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737 エリクソン(LTE陣営)がHSDPAをThinkPadに載せて、モバイルWiMAXに喧嘩を売る

前からの流れの記事です。

モバイルWiMAX関係の記事はここしばらく(去年の終わりごろから?)多量に書いているので、まずはそちらをご覧下さい。続きな感じですので。


◆レノボのThinkPadにHSDPAモジュールが内蔵される

念のために説明をしておくと、レノボというのは中国の企業で、IBMが売りに出したノートパソコンの事業を引き取ったところです。ThinkPad、つまりあの黒くて四角いノートに、エリクソンのHSDPA(HSPA)モジュールが内蔵されている機種を出す事が決まっているそうです。

MWC:「明日のWiMAXより,今日のHSPAを」――Ericsson社
http://www.nikkeibp.co.jp/news/manu08q1/560987/

以前書きましたとおり、エリクソンはスウェーデンの世界的な通信関係の会社でして、GSMのボス的なところで、LTE陣営なところです。そして、モバイルWiMAXに批判的なところでもあります。

以前の記事でエリクソンが、モバイルWiMAXはポテンシャルが無く、いいところHSPAつまり3.5世代/3.7世代あたりと同じ程度なのであり、いまさらモバイルWiMAXを1から整備するのは疑問である、というようなことを言っているという記事を書きました。

そして、言っているだけではなくて実際にHSDPAでモバイルWiMAXに対抗するものを作ってしまったようです。

モバイルWiMAXは基地局を作るところからまだ行われていないわけですが(韓国のモバイルWiMAX「のようなもの」はサービスインしていますが)、一方でHSDPAは世界のあちこちでサービスイン済みです。また、W-CDMAをサービスインしているキャリアにとって、多くの場合HSDPAにも対応させることはあまり難しくないために、世界的な普及の点において心配は無いとしています。

エリアの安定性や移動時の性能については、色々と批判を受けているモバイルWiMAXに対し、HSDPAは元が携帯電話の技術ですから問題はありません。

最高速度の点についてはモバイルWiMAXが勝りますが、エリクソンはHSPAも高速化をすると言っています(ただし、基地局のバージョンアップもしないといけない)。また、どちらにせよLTEが出てきた時点で、モバイルWiMAXの優位さは無くなるという主張です。

基地局自体のコストについては、既存の基地局網のアップデートで済むので、HSPAやLTEの方が安上がりだとしています。

モバイルWiMAXはインテル様がパソコンの基本機能に入れたいと言っているわけですが、エリクソンとしては「ノートパソコンに簡単に実装できるモジュールを作りました」ということだそうです。おそらくそのうちにこのモジュールはLTE対応にもなるのでしょう。

そして、モバイルWiMAXが新しく行うと言っていることもこのモジュールでやると言っています。

さらに第3の段階として,カーナビゲーション・システムやゲーム機,デジカメなどにも装備されるようになる。2011年以降,こうした市場の広がりを見せるだろう。

例えばノキアは(商売上の建前なのか本音なのかはわかりませんが)LTEとは「住みわける」という立場を取っています。しかし、エリクソンのこの発言が何処まで本気かはともかく、モバイルWiMAXの懐まで攻め込んで潰してしまうよ、と言っているようなものとなっています。


◆レノボはKDDIとも同じ事をやっている

レノボはKDDIと実は同じような事を既にやっています。EV-DOに対応したノートパソコンを既に発表しているのです。CDMA2000陣営対応のモジュールを内蔵したものは既に作っているということです。

モバイルWiMAXはインテル様がパソコンに標準搭載させたいといっているから有利である、という話は、結局この程度だったということかもしれません。確かに、インテル様が用意するチップセットにバンドルされているのとモジュールを買ってきて載せるのには差がありますが、少なくとも今のところは決定的な差ではなさそうです。

「明日のWiMAXより,今日のHSPAを」とあるとおり、モバイルWiMAX対応にしても今は全く役に立ちません。しかしHSDPAならば今すぐ使う事が出来ます。よって今すぐ普及開始することが可能です。

モバイルWiMAXとLTEの競争の場合、モバイルWiMAXが先に走ってLTEが追いかけてくる感じですが、HSPAとは逆の関係にもなります。三つ合わせて考えると・・・

「LTEは追いながらWiMAXと戦う、
HSPAは逃げながらWiMAXと戦う、
つまり挟み撃ちの形になるな」

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コメント

2G 3G  4G
GSM―HSPA―LTE というブリッジですね。

エリクソンとしては4GまでのブリッジにはHSPAで必要十分であると。
このきれいな直線の外で横道にそれる必要なし「3.9Gなど存在しない!HSPAの先に4Gがあるのみ」ということでしょうか。

3G:成長性・超スゴイ
WiMAX:成長性・超ニガテ

北米のWiMAX陣営の後退に伴い、エリクソンの叫びが聞こえるようです。
「勝った! 第3G・完!」

投稿: TT | 2008/02/12 20:04

技術論とはべつに、WiMAX追想を。

日本第3位が2.5GHz帯にWiMAX2社をというゴリ押しには、リセット期待があったのではないか。

3位自身が取れなくても、1位2位がWiMAXに着手してしまえば目的の過半は達成したのではないか?

将来的目的:FTTH的存在のLTEが遅れればそれでいい
現在的目的:CDMAの設備の差をリセットし、WiMAXレースのスタートラインに一線横並びになりたい。

エリクソンの語るストーリーでいくと、HSPA(2位はEV-DO)の神通力はCDMAのインフラの上に宿るから
現在のインフラの格差が、プレ次世代に温存される形になりますな。
それを嫌い、WiMAXが本当に福音であるかカンケー無く日本に持ち込ませたかったのではないかとか妄想。

投稿: TT | 2008/02/12 22:41

アッカやイモバその他DSL事業者がMVNO(インフラはMNO負担の前提で)ワイアレス事業を始める場合
WiMAX方式にすることと、XGP方式にすることに何らかの差がありますか?

思いつくのは端末調達コストぐらいなもの
たとえばアッカ版EM-one(仮称アカone)メーカが世界から部品調達して低コストで開発できるというぐらい。

他には、何でしょう。
あとは、インフラ展開速度がKDDI:willcomでは段違いだろうという見込みでしょうか
しかしそこはソレにたいする「社運の賭けっぷり」に寄る処が大きいのではないでしょうか
(ご指摘の通り、KDDIは二股の気があり、willcomは後がない状況であります)

DSL事業+αという稼業には海外の趨勢・国際規格に、決定的な影響を受けないものと思います。
実際NTTとYBBのDSL方式は異なりますが並存しますし。
海外で営業するでなし。ドメスティックというか、国内でのサービスの質が重要ですね。

しかもMVNOはLTEと後々二股かければ良いわけで。
アカ2にLTE-SIMを挿せればいいので。
んーLTEにパートナーが移る可能性も考えるとKDDIはやっぱり二股作戦しかないわ。

投稿: | 2008/02/13 12:57

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