709 光ファイバ:ソフトバンクの主張認められず、NTTに負ける
少し前、ソフトバンクが光ファイバを「ばら売り」にしろと言ってNTTと喧嘩していることについて記事を書きました。それについて結果が出ましたので少し書きたいと思います。
以前の記事:
715 孫社長「光ファイバをばら売りしろ」、総務省への意見の賛成反対の分布が面白い件
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/03/715_2050.html
上記記事の内容を踏まえて読んでいただけるとありがたいです。
◆ソフトバンクの主張認められず
ソフトバンク(など)とNTT(など)が、光ファイバを「1分岐」単位で貸し出すようにすべきなのか、現状のとおり「八分岐」単位で貸し出すので良いのか揉めておりました。
上記の記事でも書きましたが、「1分岐」とか「八分岐」というのは、一個単位でばら売りしてくれるのか、八個単位じゃないと売ってくれないのかというような話だと思ってください。
結果としては、ソフトバンクの負け。つまり、「八分岐維持」という決定がなされました。
光ファイバの1分岐貸しは見送り,総務省の接続委員会が方針固める
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080317/296437/
ソフトバンクなどが主張する「設備の共用による1分岐貸し」について「(NTT東西に対する義務化は)現時点では必要不可欠とまでは言えない」と結論を下した。NTT東西が主張する新サービスの提供やサービス品質への支障,NTT東西と設備競争を展開する電力系事業者やCATV事業者への影響を配慮した。
結局、八分岐単位で貸すのが設備的に自然であるようです。また、無茶をすると「NTT東西と設備競争を展開する電力系事業者やCATV事業者」にも被害が及ぶということのようです(以前の記事に書いたとおり、ソフトバンクの提案に反対しているのはNTTだけではない)。逆にいえば、NTTの競争相手をも困らせるような無茶な話だということのようです。
対案として有力とみられていた「設備の専有による1分岐貸し」もシステムの改修に費用と時間がかかるうえ,仮に導入するとしても「適切な料金水準を合理的に設定することは容易ではない」として見送ることにした。
妥協案も結局見送られたようです。光ファイバの工事業者がそろって八分岐維持で意見を出していましたが(現場は対応不可能になります、と)、まあそれが真実のようですね。
代わりに,並行して検討している光ファイバ接続料の低廉化を図ることが「FTTH市場における競争促進を図る観点で最も直接的・効果的な措置」と結論付けた。
これも前の記事で書いたとおり、結局ソフトバンクの目的は1分岐貸しを実現してもらう事そのものではないはずで、現状のルールでは太刀打ちできないのでルール変更をしたいということのはずです。
まあある意味、無茶な提案(1分岐貸しはおそらく無茶な提案)であればあるほど実現を迫られるNTTに負荷がかかるので都合が良かったところもあるのでしょうけれども、無茶は無茶であると国も認識したようです。八分岐と1分岐を足して二で割るような妥協案も出てきませんでした。完全に八分岐のままになりました。
結局、別の方向で「競争促進を図る」ということにするようです。八分岐のままで、料金を安くさせるように努力すようです。
ソフトバンクはご立腹のようで、1分岐を実現しないと何も解決しないと言いたげです。
「光ファイバにおける本当の競争相手」であるNTT以外の光ファイバがほぼ八分岐維持派なので維持という感じにも思えます。光ファイバの値下げについても、光ファイバの他社に配慮して値下げするように書かれていますし。ソフトバンクはソフトバンクこそが競争相手だと言いたげでもありますが。
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