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2008年2月の32件の記事

721 「家族間通話定額」は「窮屈な携帯の未来」の一部でもある - 「解約妨害割引」と「二台待ち」

AUとドコモがサービスインすることになった「家族定額」について少し。

#相変わらず時間が無いので、投稿したい記事を全て投稿できていません


◆家族間通話定額

先日ドコモが「家族間通話定額」を発表しました。AUも家族定額をしますし、ソフトバンクはすでにサービスイン中、残りの二社は家族に限らない定額を提供中です。

前回の記事では、これに関して「ドコモがiモードの値上げをしてでも」家族定額を開始したかったの「かも」しれない。という事を書きました。まあ、そのように憶測してみただけで、そうである証拠はないのですが。

722 ドコモのiモード利用料が100円値上げ、が「家族特定財源」である説
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/02/722_i100_12bd.html

便利になることはありがたいことです、ですから家族間の定額は便利な事には違いありません。

しかし、利用者側からすると「こうなってほしい」ことは沢山あります。例えば、先の記事の「iモードの値上げと家族間通話定額が引き換えで導入された」というのがまことであった場合、
・iモードを100円値上げせずにそのままにする
・家族間通話定額
のどちらでも良かった事になります。

さて、もし自分でどちらかを選べといわれたらどうするでしょうか。100円の方を取る人も多いはずです。つまり、携帯電話会社がユーザにできることには色々な可能性があるということです。


◆つまらない理由

「家族間定額」が携帯キャリアにとって有難い理由は、家族単位で利用者をブロック化して、自分のキャリアにユーザを縛り付けるためです「家族間定額」だけではなく、「家族割」というものもありますね。

たとえば「家族全員でAUにして安くしたのでAUから変更できません」みたいな結果を期待しているわけです。

言ってみれば、「解約を難しくする代わりに安くしている」だけというわけです。2年契約をすると安くなる、解約すると大変な出費が突然発生する、というのと基本的に同じ仕組みという事になります。

ドコモが家族間定額をサービスしたかったのは、
・他社の家族ぐるみ割引サービスに客が逃げるのを止めたかった
・ドコモを解約しにくくしたい
ということを多少のコストをかけてでも行いたかったということになります。

もっと簡単かつ誤解を招く気味に書くと、これらは「解約妨害割引」の一種だということです。

「解約妨害割」には、2年契約なんかも該当しますが、こちらは端末代金の回収というのとセットになっている面もあります。しかし、家族割についてはそういうものはありません。

キャリア間競争を促進するためにMNPが導入されたというので解るとおり、利用者にとっては「キャリアを変更するコストが低い」方が有難い状態です。しかし、現状起こっていることはむしろ逆の流れにも思えます。

さらに考えてみてください。

家族が原因同じ携帯電話会社にしていて、なおかつ全員2年縛り、そして2年縛りが切れる時期は全員バラバラというような「解約妨害割の複合」が発生すると、移行することは相当面倒になります。


◆二台目携帯の意味

とても極端な例を考えると、たとえば「一生割」(一生解約しない代わりに割り引く)とか、非常に低料金である代わりに解約すると不動産を没収されるようなものも考えられます。

「解約妨害割」は利用者を窮屈にします。そして現状発生しているのはキャリア間での「解約妨害」の「軍拡競争」かもしれません。できるだけ利用者の心理に巧みに作用して、心理的障壁が少ないところからの。

総務省方面の人は、MNPやMVNOだけではなくてこちら側も気にした方がいいと思います。

また「二台目携帯」が最近増えてきているというのは、「解約妨害割」が進んだ将来においては、必然的に「二台目携帯」が流行せざるを得ないということもあると思います。もちろん、二社のサービスの良い点を組み合わせる形での二台持ちも多いはずですが。

つまり現在、携帯利用者は代金を支払うだけではなくて、余り意識せずに「自分の自由」を一部を支払う流れになっているということです。しかもあのドコモがiモードを値上げしてでも、解約妨害割をやりたかったの「かも」しれないほど。

窮屈な携帯の未来がやってこなければいいのですが。

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722 ドコモのiモード利用料が100円値上げ、が「家族特定財源」である説

ドコモの「値上げ」と「値下げ」についての記事です。


◆ドコモ、iモード利用料を月額100円値上げ

ドコモのiモード利用料はこれまで210円だったそうですが、これが315円になるそうです。税別で100円の値上げとなります。

ドコモ様の値上げについての発表のページ
http://www.nttdocomo.co.jp/info/notice/page/080227_00.html

値上げの理由は以下のようにあります。

iメニューなどでの各種サービス・コンテンツのご紹介やご利用料金案内など無料で閲覧いただけるページの充実による利便性向上、迷惑メール対策などの安心・安全のための機能強化、さらに映像や音楽など大容量のデータを扱うサービスの普及に伴う通信データ量の増加に対応した設備増強など、サービス提供コストが増加しております。

どうにも説得力がありませんね。むしろ説明が無い方が説得力があるような気すらするかもしれません。

私は音声しか使わぬという人以外は、通常はiモードを利用しているはずですから、「実質ほぼ全員が値上げ」という感じになります。


◆これで携帯三社の「隠れ基本料金」の値段が揃った?(ウィルコム以外)

私は音声しか使わぬという一部の人以外は結局払うこの料金ですが、これで各社が料金横並びになったはずです。

・ドコモ 210円→315円
・AU 315円
・ソフトバンク 315円
・イーモバイル 315円
・ウィルコム 0円

ドコモが値上げした!と言いたい人も多いと思うのですが、実のところ携帯他社と同じ料金になっただけでもあります。ドコモが値上げした!というより、他社では前から高かった!ともいえます。

これでドコモは「解り難いところで取る料金」について他社よりも100円不利だった点を解消する事になりました。

一方でウィルコムは最初から「そのような料金の概念自体が無い」ので無料です。実は315円が「見えないところで」得だということです。ウィルコムも315円を設定したくなるかもしれない状況です。

もっとも、しょうもない「オプション料金一式」が「綺麗さっぱりに」存在しなければ、さすがに違いを認める人も多くなるでしょうから「ウィルコムは本当に2900円で済むからすごい」という点はアピールできるやもしれません。

ウィルコムは「白い犬」の人形だけではなく、「キャメロンディアスの人形」を作って、画面中に鬼のように0円0円と表示させまくってCMをしてみてはどうでしょうか。実際、「0円」ですから。ただし、その後に「総務省の人形」も必要になるかもしれませんが。

※割と前、ソフトバンクがCMで調子に乗って0円0円と連呼しまくって総務省に怒られ、その料金プランごと廃止になったという事件がありました


◆こちらはドコモの値下げのニュースですが・・・

定額にするというニュースが最近良くありますが、AUに続いてドコモも「家族間定額」を開始することになったそうです。

ケータイ消耗戦加速 NTTドコモも家族間を無料化
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080227/biz0802271951016-n1.htm

解り難いところを値上げして、わかりやすいところを値下げした事になります。

また、上記の記事に以下のようにあります。

NTTドコモは27日、家族間同士の通話料金を4月1日から24時間無料にすると発表した。KDDI(au)が先週発表した同種の料金プランに対抗したものだが、これにより年間800億円の減収を見込む。

800億円だそうです。

ここで、面白い計算を披露しましょう。本当は5300万人ですが、音声だけの人の分を減らすことと計算が面倒なので四捨五入。

100円(iモード値上げ分)×12ヶ月×5000万人=600億円

家族間定額の減収分と金額が似ています。もしかすると「家族間定額をiモードで帳尻」なのかもしれません。なんということか。

ドコモは綱渡りの経営をしているわけではありませんから、ここまでして帳尻を合わせる必要があるのかという気もします。値下げをする言い訳を作らないと値下げすら出来ないようにも見えますし、それがなんともドコモらしくも見えます。ドコモにはホワイトプランのようなものは期待できそうにありません(もちろん、良い意味でも、悪い意味でも)。


◆家族特定財源

予想のとおりなら、ドコモのほぼ全員から集めたお金が新サービスの利用者に移動する事になります。

ドコモ利用者の方は値上がりした「315円」を見たら、「俺の100円が家族特定財源に取られた!」とか思いましょう。値上げを決めた奴のことは「家族族」と呼びましょう。

という下らないネタを頭に入れた上でドコモの値上げの理由説明をもう一度見ると・・

iメニューなどでの各種サービス・コンテンツのご紹介やご利用料金案内など無料で閲覧いただけるページの充実による利便性向上、迷惑メール対策などの安心・安全のための機能強化、さらに映像や音楽など大容量のデータを扱うサービスの普及に伴う通信データ量の増加に対応した設備増強など、サービス提供コストが増加しております。

なんと「道路を作る屁理屈」にとても似ているようにも見えてきます。

まさしくこれは家族特定財源です。

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723 イーモバイルの音声開始発表での千本社長の面白い発言

しばらく忙しくなったりので、
・更新に間隔があいたり
・不定期になったり(集中したり間があいたり)
・記事が短い時があったり
するかもしれませんがご容赦ください。


◆千本社長がこんな事を言っていた

イーモバイルの音声開始の発表で千本社長が面白い事を言っていたので、それについてちょっといじってみましょう。千本社長のキャラが良くわかります。

以下、批評というよりも漫才だと思ってお読みください。

イー・モバイル千本氏、「ありえない」サービスをアピール
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/38688.html

まずは以上の記事から。

「今のケータイの料金はきわめて複雑怪奇。本当に十分に理解して納得してユーザーが使っているのか? よくわからないまま必要にせまられて使い、結果的に何万円という請求書に愕然とする」と話した。

複雑怪奇なのは「米だらけ」(以前の記事参考のこと)なイーモバイルも同じように思えたりします。まるで、超簡単なウィルコム定額と簡単なホワイトプランからのツッコミ待ちのボケのようでもあります。

「携帯は数万円にもなってしまうから恐い」っていうのは携帯を禁止しようとするPTAのおばちゃんの発言のようです。というか、イーモバイルもドコモローミングエリアだと知らずに定額のつもりで使ったらあっという間に何万円にもなると思うので、私はこれで問題が起きないか本当に心配していたりもしますが。

質疑応答では、おサイフケータイなどの採用について問う声があったが、千本氏はおサイフケータイなどが日本特有の技術であり、世界で通用しないもの突っぱねた。しかし、今回発表された端末では、東芝製の端末がワンセグに対応しており、ドメスティックな放送サービスもサポートしている。

おサイフケータイなど悪の機能だといわんばかりだったようですが、日本でしか使えないワンセグを搭載してるではないかと、記事を書いた人に思いっきり突っ込まれています。

話題になっている端末はそもそも、孫社長のところの東芝端末(912T)の完全な使いまわしと見られている端末で、世界展開もへったくれもなくて、たんなるソフトバンク端末のリサイクルなのですが。

私の意見としては、おそらく「おサイフ」をサービスインするためのインフラ側の準備が出来なかったのが真相ではないかと思われます。千本社長、そういうトホホな社内事情を上手に「おサイフ機能への逆ギレ」な発表にしてしまったわけです。なんとも上手い人だと思いましたが、この件についてはちょっと騒ぎすぎて自滅してしまったような気もします。

また、ここまで言ってしまったということは、以後発売される端末でも対応しないのでしょうね?と言いたくなります。


イー・モバイルがHTC製端末など音声対応端末を発表
http://www.atmarkit.co.jp/news/200802/25/em.html

同じ個所を細かく記事にしてくれているナイス記者が居ましたので拍手。

今後、1台目としてユーザーに選ばれるためには、おサイフケータイなど、日本市場固有の機能が欠かせないのではないか。会見の席でそう尋ねられた千本氏は、いらだちを隠さずに次のように答えた。「あれはグリコのおまけのようなものだ。そんなものを作っているから(日本の携帯電話端末の)国際競争力がなくなる。(グローバルな市場で)誰があんなものを買いますか。われわれが狙っているのはオープンでグローバルな市場だから、おまけは不要。世界で通用するものを作っていく。日本の端末メーカーが世界に出て行けるように、というのが基本的な考えだ。日本の携帯電話は開発のやり方に根本的な問題がある。端末1台の開発に何百億円もかけて誰ももうからない。その開発費のためにメーカーの体質が疲弊していて海外にも出られない。そうした開発のやり方が、かつての王者だったNECやパナソニックといったメーカーを世界のなかで弱小メーカーにしてしまった。サムスンやノキアが30%とか40%の世界シェアを持っている一方、日本の携帯電話メーカーのシェアはごくわずかだ。こうした内向きの“ウォールガーデンモデル”では世界のシェアに決して到達できない。グローバル市場に対して、どう端末を作っていくのか。日本にいてぬくぬくやっていてはいけない」。

おサイフ機能が無いことについて聞かれただけであるにも関わらず、日本の携帯産業自体の批判にすりかえるという素晴らしいテクニックを披露しています。
言いたい事は解らないでもないのですが、聞かれている事とは違う事を熱弁しているように見えます。

「世界で通用するものを作っていく」とありますけれども、孫社長のところの東芝の使いまわしっぽいわけです。しかもそのまま流用したら「おサイフ」はついていてもおかしくないのに機能が削られています。しかし、ワンセグなどのほかの機能は温存されていますし。

「おサイフ」は全力で準備中だから期待してもうちょっと待て!といったほうが良かったのではないかなあと思います。


◆ソフトバンク犬が出演させられている件

ウィルコムのCMの白い犬は暗喩で、ニヤっとする系のものです。笑い飯のCMだと解っているなおさらそういう印象です。あれで怒る人はあんまり居ないと思います。

イーモバイルのものは、ソフトバンクのCMの犬そのもの(に見えるもの)をイーモバイルのCMに強制出演させた上に、イーモバイルのCM中で屈服させるということをしているようにも見えます。

違うのは相手の会社のCMキャラクターに敬意を払っているかどうかです。上手く説明できませんが、ウィルコムのほうはニヤっとする形で比較対象を暗喩しているだけですが、イーモバイルのほうはソフトバンクのシンボルをリアルな形で登場させて泥まみれにさせているように思えます。

孫社長はウィルコムのCMは敵のCMながら笑って見ている気がするのですが、イーモバイルのCMには怒っているんじゃないかなあと。


◆千本社長が必死でプレゼンした翌日に株価が若干下落したらしい

私は基本的には株をしませんので(たいした元手が無い人間が手を出しても意味のないことですから)伝聞ですが、音声発表の翌日にイーアクセスの株価は「若干下落」したそうです。上がるわけでもなく、しかし大きく下げるわけでもなく。

しかし、それを聞いて「イーモバイルの株主の人は結構解ってるな」と思いました。大きく上がっても下がってもいない所が解っている感じにも思えました。前後の経緯を知らないので、本当のところは私もわかっていないわけですが。

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724 2.0Ghz帯争奪戦:もしイーモバイルがLTE(TDD)で立候補すると、千本社長と孫社長の全面対決に発展する可能性

立て続けの更新ですみません。

また忙しくなって更新が止まる前に書いておきたいことと、誰も書いていないうちに書いておこうと思うので投稿します。

ネクスト争奪戦:2.0Ghz帯で候補になる通信方式が決定、千本社長がLTE(TDD)を提案している件
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/02/725_20ghzltetdd_1103.html
の続きっぽい記事。


◆2.0Ghz帯で千本社長はLTE(TDD)を候補に出した

前回の記事で書いたとおり、次に割り当てられる2.0Ghz帯で、「どんな技術方式を使いたいですか?」という意見募集を国が行っていて、それが終わりました。そこにはなんと、TDDモードのLTE(Super3G/3.9世代)も提案されており、しかも提案主は「イーアクセス≒イーモバイル」つまり千本社長によるものでした。

これはどういうことでしょう。

千本社長は「2.0Ghz帯の15Mhz幅でLTE(TDD)をサービスインするつもりである」という可能性があるということではないでしょうか?(少なくとは今のところ)

もしそのとおりなら、私には意外な展開です。私には1.7Ghzに専念するほうが正しいように思えるからです。

ただし(以前にも書いたとおり)、1.7Ghz帯でのサービスがもう大変な事になっていて「リセット」のチャンスを欲しているのであれば、2.0Ghz帯を獲得して状況をひっくり返したいと考えているのかもしれません。

ともかく、獲得した結果としてイーモバイルに良い結果をもたらすかどうかはともかく、競合他社にとってはこの動きは脅威となります。平たく言えば、「イーモバイルが3.9世代のサービスインを狙っている」かもしれないことがこれで露見したからです。

この動きが実はイーモバイルとソフトバンクが手を組んでの動きでは無い限りは(もしそうなら今度は別の話になります)、孫社長にとってはこれは困ったことになります。ソフトバンクを不利にするからです。

イーモバイルの音声プランは思いっきりソフトバンクにぶつけてきたものでした。おそらくこれから両社は激しい戦いをはじめる事になるでしょう。

さらに今後は2.0Ghz帯でも衝突をする可能性がでてきました。孫社長、帯域をライバルにただでは渡すわけが無いからです。


◆筋の通らないところ/割り当てられても困る事

イーモバイルに割り当てるには、一つ問題があります。別のサービスとも思えるモバイルWiMAXならともかく、イーモバイルが提供中のW-CDMA/HSDPAとLTEは明らかに一体となっています。つまり「単なる追加割り当て」と見なす事が出来ます。

イーモバイルの加入者数は、追加割り当ての基準(周波数あたりの加入者数)をまだ全く満たしていません。もしイーモバイルが追加割り当ての条件を満たしているのならば、今すぐにでも1.7Ghz帯の残りを下さいと言いたいところでしょうが、それにはまだ程遠い状態です。帯域大食らいなサービスをしているので、帯域が足らずに困っているようですが、追加割り当てはまだまだ遠い状態です。

しかも、1.7Ghz帯の余っている帯域(ソフトバンクが返上したものと、東京・名古屋・大阪帯域の余り)は事実上イーモバイルのためにリザーブされている状態です。わざわざ他の帯域をあげなくてもあっちを残してあるだろう、と言われてしまいます。

