗ることも不可能ではないようなスペックです(ただし30メガと名乗るのはちょっと苦しいですが)。また、30メガで既に無茶ですので40メガと名乗るのは無理です。

ですので記事における「二十メガビット以上」というのは喜久川社長が良心的?な数字を使って説明したものではないかと思われます。

すると、四十メガビットというのは「現在の次世代PHSの最高速度の倍の速度」ということを意味するのではないかと思います。

倍の速度となると、以下の二つの可能性が(私には)思いつきます。

・MIMOの採用
・20Mhz化

当初の次世代PHSはMIMOなしでサービスインする予定のようです。というのはMIMOを携帯端末に搭載するのは現時点では現実的ではないからでしょう。しかし例えば、基地局は最初からMIMO対応で出荷され、端末側で対応可能な状態になり次第サービスインするということがもう決まっているということかもしれません。

もう一つは、利用する帯域を倍にする可能性です。ウィルコムに割り当てられている帯域は現在のところ20Mhzです(残りの10Mhz幅も利用可能になるのはしばらく後になります)。今のところ基地局あたりで利用する帯域は10Mhzなのですが、帯域的には基地局あたり20Mhz幅にすることも不可能ではないということになります。そして将来的には30Mhz幅にすることも可能だということになります。

モバイルWiMAXは干渉問題がありますので隣接するセルで周波数を変える形で10Mhz×3での運用をせざるを得ないようですが(少なくとも当面は)、次世代PHSにはPHS譲りのメカニズムでそのような問題は無く、別に普通に20Mhz幅運用ができるのかもしれません。

インタビューは、このどちらかがもうすでに計画に入っているということを示唆するのではないでしょうか。

MIMOについては消費電力的にどうなのかなと思えますが、実用化可能ならば「最大速度を稼ぐ」ために対応させることは必要かもしれません。LTEが160Mbps出ると言っているのも、20Mhz幅に4x4MIMOを組み合わせた数値ですし(そんなものが実用的かどうかはさておいて)。

また、次世代PHSを第四世代の戦い(あるいは「3.5Ghz帯の争奪戦」)に参加させるためにはさらに広い帯域幅でも利用できるようになっているべきなので、こちらも期待したいところです。

また、MIMOと20Mhz幅は別に組み合わせて利用する事も出来ますから、「最大速度40メガ」はまだまだ通過点に過ぎないだろうということでもあります。

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北米700Mhz帯:次世代PHSやiBurstを北米に売り込もう、というネタ

一応書いておきますと、基本的にネタです。


◆北米700Mhz帯の「重要でない部分」

北米700Mhz帯についてはベライゾンとAT&T、あるいは今後のブロックDの行方が大事なところです。さらには、全国帯域を取ったらしい新規がその後何をするか、程度でしょうか?

基本的にそれ以外の弱小は大勢には影響は与えないはずです。地域限定の独自サービスで生き残れるか、さもなくばそのうちに結局ベライゾンやAT&Tなどに帯域を売りわたすことになるか、という程度でしょう。彼らが大勢に影響することは基本的に難しいように思います(ですよね?)。

そういう意味では、北米700Mhz帯の「重要でない部分」とでも言えましょうか。

しかし、色とりどりの「携帯電話会社」が沢山あるということは、いろんな通信規格が採用される可能性があるということでもあります。基本的にLTEくらいしか採用しないであろう大手と違い、いろんな可能性がありえるはずです。

あるいはこうもいえます、大手がLTE(GSM/W-CDMA/LTE)を採用するならば、中小はそこをあえて違う規格を採用する事で「サービスの違い」を作り、それで生き残ろうとするかもしれないと。


◆売り込みに行こう?

まず最初に考えられる選択肢は、モバイルWiMAXの採用です。もともとモバイルWiMAXは700Mhzでの利用も想定されていますし。

ブロックEについては、そもそもLTEで使う事が出来ません。通信に使いたいのならば、最低限LTEのTDDにしなければなりません。あるいは素直にMediaFLOで放送をするのでないのなら、とりあえずはTDD系の規格を採用しなければなりません。

考え方によっては、いろんな規格が実際に使われるチャンスが生まれたということにもなります。ただし、小規模にですけど。

そこで思ったわけです(ここから「ネタ」です)。

・モバイルWiMAXを採用するところはあるのでは
・IEEE802.20(クアルコムのもの)を採用するところがあってもおかしくは無い(かもしれない)
・IEEE802.20(iBurst)を採用することだってできなくはない(かもしれない)
・次世代PHSを採用することだってできなくはない(かもしれない)

#それぞれ700Mhzで使えるようにできるのかどうかわかんないですが。

可能性は低いでしょうけど、なんとかどこかに採用して欲しいと思ってるところにとっては(例えば、実力に比べて採用例が無さ過ぎる802.20とか)、チャンスかもしれません。

また、GSM/W-CDMA/LTEだとしても、モバイルWiMAXだとしても、大手に採用してもらうのが難しい基地局メーカにとってチャンスかもしれません。

変わり者の金持ちが落札している事だってあるでしょうから、あらゆる可能性があります。想像もつかないような意味不明な用途に使われる事だって考えられますから。

そのうちに正式発表される落札結果を眺めて、落札結果の「重要ではない部分」をもう一度よく眺めて、その部分で何が採用可能かを考えてみるのも面白いかもしれません。

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706 WiMAXの風吹かず:北米の700Mhzの過半はLTE陣営が獲得

アメリカでの700Mhz割り当てについて少し書きます。

まだ正式にどこに割り当てられたかは発表されていないようですが(もし「正式に」発表されていたら教えてください)、現時点で解っている事について書いてみたいと思います。


以前書いた記事:

アメリカの700Mhz帯オークション終了、ただし結果はまだ秘密
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/03/707_700mhz_26ac.html


◆結果のおおよそ

結果の細かいところはまだ正式発表されておらず、またやたら沢山の(実際にものすごい数)オークションが行われているので、まだ結果がどうだったはすっかり解っていないようです。しかしながら色々調べればかなりのところまで解るようですが、どちらにせよもう少ししたら正式に全部発表されるのでそんな労力を使っても微妙なところです。

注目のCブロックについては、結局ベライゾン(アメリカの携帯電話会社)がほぼ抑えました。Googleはどの帯域も獲得できません/しませんでした。また、ベライゾンはCブロック全てを獲得したわけではなく、一部の重要ではない地域については獲得していません。しかし、ベライゾンはBブロックやAブロックにも手を出しており、併せて全米をカバーする帯域を獲得したようです。

つまり、700MHz帯獲得競争はベライゾンの圧勝(あるいはベライゾンは大金を使い込んだ)ということになりました。

そして、AT&T(アメリカの携帯電話会社)もベライゾンの次に多くの帯域を獲得した模様です。AT&TはBブロック中心にAブロックとBブロックで沢山の帯域を獲得し、全米をカバーできる帯域を獲得できた模様です。

他にも、新規参入が怪しげながら全国をカバーする帯域を獲得したようです。怪しげというのは、帯域がペアになっていないEブロックが多く含まれているとかで。Eブロックは放送に使うか(MediaFLO)、TDD方式でしか使えないためです。さて、どうするんでしょうね。

また予想のとおり、よく解らんところ(と言っては失礼かもしれませんが)があちこちを落札したりしているようです。興味深い事をやるところもあるでしょうし、ワロスなところもあるのではないかと思います。ネタの供給源としてはこちらこそ注目かもしれません。変人が落札した帯域は複数あるはずです。


◆アメリカの700Mhz帯はLTEに(おおよそ)染まった

ポイントは、ベライゾンとAT&Tが大半を獲得した事ではないかと思います。

ベライゾンは以前記事に書いたとおり、元々はCDMA2000陣営の代表格のキャリアでしたが、LTEに寝返ったところです。AT&TはもともとGSM/W-CDMA陣営です、よってLTEを採用することになるはずです。

つまり、北米の700Mhzは基本的に「LTE陣営が獲得した」ということになります。

一部ではGoogleがCブロックを獲得するのが確実だと信じられていたようです。ネットは不必要にGoogle贔屓だからでもありましょうし、700Mhz帯の獲得に当たってアメリカではGoogleがかなり騒いだこともあったのかもしれません。たとえばCブロックは日本でいうMVNO義務のようなものが課されていますが、これはGoogleが騒いだ結果そうなったようなものでした。

しかしGoogle落選は、以前から(別の)一部で囁かれていたように、そもそもGoogleの予定のとおりで、この結果は「Googleの計略のとおりである」という話もあります。

Googleの「Cブロックはオープンにすべきである」という主張、Googleの清潔なイメージによりGoogleは正義のためにそのような主張をしていたのだと思った人も多いようですが、自分が帯域を全力で獲得するつもりであるならば、なぜそんな面倒な義務をつけようとするでしょうか?最初から、帯域は他人に落札させ(そして基地局整備も他人にやらせて)、設備はGoogleが使わせていただくと言う算段だったのかもしれません。

あるいは慎重に書くとこのようになるでしょう、「そのように考えてすっかり辻褄が合うのも事実である」と。

Googleでなければベライゾンが落札するであろうことは周知の事実でした。ということはGoogleは最初から自分で獲得するつもりが無かったなら、あるいは途中でベライゾンとの競争を諦めた時点で、Googleはベライゾンから回線を借りることになるわけです。

それはつまり、ベライゾンのLTE回線を借りると言う事になり、Googleが携帯参入するとしたら「ベライゾンの回線で、LTE端末で参入をする」ということになります。つまりGoogleももはやLTE陣営の一部ってことかもしれませんね。

一部では、
・Googleは700Mhz帯Cブロックを獲得する
・モバイルWiMAXで参入する
という予想(あるいは願望)もあったようですが、そして、モバイルWiMAXはここから巻き返すなんていう予想もあったようですが、まあ反対の展開です。

もちろん(のはずですが)、大半の予想は今回の結果と大きく違わないものだったとは思いますけど。

ただし、多数の地区に分けてのオークションだったので、小さいところも含めると色々なところが帯域を獲得しています。よって、モバイルWiMAXが一切採用されないこともまた考え難いので、どこかでサービスインすることにはなるでしょうけれども。

#にもかかわらず一切採用されない場合、それこそジ・エンドです。

ちなみに蛇足ながら、そして当たり前の事ながら、iPhoneはGSM対応で発売されていますから、普通に考えるとそのうちに「GSM/W-CDMA」に対応したiPhoneが発売され、最終的には「GSM/W-CDMA/LTE」に対応する可能性が「高い」(「必ず」ではない)ことになります。こちらもLTEに向かっているわけです。

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アッカ問題:千本会長アッカに怒る「訴訟検討中」、しかし

前回の記事に引き続いての記事です。アッカの回答を受けて、千本会長が記者会見を行ったようです。

アッカ問題:アッカが回答、しかし「不十分なので訴えるかもしれません」
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/03/post_ab42.html


◆記者会見

前回の記事でも書いたとおり、千本会長はアッカが三井物産の株を買ったことにご立腹です。そして、その件についての記者会見について書いてみたいと思います、

イー・アクセス、アッカの自己株式取得に対して株主代表訴訟を準備
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/03/19/18878.html

細かい経緯はこれまでに書いたとおりですので、そちらを参考にしてください。

アッカが三井物産が保有するアッカ株式を取得した事について
・アッカ:形式上何ら問題ない取引である
・千本会長:実質として違法な相対取引である。
というのが騒動の原因です。

以前から書いているとおり、私は以下のように思えています。

・実質的には、アッカと三井物産との事前話し合いでのことに思える。
・しかし、形式的にはアッカが相手を指定せずに株を買いたいといい、三井物産はそれに応じただけ。
・買取価格は普通
・これはたぶん違法にはならない。

つまりこれは灰色だろうということです。また、灰色は黒ではないから灰色だと言われます。ちょっとどうかな、とは私も思いますが、でも形式的にOKであるとされている事を、気持ちの問題的な理由でダメにされるというのは、取引のルールとしてはあまりよろしくないように思えます。

千本会長は、記者会見でも結局のところ「心情」で主張をしてしまっています。

(アッカは)ルールや仕組みといった形式論に終始していると主張。イー・アクセスが問題視している、株主平等の原則や全株主をフェアに取り扱おうという意識が薄いのではないかという問いかけに対して、なんら回答していないとした。

しかしながら、「気持ちの問題」(だけ)では訴訟に勝つ事はできません。なぜダメなのかをがっちり説明できていないないように思えます。

また、株の売却とともに、三井物産から派遣されていた社外取締役と社外監査役が辞任しているようです。これについて千本会長はやましいところがあるからこのタイミングで変な時期に辞任したのであろうとし(ただし千本会長自身が憶測だが、と言っています)、加えてこの人たちも「対象」にするそうです。

以下、千本会長は株を売ろうとしていた、として書いた部分の訂正です。本当は「買おうとした」でした。

で、千本会長も当日に株を売ると申し出たのに売れなかった、とも言っています。ジャスダックに拒否されて売れなかったとのことです。ジャスダックはおかしいとか、この取引は不公正だと言いたいのでしょうけれど、これがもし本当なら「じゃあ千本社長は株を何故売ろうとしたのですか」ということも思ってしまいます。

これまでアッカ問題で「私なら立て直せるから交代させなさい」と言っていたにもかかわらず株式を売ろうとしたことになります。これも「気持ちの問題」になりますけれども、他の株主を巻き込んだあれだけの発言をしていながら、売り逃げをしようとして失敗したということは、その姿勢が他の株主から疑われる事になりましょう。例えば千本会長に委任状を出した人としては、これではやりきれないかもしれません。売り逃げする人に委任状を出したつもりはないはずだからです。

