719 アッカが連呼していた「エコシステム」の謎
何となく残ってしまっていたネタで記事を書いてみたいと思います。
最初は2008年の一月の2.5Ghz帯の割り当て結果を受けての記事の後ろの方に書くつもりだったのですが、アッカvs千本社長がはじまってしまって、投稿するに出来なくなっていたネタです(しかもまだ考えがきっちりまとまっていない・・)
◆アッカの前?の社長さんが落選する少し前にインタビューを受けていた記事
アッカの前社長(まだ前社長ではないか)へのインタビュー記事です。「2007年12月17日」(落選直前)の記事というところがポイントです。
アッカの強みは、インフラの提供だけにとどまらないこと──アッカ・ワイヤレス 木村社長 (1/2)
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0712/17/news040.html
12月17日というと、すでにソフトバンクとウィルコムの場外乱闘すら発生済みのころです。2.5Ghz帯騒動の最終盤ということになります。
結果がわかった今になれば何でも言えるのも確かなのですし、まだ獲得の戦いは終わっていないので、本心がどうであろうと自信のあるところはアピールせねばならないのはまた事実です。
しかし、インタビューを読むと、どうにも大丈夫じゃない内容です。
まず、インタビューではドコモについて聞かれています(インタビューをしている人は知識のある人なので、ツッコミどころも当然解っているのです)。苦しいながらもそう言わざるを得なかったのか、天然なのかはわかりませんが、
・ドコモはWiMAXに本気である
・アッカは中立な新規事業者として参加している
・ドコモはそんな「中立なアッカ」をサポートするだけの立場だと約束している
とか何とか。
記事からは、まだアッカは帯域を獲得する有力候補だと思っているように思える内容でもあります。立場なのか、天然なのかはわかりません。
また「エコシステム」という単語がやたらに使われています。例えば単一の通信手段などだけに注目するのではなく、いろいろな通信手段、色々な利用手段やプレイヤーをすべて全体で(という意味での「エコ」)考えていますというような発言です。そしてWiMAXはそういう「エコシステム」の一部として考えているんだと。
だから、わが陣営は他陣営よりも考えている事の視点が一段階高い、と考えている事を思わせます。しかし、(本物ではない)コンサルに何かをインストールされた人の発言だと考えると納得できてしまうような内容であります。
またアッカはモバイルWiMAXより前の「同じような流行り話題」の公衆無線LANにも手を出していて、モバイルWiMAXと公衆無線LANを中途半端に組み合わせるような実験(そういってよいかどうかは異論もありましょうが)をしたという発言もあります。
固定回線からモバイルWiMAXで電波を飛ばし、それを無線LAN基地局で受けて、無線LAN基地局の通信ケーブルの代わりにするという話です。
無線LAN対応のゲーム機やオーディオプレイヤーが容易に、無線LANを経由して、モバイルWiMAXにつながり、ネットにアクセスできるという環境は、都市部にこそ求められているような気がします。そういう意味では、無線LANとモバイルWiMAXは競合ではなく協業していくようになると思います。
発想が無線LANブームの頃のままになっている気すらしてきます。また、以下は表現自体がすでにちょっとです。
エコシステムや資金調達に関しては、すでに動き出しているので、われわれで粛々とやっていきたいと思います。
◆アッカの新事業でも筆頭に出てきていた「公衆無線LAN」
アッカがイーアクセスに対応する形で出した新事業についても、「公衆無線LAN」に力を入れるということが出ていました。メッシュネットがどうとかいう発言もあったような気がします。
発想が無線LANブームで止まっているとすら思えてしまいます。メッシュネットも第二次の無線LANブームとでも言えるものですから。結果、「今でも無線LANブーム」と「エコシステム」で発想がすべて説明できてしまう気すらしてきます。
・公衆無線LANをやりますというのはまさしく「今でも無線LANブーム」。
・ドコモのHSDPAを借りますというのは発想としては「エコシステム」。
・NTTコムとウィルコムと組んでいろんな通信手段を組み合わせるようにしますというのは、「エコシステム」。
・そして固定WiMAXのコンサルをしますというのは、自分達が誰かから聞いたものをそのままリサイクルする
という事かもしれません。
「通信業界浪漫話」な誰かに素敵にプレゼンされて、こういうことになっちゃったのかなあと思えます。
・発想が公衆無線LANブームのまま
・「エコシステム」を吹き込まれている
以上で説明できてしまうということをちょっと考えていました。ただし、千本社長との戦いの最中にはとても投稿できる内容ではありませんでした。
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