この点は必ず他陣営からのツッコミを浴びる事になります。孫社長がイーモバイルと組んでいない場合には、孫社長の高い攻撃力が千本社長に向けられる事になります。しかも今回は、孫社長の攻撃に本物の大義(都合のいい話ではなく)が存在するかもしれない状況になります。

また、あれだけ「本業と分離」と言われて苦しい思いをしたKDDI/AUが、2.0Ghz帯を何ら制限なしで使えるようにすることを許すとは思えません。2.5Ghz帯と同じような厳しい制限をしなさい、と言い出すはずです。

ウィルコムは孫社長にも千本社長にも散々苛められましたから、どちらにしても良い事を言うはずがありません。

1.7Ghz帯と明らかに一体性のないサービスにするようにして獲得に手を挙げた場合には(資本関係や方式を全然違うものにするなど)、イーアクセス自身にとって二重投資になり無駄な重荷になります。手を挙げる意味が良くわからなくなってきます。

一方で孫社長側では獲得自体に面倒な事情も考えられます。2,5Ghz帯での場外乱闘で話題になったように、ソフトバンクへ割り当て済み2.0Ghz帯と今回の帯域が近くて干渉しやすい「らしい」事(どの程度本当かはともかく)。そもそも15Mhz幅しかないこと。2.0Ghz帯をソフトバンクを取ると、3.5Ghz帯や700/900Mhz帯やその他での帯域獲得に障害になることも考えられます。
しかし、ソフトバンクは3.5Ghz帯を貰っても上手く使えなさそうですし(電波の扱いが難しいため)、低い周波数の帯域を持っていないソフトバンクは700/900Mhz帯では有利でしょう。しかもイーモバイルと違って、ユーザは沢山います。

イーモバイルに獲得をさせないために自ら2.0Ghz帯の獲得に乗り出したり、他陣営(新規参入など)の獲得を手助けしたり、決定を先送りさせることはあるかもしれません。これから音声で激しく競合しそうな競争相手ですし、イーモバイルが倒れた場合にどうなるかを考えると、イーモバイルの帯域とユーザと設備がそのままソフトバンクグループの手中に収まる可能性もありますから。

もはや「ソフトバンクはどうしても干渉するから使えません」と言っている場合ではなくて、なんとかソフトバンクが使える方法を考えて対抗可能な状態に準備しなければならないのかもしれません。あるいは「干渉するから絶対使えません」発言が以後の獲得競争でソフトバンクの足を引っ張らないことをソフトバンクは願うべきかもしれません。

孫社長ですからどんな作戦に出るやらです。そもそも予想を裏切ってすでにイーモバイルと水面下で手を組んでいたりするのかもしれませんが。

私なりに数分間奇策がないかを考えてみまして(頭の体操)、「ディズニーをソフトバンクの支援の元に新規参入させて帯域を取らせる(陣営にはアッカも混ぜて獲得を超磐石に)」という超奇手を考えてみましたが(ネタとしては面白いはずですが)、完全にアホの子の思いつきのようです。失礼しました。


◆2.0Ghz帯

これまでは(私には)なんとなく2.0Ghz帯はもやっとした印象がありました。どう使うべきか、そもそもどの陣営が何を考えて獲得に立候補するのか、そしてどういう結果をもたらすのか。

しかし、イーモバイルがLTE(TDD)で手を挙げるつもりならば、イーモバイルを話題の中心にして相当騒々しい事になるかもしれません。もしかすると2.5Ghzを上回る大騒動に発展するかもしれません。

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725 ネクスト争奪戦:2.0Ghz帯で候補になる通信方式が決定、千本社長がLTE(TDD)を提案している件

前からの話題の続きの記事を書きたいと思います。

なんだかよく解らない人は、2007年末から2008年一月?二月くらいまでの記事を読んで頂ければ流れはわかると思います。わかれば割と面白い話。


◆まず簡単におさらい

2007年末の決着した「2.5Ghz争奪戦」では、まあいろんな騒動がありましたが、結局のところKDDIのモバイルWiMAXとウィルコムの次世代PHSへの割り当てということで決着しました。

2.0Ghz帯は次に割り当てられる帯域です。本来は2005年にイーモバイルなどとともにアイピーモバイルというところに割り当てられたのですが、サービスインに失敗してしまって2007年末に返上され、再割り当て待ちになっています。

本来割り当て作業はまだ先でも不思議ではなかったのですが、2.5Ghz帯争奪戦の後半戦でソフトバンク方面の人や千本社長が「ウィルコムは2.0Ghz帯に出てゆけ」とか「2.0Ghz対も併せて割り当てを考え直すべきだ」と騒いだために2.0Ghz帯に妙に注目が集中してしまいまして、そのためか妙に作業が早くなっています。

2.0Ghz帯は2.5Ghz帯よりも周波数が低いために2.5Ghz帯よりは取り扱いはよさそうなのですが、どの方式で利用すべきの判断が今ひとつ明らかではなくなっており(以前の記事に書いたとおり)おりました。そして、現在、国の作業は「2.0Ghz帯で利用を検討する技術の候補を受け付ける」の作業中でした。そして、それが終わったというニュースがありました。


◆方式の提案受け付け終わる

アイピーモバイルの割り当ての際にはTD系のCDMAのみが候補でしたが(そのためウィルコムは2005年には門前払いを受けたのでした、この悲劇も過去の記事に書きました)、今回はいろんな方式に門戸を開く事になりました。そして、「どんな方式で使いたいですか」という意見を募っていました。

アイピーモバイル跡地で高度化3G? イー・アクセスなどが技術提案
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080225/294643/

今回追加で要望が出ているのは(注意:まだ決定ではない点に注意)
提案者:方式
・インテル:モバイルWiMAX
・クアルコム:IEEE 802.20 Wideband(クアルコムな802.20)
・京セラ:IEEE 802.20 625k-MC(京セラのiBurstな802.20)
・京セラ:次世代PHS
・イーモバイル:LTE(TDD)
・クアルコム:UMB(TDD)
となっています。

驚くべき事は千本社長がLTE(TDD)を提案していることです。このブログでちょっと前に半分ネタとして「2.0GhzでTDDなLTEがサービスインできるかもしれません」という記事を書きました。話題としては面白いので記事にしましたが、候補として考えると色々問題点があります(記事にも書いたとおりです)。
まさか千本社長、このブログの記事を読んで提案した?なんてことはないと思うのですが、まさか本当に候補に出てくるとは・・。

イーモバイルがLTE(TDD)を提案したというのは、実は他社にとっては結構面倒な事に思えます。下手すると今後はこれが原因で割り当てが大荒れになってしまうかもしれません。次の記事あたりでこの話題を書きたいと思っています。


◆提案されている全方式について簡単に復習

以前からずっと読んでいる人には二回目になってしまうかもしれませんが、整理もかねて、提案されているものを一度整理しておきます。(注意:提案で決定ではない事に注意)

・TD-CDMA
2005年に候補だったもので、アイピーモバイルが採用したものです。日米の研究者やベンチャーが考えているいろんな技術を差します。ちなみに、イーモバイルやソフトバンクも最初はTD-CDMA系でテストを行っていました。(少なくとも当時は)未来性もある技術ではありました。もともとこの帯域はTD-CDMAのために用意されていたわけですし、再チャレンジすれば成功すると思えるならばどうぞ。

・TD-SCDMA
中国が国策でサービスインする寸前の「第三の第三世代方式」です。
ポイントは中国(超巨大市場)でともかくもサービスインすることです。大陸向けに基地局が量産され、端末も量産されます。意外にも、今回の候補のなかでもしかすると唯一大きなマーケットの存在が保証されている方式ともいえます。
他国では普及しないとも言われているTD-SCDMAですが、もし日本でサービスインすることになったら中国政府はものすごく喜ぶことになるはずです。そういう打算での採用はありかもしれません。

・モバイルWiMAX
このブログで散々記事にしているモバイルWiMAXです。良い点も悪い点もまさしくこれまで延々書いたとおりです。
加えて2.0Ghz帯では問題が二つあります。モバイルWiMAXの性能をフルに出すには不十分だとされる15Mhz幅しか無い事と、他国のモバイルWiMAXでは採用例のない2.0Ghz帯だということです(機器が独自になるかもしれない)。
しかし、腐ってもモバイルWiMAXではありますし、有力候補ではあるでしょう。またモバイルでの利用を諦めての採用ならば案外と悪くはないかもしれません。

・IEEE 802.20 Wideband(クアルコムな802.20)
クアルコム様ご自慢の最新鋭技術です。性能は良好とされます。問題は、クアルコム様とのお付き合いは通常ものすごくお金がかかることと、他での採用実績がまるで無いことです。性能で圧倒する作戦ならば検討すべき選択肢かもしれません。

・IEEE 802.20 625k-MC(京セラのiBurstな802.20)
iBurstをベースにした802.20です。次世代感は一番弱い候補です。しかし、「既にサービスイン実績がある」と言う点では突出しています。国外で既にサービスが行われており、2.0Ghz帯でも試験サービスを行った事があるため、すぐに基地局を買ってサービスインをする事が出来ます。サービスインに失敗する可能性が最も低い選択肢ではないかと思われます。

・次世代PHS
ウィルコムが社運を賭けて準備中の次世代PHSです。ウィルコムはもともと2005年に2.0Ghz帯へ次世代PHSでの参入を希望していましたから、2.0Ghz帯用の次世代PHSを用意する事は可能ではないかと思われます。
ウィルコムが採用は既に決定済みで、東アジアのPHS事業者の次世代PHSの採用の可能性もあります(他の技術に乗り換えにくいためです)。また、「当面はウィルコムにMVNOしつつ」自分の2.0Ghz帯次世代PHSを展開する」という裏技を使う事も出来るかもしれません。

・LTE(TDD)
次世代の大本命のLTE(Super3G/3.9世代)です。しかし、注意すべき点は、いわゆる通常のLTEではなくて、TDDモードのLTEという「亜種」だという点です(過去の記事参照)。下手すると「日本の2.0Ghz帯でしか使われて無い方式」となる可能性もあります。
ドコモのLTEは2010年サービスイン予定になっていますが、それよりは後になるように思います。下手すると2012年以降になるかもしれません。また、ドコモのLTEがドカーンと出てきた状態で亜種が遅れてサービスインする事になります。場合によっては不味いです。

・UMB(TDD)
クアルコムの3.9世代がUMBで、本来ならCDMA2000陣営の後継技術に採用されているべきUMBですが、今のところ採用を決定したところはなく、LTEに押されっぱなしです。そんなUMBをTDDにしたものです。

・今回候補にならなかったが:KDDIのRevB帯域
2.0Ghz帯の一番美しい使い方は、KDDIがEV-DO Rev.B用帯域として用いる方法に思えます。しかし、2.5Ghz帯のしかも30Mhz幅を取った直後ではさすがに難しいようです。

こんなもんでしょうか。あちこち間違っていると思いますがお許しください。

一通り書きました、恐らく続きの記事をすぐに書きます。

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流行りモノに踊るな:動画サイト"Stage6"が閉鎖予定/動画は儲からない

ご存知無い方に簡単に説明すると、「Stage6」というのは、かの有名な「YouTube」とか「ニコニコ動画」みたいなサービスのことです。


◆Stage6が突然サービス終了決定

高画質の動画共有サイト「Stage6」が2月28日でサービス終了へ--運営コストをまかなえず
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20368124,00.htm

今日は2月26日なわけです。そして終了は2月28日となっています。なんというか急です。

DivXの担当者は「このニュースは多くのStage6利用者に衝撃を与え、がっかりさせるであろうことは分かっている」とした上で、理由を次のように述べた。「簡単に言えば、Stage6の運営を続けるには非常に費用がかかる。膨大な手間と資源が必要で、我々は運営を続けるに足る状況にはない」

だそうです。

Stage6は動画共有サービスの中では高画質で知られているところでした。というのは、動画コーデックのDivX(MPEG4の一種です、と説明しておきましょうか)を開発しているところが運営しているサービスだったからです。画質悪すぎが評判では本業に差し支えます。

Stage6は広く知られていないので、以下はYouTubeの話として書き進めます。基本的には似たサービスですから。

YouTubeは時代の寵児です。まあとにかくいろんなところが流行りモノとして話題にしたがります。よって順風満帆の光り輝く話題にも見えます。

ですが、動画共有サイトは基本的に赤字サービスで、今のところ儲かる商売ではないのです。参入しているところは赤字は前提でのサービス提供か、あるいは将来儲かるようになるかもなー、ということで将来の前借りでサービスしているところです。

Stage6の発表にも

「簡単に言えば、Stage6の運営を続けるには非常に費用がかかる。膨大な手間と資源が必要で、我々は運営を続けるに足る状況にはない」

とあります。


◆「流行っているから流行っている」状態?

何故儲からないかというと、動画配信には莫大なコストがかかるからです。何故莫大なコストがかかるかというと、動画配信をするには莫大なトラフィック(通信)を処理しなければならないからです。そして、莫大な通信をしても収入はあまり得られないためです。

以下、考えてみてください。皆さんそれぞれのイメージで良いです。

・動画ファイルというのはどのくらいのサイズがあると思いますか?自分が見た事のある動画ファイルのサイズを頭に浮かべてください。あるいはDVDレコのファイルのサイズを。
・30分普通のウェブサイトを見る場合と、動画を30分見るのと必要なファイル量を比べてどうでしょう?
・無料動画サイトというのは広告運営されています、広告運営されているということは訪問者数が命です。
・さて、毎日何人の人がやってきて、何回動画が配信される必要があるでしょう?
・考えてみよう:動画ファイルというのはどのくらいのサイズ×動画の配信回数
・それに見合ったサーバ、大容量回線(高い)はどんなものになるでしょうか?
・さて、そんな大変なインフラの維持費をまかなうには、毎日何人の人がやってくる必要があるでしょうか?
・その人数に動画を見せるためには(以下略

YouTubeの画質が悪いのは動画のサイズを抑えるためです。しかし、画質を落としたからといって劇的にサイズが小さくなるわけでもないので、根本的な解決でもない面があります。

もちろん採算が取れるようになると話は変わってきます、コストダウンか何らかの商売上の工夫で。しかし現在ではまだ苦しい状態です。そのうちにそうなる「かも」しれないということでサービスが始められて続けられ、そして現在では「流行っているから流行っている」状態になっています。

Stage6はサービス単体では赤字であっても、DivXの広告に繋がればそれで良かった面もあるのですが、それでも維持は無理だったようです。

このブログでの最近の話題に関係すると、アッカがzoomeという動画共有サービスをやっています。当然にこれも赤字です。アッカとしてモバイルWiMAX獲得と同じく、zoomeもポストADSLの事業の模索の一つだったようですが、これもアッカの判断ミスという気がします。どうもアッカは流行りモノに安易に手を出して失敗している気がします。


◆完全に予想外ではなかったけれど、でも残念

動画共有サービスは商売として大変んであるということは聞いていたので、正直のところ撤退すると聞いてもあんまり驚きませんでした。いつまで続くだろうかと思っていたくらいですから。

しかし、正直残念には思います。

一応補足しておくと、私は動画共有サイトが全くどうしようもないサービスであると言っているつもりはありませんのでご注意ください。現状は厳しいですが、かといって将来どうなるかはまだ解りませんから。
#少なくともモバイルWiMAXより生き残る可能性は高い気も

ただし、Stage6の撤退のニュースについては、これは悪いシグナルであると思わざるを得ません。動画共有サービスが立派に成長したとしても、YouTubeだけが生き残った未来が面白くなさそうだという面も含めて(こっちの方がより深刻かもしれない)。

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726 イーモバイルがホワイトプランに対抗する音声プラン発表、「孫社長 VS 千本社長」がとうとうはじまった?

