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732 モバイルWiMAXやSuper3G/3.9世代/LTE関係のニュースで注意すべき点(復習)

わざわざ記事にする必要については微妙だと思いつつ投稿します。

(おそらく?)短い記事です。


◆理論上の最高速度はあんまり問題ではない

実は過去の記事ですでに書いていることなのですが、同じ勘違いをしている人を沢山見かけるので、単独の記事にしてみたいと思います。

相変わらずながら、「WiMAXでは70Mbpsが出ます(発表)→もう携帯電話なんて古い!」とか、「LTEではさらに上の160Mbpsが出ます」というようなことを見かけますが、LTEやらモバイルWiMAXのスペック上の最高速度については、実は(現在のところは)それほど気にしても仕方がない数値なので注意してください。

#モバイルWiMAXについては意図的にこの種の誤解が広められていた気もします。

モバイルWiMAXもLTE(も次世代PHSも)、理論上の最高速度に関しては技術的に似たようなものなので、理論上の最高速度についてはほとんど似たようなものです。

つまり、LTEで160Mbpsが出るならば、モバイルWiMAXでもおおよそそれくらい出せるであろうということであり、XG-PHSでもおおよそそれくらい出せるだろう、ということです。

なぜかと言うと、互いに通信方式の理論上の最高速度に関係する部分が似ているため、
・同じ帯域幅で
・同等の高速化テクニック(MIMOなど)を用い
・同じような環境(ノイズなど)
では同じような事になるはずだからです。

ちなみに160Mbpsを出せる状況・出せる端末というのは、現在のところ実際に使うのはかなり厳しい感じです。


◆実際にサービスインしてからの速度こそ問題

本当に問題になるのは、実際にサービスインした時にどの程度の速度が安定して出るかです。そしてこれは、現在発表されている速度発表競争の数字とは関係ない数字になるでしょう。

また、速度は通信に用いる帯域幅にも依存します。速度競争的な発表では基本的に20Mbps幅での性能が発表されています。しかし例えば、KDDIのモバイルWiMAXはおそらく10Mhz幅で(場合によってはそれ以下で)サービスインする事になります。

電波状態はいつでも理想的ではありません。また、携帯電話のような機器でのMIMOの利用は当面難しいはずです。さらにこの「最高速度」は通信あたりの最高速度ではなくて基地局あたりの最高速度なので、基地局を占有できないと速度は落ちます。
100メガくらい出る、とか思っていると大変にがっかりすることになると思います。

例えば、KDDIのモバイルWiMAXは速度が出る場合でも10Mbpsくらいだったとしましょう(根拠のない仮定)。おそらくガッカリする人は沢山出るはずです。しかしこの数値がMIMOなしで10Mhz幅での数値なら、そんなに悪い数値でもないはずです。何よりHSDPAよりも上ですし。


◆「モバイルのFTTH」という表現は誰が考えたのか?

誰が言い出したのか、LTEやモバイルWiMAXを「モバイルのFTTH」などと呼ぶ事があります。

おそらく固定のWiMAXが70Mbps出る(理屈の上では出る)という話が、いつのまにかモバイルWiMAXの話に間違って置き換わってしまい(何十キロも飛び、ものすごく速度が出て、120kmの移動でも・・という典型的な誤解)、さらに70Mbpsは光ファイバ並である、とたまたま誰かが思った事が広まったか、解っていて誤解が計画的に広められたのかはわかりませんが、まあそんな感じなのではないかと思います。

「モバイルのFTTH」というのは使いやすいフレーズなので、ニュース記事にも出てきたりして伝染しているような感じもします。3.5世代をADSLと呼び、その流れでFTTHと比喩したい気持ちも分からなくないのですが、誤解を招く表現ではないかとも思います。

容量的に勝負にならない固定回線と無線との比較自体がどうかという感じでもありますが、もし比較するとしてもADSLとの比較がせいぜいなところではないかと思います。


◆「LTEで実験してこんなに速度が出ました発表」が今後ある思いますが

今後LTEなどで、「わが社で実験してしてみました。その結果こんなに速度を出す事が出来ました(すごいでしょ?)」、というような発表が今後何回もあるのではないかと思います。

ちょっと極端すぎますが、変な比喩を考えてみると、

・松任谷正隆が、開発中の次世代スポーツカーに試乗しました

偉いのは車を開発しているところで、車を貸してもらって試乗した人ではありません。素晴らしい走行結果は松任谷正隆の手柄ではありません。

ただし、開発を行っているところ自体が行っているテスト運用は話が別です。例えばしばらく前に記事にした「エリクソンがTDDモードのテスト運用に成功した」という件ですが、これは技術開発が進んでいる事を示すためのものですから意味が違います。区別しなければならない結果があるということです。

「実用無視速度+開発してない会社がただ実験室的に動かしてみただけ」は立派に見えてもあまり意味はありませんのでご注意ください。その程度ならアイピーモバイルだって何度もデモを行っています。

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コメント

先日のMWC2008で本項の内容を裏付けるデモをモトローラがやっていたようです。

5MHz幅で下り16Mビット/秒,米モトローラが動くLTEをデモ
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080214/293819/

>5MHz,MIMOなしのシステムで
>下り最大16Mビット/秒程度,上りも10Mビット/秒で動作

LTEも上下合わせて10MHz幅での速度性能は、
結局XGPやmobileWimaxと同等(下り20Mbps、上り10Mbps程度)ということが分かります。

投稿: | 2008/02/19 23:36

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