千本会長は当日の同時刻に株を買おう(売ろうとしたではなく)としてジャスダックに注文を出したそうです。その結果、ジャスダックから「そんな取引のルールはないので無理です」と言って断られたそうで、これに対して怒っておられるようです。

断られた理由には法的根拠が無く、「世界のルールが日本の市場にも適用されなければいけない。平等でフェアにやっていただきたい」とコメントした。

アッカが前日に「15000株を上限として、通常の取引外で、終値で買いたいと思います(相手を指定せず)」と言いまして、そこに三井物産が「全株を売りたいです」と言ってきて、早朝に取り引き成立となりました。というのが今回の経緯です。

アッカが株を買うのと同じ時刻に、イーアクセスが「俺も三井物産の株を買いたい」と横から言ったところ、おそらくジャスダックは「ジャスダックにはそんな取引のルールはありません」(関係ない取引に横から何言っているんですか)と言われて断られ、それについて不満を言っているのが上記の引用部です。

#千本会長が行いたかった取引を出来るルールは無いですよね?(無いと思って書いています)

売りたいと言ったのに断られたのなら何かトラブルが起こったことはわかるのですが、「買いたい」ではそれは無理ではないかなと思います。売りたかったのに何らかの理由で売れなかったと言っているのならまだ解るのですが。

ジャスダックにとって一番大事なことは、十分に事前に明確に定められたルールを、全員に対して平等に適用することです。ですから、もし何かがあってもその場でルールが覆ることは基本的には無いわけです。複数の試合が進行している最中にストライクの判定方法が急遽変更されるようなものですから。

一方でアッカの主張は、一方でアッカはジャスダックのルールを従って取引しているということと、三井物産を指定しての取引は全く行われていないというものです。仮に15000株を超える売りがあったとしても、按分(「売りたい」の株数の比率に比例して配分)されるだけだったので、三井物産の持っている株の数に近い15000株と言う数値にも意味が無いと言っています。

繰り返しますけれども、私にも実質的にはこれはアッカと三井物産の相対取引だと思えます。ですから千本会長が不満に思うのは理解できますし、心情的には同じような事を思っています。

しかし、今回の件は形式的なルールの範囲内か範囲外かということで判断されることでしょう。そうしないと取引活動がおかしくなるでしょうし。もし何かが改められる事があるとしたら、アッカの今回の取引にダメだという判断が下るという形ではなく、ルールが将来に向かって作り直される形ではないかと思っています。

いやいや千本会長は勝てる(目的を達す事は出来る)、という納得の出来る意見があるのならすぐに意見を変えたいところではありますが。

また気になる事があります。三井物産はイーモバイルの株主でもあるのです(そんなに沢山の株を持っているわけではないようですが)。今回の件で、アッカだけではなく三井物産も喧嘩相手にするとの発表ですが、果たして本気なのでしょうか?

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707 アメリカの700Mhz帯オークション終了、ただし結果はまだ秘密

日本に先駆けて割り当てが行われる、アメリカの700Mhz帯の割り当てが決まったようです。


◆700Mhz帯

アメリカの700Mhz帯も日本と同様に、アナログ地上波の終了にともなう携帯電話への再割り当てによるものです。

ちなみにこの700Mhz帯割り当てですが、「100年に一度のチャンス」とさえ言われています(ちょっと大げさな表現でもありますが)。というのも、移動通信で利用することに非常に向いた帯域で、そのような帯域がなおかつまとまった割り当てがなされるという非常に稀有な機会だからです。

一般的に電波は周波数が高くなると面倒な性質を持ちます。建物の中などに入らなくなったりします。2Ghz帯を使っているFOMAやソフトバンクの3Gが建物の中で圏外になりやすく(FOMAは鬼のような基地局整備でこれを乗り越えつつありますが)、800Mhzを使っているドコモの第二世代やAUが圏外になりにくい、ということで実際皆さんも体感されているはずです。

しかし、あまりに周波数が低いと今度は無線部(アンテナなど)が大きくなりすぎたりするなどの問題が生じます。800Mhz帯付近は、そういう意味でとても携帯電話での利用に適した帯域です。

700Mhz帯を手に入れれば、少ない投資で良質のサービスができるようになるのです。


◆アメリカでの割り当ては「オークション方式」

日本での割り当てはもうしばらく先になる予定です。帯域の取り合いでおそらくものすごい騒動になるはずです。

一方でアメリカでは、もう割り当て競争がもう終わりました。これまで記事にしてなかったなと思いつつ、割り当て方針についてまず簡単に説明をしたいと思います。

帯域の割り当ては、オークションによって行われています。つまり、入札資格のあるところで入札枠に一番多くのお金を積んだところが帯域を手に入れられるという簡単な仕組みです。

オークション方式は日本でも一部の方面で大人気です、というのもお役人の恣意的な割り当てによらずに割り当てがなされる方式なので、お役人が嫌いな人には人気の方式です。しかし、欧州の3G帯域割り当てでは帯域の価格が高騰しすぎてその後のサービス提供がすっかり変な感じになってしまい、オークション方式は失敗した、という評価が(これまた別の方面では)あります。

まあ、フェアなのはフェアなのですが(恣意的な面が一掃されますので)、所詮オークションは売るものを「お金」に最も効率的に交換する方法なので、「帯域を国民の為に最も有効に使わせる」ところに割り当てることとは、直接は一致しません。ある意味、決定的なズレです。

経済学でこのズレを吸収する理屈を構築する事も可能なようですが、現実的には、理論どおりには行かないようです。あるいは、慎重に言うならば、理論どおりに行くとは限らないということです。

欧州の例では、お金への効率の良い変換には成功したわけですが、良いサービアを提供させる事には失敗したという評価があります。入札終了までは盛り上がったけど、帯域を買っただけで息切れしてしまい、結局ろくなサービスが出来なかったし、もう実際ダメじゃんよ、という話を聞く気がします。

日本での700Mhz帯の割り当ての際には(というか2.5Ghz帯のときもそうでしたけど)、オークション方式じゃないとダメだと騒ぐ人が居ると思いますけれども、まあ良し悪し、あるいはよく考える必要のあるものだということは頭に入れといてください。

本題に戻ります。

アメリカでは、五種類に分けて帯域をオークションで割り当てる事になっています。それぞれAからEの名前がついててこういう感じになっています。

Aブロック 中規模ブロックでの競売:地域に細分されておりそれぞれ入札
Bブロック 小規模ブロックでの競売:地域に細分されておりそれぞれ入札
Cブロック 大規模ブロックでの競売:全国免許(MVNO義務有り)
Dブロック 平時のみ利用できる特殊帯域(緊急時は公共無線にする)
Eブロック 帯域がペアになっておらず、基本的に片方向通信用

AとBは地域ごとに入札します。また複数の地域を落札する事も可能です。
Cは今回一番注目の帯域です。落札額が一定に達した場合にはMVNO義務が生じますが、実際のところそれは確実。
Dはユニークな帯域で、平時は民間で利用できるのですが、平時でなくなった場合には公共用に無線インフラを提供する義務があるという帯域。
Eは片方向の無線用であると言われており、放送用などに用いられるといわれています。要するに、「帯域がペアになっていない」帯域です。


◆結果はまだ内緒らしいけど

で、オークションは終わって大層な金額になったようです。アメリカの政府には良い収入になったことでしょう。

終わったにもかかわらず、なぜかどこが落札したかという肝心の発表はもう少し先になっています。ですが、結果は以下のとおりであろう、といわれています。

注:ただしこれは事前予想なので、実際の結果とは異なります

Aブロック 基本的にAT&Tが落札
Bブロック 乱戦
Cブロック ベライゾン勝利 Google敗北
Dブロック 入札不成立(おいおい)
Eブロック クアルコム様

まずはAブロックですが、AT&Tがほぼ押さえたようです。

AT&Tというのはアメリカの携帯電話会社のひとつです。ついでに携帯電話会社をざっと書いてみると、

・ベライゾン
・AT&T
・Tモバイル
・スプリント

AT&Tはあんまり元気のないキャリアです(現在のスプリントほどではないにせよ)。そういえば絶頂期のドコモが北米に投資を行って、その後それが兆単位の特別損失になるという事件がありましたが、その投資先はここだったはずです。あなたのパケ代が消えた先でもあるわけです。

ちなみに「iPhone」はジョブス師匠の我侭を一番聞いてくれたということで、AT&T独占供給になっています。AT&Tはアップルに(いわば)理不尽な支払いをしつつも、しかしiPhoneの恩恵も受けて加入者を増やしています。

スプリント(Sprint Nextel)はこのブログで良く話題に出てきているあの会社です。スプリントは2.5Ghz帯を同じようにしておおよそ獲得しています。そして、各種次世代技術を競争させた上でモバイルWiMAXの採用を決定し、通信界に革命を起こすぞと気勢をあげていましたが、現在は大変な経営状態になっていてそれどころではなくなっています。

ベライゾンは後で書きます。

Tモバイルはドイツの国営電話会社をルーツに持つ携帯電話会社が国際展開(買収)したものです。ボーダフォンっぽい感じで世界の電話会社を買収しているもののうち、アメリカのものです。W-CDMA陣営です。現在、スプリントから加入者を奪っている模様です。

同じく、世界には元国営会社が世界展開して巨大になっているものが結構あります。結果的に日本に縛り付けられてしまったドコモ(やNTT)とは違う感じのところも多いということです。

#以上、どこか間違ってたらごめんなさい

次にBブロックですが、こちらは乱戦なようです。「乱戦」という意味が解らないかもしれませんが、割り当て単位が結構小さい事と、日本と違いアメリカでは小規模な通信会社が居たり(地域限定とか、なにその変なサービスとか)、今回は色々な金持ちが手を挙げてなにやらやろうとたくらんでいたりするので、そうなっているようです。

結果が公表されると、珍奇なところが落札してたりして笑える事もあるかもしれません。なにせ「オークション」ですから、変なところが落札することだってあります。

次にCブロックですが、これが今回の最大の注目のところであります。Googleが携帯電話事業に参入すると一部で話題になっていたのは(ネットはGoogle贔屓ですし)この帯域のことです。なにか、一部ではGoogleが落札した前提での話が進んでいたようですが、結果としては敗北なさったようです。

落札したのはベライゾンのようです。

ベライゾンについても以前少し書きました。CDMA2000では世界最大な感じのある電話会社です。エリアや品質などでは一番優れているところのようです。CDMA2000陣営の電話会社側の重鎮だったのですが、2007年にLTE(W-CDMA陣営)に寝返る事を決定しています。

またベライゾンは、ボーダフォングループの一員でもあります。

ともかくベライゾンは、2009年2月からの「700MhzでLTE」の権利を手に入れたというわけです。

Dブロックは入札不成立となりました。Dブロックのアイディアを考えた人(アメリカのお役人さん)は、結構張り切って入札に臨んだようですが、結果としては大失敗なようです。帯域を使わせる代わりに、早期に全国に展開し、そして緊急時にはインフラを明渡す。民間もつかえるし、公共用のインフラも労せずして手に入る、はずだったようですけど。

今後どうなるかというと、条件を変更して再入札行きになるようです。

Eブロックですが、ここはクアルコムが落札したとされます。片方向の通信、つまり放送用に使う帯域である言われていますから、つまり「MediaFLO」での放送を行うために帯域を獲得したということのようです。

帯域的には単にペアになっていないだけのようですから、TDD系の通信技術で使う事もできるのではないかという気もしますけど。IEEE802.20のTDDモードとか。

もしMediaFLOでの獲得帯域が成功しているとするなら、クアルコム様は放送をする会社になるということになります。今までと違うイメージです。

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アッカ問題:アッカが回答、しかし「不十分なので訴えるかもしれません」

以前の記事に書いたとおり、アッカの株取引に対してイーアクセス≒イーモバイルが問題があるとして、3月18日を回答期限として、アッカに質問書を出していました。

そして、それに対して回答がありました。


詳細はまずは以前の記事をご覧下さい。

アッカ問題がまた再発:千本社長、今度は「訴えますよ?」
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/03/714_060e.html

今回は短い記事です。


◆アッカは「問題ない」と回答

アッカはとりあえず、会社法には違反しないので問題ありませんという回答をしました。

アッカの自社株買い「会社法違反しない」、イー・アクセスに回答
http://www.nikkei.co.jp/news/tento/20080318AT1D180AH18032008.html

まあ、あまりにも想定のとおりの回答ですね。別に三井物産を指定しての取引ではないので問題ないはずです、だそうです。

そして、イーアクセスはこの回答に対し「不十分である」と判断し(これも想定のとおりのリアクションです)、「法的措置を検討する」ということだそうです。

まあこういうやり取りになることは予想できた事で、本当の問題はこの後イーアクセスが訴えるかどうかということでしょう。

実質的に三井物産と示しあっての株取引に思えますけれども、しかし以前の記事にかいたように、別に三井物産を指定しての取引だったわけではなくて、たまたま三井物産が応じただけということになっています。

これがどう判断されるのかわかりませんけれど、聞いた話ではおそらく問題ない取引として判断される可能性が高いとか。実はライブドアがこれと同じ方法を使った事があるそうですが、お咎めなしだったそうですから。

しかし、イーアクセスはその前例については当然知っているはずですから、文句を言った時点でその事は考えたはずです。さて、それを踏まえてどうするのでしょう?あるいは、何かの隠し切り札でもあるのでしょうか?