最初に断っておきますが、発表直後の情報不十分+理解不十分な状況で書いている記事ですのでご注意ください。


◆イーモバイルの音声プランはホワイトプランにぶつけてきたらしい

私が料金コースを誤解していなければ、こういうことだと思います。対ソフトバンクな感じがとてもします。イーモバイルの後ろの方がむやみに長いですが、これは記事後半のための前フリですのでご容赦ください。

-----
ソフトバンク:
基本料金(ホワイトプラン) 980円
+パケットし放題 980~4200円

-----
イーモバイル:
基本料金 0円
+24時間定額 980円
+パケット定額 1000~4980円


+隠れ基本料(パケット基本料) 315円
+ドコモローミング 105円
+端末故障サポート 315円
+明細発行 105円
+2年契約端末割引の場合 1000円
など
初期費用(端末代など)が高い
-----

980円が偶然一致する事などあり得ないわけでして、これはホワイトプランにぶつけてきたということでしょう。

イーモバイルのプランはこうやって考えられたのではないかと思います。
・まず、「基本料金0円」を最初に設定した。
・次にホワイトプランを意識した980円の定額にした。980円では料金に差がつかないが、24時間定額。
・パケット定額もソフトバンクに似せた
・そこからオプションや初期費用などで実質の支払額を上げる方法を考えていった(そう、よくよく考えてみるとかなり支払う事になるのですな、実は)。パケット定額料金もソフトバンクよりも微妙に高い。
・ただし通話料金は安い(対固定・対携帯)

「基本料金0円」をテレビでガンガン流し、「980円で24時間通話定額」でホワイトプランを打ちのめす。でも支払いはそういう印象よりも結構高くなるように工夫した。こういう感じではないかなと。

また、素のホワイトプランと勝負して微妙だということは、ホワイト学割とは勝負にならないということでしょう。ホワイト学割は学生限定でしかも期間限定ですが。ただし、「24時間定額」は明らかな差ですが。


◆孫社長の「米は飽きた」を思い出す件

ソフトバンクはホワイトプランの発表の時にこんな事を言っていました。

SBM、新料金「ホワイトプラン」発表 - 付帯事項が一切無いシンプルな体系に
http://journal.mycom.co.jp/news/2007/01/05/380.html

「私は社内に向けて、冗談で、パン食主義だといっている。※印でずいぶん苦労して、米アレルギーになったからだ(笑)。今回の料金プランはとにかくわかりやすいことを心がけた。30秒21円の料金に関しても、ホワイトプランか苦手とする不特定多数の人に使っていただくために、料金を引き下げるオプションを用意することも検討した。だが、スタート時点ではとにかくシンプルにし、付帯項目を無くすことを優先した」と説明する。

また、「どの料金プランが自分にあっているのかを窓口で相談するのに30分程度かかっている。ホワイトプランでは、多くの人に最適であることを考慮したものであり、相談時間を短くできるメリットもある」などとした。

孫社長は、「正真正銘のシンプルな料金体系。別の付帯事項によって、ひっかけがあるとか、裏があるものではない」と断言した。

「※印でずいぶん苦労して」というのは、「実はメールを使うために別の基本料金が必要です」のような感じの付帯事項=※が沢山あるということで、パン食と言っているのは「※」は「米」に字形が似ているということでの冗談です。

この発言は、ややこしいとツッコミを受けたゴールドプラン(ホワイトプランの前に「0円」を連呼して国に叱られて無くなってしまったプラン)を受けての発言だったはずですが、なんとまあイーモバイル相手にも効果のある発言かもしれません。

携帯他社からすると、ホワイトプランっぽいものがもう一つ出来たということになるのではないかと思います。イーモバイルはエリアの問題もありますから、当面はむしろホワイト学割の方が恐ろしいのではないでしょうかと。


◆「孫社長 VS 千本社長」がとうとうはじまった

これまでしばらくはイーモバイルはデータ通信だけでしたから、他社とのあれこれは限定的でした。

ですが、今回の音声サービスの開始と、思いっきりソフトバンクに勝負を吹っかけている料金プランの発表で、携帯大手三社との競争に突入します。

特にこれまでは孫社長とは何も衝突は無かったわけですが、今日を境にして状況は全く変わってしまいました。孫社長が何とコメントするかに注目かもしれません。「孫社長 VS 千本社長」で騒動があるような気もしてなりません。

ウィルコムはまだこれから後出しが出来る状態です。しかも、3880円定額はデータ通信オンリー客限定での改定でした(8xのカードでの契約者)。音声端末系の料金コースについてはまだこれから自由に出来る状態です。イーモバイルの発表を台無しにするようなプランをこれから考える事になりましょう。イーモバイルのサービス開始は3月28日なので、まだ時間はあります。

ドコモとAUについては、安かろう悪かろう(特にエリア面はかなり問題)と判断して静観するような気がします。

孫社長が対抗策を取る場合には、どのような方法を取るかは私にはわかりません。なにしろ孫社長ですので。口撃だけで対処するかもしれませんし、驚くべき方法で対抗してくるかもしれませんし、静観かもしれませんし。全然解りません。

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727 エリクソンが世界最小のLTE端末をデモ、対モバイルWiMAXで自信を見せる

モバイルWiMAXとかLTE(Super3G/3.9世代)とかの話題の記事です。


◆(現在のところ)世界最小のLTE端末をデモ

LTE陣営の重鎮のエリクソンが、世界最小のLTE端末をデモしたそうです。

Mobile World Congress 2008 - Ericssonが世界最小のLTE端末をデモ、対WiMAXで自信をみせる
http://journal.mycom.co.jp/articles/2008/02/21/ericsson/

世界最小とは言ってもまだ割とデカイようです(電話機サイズではないようなので)。しかし、このサイズでは一切商売にならないかというと決してそんな事は無いので、もう商品になっているともいえるでしょう。GSMやW-CDMAにも対応しているようですから。

この装置のスペックは、上下ともに25Mbpsとなっています(MIMOなし)。そして、実効速度は9メガだったと記事にあります。25と9では随分と差があるように思われるかもしれませんが、最近の通信方式は理論値どおりの速度などでませんから、まあそんなもんでしょう。

スペック上の速度は(現時点では)そんなに気にすることでは無いとブログで何回か書いていますので、それを読んだ人ならば別に特別な感想はもたないと思います。ただ、160Mbpsを真に受けていた人とか、モバイルWiMAXなら70Mbps出るからモバイルWiMAXの圧勝だ、とか思った人が居ないかちょっと心配でもあります。

また「MIMOを利用すれば速度は上がる」とありますが、携帯端末ですからそもそも対応自体が難しいでしょう。これはモバイルWiMAXや次世代PHSでも同様のはずです。ただし、「競争の第二ステージ以降」ではMIMOの実用化競争が起こるかも知れません。ですが現在はサービスイン自体を競っている時期です。

デモした意義としては、モバイルWiMAXの方が先行しているイメージがあるけれど、LTEだって実用的なサイズでもう動いているよ、というデモですね。差がなくなってきている(あるいはモバイルWiMAXのケツが燃え出した)と言いたいのでしょう。


◆イーモバイルのようなプレゼン

記事によるとADSLとHSDPA(HSPA)との比較を行っていて、もはやHSDPAの方が高速であるというちょっとむりぽな比較が行われています。まず、ADSLの速度が純粋に過少に見積もられているなと思えることと、容量の点を無視しているところが気になります(私がかなり昔に書いた例の記事で言っていることです)。

エリクソンがまさか容量のことを理解していないとは思えませんから、まあなんというか聴衆のレベルが低いという前提でのプレゼンだったのかもしれません。

脱線になりますが、この記事はバルセロナでの携帯関係者大集合大会の記事なのですが、そこで孫社長は「無線は固定回線に比べて圧倒的に容量が少ないので」というようなことを言っていたそうです。孫社長の方が頭の良いことを言っていたことになります。
ADSLを凌駕したというような発表もなされる中(つまり聴衆にはこれで感心する人もいるということ)、孫社長は大事なポイントをちゃんと解っているということを示した事になります。手法は感心できない人ですが、侮れない人です。


◆モバイルWiMAXに対する有利さを強調

残りの部分はエリクソンのお決まりの内容の「モバイルWiMAXよりも有利である」というものです。

まず、「GSM→W-CDMA→HSPA→LTE」のアップグレードを行える仕組みが出来ているので有利である事、そしてLTEを待たずともHSPAもどんどん高速化することを説明しています。

HSPAも100メガ超えする計画になっているとの発表ですが、これもLTEの数値上のスペックと同じく、ユーザの体感速度と比べるとかなり怪しげな数値です。また、既存のHSDPAの基地局がそのまま/あるいはちょっと改修するだけで超高速になるということはないので、これらの数値も額面どおりには受け取ってはいけない数字です。

ただし例えLTEがコケても、W-CDMA陣営にはHSPAの高速化で時間稼ぎをする方法もあるということにはなりましょう。

また、アメリカでCDMA2000陣営からLTEに寝返ったベライゾンのLTE基地局もエリクソンが担当する事になったとの発表もなされています。またもや、CDMA2000陣営に揺さぶりをかけていたようです。

参考:
エリクソン曰く、「KDDIもLTE陣営に来ませんか?」
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/01/766_kddilte_9aab.html
迷子のCDMA2000陣営(含むKDDI/au)
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/01/765_cdma2000kdd_339e.html

LTEといえばドコモもLTE陣営の中核です。しかしドコモは表面上は静かです。電話会社なので海外にモノを売ったりすることが無かったり、おとなしくしていないと孫社長がまた何か言い出すとか、そもそも内弁慶(国内弁慶)だとかいろんな理由はあると思いますが、内心はエリクソンと同じような事を思っているに違いありません。

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728 ミヨシ電子がW-SIMで「福山通運専用」の端末開発、「わが社フォン」時代の可能性

ちょっと前のニュースですが、書く時間がなくてネタを積んでいたという事でご了解を。

以下のニュースについての記事です。

福山通運ドライバー専用ハンディフォンの導入について
http://www.willcom-inc.com/ja/corporate/press/2008/02/13/index_01.html


◆「ミヨシ電子」って何?

元記事はW-SIMを用いた業務用専用端末が開発されましたという発表。

ざっとまとめると、以下のようなものです。
・ウィルコムの通信モジュールW-SIMを用いて開発されている。
・ミヨシ電子という会社が開発している。
・福山通運のドライバー専用に開発された端末である(一般向けには売らない)
・結構高機能(音声通話/電子メール/ウェブブラウズ)
・汎用OSを採用し、福山通運独自の業務アプリケーションの開発やカスタマイズが容易
・2008年3月から導入開始
・最終的に二万台が配布される見込み

ミヨシ電子は、アステルに端末を供給していた事のあるメーカーです。ただしアステル向けの端末はミヨシ電子にしては珍しい一般向け商品のようで、基本的に業務用機器を開発する事が多いところのようです。

すっかりウィルコムに必要不可欠になった日本無線もアステルで端末を出していました。ミヨシ電子も、アステルからの復帰組ということになります。

業務用端末だけあって?端末の形状は不思議な形になっています。不思議な形というか、通常の携帯端末ではあり得ない形状をしています。

これは「いわゆるデザイナーが居ない業務用メーカーが開発するとこうなるよねえ」ということも思わせますが、しかしながら「見た目なんて気にせずに実用的な形にしたらこうなるんだぞ、本当に合理的な姿というのはこういうのを言うんだ」という形状かも知れず、むしろ逆の意味で一般人向け端末を開発しているメーカーには作ることの出来ない端末(ノウハウが無い)かもしれません。

通常の音声端末を比較するとあまりに特異な形状とも言えるので、むしろ一般で欲しがる人も居るかもしれませんね。なにしろW-SIMですから、nineとこれを差し替えて使うというようなこともできるわけで。


◆「わが社フォン」の時代

へえ、と思ったのは2万台の専用端末を開発してちゃんと商売になっているところです。もしかしたらミヨシ電子内部では予定外の開発費高騰になっているのかもしれませんが、しかしながら、最初から全く話にならないのならこういう端末は開発されなかったはずです。

スマートフォンをベースに専用ソフトウェアを入れるパターンも考えられますが、それだとどうやっても物体としては業務に特化したものにはなりません。先に書いたようにこの端末の形状は独特です。おそらくかなり乱暴に扱っても大丈夫なようにとか、手袋をしていてもボタンが押せるとかそういうことを考えて作られているはずです。例えば、W-Zero3シリーズをベースにして開発した場合にはどうやってもそのようにはなりません。

企業の情報システムをどこかにシステム会社に発注して「独自の社内システム」を開発する事はごく普通に行われています。しかし、携帯電話そのものを独自開発するというのはなかなか無い事ではないでしょうか(ただしこの端末がどの程度、独自に作りこまれている感じの端末なのかは解らないのですが)。

つまり、社内の業務システムをどうするか考える時に、「通信機能を持った各種業務端末を自由にデザインできるようになった」ということです。今回のニュースでは、携帯電話とハンディターミナルを高度に合体させたいという要求が満たされています。

ウィルコムはアピールがあまり上手くありませんから、W-SIMで専用端末を開発してごにょごにょとしか発表しないようにも思いますけれども、孫社長ならば大々的にこのコンセプトをプレゼンで発表してメディアで話題になっているかもしれません。

以下は、数分での頭の体操。

21世紀のビジネスにはモバイル端末と社内業務システムとのスムーズな連携が必要不可欠です。しかし、従来の携帯端末は御社の業務にとって最適でしょうか?

落としたら壊れる端末、情報流出を抑止できない端末、私的利用を止められない端末、頻発するオペレーションミス、操作が面倒で現場が使うのを嫌がる端末。

W-SIMなら本当に必要な機能だけを持ち、本当に必要な形状、本当に必要なボタンとディスプレイ、最大限に使いやすい端末、業務に100%特化した情報端末の開発が可能です。

これからは「わが社フォン」の時代です。

・・・40点くらい?もっと低い?

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ウインドウズがオープンソースになるわけではなかった件について

毎日新聞の件についてです。

前回の記事、
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/02/post_5ddb.html
の続きです。

#結局今日まで更新する間がありませんでした。すみません。


◆記者が誤解していたのかどうかすら紛らわしい

この件は私の近辺で一時的に騒動になりました。

経過:
・朝一番に届いた新聞に「マイクロソフトが基本ソフトウェアの設計情報を公開」
・マイクロソフトがOSをオープンソースにすると読めた(ソースコードのことをメディアは「設計情報」と呼ぶ)。
・別の地方新聞社で「オープンソースにする」と書いているところがあることが判明し、騒然となる。
・しかしネットで調べても該当する記事が見つからない、早朝だからかなと考えたりする
・朝からみんな悩む(OSXみたいにカーネルだけの公開じゃないかとか)
・「APIの情報を公開」というネット上の新着記事が7時過ぎに発見される。
・APIとソースコードの区別がつかなかったんじゃ?ということになってみんなずっこける
・ただし、その時点では真相はまだわからないという状態。
・そのことを家を出てから電車の中でWX320Kで書いて投稿したのが前の私の記事。

結局、時間が経って出てくる一般メディアでの発表では「技術情報」という表現に改められていました。これはおそらく、抗議の電話などがあちこちでリンリンしたのではないかなあと思います。

しかしAPIを「設計情報」と呼ぶのが完全に間違いかというとそれも微妙かなと思えたりもします(後に「技術情報」と言い換えているので恐らく間違いなのでしょうが)。よって、設計情報という変な表現のお陰で、最初の記事で記者が誤解していたかどうかすら曖昧になっています。


◆わかりにくい表現

Linuxがブームだった時に、テレビや新聞は「ソースコードが公開されている」ことを「設計情報が公開されている」
と呼ぶのだということを理解した人が多いのではないかと思います。

ソースコードと言っても一般人は解らないのでしょうが、せめて記事では「設計情報(ソースコード)」と書いていてほしいものです。今回ならば「設計情報(API)」でしょうけど。

ちなみに、明らかに間違った記事を出してしまった新聞社の記事では、「設計情報(ソースコード)」と書いていたそうです。私は直接見てないんですが。

おそらくながら、日本中の新聞社が記事にする元の情報を提供したところが、誤解を生む表現でレポートを書いてしまい、それがそのまま広域伝播したのではないかなと思います。
地方の新聞社の記者が世界のニュースまで自前で取材して記事にしたりするのが難しいのは良くわかりますので、こういう仕組みが存在する事は解らなくもないのですが、最初の記事を書く人がちょっとうっかりすると日本中で誤報というのは仕組みとしてはかなり不味いのではないかと思います。

またさらに考えると、最初のレポートを書く人間が作為的に誤解を招く記事や内容が偏った記事を書くと大変な事になることも考えられますね。実際そういうことは既に起こっているような気もします。


◆その他

まだ良かったのは、混乱は早朝のうちに済んだことでしょうか。

もしVistaが突如オープンソースになったと考えると、それは大変なことになっていたはずです。今回、本当か誤報か考えてみて思ったことは、ソースコード公開は絶対にあり得ない事でもないということでした。たとえば、OSで儲けるのをやめてもOfficeで儲けることは出来ますし、ソース公開とOSで儲けることの両立も考えられるためです。そもそも、オープンソースの"Free"というのは、無料ということではなくて自由ということのはずですから。

個人的にはいろいろなことを考える機会にはなって良かったのですが、今後はこういう微妙な記事はやめて欲しいと思う次第です。

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毎日新聞が大誤報の可能性

きちんとした記事はまた後で書きます。急ぎで記事だけ投稿しておきます。

どうやら毎日新聞の朝刊一面に
「MS、ソフト設計情報公開」
という記事があるらしい。

内容は「Vistaなどの主要ソフトウェアの設計情報を公開する」というもの。


という話をメールで聞いてかなりうろたえたのですが、急いで調べてみるとこのニュースの誤報っぽい件。言われた通りにネットにそんなニュースが無いので。

MS、Vistaほか主要製品のAPI公開――EU対応で
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0802/22/news011.html

わけわからん

ちなみに、新聞の記事は以下です。

K3200024_2

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729 アッカ問題:アッカの社長が退任することに、しかし「イーモバイルの要求は拒否します」、千本社長は要求撤回

アッカの話題の続きです。

年明けから騒動の続くアッカでまた新しい展開です。

◆アッカの社長と副社長が退任する事に

イーアクセスの要求をはねのける事に事実上成功したアッカですが、そのアッカが次に取った行動は「社長と副社長の交代の発表」でした。

まあとりあえずビックリではあります。完全に予想外かと言えばそうでも無い気もしますが。

とは言っても今すぐ辞任をするわけではなく、(形式上)一年ごとに「今年も社長を引き続きやってもらいます」というのをせずに、新しい社長に交代することに決まったという話です。

次の社長は41歳と若い人で、アッカの創設メンバーの一人が選ばれました。アッカの記者会見でもイーアクセスの要求によるものではない、との説明がなされています。

「イー・アクセスの提案によるものではない」,アッカが社長交代で会見
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080221/294419/

後任となる須山執行役員は現在41歳で,アッカの創設メンバーの一人。同社のネットワークのオペレーションを統括して,サービス品質向上などに貢献しており,「現在のアッカのビジネスを支える最適の人材であり,(取締役会でも)全員一致で推挙した」(木村社長)。須山執行役員は「企業価値向上のため,既に発表した事業戦略,成長戦略を確実に実行していく。無線ブロードバンド事業にしっかりと取り組み,大きな柱にしたい」と抱負を述べた。

アッカの新社長候補が会見、「イー・アクセスとは良い話し合いを」
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/02/21/18549.html

新社長に就任予定の須山勇氏について木村氏は、「アッカ・ネットワークスの創設以来、ネットワーク事業の管理・オペレーションをすべて統括してきた人物。足元のネットワーク事業を固めて利益を創出しつつ、新規事業に取り組んでいくという事業戦略を支えていく上で最適と考え、推薦した」と説明。取締役会でも全員一致で推挙されたとした。
今回の役員交代案については、イー・アクセスには株主提案を受けていたという経緯もあり、事前に説明はしていないとした。

まあ(少なくとも説明の上では)アッカは自主的に自分のための社長交代をしたということのようです。木村社長は自分の身分よりもモバイルWiMAXの責任を取り、アッカを磐石にして去ろうと思ったということなのではないかなと。

#見えない大人の事情があって、予想とは全然違うかもしれませんが

アッカ(2.5Ghzでの行動)については私は褒めては居なかったのですが、現在の社長さんは悪気のある人であるようには見えませんでした。あるいは、後日こういう事を書こうとも思っていた次第です。例えば、(短期的には)何もしない(ように見える)社長が組織を結果的に救う事もある、とか。

