729 アッカ問題:アッカの社長が退任することに、しかし「イーモバイルの要求は拒否します」、千本社長は要求撤回
アッカの話題の続きです。
年明けから騒動の続くアッカでまた新しい展開です。
◆アッカの社長と副社長が退任する事に
イーアクセスの要求をはねのける事に事実上成功したアッカですが、そのアッカが次に取った行動は「社長と副社長の交代の発表」でした。
まあとりあえずビックリではあります。完全に予想外かと言えばそうでも無い気もしますが。
とは言っても今すぐ辞任をするわけではなく、(形式上)一年ごとに「今年も社長を引き続きやってもらいます」というのをせずに、新しい社長に交代することに決まったという話です。
次の社長は41歳と若い人で、アッカの創設メンバーの一人が選ばれました。アッカの記者会見でもイーアクセスの要求によるものではない、との説明がなされています。
「イー・アクセスの提案によるものではない」,アッカが社長交代で会見
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080221/294419/
後任となる須山執行役員は現在41歳で,アッカの創設メンバーの一人。同社のネットワークのオペレーションを統括して,サービス品質向上などに貢献しており,「現在のアッカのビジネスを支える最適の人材であり,(取締役会でも)全員一致で推挙した」(木村社長)。須山執行役員は「企業価値向上のため,既に発表した事業戦略,成長戦略を確実に実行していく。無線ブロードバンド事業にしっかりと取り組み,大きな柱にしたい」と抱負を述べた。
アッカの新社長候補が会見、「イー・アクセスとは良い話し合いを」
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/02/21/18549.html
新社長に就任予定の須山勇氏について木村氏は、「アッカ・ネットワークスの創設以来、ネットワーク事業の管理・オペレーションをすべて統括してきた人物。足元のネットワーク事業を固めて利益を創出しつつ、新規事業に取り組んでいくという事業戦略を支えていく上で最適と考え、推薦した」と説明。取締役会でも全員一致で推挙されたとした。
今回の役員交代案については、イー・アクセスには株主提案を受けていたという経緯もあり、事前に説明はしていないとした。
まあ(少なくとも説明の上では)アッカは自主的に自分のための社長交代をしたということのようです。木村社長は自分の身分よりもモバイルWiMAXの責任を取り、アッカを磐石にして去ろうと思ったということなのではないかなと。
#見えない大人の事情があって、予想とは全然違うかもしれませんが
アッカ(2.5Ghzでの行動)については私は褒めては居なかったのですが、現在の社長さんは悪気のある人であるようには見えませんでした。あるいは、後日こういう事を書こうとも思っていた次第です。例えば、(短期的には)何もしない(ように見える)社長が組織を結果的に救う事もある、とか。
例えば、ADSL事業者がモバイル事業の参入で逃げ道を探している現在の流れ自体が大間違いだった場合、アッカは結果的にですが「遅れる」ことによって救われる事もあり得ますから。馬鹿な大決断よりは、思いつかないから何も出来ずにいるほうがまだましだということですが。
◆千本社長、アッカへの要求を取り下げる
千本社長ですが、要求を取り下げてしまいました。
イー・アクセス、アッカへの株主提案撤回
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080221AT1D210BX21022008.html
委任状争奪戦になっていたら大負けして大恥を書いていたでしょうから、まあいいところで話を終わらせるきっかけがあってよかったなあというところでしょう。
千本社長がアッカの占領を目指していたとしたら、今回の交代で当分は実現が困難になってしまったともいえます。また、株価が目的だったとしたら、こちらも劇的に上がる事はしばらくなさそうです。大恥をかくことはなくなったようですが、今のところ負け戦っぽいですね。
そしてまた、「自分の手柄」にしています。言うのは自由ですから。
イー・アクセスは社長交代をはじめとするアッカの取締役候補案について「当社の株主提案が引き出した結果」と評価した。
アッカとイー・アクセスが正面衝突する事態はひとまず回避されました。しかし、アッカは既にドコモと握手をしてしまっており、また、険悪な空気もまた残ってしまいました。一応これでしばらくはまた静かになりそうですが、これでおわりではない気もします。
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