とりあえず、こんな事をやっているとまた株価は下がっちゃうのでは、とは思いますけれども。

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708 フェムトセルへの意見募集で「立場ごとに意見がわかれる」

今度はフェムトセルについての話題を書いてみたいと思います。

#もしかしたら今までフェムトセルについてはほとんど記事にしていないかもしれません。

ちょっと急いで書いている記事である点はご了解ください。推敲が甘いです。


◆総務省への意見

総務省がフェムトセルについての意見を募集していたのですが、それが締め切られました。

総務省がフェムトセル取り扱い方針案のパブコメを公開,固定系事業者から反対意見も
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080314/296218/

そもそもフェムトセルって何?な人は、近いうちに記事を書きたいと思うので、そちらをお待ちください(この記事を書き始めてみてからそういう可能性もあることに気がつきました・・)

フェムトセルについて意見が募集され、特に以下の二点についての何やらだったようです。
・フェムトセル基地局を「一般人の使っているインターネット接続」に繋ぐってのはどうでしょうか?
・フェムトセル基地局を売り切りにする件についてどうでしょう?

最初のものについてはこういうことです。普通の携帯基地局は、携帯電話会社が用意した「専用回線」で携帯電話網(というか携帯各キャリアの交換機)に接続されています(ちなみにウィルコムについては少し違うんですが、これは割愛)。そして、フェムトセルでは、

フェムトセル基地局=一般人の家庭に来ている一般人向けインターネット接続回線=単なるインターネット接続=各キャリアのネット上のサーバ=携帯電話網

というこれまでではありえない方法での接続を行う事が検討されています。問題は、単なる個人の接続回線や、(場合によっては)単なるインターネットを通過することです。

二つ目は、フェムトセル基地局を売り切りにしてしまって、ユーザ任せの状態で運用するかどうかという点です。言ってみれば、電話機の端末と同じ状態(買ってきたらもはや自分のものであるような状態)にすることを許すかどうかです。売り切りにしてしまうと、携帯キャリアの管理の手が十分に届きにくくなる事が懸念されています。

良い点は、コストの面と、フリーダムな変化にとりあえずは「見える」点です。なんというか、「のせられ弱い人」はフェムトセルという概念に簡単に興奮してしまうようですし、慎重な人は野蛮極まりないことが始まったように見えるようです。


◆意見の分布がまたもや

意見ですが、主に以下のように分類できます。

固定回線を貸す立場に立たされそうなところ:NTT東西、電力系、NTTコム
・基本的に反対、がっちり管理してにして頂かないと賛成できません。
・一般人向けのネット接続で余計な事をさせられる事が恐ろしい。
・どちらかというと品質無視の蛮行に見える

携帯キャリア(慎重派):NTTドコモ、KDDI
・フェムトセル基地局を一般回線に繋ぐのには一応賛成
・売り切りについては、無法状態になる可能性があるので望ましくない。
・フェムトセルが無秩序に電波を出してセル設計が崩壊する事を恐れている。

携帯キャリア(熱狂派):SBM、EM
・全力で賛成
・一般回線に繋いで何の問題もない
・売り切りで何の問題もない
・もうどんどん基地局を設置しちゃえば良いじゃん!

その他:ウィルコム、UQコミュニケーションズ(KDDIのモバイルWiMAX)
・PHSや次世代PHSもフェムトセルさせてください
・モバイルWiMAXの基地局も対象に入れて
・それ以外の主張は慎重派

非常につまんない言い方をしますと、それぞれが自分の立場でわがまま言っているだけともいえます。

まず最初にウィルコムとUQコミュニケーションズについてですが、これは単に「携帯電話だけではなくて、私たちも対象にしてくださいよ」と言っているということです。ただ、モバイルWiMAXのフェムトセルってそもそも何か変じゃないの?という気はしますが。
また(これは後日書くかもしれません)、ウィルコムについてはフェムトセルでものすごい事ができる可能性もあります。

固定回線を貸す立場からすると、下手すると単なるそこいらの家庭回線に携帯基地局が突然つながってしまう事になります。そんな前提でサービス提供していないので、ちょっとやめてくださいよ、ということを言っています。予定していない形で変なトラフィックが大量発生して迷惑だということのようです。

また、家庭回線は品質的にも携帯基地局の接続に使えるような安定性を持っていない上、携帯基地局に繋いでいる回線が絶賛利用中の時に同時にニコニコ動画を見るとどうなるのよ、とか。さらに、そういう場合の品質問題は回線側に押し付けて来る気がして恐ろしいとか、まあそういう感じでしょうか。

利用者の立場からすると、えらく頼りない基地局だとも言えるかもしれません。そういう基地局に自分の通話や通信が繋がってしまって不安なことはないかということかもしれません。

携帯キャリアについては慎重なところと熱狂気味のところに分かれています。一番違うように思われるのは、「基地局をもうどんどん配置しちゃえ」という立場と、「携帯電話の基地局は考えて管理して配置しないと、互いに干渉して酷いことになる」「利用者がフェムトセル基地局を不正改造(高出力化する)する可能性」について懸念しています。

干渉したら通信できなくなる第二世代と異なり、第三世代では「多少の」干渉を許容します。しかし、他の基地局からの信号は全てノイズになるため、基地局を無茶苦茶に配置すると、通信不能な場所が生まれたり品質が低下(速度ががくっと落ちたり、音声の音質が極端に低下したり)したりします。これはW-CDMAであろうとCDMA2000であろうと変わりません。

#ちなみにPHSはそういう状況(基地局が無茶苦茶に配置されていても)でも干渉が発生しにくかったりします、こういう干渉問題には異様に強いのが、マイクロセルに強いと言われる所以です。

実際、現在でも圏外の場所(自分の飲食店とか)に携帯の電波を引き込む「違法中継局」が存在し、それが問題を発生させています。ドコモやKDDIはフェムトセル基地局も従来の基地局のようにきっちり管理したいと考えています。どちらかというとKDDIはそれが難しいだろうと考えており、ドコモはそれでも何とか管理しようとしています。

さらに悪い事に、フェムトセル基地局の出力に細工することはそんなに難しくないと予想されるため、やりたい放題になってしまう可能性もあります。電波的に「北斗の拳」の世界みたいなことになってしまうかもしれないということです。

SBMとEMは行け行けやってしまえです。SBMはYahooBBのADSLモデムを全部携帯基地局にしたらすごくね?みたいなことを素朴に考えているように思えます。またYahooBBのADSLモデムに内蔵するとなると、売り切りでないと困ります。あるいは、後発組としては乱戦になってしまったほうが競争がイーブンに戻るので「それで一向に構わない」ということかもしれません。

しかし、制御不能になってしまうと困った事になるでしょう。しかも、KDDIやドコモは(少なくともドコモはフェムトセルの導入に前向きであるにもかかわらず)制御不能になることを懸念しています。実際のところ大丈夫なのか大丈夫じゃないのかは私にはわかりませんが、技術力がより高い二社が慎重である点は気にかかります。

また、こういう風に言えるかもしれません
・ドコモやKDDIが想定しているフェムトセル
・SBMが想定しているフェムトセル
は実は異なるもの、ということかもしれません。


◆利用者の立場からすると

利用者からすると、「またクソ基地局につながって通信がおかしいよ!」「またビルの周辺では変なところが圏外だ、フェムトセルの電波が複雑に漏れてきているに違いない」みたいなことになることや、「フェムトセルで何とかなると思って基地局増設をサボりだした」みたいなことが懸念材料かなと思います。

(おそらく近いうちに同じ話題で何かを書きます)

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709 光ファイバ:ソフトバンクの主張認められず、NTTに負ける

少し前、ソフトバンクが光ファイバを「ばら売り」にしろと言ってNTTと喧嘩していることについて記事を書きました。それについて結果が出ましたので少し書きたいと思います。

以前の記事:

715 孫社長「光ファイバをばら売りしろ」、総務省への意見の賛成反対の分布が面白い件
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/03/715_2050.html

上記記事の内容を踏まえて読んでいただけるとありがたいです。


◆ソフトバンクの主張認められず

ソフトバンク(など)とNTT(など)が、光ファイバを「1分岐」単位で貸し出すようにすべきなのか、現状のとおり「八分岐」単位で貸し出すので良いのか揉めておりました。

上記の記事でも書きましたが、「1分岐」とか「八分岐」というのは、一個単位でばら売りしてくれるのか、八個単位じゃないと売ってくれないのかというような話だと思ってください。

結果としては、ソフトバンクの負け。つまり、「八分岐維持」という決定がなされました。

光ファイバの1分岐貸しは見送り,総務省の接続委員会が方針固める
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080317/296437/

ソフトバンクなどが主張する「設備の共用による1分岐貸し」について「(NTT東西に対する義務化は)現時点では必要不可欠とまでは言えない」と結論を下した。NTT東西が主張する新サービスの提供やサービス品質への支障,NTT東西と設備競争を展開する電力系事業者やCATV事業者への影響を配慮した。

結局、八分岐単位で貸すのが設備的に自然であるようです。また、無茶をすると「NTT東西と設備競争を展開する電力系事業者やCATV事業者」にも被害が及ぶということのようです(以前の記事に書いたとおり、ソフトバンクの提案に反対しているのはNTTだけではない)。逆にいえば、NTTの競争相手をも困らせるような無茶な話だということのようです。

対案として有力とみられていた「設備の専有による1分岐貸し」もシステムの改修に費用と時間がかかるうえ,仮に導入するとしても「適切な料金水準を合理的に設定することは容易ではない」として見送ることにした。

妥協案も結局見送られたようです。光ファイバの工事業者がそろって八分岐維持で意見を出していましたが(現場は対応不可能になります、と)、まあそれが真実のようですね。

代わりに,並行して検討している光ファイバ接続料の低廉化を図ることが「FTTH市場における競争促進を図る観点で最も直接的・効果的な措置」と結論付けた。

これも前の記事で書いたとおり、結局ソフトバンクの目的は1分岐貸しを実現してもらう事そのものではないはずで、現状のルールでは太刀打ちできないのでルール変更をしたいということのはずです。

まあある意味、無茶な提案(1分岐貸しはおそらく無茶な提案)であればあるほど実現を迫られるNTTに負荷がかかるので都合が良かったところもあるのでしょうけれども、無茶は無茶であると国も認識したようです。八分岐と1分岐を足して二で割るような妥協案も出てきませんでした。完全に八分岐のままになりました。

結局、別の方向で「競争促進を図る」ということにするようです。八分岐のままで、料金を安くさせるように努力すようです。

ソフトバンクはご立腹のようで、1分岐を実現しないと何も解決しないと言いたげです。

「光ファイバにおける本当の競争相手」であるNTT以外の光ファイバがほぼ八分岐維持派なので維持という感じにも思えます。光ファイバの値下げについても、光ファイバの他社に配慮して値下げするように書かれていますし。ソフトバンクはソフトバンクこそが競争相手だと言いたげでもありますが。

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パクリ携帯裁判:「821T」は「らくらくホンIII」の開発関係者が作っていた

ドコモがソフトバンクの携帯がパクリで訴えた件について、ソフトバンク的にかなり不味い事実が出てきました。

前の記事:
また事件:ソフトバンク(+東芝)がドコモ(+富士通)に訴えられる!
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/03/710_34f6.html


◆自ら参考にしたと認めてしまっている

以下は、ソフトバンクなどの新機種について色々書いてあるニュースです。そこから、該当部分を引用します。

auとソフトバンクの春モデルを採点・勢いがあるのは?
http://it.nikkei.co.jp/mobile/column/columngyoukai.aspx?n=MMIT0f000030012008

■「らくらくホン」開発者がつくったシニア向け携帯

(略)

しかし、この821T、よくみるとNTTドコモ「らくらくホンⅢ」となんとなく酷似しているようだ。3つのワンタッチボタン、日本語表記の操作ボタンといった第一印象だけでなく、触ってみるとメニューの表記や操作性なども「らくらくホン」にそっくりだ。東芝らしさといえば、同社の端末に採用されている「くーまん」がいるくらいだ。

もしやOEM供給かと思いきや、実はかつて富士通に在籍し、らくらくホンに携わっていた開発者が、ソフトバンクモバイルに転職して821Tを東芝と一緒になって開発したのだという。「余計な機能は搭載せず、ボタンの形状もドーム型で押しやすくするなど、富士通のらくらくホンよりも使いやすくしました」(ソフトバンクモバイル開発者)と、使い勝手に胸を張る。

驚きの内容です。

・富士通でらくらくホンの開発を行っていた開発者が821Tを作った
・またこうやって記事になっているということは、この事実、ソフトバンク側もしっかり認識している。
・ソフトバンクモバイル主導で東芝に作ってもらった
・「富士通のらくらくホンよりも使いやすくしました」

まず、富士通でらくらくホン開発を行っていた当事者によるものであるというのは、裁判で心象悪すぎます。ドコモの主張に有利です。ちなみに裁判の勝ち負けは証拠を元に裁判長がどう思うかで決定されます。

そして「当方はそんなことだとは知りませんでした」とソフトバンクは言おうにも、記事になっているような次第ですので、知らなかったとはいえません。知っていてやった事になります。しかも、ドコモから発売前に警告を受けており、発売を見合わせる機会もありましたが、これもそのまま発売をしています。

よって、ソフトバンクはすっかりその事を知りつつ、らくらくホン開発関係者にらくらくホンに類似した電話機を開発させたということになります。

また、記事のとおりであるとすると、ソフトバンク主導によるようです。東芝はソフトバンクの要求通りに開発を行ったということになります。前に書いた記事の予想のとおり、東芝主導ではないようです。

またこの記事、石川温さんが書いてます。この人はやるなあ。

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710 また事件:ソフトバンク(+東芝)がドコモ(+富士通)に訴えられる!