例えば、ADSL事業者がモバイル事業の参入で逃げ道を探している現在の流れ自体が大間違いだった場合、アッカは結果的にですが「遅れる」ことによって救われる事もあり得ますから。馬鹿な大決断よりは、思いつかないから何も出来ずにいるほうがまだましだということですが。


◆千本社長、アッカへの要求を取り下げる

千本社長ですが、要求を取り下げてしまいました。

イー・アクセス、アッカへの株主提案撤回
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080221AT1D210BX21022008.html

委任状争奪戦になっていたら大負けして大恥を書いていたでしょうから、まあいいところで話を終わらせるきっかけがあってよかったなあというところでしょう。

千本社長がアッカの占領を目指していたとしたら、今回の交代で当分は実現が困難になってしまったともいえます。また、株価が目的だったとしたら、こちらも劇的に上がる事はしばらくなさそうです。大恥をかくことはなくなったようですが、今のところ負け戦っぽいですね。

そしてまた、「自分の手柄」にしています。言うのは自由ですから。

イー・アクセスは社長交代をはじめとするアッカの取締役候補案について「当社の株主提案が引き出した結果」と評価した。

アッカとイー・アクセスが正面衝突する事態はひとまず回避されました。しかし、アッカは既にドコモと握手をしてしまっており、また、険悪な空気もまた残ってしまいました。一応これでしばらくはまた静かになりそうですが、これでおわりではない気もします。

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730 モバイルWiMAX:インテルがスプリントを支援するかもしれないという「噂」

モバイルWiMAXの話題です。

最初に念のために説明しておきますと、これまでの記事の流れでの記事です。なんだか良くわからない人は2008年1月くらいからの記事をお読みください。

時間の都合で短い記事です(すみません)。


◆まえおき

北米でモバイルWiMAXに力を入れているのは実はスプリント(Sprint Nextel)だけでしたが、それがどうも雲行きが怪しくなってきたというような記事を書きました。

スプリント(アメリカ)がモバイルWiMAXをやめるかも?という記事
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/01/764_wimax_d294.html

CDMA2000陣営は色々と苦しんでいるということでもありました。

アメリカの2.5Ghz帯を獲得しているのは、スプリントとクリアワイアというところです。ちょっと前まではスプリントは非常に調子の良い事を言っていたのですが、最近ではモバイルWiMAXのサービスイン計画自体がかなり怪しげなことになっていました。

スプリントは少し前に業績不振でCEO(ボス)が交代させられ、新体制でモバイルWiMAXをどうするかの再検討が行われており、恐らくモバイルWiMAXからの完全撤退も検討されているとされていました。そしてしばらく音沙汰無しでした。
小田原評定が続いているのではないかと私は思っていました。

先に上げた過去の記事でソースにした記事では、記者はモバイルWiMAXなんかやめてLTEにいこうするのが筋だろうというようなことを書いているように見えます。モバイルWiMAXの熱が醒めつつあり、LTE陣営の不気味な巨大な影が見えてきた現状では、そういう意見も出る事でしょう。

しかしスプリントが撤退を表明すると、事実上北米でモバイルWiMAXが頓挫する事になります。そうでなくともスプリントのモバイルWiMAX計画は、もうかなり慎重でゆっくりな計画になってしまっていました。そういう瀬戸際が現状でした。


◆インテル様が支援を考えているという「噂」

前からインテル様が支援を考えているという噂があったようでして、こういう記事も出てきました。

インテル、SprintとClearwireのWiMAX共同事業に資金提供へ--米報道
http://japan.zdnet.com/news/hardware/story/0,2000056184,20367700,00.htm

以下引用です。

The Street.comは米国時間2月19日、SprintとClearwireが権利を持つ周波数帯を管理する両社による共同事業に対し、Intelが20億ドルの資金提供の準備をしていると報じた。

インテルがスプリントを支援するのは、KDDIのモバイルWiMAX新会社(のKDDI薄め成分)にインテルが出資しているのと同じく、筋の通る事ではあります。自分が親分になって引き起こしている騒動だからです。しかし世の中では何かがピンチになると、こういう「支援の噂」は必ず湧いて出てきます。
ちなみに噂ならば、韓国方面からの資金が北米のモバイルWiMAX関係に投入されるなんて言う噂もある(あった)ようです。

スプリントは、アメリカの携帯電話会社の中ではかなりピンチな会社です。優良な会社がモバイルWiMAXを薦めようとしているのではなく、一番危ないところがモバイルWiMAXで大騒ぎしていたけれども、調子のいい事を言い過ぎて最近では半泣きになっているというのが現状ではないかと思います。
インテルが支援したとて最初の勢いの良いサービスイン計画に戻る事はないでしょうが、少なくとも現状の計画は維持される事にはなるでしょう。

スプリントのモバイルWiMAXが頓挫すると、世界的なモバイルWiMAXへの逆風は決定的なものとなってしまいます。しかしスプリント自身にとってはモバイルWiMAXよりも自身の事業の将来の方が大事です。

とりあえずぎりぎりの状況が続いているのは間違いないようです。

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補足:ウィルコムの3880円定額について、二年後は?/音声系の新プランがあるとしたら?

少しだけの記事です。

ウィルコムの「3880円定額」について書き忘れたことなどを少し。


◆3880円定額を「二年縛り」で新規契約すると・・・

3880円定額は2008/03/21(321)からスタートになります。

もし新規でこの日に契約したとしましょう。二年縛りで契約する事が必須になりますから、一度試しに2年後がいつかを考えてみましょう。

2008/03/21 → 2010/03/21

さて、2010年とはどんな年の「はず」かを考えてみましょう。

現在の次世代PHSの予定(予定なんですけれども):
2009年4月 次世代PHS限定サービスイン
2009年9月 次世代PHSサービスイン

2010年の春は、次世代PHSはある程度?は普通に使えるようになっているはずです。例えば、都内では普通に使える・・ようになっていると思います(思いたい)。

予定が多少遅延したとしても、3880円の人が2年になるころには次世代PHSでの契約が出来るようになっているであろうということになります。「2年縛り」にはそういう意味もあるようです。


◆音声端末系の料金コース改革はいつか?

四月までにはデータ通信の値下げはあると思っていました(記事に書けばよかった)。予想を外した点は、思っていたよりも大きく値下がったことと、もうちょっとサービス開始の時期が早いだろう(3/21ではなくて)と思っていた点は違いました。

では、音声端末系コースの方はどうなのかについては、あるとしてももうしばらく後なのではないかと思っています。

イーモバイルの音声開始の様子(や白い学割)の様子を見て、後出しで料金コースを改定するのではないかと私は予想しています。あんまり自信はないのですが。

イーモバイルはドコモから回線を借りるためにあまり派手な事は出来ないはずですが、イーモバイルが出したあとにそれを見てから出す方が万全でしょう。また、ソフトバンクについては白い学割ですでにカードを切っています。ドコモやAUは料金では勝負してきません。
また、イーモバイルは早いうちに料金などについて発表しなければなりません。正直なところ、今すぐ発表でも遅すぎるようにも思えます。

WX331K/WX330Kの発売開始と同時発表とかも解りやすくて良いかもしれません。いずれにしてももう少し後になります。

以上、いかにも外れそうな予想でした。

ただし以上は、新プランや新オプションが検討中であれば、の話とさせていただきましょう。

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ウィルコムの3880円8x定額発表はインパクト大、その割にはうまくやっているのでは?

ウィルコムのデータ通信定額コースに新しいのが出来ましたようで、それについて記事をポストしてみたいと思います。


◆3880円の衝撃

発表された新料金コースは以下のようになりますか。

・月額3880円
・8x定額
・2年縛り
・音声通話できません
・2008/3/21開始、2/21から予約開始。
・最高速度の800k化も同時期にPRされると思われる。

早速あちこちで取り上げられていまして、インパクトとしてはかなりのものになったようです。つまり、今のところ成功です。

一般で話題になっているのは3880円という価格が当然に原因でしょう、なにしろ未踏の三千円台ですから。そして、通信に制限がなされずにエリアも悪くないウィルコムが一気にお得になったわけですがら、解ってる人方面には別の意味で大きなインパクトがあると思われます。

音声定額2900円の時にも思ったのですが、この値段で赤字にならないかは心配になってしまいます。ただ、この3880円ですが、ウィルコム側から見るとインパクトほどには値下げになっていないとは思います。


◆ウィルコム側からすると6000円→3880円

これまでは8xつなぎ放題は実質的に6000円で提供されていました。ですから、そこから考えると劇的な値下げでもありません。6000円から1000円値下げでは劇的な低価格には見えませんから、2000円とちょっとの値下げにしたのではないかと思います。割高のイメージで居た人にとっては、ショックな値下げになったはずです。

しかも二年縛りで音声通話できませんから、例のカードで8x契約するユーザ層だけをターゲットにしています。音声端末でつなぎ放題契約をするウラワザーな人はうまく対象外にしているというか、戦闘領域をはっきりと限定しての投入になっています。音声禁止は今回の料金コースの要ではないかという気すらします。

これまで8xつなぎ放題は1万2000円の高価格コースという間違ったイメージもありましたが、これが逆に現在ウィルコムを救う形になっているのではないかとも思えます。間違ったイメージの形成には、あそこも関与していたわけですが・・


◆過去におけるイーモバイルの店頭比較

過去にイーモバイルが店頭での比較デモを行う時には、割とウィルコムにアンフェアな形での比較を見かけた気がします。例えば初期にはこういうのを見た記憶があります。

・イーモバイル 3.6メガ
・ウィルコム 128K
・ADSL 1.5メガ

8xでもなければ、W-OAMでもないウィルコムって、20世紀のウィルコムとの比較ですか?と思ったものです。また当然に竜巻圧縮なども入っていませんでした。しばらくするとADSLとの比較デモが無くなっていて(そうだろうなと思った)、128Kと3.6メガの比較になっていました。

そして最近ではこういう感じだったような記憶があります、

・イーモバイル 7.2メガ
・ウィルコム 512Kで1万2千円

実質6000円ではないのかな、と見かけるたびに思っておりました。

ですが、3880円の新料金プランが発表されてみると、イーモバイルが垂れ流していた「ウィルコムは1万2千円」のイメージのお陰で、より劇的な値下げに見えるのではないかなと思えたりもします。今となってはウィルコムにとっても、6000円ではなかった方がありがたいですから。


◆ドコモの定額の行方

ドコモは高額でそこそこのPC定額を提供するのか、それとも低価格で制限の多いPC定額を提供するのか迷っているようなところがあるように思われましたが、KDDI/AUが速度制限が激しいながらも低価格で定額を投入したのに続き、ウィルコムがショッキングな値下げを行ってしまいました。

ドコモはエリアでは勝りますが、KDDI/AUもエリア力でも優れます。また、イーモバイル相手ならともかく、ウィルコムのエリアもそこそこ悪くありません。

ドコモの4200円で64Kはウィルコムより高くなってしまったわけで、存在意義がさらに微妙になってしまいました。しかしもともとこれは@FreeDの受け皿に過ぎないのかもしれませんし、低速でもいいから広いエリアという需要が存在するのならばその受け皿にはなるのかもしれません。ドコモの高価格コースは、エリアも広く速度も出ますが、通信制限が多い上に突出して高い料金になってしまうことになりました。ドコモにとってはちょっと難儀な事になってきたのではないでしょうか。

孫社長が、回線の値下げ競争ばかりやっていると土管屋になってしまうとかなんとか言ったそうですが、まさしくPCデータ定額は参入してもろくな事はないのかもしれません。

◆ウィルコムらしからぬ数字の工夫?、などなど

サービス開始日ですが、3月21日と「321」になっています。

また「8」が今回の発表には沢山出てきます。800Kbps、8x、3880円、2008年などです。半分以上偶然によるものですが、やたらと8だらけです。

個人的には、今は目先の事よりも次世代PHSの方が大事(しばらく後に良い環境になるかどうかの方が気になる)だと思っていますので、この値下げで赤字になってしまわないことを願うばかりではあります(次世代が遅れる方が問題)。おそらくながら、ターゲット狙い撃ちでの値下げなので、8x購入を検討しているような人だけが対象になるため、赤字にはならないようにも思うのですが。

同じ事を思っている人が多いと思いますが、音声端末のコースの方も何か改善があるとよいですね。例えば、音声定額+パケット完全定額の方面とか、つなぎ放題2xを音声端末で契約する裏技をしている方面とか。

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731 700Mhz/900Mhz帯はTDD帯域にしてはどうか?というネタ

思いつきで予定外の記事を書いています。


◆700Mhz帯の難しい点

現在使われている携帯電話用の電波としては、800Mhz帯が一番上質な帯域であるとされます。その理由は、圏外になりにくいためです。AUが圏外になりにくかったり、ドコモの第二世代が圏外になりにくいのは、800Mhz帯でサービスを行っているためでもあるとされます。

近いうちに携帯用に使えることになっている700Mhz帯や900Mhz帯も同様に良い帯域であるとされるために、激しい争奪戦になるのではないかと言われています。

で、その700Mhz帯についてペアになる帯域のことを考えると、ちょっと面倒な事があるんじゃないでしょうかと言う話しです。

700MHz帯での携帯電話
http://www.phs-mobile.com/?p=283

まず復習から行います。ちょっと前の以下の記事で書いたとおりに、携帯用の帯域としてはペアになっているもの(FDD帯域)とペアになっていないもの(TDD帯域)があります。

エリクソン(LTE陣営)が新兵器の試験に成功、次に割り当てられる2.0Ghz帯でLTEが可能になった?
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/02/744_lte20ghzlte_3e2b.html

以下ざっと復習をします。

FDD帯域とは、上がり用の帯域と下り用の帯域が別になっているものです。そしてポイントは、上がり帯域と下り帯域は「ほどよい間隔で離れている」必要があるという点です。TDD帯域は、上がりと下りで同じ周波数を使うので、ペアになっていません。そして携帯用のほとんどの帯域はFDD用(ペアになって用意されている)です。

700Mhz帯は、FDD用の帯域として用意されようとしています。FDD用ということはペアにして用意しなければならないということです。しかし700Mhz帯の内部でペアにすることは困難なので、900Mhz帯とペアにするということが計画されているようですが、以下の問題があるようです。

・700Mhz帯の内部で、上がり下りのペアにするのは困難。
・900Mhz帯をペアにする計画。
・しかし、900Mhzとは周波数が若干離れすぎているので、扱いにくいことになるのではないか?
・900Mhz帯の整理はうまく進んでいない。
・FDDで使うためには、700Mhz帯が必要とする幅を900Mhz帯で過不足なく用意しなければならないが、果たしてそんなにうまく行くか?

最後のものはつまり、700Mhzが要求する幅だけ900Mhzに空きを作ろうとすると無駄が生じるかもしれないという懸念です。例えば、900Mhz帯の方が足りなければ、700Mhz帯が余ってしまいます。逆に900Mhz帯が700Mhzが要求するよりも多く空きを作れるとした場合、無駄が出るかもしれません。

別に携帯だけに使うわけではないでしょうから、いろいろ組み合わせての調整で何とかなるのかもしれません。しかし、可能性としては700Mhz帯が空いたのに900Mhz帯が空いていないからまだ使えないようなこともありえるということになります。

また、700Mhzの電波と900Mhzの電波は周波数が結構離れているために性質も異なるため、取り扱いに苦労するかもしれないとのことです。例えば、下りの電波は端末に届いているのに上がりは基地局に届いていないとか、その逆とか。

これから色々と苦労があるかもしれないということです。


◆TDD帯域にすれば悩みは無くなる?

以下遊びです。

そもそも面倒なのは、「帯域をペアで用意しなければならない」からです。ならば、その制限を取ってしまえばこの悩みは消滅します。つまり、TDD帯域にしてしまえば不必要に悩む事はなくなるというわけです。

700Mhz帯と900Mhz帯をそれぞれ別の「TDD帯域の候補地」としてしまえば、上記の悩みは全てなくなります
幸いにして、この帯域で検討されうる可能性のある技術は全部TDDモードを持っています。LTEやモバイルWiMAXだけではなくて、次世代PHSや802.20もTDDで使えます。

700Mhz帯と900Mhz帯の周波数の整理は同期させる必要はなくなりますし、どちらか一方で沢山空きが用意できた場合にも無駄になりません。また、上がりと下りの周波数が離れている点についての心配もする必要がなくなります。

ただし、LTEのTDDが世界的にみてどういうポジションになるかわからない点は問題です。採用したけれども日本だけでしか使われないようになったりすると最悪かもしれません。しかし逆に、TDDにしたことで結果として日本で一番良い帯域になることも考えられなくはありません。

というネタでした。

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732 モバイルWiMAXやSuper3G/3.9世代/LTE関係のニュースで注意すべき点(復習)

わざわざ記事にする必要については微妙だと思いつつ投稿します。

(おそらく?)短い記事です。


◆理論上の最高速度はあんまり問題ではない

実は過去の記事ですでに書いていることなのですが、同じ勘違いをしている人を沢山見かけるので、単独の記事にしてみたいと思います。

相変わらずながら、「WiMAXでは70Mbpsが出ます(発表)→もう携帯電話なんて古い!」とか、「LTEではさらに上の160Mbpsが出ます」というようなことを見かけますが、LTEやらモバイルWiMAXのスペック上の最高速度については、実は(現在のところは)それほど気にしても仕方がない数値なので注意してください。

#モバイルWiMAXについては意図的にこの種の誤解が広められていた気もします。

モバイルWiMAXもLTE(も次世代PHSも)、理論上の最高速度に関しては技術的に似たようなものなので、理論上の最高速度についてはほとんど似たようなものです。

つまり、LTEで160Mbpsが出るならば、モバイルWiMAXでもおおよそそれくらい出せるであろうということであり、XG-PHSでもおおよそそれくらい出せるだろう、ということです。

なぜかと言うと、互いに通信方式の理論上の最高速度に関係する部分が似ているため、
・同じ帯域幅で
・同等の高速化テクニック(MIMOなど)を用い
・同じような環境(ノイズなど)
では同じような事になるはずだからです。

ちなみに160Mbpsを出せる状況・出せる端末というのは、現在のところ実際に使うのはかなり厳しい感じです。


◆実際にサービスインしてからの速度こそ問題

本当に問題になるのは、実際にサービスインした時にどの程度の速度が安定して出るかです。そしてこれは、現在発表されている速度発表競争の数字とは関係ない数字になるでしょう。

また、速度は通信に用いる帯域幅にも依存します。速度競争的な発表では基本的に20Mbps幅での性能が発表されています。しかし例えば、KDDIのモバイルWiMAXはおそらく10Mhz幅で(場合によってはそれ以下で)サービスインする事になります。

電波状態はいつでも理想的ではありません。また、携帯電話のような機器でのMIMOの利用は当面難しいはずです。さらにこの「最高速度」は通信あたりの最高速度ではなくて基地局あたりの最高速度なので、基地局を占有できないと速度は落ちます。
100メガくらい出る、とか思っていると大変にがっかりすることになると思います。

例えば、KDDIのモバイルWiMAXは速度が出る場合でも10Mbpsくらいだったとしましょう(根拠のない仮定)。おそらくガッカリする人は沢山出るはずです。しかしこの数値がMIMOなしで10Mhz幅での数値なら、そんなに悪い数値でもないはずです。何よりHSDPAよりも上ですし。


◆「モバイルのFTTH」という表現は誰が考えたのか?