またもや珍事件発生です。

なんと、「ドコモ+富士通」が「孫社長+東芝」を訴えるという事件が発生しております。


◆史上初のパクリ携帯裁判

ドコモ:ソフトバンク携帯に販売差し止め仮処分申請
http://mainichi.jp/select/biz/news/20080318k0000m020065000c.html

とても簡単に言うとこういうことでの騒動です。

「ソフトバンクの『かんたん携帯821T』はドコモの「らくらくホンIII」のパクリだから、まずは製造と販売を中止しなさい」

つまり孫社長がパクリで訴えられているというわけです。ちなみに、携帯電話会社が他社の端末の製造販売の差し止めを訴えるというこの展開、史上初だそうです。

「史上初のパクリ携帯裁判」の開始となりました。

ちなみに、どれくらいのパクリ加減かといいますと、以下の記事をご覧下さい(必見)。

ドコモと富士通、外観酷似で「かんたん携帯 821T」の販売停止の仮処分申請
http://bcnranking.jp/news/0803/080317_10165.html

記事の写真を見る限り、似ておりますな。


◆負けたら発生する事

ドコモはデザインを盗用したことそのもので訴えているのではなく、ドコモ(と富士通)が築いた「らくらくホンIII」の信用を、ソフトバンクが類似の端末を発売する事によって盗んでいるとして訴えています。

よって例えば、(読者の人にわかりやすい例を考えてみましたが)「漫画のあるコマを実は他の漫画から盗んでいました」というようなパターンの裁判とは性質が違います。そういう場合よりも色々な事が起こります。

ドコモはソフトバンクに対し、まずは「製造、販売等の差し止め」を求めています。そしてこれは実は第一段階の訴えにすぎません。裁判所が何らかの形でこの要求を認めた場合、まずは店頭から821Tが消えます。

おそらく引き続いて損害賠償も請求されることになります。なんらかの計算方法でソフトバンクはドコモにお金を支払わされます。ただし、販売されてからそんなに長くないですから、この金額自体はたいしたことにはならないかもしれません。

そしてさらにソフトバンクにドコモの信用を回復させるために、謝罪広告などをするように強いられるはずです。これは、ドコモは「信用」を盗まれたと訴えているためです。失った信用をソフトバンクの費用で回復させるために、謝罪広告などを打つように命じられる可能性があります。
考え方によってはこの謝罪広告こそ、今回の騒動でソフトバンクに最大のダメージを負わせることになる可能性もあります。

ドコモは一月にソフトバンクに警告を送っているが(警告を発したにもかかわらず無視したというのは裁判に関係する)、納得の行くリアクションが無いのでこうなったそうです。

なんでも孫社長はドコモにあこがれているようなところもあるそうで、なおかつあの大胆な孫社長ですから、東芝にらくらくホンIIIそのものを持ってきて「こういうのをソフトバンクにも欲しいから作ってくれ」と言ってこうなった事件なのかもしれないと思えたりもします。

というもの、東芝がこんな根性の要る事を自ら行うとは思えないためです(良い意味でも悪い意味でも)。私個人の意見ですが、これは孫社長が「この綱渡りは大丈夫だろう」と思って失敗したということなのではないかな、とも思えます。私の憶測に過ぎませんけどね。

※投票できるようにしてみました↓

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711 考察:ソニーは「ドコモから撤退しません」と強調しなければならない理由と、SO705iの正体

先日、日経から「ソニーがドコモ向け携帯から撤退する」と報じられ、しかしすぐにソニーが「撤退はしません」と発表を行うということがありました。記事にもしました。

三菱に続いて、ソニーもドコモから実質的に?撤退
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/03/post_94f9.html

結局、
・撤退はしない
・撤退はしないが、ソニーの独自開発は止めるらしい(OEM)
という話に落ち着いた感じになりました。


◆異論を考えてみた

この件については、携帯は儲からないんだなとか、三菱や三洋と比べて事業の頓挫の一つとして捉えられているように思います。まあ実際、ドコモ向けに携帯を自社で作って売ってしっかりと儲かるのなら、今までどおりに開発と生産が続けられていたはずです。方針を変更する理由がありませんからね。

ですが、どうも引っかかることがありました。前の記事のコメント欄にも書いて頂いていますが、最後のソニー開発のソニー機になるのではないかと思われる「SO905i」と同じく発売されている「SO705i」が既に「NECのOEM」である点です。

当時特に705iシリーズは気にしていなかったのですが、そういえばドコモの新機種が発表される時期あたりで「おいおいソニーじゃないぞ」とか言って騒いでいた人が居たことを思い出しました。その時点のSO705iの理解のされ方は、「705だからって手を抜きましたねソニー」という感じのものだったように思います。

そりゃそうです。ソニーの端末を買うつもりの人に他社の使いまわし(に思えるもの)を出してきたわけで、ファンにしてみれば嬉しい話ではないのでしょう。

ですから、この話が出てきた直後はこういう方針になったのだと想像されていました。
・ソニーはハイエンドは自社開発する
・ローエンドは他社に作らせる
しかし後述するとおり、この方針は少し変です。

また、もうひとつ気になったのは、伝聞で(ですから大間違いかもしれませんが)「SO905iはソニーの良作」という話を聞いていることです。思い出してきましたが、SO905iは出来が良くて嬉しい、しかし一方でSO705iはNECの使いまわしに凋落しているという話。しかし、SO705iはNECの使いまわしにしては結構ソニーになっていて感心はする、というような話。

以上伝聞ではあるわけですが無理矢理まとめてみます
・SO905iは力作
・SO705iはNECの使いまわし!
・しかし「NECの使いまわしにしては」妙にソニー端末に仕上がっていた。

そもそも、SO905iとSO705iはOSまで違っています。SO905iは「シンビアン」でSO705iは「Linux」。よってSO705iへのソニーの過去の資産の使いまわしは面倒なはずです。

撤退する直前の行動としては頑張りすぎではありませんか?しかも、撤退ではないと発表で念を押しています。


◆ソニーは積極的にOEMを選んだ可能性

他社の撤退は「頓挫」「挫折」とでも言えるようなものだったかもしれません。しかし、ソニーの今回の決定は、そういう感じではないかもしれません。

こういう想像はどうでしょう?

・SO905i/SO705iは、自社生産するべきかOEMにすべきかの「テスト」に使われた。
・社内の「自社生産派」はSO905iの開発に集結し、自社生産の存続を賭けての社内的「勝負端末」の開発に取り掛かった。
・もう一つのチームが「NECのOEMでもソニーらしい端末が作れるかどうか」ということを追求した。

そしてソニーが下した判断は、「ソニーとしてはOEMで『問題ない』(許容できる)と判断する」というものだったのではないでしょうか。

そうだとすると、ソニーにとっては頓挫でも挫折でもないことになります。ですから、「撤退」なんて言われるのは心外なのかもしれません。

もしかしてに過ぎませんが:
・OEMでもソニーの作りたい端末は作れる
・自社開発の方が自由にやれるが、開発予算が自由になるほうがメリットが大きい


◆NEC+パナソニック+ソニーの三社連合?

よくよく考えてみると、NECとパナソニックはすでに端末開発を共同で行っています。ハードウェアの開発も共同で行っています。そう思ってドコモの(過去の)端末ラインナップを眺めてみると、NECとパナソニックで兄弟に見えてくるものが色々と出てきます。たとえば「薄い端末」がNとPで似た時期に似た形状で出ていたりします。

そして、世間の普通の人は、NECとパナソニックが相互に使いまわしであるということをよく解っていなかったりします。変な言い方ですが、NECとパナソニックが別の端末であるように見せる事にすっかり成功しているというわけです。

そもそもパナソニックのあの売れ方を見ていると、もはや端末の中身がどこで開発されているかなど、どうでも良いのではないかという気にもなってきます。

ならば、三社で同じハードを使いまわしてそれぞれ別の端末を開発しても問題無いのかもしれません。

前に書いた時点では、SO706iは出てもSO906iはもう出ないのではないかとも思っていましたが、もしかするとそうではないかもしれません。

ソニーは今回、「OEMでもソニー独自色を感じられるSO705i」を出してきました。もしかすると、次は「OEMでもソニーの看板機種が成立する事を証明する機種 - SO906i」を出してくるのかもしれません。

自社開発を諦めるとなると、もはやソニーから世間を驚かせるような端末が発売される可能性はおよそ無くなると言うことになります。悪くすると、90xは今後もう発売されなくなります。どちらにせよ、「ソニーのファンにとっては全くありがたくない話」であることは確実です。ただ、OEMでもいいからSO906iが出てほしいという希望は叶うかもしれません。

もしかするとこうなってしまうのかもしれません、いかにも無責任で間違っていること確実な予想ですが。

・三社連合となり、ドコモの携帯は一系統にほぼ集約される。
・共通の基本ハードが開発され、NEC・パナソニック・ソニーはそれぞれ独自色をつけて販売する。
・富士通は(儲かる)らくらくホンなどの主流ではない端末を出すだけになってゆく。あるいは富士通も共通ハードで端末を出すようになる。
・シャープは独自路線(全キャリアに端末を供給して相互に使いまわす)を続ける。

またソニーからは正式発表がなく、日経が例のごとくの記事を書いただけの状態ですから、もしかしたら現時点でもソニー内部では、SO905iとSO705iの結果を巡っての議論が続いているかもしれません。ファンの人は、「ソニー社内でまだ議論が続いていて、独自開発を放棄しない方向に決定が覆る」事を期待すべきでしょうか。

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712 次世代PHSの特徴:次世代PHSがモバイルWiMAXと同じだなんてとんでもない(はず)

久しぶりに次世代PHSについての私の感想を書いてみたいと思います。

あんまり記事にできるほど確たる意見でもないのは申し訳ないですが。

◆まえおき

次世代PHSってどうなの?というあたりについて、前から思っていた事を投稿してみたいと思います。実のところ、これまでの記事は「そういう風に考えつつ」投稿していたので、実は前から同じ内容で書かれてはいるのですが。

その前にまず、誤解の無いように念を押しておきます。

毎回になりますが、私はモバイルWiMAXの意味不明なブームについては変じゃないかと思っていて、そういう記事を書いています。特に、ブームだからブームだ、とか、日本は世界に遅れちゃうよー、とか、鎖国がどうだとか言う意見を言うための枕にされているようなパターンでの言われ方についてはとても疑問があります。

モバイルWiMAXバブルについては変だと思っていますが、モバイルWiMAXそのものの全否定をしているつもりは無いのでご注意ください。

なお、モバイルWiMAXが実際にものすごく優れた技術であるというソースがあるのならば、あっさり改心します。ただし、自分で探した限りでは難儀な情報しかないのですが。

もう一つ補足。

次世代PHSについても、私は不安と期待半々です。前にも書いたとおり私は最初は、ウィルコムがモバイルWiMAXを採用するべきではないかと考えていた事すらあります。礼賛しているわけではありません。ただ、正直なところ、モバイルWiMAXには不安だけを感じ、次世代PHSには「大きな」不安と同時に希望も感じます。そこは違います。

◆モバイルWiMAXと同じという意見

次世代PHSには色々な人が批判をしていますが、どうも変な意見が大半に思えます。そりゃそうだな、と思ったら今の意見も変えるつもりなのですが(もともと上に書いたようなこともありますので)、どうにも納得できる話がありません。

世界標準という抽象概念そのものを崇拝している人や、PHSのような格の低いものは・・という思考回路による人、単に日本の悪口を言いたいだけの人、これらは次世代PHSの事実認識ではなく、発言者の内面に問題がありますのでどうしようもないです。でもこの手の批判?はなぜか多いように思います。

また、ウィルコム関係だけで開発している技術で大丈夫なの?という意見もあります。これについては、私も同じ心配をしていることは過去に書いているとおりです。しかしながら、それは利点でもあるということも書きました。本当に優れた規格が委員会などから生まれる事はそもそも稀有ですし、この点でモバイルWiMAXには付け入る隙が山のようにあります。

もう一つは、モバイルWiMAXと何が違うんですか?という意見があります。人によっては、モバイルWiMAXと事実上同一の技術とまで言って文句を言っているも居ます。今回はこれについての私の意見です。

#注意:私の意見がどの程度正しいのかについては私も解らない

◆似ている点と、決定的に違う点

私も最初の最初は、モバイルWiMAXをそのまま採用した方がいいのではないかと思っていました。次に思ったのは、次世代PHSの規格は実はモバイルWiMAXをちょっとだけ改変しただけのものではないかという心配でした。次世代PHSはモバイルWiMAXに合流すべきであると言う意見を目にした事もあって、これも同じ認識からではないかと思いました。

似ているのかと言われれば、ものすごく似ている点があるように思います。

次世代PHSは信号を電波に乗せる方法などの一番土台?な部分において、モバイルWiMAXと事実上同一、あるいは似ているようです。つまり、その部分においては「同じじゃないか」という指摘は当たっていると思います。