誰が言い出したのか、LTEやモバイルWiMAXを「モバイルのFTTH」などと呼ぶ事があります。

おそらく固定のWiMAXが70Mbps出る(理屈の上では出る)という話が、いつのまにかモバイルWiMAXの話に間違って置き換わってしまい(何十キロも飛び、ものすごく速度が出て、120kmの移動でも・・という典型的な誤解)、さらに70Mbpsは光ファイバ並である、とたまたま誰かが思った事が広まったか、解っていて誤解が計画的に広められたのかはわかりませんが、まあそんな感じなのではないかと思います。

「モバイルのFTTH」というのは使いやすいフレーズなので、ニュース記事にも出てきたりして伝染しているような感じもします。3.5世代をADSLと呼び、その流れでFTTHと比喩したい気持ちも分からなくないのですが、誤解を招く表現ではないかとも思います。

容量的に勝負にならない固定回線と無線との比較自体がどうかという感じでもありますが、もし比較するとしてもADSLとの比較がせいぜいなところではないかと思います。


◆「LTEで実験してこんなに速度が出ました発表」が今後ある思いますが

今後LTEなどで、「わが社で実験してしてみました。その結果こんなに速度を出す事が出来ました(すごいでしょ?)」、というような発表が今後何回もあるのではないかと思います。

ちょっと極端すぎますが、変な比喩を考えてみると、

・松任谷正隆が、開発中の次世代スポーツカーに試乗しました

偉いのは車を開発しているところで、車を貸してもらって試乗した人ではありません。素晴らしい走行結果は松任谷正隆の手柄ではありません。

ただし、開発を行っているところ自体が行っているテスト運用は話が別です。例えばしばらく前に記事にした「エリクソンがTDDモードのテスト運用に成功した」という件ですが、これは技術開発が進んでいる事を示すためのものですから意味が違います。区別しなければならない結果があるということです。

「実用無視速度+開発してない会社がただ実験室的に動かしてみただけ」は立派に見えてもあまり意味はありませんのでご注意ください。その程度ならアイピーモバイルだって何度もデモを行っています。

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733 ドコモは2010年にLTE開始予定、オールスターなドコモ陣営

ドコモとLTE(Super3G、3.9G,3.9世代携帯)に関する記事です。


◆ドコモのLTEサービスインは2010年予定

ドコモ、Super 3Gの基地局をエリクソンから調達へ--2010年のサービス開始へ本格始動
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20367073,00.htm

ドコモのLTEですが、2010年サービスイン予定だそうです。早い時期だなと思った人が多いのではないでしょうか?

また、併せてエリクソンの基地局が採用される事も発表されています。エリクソンはここしばらくブログで色々書いてきた、スウェーデンの企業で、GSMでW-CDMAでLTEであり、モバイルWiMAXを評価していないところで、基地局を作っているメーカーです。

モバイルWiMAXのサービスインや次世代PHS(XGP)のサービスインも2009年予定ですから、それほどのサービスイン時期の差は無くなりそうです。

2010年とは言っても、2010年の12月31日までが2010年ですし、またこういう場合は大抵2011年に遅れる事も多いわけですが、しかしモバイルWiMAXや次世代PHSも予定通りに行くとは限りません。

ただ、良くわからないのがドコモがLTEをどの帯域で始めるかと言う点。既存の帯域を空けると考えても、どうやって利用者を移動させて空けるのかわかりませんし、上下5Mhz幅を空けただけでのサービスインでは世間を驚かせるような性能は出ないはずです(まあそれでもいいのかもしれませんが)。

もしかすると、3.5Ghz帯を獲得することが計算に既に入っていて(確かにドコモが全力で手を挙げたら、取れない可能性はとても低いとは思います)、2010年とは3.5Ghz帯の「2010年」のことを言っているのかもしれません。もしそうなら帯域幅はかなり確保できるので速度は相当出るでしょうが、(以前の記事でも書いたとおり)3.5Ghz帯は取り扱いが難儀な帯域ですから、「LTEは速度はでるけどすぐ圏外になる(あるいはHSDPAでの通信に切り替わってしまう)」とか言われることになるかもしれません。


◆まさにオールスターなドコモのLTE計画

【MWC2008】NTTドコモのSuper 3Gにエリクソンも参加,LTE主要ベンダーが勢ぞろい
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080214/293762/?ST=network

さすが世界のドコモ様と言いましょうか、ドコモのLTE計画には世界中のメーカーからベストメンバーを揃えたような面子です。大まかに言って、世界の代表的なところと日本国内のドコモ直参メーカーが全て参加する感じです。

#あるいはここに入っていないあのメーカーとかこのメーカーは・・・

以下引用、

ドコモのSuper 3Gの開発ベンダーとしては,既にNECや富士通,パナソニック モバイルコミュニケーションズが選定済み(関連記事)。2007年12月にはパナソニック モバイルコミュニケーションズに協力する形で,フィンランドのノキア・シーメンス・ネットワークスも開発ベンダーとして参加することが明らかになった(関連記事)。また2008年2月にはNECと仏アルカテル・ルーセントがLTEに関する合弁会社を設立することを発表し,合弁会社が開発した製品をNTTドコモ向けに納入していく方針を示している(関連記事)。

 これによってNTTドコモのSuper 3Gの開発には,国内の主要ベンダーのほかエリクソン,ノキア・シーメンス・ネットワークス,アルカテル・ルーセントという世界のLTE主要ベンダーのほとんどが参画することになる。

引用終わり

・エリクソン
・ノキア+パナソニック
・アルカテル+NEC
・富士通

そして
・ドコモ
ですから、まさにオールスターです。

ここにおそらく年あたりで兆に届く予算投下がなされることになります。まさしくとんでもない計画です。

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734 アッカ問題:千本社長は反論できず、しかし「私の手柄」「社長辞めろは続けます」

さて、続きです。

アッカの発表に対して、千本社長がリアクションを返しました。


◆反論できなかったようです

アッカの発表に対し、千本社長側がコメントを発表しています。

アッカの新規事業計画「確実な遂行を望む」、イー・アクセスがコメント
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/02/15/18476.html

どうやら千本社長、アッカの今回の発表にツッコミを入れることは出来なかったようです。

ここは本来アッカの事業計画にツッコミを浴びせて、「この無能な経営陣は交代させるしかないのです」と言いたかったところでしょう。しかし、ドコモの回線を借りるという基本合意まで出てきてしまっては、ここでは攻撃には出る事が出来ないようです。

もし今回の発表が「仮に」ドコモの介入によるものであるとすれば、ドコモの攻撃はまずはうまくいったことになります。

しかし千本社長、ただでは転びません。

この事業計画が発表されたことじたい、イー・アクセスによる株主提案が引き出した成果だとしている。

自分の手柄にしてしまいました。

また、社長辞めろは取り下げる気はないとし、わざわざ「決して休戦ではない」とか断っています。

イー・アクセス広報室でも「今回のコメントは、決して休戦宣言ではない。計画が本当に実行されるのかどうか、今後も厳しく見ていくという意味」と説明している。

しかし、この状況では休戦宣言=敗北宣言みたいなところもありますから、もう諦めたと思っていたとしても、実際に「まだ諦めてないぞ!」と思っていたとしても、どちらにしてもこういう発言になりましょうか。本当のところは、今後の千本社長の行動が示す事でしょう。


◆NTTとアッカの連携を招く

千本社長は、イーアクセス≒イーモバイルに利益をもたらす事を目的として今回のアクションを起こしているはずです。もしかしたら株価や配当の点については良い結果になるかもしれませんが(これもまだ解りません、またアッカが上がっても自分が下がれば意味がありません)、アッカとの協力関係ないしはアッカを子分にする計画は今のところ頓挫しました。アッカの経営を掌握させろ、と当初から言っているわけですから、そういう意味では失敗でしょうか。

逆にアッカはNTTグループに接近してしまいました。HSDPAはイーモバイルも提供していますが、なんとドコモから回線を借りることになってしまいます。アッカがドコモから回線を借り、HSDPAをアッカブランドで提供したらどうなるかというと、それは「イーモバイル」とも競合する可能性が高いことになります。

千本社長が起こした騒動の結果、アッカがイーモバイルの客を削る新サービスを始めるということになったわけです。アッカがイーモバイルから回線を借りることも本来あり得た事を考えると、裏目に出ているのではないでしょうか。

アッカ-NTTコム-ウィルコムの話についても同様に、基本的にイーモバイルの商売敵とアッカとの連携を深める結果となりました。KDDIがモバイルWiMAXのサービスを始めたら、このノリだとアッカはモバイルWiMAXのMVNOも申し出るかもしれません。

2.0Ghz帯の行方にもまた影響を与える事になるでしょう。


◆ただし

ただし、千本社長には揺るがない優位な点もあります。例え比率は少ないとはいえ、筆頭株主だということです。旗色は今のところ悪いように見えますが、それでもアッカやNTTコムから見て決して無視できる存在ではないということです。

そして逆に、本来的にそのような均衡状態が存在するために、外部からの介入が効果的な状況と言えるかもしれません。ただし、千本社長の味方をしてくれそうなところは今のところ思いつきませんが。

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735 アッカ問題:アッカはドコモから回線を借りる事に

更新が少し遅くなりました。

アッカの話題についての続きです。


◆アッカの発表

2月14日にアッカの決算発表と、新規事業についての発表がありました。「新規事業についての発表」とは、実質として千本社長の攻撃に対する「反撃」となるものです。

アッカ決算、イー・アクセス提案に反対姿勢。新規事業施策も発表
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/20963.html

・ドコモのMVNOでHSDPA利用のデータ通信サービス開始に向けた基本合意完了
・公衆無線LANサービスのサービスイン検討
・「ブロードバンド・マルチアクセス・サービス」:アッカ-NTTコム-ウィルコムでの協力の検討をする
・固定WiMAX事業者/参入希望者へのコンサルティングおよびサービス運用支援

加えて、重ねて千本社長の提案への反対が示されました。内容は「千本社長関係の人間にアッカの経営を仕切らせろ」と言っているだけで、具体的な改善提案は無いので、賛成しかねるというこれまでの主張です。

関係する会社に今回の方針の説明は行っており、反対の方針に賛成をいただいているところもあるとのことでした。一方で千本社長の側からは賛同するところがあるという発表はありません。


◆念を押しておきたい事

まず最初に念を押しておきたいと思いますが、私はこれまでアッカを褒めてなどいません。2.5Ghz帯の争奪戦についての記事でも、アッカについては割と厳しい事を書いています。

例えば、12月に書いた公開カンファレンス(公開での悪口大会になってしまったもの)についての記事では、「アッカはオウンゴールを決めたのでは?」と書きましたし、新年になっての2.5Ghz帯の振り返り大会では、アッカのモバイルWiMAXについての活動には不味かったことが沢山あるように思われることや、アッカは主体的に行動・判断した形跡に欠けると書きました。

ただ、アッカの現経営陣に疑問があったとして、アッカの経営陣を倒そうとやってきた千本社長がすばらしいということにはならないのです。両方ともダメだったり、千本社長の方がさらに性質が悪いという可能性だってありますよね?

千本社長は基本的にイーアクセス≒イーモバイルのボスです。ボランティアでアッカの救世主をするのが仕事ではありません。真意については良く考えねばならないはずです。主張が通った場合に何が行われ、何が起きるかについても。

#どちらにせよ、私は観察しているだけの立場ですけれども。


◆アッカ、最初の攻撃をはねのける

今回の発表では、「ドコモから回線を借りることで基本合意した」件が相当な効果があったようです。実際、各メディアはこの件について大きく取り上げました。もしドコモとの件の発表がなければ、少なくとも表面上は決定打を欠くことになったので、千本社長も文句を言う事が出来たかもしれません。

また、これで今後の賛成反対にこういう効果も発生したのではないかと思います、

・千本社長に賛成する:アッカはドコモやNTTコムと手が切れる
・千本社長に賛成しない:アッカはドコモやNTTコムの力を借りる事が出来る

ドコモ(というかNTT)との協力を取るか、千本社長の傘下に入るのを取るか、という二択に見えてきたわけです。これは千本社長からすると困った感じかもしれません。

HSDPA回線ならば、別にアッカがイーモバイルから借りることだってできた筈ですが、この状況ではそうなるわけがありません。またそもそも、今回の騒動が無かったらドコモはアッカに回線を貸していなかったかもしれません。


◆その他発表の内容について

それぞれについて書いてみたいと思います。

まず、無線LANについて。

これはアッカが反対を表明した時点で発表されていた事でした。アメリカでの流行(というのも怪しいですが)を良く検討せずに追いかけている感もあるように思っていました。もしかするとWiMAX参入を決めたのと同じロジックでの思いつきの可能性もあり、ならば同じく危なさも感じます。
これを発表のメインにしていた場合には千本社長のツッコミを浴びていたかもしれません。

しかしもうHSDPAをドコモから借りる事が決まっていますから、ならばやり方次第かもしれません。

次に、ドコモから回線を借りる事について。

これは今回の発表のメインでした。世間的なインパクトも大きかったようです。今年中にサービスインをするような勢いだそうですが、何をどうやってサービスするのかは良く考えなければならないでしょう。どんな端末でサービス提供をするのか、固定回線を組み合わせたりするのかどうかなど。

次に、アッカ-NTTコム-ウィルコムの検討開始の件。

これについては既に協力関係は存在します。ウィルコムのADSLはアッカから借りていますし、NTTコムとウィルコムは前から割と仲がよろしい。NTTコムはそもそもアッカの株主です。実はほとんど新しい事を始めずとも、今やっていることを再アピールするだけで効果はあるかもしれません。

すでに協力関係がある点は良い点かも知れませんが、結局どうするのかについてはわかりにくい点もあります。ドコモのHSDPAを借りることが決まっている点と併せて考えると、最終的にどうするのかは今ひとつわからない感じになります。

最後に、固定WiMAX事業者/参入希望者へのコンサルティングおよびサービス運用支援について。

アッカにはWiMAXについてのそれほどの経験値は無いと思われますが、しかし地域WiMAXへの参入希望組には、全くの未経験なところが多いでしょうから、役に立つ事もあるのかもしれません。
WiMAXについてではなく通信事業として考えると、固定WiMAXは固定回線的に使われるであろうこともあり、サービスイン後の運用をどうやるか、課金をどうするか、ユーザのトラフィック制御をどうするかなどでアッカの支援が役に立つこともあるかもしれません。あとは、地域WiMAX会社とアッカとの何らかの協業とか。

しかし悪く考えると「間に合わせで考えた」ようにも見えます。


◆まとめと続き

アッカは、一つの端末で色々な通信方法でのアクセスを実現するようなことを考えているようですが、それを今後実際どのように実現するかについてはよくよく考える必要はあるというか、まだ白紙に近いはずです。

また、そのような大目標に向かって進むとしても、当面は提供される通信方式の事情にあわせたサービスにせざるを得ないはずです。今しばらくは普通のMVNO事業者な感じでのサービスインとなるのではないかと思います。
しかしそれでもドコモから回線を借りていますから、最初からそれなりのことはできるはずです。

この件について千本社長が翌日にコメントをしたりしていますので、それらについては次の記事で書きたいと思います。

(続く)

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更新はしばらくお待ちください(今晩あるいは週末に)

更新して欲しいネタをお待ちの方が居られる状況だと思うのですが、もうしばらくお待ちください。

おそらく今夕以降か、週末には更新をしたいと思います。

ここ数日あまりに忙しい事と、お気楽に投稿しにくい感じなので(ネタ的にとか)、慎重に対応しようと思っているうちに間があいてます。

では、もうしばらくお待ちください。

#それまでは過去の記事でもどうぞ

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736 2.0Ghz帯に関係あり?クアルコムがUMTS/HSPA+/EV-DO Rev. B/UMB/LTEに対応したチップセットの出荷予定

以前書いた記事に微妙に関連した話題、ということにしておきましょうか。

2.5Ghzシリーズ:KDDIはモバイルWiMAXと、LTEとUMBを天秤にかける
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/01/769_25ghzkddiwi_cf3c.html

エリクソン(LTE陣営)が新兵器の試験に成功、次に割り当てられる2.0Ghz帯でLTEが可能になった?
http://firstlight.cocolog-nifty.com/firstlight/2008/02/744_lte20ghzlte_3e2b.html


◆クアルコム様が新しいチップセットを発表

クアルコム様が新しいチップセットの出荷予定を発表しました。チップセットというのは、それを買ってきてポンすることによって携帯電話の主要機能が動くようになる、みたいなものです。

米QUALCOMM,2009年にマルチモードのLTE対応チップセットを出荷
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080208/293418/

発表されたものは以下の三種類だそうです。

・MDM9200 UMTS/HSPA+/LTEをサポート
・MDM9800 EV-DO Rev. B/UMB/LTEをサポート
・MDM9600 UMTS/HSPA+/EV-DO Rev. B/UMB/LTEをサポート

一つ目のものは、W-CDMA陣営に出荷するためのものですね。3.5世代と3.9世代(LTE)に対応した電話機を作るためのものです。クアルコム様はいろんな特許を持っているので、W-CDMAであろうと儲かるので別に構わないというのが良くわかります。

二つ目のものは、CDMA2000陣営に出荷するものです。現在AUがサービスインしているEV-DO Rev.Aを発展(というか「束ねた」)させた「EV-DO Rev.B」に対応し、その上で、クアルコム的3.9世代である「UMB」と、W-CDMA陣営の3.9世代である「LTE」に両方とも対応しています。LTEにも対応させてしまっているあたりが、UMBの現状を反映してしまっているようにも思えます。
例えば、アメリカのベライゾン(という電話会社)はLTEに寝返ってしまいましたので、ベライゾンでは「EV-DO Rev.B」と「LTE」を使う事になるのでしょう。

三つ目のものは言ってみれば「次世代全部入り」です。ただし、クアルコムが嫌っているモバイルWiMAXには対応していませんけれども。


◆「TDDモード」にも対応しているそうです

このチップですが、以前の記事で紹介をしてみた、TDDモードのLTEにも対応しているかもしれません。

これらのチップセットはFDD/TDDの両方に対応する。

クアルコム様のチップでもTDDなLTEを使う事が出来そうなので、それを使って端末を用意したりして2.0Ghz帯の15Mhzでサービスすることが出来るかもしれないということです。

そして元のニュースは、2009年に出荷されるような事も連想させるのですが、2009年春あたりに「チップセット」の「サンプル出荷」をするということなので、2009年春あたりにサービス開始になるとかそういうことでは決してありません。あるいは、逆に言えば2009年春のサービスインは無理ということかもしれません(まあそもそも・・このニュース関係無しに当たり前ですが)。

ただし、2.5Ghz組のサービスインからは明らかに遅れる事になりそうですし、普通のLTEよりもサービスインが後になってしまうこともあるかもしれません、しかし無理でもなさそうです。良い候補ではないでしょうが、しかし2.0Ghz帯での選択肢に決定的なものはまだありません。というわけで話のネタにということで記事に書き加えてみました。

#そういえば、2.0Ghz帯ではまだどこも名乗りを挙げていませんね、2.5Ghz帯の時にはあれだけ騒動だったのに。

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737 エリクソン(LTE陣営)がHSDPAをThinkPadに載せて、モバイルWiMAXに喧嘩を売る

前からの流れの記事です。

モバイルWiMAX関係の記事はここしばらく(去年の終わりごろから?)多量に書いているので、まずはそちらをご覧下さい。続きな感じですので。


◆レノボのThinkPadにHSDPAモジュールが内蔵される

念のために説明をしておくと、レノボというのは中国の企業で、IBMが売りに出したノートパソコンの事業を引き取ったところです。ThinkPad、つまりあの黒くて四角いノートに、エリクソンのHSDPA(HSPA)モジュールが内蔵されている機種を出す事が決まっているそうです。

MWC:「明日のWiMAXより,今日のHSPAを」――Ericsson社
http://www.nikkeibp.co.jp/news/manu08q1/560987/

以前書きましたとおり、エリクソンはスウェーデンの世界的な通信関係の会社でして、GSMのボス的なところで、LTE陣営なところです。そして、モバイルWiMAXに批判的なところでもあります。

以前の記事でエリクソンが、モバイルWiMAXはポテンシャルが無く、いいところHSPAつまり3.5世代/3.7世代あたりと同じ程度なのであり、いまさらモバイルWiMAXを1から整備するのは疑問である、というようなことを言っているという記事を書きました。

そして、言っているだけではなくて実際にHSDPAでモバイルWiMAXに対抗するものを作ってしまったようです。

モバイルWiMAXは基地局を作るところからまだ行われていないわけですが(韓国のモバイルWiMAX「のようなもの」はサービスインしていますが)、一方でHSDPAは世界のあちこちでサービスイン済みです。また、W-CDMAをサービスインしているキャリアにとって、多くの場合HSDPAにも対応させることはあまり難しくないために、世界的な普及の点において心配は無いとしています。

エリアの安定性や移動時の性能については、色々と批判を受けているモバイルWiMAXに対し、HSDPAは元が携帯電話の技術ですから問題はありません。

最高速度の点についてはモバイルWiMAXが勝りますが、エリクソンはHSPAも高速化をすると言っています(ただし、基地局のバージョンアップもしないといけない)。また、どちらにせよLTEが出てきた時点で、モバイルWiMAXの優位さは無くなるという主張です。

基地局自体のコストについては、既存の基地局網のアップデートで済むので、HSPAやLTEの方が安上がりだとしています。

モバイルWiMAXはインテル様がパソコンの基本機能に入れたいと言っているわけですが、エリクソンとしては「ノートパソコンに簡単に実装できるモジュールを作りました」ということだそうです。おそらくそのうちにこのモジュールはLTE対応にもなるのでしょう。

そして、モバイルWiMAXが新しく行うと言っていることもこのモジュールでやると言っています。

さらに第3の段階として,カーナビゲーション・システムやゲーム機,デジカメなどにも装備されるようになる。2011年以降,こうした市場の広がりを見せるだろう。

例えばノキアは(商売上の建前なのか本音なのかはわかりませんが)LTEとは「住みわける」という立場を取っています。しかし、エリクソンのこの発言が何処まで本気かはともかく、モバイルWiMAXの懐まで攻め込んで潰してしまうよ、と言っているようなものとなっています。


◆レノボはKDDIとも同じ事をやっている

レノボはKDDIと実は同じような事を既にやっています。EV-DOに対応したノートパソコンを既に発表しているのです。CDMA2000陣営対応のモジュールを内蔵したものは既に作っているということです。

モバイルWiMAXはインテル様がパソコンに標準搭載させたいといっているから有利である、という話は、結局この程度だったということかもしれません。確かに、インテル様が用意するチップセットにバンドルされているのとモジュールを買ってきて載せるのには差がありますが、少なくとも今のところは決定的な差ではなさそうです。

「明日のWiMAXより,今日のHSPAを」とあるとおり、モバイルWiMAX対応にしても今は全く役に立ちません。しかしHSDPAならば今すぐ使う事が出来ます。よって今すぐ普及開始することが可能です。

モバイルWiMAXとLTEの競争の場合、モバイルWiMAXが先に走ってLTEが追いかけてくる感じですが、HSPAとは逆の関係にもなります。三つ合わせて考えると・・・

「LTEは追いながらWiMAXと戦う、
HSPAは逃げながらWiMAXと戦う、
つまり挟み撃ちの形になるな」

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餃子騒動でどうも腑に落ちない事(書きにくいけど)

普段あんまり書かない系の話題について書いてみます。

何となく気になっている程度のことなんですが、同じ種類の意見を聞かないので気になっています。また、結論のようなものも実は無いのですが。


◆餃子騒動

今、世間は餃子で騒動になっています。基本的に信じられないような事が起こっているのは事実ではありまして、その点については異論は何もないので今回の記事でも何も書きません。

書きたいのは、ニュースを聞いての皆さんの世間の皆さんのリアクションでについてです。

なにやら事件以来、いろんなものが売れなくなったそうです。国産じゃなきゃ買わないとか、全然関係ないんじゃないかという方面についても売れなくなったりしているそうです。

これについて、どのように書いたらよいのか悩みつつ、書いてみます。


◆残留の問題ではない

昔からある話題の感じで残留が恐い系の話題がよく聞かれるようになりました。しかし、これはちょっと変だなと思えました。

なぜなら今回の事件、残留の問題じゃないからです。また、原因解明で明らかにされつつある生産の様子などを知るにつけ、むしろ予想外に「ちゃんと管理されて生産されている」のだなと思った人も多いのではないかと思います。

今回の事件は、「悪意」で引き起こされています。また、生産ラインはきっちり監視されていて、変な事をしないように見張る仕組みが存在する状況での「悪意」です。

この表現は微妙ですが、要するに今回露見したものは一般的に言う「品質」の問題では恐らくないのではないかと思います。

これまでの問題とは主に、生産者が無知だったり(正しい使い方すら解っていなかったり)、検査がザルだったりしていて、至らぬことが発生していたということでしょう。人間は、全ての作業の全ての側面に完全な結果を出す事は出来ません。ですから、必然的に結果を調整する事になります。やらねばならないこととは、そうやって発生するベストではない部分が「許容できない結果」にならないようにすることでもあります。

今回の事件、何かが至らぬから発生したというよりも、監視をかいくぐっての「悪意」と言うことになります。実際、「残留」ではなくて「添加」されたものでした。

というわけでこのように思ったわけです、
・きちんとした体制が向こうで普通になっていても、今回のような事件は発生していた。
・日本でも同じ事が起こる/起こっている事も考えられる

日本にはそんな事をしようと思う人が(今のところは)居ないだけで、向こうにはそういう人が居るというところが「差」なのでしょう。

例えば(もっとまずい例になっているかもしれませんが)、

・プログラマーがバグを作らないようにチェックして注意する。
とか
・プログラマーがサボってとんでもない設計のコードを作らないかチェックする。

ではなくて
・巧妙に悪意のあるコードを埋め込む奴が居るから恐い

という話になっているという感じです。


◆国内側で責められている人

国内側で関係した各方面での検査体制が不十分だとか言っていじめられているところがいろいろあるようです、言ってみればここぞというばかりにバッシングを浴びせられているようなところもあるように思えます。

ですが、品質不良とは原因が違うので、常識的な検査では見つかりにくいようにも思えます。

例えば抜き取り検査ですが、これは「製品の平均的な性質」について調べるために行うもののはずです。至らぬことになっているかどうかは解りますが、特定の部分にだけ予想していない種類の悪意がこめられている場合には、見つからない事がほとんどになるかもしれません。

また、お客さん(エンドユーザ)は勘違いなどでも苦情などを上げてきますから、実際に問題が発生してもなかなか解りにくい状況もあるでしょう。

もしかすると割ときちんとしていたから現時点で発見できているのかも知れないとすら考えてみたりします。


◆現地での生産の様子を聞いて思うこと

現地での生産の様子を聞いて思うことは、「思ったよりきちんとした体制である」ということです。ものすごくデタラメな状況で生産されているところを思い浮かべたりする事もあると思うのですが、そういう感じでは全くなかったということです。

なんでも日本の商社が指導して作った工場だとかで、日本式の品質管理がそのまま実施されていて、だから輸入して大丈夫という事になっていたのではないかと思います。

何を言いたいのかと言いますと、いろんな分野でこうやって「ノウハウが流出しているのかもしれない」ということです。別に騒ぐ事はないようなレベルのノウハウなのかもしれませんが、しかし、向こうの人間や組織だって育って行きます。

もし、今回の事件を受けて「こういうことへの対策」をしたのであれば、また向こうのレベルが上昇するという事になるのかもしれません。

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738 アッカ問題:NTTコム、イーアクセス(千本社長)の提案不支持表明

しばらく忙しかったので更新に間があきました。

積み残したネタを記事にしてゆきたいと思います。


◆まずおさらい

以前から書いているネタの続きです。まずは簡単なおさらい。

イーアクセス≒イーモバイルの千本社長がアッカの株を突然買い増して筆頭株主となり(ちょうどWiMAX落選で株価が下がっているところでした)、アッカの現経営陣の退陣を要求する(つまり平たく言えば「社長辞めろ」)という騒動がありました。

ポイントは筆頭株主とは言っても一割ちょっとの株しか持っていないために、他の株主の同意を得なければ何も意思を通せないということです。

まず最初、千本社長はアッカの株価低迷を厳しく批判し、現経営陣が無能であると言います。そして勢いに乗って、イーアクセスとの協業などで業績は改善できるとし、アッカの買収もありえることすら発言しました。

イーアクセス、アッカ買収も視野…現経営陣の刷新後
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20080123nt01.htm

ですが、どうやらあんまり賛同を得られなかったようでして、その後、買収についての発言を撤回し、経営統合についても協業についても発言撤回となりました。

一方アッカ側からは、株が突然買い増されたので意図を確認していたところ、突然マスコミ経由から経営陣の退陣要求を知って困惑しているというコメントがありました。

その後アッカは千本社長からの要求を実際に拒否します。アッカとイーアクセス(千本社長)の対立はまず決定的となりました。


◆NTTコムが反対の立場を明確にする

さて、新しい話です。

アッカはNTTと関係のある会社で、具体的には現在でもNTTコム(NTTコミュニケーションズ)が第二位の株主になっています。

千本社長は、NTTコムには今回の騒動で中立を守って欲しいと思っているのではないかと言う事を言っています(過去の記事を参照のこと)。しかし、NTTコムが反対の立場を明確にしてしまいました。

NTTコム、イー・アクセス提案不支持 アッカ問題
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0802/08/news030.html

NTTコムも、現段階でイー・アクセスの提案は経営陣交代に過ぎず、業績向上策が不透明として賛同しない考えだ。

イー・アクセスは3月のアッカ株主総会で提案への賛否を競う委任状争奪戦を準備しており、NTTグループと対立する可能性が強まってきた。

というわけで、これまでのところイーアクセスに賛同する大株主は無く、二番手(持っている株数は近い)のNTTコムが敵に回ってしまいました。

次は2月14日にアッカ自身による事業計画の発表があります。これを受けてまた騒動がある事でしょう。おそらく発表の内容にかかわらず千本社長は事業計画は全くダメである(あるいは実現性が全くない)とこき下ろして従来の主張を繰り返し、アッカやNTTコムは「そんな事はないですよ。それに、文句だけを言っていないで対案をどうして出さないんですか?だって目的は乗っ取りではなくて『アッカの価値向上』なのでしょ?」とやり返すことになるでしょう。

三月が株主総会です。他の大株主は三井物産などが居ますが、半分以上が浮動株、つまり一般に売り買いされている株なので大株主の意向だけでは過半数がとれません。一般株主からの委任状争奪戦になるかもしれないということです。

しかもNTT相手の、です。

◆アッカのポジション、あるいは関連勢力

以下、再確認になりますが、あえてもう一度書きます。

この話、提案しているのは千本社長でして、千本社長というのはイーアクセス≒イーモバイルのボスです。ですから、この話はまずはイーアクセス≒イーモバイルの利益をまず考えた提案です。アッカのためのボランティアであるわけがありません。

そして、イーモバイル≒イーアクセスは現在イーモバイルで大勝負を行っています。よって、この面倒な提案はイーモバイルと何らかの関係があるとも思われます。あるいはイーアクセス≒イーモバイルの出資者(主に外資)の思惑によってとなりましょう。

もしこの話が頓挫すると千本社長にとってかなりの痛手になることは間違いなく、理由無くこのような危険な勝負を行う理由もありません。

ADSL業界自体が先細りですが、アッカのADSL事業自体は比較的優良であるとされますから(私が思うにイーアクセスよりも優良かなと)、まずはアッカにADSL事業以外を実質的に辞めさせれば利益が上がるようになります。しかしそのようにすれば、ADSL市場の縮小とともにアッカは確実に先細って消えてしまいます(だからこそアッカは新事業を模索しているわけですが)。つまり言ってみれば植民地にして資金源にすることが考えられます。

そして、アッカは2.0Ghz帯獲得戦における重要な駒であるという事が考えられます。アッカ+イーモバイルが2.0Ghz帯の獲得に手を挙げた場合には、有力候補になってしまいます。あるいは逆に、アッカとイーアクセスの喧嘩が続く限りは、アッカとイーモバイルの連合は成立し得ないということでもあります。

ADSL方面で見ると、アッカとイーアクセスの連合は三位四位連合になります。ソフトバンクから見るとあまり望ましくない現象でしょう。ソフトバンクからすると、2.0Ghz帯の行方においてもアッカがどうなるかが大きな関係のあることですから、この話は気になるはずです。孫社長、既に何か考えているかもしれません(こういう時にはこの人は侮れませんからね)。

またイーモバイルが転ぶと基本的に携帯電話業界の他社には利益となりますから、この話の頓挫は全陣営にとって有難い現象でもあります。また、イーモバイルを叩き潰せるチャンスと考えると、願ってもない機会ということになります。例えば近く発表されるアッカの事業計画に、他陣営が協力した影が見えるかもしれません。

たしかアッカの事業計画の発表は2月14日となっています。もうすぐです。

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739 一月の携帯純増数、ウィルコムは貫禄の低空飛行

短い記事です。

きちんとした記事をお待ちの方は次の記事(一つずつお読みの方は→、そうでないひとは↑か↓)にお進み下さい(現時点ではまだ執筆してませんけどね、次の記事は)。


◆携帯電話の一月の純増数が発表される

携帯電話の一月の純増数(加入者数の一ヶ月間での増減)が発表されました。

とりあえず結果です。

ドコモ 1万9800
KDDI 8万2700
AU 11万6600
SBM 20万0700
イーモバイル 3万2600
ウィルコム 9500

ちなみにKDDIというのは、AUとツーカーの合算です。

年末くらいからの新しい傾向、SBMが一つ抜きん出る傾向が今月も続いています。KDDIはSBMにだんだん離されて一歩遅れている状態です。ドコモは年末の「無理している状態」(と私が言っていたもの)が終わり、また純増と純減の間に戻りつつあります。ウィルコムは・・・長年の定位置というか低位置というかに戻っています。

イーモバイルは今月から毎月発表になったようです。ただしイーモバイルは現時点では事実上解約の発生しない状態のようなことになっているはずですので、この数字は他社とは同じに比較できない数字ではあります。


◆SBMの「年度」での一位確定の流れか?、そして・・

世間での印象とは異なる感じですが、2007年の純増一位はKDDIになり、ソフトバンクは一歩及ばない感じでした。あるいはソフトバンクの躍進はそれほどごく最近の現象に過ぎないということです。

次は「2007年度」での一位争いになっていますが、例の学生向けのプランもありますし、このままだとソフトバンクが年間一位を獲得する事になりそうです。

そしてそうなるとアレが壮大なスケールで再発する事になります。「2007およそ一位」という新現象です・・・

・ソフトバンク
2007「年度」に「携帯事業者」で一位

・AU/KDDI
KDDIは2007「年」に一位
AUは2007年にも2007年度に一位でした。

ああ、なんとうっとおしい。

しかし広告上手なのはソフトバンクですから、世間の人間にどちらが浸透するかと言えばソフトバンクの一位のような気がします、これまで通りなら。


◆ドコモの年末攻勢はやはり年末限定だった?