そして、この事実だけによって「モバイルWiMAXと同一の技術に過ぎない」と言っている人が居ます。ですがこの指摘は極端に言うと、変調方式に同じQPSKを使っているからPDC(第二世代携帯)とPHSは同一の技術だと言っているようにも思えます。

また、次世代PHSを名乗っているけれども、PHSの面影なんてどこにもないという意見もあるようです。これも間違いでしょう。次世代PHSは明らかにPHSの子孫に思えます。

私の理解する限りにおいてですが、むしろ逆にあまりに似ていてがっかりするくらい、次世代PHSは現行PHSをそのまま踏襲しているはずです。基地局と端末がどのように通信するか、どうやってマイクロセル化するか、帯域をどうやって端末に割り当ててゆくかなど。上下の通信を時分割する時間の幅まで従来と同じはずです。

ただし基本的に現行PHSのままでありつつも全く同じということではなく、現行PHSでの一部反省点(こういう規格にしていればこんなに苦労しなかった)については取り込まれているようですが。

私のイメージとしては

・モバイルWiMAXの土台だけをそのまま借りて
・その上にそのままPHSを再構築し
・PHS10年の反省点を省みて一部修正を施した

以上のようなものが次世代PHSなのではないかなあと思っています(間違っていたら指摘をお願いします)。

良く言われる批判については、土台部分だけしか理解していないからに思えます。あるいはPHSと携帯電話との差異が何であるかわかっていないので、そういう感想になるのだと思います。

私としてはむしろ、PHSそのままで大丈夫ですか?という方が気になります。同じ仕組みを別の状況に適用して大丈夫なんだろうかとか、PHSが持っている問題点は改良されるのだろうかとか思います。ただし、こちらのツッコミは見た事が無いです。しかし、その反対の心配を解消してくれるような情報も見た事は無いのですが。

◆違うものに思える

土台が同じならモバイルWiMAXに合流してしまえとか、合流してモバイルWiMAXの一種になってしまった方がよいのではないか、と思っていた人もいるようですし、実は私もそのように思った事もありました。

ですが、次世代PHSにとって重要なのは「その上にそのままPHSを再構築し」の方なので、合流しても大事な部分が共有されるわけでは無いように思えます。土台部分は利用しているだけで、その部分自身には強い興味は無いはずです。モバイルWiMAXで必死になっている部分については、「そこはむしろもっと簡単な方が良いと思ってるんで」ということになるように思います。

また、PHSは引き算の発想で、モバイルWiMAXは足せるものは全部足してしまう発想に思えます。しかもモバイルWiMAXは企業同士が自身の利権拡大を巡って駆け引きをしながら「足す競争」を行っています。

モバイルWiMAXは鬼のように電波を飛ばせノイズは信号で吹き飛ばせデータを詰め込み倒せ、という印象があります。元が無線LANの魔改造だからなのでしょうけど。一方でPHSは余計な電波を飛ばしません。何しろ圏外になった端末は自発的に電波を飛ばそうとしないくらいです。基地局から何も言われなければ、端末はじっと黙って基地局からの声が聞こえるまで聞き耳を立てているだけです。容易にマイクロセルにできるのも、余計な電波を飛ばさないので通常は発生するはずの干渉が発生しないためです。

モバイルWiMAXは最初に想定されるイメージが基地局一つと端末の世界で、とにかく互いに電波を飛ばしたくてしょうがない騒々しい状況。次世代PHSは最初のイメージから基地局の集団と(複数の)端末がイメージされ、電波は最小限にしか飛ばさない静かな集団戦闘。

土台は同じなのに、ステーキとコーラとピザを食っている人間と、お茶漬けを食っている人間くらい何か印象が違うような気がします。

土台が似ていながら別のものであるので、ウィルコムが言っているようにモバイルWiMAXのハードウェアの量産効果を次世代PHSが利用する事もできるし、両対応のハードウェアも作りやすいかもしれない、しかも、出来上がるものは全然違う、ということなの「かも」しれません。

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713 ドコモに「D905i」「F905i」に同じ不具合が同時発生

少しだけ。

先日、三菱が携帯から撤退するというニュースについての記事を書きました。

718 三菱が携帯から完全撤退 / 三洋より厳しい / これから起こるかもしれない事
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/03/718_1360.html

記事で、三菱は富士通と協力して端末を開発しているという事を書きました。そして、それを象徴する事件が起きたので、少し書いてみたいと思います。


◆同じ不具合を同時発生する絆の強さ

ドコモの「D905i」「F905i」に不具合
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/38924.html

NTTドコモは、三菱電機製「D905i」「F905i」の2機種に不具合があることを明らかにした。両機種では同じソフトウェアを利用しているため、今回明らかにされた事象はともに同じ内容となっている。

ともすると一般の人には、「D905i」と「F905i」は全然別の機種だと認識されている事も多いと思うのですが(ユーザ数が少ない事もあると思います)、全く同じ不具合を二機種で同時発生するくらいに似ている機種でもあるようです。

確かに、三菱と富士通は一緒に端末を作っていたようです。


◆どんな不具合なんだい?

気まぐれで不具合の中身について考えて見ましょう。

まず1つ目の不具合は、最大1時間程度(動画は最大30分程度)のコンテンツを夜間にダウンロードする「Music&Videoチャネル」や最大10MBのiモーション(ビデオクリップ)で発生するもの。保存データを再生した場合、音声と映像がずれることがあるという。

発生条件がわかりませんが、音声と映像のズレとなるとさすがにお客さんに辛抱してもらえる種類の問題点ではなさそうです。ちょっと不便だけど辛抱してもらおう、とできる不具合もあるとおもうのですが、これが割と発生するのであればダメでしょうね。

もう1つの不具合は、GPS対応iアプリなどで現在値を計測した場合に、失敗してしまうというもの。この事象が発生するのは、待受状態で3~4時間放置した後、現在地確認した場合に発生する可能性があるという。

これは事前には見つけ難い種類の問題点かもしれません。「3~4時間放置」というのを実行するには実際に3~4時間かかるわけで、何度も試験できませんから。もちろん本当に「3~4時間放置」しないと見つからないのならですが。

でも、3~4時間があるとは言え普通な操作でもありますから、見つかってないのはちょっとまずいですかね。

で、Fに関してはすでに一回不具合が発覚し、アップデータが出たけれど、アップデート失敗事件というのを引き起こしているようです。ウィルコムだけじゃないようですね(笑)。

「F905i」については、1月31日にGPS関連の不具合が報告され、ソフトウェア更新サービスが提供されていたが、ソフトウェアの更新に失敗する場合があるとして、2月4日をもって提供を一時中断した。
今回のソフトウェア更新サービスで解消できるという。同社では、1月末時点のソフトウェア更新サービスを適用した人は、失敗・成功にかかわらず、今回発表されたソフトウェア更新サービスを適用するよう呼びかけている。

不具合修正に不具合発生というのはなんとも笑えない話ですが、どこのキャリアでもよく起こっていることのようです。「実は今回のソフトウェア更新でも失敗する場合があった」とかならかなりのオモシロ展開なのですが(と思ってみると、某キャリアでそういうことがあったような記憶も・・)、さすがに天下のドコモではそういうことは無いだろうと思いますけど。

なお、

1月末に明らかにされた不具合は、GPSでの現在地確認時に、クリアキーを押して測位を中断するという動作と、現在地確認を連続して行なうと、測位に失敗するというものだったが、

これは事前に見つかっているべき不具合かもしれませんね。これはいけません。

「予算無いもん!知らないもん!」な現場(日本では割と一般的!!)あるいは「単にアホな現場」(これも日本で一般的!)では普通に抜け落ちる問題点かもしれませんが、「ちょっとレベルの高い」検査をやっていれば普通に見つかっているはずです。

天下のドコモといえど、きちんと徹底できていないという事でしょうか?これは困りました。大丈夫か日本。

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714 アッカ問題がまた再発:千本社長、今度は「訴えますよ?」

千本社長がまたアッカ相手に喧嘩を始めた模様です。


◆早くもアッカ問題が「また再発」

さすがにしばらくは落ち着いた状態になるかと思えたのですが、またもや千本社長とアッカの騒動が再発してしまったようです。

イー・アクセス、アッカの自己株式取得に対して質問状を提出
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/03/11/18753.html

イー・アクセスは11日、アッカ・ネットワークスが7日に実施した固定価格取引による自己株式の取得について、質問状を提出したことを明らかにした。イー・アクセスでは、18日までにアッカからの回答が無い場合や、回答が不十分と判断した場合には、法的手段も検討するとしている。

またもや再発です。

先日、アッカが三井物産が持っていたアッカ株をアッカ自身が買い取ったという記事を書きましたが、千本社長はそれに大いに不満であるようです。

アッカが三位株主の三井物産の株を買った件
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/03/post_4d2d.html

千本社長は具体的に以下を問題点としているようです。

1)株主に対する周知・検討の時間が与えられていない中で、通常の取引時間外である午前8時45分に12,820株の売買を成立させる手法は、市場立会外における実質的な相対取引であり、株主総会決議を要求する会社法の定めに違反するのみならず、一般投資家の利益を損ねる、2)総発行株式数の10.3%、アッカの2007年12月期の当期純利益14.7億円をはるかに上回る19.2億円の大規模な自己株式買い付けを、社外取締役を派遣している三井物産1社を対象に実施した点――の2点を問題点として指摘。

で、「金融庁および証券取引等監視委員会に対して調査を依頼」しており、アッカの回答次第では訴えますとのことです。

18日までにアッカから回答が無い場合、または回答内容が不十分と判断した場合には、法的手段を検討せざるを得ないと考えているとしている。

18日は来週の火曜日です。それまでに回答しろと言っているようです。


◆ここまでの経緯

ここまでの経緯を再度確認すると以下のようなものです。

・3月6日の午後過ぎ(先週の木曜日)
買い付けを行うと表明。
3月6日の終値での買い付けを行う。
15,000株を上限とする。

・3月7日午前
三井物産が募集に応じ、朝8時45分に三井物産は全株を売却したと発表。
12,820株が15万円で買い取られた。

・3月11日夕方
千本社長が怒り出す

・3月18日
千本社長が指定した回答期限

千本社長は、先に引用したとおりにこの売買は反則であると言っています。

アッカは一応は三井物産を指定しての買い付けを行ったわけでもなく(同タイミングで他所が売りたいといえば売ることができた)、一般と異なる価格で買い付けたわけでもなく(前日の終値で買った)、現金を株に変えただけで一応は損を出したわけでもありません。

まあ実質的には、三井物産相手に売る話が決まっていてのことだと思えますし、こういうことでもなければ三井物産は持っている株を手放すのはとても手間だったかもしれません。三井物産はイーアクセスに同意しない代わりに株を買い取ってもらう約束をしたのかもしれません。

また、千本社長は株主の利益ということを仰っていますが、とりあえずこういう騒動ばっかりでは株価は上がらない気もします。もっとも、そういうあれもこれも含めて全部現経営陣が悪い、というのが千本社長の言い分でしょうけれども。

それにしても千本社長、せっかく一区切りついて矛を収める機会があったのに、また喧嘩を始めてしまいました。今回の騒動をなんとかできても泥沼になってしまうだけの気がしてならないのですが、この騒動をどうやって終わらせるつもりなのでしょう?

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三菱に続いて、ソニーもドコモから実質的に?撤退

先日、三菱がドコモから撤退するという発表がありましたが、今度はソニー(ソニーエリクソン)の「実質的撤退」が発表されてしまったようです。

#ブログ書く時間を無理矢理ひねり出して、無理矢理投稿した記事です。


◆撤退なのか撤退でないのか二転三転しましたが

まず最初、「撤退」のニュースが日経?から出ました。正直なところ撤退のニュースは意外な話ではなかったものの、日経は過去にいろんな「誤報」をやっているので、この時点では様子見をする必要がありました。

過去の誤報:
・ツーカの売却先決定
・ブルーレイとHD DVDが企画統合する事になった
他色々

ほどなく、ソニーエリクソンがもやっとしながらも「撤退しない」という発表をします。そしてドコモも「何も聞いてないよ」という発表をします。ちなみに三菱に際には、ドコモは事前に撤退の方針を三菱から聞いていてトップシークレットにしていたようです。

また誤報か、と思ったのですが。

・撤退はしないが方針転換はする。
・今後はOEMにするらしい。
ということのようで、あながち誤報でもなかった事がわかってしまいました。

少なくとも最前線(90xの自社開発)からは退場するのではないかと思えます。


◆個性ある端末は

前の記事で書きましたが、ドコモには直参の四社がありまして、この四社とドコモは特別な関係にありました。そしてソニーですが、その「四社」には入っていません。つまり「外様」でした。

ちなみにOEMにするというのは簡単に言うと、他社が作っているのを買ってきてソニーブランドで売るということです。自分で作らないということです。

「似た状況」としては、ウィルコムのWX320TやWX310SAが相当するかもしれません。これらは実質として日本無線が作った端末をほぼ流用したものでした。日本無線が売っている端末そのものではないし、違うところもあるわけですが、完全に別機種であるとは言えない端末です。

ですから撤退しないとは言っても、以後出てくる「ドコモのソニー」は、別の端末のそっくりさんだったり、ごく普通な端末でしかなかったりするだろうということになります。他所で作ったものをソニーブランドで売るとそういうことになってしまいます。

また、AU向けについては何も発表されていませんし、海外市場では「ソニーエリクソン」はとりあえず成功しています。世界四強に入りつづけているからです。携帯をやめるのではなく、ドコモとの関係を縮小するということになります。

少なくともこれで、ドコモでの主役級は降りたという事になりそうですから、

・NEC+パナソニック
・富士通
・シャープ

以上だけがドコモのメインストリームを発売するところになり、

・OEMなソニー
・海外勢

がバリエーション的な存在になりましょうか。

「NEC+パナソニック」については、ドコモともはや一蓮托生の関係にあるので、NとPそれぞれのブランドで出すのを止めることはあるとしても、撤退は当面考えらないでしょう。

「富士通」については三菱の撤退で立場がさらに微妙になりましたが、「らくらくホン」を出す特権をドコモから与えられています。よって「らくらくホン」はしばらく大丈夫そうですが(こちらは儲かっているようですし)、だからといって90xも安泰だということにはなりません。
もし仮に「らくらくホン」のみに撤退/事実上撤退した場合、その場合一般人にとっては撤退のようなものかもしれません。

「シャープ」についてはどのキャリア向けでも端末を作るという作戦に出ていますので、おそらく、携帯キャリアを横断して設計を流用するなどしての競争力維持を図るのではないでしょうか。実際、アクオスケータイは出しまくりですし。

ドコモ様の要求のとおりの機能を備えた言われたとおりの販売ポジションの携帯端末を作り、ドコモ様がOKを出さないと販売できませんという仕組み、だんだんと難しくなってきているようにも思えます。

LGはドコモ方式に付き合って端末を作っているようですが、それは日本でのメジャープレーヤー入りを果たしたい故の無理をしてのことだと思います。ずっとドコモ方式に付き合ってくれるとは限りません。なにしろLGは世界シェア五位ですから、日本向けにめちゃくちゃ手間のかかる事をさせられた上に、大して売れないのでは止めてしまうかもしれません。ちょうど今回のソニーエリクソンのように。

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715 孫社長「光ファイバをばら売りしろ」、総務省への意見の賛成反対の分布が面白い件

更新が滞っていたのでこれも数日遅れの話題です。


◆「光ファイバの八分岐問題」の賛成反対

前にちょっと書きましたが、現在光ファイバをどうするかという騒動がおきています。

現在光ファイバは「八分岐単位」でNTT東西から貸されていて、それを「一分岐単位」で貸すようにしろという揉め事が起きています。総務省が意見を募集したところ、賛成反対あわせて144件もの意見が殺到してしまったようです。

「八分岐」とか「一分岐」というのは、簡単に言うと「一個単位で売っているか」「八個セットじゃないと売ってもらえないか」というようなことだと思ってください。割と高額な商品のイメージで。

孫社長はもちろん「一分岐単位」で貸し出せ、と騒いでいます。NTT東西は「八分岐」にしているのは運用上の問題があるからで、設備が自然としてそうなっているのに、無理に「一分岐」で貸すといろいろ困った事がおきるのでやるべきではないと主張しています。

で、今回色々なところから意見が届いたようなのですが、それを賛成側と反対側に集めてみると面白い事になります。


◆賛成と反対で分けてみた

ニュースによると以下のようになります。

■八分岐のままが望ましい

NTT一族
・NTT持ち株
・NTT東日本
・NTT西日本
とか

電力会社一味
・ケイオプティコム(関西電力)
・エネルギア・コミュニケーションズ(中国電力)
・東北インテリジェント通信(東北電力)
・九州通信ネットワーク(九州電力)
とか

ケーブルテレビ
・USEN
・UCOM

光ファイバの工事会社
・日本コムシス
・協和エクシオ

その他
・アッカ
・ウィルコム


■一分岐にしろ

・ソフトバンク一味
・KDDI一味
・イー・アクセス/イー・モバイル

電力一味
・STNet(四国電力)

その他
・フュージョン・コミュニケーションズ(回線を借りて電話会社とかやっている)
・JCOM(ケーブル)


◆自分の都合の良い事を正義だと言い張る

それぞれの意見、すべて「国民みんなのことをかんがえています」「これが正しいのです」という意見です。大人の事情ってやつです。

さて、それぞれの賛成反対ですが、見事に自分の都合ばっかりです。

NTTとソフトバンクはそもそもの喧嘩の発端ですから、それぞれ賛成と反対です。そして、NTTと同じく、光回線を貸す側になる可能性の高い、電力会社とケーブルTV会社も反対しています。

#光ファイバ網を持っているのはNTTだけではないのです

面白いのは、電力会社系の光ファイバでは最強のケイオプティコム(関西電力)がNTT側で意見を言っていて、光ファイバでは弱小の四国電力系がソフトバンク側についていることです。なんとわかりやすい現象でしょう。

また、光ファイバを工事している会社も反対していています。悪いように言えば、NTTからお金を貰って工事しているからNTTの肩を持っているだけとも言えますが、どうやら一分岐で貸し出すのは設備的に不自然でもあるようで、「そんなことになったら実際に工事して対応する私らはどえらいことになります」という意見が出ています。

また、NTTの遠い親戚とも言えるアッカはやはりNTTの肩を持っています。また、意見無し(中立)でも、あるいは反対でもおかしくないウィルコムはNTT側で意見をしています。ウィルコムはNTT一族とは割と仲が良いとされますが、そのとおりの意見となりました。

ソフトバンクと同じく、光ファイバの時代になってNTTとの競争に困っているKDDIは、ソフトバンク側で意見を言っています。同じくADSL業者であるイーアクセス/イーモバイルもソフトバンク側です。

なんといいましょうか、何が正しいというよりも単に利害関係そのままで賛成反対にわかれているだけのようです。しかし、意見書の中身は全て「正しい正しくない」という内容なのですが。世の中とは、本当に困ったところです。

私個人の感想としては、設備的には八分岐単位にしないとやはり無理があるように思えました(ぜんぜん良くわかっていないのですが)。しかし、それでは借りる側は「商売として」難しいようです。だから、たとえ無茶苦茶でも借りれるようにしなければならないということかもしれません。あるいは無茶苦茶だからこそ。

NTTからすると、電力会社系の光ファイバは侮れない存在になってきており、CATVだって健闘しているぞと言いたげです。つまり、ちゃんと「自前で光ファイバを引いているところで競争になっているぞ」と言いたいのでしょう。NTT以外の八分岐維持派からすると、「俺はNTTじゃないぞ!」「NTTと競争しているけど俺たちは反対するぞ」「俺たちの足を引っ張るのか」という感じでしょう。

ソフトバンクやKDDIやイーアクセスは、一分岐にしないとNTTの独占になって日本は大変な事になると言いたげです。しかし、KDDIについてはある程度自前の光ファイバも持っているので、立場は微妙かもしれません。

国のすることですから、恐らく足して割ったような折衷案(八分岐を強く意識しつつも、八分岐未満でも借りれる選択肢を設けるような案)が出てきてそれで話は終わるのではないかと思えたりします。あるいは八分岐のままで仕方ないとして、その代わり他の何かでバランスを取る事にするとか。

その前に、マスコミもこの工作活動に荷担してしまいそうな(あるいは、すでにしている)気もしますけど。

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アッカが三位株主の三井物産の株を買った件

少しだけ書きます。


◆アッカが三井物産の持っているアッカの株を買い取る

2.5Ghz帯騒動からの流れ(惰性)でアッカについて少し書きます。

アッカ、三井物産が保有する全自己株式を取得
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/21189.html

三井物産というのは何か、というと、「アッカの第三位株主」だったところです。

アッカの株主は
・大半が一般人が取引している株
・一位:イーアクセス(千本社長のところ)
・二位:NTTコム(NTTコミュニケーションズ)
・三位:三井物産
・四位:イグナイト
・五位:大和證券
だったはずで、しかも四位まではそれぞれ大体一割程度しか株を持っていない状態のはずです。表現として適切かどうか分かりませんが、団子状態という感じで。

この状態からアッカは三井物産の株をアッカ自身で買うことになったようです。これでアッカは一割の自社株を持つことになりました。

三井物産の側は「ADSLからの撤退を意味するわけではない、アッカの新事業が上手く動き出したら、また提携する事もある」と発表しており、アッカは「自社株持っているほうが色々と動けて便利な事もありますから」的なことを言っています。表向きは、アッカが株を買いたいと思い、たまたま居思惑の一致した三井物産が応募しましたということのようです。

しかし、イーアクセス騒動と関連のある動きでしょうね。例えば、株主総会で三井物産がイーアクセスに賛成しない代わりに株を買い取る約束をしたとか。千本社長が余計な事をしたので、見えないところでいろんな事が起こってしまったのではないかなと。


◆ついでに補足

少し前に、アッカについて「もやっと」した記事を書きました。つまりのところ、アッカ大丈夫かな?と前から思っていたという内容の記事でした。言っている事があんまりわかってない感じがして心配だと。なんか吹き込まれている感じに思えて心配ですよ、と。

さらに言うなら、一時期そんなアッカがWiMAXの当確候補と呼ばれていたのは不思議ですらあります。総務省の既存3G事業者排除がもたらした変な効果でした。

私はイーアクセスがアッカを掌握しようとするのにも何か納得できなかったのですが(両社には良い結果を生むとは思えなかった)、アッカのことを褒めているわけではないです。しかしながら、決定的に変な事をするよりは大して何もしなかった方が結果良かったというのが現状にも思えています。

また、先細りだろうとなんだろうとアッカはADSL事業者としては一応の成功を納めています。ともかくも通信事業でやってゆけているのは意味のないことではないでしょう。多くのプレイヤーが土俵にすら立てない中、ちゃんと駒の一つになっているわけですから。

また、意図しての結果ではない気もするのですが、ドコモからHSDPAをMVNOする事にも成功していますし、ウィルコムとも繋がりがあります。ドコモから借りる回線は意外と利益を生むことになるかもしれません。しかも、自前での参入と違ってリスクはほとんどなしに。

まあ、拍手は出来ないにせよ、どうしようもないわけでもないのが現状じゃないでしょうか。

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716 携帯電話2008年2月純増、「およそ一位」現象が再発 / ウィルコムは純減

忙しすぎてしばらく更新が止まっていました。


◆携帯電話の2008年2月の純増数が発表される

まず結果を掲載します。

・ドコモ 4万3700
・KDDI(AU+ツーカー) 20万1200
・AU 24万9900
・SBM 22万8100
・EM 4万2800
・ウィルコム -2万9400

携帯の契約の数は全体で1億を超えているわけですが、まだまだ増えています。不自然な現象に思えますね。二台持ちとか塩漬けの数でそうなっているのでしょうけれども、そんな不自然な事はいつか続かなくなるわけで
。各社相当に無理をしての数字なんでしょう。


◆「およそ一位」が再発する

SBMが少しリードしつつあり、ドコモの年末の無理が終わったので、しばらくは安定した順位になるのではないかと思っていたのですが、また「およそ一位」が再発してしまいました。今月も自称一位が二つということになりました。

・KDDI(AU+ツーカー) 20万1200
・AU 24万9900
・SBM 22万8100

AUは「2月はAU(限定)が一位」と言い、ソフトバンクは「ソフトバンクは10ヶ月連続一位 ※ただし携帯事業者での総計」となりました。またややこしい事になりました。

ツーカーは確かにKDDIグループなのですが、ツーカーの純減が全てAUの純増に直結しているわけではありません。ですから、合算しないほうが自然であるともいえます。ややこしいです。

というわけで今月も「およそ一位」が二つという事になってしまいました。

SBMはこれから「ホワイト学割」の効果が出てくるでしょうし、「KDDI」についてはツーカーが三月末で停派します。

ツーカーはまだかなり沢山残っていますから、KDDI全体では大幅純減になってしまい、もしかするとこういうとんでもない事になるかもしれません。

KDDI(AU+ツーカ)<全キャリア<SBM<AU

「超およそ一位」現象とでも呼んでおきましょうか?


◆ドコモはやはりそのまま、ウィルコムは純減

ドコモですが、予想したとおり年末の好調は一時的なものだったようで、二月もあまりよくない数字のままです。しかし、純減していないのが私には驚きです。

また、イーモバイルは少しだけドコモに負けました。先月、ドコモは「イーモバイルにも負けた」と騒がれましたが、今月はそれはなかったようです。しかし、元の契約者数が最大のところと最小のところで競っている事自体が、ありえないことです。契約者数が多く、市場が飽和していると解約の効果が大きいからです。この結果はドコモが健闘している(あるいは相当に無理を重ねている)と言えるのではないでしょうか?