12月の数字は割と良かったドコモでしたが、先月に結果について書いたときに「これはドコモが無理しての全力勝負の結果だろう」と書きましたが、今月の数字はそれが元に戻ったような感じに思えます。

つまり、905発売などで12月は大攻勢をかけていて、かなり無理をしてでも2位奪回を意図していたのではないかというような予想で、地区別の純増数でも全地区が不自然に純増なので、ノルマによる無理があったのではないかなと思っていました。で、おそらく12月攻勢でも2位を取れなかったので、これではしばらくは2位復帰は無理だろうと書きました。

で、今月ですが、純増と純減の間くらいに戻ってきました。おそらくこれでも無理はしている数字だと思います。しばらくは純減阻止がドコモの防衛ラインではないでしょうか。

しかし、これも前から書いていますが、携帯市場はすでに飽和もいいところなので、ドコモが純減するのはむしろ自然なことです。というのも、市場シェアではドコモが圧倒的だからです。シェアが多いと解約に「弱く」なるためです。

ドコモが圧倒的なシェアを持っている状態なのですから、ドコモ不調という解釈は間違っているはずです、たとえ多少純減でも。ドコモ不調という説明をするところも多そうですが。

純増数以外の新しい指標が欲しいところでしょう、とくにドコモにとっては。

メトリクスは何でも難しいですね。「見える化」を安易に言っている人には良く考えて欲しいことの一つかもしれません。


◆ウィルコムは「定位置」

ウィルコムですが、昨年末の純減を含む不調時期がありましたが、それ以前からの「伝統的な数字」に戻ってきました。三年以上前から続いていた「微妙な純増」への復帰です。

しかも、もうちょっと頑張れば一万超えで印象が全然違うというのに、ギリギリで一万以下という「おくゆかしさ」です。さすがウィルコムです。そういえば好調時も「あとちょっとで10万」という数字が最高でした。「大台寸止め」もウィルコムの伝統なのでしょうか。

先にドコモで書いたことの裏返しで、ウィルコムはどんどん純増しないと他社に追いつけないので、どんどん純増する勢いで頑張っていただかないといけないのですが、本来は。しかし、昨今の状況を考えるとこの結果でも、「ウィルコムよく頑張った、来月もこの調子で」という感じでしょうか。

とりあえず一月のウィルコムも「貫禄の低空飛行」でした。

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740 KDDIがモバイルWiMAXを「低性能」だと考えている証拠記事を再掲載

KDDI自身のモバイルWiMAXに関する評価を示唆する発言について、記事にしていなかったなと思ったので、記事にしてみます。

これまでに(2007年末~)モバイルWiMAXについてかなり色々な記事を書いてきました。読んでおられない場合にはまずそちらをご覧になってください。


◆KDDIはモバイルWiMAXに「熱狂」していない

これまで継続的に記事に書いてきたとおり、私はKDDIはモバイルWiMAXに「慎重な姿勢」で取り組んでいるように見えます。少なくとも、他陣営などが非常に調子の良い事を言う傾向があるのに対し、KDDIはそのような事を言いませんでした。2.5Ghz帯の大騒動をリアルタイムで観察していた方には「割と明らか」な事実ではあります。

モバイルWiMAXというかWiMAXにまつわる世界的な変な熱については、これまでに書いてきました。特に、モバイルWiMAXが生まれるまでに不自然な経緯(何しろモバイル用じゃなかったわけですから)や、モバイルWiMAXに関わる各陣営の思惑、クアルコムや中国が何故モバイルWiMAXを嫌いなのかについて稚拙ながら説明をしてきました。

日本で(モバイル)WiMAXと言えばKDDIです。モバイルWiMAXには初期から関わっており、本格的な実験もやっています。日本でモバイルWiMAXを一番良く知っているのはKDDIと言える状態でした。

KDDIはこれまでに説明してきた世界の(モバイル)WiMAX各陣営とは違うところがあります。電話会社だということです。

インテルは自分のところの半導体が売れる事が大事です。モトローラは自分のところの基地局が売れる事が大事です。微妙な表現ですが「売れれば良い」のです。しかし、KDDIは巨額の費用で買った設備でちゃんとしたサービスをしなければなりません。

しかも品質にはうるさい日本です、KDDIは高度に現実と向き合わなければなりません。基地局を売る側からすると、調子の良い話をぶち上げて基地局を採用させて売り逃げも出来ますが、KDDIはサービスインして解約だらけになっても逃げられません。

以下、KDDIのモバイルWiMAXについての慎重な発言を引用しますが、私はこれをKDDIの「賢明な慎重さ」「良心的である」という証拠だと思っています。


◆KDDIの2.5Ghz帯争奪戦の終盤の発言

2007年の11月末、2.5Ghz争奪戦の終盤でのKDDIの発言です。ちなみに孫社長の場外乱闘はまだまだこの後、という状況です。まだ帯域争奪戦の緊迫した局面での発言です。

KDDI冲中氏、モバイルWiMAXの現状を紹介
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/event/37396.html

ワイヤレスブロードバンドについて冲中氏は、「はっきり言って、移動性はケータイより劣る」と述べ、「WiMAXについて誤解があり、本来、携帯電話用ではないため、当然3Gのリプレスはない。3Gを強化するデータメインの広帯域、低コストなもの」と紹介した。

割り当て争奪戦がすごいことになっている状況であるのに、モバイルWiMAXに過剰に期待する意見に思いっきり釘をさしています。しかも日本のモバイルWiMAXの代表格のKDDIが、です。

「WiMAXは広帯域と言われるが、本当の意味で広帯域なのは3Gケータイだ。それにデータ通信サービスは、ホットスポットなどを利用した方が高速だろう。WiMAXはそれらの中間にあるもの」と説明。

「無線LAN」との比較についても言及がなされています。


◆「モバイルではなくて、ワイアレスです」

これは先の記事より少し前、9月末での記事です。

KDDI社長、「PC向けデータ定額は検討中」
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMITfa001019092007

以下、小野寺社長の発言です。

――WiMAX事業への参入を目指す新会社の設立が発表されたが、au事業とはどうわけていくのか

WiMAXはauとは市場が違い、全く別のカテゴリーのもの。新会社の名前「ワイヤレスブロードバンド企画」からもわかるように、「ワイヤレス」であり「モバイル」ではない。事業主体は新会社であり、資金面でもKDDIは資本金は出すが資金の貸し付けは行わない。

「モバイルではなくて、ワイアレスです」という発言は他でもあった気がします。これも、モバイルWiMAXの「モバイルとしての性能の悪さ」を示唆させるものです。

また蛇足ですが、ついでに。

――新会社で事業免許が取れなかった場合、MVNO(仮想移動体通信事業者)などでの事業展開を検討しているか

取れると思っているので、取れなかったときのことは考えていない。

KDDI自体での参入排除がなされたけれども、「新会社を作ってでも参入する、我々は諦めないし、我々が日本ではベストのはずである」と気勢を上げていたころの発言なので、これは自信による余裕からではなく、動揺が原因の発言に思えます。


◆KDDIは慎重なのです

「ワイヤレス」であり「モバイル」ではない、というのは良い表現かもしれないと思いました。

前からの記事にも書きましたが、これまでKDDI(au)は技術的に優位でしたが、3.9世代については困った状況になっています。モバイルWiMAXも「ドコモと違うもの」に挑戦しようとしてのことでしょう。技術の違いは競争に優位に働いたり、得意な領域が異なることから「棲み分け」をする種になりえます。

「ドコモと違うもの」と書きましたが「ドコモ」とはLTEですから、「ドコモと違うもの」とは「LTEとは違うもの」のことです。しかし、恐らくながら「現状の」WiMAXはKDDIが期待していたものとは程遠いものではないかと思います。

これからはKDDIは「ほどほど」にモバイルWiMAXを展開して牛歩し、
・LTE
・UMB
・モバイルWiMAX改
のどれを(あるいはどれとどれの組み合わせを)自らの未来に選ぶかを考えるのでしょう。あるいは、「決定を保留できる」というのがKDDIが手に入れた最大の権利であるとも言えますから。

また、これらを踏まえて考えてみると、2.5Ghz帯争奪戦で騒いでいた某陣営はこういうことを解っていたのだろうかとも思えます、改めて。

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741 「ソフトバンクとイーモバイルは犬猿の仲である」という冗談と本当

基本的にネタなのかと思いきや、そうでもなくなってしまうという記事です。

基本的に冗談ですから、その点ご了解ください(怒ったりしないように)。あまり笑いは取れないと思いますが、小噺にでもお使いください。


◆ソフトバンクとイーモバイルは犬猿の仲である

ソフトバンクとイーモバイルは明らかに犬猿の仲なのです。2.5Ghz帯の獲得で手を組んだのにそれはおかしいという人も居られると思いますので、証拠を示しましょう。

証拠:

・両社のCMをご覧になってください。

・どんな動物が出演しているか観察してみてください。

確かに犬猿の仲であることが解ります。

ちなみに、ソフトバンクが犬で、イーモバイルが猿のようですね。犬の方が先ですから、イーモバイルがコンボの原因です。2.5Ghzでの総務省への抗議文に続き、千本社長、地味な攻撃でなかなかやります。


◆イーモバイルを倒す方法も同時に判明

以上の事より、イーモバイルを倒す方法が一つ明らかになりました。

「カニ」を採用するキャリアがあれば、一度はイーモバイルに悪い嫌がらせをされますが子会社が生き残り、蜂とか栗とか臼とかが協力して、最終的にイーモバイルを倒す事ができるだろう事がわかります。

よって、KDDIはモバイルWiMAXの子会社に「カニ」の採用を検討すべきです。


◆バーミアンの子会社になることも同時判明

キジをイメージキャラクタにする会社が現れる必要がありますが、ソフトバンクとイーモバイルの両社は将来的に食料品(スイーツ)と株式の交換で買収されてバーミアンの子会社化する可能性があることも解ります。和スイーツはブームだと聞いていましたが、ビジネスの面でも和スイーツは無視できない存在のようです。

その後、なにか強大で悪い会社を征伐しに行って、かなりの黒字を出す事になると思われますので、今のうちに株主になっておくと利益が上がると思います。

ただし、キジの登場フラグが立たない場合には、カニにやっつけられるシナリオに分岐する可能性もありますので要注意です。その場合株価は下落しますので。


◆犬猿の仲よりも強い表現があることも判明

犬猿の仲と言いまして、これは「とても仲が悪い」ということの慣用表現として知られています。しかし、実際の現象を観察してみたところ、犬と猿よりも、犬と鳩、猿と鳩の方が仲が悪いのではないかという疑惑も発生していると言わざるを得ません(←見ざる言わざるに引っかけてうまいこと言いました)。

犬鳩の仲、鳩犬の仲、猿鳩の仲、鳩猿の仲、というような表現についても次世代の日本語として検討する必要があるのではないかと思います。

また、猿鳩合戦の執筆も急がれます。


◆しかし、犬猿の仲もかなり事実である事が判明

しかし、さらに検討してみたところ、「犬猿の仲」というはやはり再評価されるべきではないかという調査結果もあることが解りました。

ソフトバンク、「イー・アクセスへの訴訟を準備中」(2002年8月2日)
http://www.itmedia.co.jp/news/0208/20/njbt_01.html

確かに、これは仲がよいとは思いがたい状況です。ただし、準備だけで終わってしまったようですが。

ソフトバンクBB、イー・アクセス小畑氏への訴訟取り下げ
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/1260.html

しかし800Mhz帯騒動の際にこういうこともあったようです、

「総務省の主張は100%ウソ」,ソフトバンクが行政訴訟
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NCC/NEWS/20041013/151191/

2.5Ghz帯での騒動は今回だけエキサイトしてしまったのではなく、前からだったことがよく解ります。そして、これに関連して、こういうことがあったようです、

あれは本当に“パブリック”なコメント?~イー・アクセス(2005/02/10)
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0502/10/news103.html

なんと千本社長は総務省を支持して、孫社長にツッコミを浴びせています。まさに犬猿の仲です。

2.5Ghz帯で手を組んだときに「あの両社が手を組んだのか」と驚いた人も居たそうですが、何となくその理由がわかる気もする話です。

ただ明らかなのは、犬も猿も行儀よくないらしいという印象が残る、ということです。

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742 短い記事:携帯の3.9世代以降である意味確実な事が一つ

事情により短い記事です。

面白い?記事はもうしばらくお待ちください。


◆「解らないこと」を念を押す

話の流れのような感じで、モバイルWiMAXについて稚拙ながら色々と書いたりすることになっています。

今のところこのブログではモバイルWiMAXに厳しい意見を書いている感じになっている(読んでいる方からすると)のではないかなと思います。

しかしながら何回か念を押しているとおりに、モバイルWiMAXの評価バブルについては「怪しいぞ」ということは色々書きましたが、モバイルWiMAX自体が将来どうなるかという点になると解らない事が沢山あると思っています。

20世紀に作られた21世紀に関する映画を見ると、ほとんどの場合「二大超大国」が継続中になっています。時にはちょっと考えてみた独自の未来になっていることもありますが(例えば日本が世界を席巻しているとか)、とりあえず当たっているものを見かけることはありません。

2015年にはTD-SCDMAが世界に君臨している、なんて予想をすると完全にアホ予想ですが、しかし、変な事が予想外の連鎖反応を起こしたりして平気でそういうことにもなってしまう事もありそうなのが「現実」の恐ろしいところです。

そしてまた、そういう「思ったとおりにならない」というところが「現実」の面白いところでもあります。


◆しかし割と可能性の高い事

しかし、割と可能性の高い事もあったりします。携帯端末が無駄に高速に通信するのが常になると、電池屋は儲かるだろうということ。

モバイルWiMAXにせよLTEにせよ、従来の方式よりもかなり電力を使う事になると思われるためです。消費電力のうち信号処理が複雑になったために発生する無駄な電力については改良で減ってゆく事も考えられますが、高速通信は本質的に電気を使う面もあります。

AUがcdmaOne(第三世代の手前の技術、という呼び方にしておきましょうか?)をサービスインしたときには、電池が持たないということが良く言われたそうで、初期FOMAでは、朝に満充電だったのに帰宅するまで電池が持たなかったなんていう話もありました。

その後、電池屋さんがパワーアップに励み、回路(チップ)を作る人が省電力に励み、それが何年も続いて現在のFOMAでは電池持ちについては問題の無い状態になりましたが、こういう感じの一連の努力をもう一回繰り返す事になる「かもしれない」ということです。もし、次世代通信技術が前面に出てフルで使われるようになった場合には、そうなるかもしれません。

ただしこれも、次世代通信技術が単独では用いられずに補助的な存在で裏方的な存在に留まるような場合とか、次世代通信技術だけれど高速な通信はしないような使い方ばかり流行った場合にはこの限りではないかもしれません。

とりあえず、「実験ではモバイルWiMAXはこんな凄い速度を出しました」というのを今現在実際にやろうとすると、そんなのモバイルできねえよ、という端末形状・サイズになり、なおかつ鬼消費電力で途方にくれる事になると思います。しかも、超高速通信に見合っただけのコンテンツの処理を行おうとすると、その処理も電気を使って熱を出します。

コンセントにプラグを刺せば問題は解決しますが、それではモバイルの意義が台無しです。

道を阻むものは電波帯域の有限さだけでもなく、高速化技術だけでもなく、消費電力でもあります。どうしても電池屋さんの努力にも頼ることになります。

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743 「ソフトバンク専用の正義」がまた見つかった

(2.5Ghzの)MVNO条件での騒動の再発生の可能性について記事を書きましたが、ソフトバンクがまた自分専用の正義をやっているのではないかというものを見つけましたので書いてみたいと思います。

◆記事

まずは記事です。

ソフトバンクBB筒井氏が「新情報通信法」への要望など熱弁--第24回ICPF
http://japan.cnet.com/news/com/story/0,2000056021,20366354,00.htm

そもそもこの集まり自体がどうなのだろうかと思ったりもするのですが、それは置いておいて記事の要点(と思ったもの)をまとめたいと思います。

・「レイヤー型構造」は興味が無い、むしろ独占事業者に圧力を
・「放送局」「特定無線局」に参入しやすくしてください
・NTT東西が光ファイバを8分岐単位で貸し出しているのはけしからんので1分岐単位にすべし
・8分岐単位で別に問題ない、という国の判断は許せない
・「レイヤー型構造」みたいな無駄な事ばっかり議論して、必要なことが行われていない


◆国とNTT東西を絶賛攻撃中(光ファイバー)

そもそもはADSLに参入した時から、
・独占であるとか不公平であると言って国に圧力をかける
・NTT東西(など)から「権利を剥がす」
・剥がした権利で儲ける
ということでADSL関係の各社はやってきたわけですが、この延長のものです。

ADSLは変な商売で、利用者から電話局までの電線はそもそもNTTのもの、ADSLの装置を置くNTT局舎内の場所もNTTのもの、インターネットへと繋ぐ方の回線もNTTのもので、つまりほとんどNTTの設備に乗っかっているだけで儲かるという変な商売でした。

孫社長は頭が良かったのでどうすべきか良くわかっていて、
・NTTは悪い国は悪い、開放しなさい提供しなさい値下げしなさいと詰め寄って設備を安く手に入れる
・本来日本では使ってはいけないはずだったアメリカ方式のモデムを、安い値段で輸入してきて無理矢理日本で使ってしまう
・NTT局舎の場所をとにかく大量確保、需要に応じてではなく最初に大量確保
・あとはADSLモデムを送りつけるだけで自動的に儲かる