ウィルコムですが、残念ながらまた純減になってしまいました。この数字は二月の数字ですが、三月からは新端末が投入されていますし、新端末は好評のようですから、来月こそは「伝統の低空飛行」に戻っていただく事にしましょう。

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KDDIのモバイルWiMAX会社の名前がどうも落ち着きません

KDDIのモバイルWiMAX会社の名前が決まったようです。


◆その名も

これまでこのブログでは「KDDIのWiMAX」とか「KDDIの」とか書いてきたところの新会社の名前が決まったようです。

ワイヤレスブロードバンド企画が事業会社化。新社名などを発表
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/21131.html

「UQコミュニケーションズ」

だそうです。

「何でも最初はそういうものだ」というだけのことかもしれませんが、なんともしっくり来ない名前です。そう思うのは私だけではない気がします。

ちなみに、

KDDIが2.5Ghz帯の獲得のために作った「KDDIを薄めた会社」には「ワイアレスブロードバンド企画」という名前があったのですが、当ブログではその名前は使っていませんでした。その理由は「わかりにくいから」、そして「後日とっても分かりにくいだろうから」(後日名称を変更する事は発表されていた)。同じ理由でOpenWinの表記も出来るだけ用いていません。

というわけで「KDDIのアレ」的な表記のままにしておりました。

名前が決まったら今度こそ呼び方を変えようと思ったのですが、これはどうもしばらくは「KDDIのアレ」のままになりそうです。またどちらにせよ、毎回書くには名前が長いので困ります。

「悠久」を意識した名前なんじゃないかという気もしますが、サービスが上手く行かなかった場合(インフラが)「遊休」とか言われそうな気もします。


◆サービスインのスケジュール

記事から引用すると

基地局の数:
2008年06-09月 300局
2008年10-12月 300局
2009年01-03月 400局  計1000局
2009年度 3000局 計4000局

エリア:
2009年2月 東京23区および横浜市などで試験サービス
2009年夏 東名阪地区へとエリアを拡大/商用サービスを開始
2009年度末まで 政令指定都市
2010年度末まで 全国主要都市

予定ARPU(利用者の平均支払額) 3200円

韓国のKT、北米のSprintとローミングを検討

購入先(ただし2008年度分):
屋外基地局 富士通とサムスン電子
屋内基地局 サムスン電子
アクセスサービスネットワークゲートウェイ装置 日立製作所
コアサービスネットワーク装置 CTC(伊藤忠テクノソリューションズ)

一年後に試験サービスのようですね。というわけで少なくともあと一年はまだ結果待ちのようです。また、一年経っても基地局は1000局のようです。

モバイルWiMAXの基地局は携帯に比べて設置が容易だとされていますし、KDDIはツーカ跡地のリサイクルもするので建設は比較的容易なはずです。KDDIは予算を抑制している計画のようですが、それでも怠けた計画で1000局ということではないでしょう。携帯電話の基地局を46000局にするといった孫社長がいかに無謀だったかよくわかります(そしてドコモの基地局の増加がいかに異常か)。

ドコモのLTE(Super3G)のサービスイン開始は2010年との発表がありましたので、ドコモがLTEを開始する頃には「全国主要都市」でサービスインしている事になりそうです。ただし、予定通りだった場合ですが。モバイルWiMAXのLTEに対する先行分がこれで明らかになりました。

韓国KTおよびアメリカSprintとのローミングを検討しているようです。しかしKTはWiMAXではなくてWiBroなので実は技術的に少し異なっており、エリアが酷いので契約する人がとても少ない状態のようです。そして、Sprintはサービスインするのかどうか良くわからない状態です。

世界最小の基地局を作ったと発表していた富士通が選ばれている他、以前からKDDIと取引があるサムスンと日立も選ばれています。ただし2009年以降は別のところを選ぶ事もあるそうです。WiMAXなんだからどこから調達してもいいはずじゃん、だそうで。


◆当面はUSBやPCカードだけ

最初は携帯電話(CDMA2000)との融合を目指していたはずのKDDIですが、どうやら違うようです。

当初はPCカードやUSBによる提供になるが、UMPCやMID(Mobile Internet Device)、組み込み端末などオープンな端末をターゲットにしていく」とした。

「当初はPCカードやUSBによる提供になる」とのことです。一番面白くない提供方法です。そして、この方法ならば当初問題になるであろう消費電力の問題についても気にせず済みます。

そして、その次の予定として出ている「UMPC」についてはつまり、インテル様が標準対応させたハードを作らせるはずだからという事のようです。

携帯の通信方式と融合させる最初の話はどこかへ行ってしまいました。

また、

Sprint NextelのWiMAX事業に関しては、「立ち上げの遅れなどの話が出ているが、引き続きWiMAX事業を展開する考えだと聞いている」と述べた。

ツッコミを入れた記者が居たようですね。もはや「立ち上げの遅れ」なんてものではないとは思うのですが、立場上はそのように答えるしかないようですね。

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717 アメリカの「99.99ドル完全定額携帯」は日本では実施できない件

少し前から話題になっている話についてのツッコミです。


◆アメリカで99.99ドル完全定額携帯はじまる

少し前から、アメリカで完全定額がはじまったというニュースが出ていました。

米大手キャリア3社、音声定額プランを発表
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0802/20/news046.html

定額なら日本でもやっているよね、と思うかもしれませんが、

3社のプランは月額99.99ドルで、他社の携帯電話や固定電話とも無制限に通話できる。

というわけで、完全定額という表現にしてみました。

まずこの定額は、ベライゾン(Verizon Wireless)が開始しました。ベライゾンは以前の記事で書いた「LTEに寝返った」携帯電話会社です。

765 迷子のCDMA2000陣営(含むKDDI/au)
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/01/765_cdma2000kdd_339e.html

続いてAT&TとT-Mobileも同様の定額を開始しました。

そして、このブログで話題になっているスプリント(Sprint Nextel)は音声完全定額を上回る定額を開始します、音声だけではなくデータ通信も99.99ドルで定額にしてしまいました。つまり、文字通りの完全定額です。

99.99ドルなので、日本円にして一万円は超えます。しかし日本には無い画期的なサービスが始まったようにも思えます。

しかしこの定額、日本でいう定額とは少し意味が違います。


◆日本では実施できない定額制度

記事を書いたのは、(案の定というか)このニュースを基にして日本叩きを始める人を見かけたためです。曰く、日本の料金は高すぎる、日本はチャレンジが足りない、日本のいびつな制度が・・・

実はこの定額、日本では実施できません。

というのはアメリカで携帯電話から携帯電話に電話をすると、「電話をかけた側」も「電話を受けた側」の両方ともに課金される仕組みで、それだから実施できる「定額」なのです。

日本では、電話をかけた場合の料金は電話をかけた人が全額負担します。・・ということをわざわざ書くのも馬鹿馬鹿しいくらいの常識です。電話に出るだけでお金を取られる事は基本的にはありません。この日本人の感覚で考えると、電話を受ける側も料金を取られる可能性があるというのは非常識に思えます。

しかし、考えてみてください。
・あなたはドコモユーザだったとします。
・携帯相手に電話をすることになりました。
・相手がAUなのかドコモなのかソフトバンクなのかはわかりません。
・相手がもしソフトバンクならば若干高い料金を取られてしまいます。

日本の料金制度は相手の都合で自分の負担額が大きく変わってしまう制度といえなくもありません。ならば、こういう風にして「公平」にすること事も考えられます。

・自分の電話機から相手の電話機の通信経路を考える。
・通信経路のうち、自分の責任の部分は自分がコスト負担をし、相手の責任の部分は相手がコスト負担をする。

となると、結局電話をかけた側の人間が負担をするのは、「自分が責任をもつ部分だけ」になります。例えばドコモ=ソフトバンク間の通話だとすると、「ドコモ側」のコストだけを自分が負担するのだと思いましょう。

上記の例ならば、ドコモ→ソフトバンクに電話をかける場合、ドコモ側の料金を電話をかけた側が負担し、ソフトバンク側の料金を「電話に出た側」が負担するという仕組みです。

実は不正確な説明になってしまいますが、アメリカの「電話に出た側も料金を取られる」という仕組みはこういう感じでの課金だと思ってください。


すでにおわかりになった人も多いと思いますが、こういう仕組みなので、アメリカでは完全定額を実施する事が可能なのです。

つまり、日本で完全定額を実施しようとすると、「他社宛に通話をした場合に、他社に対して支払うコスト」が問題になって定額が非常に難しくなりますが、アメリカにはこれが(あまり)無いということです。

例えばウィルコム→携帯に通話を行う場合、ウィルコムの通信回線だけではなく、携帯電話会社の回線も使わないと相手の電話機に到達できません。日本の課金方式ではこの通話のコストの支払い主は全てウィルコム(電話をかけた側)ですから、「携帯電話会社側の回線を使うコスト」をウィルコム側が全額を携帯電話会社に支払わなければなりません。しかし、アメリカ方式では「そうではない」ということです。だから、完全定額を実施できるのです。

したがって、アメリカ式の完全定額は日本ではそのままでは実施できないということになります。

また、ウィルコム定額(同一キャリア内定額)を日本で実施する難易度と、アメリカで完全定額を実施する難易度は似たようなものという事になります。

よって99.99ドル(一万円超)で日本式の24時間定額をやっているのと同じようなものだということになりまして、むしろ日本のほうが進んでいるとも言える状況かもしれません。

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718 三菱が携帯から完全撤退 / 三洋より厳しい / これから起こるかもしれない事

「三菱が携帯から撤退」のニュースに関する記事です。

全くの予想外だったかと言われればそうではありませんが、しかしショックなニュースです。


◆ドコモ直参の三菱が撤退

三菱が携帯電話事業からの撤退を発表しました。つまり、今後は三菱の携帯電話は発売されなくなってしまうということです。具体的にはD906iはもう発売されなくなったということです。

撤退自体は一部で囁かれていた事でもあるようですが、昨日までD905iのCMが盛んに放送されていましたので、あまりに急にも思えます。

三菱はドコモがドコモになる前(電電公社の一部であった頃から)からのドコモの直参の一社でした。具体的には以下の四社は大昔からドコモと特別な関係を持っているところでした。

・NEC
・パナソニック(松下)
・富士通
・三菱

しかし三菱はこの四社から脱落する事になります。

三菱は携帯他社にも端末を提供していた事がありましたが(ボーダフォンのプリペとか)、最近ではドコモ向けに限定しており、逆にいえばドコモ向け以外を切っていました。しかしながら、それでもダメだったようです。

ちなみに、富士通も長い間ドコモ向けの携帯しか作っていません。パナソニックは松下電器(当時)全体が経営の建て直しをする時に、選択と集中と称してドコモ向けの端末だけに集中しました(最近になって他キャリアへの再進出を進めていますが)。そしてNECは長い間ドコモの携帯の顔のような存在でした。同じようにドコモと長年組んできた三菱でした。

かつてドコモがW-CDMAを開始する際に、この四社のなかに東芝が入り込もうとしたことがありました(四桁FOMAの時代)。東芝はFOMAがとても酷い状態だった時期にW-CDMAの基地局を提供し、苦労して端末を提供しました。しかし、東芝はドコモ一家に入り込む事が出来ず、(聞いた話では)半ば喧嘩別れの形でドコモと袂を別っています。東芝は現在、「ドコモ以外の全キャリア」に端末を供給しています。

ちなみにシャープは全キャリアに端末を供給しています。ここは何でもアリです。最近では中国大陸市場に新規参入するという発表もありました。

このように結束してきたドコモ一家から脱落者が出てしまったということです。

三菱が残りの三社と違うのは、ドコモのインフラ側を請け負っていないことでしょうか(記憶によるとそのはずです)。もしかしたらそのあたりが今回の結果になにか関係しているのかもしれません。


◆三洋と違うところ

携帯からの撤退というと、最近では三洋の撤退がありました。しかし、三洋の撤退と三菱の撤退では話がかなり違います。

三洋の場合には本業が傾いたために、携帯部門を他社に売る形での撤退でした。三洋としては携帯部門とお金を引き換えにしたのであり、また三洋の携帯部門は売却先の京セラの中で生き続けることになります。つまり、「SA」の携帯端末を作っていた人たちは、引き続き携帯端末を作るのです。

三菱の場合には、「携帯部門の消滅」となっています。「ドコモのD」を作っていた人たちは今後携帯電話を作りません。人員は三菱内部の他部門に再配置されることになるそうです。つまり、何も残らないのです。


◆連鎖で富士通もドコモから撤退するかもしれない

これまではドコモ端末(の国内メーカ)は、ドコモ一家の四社と、J-Phoneでの絶大な人気を背景に参入してきたシャープの五社で生産されていました。

ドコモは各社にかなり過酷な要求を行い、それに応えて端末を開発し、完成後もドコモの最終チェックを通過しなければ発売はまかりならんというのがドコモ一家の掟でした。ドコモの端末の品質が一定以上なのはこの仕組みのためでした。しかし端末の開発費は大変なことになります。そこで、五社はそれぞれ連合を組んでいました。

・NEC+パナソニック
・三菱+富士通
・シャープ

NEC+パナソニックの連合はよく知られている話で、NのソフトウェアとPのハードウェアでそれぞれ分業したとか言われているものです。連合後はPの端末のソフトウェアがN化し、ずっとPのファンだった人(Pのソフトウェアは使いやすいという評価が多かった)には悲しい出来事でした。

富士通(F)と三菱(D)も開発で協力していました。しかし今回三菱が脱落することになります。よって、富士通は組む相手を失う事になります。さらに悪い事に、三洋と違って「消滅」ですから、三菱の携帯部門ごと富士通が引き受けるというような事も出来ません。

非常に個人的な感想でもありますが、「人気」があるのはNやPで(特にPはあざといと思う事もあった)、SHは機能てんこもりが好きな人の端末で、しかし良く出来ているなあと思えるのはFやDだったように思います。

今回の記事からは脱線しますが、特にFはもうちょっと評価されてもいいと思います。あるいはFは良い仕事をしているにもかかわらず筐体デザインとプロモーションが下手なのかもしれません。

三菱のスライド式+クルクルを愛用している人にとっては今回の決定はとても悲しい事かもしれません。「私が思うに」ですが、Dは良く出来ていますから、売れた台数はともかく持っている人の満足度は高いはずです。