NTTに寄生するだけで自動的に儲かる仕組みに近かったので、ぬるい感じで商売していても大丈夫だったわけですが、孫社長は徹底的にやってADSLで大勢力となりました。

通信屋というと普通はインフラ勝負なはずなのですが、ADSLは何の商売なのかよく解らない感じです。
・NTTから剥がせるものは剥がし尽くす
・他の新規参入が手を出す前に押さえられる権利は全部押さえ尽くす(例:NTT局舎の場所を無駄に占拠して他社に迷惑をかける)
・安価なADSLモデムを大量購入
・超攻撃的な販売で早期に市場制圧
・利益は市場制圧を行ってから

消費者の立場、あるいは国民の立場から見てこういう流儀が立派に見えるかという重大な問題はさておいて考えると、商売人としては孫社長は頭が良かったということになります(これは褒めています)。

そして時間が経ち、光ファイバーがもてはやされる時代になりつつあります。光ファイバーがADSLと違うのは、ADSLは元から引かれている電話線を使うだけで済むのにたいし、光ファイバー自体を利用者宅まで引き込まないといけない点です。インフラを作るところからしないといけないのです。ほとんど何もしなくていいADSLとは状況が変化しました。ルールが変わってしまったわけです。ADSL時代の勝者としてはルールの変更は困った現象です。

そこでまず携帯電話に商売のバリエーションを広げつつ、光ファイバについても引き続き「NTTから剥がせるものは剥がそう」ということで商売なさろうとしている様子です。

そういうわけで光ファイバーをもっと安くもっと有利な条件で貸せ貸せ攻撃を現在なさっています。ADSLの時と同じ感じで。

「NTT東西が光ファイバを8分岐単位で貸し出しているのはけしからんので1分岐単位にすべし」というのもその一環です。それに対して国は、NTTの言う設備側の事情を考慮すると8分岐単位で問題ないという回答をしていて、これが不公平だと騒いでおられるわけです。

しかし(面白い事に)この会場からも、「その(国への)要求は変じゃないですか?」というツッコミがあったようですね。


◆「レイヤー型構造」には興味がございません

レイヤー型構造というのは、『CODE』という有名な本の著者のローレンスレッシグなどが主張してるらしい通信業界の新しい公平な競争のさせ方のことです。

#邪悪なリンクを張りました

ちなみに『CODE』ですが、インターネットの自由と規制のことや著作権のことについてインタレスティングな事が書いてある本なのですが、翻訳が山形活生なので妙に馴れ馴れしい文体で訳されていて読みにくい点以外は読むべき本です。内容的には一般人でも大丈夫な難しさです。

CODEはかなり以前に読みましたが、その後の著作は忙しくて読めていないので、もしかしたら以降の著作に「レイヤー型構造」についてまんま書いてあったりしたらどうしようと思いつつ書いていたりもします。

脱線しましたが、「レイヤー型構造」簡単に説明するとこういう感じに事業活動を分離し、それぞれ別の層に対しては公平に中立に振舞わせるという案、だったはずです(実は記憶のみに頼って書いています)。確かですが、

・物理層
・論理層
・コンテンツ層

物理層は通信インフラそのもののこと。論理層はネットのある地点からある地点に通信ができるようにする仕組みのレベル、コンテンツ層はその上で展開する各種サービス・コンテンツということになります。

ポイントは上記の三つに必ず分けることではなく、合理的な方法で幾つかの層に分離する事だと思ってください(だから、上記の三つが間違っていても勘弁してください)。

競争はあくまでもそれぞれのレイヤー内(層の内部)で行います。レイヤーをまたいでグルになって商売をしたりせず、他のレイヤーのプレイヤーは全て公平に取り扱うという案です。何が禁止されるかというと、コンテンツ層と論理層が一体となって何かをする事や、論理層がコンテンツ層への待遇に差をつけることは禁止され、中立的に公平に扱うことが義務になります。

例えば、YouTube(コンテンツ層)のトラフィックを下層が選択的に制限するような事はダメ(公平に取り扱っていない)。回線とコンテンツを抱き合わせで顧客に販売するのもダメ、そういう感じです。違う層のプレイヤーは公平に扱い、不公平にとりあつかったり、接続や利用を拒否したり、待遇に差をつけてはならなくなります。

動画配信サービスは動画配信サービス同士で、動画配信サービスとして競争する。回線提供をする業者は回線を提供する業者の間で競争する。回線とサービスがグルになって他を圧倒しようとするようなことは、健全な発展やインターネットの自由にとってよくないので止めさせようということです。

まあそういう感じの主張です。

これについてソフトバンクの人は「そんな役に立たない理想論みたいな話は止めるべきだ」的なことを言っています。何故そう言っているかというと簡単です。分離させられるとソフトバンクが困るからです。回線接続の部分とヤフーのようなコンテンツの部分を抱き合わせにして顧客に売る事をようなことをやっていますから、そこを分離させられて「公平な競争」をさせられると、困るわけです。

ですから、「レイヤー型構造」はソフトバンクにとっては困る考え方なので止めてもらいたいのでしょう。

だから、「レイヤー型構造」(都合の悪いもの)は役に立たない理想論だから止めるべきだというようなことを言い、そして「レイヤー型構造」よりも独占企業への対処が(NTTからもっと剥がしたい)優先されるべきで不十分だ、と仰っているわけです。自分の都合にあわせた「正義」になっているというわけです。

まあ世の中は大抵そういうものだとは思いますけれども。

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744 エリクソン(LTE陣営)が新兵器の試験に成功、次に割り当てられる2.0Ghz帯でLTEが可能になった?

エリクソンがTDDモードのLTEの試験に成功したとのことです。これが何を意味するかに付いては以下で説明をします。

◆TDDモードでのLTEの実験に成功

以下のとおり、エリクソンが、TDDモードでのLTEの実験に成功したそうです。

スウェーデンEricsson,TDDモードのLTEをデモ
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080201/292771/

元の発表(英語)
http://www.ericsson.com/ericsson/press/releases/20080130-1186619.shtml

これまでに書いてきたとおりエリクソンはLTE陣営の重鎮で、そこがなにやら試験に成功したという事であります。

◆TDDモードとは

「TDDモード」とは下り(基地局→端末)と下り(端末→基地局)の通信に同じ周波数を使い、「時分割」で上がりの通信とくだりの通信を切り替える方法の事を言います。

これに対応するのは「FDDモード」です。これは、下り(基地局→端末)と下り(端末→基地局)を別々の周波数(周波数分割)の通信で行います。

TDDな方式としては、PHSや次世代PHSやモバイルWiMAXやTD-CDMAやTD-SCDMAなどが挙げられます。現在利用されている方式ではFDDな方式が大半で、具体的にはGSMやPDCやW-CDMAやCDMA2000や(普通の)LTEなどが該当します。

上下の分離の仕方が違うと何が違うかというと違うところは色々あるわけですが、今回発表資料に書かれている点に関係するのは「周波数帯の感じが違う」という点です。

TDDモードは時間で分割します。ですから、上がりと下りは周波数帯を共用します。つまり、帯域は一つあればそれで大丈夫という事になります。しかしFDDモードでは上がりと下りは別の周波数で通信をします、つまり、帯域は上がり用と下り用の二つが必要になります。

FDDでは帯域は上がり用と下り用が別だからといって、何も変わらないじゃないかと思うかもしれません。しかし、上がり用と下り用の周波数が隣接していると、上がりと下りの通信が混信してしまう/あるいはうまく分離できなくなってしまいます。つまり、上がり帯域と下り帯域を離す必要があります。しかし、周波数帯があまり離れるとアンテナなどの周波数で設計を変えないといけない部分が共用できなくなります。つまり、ほどほどの間隔で離れている必要があります。

よって、携帯電話用の帯域というのは(一般的な方式がFDDということもあり)、上がり帯域と下り帯域がちょうど良い間隔でペアになっている形で用意されている事が多いのです。逆に言えば、ペアになって居なければ携帯用には使えないということです。

ところがTDDでは上がりも下りも同じ周波数を使います。したがって帯域がペアになっている必要性はありません。

つまり、携帯用の帯域とは
・FDD用にペアになっている帯域
・TDD用の帯域(ペアになっていない)
という感じで分類できるという事でもあります。


◆日本の2.0Ghzや2.5GhzもTDD帯域

エリクソンの発表資料によると、世界の携帯用の帯域のほとんどはFDDな帯域で90パーセント以上だそうで、TDDは10パーセント以下しかないという事です。しかし、それは存在しないという意味ではありません。

現に日本でこの間まで大騒ぎになっていた2.5Ghz帯(結果的に?)も、これから争奪戦になるであろう2.0Ghz帯も、両方ともTDD用の帯域です。次に割り当てられる2.0Ghz帯がCDMA2000やW-CDMAなどに使えない(まともな方法では使えない)のも、FDD用ではないためで、ペアではない連続している15Mhzだからです。

そして、エリクソンの発表は「TDD帯域で使えるLTE」の実験に成功した、というものです。さらに、FDD用の機材と同じものでTDDモードにも対応させることに成功したと発表しています。つまりFDD/TDD兼用基地局が開発されうるということになります。LTE陣営は一種類のハードウェアを量産し、それはFDD用にもTDD用にも使える基地局であるというようなことになるかもしれないということです。

また「とりあえず試験には成功した」というレベルの状態のはずなので(そうじゃなかったらすみません)、実用化できるのはしばらく先になると思いますので、日本の2.0Ghz帯で利用するのはちょっと難しいのではないかとおもいますが、可能性としては

次に割り当てられる2.0Ghz帯でLTE(TDDモード)をサービスインできる可能性がある。

ということにもなります。考え方によっては超展開です。


◆注意すべき点

いわゆるLTEと同一ではない:

注意すべき点は、LTEとは言っても通常言われているLTEとは違うものであるということです。ですから可能性としては、通常のLTEは素晴らしい性能に仕上がったがTDDモードのLTEはお笑い性能だとか、LTEが世界標準になってLTE対応電話機は世界中に溢れているが、TDDモードのLTEの電話機はほとんど存在しないとかそういうこともありえます。

何を言いたいかというと、2.0Ghz帯でLTEが使えるという理解は要注意だということです。

この手の最高速度の発表にはあまり意味がない:

で、次に注意して欲しいのは「速度に関する発表内容」です、これは毎度毎度なので暗記しておくと良いのですが、

空間分割多重通信の手法として2×2のMIMO(Multiple Input Multiple Output)を利用することで,90Mb/sを超える通信速度を実現したという。

ちなみに通常のLTEでは160Mbpsを出したとか言っています。しかし、これらの数値についてはそれほど気にする価値は無いと思ってよいと思います。

実のところ大雑把に言って、モバイルWiMAXもLTEも次世代PHS(XGP)も、速度面に関しては似たようなテクノロジーを用いていますので、「理論上の最高速度」については(同じ高速化の細工を用いれば)あまり差が出ません。実運用での速度の差は当然出るでしょうが、こういう発表でなされるのは「理論上の最高速度」のような速度値です。

実際にサービスインした際に問題になるのは、実際に製品として実現できる通信方式で、実際の利用環境において、ちゃんと繋がって遅延したりせずに安定して速度が出るか出ないかということになります。そういう状況を示すものからは程遠い数値です。

その他:

TDDモードのLTEが対応する帯域幅について、エリクソンの発表では、1.4Mhz~20Mhzとあります。これは別に、携帯キャリアに割り当てられる全帯域が1.4Mhz~20Mhzである必要があるということではありませんから、2.5Ghz帯でも2.0Ghz帯でも利用可能ではないかと思われます。

同じことを思った人は多いと思いますが、こうなってくるとTD-SCDMAの存在意義がさらに怪しくなってくるように思えます。元から微妙なポジションでしたが。

また、2.0Ghz帯域にTDDなLTEで手を挙げるところが出てきたりしたら面白いかもしれません。まあ、今のような状況では候補として考えるのは止しておいたほうが良いと思いますけれども。

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745 KDDIのWiMAX基地局はTu-Ka跡地使いまわし、が良い説/ボーダフォン3G化する説

今度は2.5Ghz帯のWiMAXに関する話題です。

執筆する時間が無いので、書こうと思っていることがあまり消化できていません。この記事もちょっとへろへろで書いています。お許しください。


◆KDDIなモバイルWiMAXの基地局はツーカー跡地に

前から発表されていたことではあるのですが、東名阪(東京・名古屋・大阪)のKDDIなWiMAX基地局は三月で停波するツーカーの基地局跡地を利用します。

ツーカー跡地に基地局整備・KDDI系のWiMAX、09年夏に本格開始
http://it.nikkei.co.jp/mobile/news/index.aspx?n=MMITzx000030012008

以下はちょっとなあ、とも思います。

総務省のルールでは携帯電話のサービスをやめたら基地局を撤去しないといけない。

その代わり基地局が既に立っている状態で地主がいきなり騒いでも撤去できないようになっているとかですが、基地局を作るのは大変ですから、できるだけ有効利用できるようになっているほうがいいのではないかなあと。

そしてこのブログでよく書いているとおり、基地局設置場所の用意は大変なのだという話も。

そもそも基地局の設置にかかる80%の時間は用地取得だ。それが必要ないのでスムーズに進められる。

ツーカーの停波のタイミングとモバイルWiMAXサービスインのタイミングを考えると、完璧なタイミングでの場所の引継ぎということにもなります。これが前々から計画されていたことなのか偶然なのかどうかはわかりませんが、それにしても絶妙なタイミングです。KDDIはモバイルWiMAXに本当に真剣だったんだな(万事が事前に計画されている)と思える話でもあります。


◆ツーカーの基地局設置場所を使いまわすことでどうなるか予想

ツーカーの基地局設置場所を再利用すると何が起こるでしょうか。まず、記事にあるとおりKDDIのエリア展開が楽になり、早くなることは予想できます。

それ以外の点、エリア品質の点について少し考えてみたいと思います。

ツーカーの基地局は
・1.5Ghz
・PDC(第二世代)
・東名阪だけ
・エリア的には今ひとつ
といった感じでしょうか。

これをモバイルWiMAXに転用したらどうなるのかちょっと考えて見ましょう。


◆良い説

まず第二世代(PDC)では、(同じ周波数の)セルが衝突すると衝突した部分では通話不能になるため、基地局を自由な場所に配置し難いので、基地局は割ときれいな配置になっている可能性があります。

基地局の場所の確保は大変ですから、これからきれいな配置の場所を用意するのは大変だと思われます。ですから、この点は良いことでしょう。

また、モバイルWiMAXは(今のところ)PDCと同じくセルとセルが衝突すると不味いはずなので、セルが重なっちてしまわないように作ってあるはずのPDCの基地局設置場所の再利用は悪くない話に思えます。

また、元の記事でも言及がありますが、ツーカーの基地局は東名阪にしかありませんので、それ以外の地域については新しく場所を用意するか、AUの基地局に寄生させる必要があります。しかし、東名阪だけでも早期サービスインできればイメージ的には勝ちでしょう。


◆悪い説:ボーダフォン3G化する説

実は過去に、1.5GhzPDCの場所を再利用していたのではないかと思われる例があります。ボーダフォン3Gの初期段階です。

結果から言うと、ボーダフォン3Gの初期段階ではエリア的には問題ありの状態でした。

同じく基地局の設置場所を新しく用意するのは大変であるために、既存の第二世代基地局にW-CDMAの基地局を整備した例が結構あったようで、そしてそれがエリア的問題を生じさせているのではないかという話がありました。

1.5Ghzでのカバーを前提に基地局が配置されていたため、1.5Ghzで電波が届く距離前提での基地局間隔になっており、2.0Ghzでは電波の飛びが1.5Ghzよりも劣るために1.5Ghzではカバーできていた基地局と基地局の間に穴が空くようになってしまったという話しです。

通常は周波数が上がると一つの基地局で広い範囲をカバーする事が難しくなります。例えばAUの基地局は比較的に少ないにもかかわらずエリアでは定評があり、FOMAはエリア的な問題を解決するために非常に沢山の基地局を建てる羽目になりましたが、これもAUは800Mhz帯でFOMAは2.0Ghz(2000Mhz)だったということが関係しています。

ですから、ボーダフォン3Gの例では、本来2.0Ghzの基地局配置は1.5GhzPDCよりも配置を密にすべきであったのに、場所をそのまま使いまわしたのでエリアに穴が空いたという予想です。

そして今回の基地局転用について考えてみましょう。
・1.5Ghz→2.5Ghz
・PDC→モバイルWiMAX

周波数に関しては、2.0Ghzどころではない2.5Ghz帯です。電波の飛びはさらに悪いわけです。モバイルWiMAXであることがどう作用するかについては解りませんが(展開方法にもよると思われますし)、モバイルWiMAXはこの状況にとりわけ得意な技術だとは思えなかったりします。

たとえばツーカーでエリア的に少し良くなかった場所が、転用後には壊滅的になるとかそういうことは起きるかもしれません。そしてその場所だけ別途カバーしようとしても別の干渉が発生してしまうためにそれも難しくなる状況なども考えられるかもしれません。

ボーダフォンが間抜けだっただけで、事前に無線技術についてきちんと理解して計画していれば問題ない話なのかもしれません。ですから、ボーダフォンとの比較自体無意味かもしれません。しかし、同じ事が起こる可能性はあるかもしれません。


◆KDDI陣営は結局KDDIそのものだったという印象

今回の帯域割り当てでは、既存キャリアの参入は禁止されていたはずですが、結局KDDI自身が参入しているかのような状況です。元の記事もそして私が書いている記事も、KDDIが参入しているかのような書き方で書いています。

そもそも、ツーカーの基地局はKDDIのものなのであって、モバイルWiMAXの会社は既存キャリア排除方針で出来た会社のはずですが、「ツーカーの基地局がモバイルWiMAXに転用される」という話を聞いても、なるほどKDDI内部でうまいことやってるね、としか思えなかったりします。

既存キャリア排除方針はあんまり意味が無かったなあと改めて思う次第です。

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