また、ここしばらくDが盛んにCMをしていたように見えたのは、「この目標をクリアできなければ終わりだからね」と言われていたゆえに最後に振り絞った力だったのかもしれません。


◆減るドコモ直参

三菱が撤退しなければならなかったのは、儲からなくなったからです。

もちろん世界的に競争が激しくなっているということもあるのですが、日本の国内市場はほぼ閉じているので、国内的な事情によるところが多いでしょう。また、メディアでは「携帯市場が飽和したから」という説明もあるようですが、飽和しようと機種変需要がなくなるわけでもありません。

ドコモからの過酷な要求が続いた事で開発費は下がらなかったことと、一方で総務省が端末価格と携帯料金の分離をさせるように指導した結果、どうやらここしばらくは携帯の機種変間隔が伸びていて、その結果そもそも端末の売れる数が減ったという事情もあるようです。もしかすると総務省が何もしなければ、三菱は撤退していないかもしれません。

ドコモは三菱の撤退決定に対し、「海外メーカを・・」というようなコメントをしているそうです。海外メーカにドコモ様方式での端末供給が可能なのかどうかと思えてしまいます。海外で販売されているものを日本国内に持ってくるだけならば、どうしてもドコモ本流の端末にはなれないでしょう。かといってドコモ方式に付き合ってくれる(あるいはドコモ方式に「最後まで」付き合ってくれる)海外メーカはそんなにいないと思います。

もし仮に似たポジションの富士通も脱落すると、古参で残るのはNECとパナソニックだけになります。しかもこの二社はすでに提携済みなので、ドコモ直参は一つという事になりかねません。

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719 アッカが連呼していた「エコシステム」の謎

何となく残ってしまっていたネタで記事を書いてみたいと思います。

最初は2008年の一月の2.5Ghz帯の割り当て結果を受けての記事の後ろの方に書くつもりだったのですが、アッカvs千本社長がはじまってしまって、投稿するに出来なくなっていたネタです(しかもまだ考えがきっちりまとまっていない・・)


◆アッカの前?の社長さんが落選する少し前にインタビューを受けていた記事

アッカの前社長(まだ前社長ではないか)へのインタビュー記事です。「2007年12月17日」(落選直前)の記事というところがポイントです。

アッカの強みは、インフラの提供だけにとどまらないこと──アッカ・ワイヤレス 木村社長 (1/2)
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0712/17/news040.html

12月17日というと、すでにソフトバンクとウィルコムの場外乱闘すら発生済みのころです。2.5Ghz帯騒動の最終盤ということになります。

結果がわかった今になれば何でも言えるのも確かなのですし、まだ獲得の戦いは終わっていないので、本心がどうであろうと自信のあるところはアピールせねばならないのはまた事実です。
しかし、インタビューを読むと、どうにも大丈夫じゃない内容です。

まず、インタビューではドコモについて聞かれています(インタビューをしている人は知識のある人なので、ツッコミどころも当然解っているのです)。苦しいながらもそう言わざるを得なかったのか、天然なのかはわかりませんが、
・ドコモはWiMAXに本気である
・アッカは中立な新規事業者として参加している
・ドコモはそんな「中立なアッカ」をサポートするだけの立場だと約束している
とか何とか。

記事からは、まだアッカは帯域を獲得する有力候補だと思っているように思える内容でもあります。立場なのか、天然なのかはわかりません。

また「エコシステム」という単語がやたらに使われています。例えば単一の通信手段などだけに注目するのではなく、いろいろな通信手段、色々な利用手段やプレイヤーをすべて全体で(という意味での「エコ」)考えていますというような発言です。そしてWiMAXはそういう「エコシステム」の一部として考えているんだと。

だから、わが陣営は他陣営よりも考えている事の視点が一段階高い、と考えている事を思わせます。しかし、(本物ではない)コンサルに何かをインストールされた人の発言だと考えると納得できてしまうような内容であります。

またアッカはモバイルWiMAXより前の「同じような流行り話題」の公衆無線LANにも手を出していて、モバイルWiMAXと公衆無線LANを中途半端に組み合わせるような実験(そういってよいかどうかは異論もありましょうが)をしたという発言もあります。
固定回線からモバイルWiMAXで電波を飛ばし、それを無線LAN基地局で受けて、無線LAN基地局の通信ケーブルの代わりにするという話です。

無線LAN対応のゲーム機やオーディオプレイヤーが容易に、無線LANを経由して、モバイルWiMAXにつながり、ネットにアクセスできるという環境は、都市部にこそ求められているような気がします。

そういう意味では、無線LANとモバイルWiMAXは競合ではなく協業していくようになると思います。

発想が無線LANブームの頃のままになっている気すらしてきます。また、以下は表現自体がすでにちょっとです。

エコシステムや資金調達に関しては、すでに動き出しているので、われわれで粛々とやっていきたいと思います。


◆アッカの新事業でも筆頭に出てきていた「公衆無線LAN」

アッカがイーアクセスに対応する形で出した新事業についても、「公衆無線LAN」に力を入れるということが出ていました。メッシュネットがどうとかいう発言もあったような気がします。

発想が無線LANブームで止まっているとすら思えてしまいます。メッシュネットも第二次の無線LANブームとでも言えるものですから。結果、「今でも無線LANブーム」と「エコシステム」で発想がすべて説明できてしまう気すらしてきます。

・公衆無線LANをやりますというのはまさしく「今でも無線LANブーム」。
・ドコモのHSDPAを借りますというのは発想としては「エコシステム」。
・NTTコムとウィルコムと組んでいろんな通信手段を組み合わせるようにしますというのは、「エコシステム」。
・そして固定WiMAXのコンサルをしますというのは、自分達が誰かから聞いたものをそのままリサイクルする
という事かもしれません。

「通信業界浪漫話」な誰かに素敵にプレゼンされて、こういうことになっちゃったのかなあと思えます。

・発想が公衆無線LANブームのまま
・「エコシステム」を吹き込まれている

以上で説明できてしまうということをちょっと考えていました。ただし、千本社長との戦いの最中にはとても投稿できる内容ではありませんでした。

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720 モバイルWiMAXに悪いニュース、スプリントがやはりピンチ、そして「ノーテル」もピンチ

モバイルWiMAXの話題です。

またもや、悪いニュースです。


◆まえおき

まず最近このブログに来られた方のために説明します。

「モバイルWiMAX」とは(ちょっと前まで)マスコミで話題になっている?なっていた?通信技術です。

ですが、モバイルWiMAXはいろんな意味で割とヤバイこと、少なくとも一部メディアが書いていたように、モバイルWiMAXは必ず世界を席巻するとか/モバイルWiMAXは非常に優れた技術だとか/日本はモバイルWiMAXで欧米に遅れちゃうよ、という意見はどうも怪しいのではないかということを、ここしばらく記事として書いています。

#2007年末~2008年2月あたり?の記事を読んでください

さて記事のタイトルになっている「スプリント」というのは、アメリカの携帯電話会社スプリント(Sprint Nextel)のことで、もしスプリントがモバイルWiMAXの計画中止を決定すると、事実上北米でモバイルWiMAXは頓挫します。そういう瀬戸際にあります。


◆スプリントは巨額赤字

ここでさらに悪いニュースです。

ネット/テレコム市場セクタの株価下落が顕著に
http://www.computerworld.jp/news/trd/99750.html

記事の書き出しはこうなっています。この記事はアメリカ全体の話題について書いている記事だということを考えて読んでください。

今週は米国Google、米国Sprint Nextel、米国Nortel Networksに関する気がかりな報道を受けて、投資家はネット/テレコム市場セクタへの投資を控えている。また、デルの四半期業績も、消費支出の低下をうかがわせるものとなった。

四つの会社の名前がありますが、そのうちの二つはモバイルWiMAX関連です。

まず「Sprint Nextel」はこれまで書いてきたとおり、北米で唯一モバイルWiMAXをやろうとしている携帯電話会社です。そして「Nortel Networks」というのは、これまでこのブログでは書いていませんでしたが、モバイルWiMAXの基地局関連の会社です。

まずスプリントの部分を引用しましょう。

Nextel買収に伴うトラブルを抱えていたSprint Nextelは28日、第4四半期の295億ドルの赤字決算を発表し株価が下落した。同社のCEO、Dan Hesse(ダニエル・ヘッセ)氏は、厳しいモバイル(携帯・移動体通信)市場環境の下で契約者をさらに失う可能性があることも明らかにしている。同日の株価は86セント安の8ドル9セントで引けた。

「同社のCEO」というのは、2007年のおわりの方に前のCEOが交代させられて、建て直しのために新しくやってきた人のことです。そして「建て直し」のためにモバイルWiMAXの計画中止も検討しているとされます。

CEOが交代してからかなり経っているわけですが、スプリントはこれからどうするのかはまだはっきりしていない状態です。モバイルWiMAXをどうするかについてもまだ結論のようなものは出てきていません。ずっと「考え中」の状態です。

そして、
・(予想されていた事とは言え)巨額の赤字
・今後の携帯電話事業の見通しは引き続き悪い
・契約者の減少はさらに続く
ということが発表されて、株価が下がっちゃったというわけです。

やっぱり、モバイルWiMAXどころではなくなりつつあるというわけです。今この状態でモバイルWiMAXへの投資を行うのであれば、命がけの勝負になります。そして残念な事に、モバイルWiMAXはそんな大勝負に値するものかどうかは微妙です。一旦撤退して体制を整えなおし、その後にLTEに鞍替えするのが正解であるという意見はさらに強くなるはずです。

一方でインテルやサムスンやモトローラなどは、モバイルWiMAXを中止されると北米が陥落するのでものすごく困ります。水面下でややこしい綱引きが続いているのではないかと思われます。


◆ノーテル

次にノーテルの部分を引用します。

27日にテレコム市場セクタを揺るがしたのが、Nortel Networksの人員削減と事前予想を上回る赤字の発表だった。同社の第4四半期売上高は前年比4%減の32億ドルで、同日の株価は1ドル52セント安の9ドル93セントで引けた(28日の終値は9ドル7セント)。

スプリントは携帯電話会社でしたが、ノーテルは携帯基地局を作ったりしている会社です。そして、モバイルWiMAXの基地局に力を入れようとしていたところです。

ノーテルは主にGSMの基地局を作ってきました。GSMは世界標準ですからごく普通のことです。しかしその後、第三世代では全くダメな状態になってしまっていました。ノーテルの赤字というのは「第三世代に乗り遅れて挽回できなくなった」ための赤字です。

そこでノーテルは一時期の世界の話題を席巻していたモバイルWiMAXに飛びついて状況を変えようとしました。

以前の「モバイルWiMAXを嫌っている陣営」に関する記事から「引用の引用」をすると、

続き:モバイルWiMAXを嫌っている/避けている陣営
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/01/749_wimax_f209.html

一方、説明会に同席したクアルコム・ジャパン代表取締役社長の山田純氏は、WiMAXに賛意を示している韓国サムスン電子社、米モトローラ社などを「携帯電話におけるインフラビジネスに脱落した人々」と酷評。技術的な観点よりも、ビジネススタイルを優先した(先行投資による市場支配を狙った)一種のギャンブルであるとした。

まさしくクアルコムが言っているとおりのことをノーテルも行っていたわけです。そして(少なくともいまのところは)ノーテルの勝負は裏目に出つつあります。

「予想を上回る赤字」でニュースになっていますが、まだしも撤退と転進が可能なスプリントと違い、ノーテル(の基地局)には逃げ場がありません。この状況から抜け出す方法はひょっとしてもう無いかもしれません。


◆モトローラ(電話機)

ここまではスプリントとノーテルに関する話題でしたが、モバイルWiMAX陣営のモトローラも苦境にあります。クアルコムが「脱落組」だと言ったとおりでもあります。

モトローラは現在、携帯電話機の事業をどこかに売却しようとしていると言われており、携帯基地局の事業でノーテルと組もうとしているようです。

まず今回の話題とは直接関係しない「電話機」の方について。

日本には海外の電話機はほとんど入ってきませんし、日本の電話機はほとんど海外で売れません。ですが世界規模で見ると少数のメーカーが世界で多量の電話機を売っている状態になっています。ノキア、サムスン、モトローラ、LG、ソニエリなどでしょうか。ノキアがリードをつけての一位の状況です。モトローラはかつては二位で、現在も三位だったはずです。

モトローラはここしばらくで急速にシェアを落としたそうで、つまりあんまり調子が良くない状態です。建て直しもしようとしたようですが、結局売却する流れのようです。売却相手としては、LGなどの上位をうかがっているメーカの名前が聞かれます。

しかし話はまだまとまっていません。日本にはあまり居ないと思いますが、モトローラユーザの方は、自分の愛機の後継機は「他社」の名前で出るかもしれないということになります。


◆モトローラ(基地局)

基地局の方については、前回の記事で書いた「ノーテル」と「モトローラ」が新会社を設立を検討しているとされます。

米Motorola、加Nortelと携帯キャリア向け装置で合弁会社設立か
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/02/12/008/index.html

両社とも、モバイルWiMAXに手を出している状況については似ています。

この話は総合的な話題ですが、モバイルWiMAXに限定した話題として考えてみますと、少し前までならばモバイルWiMAX市場を巡って各社が陣取り合戦を行っているかのような印象もあったと思うのですが、残存勢力が生き残りをかけて戦力の集中を図っているように見えてしまいます。

あるいは、こうやって色々なところが関係してしまっているので、スプリントはなかなか判断が出来ないのかもしれません。

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